JP4768129B2 - 活性部位ループ領域中に追加のアミノ酸残基を有するサブチラーゼ酵素サブグループi−s1及びi−s2 - Google Patents

活性部位ループ領域中に追加のアミノ酸残基を有するサブチラーゼ酵素サブグループi−s1及びi−s2 Download PDF

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    • C12N9/54Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from bacteria or Archaea bacteria being Bacillus

Description

【0001】
発明の分野
本発明は位置95ないし103の活性部位ループ(b)域の位置95に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有する、新規サブチラーゼ酵素サブグループI-S1及びI-S2に関する。これらプロテアーゼは洗浄剤、洗剤及び洗浄剤組成物に利用された場合に、優れた洗浄性能又は改良された洗浄能力を獲得するのに有益である。発明は更に好適な宿主細胞又は生物体に挿入された時に、前記酵素の発現に関するコーディング遺伝子;及びそれにより形質転換された前記酵素変異体を発現できる宿主細胞;及び新規酵素を製造する方法に関する。
【0002】
発明の背景
洗浄剤産業では、酵素は30年以上前から洗浄処方体の中に利用されている。これら処方体中に用いられる酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及びその他酵素ならびにそれらの混合体を含む。
天然に生ずる野生型のプロテアーゼを遺伝子工学による変異体タンパク質であるプロテアーゼ、例えばDURAZYM(Novo Nordisk A/S), RELASE(Novo Nordisk A/S), MAXAPEM(Gist-Brocades, N.V.),PURAFECT(Genencor International, Inc.,)の商業利用が増加している。
【0003】
更にEP 130756(GENENTEC)(米国特許第34,606号(GENENCOR)に相当);EP214435(HENKEL);WO87/04461(AMGEN);WO87/05050(ENEX);EP210105(GENENCOR);Thomas, Russell及びPerht(1985)Nature 318 375-376; Thomas, Rusell及びFershet(1987)J.Mol.Biol. 193 83-813; Russel及びPersht Nature 328 496-500 (1987); WO 88/08028 (Genex); WO 88/08033(Amgen); WO 95/27049(SOLAY S.A.); WO 95/30011(PROCTER &GAMBLE COMPANY); WO 95/30010(PROCTER & GAMBLE COMPANY); WO 95/29979 (PROCTER & GAMBLE COMPANY); US 5,543,302(SOLVAY S.A.); EP 251 446(GENENCOR); WO 89/06279(NOVO NORDISK A/S); WO 91/00345 (NOVO NORDISK A/S); EP 525 610 A1(SOLVY); 及びWO 94/02618(GIST-BROCADES N.V.)の様な各種プロテアーゼ変異体が当分野で報告されている。
【0004】
しかし、各種有用なプロテアーゼ変異体が報告されているが、多くの工業利用に関して新しい改良型プロテアーゼまたはプロテアーゼ変異体に対する需要はまだある。
従って、本発明の目的は、特に洗剤産業での利用に適した改良されたプロテアーゼ又はタンパク質工学で作られたプロテアーゼ変異体を提供することである。
【0005】
発明の要約
本発明者らは、活性部位ループの少なくとも一カ所が既知のものに比べ長いサブチリシンが、洗剤構成物中に改良された洗浄性能特性を有することを見いだした。その特定は、サブチリシン変異体、特に親の野生型酵素に比べ改良された洗剤組成物の洗浄性能特性を持つサブチリシン309(GLSAVI又はSavinase)を構築することで成された。このことは、前の出願DK1332/97に記述されている。
【0006】
今回、位置95ないし103の活性部位ループ(b)領域の位置95(又はむしろ位置95と96の間)に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を持つI-S1(真の“サブチリシン”)及びI-S2(高アルカリサブチリシン)のサブグループが、現在既知のもの及び前記出願に記載されたものに比べて驚くべき改良された洗浄性能を示すことを見いだした。
【0007】
本発明の改良型プロテアーゼは天然源からの単離された又は野生型のサブチラーゼ中の位置95と96(活性部位及び位置番号の定義については以下参照)の間の活性部位ループ(b)内に少なくとも更に1個のアミノ酸残基を導入(挿入)することで得ることができる。
この発見は、サブチリシン309についてなされたものであるが、同様に有益なサブチラーゼまたはサブチラーゼ変異体の製造又は単離が可能であると推測される。
【0008】
更に、天然単離体をスクリーニングすることで、サブチラーゼが位置95と96の間に1つの挿入アミノ酸残基を持ち、そしてサブチリシン309の様な既知の近縁サブチリシンに比べ洗浄中に於いて優れた洗浄性能を示すと考えられる、サブチリシン309の様な既知野生型サブチラーゼ中の該当活性部位ループに比べて長い活性部位ループ(b)を含む新規野生型サブチラーゼを特定することができるだろう。
【0009】
アラインメント(並置比較)及び番号付けに関しては、サブチリシンBPN’(BASBPN)(a)及びサブチリシン309(BLSAVI)(b)間のアラインメント、サブチリシンBPN’(a)(BASBPN)とサブチリシンCarlsberg(g)とのアラインメントを示す、以下図1、1a、2及び2aが参照される。図1及び2では、アラインメントは下記に示す如くGCGパッケージのGAPルーチンを利用することで確立されているが、一方図1a及び2aはWO91/00345に示したものに同一である。本出願では、これらアラインメントは残基の番号付けの基準として利用されている。
【0010】
ここでは7個の活性部位ループ(a)ないし(g)(提示の両末端アミノ酸残基を含む)は以下に示す断片中のアミノ酸残基を包含するものとして定義される:
(a) アミン酸残基33と43の間の領域;
(b) アミン酸残基95と103の間の領域;
(c) アミン酸残基125と132の間の領域;
(d) アミン酸残基153と173の間の領域;
(e) アミン酸残基181と195の間の領域;
(f) アミン酸残基202と204の間の領域;
(g) アミン酸残基218と219の間の領域。
【0011】
従って本発明の第1の観点は、位置95ないし103の活性部位ループ(b)領域の位置95に少なくとも1個の追加アミノ酸残基をもち、それにより前記追加アミノ酸が位置95と96の間の少なくとも1個のアミノ酸残基の挿入に想定するI-S1及びI-S2サブグループのサブチラーゼ酵素を単離すること(即ち純度10%以上で)である。
本発明の第2の観点は、本発明のサブチラーゼ変異体をコードする単離されたDNA配列に関する。
本発明の第3の観点は、発明のサブチラーゼ変異体をコードする単離されたDNA配列を含む発現ベクターに関する。
本発明の第4の観点は、第3の観点による発現ベクターにより形質転換された微生物宿主細胞に関する。
【0012】
別の観点では本発明は、本発明のサブチラーゼ酵素の製造に関する。
本発明の酵素は一般には酵素が単離され、本質的に純粋な形で回収できる微生物株の培養;又は本発明の第4の観点による発現ベクターを好適な微生物宿主に挿入し、この宿主細胞を培養し所望のサブチラーゼ酵素を発現させ、そして酵素産物を回収することにより製造することができる。
さらに本発明は、本発明のサブチラーゼ又はサブチラーゼ変異体を含む組成物に関する。
さらに本発明は、多くの産業上の関連利用、特に洗浄組成物及び変異体酵素を含む洗浄組成物、特には変異体サブチリシン酵素を含む洗浄組成物に関する、本発明の酵素の利用に関する。
【0013】
定義
本発明をさらに詳細説明する前に、以下の用語及び規則をまず定義する。
【表3】
Figure 0004768129
【0014】
【表4】
Figure 0004768129
【0015】
変異体の定義に関する命名及び慣用名
本発明により作られた、又は考慮されている各種酵素変異体の記述では、参照の利便性より以下の命名及び慣用名が適用されている:
引用のフレームは、まずサブチリシンBPN’(BASBPN)と、単離された又は親の野生型酵素とを並列させることで規定される。
アラインメントは、以下のパラメータを利用した、多くの変異体に対するGCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンにより得ることができる:ギャップ・クリエーション・ペナルティー=8及びギャップ・エクステンション・ペナルティー=8、及びその他パラメータはデフォルト値。
【0016】
別の方法は、WO91/00345に記載のアラインメントの様なサブチラーゼ間の既知アラインメントを利用することである。多くの場合、その差はそれほど重要ではない。この様なサブチリシンBPN’(BASBPN)やサブチリシン309(BLSAVI)及びサブチリシンCarlsberg(BLSCAR)間のアラインメントは、それぞれ図1、1a、2及び2aに例示されている。この様に欠失及び挿入の番号はBASBPNに関連して規定されるだろう。
【0017】
