JP4767321B2 - 5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体、その製造方法及びそれを含む抗ウイルス用薬学的組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抗ウイルス剤として有用な5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体に関するもので、詳細には、C型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus;HCV)の増殖抑制効果が優れた新規の5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を有効成分とするC型肝炎予防及び治療用薬学的組成物に関するものである。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、フラビウイルス科に属する膜を有するウイルスである。ゲノムは、(+)−RNA(plus−strand RNA)であり、その大きさが9.6kbで、3,010個のアミノ酸で構成された多タンパク質を発現する。この多タンパク質は、宿主細胞とウイルスの酵素によって3個の構造タンパク質と6個の非構造タンパク質に分離される。
HCVゲノムの5’と3’末端には、ほとんどすべての遺伝型(genotype)の塩基配列が同一に維持された非解読部位がある。5’末端では330〜341個のヌクレオチドが、そして3’末端ではポリA後に98個のヌクレオチドが最近発見されたが、その部位がウイルスのRNA複製や解読に重要な役割をすると考えられる。ウイルスゲノムのアミノ末端は、ウイルス構造タンパク質である中心抗原遺伝子(Core)、E1、E2を作り、残りの部位は非構造タンパク質を作るようになる。中心抗原遺伝子は、ウイルスのカプシドタンパク質、E1とE2はウイルスの外皮タンパク質になっていて、これらタンパク質は小胞体にある信号ペプチド分解酵素によって分離する。非構造タンパク質は、セリンタンパク質分解酵素であるNS3と補助因子であるNS4Aによって分離する。NS5Bは、RNA−依存的なRNA重合酵素機能を有していて、ウイルス複製に一番重要な酵素である。
HCVによる感染は、輸血及び地域特異的伝染によって起きて、腎臓投石によって約70%が感染するという報告がある。HCVに感染すると約20%が5年以内に肝硬化を伴った急性肝炎を起こすようになり、肝臓癌に転移することが知られている。(参考文献:Davis等,New.Engl.J.Med.,1989年,第321巻,1501頁;Alter等,in Current Pespective in Hepatology,1989年,83頁)このような高い慢性感染率は、RNAウイルスでは珍しいことであり、HCVが高い割合の肝臓癌を起こす媒介体であることを示してくれている。HCVの持続的な感染機序に対しては研究されたことがない。最近はすべての血液に対して、HCV検査がよく行われていて輸血による感染は顕著に減ったが、地域特異的感染はまだ調節することができず、全世界的に重要な問題点として台頭している。
伝染病学的にみる時、HCVはHBVとは異なり全世界に広く分布していて、全世界人口の1.5〜2%が感染したことが報告されている。HCVに感染すると、慢性肝炎に進行することが特徴であるが、肝硬化及び肝臓癌に転移する確率がB型より相当に高い。C型は分類学的にもB型とは全く異なったウイルス科に属するので、B型ワクチンでは予防が不可能でα−インターフェロン(α−IFN)で治療を試みているが、遺伝型によって反応が顕著に異なるため効果が極めて微弱である。特に多数が感染している遺伝型1b(genotype 1b)の場合、α−インターフェロン治療効果が最も微弱である。
HCVは、1989年に初めてクローニングによってRNAゲノムが分離された以後、多くの研究が遂行されたが、いまだに効果的な治療剤は開発されていない。現在、HCV感染に対する治療剤として、インターフェロンと抗ウイルス剤であるリバビリン併用療法が使用されているが、治療率が低く、副作用が現われるので、その効果が微弱なのが実情である。したがって、HCV感染の治療及び予防のための追加の化合物が求められている。
以上のことに鑑みて、本発明者等は副作用及び毒性が少なくて、HCVに対して優秀な抗ウイルス活性を示す化合物を開発するために努力した結果、前記化学式1で表わされる5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体で、HCV増殖抑制効果が優れていることを明らかにすることにより、本発明を完成した。
本発明の目的は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を提供することである。
また、本発明の目的は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を含むHCV増殖抑制効果が優秀なC型肝炎予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
本発明は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を提供する。
また、本発明は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を含むHCV増殖抑制効果が優秀なC型肝炎予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の新規な5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体は、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑制する効果が優秀で毒性も少ないので、C型肝炎の予防剤及び治療剤として有用に使用することができる。
以下、本発明に対して詳しく説明する。
本発明は、下記化学式1で表わされる5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を提供する。
化学式1
Figure 0004767321
前記化学式1で、
は、
Figure 0004767321
は、
Figure 0004767321
Figure 0004767321
または
Figure 0004767321
を示す。
本発明の化学式1の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができ、塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸によって形成された酸付加塩が有用である。化学式1の化合物は当該技術分野で通常的な方法によって薬剤学的に許容される酸付加塩を形成することができる。遊離酸では、有機酸と無機酸を使用することができ、無機酸では、塩酸、臭素酸、硫酸、リン酸などを使用することができ、有機酸ではクエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゾ酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4−トルエンスルホン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸などを使用することができる。
また、本発明は、下記スキーム1に示したように、
1)化合物2の2,4−ジクロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジンと化合物3の置換されたアニリンを反応させて、化合物4の4番位置がアニリン誘導体に置換された2−クロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]−ピリミジンを得る工程;
2)前記化合物4にピペラジン(化合物5)との反応を通じて化合物6を得る工程;及び
3)前記化合物6を化合物7と反応させて目的とする化学式1の5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を製造する工程を含む、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジンの製造方法を提供する。
スキーム1
Figure 0004767321
前記スキーム1で、
Figure 0004767321

