JP4768549B2 - 光通信用の信号光を増幅するためのラマン光増幅器,ラマン光増幅器を備えた光通信システム,およびラマン光増幅器の制御方法 - Google Patents

光通信用の信号光を増幅するためのラマン光増幅器,ラマン光増幅器を備えた光通信システム,およびラマン光増幅器の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は,光通信用の信号光を増幅するためのラマン光増幅器,ラマン光増幅器を備えた光通信システム,およびラマン光増幅器の制御方法に関する。
大容量通信が可能な長距離伝送光通信システムのネットワークを構築するための技術として,複数の波長の信号光を一括に増幅して,密度の高い情報量を伝送する波長多重伝送技術が用いられる。
波長多重伝送技術において,信号-雑音特性に優れた長距離の光伝送システムを実現するために,ラマン光増幅器が使用される。ラマン光増幅器は,光ファイバ伝送路内に高強度の励起光を入射することにより,その光ファイバを増幅媒体として利用する増幅器である。
ラマン光増幅器は,図1に示すような,光ファイバにある波長の励起光を入射すると,励起光の波長に対し,およそ100nm程度の長波帯域にラマン増幅効果が発生する物理現象を利用する。図1に示す例では,励起光1,2,3により,ラマン利得1,2,3が発生している。
光ファイバに使用される石英ガラスの場合,励起光の波長に対して約13.2 THz低い周波数の波長域に最大の増幅特性を有するため,例えば,1550nm付近の信号光をラマン増幅する場合には,1450nm付近の波長の励起光を使用すれば,効率よくラマン利得を得られる。
そして,波長多重伝送のような広い波長域の信号光を一括して増幅する必要のある通信システムでは,互いに波長の異なる複数の励起光を使用し,それぞれの励起光の強度を制御することにより,励起光の強度,波長に応じた広波長帯域の増幅特性を得ることができる。
さらに,長距離光伝送システムを実現するラマン光増幅器は,以下の2つの機能を有することを特徴とする。すなわち,
i)光ファイバを通過する際に受ける信号光の光損失を補償し,良好な伝送特性を得るために,信号光の強度をモニタしながら,所定の利得が得られるように励起光の強度を調節するラマン光増幅機能,更に
ii)多段に接続された光増幅器の利得偏差と,光ファイバ等での光損失の波長特性を補償するため,図1により説明した原理を利用して,各励起光波長の増幅帯域に応じた励起光の強度を制御して,ラマン光増幅後の信号光強度の偏差を所定の特性に制御する利得偏差制御機能である。
ここで,ラマン光増幅では,光ファイバに入射される励起光強度に比例して,励起光波長の増幅帯域に応じた信号光強度のラマン増幅利得が増加することが知られている。そして,複数の波長の励起光を光ファイバに入射することにより,信号光の増幅帯域が拡張し,幅広い帯域の信号光強度を一括して増幅することが可能となる。
図1に示すように,それぞれ波長が異なる励起光1,2,3が,ラマン利得1,2,3に示した波長帯域にラマン増幅帯域を持つとする。励起光1の強度が高い場合にはラマン利得1の増幅利得が,励起光2の強度が高い場合にはラマン利得2の増幅利得が,励起光3の強度が高い場合にはラマン利得3の増幅利得が,それぞれ高くなる。
例えば,ラマン利得1の波長帯域の信号光強度がラマン利得2,3の帯域の信号光強度より高く,ラマン利得3の波長帯域の信号光強度がラマン利得1,2の帯域の信号光強度より低い場合を考える。上記ii)の利得偏差制御機能を実施することにより,ラマン利得1の信号光強度のラマン利得を下げるように励起光1の強度を抑える一方で,ラマン利得3の信号光強度のラマン利得を上げるように励起光3の強度を高め,ラマン利得1,2,3の信号光強度の波長特性を平坦化することを実現している。
以下に,ラマン光増幅器の利得偏差制御の実施方法を説明する。
利得偏差制御を実施するためのラマン光増幅器の構成例を図2に示す。
図2に示すラマン光増幅器では,ラマン光増幅部1に各々波長の異なる励起光の光源11a,11b,11cを含む励起光源群と,ラマン増幅利得の制御に使用する全信号光モニタ回路14と,励起光制御回路15を備える。
図2において,励起光源11a,11b,11cの励起光は,合波器10で合波され,光ファイバ伝送路2側に送出される。一方,光ファイバ伝送路2から出力される波長多重光信号は,分岐器12により,後段側と,全信号光モニタ回路14及び波長毎の信号光モニタ21a,21b〜21n側に分岐される。
光検知素子13により検知され電気信号に変換された検知信号は,全信号光モニタ回路14により,一括して光増幅された広帯域の信号光の強度をモニタし,その出力を励起光制御回路15の利得量監視部15aで所望の利得となるよう励起光強度の合計量を制御する。
図2では,更に,ラマン光増幅後の信号光強度の偏差を監視するため,それぞれ波長の異なる信号光強度を分波するアレー導波路格子型光分波器等の信号光分波手段20と,この信号光分波手段20により各々の波長に分離されたそれぞれの波長信号の光強度をモニタする複数の信号光モニタ21a,21b〜21nを有している。
信号光モニタ21a,21b〜21nのそれぞれで監視された信号光強度は,利得偏差モニタ回路22で利得偏差量を監視し,励起光比算出部15bでラマン光増幅器の波長の異なる各励起光源11a,11b,11cの励起光比の算出に使用される。
そして,励起光比算出部15bの出力により励起光源群の各々波長の異なる複数の励起光源11a,11b,11cから出力される励起光の強度を制御することにより,励起光波長に応じた増幅帯域の信号光をラマン増幅する。
このように,図2に示す従来構成では,励起光制御回路15において,全信号光モニタ回路14で監視される信号光レベルから前記利得量監視部15aにより求められる利得量を監視して所定のラマン利得を制御する様にし,更にラマン光増幅後の信号光強度の波長偏差を監視して,各波長の励起光強度を設定している。
ここで,光増幅器が多段に縦続接続された光伝送システムにおいて,利得偏差が発生する主な要因として,以下の2つが挙げられる。
a)光ファイバ伝送路の単位距離あたりのロス:
光ファイバには単位距離あたりの光損失の波長特性を有する。光ファイバに送信する前に信号光の強度偏差を0として長距離の光ファイバを通して信号光を伝送しても,光ファイバの光損失のため,光ファイバ通過後の信号光には強度偏差が発生する。
b)光増幅器の累積性利得偏差:
例えば,エルビウム添加ファイバを増幅媒体とした光増幅器では,増幅媒体の増幅効率の波長特性を相殺する利得等化器を備えている。そして,光増幅器1台あたりの利得偏差をできるかぎり抑圧する場合が多いが,光増幅器が多段縦続するシステムでは,1台当たりの利得の波長特性が累積する場合がある。
図3に,多段に光増幅器が縦続接続された光伝送システムのうち,伝送路となる光ファイバ2に接続された,隣接する送信および受信光増幅器3,4を示す。
図4(図4A−図4D)は,図3に示した光増幅器3,4及び光ファイバ2の接続図において,上記a)およびb)の要因により強度偏差が発生した信号光のスペクトルを示している。
図4Aは,送信光増幅器3の増幅媒体の増幅効率と,利得偏差を相殺する利得等化器を通過した結果の,送信光増幅器3の出力信号光強度を示している。
図4Bは,信号光が通過する光ファイバ2の光損失の波長特性を示している。
図4Cは,受信光増幅器4の増幅媒体の増幅効率と,利得偏差を相殺する利得等化器を通過した結果の,受信光増幅器4の利得偏差を示している。
図4Dは,図4A〜図4C全ての送信及び受信光増幅器3,4と光ファイバ2を通過した後の信号光強度の偏差を示す。図4Dにおいて,光増幅器3,4の利得偏差と,光ファイバ2の光損失の波長特性が組み合わさった結果,信号帯域の中心付近の波長では信号光強度が大きく,一方で,短波長側の信号光強度は平均的な強度に比べて小さくなる様子が示されている。
図5(図5A−図5C)に,上記の様に累積した信号光の強度の波長特性を平坦化する利得偏差制御の例を示す。
図5Aにおいて,始状態の信号光の波長配置およびスペクトル(a)と,ラマン光増幅器の励起光強度(b)を,それぞれ上下に示している。
始状態では,ラマン光増幅器から与えられた励起光強度(図5A,(b)により,強度偏差が抑えられた信号光(図5A,(a))が得られている。
始状態から短波長側の信号光が増設されて,強度偏差が発生した信号光のスペクトルを,図5Bに示す。この時のラマン光増幅器の励起光強度は,図5Aの始状態から変化していない(図5B,(b))。図4A−図4Dに示した要因により,平均的な信号光強度に比べて低い信号光が短波長側に追加され,信号光強度に偏差が発生している状態が,図5B,(a)に示されている。
図5Cは,図5Bの状態から更に利得偏差制御を実施して,信号光強度の波長特性を平坦化した信号光のスペクトル(図5C,(a))と,ラマン光増幅器の励起光強度(図5C,(b))を示している。
利得偏差制御では,ラマン光増幅後の信号光強度の偏差を抑えるように,励起光1,2,3の励起光強度もしくは励起光の強度比を変化させる。その結果,励起光1の強度を上昇させて短波長側の信号のラマン利得を上げる一方で,励起光2,3の強度を減少させて,他波長の信号のラマン利得を抑えている(図5C,(b))。
図5A−図5Cに説明した利得偏差制御を実施することにより,多段に接続された光伝送システムにおいても,各波長の信号光強度偏差が少ない良好な伝送特性を得ることができる。
ここで,ラマン光増幅器を用いて広帯域の信号光をラマン光増幅する場合,複数の波長の励起光源を使用した構成を利用することが提案されている。複数の波長の励起光源を用いたラマン光増幅器の利得偏差制御については,特許文献1,2,3に記載の発明が知られている。
図6(図6A,図6B)は,特許文献1に記載の発明を用いて利得偏差制御を実施した場合の問題を示している。