図1では、サブチリシン309はBASBPNと比較した場合には位置36、58、158、162及び164の位置に欠失を有しているが、一方図1aではサブチリシン309はBASBPNと比較した場合では位置36、56、159、164、165の位置に同一の欠失を有している。図2では、サブチリシンCarlsbergはBASBPNに比べ位置58に1個の欠失を持っているが、図2aではサブチリシンCarlsbergはBASBPNに比較し、位置56に1個の欠失を有している。これら欠失は図1、1a、2及び2aでは星印(*)で示されている。
【0018】
野生型酵素中に行われた各種変更は、一般には以下の3要素により指示される:
元のアミノ酸 位置 置換アミノ酸
すなわちG915Eという表記は位置195にあるグリシンがグルタミン酸により置換されていることを意味する。
元のアミノ酸残基がいずれかのアミノ酸残基により置換された場合には、位置と置換アミノ酸を示す省略表現が利用されるだろう。
位置 置換アミノ酸
この表記は特に相同的サブチラーゼ(下記参照)中の変更との関連で有用である。
【0019】
同様にアミノ酸残基の置換を特定することが重要でない場合にも有用である。
元のアミノ酸 位置
元のアミノ酸及び置換アミノ酸がともにいずれかのアミノ酸を含む場合には、位置のみ、例えば170が示される。
元のアミノ酸及び/又は置換アミノ酸が1以上のアミノ酸を含むが、全てのアミノ酸を含まない場合には、選択されたアミノ酸をブレース{}内に示す。
元のアミノ酸 位置置換アミノ酸1,・・・、置換アミノ酸n
特定の変異体に関しては、いずれかのアミノ酸残基を示すコードXaa及びXを含む特別な3又は4文字コードが利用される。
【0020】
置換
位置195のグリシンに関するグルタミン酸置換は次のように表される:
Gly195Glu 又はG195E
又は位置195のグリシンがいずれかのアミノ酸に置換される場合には以下の様に表される;
Gly195Xaa 又は G195X
あるいは
Gly195 又は G195
位置170にあるいずれかのアミノ酸残基がセリンに置換する場合には以下の様に表されるだろう;
Xaa170Ser 又は X170S
あるいは
170Ser 又は170S
【0021】
この様な表記は相同的(homologous)サブチラーゼ(下記参照)中の変更に関連する場合に特に有効である。従って170Serは、例えばBASBPN中のLys170Ser変更及びBLASAVI中のArg170Ser変更の両方を含んでいる(図1参照)。
元のアミノ酸及び/又は置換アミノ酸が1より多いが全てではないアミノ酸を含む場合には、位置170のアルギニンに関するグリシン、アラニン、セリン又はスレオニンの置換は次により表され、
Arg170{Gly、Ala、Ser、Thr} 又はR170{G、A、S、T}
以下の変異体を指示する。
R170G、R170A、R170S及びR170T。
【0022】
欠失
位置195のグリシンの欠失は以下により表される:
Gly195*又はG195*
従って、位置195及び196位置にあるグリシンとロイシンの欠失の様な、1より多くのアミノ酸残基の欠失は次のように表される:
Gly195*+Leu196* 又は G195*+L195*
【0023】
挿入
例えばG195の後にリジンの様な追加アミノ酸残基の挿入は:
Gly195GlyLys 又はG195GK;あるいは
1より多いアミノ酸残基が挿入される場合、例えばG195の後にLys、Ala及びSerが挿入される場合は以下の様に表される。
Gly195GlyLysAlaSer 又はG195GKAS
この様な場合、挿入されたアミノ酸残基は挿入されたアミノ酸残基の前のアミノ酸残基位置番号に小文字を加えて番号付けを行う。上記の例では、配列194から196は次のようになる:
【0024】
【表5】
Figure 0004768129
【0025】
既存のアミノ酸残基に同一なアミノ酸残基が挿入された場合、命名に縮重が起こることは明瞭である。例えば上記の例でグリシンの後にグリシンが挿入された場合はG195GGにより表されるだろう。
【0026】
【表6】
Figure 0004768129
への変化についてもA194AGとして表示することができる。
この様な例は当業者にとっては明らかであり、従ってG195GG及びこのタイプの挿入に対応した表示は相当する縮重指示を含むことを意味している。
【0027】
ファイフィングギャップ
酵素中の欠失が、番号付けに用いたサブチリシンBPN’配列の参照比較中に存在する場合、この様な位置の挿入は次の様に表される:
位置36中のアスパラギン酸の挿入について
*36Asp 又は *36D。
【0028】
複数の変更
複数の変更を含む変異体はプラスにより分離され、たとえば;
Arg170Thy+Gly195Glu 又は R170Y+G195E
で表され、位置170及び195にあるアルギニン及びグリシンがそれぞれチロシン及びグルタミン酸に置換していることを表す。
あるいは、例えばTyr167{Gly、Ala、Ser、Thr}+Arg170{Gly、Ala,Ser,Thr}は次の変異体を表す:
【0029】
【表7】
Figure 0004768129
【0030】
この命名法は特に、陽電荷残基(K、R、H)、陰電荷(D、E)の様な特異的な共通特性を持つアミノ酸残基の置換、交換、挿入又は欠失を目的とする変更、あるいは小型アミノ酸が別の小型アミノ酸に置換されたことを表すTyr167{Gly、Ala、Ser、Thr}+Arg170{Gly、Ala、Ser、Thr}の保存的アミノ酸変更に有用である。更に詳しくは“発明の詳細な説明”を参照せよ。
【0031】
プロテアーゼ
蛋白質基質中のアミド結合を分解する酵素はプロテアーゼ、又は(互換的に)ペプチダーゼ(Walsh、1979、酵素反応メカニズム(Enzymatic Reaction Mechanisms.)W.H.Freeman and Company、San Francisco、3章)。
アミノ酸位置/残基の番号付け
特別に記載が無い限り、ここに使用するアミノ酸番号付けは、サブチラーゼBPN‘(BASBPN)配列のそれに対応する。BPN’配列に関するより詳細は図1及び2、又はSiezenら、Protein Engng.4(1991)719-737。
【0032】
セリンプロテアーゼ
セリンプロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素であり、活性部位のセリン残基が必須である(White、Handler及びSmith、1973“生化学の原理(Principles of Biochemistry、”第5版、McGraw-Hill Book Company、NY、pp.271-272)。
【0033】
細菌のセリリンプロテアーゼは分子量20,000ないし45,000ダルトンの範囲内にある。それらはジイソプロピルフルオロリン酸により阻害される。これらは単純末端エステルを加水分解し、同様のセリンプロテアーゼである真核生物のキモトリプシンに似た活性を持つ。より狭義な意味では、サブグループをカバーするアルカリプロテアーゼは、高い最適pH、pH9.0ないし11.0を持つセリンプロテアーゼの幾つかを指す(レビューとしては、Priest(1977)Bacteriological Rev.41 711-753を参照)。
【0034】
サブチラーゼ
仮にサブチラーゼと命名されたセリンプロテアーゼのサブグループはSiezenら、Protein Engng.4(1991)719-737及びSiezenら、Protein Science 6(1997)501-523により提案されたものである。それらは従来サブチリシン様プロテアーゼと称されるセリンプロテアーゼの170アミノ酸配列以上の相同性分析により定義される。これまでサブチリシンは、Siezenらにより現在サブチラーゼのサブグループとして規定されているグラム陽性細菌又は真菌により産生されるセリンプロテアーゼと規定されることが多かった。非常に多様なサブチラーゼが同定されており、多くのサブチラーゼのアミノ酸配列が決定されている。これらサブチラーゼのより詳細な記述、及びそれらのアミノ酸配列の参照はSiezenら(1997)により成されている。
【0035】
サブチラーゼのサブループの1つ、I-S1又は“真の#サブチラーゼ”はサブチリシン168(BSS168)、サブチリシンBPN’、サブチリシンCarlsberg(ALCALASE、NOVO NORDISK A/S)及びサブチリシンDY(BSSDY)の様な“古典的”サブチリシンを含む。
サブチリシンの別のサブグループI−S2又は高アルカリサブチリシンは、Siezenら(上記)により認められた。サブグループI−S2プロテアーゼは、高アルカリサブチリシンと記述され、サブチリシンBP92(BAALKP)(MAXACLA、Gist-Brocades NV)、サブチリシン309(SAVINASE、NOVO NORDISK A/S)、サブチリシン147(BLS147)(ESPERASE、NOVO NORDISK A/S)及びアルカリエステラーゼYaB(BSEYAB)の様な酵素を含む。
【0036】
サブチラーゼの頭字語リスト
I-S1
サブチリシン168、BSS168(BSSAS(Subtilisin amylosacchariticus)、
BSAPRJ(サブチリシンJ)、BSAPRN(サブチリシンNAT)、BMSAMP(メセンテリコペプチダーゼ(Mesentericopeptidase))、
サブチリシンBPN’、BASBPN、
サブチリシンDY、BSSDY、
サブチリシンCarlsberg、BLSCAR(BLKERA(ケラチナーゼ)、BLSCA1、BLSCA2、BLSCA3)、
BSSPRC、セリンプロテアーゼC
BSSPRD、セリンプロテアーゼD
【0037】
IS-2
サブチリシンセンダイ(Sendai)、BSAPRS
サブチリシンALP1、BSAPRQ、
サブチリシン147、Esperase(商標)BLS147(BSAPRM(サブチリシンAprM)、BAH101)、
サブチリシン309、Savinase(商標)、BLS309/BLSAVI(BSKSMK(M-プロテアーゼ)、BAALKP(サブチリシン PB92、Bacillus好アルカロ性アルカリプロテアーゼ)、BLSUBL(サブチリシン BL)、
アルカリエラスターゼ YaB、SYSYAB。
【0038】