Figure 0004767321
Figure 0004767321
または
Figure 0004767321
を示す。
前記製造方法において反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、などのような有機溶媒を使用することができ、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1−メチルピペリジン、ピリジン、2,6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどのような一般的な有機塩基存在下で、0℃〜150℃の温度範囲が好ましく、2時間〜20時間以内に反応させることが好ましい。
また、本発明では、化学式1の(5,6−ジメチル−2−ピペラジン−1−イル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)誘導体及び/または薬学的に許容される塩を有効成分として含む、C型肝炎の治療剤または予防剤用薬学的組成物を提供する。
本発明の化学式1の化合物は、C型肝炎治療剤として臨床投与時に、経口または非経口で投与が可能で、一般的な医薬品製剤の形態で使用することができる。すなわち、本発明の化学式1の化合物は、実際臨床投与時に経口及び非経口(好ましくは注射剤で)の様々な剤形で投与することができ、製剤化する場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調剤される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形剤は一つ以上の化学式1の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。経口投与のための液状製剤では、懸濁剤、溶液剤、乳剤、シロップ剤などが該当し、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば湿潤剤、甘味料、芳香剤、保存剤などを含むことができる。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤などが含まれる。非水性溶剤、懸濁剤では、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを使用することができる。
本発明の化学式1の化合物の有効用量は、性別、年齢、患者の状態などを考慮して適切に選択することができるが、一般的に成人に10〜1000mg/日、好ましくは20〜500mg/日であり、一日に1〜3回に分けて投与することができる。
以下、実施例及び実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。但し、下記の実施例は本発明を例示するだけのものであって、本発明の内容が実施例によって限定されるものではない。
実施例1:4−[5,6−ジメチル−4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル−メタノンの製造
2,4−ジクロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジン(240mg,1.02mmol)を50mlのエチルアルコールに溶解した後、4−(4−モルポリノ)アニリン(220.20mg,1.23mmol)を加えた後、炭酸ナトリウム(130.90mg,1.23mmol)を加えて還流撹拌させた。反応完結後、反応溶媒であるエチルアルコールを減圧濃縮した後、エチルアルコールで結晶化させてろ過し、430mg(定量的)の2−クロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを得た。得た生成物(220mg,0.53mmol)をsealed tubeで20mlの1−ブタノールに溶解した後、トリエチルアミン(223μl,1.59mmol)とピペラジン45.9mgを加えた後、120℃で撹拌した。反応完結後、生成された固体をろ過して余液を減圧濃縮させた後、エチルアセテートで結晶化して、5,6−ジメチル−2−ピペラジン−1−イル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを30mg(収率15%)得た。ジメチルクロライド5mlに得た化合物5,6−ジメチル−2−ピペラジン−1−イル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(9mg,0.02mmol)を溶解してトリエチルアミン(3.5μl,0.02mmol)を加えた後、ピコリノイルクロライド塩酸塩(4.1mg,0.02mmol)を加えて常温で3時間撹拌させた。反応完結後、反応溶媒であるジメチルクロライドを減圧濃縮した後、エチルアセテートで結晶化して6mgの生成物(収率30%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 8.85-8.95(d, 1H), 8.27-8.35(m, 1H), 7.79-8.01(m, 1H), 7.60-7.79(m, 1H), 7.25-7.30(m, 2H), 6.87-6.95(m, 2H), 3.92-3.70(m, 10H), 3.40(br, 2H), 3.18-3.13(t, J=3.4Hz, 4H), 2.50(s, 3H), 2.37(s, 3H)
実施例2:4−[5,6−ジメチル−4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−シエノ−[2.3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル−メタノンの製造
