JP4765540B2 - 画像処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より簡単な操作で、より効果的に画像を表示させることができるようにした画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
従来のテレビジョン受像機は、単体で放送局より放送されるテレビジョン信号を受信し、テレビジョン放送番組としての画像を表示するが、他のテレビジョン受像機と連携して動作しない。
近年、情報処理技術の向上とともに、テレビジョン受像機の多機能化も進み、単に、放送局より放送されるテレビジョン信号を受信し、テレビジョン放送番組としての画像を表示するだけでなく、様々な機能を有するようになってきている。
例えば、複数のテレビジョン受像機を互いに接続し、互いに連携して動作することにより、各テレビジョン受像機を単体で使用する場合よりも高機能を実現することができるようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特許文献1の技術によれば、例えば、9台の表示装置のそれぞれに、互いに異なる画像を表示させることもでき、また、9台の表示装置からなる表示装置の集合体により1つの画像が表示されるようにすることができる。
このようなシステムにおいては、各表示装置を互いに連携させて動作させることにより、上述した以外にも、様々な画像表示方法が求められる。例えば、ある表示装置において表示されている画像(元画像)の一部分を拡大した拡大画像(ズーム画像)を他の表示装置に表示させる方法が考えられる。
特開2003−198989号公報
しかしながら、そのような拡大画像を表示させる場合、ユーザは、元画像のどの部分の拡大画像を表示するかを設定しなければならず、その範囲の指定(ズーム位置やズーム量の指定)を入力しなければならず、煩雑な作業を必要とする恐れがあった。
特に、動画像を拡大表示させる場合、ユーザが拡大を希望する部分が常に元画像の同じ位置にあるとは限らず、場合によりその位置が移動することもある。その場合、ユーザは所望する拡大指定範囲の位置が繰り返し拡大の範囲の指定を行わなければならず、さらに煩雑な作業を必要とする恐れがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単な操作で、より効果的に画像を表示させることができるようにするものである。
本発明の一側面は、画像データを処理する画像処理装置であって、処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段により算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定する差分値判定手段と、前記差分値判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定するズーム領域中心設定手段と、前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定するズーム領域範囲設定手段とを備える画像処理装置である。
前記周辺画素は、前記注目画素を中心にアレイ状に並ぶ、垂直方向に11画素、および水平方向に11画素の画素群であるようにすることができる。
前記差分値判定手段は、前記差分算出手段により算出された差分値の中の最大値を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて前記注目画素が差分大画素であるか否かを判定するようにすることができる。
前記ズーム領域中心設定手段は、各差分大領域について、前記差分大領域を代表する代表画素を中心とする所定の範囲内に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段と、前記全体画像内において、前記差分大画素率算出手段により算出される前記差分大画素率が最大となる前記代表画素を特定し、前記ズーム領域の中心に設定する中心設定手段とを備えるようにすることができる。
前記ズーム領域範囲設定手段は、前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲を初期値に設定する初期値設定手段と、前記初期値設定手段により範囲が前記初期値に設定された前記ズーム領域に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段と、前記差分大画素率算出手段により算出された前記差分大画素率が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素率が前記閾値以上である場合、前記ズーム領域の範囲を大きくするように更新する範囲更新手段とを備えるようにすることができる。
本発明の一側面は、また、画像データを処理する画像処理装置の画像処理方法であって、差分算出手段が、処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出し、差分値判定手段が、算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定し、記憶手段が、判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段と、ズーム領域中心設定手段が、抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定し、ズーム領域範囲設定手段が、中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定する画像処理方法である。