“サビナーゼ(SAVINASE)(商標)”
サビナーゼ(商標)はNOVO NORDISK A/Sより販売されている。これはB.Lentus由来のサブチラーゼ309であり、BAALKPと1位置(N87S、本件図1を参照)のみ異なっている。サビナーゼ(商標)”は図1内にb)と印されたアミノ酸配列を有する。
【0039】
親サブチラーゼ
用語“親サブチラーゼ”はSiezenら(1991及び1997)により規定されたサブチラーゼを表す。より詳細については、上記“サブチラーゼ”の記述を参照せよ。親サブチラーゼは天然源から分離されるサブチラーゼでもあり、これはサブチラーゼの特性を保持しつつその後変更が行われた。あるいは用語“親サブチラーゼ”は用語“野生型サブチラーゼ”である。
【0040】
サブチラーゼの変異体修飾
本書に用いる用語“修飾”(modification)とは、サブチラーゼの化学的修飾及びサブチラーゼをコードするDNAの遺伝的修飾を含むものとして定義される。修飾は、アミノ酸側鎖の置換、問題のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入である。
サブチラーゼ変異体
本発明の観点では、用語サブチラーゼ変異体(variant)又は変異型(mutated)サブチラーゼは、元のあるいは親の遺伝子を持ち、対応する親酵素を産生する親微生物にあって、好適宿主細胞内にて発現した場合に前記変異体サブチラーゼプロテアーゼが生産される様に親遺伝子が変異された遺伝子により産生されるサブチラーゼを意味する。
【0041】
相同体( homologous )サブチラーゼ配列
SAVINASE(商標)サブチラーゼの特異的活性部位ループ域、及びアミノ酸挿入は、発明のサブチラーゼ変異体を得るための本書の修飾に適したカ所として認識される。
しかし、発明はこの具体的なサブチラーゼの修飾に限定されるものではなく、SAVINASE(商標)の一次構造に相同な一次構造を持つ別の親(野生型)サブチラーゼにも拡大される。2アミノ酸配列間の相同性は、本観点においてはパラメーター“同一性”により記述される。
【0042】
2サブチラーゼ間の同一性の程度を決定するには、同一条件を利用したGCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンが利用できる(上記)。このルーチンからの出力は、アミノ酸アラインメント及び2配列間の“%同一性”の計算である。
この記述に基づけば、当業者にとって発明により修飾することができる、好適な相同的サブチラーゼ及び対応する相同的な活性部位ループを同定することは日常の作業である。
【0043】
洗浄性能
例えば選択あるいはハード表面洗浄中の清浄化の対象物に存在している各種天然基質の分解を触媒する酵素の能力は、しばしばそれが持つ洗浄能力、洗濯能力、界面活性能、又は洗浄性能として参照される。本明細書では、洗浄性能という用語はこの特性を包含するのに利用いられるだろう。
【0044】
単離された DNA 配列
用語“単離された”は、DNA配列分子について用いられる場合には、天然のDNA現より取り出されたDNA配列を意味しており、従って多の外来性又は不要なコード配列を含んでおらず、遺伝子工学により蛋白質産生システムでの利用に好適な形状にある。この様な単離された分子は、その天然環境から単離されたものであり、cDNA及びゲノムクローンを含む。本発明の分離DNA分子は元来不随しているその他遺伝子を持たないが、プロモーター及びターミネーターの様な天然に生ずる5’及び3’非翻訳領域は含むだろう。付随領域の特定は、当分野通常の熟練者にとっては明らかであろう(例えばDynanとTijan、Natrure 316:774-78, 1985参照)。“単離されたDNA配列”はあるいは“クローン化DNA配列”とも呼ばれる。
【0045】
単離された蛋白質
蛋白質に用いられる場合、“単離された”という用語はその蛋白質がその本来の環境から取り出されていることを示す。
好適形態では、単離された蛋白質は実質その他蛋白質、特にその他相同的蛋白質(即ち“相同的不純物”(以下参照))を含まない。
【0046】
分離蛋白質は、SDS-PAGEにより決定した場合に10%より高く純粋であり、好ましくは20%より高く純粋であり、更に好ましくは30%より高く純粋である。
更に、蛋白質はより精製された形状、SDS-PAGEで決定した時に、即ち40%より高く純粋であり、60%より高く純粋であり、80%より高く純粋である、より好ましくは95より高く純粋である、より更に好ましくは99%より高く純粋である形状で提供されることが好ましい。
用語“単離された蛋白質”は又は“精製された蛋白質”とも呼ばれるだろう。
【0047】
相同的不純物
用語“相同的不純物”(homologous impurities)(例えば本発明のポリペプチド以外のポリペプチド)は、本発明のポリペプチドを本来得る相同的細胞に由来する不純物を意味する。
【0048】
から得る
用語“から得る”(又はより得る)は、特定の微生物源と結びつけここに利用される場合には、特定の源、又はその源が挿入された遺伝子を持つ細胞により生成されるポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドを意味する。
【0049】
基質
プロテアーゼの基質に関連し用いられる用語“基質”は、サブチリシンプロテアーゼによる加水分解に感受性であるペプチド結合を少なくとも1個含んでいる化合物を含むものとして、広義な形状に解釈すべきである。
産物
プロテアーゼの酵素反応に由来する産物と関連し用いられる用語“産物”は、本発明の文脈に於いて、サブチラーゼプロテアーゼが関与する加水分解反応の産物を含むと解釈すべきである。産物は、その後の加水分解反応の基質になるだろう。
【0050】
発明の詳細な説明
発明のサブチラーゼは、第1の観点に於いては、位置95ないし103の活性部位ループ(b)領域内の位置95に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を有し、それにより該追加アミノ酸残基が位置95と96間の少なくとも1個のアミノ酸残基の挿入に対応している単離された(即ち10%より高く純粋である)I-S1及びI-S2サブグループのサブチラーゼ酵素に関する。
【0051】
換言すれば発明のサブチラーゼは、9個より多くのアミノ酸残基の活性部位ループ(b)を含み、且つ親又は既知野生型サブチラーゼと比較した場合に位置95と96の間に追加アミノ酸残基が挿入されているか、又は挿入されていると考えることができることを特徴とする。
本発明の第1の観点のサブチラーゼは、天然から単離されそして同定された親又は野生型サブチラーゼであろう。
この様な親野生型サブチラーゼは、当分野で既知の標準的技術により特異的にスクリーニングされるだろう。
【0052】
これを行う好適な方法の一つは、各種微生物、好ましくは各種バチルス属の株由来のサブチラーゼ中に活性部位ループをコードしていることが既知であるDNA領域を特異的にPCR増幅するものであろう。
サブチラーゼはそのDNA及びアミノ酸配列が相同であるという意味で保存的な酵素の1グループである。従って、活性部位ループを挟む、比較的特異的なプライマーを構築することができる。
【0053】
これを行う一つの方法は、異なるサブチラーゼのアラインメントを研究する事である(例えばSiezenら、Protein Science 6 (1997) 501-523参照)。BLSAVIの様なI-S1又はI-S2グループの何れかのグループ中のアミノ酸残基95ないし103間にある活性部位ループ(b)に相当する活性部位ループを挟むPCRプライマーを構築することは、当業者にとっては通常であるこの作業に由来する。
【0054】
この様な各種微生物、好ましくはバチルス属の菌株由来のDNAを増幅するPCRプライマーを用い、該増幅PCR断片のDNA配列を決定すれば、例えば位置95ないし103の活性部位ループ域に対応し、且つ位置95及び96の間に挿入が存在すると考えられる、BLSAVIに比べ長い活性部位域を含むこれらグループのサブチラーゼを産生する株を特定することができる。目的のこの様なサブチラーゼの株及び部分DNA配列を同定すれば、発明のこの様なサブチラーゼを完全クローニングし、発現させ、精製することは当業者にとって通常の作業である。
【0055】
しかし、発明のサブチラーゼ酵素は主には親サブチラーゼの変異体であると予想される。
従って実施態様の一つでは、本発明は本発明の第1観点による単離されたサブチラーゼ酵素に関し、前記サブチラーゼ酵素はアミノ酸残基95と96の間に少なくとも1アミノ酸残基の挿入を有することで、その親酵素に比べ長い活性部位ループ(b)を持つ様に構築された変異体である。
発明のサブチラーゼは洗剤中にて優れた洗浄性を発揮し、そして酵素が構築された変異体である場合には、サブチリシン309の様なその近縁のサブチラーゼに比較して、洗剤中の洗浄性能は改善されている。
【0056】
異なるサブチリシン産物は様々なタイプの洗剤組成物中にて様々な洗浄性能を示すだろう。発明のサブチラーゼは、各種洗剤組成物の大部分に於いてその近縁体に比べ、改良された洗浄性能を有している。
好ましくは、発明のサブチラーゼ酵素は本明細書実施例3(下記)に示す洗剤組成物中にて近縁体に比べ優れた洗浄性能を持つ。
【0057】
特定のサブチラーゼアミノ酸配列(該サブチラーゼ配列が親野生型サブチラーゼ配列又は部位特異的変異導入法以外の方法で作成されたサブチラーゼ変異体配列であるか否かに関わらず)が発明の範囲内であるかは、以下の工程を利用し決定される:
i)該サブチラーゼ配列をサブチリシンBPN’(本明細書“定義”の章を参照(上記))のアミノ差配列と並置し;
ii)上記工程i)で実施されたアラインメントに基づき、該サブチラーゼ配列中にある95ないし103のアミノ酸残基間の領域を含む(端のアミノ酸を含む)サブチリシンBPN’の活性部位ループ(b)に相当する活性部位ループ(b)を特定し;
iii)もし工程ii)にて特定された該サブチラーゼ配列中にある活性部位ループ(b)がBLSAVI中にある対応する活性部位ループより長く、そして該延長が位置95及び96間への少なくとも1アミノ酸残基の挿入によるものであるかを決定する。