図6A,(a)に,平均的な信号光強度に比べて強度の低い信号光が短波長側,長波長側にある一方,強度の大きい信号光が波長帯域の中心付近にあり,利得偏差が発生している状態を示す。
この様な場合,図6Bは,図6Aの状態から利得偏差制御を実施した後の,ラマン光増幅を行なう励起光強度(b)と信号光強度(a)を,それぞれ表している。
特許文献1に記載の発明では,励起光源の波長によって2つのグループに分けて,利得偏差制御を実施する構成であり,一方のグループの励起光パワーを増加させ,もう一方のグループの励起光パワーを減少させる制御となる。
そのため,励起光の波長に応じた増幅帯域を有するラマン光増幅では,信号光波長に対して信号光強度が単調増加もしくは単調減少の傾向にある場合,信号光強度の偏差を解消することが可能である。
しかし,図6Aに示すように強度の低い信号光が短波長側及び,長波長側にある一方,強度の大きい信号光が波長帯域の中心付近にある場合は,図6Bに示すように図6Aの強度偏差が解消されず,利得偏差制御は不能である。
図7は,特許文献2に記載の発明を用いて利得偏差制御を実施した問題点を示している。
図7Aは,図6Aに示した利得偏差の発生状態と同じである。図7Bは,図7Aの状態から利得偏差制御を実施した後の,ラマン光増幅を行なう励起光強度(図7,(b))と信号光強度を,それぞれ表している。
特許文献2に記載の発明では,励起光波長によって3つ以上のグループに分けた構成も含まれており,利得偏差制御を実施すると,少なくとも1つの波長帯の励起光パワーを一定とし,他の波長帯の励起光パワーを調整する制御となる。例えば3つ以上の励起光源群より構成されるラマン光増幅器において,図7Aに示す極大点を有する信号光強度の偏差から,励起光1のパワーを一定とし,励起光2,励起光3のパワーを調整する場合,励起光2の強度を減少させる一方,励起光3の強度を増加する制御を実施することになる。
かかる場合は,図7Bに示すように,励起光3により強度が強められて強度偏差は依然として残ってしまう。
さらに,図8(図8A,図8B)は,特許文献3に記載の発明を用いて利得偏差制御を実施した場合の問題点を示している。
図8Aも図6Aに示した利得偏差の発生状態と同じである。図8Bは,図8Aの状態から利得偏差制御を実施した後の,ラマン光増幅を行なう励起光強度と信号光強度を,それぞれ表している。
特許文献3の発明は,励起光波長によって3つ以上のグループに分けた構成である。平均信号強度からの強度偏差に応じて,各波長の励起光のパワーを増減させる行列要素から,利得偏差を解消する各励起光のパワーの変化量を算出,調整する制御となる。
例えば3つ以上の励起光源群より構成されるラマン光増幅器において,図8Aに示す極大点を有する信号光強度の偏差では,励起光1,3のパワーを増加させる一方,励起光2のパワーを減少させて,利得偏差を解消する。
かかる特許文献3の発明では,個々の信号光の強度偏差を解消して波長特性を平坦化することが可能であるが,全体の平均パワーが変動してしまう。
特開2000-98433号公報 特開2001-7768号公報 特開2002-72262号公報
上記の様に,従来技術として特許文献1乃至3に記載のいずれの発明においても,信号光強度の波長特性を平坦化する利得偏差制御について上記の様な課題を有している。
すなわち,特許文献1に記載の発明においては,励起光の波長に応じた増幅帯域を有するラマン光増幅では,信号光波長に対して信号光強度が単調増加もしくは単調減少の傾向にある場合,信号光強度の偏差を解消することが可能である。しかし,図6Aに示す極大点を有する信号光強度の偏差では,信号光強度の偏差を解消することは困難である。
また,特許文献2に記載の発明においては,3つ以上の励起光源群より構成されるラマン光増幅器において,励起光2に対応する信号光帯域の中心付近のラマン利得を抑える一方で,励起光3に対応するラマン利得を増加させるため,波長帯域の短波長側及び中心付近の信号光強度の偏差は解消されるが,長波長側の信号光強度が増加し,信号光強度の偏差を解消することができないという問題がある。
さらに,特許文献3に記載の発明においては,励起光1,2,3の各変化量を設定するが,合計量を管理していないため,利得偏差制御の前後で平均信号光強度が変化するという問題がある。
したがって,本発明の目的は,かかる特許文献1乃至3に記載の発明の実施における問題を解決する光通信用の信号光を増幅するためのラマン光増幅器,ラマン光増幅器を備えた光通信システム,およびラマン光増幅器の制御方法を提供することにある。
そして,本発明は,ラマン光増幅を行なう場合に,波長の異なる複数の励起光源群を用いて広帯域化を行い,信号光の強度偏差を解消して波長特性を平坦化する,もしくは特定の傾斜を持つ特性をとるように,出力信号光一定制御,ラマン利得一定制御,更に利得偏差制御を可能とする制御手段を提供するものである。
上記の目的を達成する本発明の第1の側面は,光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器であって,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度をモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御回路を有し,
前記励起光制御回路は,前記所定の特性に対応する励起光強度の制御をする前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御することを特徴とする。
上記の目的を達成する本発明の第2の側面は,光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器であって,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
前記ラマン増幅部の外部に,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度をモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記所定の特性に対応して励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御することを特徴とする。
さらに,上記の目的を達成する本発明の第3の側面は,光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器であって,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度をモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御手段と,
前記所定の特性に対応する励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶装置と,
前記励起手段と前記光ファイバ伝送路の間に置かれる可変光減衰器と,
前記励起手段から前記光ファイバ伝送路に供給する励起光強度を,前記記憶装置に保持された励起光強度の合計量に制限する様に,前記可変光減衰器の減衰量を制御する光減衰量制御回路を有することを特徴とする。
さらに,上記の目的を達成する本発明の第4の側面は,光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器であって,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
前記ラマン増幅部の信号光伝送方向の下流側に他の光増幅器が接続され,
前記ラマン増幅部の外部に,
ラマン光増幅部と他の光増幅器の双方により光増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度をモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記所定の特性に対応して励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とするラマン光増幅器。
さらに,上記の目的を達成する本発明の第5の側面は,光ファイバ伝送路と,前記光ファイバ伝送路上に置かれる複数のラマン増幅器を有する光通信システムであって,
前記複数のラマン増幅器のそれぞれは,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度をモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御回路を有し,
前記励起光制御回路は,前記所定の特性に対応して励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御することを特徴とする。
さらにまた,上記の目的を達成する本発明の第6の側面は,光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器における励起光強度制御方法であって,
多重化される複数波長のそれぞれの励起光強度の合計量を予め記憶手段に保持するステップと,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光強度を検知するステップと,
前記検知した各信号光の強度における偏差を求めるステップと,
前記求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御するステップを有し,
さらに,前記励起光強度を制御するステップにおいて,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御することを特徴とする。
上記本発明の特徴を有するラマン光増幅器を用いることにより,多段に光増幅器と光ファイバ伝送路が接続され,信号光の強度偏差が累積する長距離光伝送システムにおいて,信号光の強度偏差を,波長特性の平坦化,所定の傾斜を有する波長特性等に制御するとともに,利得偏差制御前後で励起光パワーの合計量が増減されることなく,信号光のラマン利得を一定に保ち,良好な伝送特性を実現することが可能となる。