本発明の一側面は、さらに、画像データに関する処理を行うコンピュータを、処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出する差分算出手段、前記差分算出手段により算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定する差分値判定手段、前記差分値判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段、前記記憶手段により抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定するズーム領域中心設定手段、前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定するズーム領域範囲設定手段として機能させるプログラムである。
本発明の一側面においては、処理対象の画素である注目画素と、注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分が算出され、算出される差分値に基づいて、注目画素が、周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かが判定され、判定結果に基づいて、差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域が、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出され、差分大領域に関する情報が記憶され、抽出されて記憶される差分大領域の中から、ズーム領域の中心が設定され、中心が設定されたズーム領域の範囲の大きさが設定される。
本発明の一側面によれば、画像を表示させることができる。特に、より簡単な操作で、より効果的に画像を表示させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
本発明の一側面の画像処理装置(例えば、図1の表示装置)は、全体画像の一部分を拡大して表示するために、前記全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分をズーム領域(例えば、図24Bのズーム領域)として設定するズーム領域設定手段(例えば、図19のズーム領域設定部)を備える。
前記ズーム領域設定手段は、前記周囲の領域より目立つ部分を抽出する抽出手段(例えば、図19の差分大領域抽出処理部)と、前記抽出手段により抽出される前記周囲の領域より目立つ部分の中から、ズーム領域の中心(例えば、図24Bの中心画素)を設定するズーム領域中心設定手段(例えば、図19のズーム領域中心設定部)と、前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定するズーム領域範囲設定手段(例えば、図19のズーム領域範囲設定部)とを備えるようにすることができる。
前記抽出手段は、処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出する差分算出手段(例えば、図6の差分算出部)と、前記差分算出手段により算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定する差分値判定手段(例えば、図6の差分判定部)と、前記差分値判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を前記周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段(例えば、図6の記憶部)とを備えるようにすることができる。
前記周辺画素は、前記注目画素を中心にアレイ状に並ぶ、垂直方向に11画素、および水平方向に11画素の画素群(例えば、図20の周辺画素)であるようにすることができる。
前記差分値判定手段は、前記差分算出手段により算出された差分値の中の最大値を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて前記注目画素が差分大画素であるか否かを判定する(例えば、図13のステップS54)ようにすることができる。
前記ズーム領域中心設定手段は、各差分大領域について、前記差分大領域を代表する代表画素を中心とする所定の範囲内に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段(例えば、図22の注目差分大画素率算出部)と、前記全体画像内において、前記差分大画素率算出手段により算出される前記差分大画素率が最大となる前記代表画素を特定し、前記ズーム領域の中心に設定する中心設定手段(例えば、図22の設定部)とを備えるようにすることができる。