【0058】
もしそうであれば、研究されたサブチラーゼは本発明の範囲内のサブチラーゼである。
上記の工程i)にて実施されたアラインメントは、GAPルーチンを利用して前記同様に実施される。
本明細書の記述に基づき、サブチラーゼ中の活性部位ループ(b)を特定し、問題のサブチリシンが発明の範囲内にあるか決定することは当業者にとって通常のことである。
【0059】
変異体が部位指定変異導入法により構築された場合には、当然サブチラーゼ変異体が本発明の範囲内であることは事前に明白である。
本発明のサブチラーゼ変異体は、部位特異的/ランダム変異導入法又は異なるサブチラーゼ配列のDNAシャッフリングによる様な、当分野既知の標準的技術により構築されるだろう。詳細は“好適変異体の製造”の章及び本書材料と方法(下記)を参照のこと。
【0060】
別の実施態様では、発明は、
1.少なくとも1個の挿入アミノ酸残基がG、G、A及びSを含む群から選択される、発明の単離されたサブチラーゼ酵素;
2.該少なくとも1個の挿入アミノ酸残基がD、E、H、K、及びR、より好ましくはD、E、K及びRを含む荷電アミノ酸残基の群から選択される、発明の単離されたサブチラーゼ酵素;
【0061】
3.該少なくとも1個の挿入アミノ酸が、C、N、Q、S及びT、好ましくはN、Q、S及びTを含む親水性アミノ酸残基の群から選択される、発明の単離されたサブチラーゼ酵素;
4.該少なくとも1個の挿入アミノ酸が、A、G及びV含む小型の疎水性アミノ酸残基の群から選択される、発明の単離されたサブチラーゼ酵素;又は
5.該少なくとも1個の挿入アミノ酸が、F、I、L、M、P、W及びY、好ましくはF、I、L、M及びYを含む大型の親水性アミノ酸残基の群から選択される、発明の単離されたサブチラーゼ酵素に関する。
【0062】
別の実施態様では、本発明は位置98と99間への該挿入が、BLSAVI内の対応する活性部位ループに比べ少なくとも2アミノ酸を含んでいる、本発明の単離されたサブチラーゼに関する。
別の実施態様では、本発明は以下の修飾:
X95X[T、G、A、S]
X95X[D、E、K、R]
X95X[H、V、C、N、Q]
X95X[F、I、L、M、P、W、Y]
を含む群から選択される少なくとも1個の挿入を含む単離されたサブチラーゼ酵素に関する(BASBPN番号付け)。
【0063】
又はサブチリシン309及びBAALKP、BLSUBL及びBSKSMKの様な近縁関連サブチリシンに対してより特異的であり、
V95VA、V95VT、V95VG、V95VS、V95VD、V95VE、V95VK、V95VR、V95VH、V95VV、V95VC、V95VN、V95VQ、V95VF、V95VI、V95VL、V95VM、V95VP、V95VW、及びV95VY、である。
更に発明は位置95の複数挿入を含むサブチラーゼに関し、又は以下の組合せのいずれかである:
V95VT+Y167A
【0064】
同様のアミノ酸残基に対する1アミノ酸残基のいわゆる保存的置換は酵素の特性に極微小な変化のみ生ずることが期待されることは当分野でよく知られている。
下表8は、保存的アミノ酸置換のグループを掲載する。
【0065】
【表8】
Figure 0004768129
【0066】
この原則に従えば、G97A+A98AS+S99G、G95S+A98AT+S99Aの様な保存的置換を含むサブチリシン変異体は、相互に大きく異ならない特性を示すことが期待される。
ここに開示されそして/又は例示されているサブチリシンに基づけば、当業者は当分野通常同様に改良された洗浄性能を示すその他サブチリシン変異体を獲得することを目的として、これら変異体にとって好適である保存的修飾を通常に同定する。
【0067】
本発明によれば、本発明のサブチラーゼは、本発明の新規酵素の天然又は人工の多様態からの分離、及び親サブチラーゼからの変異体の設計及び産生に関して、サブグループI-S1及びIS-2、特にサブグループIS-2に属する。
サブグループI-S1の変異体に関しては、BSAPRQ、BLS147(BSAPRM、BAH101)、BLSAVI(BSKSMK、BAALKP、BLSUBL)、BYSYAB及びBSAPRS、又はサブグループI-S2の特性を保持するその機能的変異体を含むグループより親サブチラーゼを選択することが好ましい。
具体的には、該親サブチラーゼはBLSAVI(SAVINASE(商標)NOVO NORDISK A/S)であり、従って発明の好適サブチラーゼ変異体はSAVINASE(商標)の変異体である。
【0068】
本発明は、さらにそのアミノ酸配列に対する別の修飾を併せ持つ発明の上記サブチラーゼも含む。酵素に改良された特性を紆余することに関し当分野既知であるその他修飾との組合せが考えられる。当分野では各種改良された特性を持つ多くのサブチラーゼ変異体が報告されており、それらの幾つかは本書“発明の背景”の小児記載されている(上記参照)。これら参考資料は、ここでは発明のサブチラーゼ変異体と有益に組み合わせることができるサブチラーゼ変異体を特定するための参照物として開示されている。
【0069】
この様な組合せには次の位置が含まれる:222(酸化安定性を改良する)、218(熱安定性を改良する)、酵素を安定化するCa−結合部位、例えば位置76の置換、及びその他多くが当分野に於いて明あらかである。
別の実施態様では、発明のサブチラーゼ変異体は以下の何れかの位置の1又はそれ以上の修飾と有利に組み合わされるだろう:
27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、206、218、222、224、235及び274。
具体的には、以下のBLSAVI、BLSUBL、BSKSMK及びBAALKP変異体は組合せに適当と考えられる:K27R、*36D、S57P、N76D、S87N、G97N、S010G、S103A、V104A、V104I、V104N、V104Y、H120D、N123S、Y167、R170、Q206E、N218S、M222S、M222A、T224S、K235L及びT274A。
【0070】
S101G+V104N、S87N+S1010G+V104N、K27R+V104Y+N123S+T274A、N76D+S103A+V104I又はN76D+V104A、あるいは上記修飾の1またはそれ以上とのこれら変異体のその他組合せ(V104N、S101G、K27R、V104Y、N123S、T274A、N76D、V104A)のいずれかを含む別の変異体は改良された特性を示す。
【0071】
発明の主要な観点である更に別のサブチラーゼは、好ましくは位置129、131、133及び194、好ましくは129K、131H、133P、133D及び194Pの修飾、最も好ましくはP129K、P131H、A133P、A133D及びA194Pの修飾の何れかの修飾の1又は複数と好ましく組合わさる。これら修飾はその製造に於いて、発明のサブチラーゼ変異体のより高い発現レベルを提供することが期待される。
従って、発明の更に別の実施態様は、前記修飾が以下を含むグループから選択される、発明による変異体に関する。
【0072】
サブチラーゼ変異体の産生
発明のサブチラーゼをクローニングするための方法、及び遺伝子(例えばサブチラーゼ遺伝子)に挿入体を導入するための方法は当分野既知であり、“発明の背景”の章に引用された参考資料を参照のこと。
【0073】
一般に遺伝子のクローニング及び該遺伝子への挿入体の導入(ランダム及び/又は部位特異的)に適した標準的手段は、発明のサブチラーゼ変異体をえるのに利用できるだろう。好適技術の更に詳細な記述に関しては、ここの実施例(以下参照)及び(Sambrookら、(1989)Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F. M.ら、(編集)“Current protocols in Molecular Biology”, John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R.,及びcutting, S.M.(編集)”Molecular Biological Methods for Bacillus”, John Wiley and Sons, 1990); 及びWO96/34946を参照のこと。
【0074】
さらに発明のサブチラーゼ変異体は、異なるサブチラーゼ遺伝子のDNAシャッフリング(WO95/22625;Stemmer WPC, Nature 370:389-91(1994))の様な多様性を人工的に作るための標準的技術により構築されるだろう。天然に同定された1又はそれ以上の部分的サブチラーゼ配列により、例えばSavinase(商標)をコードしている遺伝子をDNAシャッフリングしてSavinase(商標)の活性部位(b)ループよりも長い活性部位(b)ループ域を含む様にし、続いて改良された洗浄性能についてスクリーニングを行い、発明によるサブチラーゼ変異体を提供する。
【0075】
発現ベクター
発明の酵素をコードするDNA構築体を含む組換え体発現ベクターは、組換え体DNA操作に簡便に供することができる何れかのベクターであろう。
ベクターの選択は、それが導入される宿主細胞に依存することが多いだろう。従って、ベクターは自己増殖型ベクター、即ち染色体外成分として存在するベクターであり、その複製は例えばプラスミドの様に染色体の複製から独立している。あるいは、ベクターは宿主細胞内への導入に際してそれが宿主細胞ゲノム内にその一部又はその全てが組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるベクターである。
【0076】
ベクターは、発明の酵素をコードしているDNA配列が、DNAの転写に必要な別の断片と作動可能に連結されている発現ベクターであることが好ましい。一般に、発現ベクターはプラスミド又はウイルスDNAに由来しており、その両方を含むだろう。用語“作動可能に連結して”とは、断片がその意図する目的、例えばプロモーター中での転写開始及び酵素をコードしているDNA配列中の進行に関し、協調して機能する様に配置されていることを意味する。