以下に図面に従い,本発明の実施形態例について説明する。
図9は,本発明を適用したラマン光増幅器が複数縦続接続された光伝送システムの一例である。
図9において,送信端局100と受信端局110との間で情報を波長多重した光信号に載せて伝送する波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムである。送信端局100と受信端局110を結ぶ光ファイバ伝送路2上に,複数の中継局R1〜中継局Rnが設置されている。
ここで,送信端局100には,光ファイバ伝送路2での光損失を補償することを目的として,予め強い強度の信号光に増幅して光ファイバ伝送路2に送出する前置増幅器を設置してもよい。受信端局110には,中継局Rnから出力された後,光ファイバ伝送路2の光損失により微小となった信号光を増幅して受信器に送出する前置増幅器を設置してもよい。
各中継局R1〜Rnには,上流の光ファイバ伝送路2により損失された信号光を増幅して,下流の伝送路に送出する光増幅器として,希土類添加光ファイバ増幅器あるいはラマン光増幅器のいずれか,または双方が設置される。
[第1の実施例]
本発明は,図9に示すごとき光伝送システムにおける各中継局に備えられるファイバラマン光増幅器(FRA:Fiber Raman Amplifier)の構成に特徴を有し,その第1の実施例構成を図10に示す。
図10に示したラマン光増幅器は,ラマン光増幅部1に複数の異なる波長の励起光源11a,11b,11cを有する励起光源群,合波手段10a,10b,分岐手段12,励起光制御回路15を備えている。さらに,ラマン光増幅部1の出力側にアレー導波路格子型光分波器等の光信号分岐手段20を有している。
光信号分岐手段20は,波長対応に光信号を分岐する。分岐されたそれぞれ異なる波長の光信号は対応する信号光モニタ21a,21b,・・・21nに入力される。
ついで,信号光モニタ21a,21b,・・・21nで検知される波長毎の検知レベル信号が出力光強度偏差モニタ回路22に入力される。
出力光強度偏差モニタ回路22の出力は,励起光制御回路15の励起光比算出部15bに入力される。
ここで,励起光源群の励起光源11a,11b,11cのそれぞれは,例えばレーザーダイオードのような特定の波長の光を発生する光源により構成される。光ファイバに使用される石英ガラスでは,励起光の波長に対して約13.2THz低い周波数の波長域に最大の増幅特性を有することを利用して,信号光波長に応じた波長の励起光源を構成すればよい。
広い波長域の信号光を一括して増幅するWDM伝送システムでは,それぞれ波長の異なる複数の光源を備える。本発明の構成例では,励起光源群として励起光源11aはλP1,励起光源11bはλP2,励起光源11はλP3の3つの励起光を出力するグループより構成されているものとする。
例えば,励起光n(n=1〜3)λpnは,それぞれ波長差の少ない類似した波長の複数の励起光群から構成されてもよい。本実施例構成では励起光は3つのグループとしたが,4つ以上の複数のグループとしてもよい。
合波手段10aは,励起光源群より発せられる波長λP1,λP2,λP3の3つの励起光を1本の光ファイバにとりまとめる手段であり,例えば1対1の合波比で1本のファイバに合波する光カプラや,90°偏波方向が異なる光を合波する偏波カプラが用いられる。
合波手段10bは,励起光を信号光が増幅される光ファイバ伝送路2に入射する手段であり,例えば励起光源群の波長を透過し,励起光と対向する信号光が励起光源群の方向に入射することを防ぐ波長フィルタ付き光カプラが用いられる。
信号光モニタ21a,21b・・・21nは,光ファイバ伝送路2を通過する信号光の一部を分岐手段12で分岐した後,信号光分岐手段20で信号光の波長に応じて分岐される信号光の強度をそれぞれ検出する機能を備える。
信号光の分岐手段12として,例えば10対1の分岐比で1本のファイバに分岐する光分波器が用いられる。波長に応じて信号光を分岐する信号光分岐手段20として,例えばアレー導波路格子型光分波器等の光分波器が用いられる。
本発明の構成例では,波長に応じて信号光が,それぞれ,λSIG1,λSIG2,・・・λSIGnのn個の成分に分岐されるものとする。
信号光モニタ21a,21b・・・21nとして,フォトダイオード等の光電変換を行なう受光素子が用いられ,信号光分岐手段20により分岐されたλSIG1,λSIG2,・・・λSIGnのn個の成分のそれぞれが,対応する信号光モニタ21a,21b・・・21nに入力される。
出力光強度偏差モニタ回路22は,信号光モニタ21a,21b・・・21nで検知した各信号光強度に基づいて,信号光強度の平均値を求める平均値検出手段を有し,各信号光強度について,前記平均値検出手段で求めた信号光強度の平均値との差を「偏差」として,信号光強度の偏差量を算出する。
励起光制御回路15は,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶する励起光量記憶装置15cと,出力光強度偏差モニタ回路22で算出された出力光強度偏差量に基づき,所望の出力光強度偏差量に制御する励起光比算出部15bを備える。
励起光量記憶装置15cでは,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶するメモリ等の記憶媒体を備える。励起光比算出部15bは,信号光の強度偏差が所定の特性となる各励起光波長のパワー比率を算出する。励起光制御回路15において,励起光量記憶装置15cに記憶した励起光パワー合計量に対し,励起光比算出部15bで算出した励起光比を配分して,各励起光波長のパワー量を設定する機能を備える。
なお,励起光量記憶装置15cに利得偏差制御を実施する前に,励起光パワーの合計量を記憶する代わりに,等価的に各波長の励起光強度から合計量が求められるので,各波長の励起光強度を記憶する様にしてもよい。
かかる第1の実施例の利得偏差制御によれば,利得偏差制御前に保持した励起光パワー合計量を各波長の励起光パワー比に配分するものであり,ラマン光増幅後の信号光の強度偏差を所定の特性とするとともに,利得偏差制御前後で励起光パワーの合計量を増減することなく,信号光のラマン利得を一定に保つことができる。
図11に示すフローにより,第1の実施例構成において,信号光強度の波長特性を平坦化する場合の処理手順を示す。
ステップ1−S1:利得偏差制御の実施前に,光ファイバ伝送路2に入力される励起光パワー合計量Ptotal_aをメモリ等の記憶媒体である励起光量記憶装置15cに保持しておく。
利得偏差制御前に,励起光源11a,11b,11cから光ファイバ伝送路等の増幅媒体に入射される各励起光パワーをそれぞれ,Pp1_a,Pp2_a,Pp3_aとする。
ここで,利得偏差制御前に励起光源群から増幅媒体に入射される励起光パワー合計量 Pp_total_aは式(1)により表される。
Pp_total_a = Pp1_a + Pp2_a + Pp3_a ・・・(1)
例えば,励起光1のパワー Pp1 = 150mW,励起光2のパワー Pp2 = 150mW,励起光3のパワー Pp3 = 150mW とすると,励起光パワー合計量 Pp_total_a = 450mW が励起光量記憶装置15cに保持されることになる。
ステップ1−S2:出力光強度偏差モニタ回路22において,利得偏差制御前の信号光強度の偏差量を求める。
信号光モニタ21a,21b・・・21nのそれぞれにより検出した各波長λSIG1,λSIG2,・・・λSIGnの信号光強度を,Psig1_a,Psig2_a,・・・,Psign_a とする。
図1に示したように,光ファイバ伝送路等の増幅媒体に応じて,励起光1,励起2,励起光3のラマン増幅帯域の特性が定まる。励起光1,励起2,励起光3のラマン増幅帯域に応じて,信号光λSIG1,λSIG2,・・・,λSIGnを3ブロックにグルーピングした一例を,例えば表1に示す。
Figure 0004768549
上記表1において,波長に応じた信号光チャネルに対して,チャネル1〜チャネル13を第1のブロック,チャネル14〜チャネル27を第2のブロック,チャネル28〜チャネル40を第3のブロックに,それぞれ分割している例が示される。
利得偏差制御を実施する時に伝送システムにおいて運用されている波長数がλtotalの時,信号光の平均強度 Psig_avg_aは,式(2)により表される。
Figure 0004768549
ただし ここでのΣPsig_n は,伝送システムの運用に使用されている信号光強度を合計した値である。例えば上記表1に示したように信号光チャネルが運用されている場合,全波長数λtotal = 11波,信号光の平均強度 Psig_avg_a = -16.0dBm,と算出される。
次に,3つにグルーピングした各ブロックの信号光の強度偏差を算出する。第1のブロックで運用されている波長数がλBL1の時,第1ブロックの信号光の強度平均 Psig_avg1_aは,式(3)により表される。
Figure 0004768549
ただし ここでのΣPsig_n は,第1のブロックにおいて伝送システムの運用に使用されている信号光強度を合計した値である。上記表1に示す場合では,第1のブロックで運用されている波長数λBL1 = 4波,信号光の平均強度 Psig_avg1_a = -16.4dBm,と算出される。
同様に,第2のブロックにて運用されている波長数λBL2 における信号光の強度平均 Psig_avg2_a および 第3のブロックにて運用されている波長数λBL3 における信号光の強度平均 Psig_avg3_a は,それぞれ 式(4)および式(5)により表される。
Figure 0004768549
Figure 0004768549