前記ズーム領域範囲設定手段は、前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲を初期値に設定する初期値設定手段(例えば、図23の範囲初期値設定部)と、前記初期値設定手段により範囲が前記初期値に設定された前記ズーム領域に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段(例えば、図23の差分大画素率算出部)と、前記差分大画素率算出手段により算出された前記差分大画素率が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段(例えば、図23の判定部)と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素率が前記閾値以上である場合、前記ズーム領域の範囲を大きくするように更新する範囲更新手段(例えば、図23の範囲更新部)とを備えるようにすることができる。
本発明の一側面の画像処理方法またはプログラムは、全体画像の一部分を拡大して表示するために、前記全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分をズーム領域として設定するステップ(例えば、図25のズーム領域設定処理)を含む。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明を適用したスケーラブルテレビジョンシステムの外観の構成例を示す図である。図1において、スケーラブルテレビジョンシステム11は、9台の表示装置21−1乃至21−9、並びにそれらの表示装置が3×3のアレイ状に設置される設置台22により構成されており、設置台22に設置される表示装置21−1乃至21−9を互いに連携して、または互いに独立して動作させ、後述するように、表示装置21−1乃至21−9に画像を表示させるシステムである。
表示装置21−1乃至21−9は、それぞれ、画像を表示する表示部を有するディスプレイである。また、表示装置21−1乃至21−9は、それぞれ、選局機能(チューナ)を有しており、テレビジョン信号を、その放送局を選局して受信し、そのテレビジョン信号により放送される番組(画像)をそのディスプレイに表示する。
設置台22に設置された表示装置21−1乃至21−9は、ネットワークを介して互いに接続される。表示装置21−1乃至21−9は、必要に応じて、このネットワークを介して互いに情報の授受を行う。なお、以下において表示装置21−1乃至表示装置21−9を互いに区別して説明する必要のない場合、表示装置21と称する。
設置台22は、表示装置21−1乃至表示装置21−9を着脱可能に設置する設置部材(ディスプレイスタンド)である。設置台22には、表示装置21−1乃至表示装置21−9が、例えば、それらの各表示面が同一方向(図中手前方向)を向き略平面を形成するように、3×3のアレイ状に設置可能である。図示は省略するが、設置台22は、外部電源より電力を取得し、設置されている表示装置21に供給する電源供給機能を有する。また、設置台22は、設置されている表示装置21同士を互いに接続し、形成されるネットワークを管理するネットワーク機能も有する。さらに、設置台22は、ユーザにより操作されるリモートコマンダより赤外光等を用いて供給される情報を取得するユーザ入力機能も有する。
ところで、スケーラブルテレビジョンシステム11において、各表示装置21は、互いに独立して動作し、互いに異なる画像を表示することができる。図2は、設置台22に設置される表示装置21−1乃至表示装置21−9の画像表示例を示す図である。図2に示されるように、表示装置21−1乃至表示装置21−9は、互いに異なる画像を表示することができる。
また、スケーラブルテレビジョンシステム11において、各表示装置21は、他の表示装置に表示される画像の一部分を拡大した拡大画像を表示することもできる。図2の例の場合、9台の表示装置21のうち、図中、中央に位置する表示装置21−5が所定の画像を表示し、それと同時に、表示装置21−1は、表示装置21−5に表示されている画像の内、細かい絵柄が集中する部分である花41の拡大画像を表示し、表示装置21−2は、表示装置21−5に表示されている画像の内、周囲の領域より目立つ絵柄である太陽42の拡大画像を表示している。
また、このとき、表示装置21−4は、表示装置21−3に表示されている画像に含まれるボール43の拡大画像を表示している。さらに、表示装置21−7は、表示装置21−6に表示されている画像に含まれる家45の拡大画像を表示しており、表示装置21−8は、表示装置21−6に表示されている画像に含まれる月44の拡大画像を表示しており、表示装置21−9は、表示装置21−6に表示されている画像に含まれる山46の拡大画像を表示している。
このように、スケーラブルテレビジョンシステム11は、設置台22に設置されている任意の表示装置21により表示されている画像の拡大画像を、設置台22に設置されている任意の表示装置21に表示させることができる。なお、スケーラブルテレビジョンシステム11は、複数の表示装置を使って1枚の拡大画像を表示することもできるし、複数の表示装置を使って表示されている1枚の画像より抽出した拡大画像を1つまたは複数の表示装置に表示させることもできる。
スケーラブルテレビジョンシステム11は、以上のように拡大画像を表示させる場合、その拡大画像をユーザによる範囲指定無しに自動で作成する。例えば、ユーザが、表示装置21−5に表示されている画像の拡大画像を表示装置21−1に表示させることを指示すると、スケーラブルテレビジョンシステム11の表示装置21−1は、表示装置21−5に表示されている元画像から、細かい画像が集中する部分や周囲に対して目立つ部分を特定し、その特定した部分の画像を拡大して表示する。