プロモーターは選択された宿主細胞内にて転写活性を示す何れかのDNA配列であり、宿主細胞に相同な、又は非相同的である蛋白質をコードする遺伝子に由来するだろう。
【0077】
細菌宿主細胞での利用に関し好適であるプロモーターの例には、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)アルファアミラーゼ遺伝子、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アルファアミラーゼ遺伝子、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)アルカリプロテアーゼ遺伝子、又はバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)キシロシダーゼ遺伝子、又はラムダファージのPR又はPLプロモーター、あるいはE.coliのlac、trp又はtacプロモーターが含まれる。
発明の酵素をコードしているDNA配列はまた、必要に応じて好適なターミネーターに作動可能に接続されるだろう。
【0078】
発明の組換え体ベクターは更に問題の宿主細胞内にてベクターを複製させることができるDNA配列を含むだろう。
ベクターは更に選択マーカー、例えば宿主細胞の欠損を補う産物の遺伝子、又は耐性、例えばカナマイシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スペクチノマイシン頭の構成物質に対する耐性、又は重金属あるいは殺虫剤に対する耐性をコードする遺伝子を含むだろう。
【0079】
本発明の酵素を宿主細胞の分泌経路に方向付けするには、分泌シグナル配列(又はリーダー配列、プレプロ配列、又はプレ配列としても知られる)が組換え体ベクター内に提供されるだろう。分泌シグナル配列は、酵素をコードするDNA配列と正確な読みとり枠内に結合されるだろう。分泌シグナル配列は通常は酵素をコードするDNA配列に5’側に位置する。分泌シグナル配列は、一般には酵素に不随する配列である、あるいは別の分泌蛋白質をコードする遺伝子に由来するものである。
【0080】
発明の酵素をコードするDNA配列、プロモーター及び随意にターミネーター及び/又は分泌配列それぞれを連結するのに用いる方法、又は好適なPCR増幅によりこれら配列を組み立てるのに用いる方法は、及びそれらを複製又は組み込みに必要な情報を含む好適ベクター内に挿入するのに用いる方法は、当業者に公知である(例えばSambrookら、上記引用を参照)。
【0081】
宿主細胞
宿主細胞内に導入された発明の酵素をコードするDNA配列は、問題の宿主に対し相同又は非相同のいずれかであろう。宿主細胞に相同である場合、即ち転々に宿主細胞により産生される場合、典型的には天然環境以外の別のプロモーター配列と作動可能に接続されるか、可能であれば別の分泌シグナル配列及び/又はターミネーター配列と作動可能に連結される。“相同”という用語は、問題の宿主生物が天然の酵素をコードするDNA配列を含むことを意味する。“非相同”という用語は、天然には宿主細胞により発現されないDNAは配列を含むことを意味する。即ち、DNA配列は別の生物体に由来するか、又は合成配列によるものであろう。
【0082】
発明のDNA構築体又は組換え体ベクターが導入される宿主細胞は、本酵素を産生することができる細胞であり、細菌、酵母、真菌及びより植物を含む高度な真核生物細胞を含むだろう。
培養により発明の酵素を産生できる細菌宿主細胞の例は、バチルス・ズブチリス(B.subtilis), バチルス・リケニホルミス(B.licheniformis), バチルス・レンタス(B. lentus), バチルス・ブレビス(B. brevis), バチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus), バチルス・アルカロフィルス(B. alkalophilus), バチラス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens), バチラス・コアグランス(B. coagulans), バチラス・サークランス(B. circulans), バチラス・ラウタス(B. lautus), バチリス・メガテリウム(B. megatherium)又はバチラス・チュリンジエンシス(B. thuringiensis)の様な枯草菌の株、又はストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)あるいはストレプトマイセス・ムリヌス(S.murinus)の様な放線菌の株の様なグラム陰性細菌、又は大腸菌(Escherichia coli)の様なグラム陰性細菌である。
【0083】
細菌の形質転換は、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、接合、又はコンペテント細胞を既知の方法により使用することで実施されるだろう(例えばSambrookら、上記参照)。
【0084】
大腸菌(E.coli)の様な細菌中で酵素が発現する場合、酵素は細胞質内に、典型的には不溶性の顆粒として(封入体としても知られる)保持されるか、又は細菌の分泌経路により細胞周辺腔内に分泌されるだろう。前者では、細胞は溶解され、顆粒が回収されて変性され、その後変性剤が希釈されて酵素は巻き戻されるだろう。後者の場合、酵素は細胞を破壊、例えば超音波処理又は浸透圧ショックにより破壊し、その内容物を細胞周辺腔に放出させて回収し、酵素が回収されることで細胞周辺腔から回収されるだろう。
【0085】
酵素がバチルス又は放線菌株の様なグラム陽性細菌内に発現される場合、酵素は細胞質内に保持されるか、又は細菌の分泌経路を介し細胞外培地に放出されるだろう。後者の場合、酵素は培地より以下記述の様にして回収されるだろう。
【0086】
サブチラーゼ製造法
本発明は、酵素をコードするDNA配列により形質転換させられた好適宿主細胞が、酵素の製造を可能にする条件下に培養され、そして生じた酵素を培地から回収する、発明による単離された酵素を製造する方法を提供する。
酵素をコードするDNA配列を含む発現ベクターが非相同的宿主細胞内に形質転換された場合、発明の酵素の非相同的組換え体産物が製造できる。
これにより、相同的不純物を含まないことを特徴とする、極めて精製度の高いサブチラーゼ組成物を作ることができる。
【0087】
この観点では、相同的不純物とは発明の酵素が元来由来する相同的細胞を起源とする不純物(例えば、発明の酵素以外のその他ポリペプチド)を意味する。
形質転換宿主細胞を培養するのに用いる培地は、問題の宿主細胞を増殖させるのに好適ないずれかの通常培地であろう。発現されたサブチラーゼは好都合に培養培地中に分泌され、そしてそこから遠心分離、濾過、硫安の様な塩を利用した培地からの沈殿により培地から細胞を分離し、さらにイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法を実施することを含む既知方法により回収されるだろう。
【0088】
発明のサブチラーゼ変異体の利用
発明のサブチラーゼプロテアーゼ変異体は、様々な産業応用、特に洗剤産業に利用できるだろう。
更に、発明は発明のサブチラーゼ変異体を含む酵素組成物に関する。
好ましい産業応用の概要、及びそれに対応する好ましい酵素組成物を以下記述する。
この概要は、発明のサブチラーゼ変異体の好適応用を完全に一覧することを意図するものではない。発明サブチラーゼ変異体は、プロテアーゼ、特にサブチラーゼの利用を含む当分野既知の他産業応用に利用されるだろう。
【0089】
突然変異体酵素を含む洗剤組成物
本発明は、洗浄及び洗剤組成物中での発明の突然変異体酵素、及び突然変異体サブチリシン酵素を含む組成物の利用を含む。この様な洗浄及び洗剤組成物は当分野にて良く記述されており、好適洗浄及び洗剤組成物に関する詳細な記述に関してはWO96/34946;WO97/07202;WO/95/30011が参照される。
更に、以下実施例は発明の多くのサブチラーゼ変異体に関する洗浄性能の改善を示す。
【0090】
洗剤組成物
発明の酵素は加えられ、それにより洗剤組成物の成分になるだろう。
発明の洗剤組成物は、例えば染色織物の前処理に好適な洗濯用添加物及び濯ぎ添加織物柔軟組成物を含む、手又は機械による洗濯用洗剤組成物として配合され、又は一般の家庭用硬質表面洗浄作業への利用に適した洗剤組成物として処方されるが、又は手あるいは機械による皿洗い作業に適した形に配合されるだろう。
【0091】
特定の観点では、発明は発明の酵素を含む洗剤添加物を提供する。洗剤添加物ならびに洗剤組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、口ナーゼ、アミラーゼ、アラビナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナンアーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ、及び/又はペルオキシダーゼの様な酵素を1またはそれ以上含むだろう。
一般に、選択された酵素の特性は、選択した洗剤に適合しており(即ち至適pH、他酵素又は非酵素性成分との適合性等)、酵素は有効量存在しなければならない。
【0092】
プロテアーゼ
好適プロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のプロテアーゼを含む。微生物起源が好ましい。化学的に変更された、又は蛋白質工学による変異体も含まれる。プロテアーゼはセリンプロテアーゼ、又は金属プロテアーゼであり、好ましくはアルカリ性の微生物プロテアーゼ、又はトリプシン様プロテアーゼである。アルカリプロテアーゼの例はサブチリシン、特に枯草菌由来のものであり、例えばサブチリシンNovo、サブチリシンCarlsberg、サブチリシン309、サブチリシン147及びサブチリシン168(WO89/06279に記載)である。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えばブタ又はウシ起源)及びWO89/06270及びWO94/25583に記載のフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ
である。
【0093】
有益なプロテアーゼの例は、WO92/19729、WO98/20115、WO98/20116及びWO98/34946に記載の変異体であり、特に以下の位置に1またはそれ以上の置換を持つ変異体である:27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235及び274。
好ましい市販プロテアーゼ酵素には、Alcalase(商標)、Savinase(商標)、Primase(商標)、Duralase(商標)、Esperase(商標)及びKannase(商標)(Novo Nordisk A/S)、Maxatase(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(商標)、Properase(商標)、Purafect(商標)、Purafect OxP(商標), FN2(商標)及びFN3(商標)(Genencor International Inc.)がある。
【0094】
リパーゼ
好適リパーゼは細菌又は真菌起源のリパーゼを含む。化学的に変更された、又は蛋白質工学による変異体が含まれる。有益なリパーゼの例には、フミコラ(Humicola)(サーモミセス(Thermomyces)と同意)、例えばEP 258 068及びEP 305 216記載のフミコラ・ラヌギノサ(H. lanuginosa)(サーモミセス・ラヌギノサ(T. lauginosus))又はWO96/13580記載のフミコラ・インソレンス(H.insolens)、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えばシュードモナス・アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はシュードモナス・シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)(EP 218 272),
【0095】
シュードモナス・セパシア(P. cepacia)(EP 331 376), シュードモナス・スツツエリ(P. stutzeri)(GB 1,372,034), シュードモナス・フルオレセンス(P. fluorescens), シュードモナススペーシス(Pseudomonas sp.)SD 705株(WO 95/06720及びWO 96/27002), シュードモナス・ウイスコンシネンシス(P. Wisconsinensis)(WO 96/ 12012)由来のリパーゼ、バチルス属リパーゼ、例えばバチルス・ズブチリス(B. subtilis)(Dartoisら、(1993)、Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360), バチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)(JP 64/744992)又はバチルス・プイルス(B. puilus)(WO 91/16422)が含まれる。
【0096】
その他の例は、WO 92/05249, WO 94/01541, EP 407 225, EP 260 105, WO 95/35381, WO 96/00292, WO 95/30744, WO 94/25578, WO 95/14783, WO 95/22615, WO 97/04079及びWO 97/07202に記載の如くのリパーゼ変異体である。
好ましい市販リパーゼ酵素には、LipoLase(商標)及びLipolase Ultra(商標)(Novo Nordisk A/S)が含まれる。
【0097】
アミラーゼ
好適アミラーゼ(α及び/又はβ)は、細菌又は真菌起源のものが含まれる。化学的に変更された、又は蛋白質工学による変異体が含まれる。有益なアミラーゼには、例えば枯草菌に由来する、例えばGB 1,296,839に詳細記載されているバチルス・リケニホルミス(B. licheniformis)の特別な株に由来するα−ミラーゼ変異体が含まれる。
【0098】
有用なアミラーゼの例は、WO 94/02597, WO 94/18314, WO 96/23873, 及びWO 97/43424に記載の変異体、特に以下の位置の1又はそれ以上に置換を持つ屁似たいである:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444。
市販のアミラーゼはDuramyl(商標)、Termamyl(商標)、Fungamyl(商標)及びBAN(商標)(Novo Nordisk A/S), Rapidase(商標)及びPurastar(商標)(Genencor International Inc製.)
【0099】
セルラーゼ
好適なセルラーゼは細菌又は真菌起源のものが含まれる。化学的に変更された、又は蛋白質工学による変異体が含まれる。有益なセルラーゼには、例えば枯草菌、シュードモナス、フミコラ(Humicola)、フザリウム(Fusarium)、チエラビラ(Thielavia)、アクレモニウム(Acremonium)属由来のサルラーゼ、例えば米国特許第4,435,307号、米国特許第5,648,263号、米国特許5,691,178号、米国特許第5,776,757号及びWO 89/09259に開示されているフミコラ・インソレンス(Humicola insolens), ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila), スザリウム・オキスホルム(Fusarium oxysporum)由来の真菌セルロースが含まれる。
【0100】
特に好適なセルラーゼは、色保護に利点を持つアルカリ又は中性セルラーゼである。この様なセルラーゼの例は、EP 0 495 257, EP 0 531 372, WO 96/11262, WO 96/29397, WO 98/08940に記載のセルラーゼである。その他の例は、WO 94/07998, EP 0 531 315, 米国特許第5,457,046号、米国特許第5,686,593号、米国特許第5,763,254号、WO 95/24471, WO 98/12307及びPCR/DK98/00299に記載のセルラーゼ変異体である。
市販のセルラーゼにはCelluzyme(商標)及びGarexyme(商標)(Novo Nordisk A/S), Clazinase(商標)及びPuradax HA(商標)(Genencor International Inc.,) KAC-500(B)(商標)(Kao Corporation)が含まれる。
【0101】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは細菌又は真菌起源のものが含まれる。化学的に変更された、又は蛋白質工学による変異体が含まれる。有益なペルオキシダーゼの例にはコプリヌス(Coprinus)、例えばWO 93/24618, WO 95/10602及びWO 98/15257に記載の様なコプリヌス・シネレウス(C.cinereus)由来のペルオキシダーゼ、及びその変異体が含まれる。
市販のペルオキシダーゼにはGuardzyme(商標)(Novo Nordisk A/S)が含まれる。
【0102】
洗剤酵素は、1又はそれ以上の酵素を含む個別添加物を加えること、又はこれら酵素を全て含む組合せ添加物を加えることで、洗剤組成物中に含められるだろう。発明の洗剤添加物、即ち個別添加物又は組合せ添加物は、例えば顆粒、液体、スラリー等として調合できる。好適洗剤手化物調合体は顆粒であり、特に非粉剤顆粒、液体、解くに安定した液体、又はスラリーである。
【0103】
非粉剤顆粒は、例えば米国特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示の如くに製造され、そして随意当分野既知の方法によりコーティングされるだろう。ワックスコーティング材料の例は、分子量1000ないし20000のポリ(エチレンオキサイド)製品(ポリエチレングリコール、PEG);16ないし50のエチレンオキサイド単位を持つエトキシル化ノニルフェノール;アルコールが12ないし20個の炭素原子を含み、そして15ないし80のエチレンオキサイド単位が存在しているエトキシルか脂肪アルコール;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。流動床技術による応用に好適なフィルムコーティング材料はGB 1483591に示されている。液体酵素製剤は、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、乳酸、又はホウ酸の様なポリオールの確立された方法による添加によって安定化される。保護酵素は、EP 238,216に開示の方法により調整されるだろう。
【0104】
発明の洗剤組成物は、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト、又は液体の様な通常の形状である。液体洗剤は水性であり、典型的には70%までの水と0〜30%の有機溶媒を含むか、あるいは非水性であろう。
洗剤組成物は、半極性を含む非イオン性、及び/又は陽イオン性及び/又は陰イオン性、及び/又は両性イオン性である1又はそれ以上の界面活性剤を含む。界面活性剤は典型的には重量の0.1%ないし60%のレベルで存在している。
【0105】
その中に含まれる場合、洗剤は通常約1%ないし約40%の、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸エステル、アルファ−オレフィンスルホン酸エステル、アルキル硫酸塩(脂肪アルコール硫酸塩)、アルコールエトキシ硫酸塩、2級アルカンスルホネート、アルファ−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキ−又はアルケニルコハク酸の様な陰イオン性界面活性剤、又は石鹸を含むだろう。