実施例1と同じ方法でピコリノイルクロライド塩酸塩の代りにニコチノイルクロライド塩酸塩を使用して生成物(収率45%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 9.20(s, 1H), 8.99-9.05(m, 1H), 8.88-8.99(m, 1H), 8.11-8.30(m, 1H), 7.25-7.38(d, 2H), 6.85-6.95(d, 2H), 3.92-3.76(m, 10H), 3.42(br, 2H), 3.18-3.14(t, J=3.4Hz, 4H), 2.53(s, 3H), 2.39(s, 3H)
実施例3:4−[5,6−ジメチル−4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−4−イル−メタノンの製造
実施例1と同じ方法でピコリノイルクロライド塩酸塩の代りにイソニコチノイルクロライド塩酸塩を使用して生成物(収率48%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 8.75(d, J=5.6Hz, 2H), 7.46(d, J=9.0Hz, 2H), 7.34(d, J=1.6Hz, 2H), 7.04(s, 1H), 6.93(d, J=8.8Hz, 2H), 3.92-3.76(m, 10H), 3.41(br, 2H), 3.19-3.14(t, J=3.4Hz, 4H), 2.51(s, 3H), 2.39(s, 3H)
実施例4:4−[5,6−ジメチル−4−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イル−メタノンの製造
2,4−ジクロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]−ピリミジン(240mg,1.02mmol)を50mlのエチルアルコールに溶解した後、6−モルホリノピリジン−3−アミン(226.40mg,1.26mmol)を加えた後、炭酸ナトリウム(130.90mg,1.23mmol)を加えて還流撹拌させた。反応完結後、反応溶媒であるエチルアルコールを減圧濃縮した後、エチルアルコールで結晶化した後、ろ過して440mg(定量的)の2−クロロ−5,6−ジメチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを得た。得た生成物(200mg、0.50mmol)をシールドチューブで20mlの1−ブタノールに溶解した後、トリエチルアミン(220μl,1.50mmol)とピペラジン45.9mgを加えた後、120℃で撹拌した。反応完結後、反応中に生じた固体をろ過してろ液を減圧濃縮させた後、エチルアセテートで結晶化させて、5,6−ジメチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを25mg(収率12%)得た。ジメチルクロライド5mlに得た化合物5,6−ジメチル−2−ピペラジン−1−イル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(9mg,0.02mmol)を溶解してトリエチルアミン(3.5μl,0.02mmol)を加えた後、ピコリノイルクロライド塩酸塩(4.1mg,0.02mmol)を加えて常温で3時間撹拌させた。反応完結後、反応溶媒であるジメチルクロライドを減圧濃縮した後、エチルアセテートで結晶化して7mgの生成物(収率35%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 9.05(s, 1H), 8.85-8.95(d, 1H), 8.27-8.35(m, 1H), 7.79-8.01(m, 1H), 7.60-7.79(m, 1H), 7.25-7.30(m, 1H), 6.87-6.95(m, 1H), 3.72-3.50(m, 8H), 3.22-3.45(m, 8H), 2.40(s, 3H), 2.27(s, 3H), 1.59-1.51(m, 6H)
実施例5:4−[5,6−ジメチル−4−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル−メタノンの製造
実施例4と同じ方法でピコリノイルクロライド塩酸塩の代りにニコチノイルクロライド塩酸塩を使用して生成物(収率35%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 9.17(s, 1H), 8.85-8.95(d, 1H), 8.27-8.35(m, 1H), 7.79-8.01(m, 1H), 7.60-7.79(m, 1H), 6.99-6.99(d, 1H), 6.65-6.77(d, 1h), 3.51-3.70(m, 8H), 3.23-3.46(m, 8H), 2.41(s, 3H), 2.25(s, 3H), 1.59-1.52(m, 6H)
実施例6:4−[5,6−ジメチル−4−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−ピリジン−4−イル−メタノンの製造
実施例4と同じ方法でピコリノイルクロライド塩酸塩代りにイソニコチノイルクロライド塩酸塩を使用して生成物(収率42%)を得た。
1H NMR (CDCl3) ppm : 9.17(s, 1H), 8.85-8.92(d, 2H), 7.83-8.01(d, 2H), 6.99-6.79(d, 1H), 6.77-6.65(d, 1H), 3.70-3.51(m, 8H), 3.22-3.47(m, 8H), 2.45(s, 3H), 2.27(s, 3H), 1.56-1.58(m, 6H)