上記表1に示す場合では,第2のブロックで運用されている波長数λBL2 = 3波,信号光の平均強度 Psig_avg2_a = -15.0dBm,第3のブロックで運用されている波長数λBL3 = 4波,信号光の平均強度 Psig_avg3_a = -16.6dBm,と,それぞれ算出される。
各ブロックの信号光の強度偏差ΔPsig_BL1,ΔPsig_BL2,ΔPsig_BL3は,信号光の平均強度 Psig_avg_a と,各ブロックの信号光の平均強度 Psig_avg1_a,Psig_avg2_a,Psig_avg3_aより,それぞれ式(6),式(7),式(8)により表される。
ΔPsig_BL1 = Psig_avg1_a - Psig_avg_a ・・・(6)
ΔPsig_BL2 = Psig_avg2_a - Psig_avg_a ・・・(7)
ΔPsig_BL3 = Psig_avg3_a - Psig_avg_a ・・・(8)
上記表1に示す場合では,各ブロックの信号光の強度偏差ΔPsig_BL1,ΔPsig_BL2,ΔPsig_BL3はそれぞれ,ΔPsig_BL1 = - 0.4dB,ΔPsig_BL2 = + 1.0dB,ΔPsig_BL3 = - 0.6dBと算出される。
ステップ1−S3:励起光比算出部15bにより信号光強度の波長特性を平坦化する励起光1,励起光2,励起光3の励起光パワー比率を算出する。
図1に示したように,励起光波長に対してラマン増幅帯域は広帯域であることが知られている。特許文献3の記載によると,図8A,図8に示したように,励起光1のパワーを変化させると,第1のブロックの信号光強度だけでなく,第2,第3のブロックの信号光強度も影響を受ける特性が説明されている。別の表現で説明すると,第1のブロックの信号光強度は,励起光1のパワーだけでなく,励起光2,励起光3のパワーの影響を受ける特性が説明されている。
かかる特許文献3に記載の発明では,上記の特性を鑑みて,励起光1のパワーが第1のブロックの信号光強度変化に及ぼす利得変化係数をA11,同様に,励起光2,励起光3の利得変化係数をA12,A13とすると,第1のブロックの信号強度変化量 ΔPsig_BL1 と,励起光1,励起光2,励起光3のパワー変化量ΔPp1,ΔPp2,ΔPp3の関係は,式(9)により表される。
ΔPsig_BL1 = A11×ΔPp1 + A12×ΔPp2 + A13×ΔPp3 ・・・(9)
同様に,第2のブロックの信号強度変化量 ΔPsig_BL2,第3のブロックの信号強度変化量 ΔPsig_BL3,は,式(10),式(11)により表される。
ΔPsig_BL2 = A21×ΔPp1 + A22×ΔPp2 + A23×ΔPp3 ・・・(10)
ΔPsig_BL3 = A31×ΔPp1 + A32×ΔPp2 + A33×ΔPp3 ・・・(11)
ここで利得変化係数Amn(m,n = 1,2,3)は,励起光nのパワーが第mのブロックの信号光強度変化に及ぼす利得変化係数を表す。
式(9),式(10),式(11)をまとめると,式(12)の行列式に表現することができる。
Figure 0004768549
式(12)の行列[Amn]の逆行列[Amn]-1 を用いて,信号光強度の波長特性を平坦化する励起光1,2,3のパワー変化量ΔPp1,ΔPp2,ΔPp3を,式(13)により求める。
Figure 0004768549
式(13)により求めたパワー変化量ΔPp1,ΔPp2,ΔPp3を,利得偏差制御前の励起光パワーPp1_a,Pp2_a,Pp3_a に増減することにより,利得偏差制御後の励起光1,励起光2,励起光3のパワー Pp1_b,Pp2_b,Pp3_b を算出する。
一例として,分散シフトファイバ(DSF)を使用したラマン光増幅器で,利得偏差制御前の状態が,
Pp1_a = 150mW,Pp2_a = 150mW,Pp3_a=150mW
ΔPsig_BL1 = + 0.6dB,ΔPsig_BL2 = + 0.2dB,ΔPsig_BL3 = - 0.8dB
と,信号帯域の短波長側の信号光強度が大きく,長波長側の強度が小さい場合,波長特性を平坦化するための励起光パワー変化量は,ΔPp1 = -1mW,ΔPp2 = -32mW,ΔPp3 = +37mW と算出される。この場合,各励起光のパワーは
Pp1_a = 149mW,Pp2_a = 118mW,Pp3_a=187mW
に設定され,利得偏差制御前後の励起光パワー変化量は4mW,利得偏差制御による信号光の平均強度も0.2dBしか変化しない。
一方で,
Pp1_a = 150mW,Pp2_a = 150mW,Pp3_a=150mW
ΔPsig_BL1 = - 0.4dB,ΔPsig_BL2 = + 1.0dB,ΔPsig_BL3 = - 0.6dB
と,図6A,6B,図7A,7B,図8A,図8Bに示したように,信号帯域の短波長側と長波長側の信号光強度が小さく,信号帯域の中央付近の強度が大きい場合,波長特性を平坦化するための励起光パワー変化量は,ΔPp1 = +54mW,ΔPp2 = -89mW,ΔPp3 = +63mW と算出される。
この場合,各励起光のパワーは,
Pp1_b = Pp1_a + ΔPp1 = 204mW
Pp2_b = Pp2_a + ΔPp2 = 61mW
Pp3_b= Pp3_a + ΔPp3 = 213mW
に設定され,利得偏差制御前後の励起光パワー変化量は28mWも発生するため,利得偏差制御による信号光の平均強度も1.4dBも変化する。
後者の場合,信号光強度の波長特性は平坦化されても,ラマン利得の変動量が大きいため,所望のラマン利得の制御が行なえず,信号-雑音光特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
これに対し,本発明の第1の実施例では,先に保持した利得偏差制御前の励起光パワー合計量に対して,利得偏差制御の過程において算出した励起光パワー比率を配分する。
前述の例において,利得偏差制御前の励起光パワー合計量Pp_total_a = 450mW に対して,利得偏差制御の過程における励起光励起光パワー合計量Pp_total_b は,式(14)より算出される。
Pp_total_b = Pp1_b + Pp2_b + Pp3_b ・・・(14)
この式より Pp_total_b = 478mW となる。
そして,励起光1,励起光2,励起光3のパワー比率 Pp_ratio1,Pp_ratio2,Pp_ratio3 は,それぞれ以下のように求まる。
励起光1:Pp_ratio1 = Pp1_b / Pp_total_b = 204mW / 478mW = 0.427
励起光2:Pp_ratio2 = Pp2_b / Pp_total_b = 61mW / 478mW = 0.128
励起光3:Pp_ratio3 = Pp3_b / Pp_total_b = 213mW / 478mW = 0.445
ステップ1−S4:ステップ1−S3において算出した励起パワー比率をステップ1−S1において保持した励起光パワー合計量Pp_total_aから励起光1,励起光2,励起光3に配分する。これにより,利得偏差制御後の伝送路に入力される励起光パワー Pp1_b,Pp2_b,Pp3_b を以下のように求められる。
Pp1_b = Pp_total_a × Pp_ratio1 = 450mW × 0.427 = 192mW
Pp2_b = Pp_total_a × Pp_ratio2 = 450mW × 0.128 = 58mW
Pp3_b = Pp_total_a × Pp_ratio3 = 450mW × 0.445 = 200mW
ステップ1−S5:ステップ1−S4において算出された伝送路に入力される各励起光パワーを励起光制御回路15において各励起光に設定する。
以上の制御を実施することにより,利得偏差制御前後において励起光パワー合計量の増減を抑えてラマン利得の変動を防ぎ,かつ信号光強度の波長特性を平坦化することが可能となる。
図12は,更に図10に示した本発明に従う光増幅器における信号光モニタ21a,21b〜21n,出力光強度偏差モニタ回路22及び,光増幅部1における励起光制御回路15の詳細構成例を示す図である。
信号光モニタ21a,21b〜21nは,受光素子211(PDλs1〜PDλsn),光モニタ回路212(Monλs1〜Monλsn),及びアナログデジタル変換器213(ADC1〜ADCn)により構成される。
受光素子211(PDλs1〜PDλsn)は,各信号光を受光して光-電流変換し,光モニタ回路212(Monλs1〜Monλsn)は,受光により発生した電気信号を電流-電圧変換する。光モニタ回路212(Monλs1〜Monλsn)より出力される受光量に相応する電圧は,アナログデジタル変換器213(ADC1〜ADCn)に入力され,受光素子で受光される光信号の光強度に対応するデジタル信号に変換される。
出力光強度偏差モニタ回路22は,アナログデジタル変換器213(ADC1〜ADCn)から出力された各信号光の強度を,信号光強度の平均値とを比較して,偏差を求める。このために,各波長の信号強度の平均値を求める平均値検出手段を有し,各信号光強度について,前記平均値検出手段で求めた平均値との差を「偏差」として,信号光強度の偏差量を算出する。
例えば,励起光1,励起2,励起光3のラマン増幅帯域に応じて,信号光λSIG1,λSIG2,・・・,λSIGnを3ブロックにグルーピングし,それぞれのグループの平均信号光強度Psig_avg1_a,Psig_avg2_a,Psig_avg3_aから,各グループの信号光の強度偏差ΔPsig_BL1,ΔPsig_BL2,ΔPsig_BL3を求める。
励起光制御回路15は,励起光比算出部15b,励起光量記憶装置15c,励起光量算出部15dにより構成される。
励起光比算出部15bでは,出力光強度偏差モニタ回路22によりモニタした信号光強度偏差から,所望の強度偏差となるような励起光源10a(波長λp1),10b(波長λp2),10c(波長λp3)の強度比Pp_ratio1,Pp_ratio2,Pp_ratio3を算出する。