【0106】
その中に含まれる場合、洗剤は通常約0.2%ないし約40%の、アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキサイド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルカミド”)の様な非イオン性界面活性剤を含むだろう。
【0107】
洗剤は、ゼオライト、2リン酸エステル、3リン酸エステル、リン酸エステル、炭酸エステル、クエン酸エステル、ニトリロ3酢酸、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、アルキル−又はアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸エステル、又は多層ケイ酸エステル(例えばHoechst社製SKS-6)の様な洗剤結合剤又は錯化剤を0〜65%含むだろう。
【0108】
洗剤は1又はそれ以上のポリマーを含むだろう。例はカルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキサイド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸エステルの様なポリカルボン酸エステル、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリル酸エステル/アクリル酸コポリマー。
洗剤は、過ホウ酸塩又は過炭酸塩の様なH2O2源を含み、テトラアセチレンジアミン又は野ナノイルオキシベンゼンスルホン酸エステルの様な過酸形成漂白活性化剤と組合せた漂白システムを含むだろう。あるいは、漂白システムは例えばアミド、イミド、又はスルホン型のペルオキソ酸を含むだろう。
【0109】
発明の洗剤組成物の酵素は、通常の安定化剤、例えばプロピレングリコール又グリセロールの様なポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸、又は芳香性ホウ酸エステルの様なホウ酸誘導体、あるいは4-フォルミルフェニルホウ素酸の様なフェニルホウ素酸誘導体により安定化され、そして組成物は例えばWO 92/19709及びWO 92/19708に記載の如くに処方されるだろう。
洗剤は更にその他通常の洗剤成分、例えばクレー、発泡ブースター、石鹸水抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ付着防止剤、色素、殺菌剤、光学的光沢剤、ヒドロトロープ、曇り防止剤又は芳香剤も含むだろう。
【0110】
現時点では、洗剤組成物中には、何れかの酵素、特に発明の酵素が酵素蛋白量として0.01〜100mg/1L洗浄液、好ましくは0.05〜5mg酵素蛋白質/1L洗浄液、特には0.1〜1mg酵素蛋白量/1L洗浄に相当する量加えられると予想される。
発明の酵素は更に、参照されここに取り込まれているWO 97/07202に開示の洗剤処方中に取り込まれるだろう。
【0111】
皮革産業への応用
発明のサブチラーゼは皮革産業、特に皮膚からの除毛に利用されるだろう。
前記応用では、発明のサブチラーゼ変異体は、更に別のプロテアーゼを含む酵素組成物中に好ましく利用される。
好適なその他プロテアーゼのより詳細な説明については、洗剤組成物(上記)への利用に関する好適酵素に関連する章を参照のこと。
【0112】
羊毛産業への応用
発明のサブチラーゼは羊毛産業、特にウール製の被服の洗浄への利用に用いられだろう。
前記応用では、発明のサブチラーゼ変異体は、更に別のプロテアーゼを含む酵素組成物中に好ましく利用される。
好適なその他プロテアーゼのより詳細な説明については、洗剤組成物(上記)への利用に関する好適酵素に関連する章を参照のこと。
発明は以下の実施例中により詳細に記載されるが、これらはクレームされる発明の範囲を限定することを意図していない。
【0113】
材料と方法

バチルス・ズブチリス(B.subtilis)DN1885(Diderichsenら、1990)。
バチルス・レンタス(B.lentus)309及び147はバチルス・レンタス(Bacillus lentus)の特異的株であり、NCIBに寄託され、受付番号NCIB10309及び10147が付与され、且つここに参照され取り込まれている米国特許第3,723,250号に記載されている。
E.coliMC1000(M.J.CasadabanとS.M.Cohen(1980);J.Mol.Biol.138 179-207)は、通常の方法によりr-、m+とされており、同時に米国特許出願連続番号039,298に記載されている。
【0114】
プラスミド:
pJS3:サブチラーゼ109をコードする合成遺伝子を含むE.coli-B.subtilisシャトルベクター。(Jacob Schiodtら、Protein and Peptide Letters 3:39-44(1996)内に記載)。
pSX222:B.subtilis発現ベクター(WO96/34946に記載)。
【0115】
一般的分子生物学的方法:
特記ない限り、DNA操作及び形質変換は分子生物学の標準的方法を利用し実施された(Sambrookら、(1989)Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F. M.ら、(編集)“Current protocols in Molecular Biology”. John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C. R.,とCutting, S.M.(編集) ”Molecular Biological Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons, 1990)。
DNA操作に関する酵素は、供給元の仕様書に従い利用した。
【0116】
DNA 操作に適した酵素
特記無い限り、制限酵素、リガーゼ等のDNA操作用に関する全ての酵素は、New England Biolabs, Incより得た。
【0117】
蛋白質分解活性
本発明の観点に於いては、蛋白質分解活性はキロNOVOプロテアーゼ単位(KNPU)にて表現されている。この活性は酵素標準(SAVINASER)に対し決定されるものであり、その値は標準的条件、即ち50℃,pH、反応時間8.3分、測定時間3分での蛋白質分解性酵素によるジメチルカゼイン(DMC)溶液の分解に基づく。関連資料ホルダーはNovo Nordisk A/S, Denmarkに請求することにより入手可能であり、前記ホルダーは参照されここに引用されている。
【0118】
GUはグリシン単位であり、15分間40℃でのインキュベーションである標準条件下にN-アセチルカゼインを基質とした場合の、1モルのグリシンに等しい量のNH2-基の量を生じる蛋白質分解性酵素の活性として規定される。
酵素活性は、更にJounral of American Oil Chemists Society, Rothgeb, T.M.,Goodlander, B.D., Garrison, P.H.,及びSmith, L.A.,(1988)に記載の可溶性基質スクシニル−アラニン−アラニンープロリン−アラニン−パラ−ニトロ−フェノールとの反応に基づくPNAアッセイによっても測定できる。
【0119】
発酵:
サブチラーゼ酵素の産生に関する発酵は、回転式振盪テーブル(300r.p.m)上、30℃にて、100mlのBPX培地を含む500mlのバッフル型エーレンマイヤーフラスコ中にて、5日間行われた。
従って、例えば2リットルのブロスを作るには、20本のエーレンマイヤー
フラスコを同時に発酵させた。
【0120】
培地:
BPX培地組成(リットル当たり)
ジャガイモ澱粉 100g
大麦粉 50g
大豆粉 20g
Na2HP4×12H2O 9g
プルロニック 0.1g
カゼイン酸ナトリウム 10g
培地中の澱粉はα−アミラーゼで液化され、培地は120℃に45分間加熱され、滅菌された。滅菌後、培地のpHはNaHCO3が.1Mになるよう加えられ9に調製
された。
【0121】
実施例1酵素変異体の構築と発現
部位特異的変異誘導
位置95及び96の間にある活性部位ループ(b)への特異的挿入を含む、発明のサブチラーゼ309部位特異的変異体は、所望挿入を含むオリゴのPCRにより作られたDNA断片の通常のクローニングによって作製された(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版、Cold Spring Harbor, 1989)(以下参照)。
鋳型のプラスミドDNAはpJS3、又はサブチラーゼ309の変異体を含むその類似体である。
【0122】
オリゴ部位指定変異導入法により、V95VX挿入変異体の構築体内に挿入が導入され(X=位置95と96間にいずれかのアミノ酸残基が挿入)、その結果V95VXサブチラーゼ309変異体が生じた。
サブチラーゼ309変異体はE.coli内に形質転換された。これら形質転換体を一晩培養したものから精製されたDNAを制限エンドヌクレアーゼ消化、DNA断片の精製、連結及びバチルス・ズブチリス(B.subtilis)の形質転換により、バチルス・ズブチリス(B.subtilis)内に形質転換された。
バチルス・ズブチリス(B.subtilis)の形質転換は、Dubnauら、1971, J. Mol.Biol.56. pp.209-221記載の如くに実施された。
【0123】
局部へのランダム挿入体の挿入を目的とした局所ランダム変異導入:
局部ランダム変異導入を実施するために用いた方策の概要は以下の通りである:
挿入部位に隣接するDNA配列に対応し、挿入を規定するDNA塩基対分離れた変異プライマー(オリゴヌクレオチド)を合成した。