このようにすることにより、スケーラブルテレビジョンシステム11のユーザは、範囲指定等の煩雑な作業を伴わずに、容易に拡大画像を表示させることができ、コンテンツの視聴をより楽しむことができる。換言すると、スケーラブルテレビジョンシステム11は、より簡単なユーザ操作で、より効果的に画像を表示させることができる。
図3は、図1のスケーラブルテレビジョンシステム11の構成例を示すブロック図である。
スケーラブルテレビジョンシステム11は、ユーザからの指示入力を受け付ける指示受付装置61、表示装置21−1乃至表示装置21−9が接続されるネットワークハブ62、および、表示装置21−1乃至表示装置21−9に外部より入力されたコンテンツを分配するコンテンツ分配装置63を有している。
指示受付装置61は、図示せぬリモートコマンダより供給される赤外光を受光する受光部71と受光部71において受光された赤外光に含まれるコマンドを抽出するコマンド処理部72を有している。
受光部71は、赤外光を受光し、その受光した赤外光を媒体として供給される信号を電気信号に変換する部材である。ユーザに操作された図示せぬリモートコマンダは、そのユーザ操作に対応するコマンドを含む信号を赤外光の点滅により出力する。受光部71は、その赤外光を受光し、赤外光の点滅を電気信号に変換し、それをコマンド処理部72に供給する。コマンド処理部72は、供給された信号よりユーザ指示に対応するコマンド情報を抽出し、そのコマンドを、コマンドの内容に基づいて、ネットワークハブ62が形成するネットワークを介して、適切な表示装置21やコンテンツ分配装置63に供給する。
ネットワークハブ62は、端末を互いに接続し、ネットワークを構築するための集線装置である。図3において、ネットワークハブ62には、指示受付装置61、コンテンツ分配装置63、並びに、設置台22に設置された表示装置21(表示装置21−1乃至表示装置21−9)が接続されており、それらの装置間のデータのやりとりを中継する。
コンテンツ分配装置63は、図示せぬアンテナを介して受信したテレビジョン信号や、外部装置より供給され、外部入力端子を介して取得したコンテンツデータ(画像データや音声データを含むデータ)を、指示受付装置61より供給されるコマンド(ユーザ指示)に基づいて、表示装置21−1乃至表示装置21−9に供給する。
表示装置21−1乃至表示装置21−9は、ネットワークハブ62を介して指示受付装置61より供給されるコマンド(ユーザ指示)に基づいて、コンテンツ分配装置63より供給されるテレビジョン信号やコンテンツデータに対応する画像を表示する。
図4は、表示装置21の内部の構成例を示すブロック図である。
図4において、表示装置21は、制御部81、コンテンツ取得部82、画像処理部83、画像出力部84、音声処理部85、および音声出力部86を有している。
制御部81は、表示装置21全体の制御を行う処理部であり、例えば、ネットワークハブ62を介して指示受付装置61や他の表示装置とコマンド情報の授受を行ったり、取得したコマンド情報に基づいて、コンテンツ取得部82、画像処理部83、および音声処理部85を制御し、画像表示や音声出力を制御したりする。
コンテンツ取得部82は、図示せぬテレビジョン信号用チューナやデコーダを有しており、コンテンツ分配装置63より供給されるコンテンツデータやテレビジョン信号を取得し、それらから画像データや音声データを抽出し、それぞれ画像処理部83や音声処理部85に供給する。
画像処理部83は、供給された画像データに、ズーム処理等の画像処理を施し、処理後の画像データを画像出力部84に供給する。画像出力部84は、供給された画像データの画像をディスプレイに表示する。音声処理部85は、コンテンツ取得部82より供給される音声データに、エフェクト処理やサラウンド処理等の音声処理を施し、処理後の音声データを音声出力部86に供給する。音声出力部86は、供給された音声データに対応する音声をスピーカより出力する。
図5は、画像処理部83の詳細な構成例を示すブロック図である。
図5において、画像処理部83は、フレームメモリ101、ズーム領域設定部102、およびズーム処理部103を有している。フレームメモリ101は、半導体メモリ等により構成される記憶領域を有しており、その記憶領域に、フレーム単位(またはフィールド単位)で供給されるフレーム画像データを一時的に保持する保持部である。フレームメモリ101は、所定のタイミングで、保持している画像データを画素毎にズーム領域設定部102に供給する。また、フレームメモリ101は、保持している画像データを、所定のタイミングでズーム処理部103に供給する。
ズーム領域設定部102は、フレームメモリ101より供給される画像データの画像から、拡大表示する部分領域(ズーム領域)を設定し、その情報をズーム処理部103に供給する。ズーム領域設定部102は、フレーム画像内の細かい絵柄が集中する部分をズーム領域として設定する。ズーム領域設定部102は、差分大領域抽出処理部111、フレーム内最大領域抽出処理部112、判定部113、更新部114、設定部115、およびズーム領域情報記憶部116を有している。