励起光量記憶装置15cは,利得偏差制御前に伝送路に入力される励起光強度の合計量Pp_total_aを保持する。励起光量算出部15dは,利得偏差制御後の伝送路に入力される励起光源11a,11b,11cの強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bを,励起光量記憶装置15cに保持されている励起光強度の合計量Pp_total_aと,励起光比算出部15bで算出された信号光の強度偏差ΔPsig_BL1,ΔPsig_BL2,ΔPsig_BL3に基づき算出する。
そして,励起光量算出部15dにより算出された励起光強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bとなるように,デジタルアナログ変換器111に励起光源の駆動信号を与える。励起光制御回路15におけるλp1,λp2,λp3特性記憶装置15cでは,伝送路に入力される各励起光λp1,λp2,λp3の強度と,励起光源駆動信号の対応関係を,それぞれ記憶しておく。例えば,励起光λp1と励起光源駆動信号の対応関係が図13に示すような関係にある場合,利得偏差制御の結果Pp1_b = 192mW と算出されると,算出された励起光強度に応じた励起光源駆動信号を前記記憶装置に記憶された対応関係から求め,デジタルアナログ変換器111(DAC1〜DAC3)に設定して,対応するアナログの励起光源駆動信号を出力する様に構成できる。
また,図14は,図12の構成例に対し,他の構成例であり,光ファイバ伝送路2に入力される励起光源11a,11b,11cからの各々の励起光λp1〜λp3の強度をモニタする手段13a,13b,13c(PDλp1〜PDλp3)を備える。
モニタ手段13a,13b,13cのそれぞれは,励起光を検知し,光を電流に変換するフォトダイオード311と,フォトダイオード311の出力を電圧に変換するモニタ回路312と,更にモニタ回路312の電圧出力をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器313を有している。
かかる構成により,上記モニタ手段13a,13b,13cにより検知される励起光強度のモニタ量が利得偏差制御の結果の励起光強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bとなるように,励起光量算出部15dからデジタルアナログ変換器111(DAC1〜DAC3)に励起光駆動信号を与えてもよい。
デジタルアナログ変換器111(DAC1〜DAC3)は,励起光制御回路15より与えられた駆動信号をアナログ成分に変換した後,励起光駆動回路112(DRVλp1〜DRVλp3)に与える。そして,励起光源113(λp1〜λp3)は,励起光源駆動回路112(DRVλp1〜DRVλp3)から与えられた駆動電流に応じて,励起光を発生させる。
第1の実施例の別の構成例として,図15に示すように,励起光制御回路15と同様に,出力光強度偏差モニタ回路22を光増幅部1内に備える様に構成してもよい。
[第2の実施例]
次に,本発明に従う第2の実施例を説明する。
図9の伝送システムに含まれるファイバラマン光増幅器(FRA:Fiber Raman Amplifier)の第2の実施例構成が図16に示される。
図16に示したラマン光増幅器は,図10に示した第1の実施の形態例に対し,合波手段10aと10bとの間に光減衰量可変手段17を備えている。さらに,この光減衰量可変手段17を,励起光制御回路15に接続される光減衰量制御回路16の出力により制御する構成に特徴を有している。
すなわち,図16において,光ファイバ伝送路2を利用して信号光を増幅するラマン光増幅器の構成が示され,光増幅部1に,励起光源11a,11b,11cの励起光源群,合波手段10a,10b,分岐手段12,励起光制御回路15を有し,更に上記光減衰量制御回路16及び光減衰量可変手段17を有している。
光増幅部1の外側に,信号光分波手段20,信号光モニタ21a,21b・・・21n,更に出力光強度偏差モニタ回路22を有している。
励起光源群は,第1の実施例と同様に,それぞれ波長の異なる複数の励起光源11a,11b,11cを備える。
本発明の実施の形態例の構成では,第1の実施例と同様に,励起光源群は励起光源11aが波長λP1,励起光源11bが波長λP2,励起光源11cが波長λP3の3つの励起光グループより構成されているものとする。
例えば,励起光n(n=1〜3)λpnは,それぞれ波長差の少ない類似した波長の複数の励起光群から構成されてもよい。また,励起光は3つのグループとしたが,4つ以上の複数のグループとしてもよい。
合波手段10aは,第1の実施例と同様,励起光源群より発せられる励起光を1本の光ファイバにとりまとめる手段である。合波手段10bは,第1の実施例と同様,励起光を信号光が増幅される光ファイバ伝送路2に入射する手段である。
各信号光モニタ21a,21b・・・21nは,第1の実施例と同様に,光ファイバ伝送路2を通過する信号光の一部を分岐器12で分岐した後,更に信号光分波手段20により,波長に応じて信号光を分岐し,信号光モニタ21a,21b・・・21nで信号光の強度を検出する機能を備える。
本発明の構成例では,波長に応じて信号光が,それぞれ,λSIG1,λSIG2,・・・,λSIGnのn個の成分に分岐されるものとする。
出力光強度偏差モニタ回路22は,信号光モニタ21a,21b・・・21nで検知した各信号光強度に基づいて,信号光強度の平均値を求める平均値検出手段を有し,各信号光強度について,前記平均値検出手段で求めた信号光強度の平均値との差を「偏差」として,信号光強度の偏差量を算出する。
励起光制御回路15は,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶する励起光量記憶装置15cと,出力光強度偏差モニタ回路22により算出された信号光強度の偏差量に基づき,所定の信号光強度の偏差量に制御する励起光量算出部15dを備える。
励起光量記憶装置15cは,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶するメモリ等の記憶手段である。励起光量算出部15dは,信号光の強度偏差が所望の特性となる各励起光波長の励起光量を算出する。
第2の実施例の特徴としての光減衰量制御回路16は,励起光量記憶装置15cに記憶した利得偏差制御前の励起光量と,利得偏差制御を実施した際に算出される励起光量を比較して,利得偏差制御前の励起光パワー合計量と同じパワーを光ファイバ伝送路に入射する様に,光減衰量を算出する。
励起光制御回路15において算出された利得偏差制御後の励起光量と,光減衰量制御回路16により算出された光減衰量を,それぞれ励起光源群と光減衰量制御手段17に設定する。これにより,利得偏差前後において光ファイバ伝送路2に入射される励起光量を保ちながら,ラマン光増幅後の信号光強度を所定の偏差に制御することが可能である。
一例として,光減衰量可変手段17における駆動信号と光減衰量の特性を,メモリ等の記憶媒体にあらかじめ保持しておき,利得偏差制御前後の励起光パワーの設定比に応じて光減衰量を制御し,光ファイバ伝送路2に入射する励起光パワーを制御すればよい。
光減衰量可変手段17に使用する可変光減衰器には,例えば光減衰量を電気信号で可変出来る磁気光学効果を用いた可変光減衰器が用いられる。第2の実施例による利得偏差制御によれば,信号光の強度偏差が所定の特性となる各励起光波長のパワー量を設定し,光ファイバ伝送路2に入射される励起光強度が利得偏差制御の前後で保たれるよう,光減衰量可変手段17の減衰量を制御することにより,所定の信号光のラマン利得を得ることを特徴としている。
図17に示すフローにより,第2の実施例構成において,信号光強度の波長特性を平坦化する場合の処理手順を示す。
ステップ2−S1:ステップ1−S1と同様に,利得偏差制御の実施前に,伝送路に入力される励起光パワー合計量Pp_total_aをメモリ等の記憶媒体である励起光量記憶装置15cに保持しておく。
利得偏差制御前の励起光パワー合計量は上記式(1)により表される。
ステップ2−S2:ステップ1−S2と同様,出力光強度偏差モニタ回路22により利得偏差制御前の信号光強度の偏差量を求める。
励起光1,励起2,励起光3のラマン増幅帯域に応じて,信号光λSIG1,λSIG2,・・・,λSIGnを3ブロックにグルーピングし,各ブロックの信号光の強度偏差ΔPsig_BL1,ΔPsig_BL2,ΔPsig_BL3を,それぞれ上記式(6),式(7),式(8)により求める。
ステップ2−S3:励起光量算出部15dにより,信号光強度の波長特性を平坦化する励起光1,励起光2,励起光3の励起光パワー量を算出する。
第1の実施例と同様に,式(13)により求めたパワー変化量ΔPp1,ΔPp2,ΔPp3を,利得偏差制御前の励起光パワーPp1_a,Pp2_a,Pp3_a に増減することにより,利得偏差制御後の励起光1,励起光2,励起光3のパワー Pp1_b,Pp2_b,Pp3_b を算出する。
ステップ2−S4:励起光量算出部15bにおいて,ステップ2−S3にて求めた励起光1,励起光2,励起光3の励起光パワー合計量Pp_total_b を式(14)より求める。
ステップ2−S5:光減衰量制御回路16において,利得偏差制御前後の励起光パワー合計量Pp_total_aとPp_total_bの変化比Pp_total_ratio を,式(15)により算出する。
Pp_total_ratio =Pp_total_b / Pp_total_a ・・・(15)
第2の実施例の具体例として,先に説明した分散シフトファイバ(DSF)での信号光強度の偏差から,本発明の制御を実施した一例を説明する。
利得偏差制御前の状態が,
Pp1_a =150mW,Pp2_a =150mW,Pp3_a =150mW
ΔPsig_BL1 =-0.4dB,ΔPsig_BL2 =+1.0dB,ΔPsig_BL3 =-0.6dB