<実施例1>HCVレプリコン阻害試験結果
本発明の化学式1で表わされる5,6−ジメチルチエニル[2,3−d]ピリミジン誘導体のHCVレプリコン阻害活性を調べるために、次のような手順で実験を実施した。
HCV阻害活性試験のために使用したレプリコンは、NK−R2ANで、該当のレプリコンはHCV IRES、ネオマイシン耐性遺伝子、FMDV 2Aプロテアーゼ、renillaルシフェラーゼ、EMCV IRES、HCV非構造タンパク質NS3からNS5B、HCV3’非翻訳領域(NTR)の順序で構成されている。24ウェルプレートに、C型肝炎ウイルスレプリコンNK−R2ANを維持している肝臓癌細胞株であるHuh−7細胞株を、各ウェル当り3万個程度を分注して、24時間37℃のCO培養器中で培養して細胞がプレート底に固定されるようにする。培養培地は、DMEM動物細胞培養培地として最終濃度10%のウシ胎児血清、1%ペニシリンストレプトマイシンを含む培地である。実験しようとする化合物をDMSOを溶媒で溶解して所望する濃度で各ウェルに分注する。ここで、各ウェルに入れるDMSOの量を同じにして各ウェルのDMSO最終濃度が0.5%になるようにする。DMEM動物細胞培養培地として最終濃度2%のウシ胎児血清、1%ペニシリンストレプトマイシンを含む培地で、48時間37℃のCO培養器中で培養した後、各培地を吸引して除去してPBS溶液で洗浄後、Renillaルシフェラーゼ分析のための細胞lysisバッファー60μlを各ウェルに分注して常温で30分間培養して、細胞のlysisが起きるようにする。
細胞lysis溶液の中から5μlを取って、renillaルシフェラーゼsubstrate溶液30μlを添加してrenillaルシフェラーゼ活性を測定する。細胞lysis溶液の中から20μlを取ってブラッドフォード分析を遂行して、単位cell lysis 溶液当たりタンパク質の量を測定して、ブラッドフォード分析を通じて測定したタンパク質の量でrenillaルシフェラーゼ活性を分けて、細胞塊対比リポーター発現有無を計算する。測定されたC型肝炎ウイルス増殖程度と使用した化合物の濃度データを利用して、Graphpad社のPrism4TMソフトウェアを使用して阻害結果を分析した。
表1は、前記実験方法を利用して測定された、HCVレプリコン阻害試験結果を示したものである。
Figure 0004767321
このように本発明の化合物は、HCVの活性を阻害する効果が優秀であるのでこれを機序にHCVの増殖を抑制することができ、したがって、C型肝炎の予防剤及び治療剤として有用に使用することができる。
<実施例2>細胞毒性実験
化学式1の化合物が、細胞毒性を示すかどうか調べるために、Hep G2細胞を使用して一般的に広く知られたMTT分析方法で試験管内実験を実施した。その結果、実験に使用された化合物はすべてCC50値が100μg/ml以上であり、細胞に対する毒性が非常に少ない物質であることが判明した。
前記で詳しくみたように、本発明の前記化学式1で表わされる新規な5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体は、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑制する効果が優秀で毒性も少ないので、C型肝炎の予防剤及び治療剤として有用に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記化学式1で表わされる5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体及び薬学的に許容されるその塩。
    化学式1
    Figure 0004767321
    式中、

    Figure 0004767321


    Figure 0004767321

    Figure 0004767321
    または
    Figure 0004767321
    を示す。
  2. 下記スキーム1に示したように、
    1)化合物2の2,4−ジクロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジンと化合物3の置換されたアニリンを反応させて化合物4の4番位置がアニリン誘導体に置換された2−クロロ−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d]ピリミジンを得る工程;
    2)前記化合物4にピペラジン(化合物5)との反応を通じて化合物6を得る工程;及び
    3)前記化合物6を化合物7と反応させて目的とする化学式1の5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体を製造する工程を含む、5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジンの製造方法。
    スキーム1
    Figure 0004767321
    式中、

    Figure 0004767321


    Figure 0004767321

    Figure 0004767321
    または
    Figure 0004767321
    を示す。
  3. 請求項1の5,6−ジメチルチエノ[2,3−d]ピリミジン誘導体または薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むことを特徴とする、C型肝炎の治療、予防用薬学的組成物。
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