差分大領域抽出処理部111は、供給されるフレーム画像データのフレーム画像から、周辺の画素(隣接画素)との画素値の差分が大きい画素が連続する領域である差分大領域を抽出する処理を行う。後述するように、隣接画素との画素値の差分が大きい画素が連続する差分大領域は、画素値が画素毎に大幅に変化し続ける領域であり、換言すると、細かい絵柄が集中する領域である。差分大領域抽出処理部111は、そのような差分大領域に関する情報である差分大領域情報をフレーム内最大領域抽出処理部112に供給する。
フレーム内最大領域抽出処理部112は、供給される差分大領域情報から、フレーム内で最も大きな差分大領域を特定し、その領域をフレーム内最大領域として抽出する。フレーム内最大領域抽出処理部112は、そのフレーム内最大領域の情報であるフレーム内最大領域情報を判定部113に供給する。
判定部113は、既にズーム領域が設定されているか否かを判定し、設定されている場合は、更新部114にフレーム内最大領域情報を供給し、ズーム領域の設定の更新処理を行わせ、設定されていない場合は、設定部115にフレーム内最大領域情報を供給し、新たなズーム領域の設定を行わせる。
ズーム領域情報記憶部116は、更新部114により更新されたズーム領域情報、または設定部115により新たに設定されたズーム領域情報を記憶する。ズーム領域情報記憶部116は、所定のタイミングでそのズーム領域情報をズーム処理部103に供給する。
ズーム処理部103は、ズーム領域設定部102より供給されるズーム領域情報に基づいて、フレームメモリ101より供給されるフレーム画像から拡大画像(ズーム画像)を生成し(フレーム画像のズーム領域の部分を切り出し)、そのズーム画像データを画像出力部84に供給し、拡大画像を拡大表示させる。
図6は、図5の差分大領域抽出処理部111の詳細な構成例を示すブロック図である。
差分大領域抽出処理部111は、バッファメモリ131、差分算出部132、差分値判定部133、変数管理部134、記憶部135、および差分大領域情報供給部136を有している。
バッファメモリ131は、供給される画像データを一時的に保持する保持部である。バッファメモリ131は、後述するように、処理対象の注目画素とその注目画素に隣接する隣接画素(周辺画素)の数画素分の画像データを、FIFO(First-In First-Out)方式のように管理する。
差分算出部132は、バッファメモリ131に保持されている画像データ(画素データ)を用いて、注目画素とその隣接画素との画素値の差分を算出し、その差分値を差分値判定部133に供給する。差分値判定部133は、供給された差分値の中に閾値より大きい差分値が存在するか否かを判定する。閾値より大きな差分値が存在する場合、差分値判定部133は、その注目画素を差分大画素と判定し、その旨を変数管理部134や記憶部135に通知する。また、閾値より大きな差分値が存在しない場合、差分値判定部133は、その注目画素を差分小画素と判定し、その旨を変数管理部134や記憶部135に通知する。
変数管理部134は、差分大画素が画像の水平方向に連続する量をカウントするための変数である差分大連続量141や、差分小画素が画像の水平方向に連続する量をカウントするための変数である差分小連続量142の値を管理する。また、変数管理部134は、その差分大連続量141の値を記憶部135に供給したり、差分大連続量141や差分小連続量142の更新が終了した旨をバッファメモリ131に通知したりする。
記憶部135は、差分値判定部133の判定結果に基づいて、差分大領域の終端の座標である座標情報143と差分大連続量141を関連付けて差分大領域情報として記憶する。差分大領域情報供給部136は、記憶部135に記憶されている差分大領域情報(互いに関連付けられた座標情報143と差分大連続量141との集合)を取得し、図5のフレーム内最大領域抽出処理部112に供給する。
図7を参照して、この差分大領域抽出処理部111の各部の動作について説明する。
図5のフレームメモリ101からは、画像データが、画面の左上の画素から右下の画素まで順番に1画素分ずつ供給される。すなわち、図6のバッファメモリ131には、画面水平方向(ライン方向)に左端の画素から右端の画素まで1つずつ進み、次に、画面垂直方向にそのラインの1段下のライン(行)の左端に進む順番で、フレーム画像データが画素毎に供給される。
バッファメモリ131は、例えば、図7Aに示されるように、そのように供給される最近の6画素分の画像データ(画素データ151乃至画素データ156)をFIFO方式のように保持する。画素データ151が、バッファメモリ131に保持されている画素データの中で最も新しい画素データ(直前に供給された画素データ)であり、画素データ156がバッファメモリ131に保持されている画素データの中で最も古い画素データ(最も長く保持されている画素データ)である。なお、図7Aにおいて、丸で示される画素データ151乃至画素データ156の中の数字は、それぞれの値(画素値)を示している。
この図7Aにおいて、バッファメモリ131は、最も新しい画素データ151を、処理の対象となる注目画素とし、残りの画素データ152乃至画素データ156を、その注目画素(画素データ151)の隣接画素(周辺画素)とする。つまり、隣接画素は、注目画素の水平方向左側に連続的に隣接する複数の画素であり、その数は最大5画素である。なお、隣接画素は、実際に画面領域内に存在する画素である。従って、画面領域の左端から5画素以内においては、隣接画素の数は5画素よりも少なくなる。