と,図6,図7,図8に示すように,信号帯域の短波長側と長波長側の信号光強度が小さく,信号帯域の中央付近の強度が大きい場合,波長特性を平坦化するための励起光パワー変化量は,ΔPp1 =+54mW,ΔPp2 =-89mW,ΔPp3 =+63mW と算出される。
この場合,各励起光のパワーは
Pp1_b =204mW,Pp2_b =61mW,Pp3_b =213mW
と算出される。
先に励起光量記憶装置15cに保持した利得偏差制御前の励起光パワー合計量Pp_total_a =450mW ,利得偏差制御の過程における励起光励起光パワー合計量は Pp_total_b =478mW であることから,利得偏差制御前後の励起光パワー合計量の変化比 Pp_total_ratio は,上記式(15)を用いて以下のように算出される。
Pp_total_ratio =10 × log(Pp_total_b / Pp_total_a)
=10 × log(478mW / 450mW)
=0.26 dB
ステップ2−S6:ステップ2−S3により算出した励起光パワー量を励起光源群の励起光1,励起光2,励起光3に設定するとともに,励起光源群から出力されて光ファイバ伝送路2に入射される励起光パワーの合計量が,利得偏差制御前後において同量となるようステップ2−S5で算出した変化比だけ光減衰量可変手段17の減衰量を制御する。
ステップ2−S5の具体例では,励起光パワーの変化比Pp_total_ratio =0.26dB だけ,利得偏差制御後に励起光パワーが上昇している。
利得偏差制御前後に,光ファイバ伝送路等の増幅媒体に入射される励起光パワーをより同量に保つためには,光減衰量可変手段17の光減衰量を0.26dB増加させればよい。
図18に,光減衰量可変手段17の駆動信号と光減衰量の特性の一例を示す。
ステップ2−S6の一例として,光減衰量可変手段17の特性をメモリ等の記憶媒体にあらかじめ保持しておく。利得偏差制御時の前後において,励起光パワー合計量が変化する場合,変化量の比 Pp_total_ratio に応じて,利得偏差制御後の励起光パワーの設定と同時に,光減衰量を制御する。
例えば,先の具体例のように変化量の比 Pp_total_ratio = 0.26dB の場合,図18に示した特性から,光減衰量を0.26dB変化させた後の光減衰量可変手段17の駆動信号を算出する。そして,利得偏差制御後の励起光パワーを設定すると同時に,先に算出した駆動信号を光減衰量可変手段17に与え,光減衰量を0.26dB変化させればよい。
図19は,図16に示した本発明に従う第2の実施例の光増幅器における信号光モニタ21a,21b〜21n,出力光強度偏差モニタ回路22及び,光増幅部1における励起光制御回路15の詳細構成例を示す図である。
各信号光モニタ21a,21b〜21n,出力光強度偏差モニタ回路22の構成及びそれらの動作は,図12に示した第1の実施例の構成例の詳細と同じ構成である。
励起光制御回路15は,励起光量記憶装置15c,励起光量算出部15dにより構成される。
励起光量算出部15dでは,出力光強度偏差モニタ回路22によりモニタした信号光強度偏差から,所望の強度偏差となるような励起光源λp1〜λp3の強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bを算出する。励起光量記憶装置15cは,利得偏差制御前に伝送路に入力される励起光強度の合計量Pp_total_aを保持する。
励起光制御回路15により算出された利得偏差制御後の励起光強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bとなるよう,デジタルアナログ変換器111(DAC1〜DAC3)に励起光源の駆動信号を与える。
λp1,λp2,λp3特性記憶装置では,図13に示したような伝送路に入力される各励起光λp1,λp2,λp3の強度と,励起光源駆動信号の対応関係を,それぞれ記憶しておき,利得偏差制御の結果算出された励起光強度に応じた駆動信号を,デジタルアナログ変換器111に設定してもよい。
また,光減衰量可変手段17の手前における励起光源λp1〜λp3各々の強度をモニタする手段を備え,上記励起光強度モニタ量が利得偏差制御の結果の励起光強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bとなるよう,デジタルアナログ変換器111に励起光駆動信号を与えてもよい。
デジタルアナログ変換器111では,励起光制御回路15より与えられた駆動信号をアナログ成分に変換した後,励起光駆動回路112(DRVλp1〜DRVλp3)に与える。励起光源113(λp1〜λp3)は,励起光駆動回路112から与えられた駆動電流に応じて,励起光を発生させる。
光減衰量制御回路16は,励起光量記憶装置15cに保持した利得偏差制御前の励起光強度の合計量Pp_total_aと,励起光量算出部15dで算出された利得偏差制御後の励起光強度Pp1_b,Pp2_b,Pp3_bの合計量Pp_total_bを比較し,Pp_total_aとPp_total_bの変化比Pp_total_ratio を算出する。
光減衰量制御回路16は,更に図18に示したような,光減衰量と光減衰器駆動信号の関係をメモリ等の記憶装置に記憶しておき,変化比Pp_total_ratioに応じて光減衰量が変化するよう,光減衰量可変手段17を構成するデジタルアナログ変換器171(DACVOA)に駆動信号を与える。
デジタルアナログ変換器171は,光減衰量制御回路16より与えられた駆動信号をアナログ成分に変換した後,光減衰器駆動回路172(DRVVOA)に与える。ついで,光減衰器172(VOA)は,光減衰器駆動回路172から与えられた駆動電気信号に応じて,光減衰量を変化させる。
第2の実施例の別の構成例として,図20に示すように,励起光制御回路15と同様に,出力光強度偏差モニタ回路22を光増幅部1内に備える様に構成してもよい。
[第3の実施例]
本発明は,図9に示すごとき光伝送システムにおける各中継局に備えられるファイバラマン光増幅器(FRA:Fiber Raman Amplifier)の構成に特徴を有し,その第3の実施例構成を図21に示す。
図21に示した構成例では,図10に示した第1の実施の形態例に対し,ラマン光増幅部1の出力に直列に接続される光増幅器30により光増幅された信号光の一部を分岐し,信号光モニタ21a,21b,・・・21nで波長毎の信号光強度を検出する。第3の実施例では,ラマン光増幅部1と光増幅器30による光増幅の足し合わせにより生じる信号光強度の偏差を,出力光強度偏差モニタ回路22により監視し,励起光制御回路15により励起光源群を制御する構成に特徴を有している。
図21においては,光ファイバ伝送路2を利用して信号光を増幅するラマン光増幅器の構成が示され,光増幅部1に,励起光源11a,11b,11cの励起光源群,合波手段10a,10b,分岐手段12,励起光制御回路15を有している。そして,光増幅部1の外側に,信号光分波手段20,信号光モニタ21a,21b・・・21n,更に出力光強度偏差モニタ回路22を有している。さらに,ラマン光増幅部1の出力に直列に接続される光増幅器30と,光増幅器30により光増幅された後に信号光の一部を分岐する分岐部31を有している。
励起光源群は,第1の実施例と同様に,それぞれ波長の異なる複数の励起光源11a,11b,11cを備える。
本発明の実施の形態例の構成では,第1の実施例と同様に,励起光源群は励起光源11aが波長λP1,励起光源11bが波長λP2,励起光源11cが波長λP3の3つの励起光グループより構成されているものとする。
例えば,励起光n(n=1〜3)λpnは,それぞれ波長差の少ない類似した波長の複数の励起光群から構成されてもよい。また,励起光は3つのグループとしたが,4つ以上の複数のグループとしてもよい。
合波手段10aは,第1の実施例と同様,励起光源群より発せられる励起光を1本の光ファイバにとりまとめる手段である。合波手段10bは,第1の実施例と同様,励起光を信号光が増幅される光ファイバ伝送路2に入射する手段である。
各信号光モニタ21a,21b・・・21nは,第1の実施例と同様に,光ファイバ伝送路2を通過する信号光の一部を分岐器12で分岐した後,更に信号光分波手段20により,波長に応じて信号光を分岐し,信号光モニタ21a,21b・・・21nで信号光の強度を検出する機能を備える。
本発明の構成例では,波長に応じて信号光が,それぞれ,λSIG1,λSIG2,・・・,λSIGnのn個の成分に分岐されるものとする。
出力光強度偏差モニタ回路22では,各信号光モニタ21a,21b〜21nにより検知した各信号光強度に基づいて,信号光強度の平均値との差としての信号光強度の偏差量を算出する。
励起光制御回路15は,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶する励起光量記憶装置15cと,出力光強度偏差モニタ回路22で算出された強度偏差量に基づき,所望の信号光強度の偏差量に制御する励起光比算出部15bを備える。
励起光量記憶装置15cでは,利得偏差制御を実施する前の励起光パワーの合計量を記憶するメモリ等の記憶媒体を備える。励起光比算出部15bは,信号光の強度偏差が所定の特性となる各励起光波長のパワー比率を算出する。励起光制御回路15において,励起光量記憶装置15cに記憶した励起光パワー合計量に対し,励起光比算出部15bで算出した励起光比を配分して,各励起光波長のパワー量を設定する機能を備える。
第3の実施例の特徴は,第1の実施例に対して,ラマン光増幅部1と,直列に接続された光増幅器30による光増幅の足し合わせにより生じる信号光強度の偏差を,所定の特性とするとともに,利得偏差制御前後で励起光パワーの合計量を増減することなく,信号光のラマン利得を一定に保つことである。
