JP4766179B2 - 電気錠 - Google Patents

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Description

本発明は電気錠、殊にシリンダーを有して鍵やサムターンによる機械的開閉も可能となっている電気錠に関するものである。
電気錠で鍵による機械的開閉のためのシリンダーを有していないものは、いわゆるピッキングによる解錠がなされることがないために防犯上はきわめて有利であるが、AC100V電源で電源供給を行うものでは、停電時に家屋からの締め出しが生じることがあり、停電補償用バッテリを付設しているものでもバッテリ故障の際に締め出しが懸念される。乾電池を電源とするとともに電池切れ間近になれば警告を行う機能を備えたものもあるが、これにしても警告を放置してしまった時や、警告手段そのものが異常をきたした時、締め出しが生じてしまうおそれがある。
一方、シリンダーを有して鍵による開閉も可能となっている電気錠は、停電時には鍵によって開閉を行うことができるために、締め出しが生じてしまうおそれはないが、ピッキングによる解錠がなされてしまう可能性があることから、防犯上で問題がある。
このために、シリンダーを有して鍵による開閉も可能となっている電気錠では、電気的開閉が可能で且つ鍵による開閉も可能な少なくとも2つの錠部を設けたものが提供されている。
しかし、電気的に施錠するのであれば、複数の錠部を同時に施錠してしまうことができるが、何らかの理由で機械的に施錠する場合、複数の錠部に対して夫々施錠動作を行う必要があり、この煩わしさが時として一つの錠部しか施錠しないという防犯上好ましくない事態を招くことになる。
また、錠部が2つあるとはいえ、いずれもピッキングによって解錠が可能なものであることから防犯上での問題を依然として有しており、停電時の締め出しの問題を無くしつつ、防犯上の安全性をさらに高くしたものが望まれている。
特開平9−287329号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、機械的開閉も可能な複数の錠部を有するものにおいて鍵による開閉も可能であるとともに防犯上の安全性も高い電気錠を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る電気錠は、電気的開閉が可能で且つシリンダーを有して鍵による機械的開閉も可能な少なくとも2つの錠部を備えた電気錠において、各錠部の電気的施錠及び電気的解錠を行う制御手段を備え、上記各錠部は、デットボルトと、鍵穴を有してその回転でデッドボルトを出没させるシリンダーと、シリンダーを電気的に回転させる駆動部とからなり、上記制御手段は、いずれかの錠部の鍵穴を介して行う解錠動作があってから所定時間内に他の錠部の解錠動作がない時には、既に解錠された錠部を施錠状態に戻すものであることを特徴とする。停電時には鍵を使用して施解錠を行うことができるものであり、従って締め出しの可能性を排除することができるものである。鍵による開閉が可能であるとはいえ、少なくとも2つの錠部を所定時間内に解錠しないことには、いったん解錠した錠部が施錠状態に戻されるために、ピッキングで全錠部が解錠された状態になることがまずないものである。
本発明においては、防犯性を高めることができる。
本発明の実施の形態の一例の動作を示すフローチャートである。 同上のブロック図である。 同上の他の動作を示すフローチャートである。
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図2に示すように、この電気錠は、デッドボルト11と、鍵穴120を有してその回転でデッドボルト11を出没させるシリンダー12と、シリンダー12を電気的に回転させる駆動部13とからなる錠部1を2つ備えたもので、各錠部1,1には夫々施錠状態にあるか解錠状態にあるかを検知する検知手段14,14が設けられている。そして上記2つの駆動部13,13及び2つの検知手段14,14は、制御回路2に接続されている。図中20は施解錠スイッチ、21は電源部、4は警報装置である。
上記制御回路2は、施解錠スイッチ20による解錠入力があれば、2つの錠部1,1の各駆動部13,13を駆動して解錠を行うとともに、施解錠スイッチ20による施錠入力があれば、2つの錠部1,1の各駆動部13,13を駆動して施錠を行う。
また、鍵穴120に鍵を差し込んでシリンダー12を回転させることで施解錠を行う時、制御回路2は次の制御を行う。すなわち、鍵による2つの錠部1,1の解錠は時間差をおいて行われることになるが、図1に示すように、一方の錠部1の解錠がなされて検知手段14による解錠検知出力が制御回路2に入った時点で制御回路2は時間カウントを開始する。そして所定時間t1内にもう一方の錠部1の解錠がなされて検知手段14による解錠検知出力が制御回路2に入らなければ、制御回路2は既に解錠されている錠部1の駆動部13に施錠出力を出して施錠させる。
鍵による2つの錠部1,1の開閉は、短い時間内に完了させることができるとともに、一方の錠部1のみを解錠した状態が長時間継続することはないのに対して、ピッキングによって解錠する場合、短時間内に2つの錠部1,1を共に解錠することは困難であり、一方の錠部1のみを解錠した状態が長時間継続することになる。従って、一方の錠部1が解錠されてから所定時間内に他方の錠部1も解錠されない時には、既に解錠された錠部1を施錠状態に戻すことで、防犯上の安全性を確保することができる。
なお、上記所定時間t1は、高齢者が屋外側から順に機械的な解錠動作を行うことを想定すると、30秒〜1分程度が好ましい。もっとも、本発明はこの時間に限定するものではない。
また、ピッキングによって解錠された錠部1のデッドボルト11が出ないように、あるいはシリンダー12が回転することがないようにされた上で他方の錠部1のピッキングによる解錠作業がなされた場合、既に解錠された錠部1の電気的施錠ができなくなる。このために、ここでは制御回路2から施錠出力を出したにもかかわらず、検知手段14,14から施錠検知出力が出力されない時には、制御回路2は警報装置3を作動させるようにしてある。
電気的開閉のための駆動部13の状態を検知する検知部材、たとえば駆動電流を検知する検知部材(図示せず)を設けて、電気的施錠に際して検知部材による異常検知出力(異常電流検知出力)が制御回路2に入力されれば、制御回路2が警報装置4を作動させるようにしてもよい。
また、上記制御回路2は、複数の錠部1,1が解錠状態にある時にいずれか一つの錠部1に鍵やサムターンによる機械的施錠がなされた時、図3に示すように、所定時間t2内に他の解錠状態にある錠部1の駆動部13に対して施錠出力を出すものとなっている。機械的施錠動作を他の錠部1に対しても行わなくても施錠状態に移行することから、機械的施錠動作の手間が省けるとともに、他の錠部1が解錠状態のままになってしまうことがないものである。
ただし、複数の錠部1のうちの一つを機械的に施錠した後、他の錠部1の電気的な自動施錠がなされるまでの所要時間は、ユーザーが自動施錠されるかどうかの確認待ちの時間を短くするために、この場合の所定時間t2は1秒程度であることが好ましい。また、ここでは上記施錠出力で施錠がなされない場合、警報出力を出して他の錠部1の施錠がなされていないことをユーザーに知らせるようにしてある。
1 錠部
2 制御回路
11 デッドボルト
12 シリンダー
13 駆動部
14 検知手段

Claims (1)

  1. 電気的開閉が可能で且つシリンダーを有して鍵による機械的開閉も可能な少なくとも2つの錠部を備えた電気錠において、各錠部の電気的施錠及び電気的解錠を行う制御手段を備え、上記各錠部は、デットボルトと、鍵穴を有してその回転でデッドボルトを出没させるシリンダーと、シリンダーを電気的に回転させる駆動部とからなり、上記制御手段は、いずれかの錠部の鍵穴を介して行う解錠動作があってから所定時間内に他の錠部の解錠動作がない時には、既に解錠された錠部を施錠状態に戻すものであることを特徴とする電気錠。
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