バッファメモリ131は、このような画素データを、図7Bに示されるようにFIFO方式のように管理する。つまり、図7Bに示されるように、新たな画素データ157(新規画素)がフレームメモリ101より供給されると、バッファメモリ131は、最も古い画素データ156を破棄し、その他の画素データ151乃至画素データ155の位置を1つずつ左にずらし、右端に、最新の画素データ157を注目画素として保持する。このようにバッファメモリ131は、新たに画素データを供給されると、それを保持するために、ところてん方式で古い画素データから順に破棄していく。
差分算出部132は、このようにバッファメモリ131に保持されている画素データを用いて、図7Cに示されるように、注目画素と各隣接画素との差分を算出する(差分演算を行う)。差分値判定部133は、得られた差分値の絶対値と、予め定められている閾値とを比較し、この閾値より大きい差分値(絶対値)を探索する。仮に、差分値(絶対値)の中に閾値より大きなものが存在する場合、その注目画素は差分大画素であると判定され、逆に、閾値より大きな差分値が存在しない場合、その注目画素は差分小画素であると判定される。
変数管理部134は、差分大連続量141と差分小連続量142の2つの変数を用いて、この差分大画素と差分小画素の連続量をカウントし、記憶部135は、その差分大画素が連続する連続量(差分大連続量141)とその連続する部分(差分大領域)の終端座標(右端の座標情報143)を関連付けて記憶する。差分大領域は、水平方向に連続して並ぶ差分大画素群(つまりラインの一部)を示す。差分大領域情報供給部136は、そのように関連付けられた座標情報143および差分大連続量141の1フレーム分の集合を差分大領域情報として、図5のフレーム内最大領域抽出処理部112に供給する。
なお、図7に示されるバッファメモリ131の構成は、模式的に示したものであり、各画素データが同様に管理されるのであれば、実際にはどのように構成されていてもよい。例えば、バッファメモリ131が画素データを保持するアドレスは任意であり、実際に使用されるアドレスが、図7Aに示されるように供給される順番どおりに並んでいなくてもよい。また、画素データを更新する際に、バッファメモリ131は、図7Bに示されるように、画素データ151乃至画素データ155のアドレスを実際に変更しなくてもよい。
また、隣接画素として保持される画素数は、いくつであってもよく、4画素以下であってもよいし、6画素以上としてもよい。また、隣接画素は、全てが連続する画素(隣り合う画素)でなくてもよく、例えば、1つおきに並ぶ画素であってもよいし、隣り合う10画素中の任意の5画素等であってもよい。さらに、差分値判定部133が使用する閾値の値はいくつであってもよく、予め定められた所定の定数であってもよいし、条件等に応じて変化する変数であってもよい。例えば、差分値判定部133は、前フレームの全画素の画素値の平均値等を用いて算出される値を閾値としてもよい。
さらに、記憶部135は、差分大連続量141に差分大領域の終端画素の座標情報143を関連付けるように説明したが、この座標情報143は、差分大領域の位置を示すものであればどの画素の座標情報であってもよく、例えば、差分大領域が開始される画素(左端の画素)であってもよいし、差分大領域の中心の画素であってもよい。
図8は、図5のフレーム内最大領域抽出処理部112の詳細な構成例を示すブロック図である。
図8において、フレーム内最大領域抽出処理部112は、注目差分大領域情報設定部171、比較部172、判定部173、最大連続量更新部174、最大差分大領域座標更新部175、フレーム内最大領域設定部176、並びに変数記憶部177を有している。
注目差分大領域情報設定部171は、図5の差分大領域抽出処理部111より供給される差分大領域情報を取得し、その中から処理対象として注目する差分大領域(注目差分大領域)を設定する。注目差分大領域情報設定部171は、注目差分大領域の連続量と座標情報を差分大領域情報より抽出し、それらを、注目差分大領域情報の注目連続量181および注目座標182として設定する。注目差分大領域情報設定部171は、その注目連続量181および注目座標182を変数記憶部177に供給し、記憶させる。
比較部172は、注目差分大領域情報設定部171が設定した注目連続量181の値と、変数記憶部177が記憶し管理する、フレーム内で最も大きい差分大領域の候補の連続量を示す変数である最大連続量183の値とを比較する。判定部173は、その比較結果に基づいて、いずれの値が大きいかを判定する。
最大連続量更新部174は、その判定結果に基づいて、注目連続量181の値が最大連続量183の値より大きい場合、注目連続量181の値を用いて最大連続量183の値を更新する。また、最大差分大領域座標更新部175は、判定部173の判定結果に基づいて、注目連続量181の値が最大連続量183の値より大きい場合、注目座標182の値を用いて最大差分大領域座標184の値を更新する。つまり、最大連続量更新部174および最大差分大領域座標更新部175は、最大領域の候補を変更する。
フレーム内の全ての差分大領域について比較が終了すると、フレーム内最大領域設定部176は、そのときの最大連続量183および最大差分大領域座標184により示される差分大領域をフレーム内最大領域に設定し、最大連続量183および最大差分大領域座標184をフレーム内最大領域情報として図5の判定部113に供給する。