第3の実施例構成において,信号光強度の波長特性を平坦化する場合の処理手順は,図11に示すフローと同じ手順で実施される。
第3の実施例の別の構成例として,図22に示すように,ラマン光増幅部1は,第2の実施例に説明した減衰量制御回路16及び光減衰量可変手段17を備える様に構成してもよい。かかる第3の実施例の別の構成例においては,信号光強度の波長特性を平坦化する場合の処理手順は,図17に示すフローと同じ手順で実施される。
上記したように,本発明の第1の実施例では,利得偏差制御前に保持した励起光パワー合計量に各波長の励起光パワー比を配分し,利得偏差制御後の各励起光パワーを設定する。その結果,ラマン光増幅後の信号光パワーの偏差を抑圧するとともに,利得偏差制御前後で励起光パワーの合計量が増減することなく,信号光のラマン利得を一定に保つ利得偏差制御を実施することが可能である。
さらに,本発明の第2の実施例では,利得偏差制御前に保持した励起光パワー合計量と,利得偏差制御により算出された励起光パワー合計量を比較する。利得偏差制御前後の励起光パワー合計量の比だけ光減衰量を変化させる光減衰量可変手段の駆動信号を算出する。そして,利得偏差制御後の励起光パワーを設定すると同時に,先に算出した駆動信号を光減衰量可変手段に与えることにより,ラマン光増幅後の信号光パワーの偏差を抑圧するとともに,信号光のラマン利得を一定に保つ利得偏差制御を実施することが可能である。
さらに,本発明の第3の実施例では,第1の実施例もしくは第2の実施例の構成例のラマン光増幅部に接続される光増幅器の出力光に対して,利得偏差制御を実施する。その結果,ラマン光増幅と光増幅器による光増幅の足し合わせにより生じる信号光強度の偏差を抑圧するとともに,利得偏差制御前後で励起光パワーの合計量が増減することなく,信号光のラマン利得を一定に保つ利得偏差制御を実施することが可能である。
(付記1)
光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
入力信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御回路を有し,
前記励起光制御回路は,前記所定の特性に対応する励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とするラマン光増幅器。
(付記2)
光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
前記ラマン増幅部の外部に,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記所定の特性に対応する励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とするラマン光増幅器。
(付記3)
光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御手段と,
前記所定の特性に対応して励起光強度の制御を実施する前に多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶装置と,
前記励起手段と前記光ファイバ伝送路の間に置かれる可変光減衰器と,
前記励起手段から前記光ファイバ伝送路に供給する励起光強度を,前記記憶装置に保持された励起光強度の合計量に制限する様に,前記可変光減衰器の減衰量を制御する光減衰量制御回路を,
有することを特徴とする光増幅器。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかにおいて,
前記信号光を伝送する光ファイバ伝送路の下流側に直列接続された光増幅器を有し,
前記光増幅器内で分波された出力の各波長の信号光の強度を前記モニタでそれぞれモニタするように構成されたことを特徴とするラマン光増幅器。
(付記5)
光ファイバ伝送路と,前記光ファイバ伝送路上に置かれる複数のラマン増幅器を有する光通信システムであって,
前記複数のラマン増幅器のそれぞれは,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御回路を有し,
前記励起光制御回路は,前記所定の特性に対応して励起光強度の制御を実施する前に多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とする光通信システム。
(付記6)
光ファイバ伝送路と,前記光ファイバ伝送路上に置かれる複数のラマン増幅器を有する光通信システムであって,
前記複数のラマン増幅器のそれぞれは,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と, 前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
前記ラマン増幅部の外部に,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記所定の特性に対応して励起光の発光強度を制御する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とする光通信システム。
(付記7)
光ファイバ伝送路と,前記光ファイバ伝送路上に置かれる複数のラマン増幅器を有する光通信システムであって,
前記複数のラマン増幅器のそれぞれは,
前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行なう励起手段と,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
前記信号光モニタで検知した各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,前記励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御する励起光制御手段と,
前記所定の特性に対応して励起光強度を制御する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶装置と,
前記励起手段と前記光ファイバ伝送路の間に置かれる可変光減衰器と,
前記励起手段から前記光ファイバ伝送路に供給する励起光強度を,前記記憶装置に保持された励起光強度の合計量に制限する様に,前記可変光減衰器の減衰量を制御する光減衰量制御回路を,
有することを特徴とする,
ことを特徴とする光通信システム。
(付記8)
付記5乃至7のいずれかにおいて,
前記信号光を伝送する光ファイバ伝送路の下流側に直列接続された光増幅器を有し,
前記光増幅器内で分波された出力の各波長の信号光の強度を前記モニタでそれぞれモニタするように構成されたことを特徴とする光通信システム。
(付記9)
光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器における励起光強度制御方法であって,
多重化される複数波長のそれぞれの励起光強度の合計量を予め記憶手段に保持するステップと,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれ検知するステップと,
前記検知した各信号光の強度における偏差を求めるステップと,
前記求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御するステップを有し,
さらに,前記励起光強度を制御するステップにおいて,
前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記求められた各信号光の強度における偏差比に応じて配分して,各波長の励起光源からの励起光強度を制御する,
ことを特徴とするラマン光増幅器における励起光強度制御方法。
(付記10)
光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器における励起光強度制御方法であって,
多重化される複数波長のそれぞれの励起光強度の合計量を予め記憶手段に保持するステップと,
ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれ検知するステップと,
前記検知した各信号光の強度における偏差を求めるステップと,
前記求められた信号光の強度における偏差に基づき,所定の特性に対応するように,励起手段を構成する各波長の励起光源からの励起光強度を制御するステップを有し,
さらに,前記励起光強度を制御された励起光源からの励起光を,前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量となるように減衰して前記光ファイバ伝送路に供給するステップを,
有することを特徴とするラマン光増幅器における励起光強度制御方法。
ラマン増幅特性についての説明図である。 従来技術のラマン光増幅器の構成の一例を説明する図である。 ラマン光増幅器が接続される光ファイバと,光ファイバを挟んで隣接する送信・受信光増幅器の一例を示した構成図である。 図3に示した送信光増幅器および受信光増幅器の利得偏差と,光ファイバの光損失の波長特性,および受信光増幅器の後における信号光強度の波長特性を表す図である。 利得偏差制御の概要説明する図である。 従来技術の利得偏差制御の一例についての説明図である。 従来技術の利得偏差制御の一例についての説明図である。 従来技術の利得偏差制御の一例についての説明図である。 本発明のラマン光増幅器が使用される光通信装置として,送信端局と受信端局,複数の中継局から構成される光伝送システムの構成の一例を説明する図である。 第1の実施例のラマン光増幅器の構成例を説明する図である。 第1の実施例の制御部の処理フローを説明する図である。 本発明に従う光増幅器における信号光モニタ,出力光強度偏差モニタ回路及び,光増幅部における励起光制御回路の詳細構成例を示す図である。 励起光源駆動信号と伝送路に入力される励起光出力との対応関係を示すグラフである。 図12の構成例に対し,他の構成例を示す図である。 第1の実施例における更に他の構成例を示す図である。 第2の実施例のラマン光増幅器の構成例を説明する図である。 第2の実施例の制御部の処理フローを説明する図である。 光減衰量可変手段の駆動信号と光減衰量の特性の一例を示す図である。 図16に示した本発明に従う第2の実施例の光増幅器における信号光モニタ,出力光強度偏差モニタ回路及び,光増幅部における励起光制御回路の詳細構成例を示す図である。 第2の実施例における更に他の構成例を示す図である。 第3の実施例におけるラマン光増幅器の構成例を示す図である。 第3の実施例における他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 光増幅部