次に、得られた変異導入プライマーを好適な相方プライマーと共にPCR反応内に用いた。生じたPCR断片を精製し、第2PCR-反応にてこれを延長し、次にエンドヌクレアーゼにて消化し、E.coli−B.subtilisシャトルベクター内にクローニングした(以下参照)。
【0124】
あるいは、必要に応じて得られたPCR断片を第2PCR反応にプライマーとして好適な第2の相方プライマーと共に用い、シャトルベクター内に変異導入域を消化、クローニングした。PCR反応は通常の条件下に実施される。
この方策に従い、部位95と96間の活性部位ループ域内に挿入が導入されている局所のランダムライブラリーをSAVINASEについて構築した。
【0125】
突然変異は片に導入プライマー(以下参照)により導入され、その結果合計20個のアミノ酸が示された(A、T、C及びGのN=25%;一方S=50%C及びG。重複配列と以下のプライマーによるPCR-増幅により生じたPCR断片との組合せによって更にPCRを行い、上記で得たPCR断片をSavinaseのN-末端側に延長した;5’ CTA AAT ATT CGT GGTGGC GC 3’(センス)及び5’ GAC TTT AAC AGC GTA TAG CTC AGC 3’(アンチセンス)。延長されたDNA断片を修飾型プラスミドpJS3のHindIII-及びNluI-部位にクローニングし(上記参照)、10個の無作為に選別したE.coliコロニーを配列決定し、計画された変異を確認した。
【0126】
変異導入プライマー(5’ GCT GAC CTA TAC GCT GTT AAA GTC NNS CTA GGG GCG AGC GGT TCA GGT TC 3’(センス))をpJS3のMluI部位の下流にある、好適なアンチセンス相方プライマー(例えば5’-CCC TTT AAC CGC ACA GCG TTT-3’(アンチセンス))と共に、pJS3を鋳型とするPCR反応に用いた。その結果得られたPCR産物を、制限酵素HindIII及びMulIを用いてpJS3シャトルベクター内にクローニングした。
ランダムライブラリーはよく知られる技術によりE.coli内に形質転換された。
調製されたライブラリーは約100,000個のクローン/ライブラリーを含んだ。
【0127】
10個の無作為に選択したコロニーを配列決定し、計画した突然変異を確認した。
発明のサブチラーゼ変異体を精製するために、発明の変異体を含むB.subtilis pJS3発現プラスミドをコンペテントB.subtilis株内に形質転換し、上記の如く10μg/mlのクロラムフェニコール(CAM)を含む培地中で発酵させた。
【0128】
実施例2酵素変異体の精製
本操作は枯草菌宿主細胞に於ける発明のサブチラーゼ製造に関する2リットルスケールの発酵の精製に関する。
約1.6リットルの発酵ブロスを1リットルのビーカーに入れ、5000rpmで35分間遠心分離した。上清を10%酢酸を用いてpH6.5に調製し、Seitz Supra S100フィルタープレートを使い濾過した。
【0129】
濾液をAmicon S1Y10 UFカートリッジを装着したAmicon CH2A UFユニットを使い約400mlに濃縮した。UF濃縮液を遠心分離し、濾過してから室温にてBactitracinアフィニティーカラムにpH7にて吸着させた。プロテアーゼをBacitracinカラムより、室温にて25%の2-プロパノールと1Mの塩化ナトリウムを含むpH7に調製された0.01ジメチルグルタール酸、0.1Mホウ酸及び0.002Mの塩化カルシウムの溶液を用いて溶出した。
【0130】
Bacitracin精製工程より得たプロテアーゼ活性分画を一つにまとめ、0.01Mのジメチルグルタール酸、0.2Mホウ酸及び0.002m塩化カルシウムを含むpH6.5に調製された緩衝液で平衡化された750mlのSephadexG25カラム(直径5cm)にかけた。
SephadexG25カラムからの蛋白質分解活性を持つ分画を一つにまとめ、0.01Mのジメチルグルタール酸、0.2Mホウ酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH6.5に調製された緩衝液で平衡化された150mlのCM Sepharose CL6Bカチオン効果カラム(直径5cm)にかけた。
【0131】
同一緩衝液の2リットル中の0〜0.1M塩化ナトリウムの直線勾配を利用しプロテアーゼを溶出した(サブチリシン147の場合には0〜0.2M塩化ナトリウム)。
最終精製工程では、CMSepharoseカラムからの分画を含むプロテアーゼを一つにまとめ、GR81PPメンブレン(Danish Sugar Factories Inc.製)を装着したAmicon限外濾過セルを使い濃縮した。
【0132】
構築体と発酵に関する実施例1及び上記分離法の技術を利用し、以下のサブチリシン309変異体を作製、分離した:
V95VT、V95VS、V95VD、V95VE、V95VP、V95VG、V95VH、V95VI、及びV95VT+Y167A。
これら変異体は、予備アッセイにてSavinaseより高い洗浄能力を示した。
【0133】
実施例3酵素変異体を含む洗剤組成物の洗浄能力
以下の実施例は、提示条件下に実施された複数の洗浄試験の結果を提供している。
【0134】
【表9】
Figure 0004768129
【0135】
洗剤:
使用した洗剤はそれぞれデンマーク(OMO、Datasheet ED-9745105)及び米国(Wisk、Datasheet ED-9711893)のスーパーマーケットにて購入した。使用する前に、洗剤中の全ての酵素活性を超音波処理により不活性化した。
見本:
用いた見本はEPA116及びEMPA117で、共にEMPA Testmaterialen, Movenstrasse 12, CH-9015 St. Gall, スイスより得た。
反射率:
試験材料の反射率(R)の測定はMacbeth ColorEye 7000フォトメーターを利用し、460nmにて実施された。測定はメーカーのプロトコールに従い実施された。
【0136】
評価:
サブチラーゼの洗浄能力の評価は、調査対象のサブチラーゼに関する改善係数又は性能係数により決定された。
改善係数、IF量/応答は調査対象のサブチラーゼを含む洗剤と、対照のサブチラーゼを含む同一洗剤に関する洗浄曲線に対する0を通るサブチラーゼの漸近線の傾斜の比として定義されている。
IF量/応答=a/aref
【0137】
性能性能は次式Iより計算される:
【数1】
Figure 0004768129
式中Rは反射単位で表した洗浄性能であり、R0はy軸(ブラインド)と漸近線との交点であり;aはcが0の時の漸近線の傾きであり;cは酵素濃度であり;そして△Rmaxはcが無限大の時の、理論上の最大洗浄効果である。
【0138】
性能係数Pは次式IIにより計算される
【数2】
Figure 0004768129
式中R変異体はsi10nM変異体で洗浄したときの試験材料の反射であり;Rサビナーゼは10nMのSavinaseで洗浄した時の試験材料の反射であり;Rブランスは酵素なしで洗浄した時の試験材料の反射である。
【表10】
Figure 0004768129

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は上記GAPルーチンを用いたサブチリシンBPN’(a)及びSavinase(商標)(b)間のアラインメントを示す。
【図1a】 図1aはサブチリシンBPN’とWO91/00345より得たSavinase(商標)間のアラインメントを示す。
【図2】 図2は上記GAPルーチンを用いたサブチリシンBPN’及びサブチリシンCarlsberg間のアラインメントを示す。
【図2a】 図2aはサブチリシンBPN’とWO91/00345より得たサブチリシンCarlsbeg間のアラインメントを示す。
【図3】 図3は、サビナーゼ(Savinase)の3次元構造を示す(蛋白質バンク(PDB)登録1SVN)。図中に活性部位ループ(b)が指示されている。
【配列表】
Figure 0004768129
Figure 0004768129
Figure 0004768129

Claims (16)

  1. 修飾V95VTを含むI-S2サブグループのサブチラーゼ酵素。
  2. BLS147、BLS309、BAALKP及びBYSYABから成る群から選択される、請求項1に記載のサブチラーゼ酵素。
  3. 請求項1又は2に記載のサブチラーゼ酵素をコードするDNA。
  4. 請求項3に記載のDNAを含む発現ベクター。
  5. 請求項4に記載の発現ベクターにより形質転換された微生物宿主細胞。
  6. 前記宿主細胞が細菌である請求項5に記載の微生物宿主細胞
  7. 前記細菌がバチルス(Bacillus)である、請求項6に記載の微生物宿主細胞。
  8. 前記バチルス(Bacillus)がバチルス・レンタス(B.lentus)である、請求項7に記載の微生物宿主細胞。
  9. 前記宿主細胞が菌類(fungus)又は酵母である、請求項5に記載の微生物宿主細胞。
  10. 前記菌類が糸状菌である、請求項9に記載の微生物宿主細胞。
  11. 前記糸状菌がアスペルギルス(Aspergillus)である、請求項10に記載の微生物宿主細胞。
  12. 請求項11の何れか1項の宿主を前記サブチラーゼ酵素の発現及び分泌を誘導できる条件下に培養し、変異体を回収する、請求項1又は2に記載のサブチラーゼ酵素製造方法。
  13. 請求項1又は2に記載のサブチラーゼ酵素を含む組成物。
  14. セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、酸化還元酵素、その他のプロテアーゼ又はアミラーゼを更に含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記組成物が洗剤組成物である、請求項13又は14に記載による組成物。
  16. 請求項1又は2に記載のサブチラーゼ酵素、あるいは請求項13〜15のいずれか1項に記載の酵素組成物の洗濯及び/又は皿洗い洗剤への使用。
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