変数記憶部177は、注目差分大領域の情報である注目画素181および注目座標182、並びに、フレーム内最大領域の候補に関する情報である最大連続量183および最大差分大領域座標184を記憶し、適宜各処理部に供給する。
以上のように生成されたフレーム内最大領域情報を供給されると、図5の判定部113は、ズーム領域が既に設定されているか否かを判定し、設定されていない場合は、フレーム内最大領域情報を設定部115に供給し、新たなズーム領域の設定を行わせる。他方、ズーム領域が設定されている場合、判定部113は、フレーム内最大領域情報を更新部114供給し、ズーム領域の更新処理を行わせる。
図9は、更新部114の詳細な構成例を示すブロック図である。
図9において、更新部114は、比較部201、座標判定部202、ズーム領域候補設定部203、同座標連続フレーム管理部204、ズーム領域設定部205、および記憶部206を有している。
比較部201は、ズーム領域の更新に用いられる領域の候補(更新候補)であるズーム領域候補の座標と、取得したフレーム内最大領域に含まれる座標とを比較する。ズーム領域候補は、1つ前のフレームまでにズーム領域の更新候補として上げられたフレーム内最大領域である。このズーム領域候補の連続量および座標は、ズーム領域候補情報211として記憶部206に記憶されている。つまり、比較部201は、新たなフレームのフレーム内最大領域情報を取得すると、そのフレーム(現フレーム)のフレーム内最大領域の座標と、これまでにズーム領域の更新候補として挙げられている、過去のフレームのフレーム内最大領域(ズーム領域候補)の座標とを比較する。
座標判定部202は、その比較結果(すなわち、ズーム領域候補に対する現フレームのフレーム内最大領域の座標変動)に基づいて、ズーム領域候補を更新するか否かを判定する。現フレームのフレーム内最大領域の位置(座標)が、ズーム領域候補の位置(座標)に対してあまり変動しない場合(例えば、変動量が10画素以内の場合)、ズーム領域候補の更新を行わないとし、現フレームのフレーム最大領域情報を破棄する。逆に、現フレームのフレーム内最大領域の位置(座標)が、ズーム領域候補の位置(座標)に対して大きく変動する場合(例えば、変動量が10画素より大きい場合)、ズーム領域候補設定部203にズーム領域候補の更新を行わせる。
ズーム領域候補設定部203は、座標判定部202の判定結果に基づいて、ズーム領域候補の位置(座標)に対して大きく変動する場合(例えば、変動量が10画素より大きい場合)、現フレームのフレーム最大領域情報を用いてズーム領域候補を更新する。つまり、ズーム領域候補設定部203は、フレーム内最大領域情報を用いてズーム領域候補情報211を更新する(連続量および座標を更新する)。
同座標連続フレーム管理部204は、記憶部206に記憶される変数である同座標連続フレーム212を用いて、フレーム毎に、ズーム領域候補の座標が変動しなかった回数をカウントする。すなわち、同座標連続フレーム管理部204は、ズーム領域候補設定部203によりズーム領域が更新されなかった場合、記憶部206の同座標連続フレーム212の値に「+1」を加算する。また、同座標連続フレーム管理部204は、ズーム領域候補が更新された場合、同座標連続フレーム212の値を初期値(例えば、「0」)にリセットする。そして、同座標連続フレーム管理部204は、記憶部206の同座標連続フレーム212の値が「5」に達したか否かを管理し、「5」に達した場合、ズーム領域設定部205にズーム領域の更新を行わせる。
ズーム領域設定部205は、同座標連続フレーム212の値が「5」に達すると、ズーム領域候補情報211を用いてズーム領域の設定を行い、そのズーム領域の情報をズーム領域情報として図5のズーム領域情報記憶部116に供給し、記憶させる。
記憶部206は、ズーム領域候補情報211や同座標連続フレーム212を記憶し、必要に応じて各処理部にそれらの値を供給する。
図10を参照して、ズーム領域設定部205によるズーム領域の設定方法の例を説明する。
例えば、図10Aに示されるように、画像データの画像領域221においてズーム領域候補222が設定されている場合、ズーム領域候補情報211は、連続量223(ズーム領域候補222の水平方向の長さ)と、終端座標224(ズーム領域候補222の右端の画素の座標)により構成される。ズーム領域設定部205は、図10Bに示されるように、このズーム領域候補222と左右端の画素が等しく、かつ、ズーム領域候補222が垂直方向の中心となるようなズーム領域225を設定する。つまり、ズーム領域設定部205は、ズーム領域候補222を上側と下側に均等に太らせた領域をズーム領域225として設定する。このズーム領域225の垂直方向の長さは、画像領域221のアスペクト比に基づいて決定される。
例えば、図10Bに示されるように、画像領域221のアスペクト比(横:縦)がm:nであるとき、ズーム領域225の垂直方向の長さは、連続量223のn/m倍に設定される。つまり、ズーム領域225は、その左右端の座標がズーム領域候補222の左右端の座標と等しく、ズーム領域候補222が垂直方向の中心に位置し、かつ、アスペクト比が画像領域221のアスペクト比と同じm:nの領域である。
図5のズーム処理部103は、例えばユーザ指示に基づいて、このように設定されたズーム領域の画像を元画像より切り出し、画像出力部84に拡大表示させる。