2 光ファイバ伝送路
3,4 光増幅器
10a,10b 合波手段
11a,11b,11c 励起光源
12 分岐部
15 励起光制御回路
15a 利得量監視部
15b 励起光比算出部
15c 励起光量記憶装置
15d 励起光量算出部
20 信号光分波手段
21a,21b,21c・・・21n 信号光モニタ
22 出力光強度偏差モニタ回路

Claims (6)

  1. 光ファイバ伝送路に複数の異なる波長の励起光を供給してラマン増幅を行う励起手段と,
    ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
    前記信号光モニタより,各波長の信号光強度の平均値を求める平均値検出手段と,
    前記信号光モニタによる各信号光の強度および前記平均値検出手段による信号光強度の平均値より,各信号光における強度偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
    前記各信号光における強度偏差に基づき,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の異なる波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する励起光制御回路を備え,
    前記励起光制御回路は,前記励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を有し,
    前記励起光制御回路は,前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた前記各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記複数の励起光源から夫々出射される前記複数の異なる波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する,
    ことを特徴とするラマン光増幅器。
  2. 光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行う励起手段と,前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
    前記ラマン増幅部の外部に,
    ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
    前記信号光モニタで検知した各波長の信号光強度に対して,各波長の信号光強度の平均値を求め,前記信号光モニタによる各波長の信号光強度および前記各波長の信号光強度の平均値より,各信号光における強度偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
    前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
    前記励起光制御回路は,前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する,
    ことを特徴とするラマン光増幅器。
  3. 光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行う励起手段と,
    ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
    前記信号光モニタで検知した各波長の信号光強度に対して,各波長の信号光強度の平均値を求め,前記信号光モニタによる各波長の信号光強度および前記各波長の信号光強度の平均値より,各信号光における強度偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
    前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光における強度偏差に基づき,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する励起光制御手段と,
    前記励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶装置と,
    前記励起手段と前記光ファイバ伝送路の間に置かれる可変光減衰器と,
    前記励起手段から前記光ファイバ伝送路に供給する励起光強度を,前記記憶装置に保持された前記多重化された各波長の励起光強度の合計量に制限する様に,前記可変光減衰器の減衰量を制御する光減衰量制御回路を,
    し,
    前記励起光制御手段は,前記記憶装置に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御することを特徴とする光増幅器。
  4. 光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行う励起手段と,前記励起手段に対し,前記励起光の発光強度を制御する励起光制御回路を有するラマン増幅部と,
    前記ラマン増幅部の信号光伝送方向の下流側に光増幅器が接続され,
    前記ラマン増幅部の外部に,
    前記ラマン増幅部と前記光増幅器の双方により光増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
    前記信号光モニタで検知した各波長の信号光強度に対して,各波長の信号光強度の平均値を求め,前記信号光モニタによる各波長の信号光強度および前記各波長の信号光強度の平均値より,各信号光における強度偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路を有し,
    前記ラマン増幅部の励起光制御回路は,前記励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
    前記記憶手段に保持された励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する,
    ことを特徴とするラマン光増幅器。
  5. 光ファイバ伝送路と,前記光ファイバ伝送路上に置かれる複数のラマン増幅器を有する光通信システムであって,
    前記複数のラマン増幅器のそれぞれは,
    前記光ファイバ伝送路に複数の波長の励起光を供給してラマン増幅を行う励起手段と,
    ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれモニタする信号光モニタと,
    前記信号光モニタで検知した各波長の信号光強度に対して,各波長の信号光強度の平均値を求め,前記信号光モニタによる各波長の信号光強度および各波長の信号光強度の平均値より,各信号光の強度における偏差を求める出力光強度偏差モニタ回路と,
    前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた信号光における強度偏差に基づき,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する励起光制御回路を有し,
    前記励起光制御回路は,前記励起光強度の制御を実施する前に,多重化される各波長の励起光強度の合計量を保持する記憶手段を備え,
    前記励起光制御回路は,前記記憶手段に保持された前記多重化された各波長の励起光強度の合計量を,前記出力光強度偏差モニタ回路で求められた各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数の波長の励起光に対する励起光強度を制御する,
    ことを特徴とする光通信システム。
  6. 光ファイバ伝送路のラマン増幅効果を利用して信号光強度を増幅するラマン光増幅器における励起光強度制御方法であって,
    多重化される複数波長のそれぞれの励起光強度の合計量を予め記憶手段に保持するステップと,
    ラマン増幅された信号光に含まれる各波長の信号光の強度をそれぞれ検知するステップと,
    前記検知した各波長の信号光強度に対して,各波長の信号光強度の平均値を求め,前記信号光モニタによる各波長の信号光強度および各波長の信号光強度の平均値より,各信号光における強度偏差を求めるステップと,
    前記求められた信号光における強度偏差に基づき,励起手段を構成する複数の励起光源から夫々出射される前記複数波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御するステップを有し,
    さらに,前記励起光強度を制御するステップにおいて,
    前記記憶手段に保持された前記多重化された複数波長のそれぞれの励起光強度の合計量を,前記求められた各信号光における強度偏差の比に応じて配分して,前記複数の励起光源から夫々出射される前記複数波長の励起光に対する励起光強度を夫々制御する,
    ことを特徴とするラマン光増幅器における励起光強度制御方法。
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