次に、各処理部による具体的な処理の流れについて説明する。
最初に、図11のフローチャートを参照して、図4の制御部81による表示装置21の制御処理の流れを説明する。表示装置21は、ユーザ指示に基づいて、例えば、上述したような画像の拡大表示(ズーム処理)のように、画像表示に関する各処理を行う。
表示装置21の制御部81は、制御処理を実行し、ユーザからの指示に基づいて、各部の動作を制御する。
最初に、制御部81は、ステップS1において、コマンド情報の入力を受け付け、ステップS2において、コマンド情報を受信したか否かを判定する。コマンド情報を受信していないと判定した場合、制御部81は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS2において、指示受付装置61を介してユーザ指示に対応するコマンド情報を受信したと判定した場合、制御部81は、処理をステップS3に進め、その受信したコマンド情報に含まれるコマンドの内容を確認する。
ステップS4において制御部81は、取得したコマンドが終了指示であるか否かを判定し、制御処理の終了指示では無いと判定した場合、処理をステップS5に進める。ステップS5において、制御部81は、さらに、取得したコマンドが動作モードの切り替えを指示する動作モード切替指示であるか否かを判定する。動作モード切替指示であると判定した場合、制御部81は、処理をステップS6に進める。ステップS6において、ズームモード選択指示制御部81は、取得したコマンドがズームモード選択指示であるか否かを判定し、ズームモード選択指示であると判定した場合、制御部81は、処理をステップS7に進め、コンテンツ取得部82、画像処理部83、および音声処理部84を制御し、動作モードをズームモードに切り替える。動作モードをズームモードに切り替えると制御部81は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
また、ステップS6において、取得したコマンドがズームモード選択指示ではないと判定した場合、制御部81は、処理をステップS8に進め、コンテンツ取得部82、画像処理部83、および音声処理部84を制御し、動作モードを指定されたモードに切り替える。ステップS8の処理を終了すると、制御部81は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
さらに、ステップS5において、取得したコマンドが動作モード切替指示ではないと判定した場合、制御部81は、処理をステップS9に進め、各処理部を制御し、操作に応じた処理を行う。ステップS9の処理を終了すると、制御部81は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
また、ステップS4において、制御処理の終了指示を取得したと判定した場合、制御部81は、処理をステップS10に進め、電源を切断したり、サスペンド状態にしたりする等の終了処理を行い、制御処理を終了する。
以上のように制御部81は、表示装置21の各部の動作を制御する。例えば、上述したような制御処理により動作モードがズームモードに切り替えられると、画像処理部83の図5に示されるような構成により、元画像の部分画像を抽出して拡大表示する自動ズームに関する処理が行われる。
このときに、ズーム領域設定部102が実行するズーム領域設定処理の流れの例を図12のフローチャートを参照して説明する。
ズームモードになると、ズーム領域設定部102は、ズーム領域の設定や更新を行うためのズーム領域設定処理を開始する。ズーム領域設定処理が開始されると、最初に差分大領域抽出処理部111は、ステップS31において差分大領域を抽出する。差分大領域抽出処理の詳細については後述する。差分大領域の抽出が終了すると、フレーム内最大領域抽出処理部112は、ステップS32において、フレーム内最大領域を抽出する。フレーム内最大領域抽出処理の詳細については後述する。フレーム内最大領域が抽出されると、判定部113は、ステップS33において、設定済みズーム領域が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、処理をステップS34に進める。ステップS34において、更新部114は、ズーム領域の更新処理を行う。ズーム領域更新処理の詳細については後述する。ズーム領域の更新処理が終了すると、更新部114は、処理をステップS36に進める。またステップS33において、ズーム領域が設定されていないと判定した場合、判定部113は、処理をステップS35に進める。ステップS35において、設定部115は、フレーム内最大領域を用いてズーム領域の設定を行う。ズーム領域の設定が終了すると、設定部115は、処理をステップS36に進める。
ステップS36において、ズーム領域情報記憶部116は、設定されたズーム領域を記憶する。ズーム領域が記憶されると、差分大領域抽出処理部111は、ステップS37においてズーム領域設定処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS31に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS37において、ズーム領域設定処理を終了すると判定した場合、差分大領域抽出処理部111は、処理をステップS38に進め、終了処理を行い、ズーム領域設定処理を終了する。
次に、図12のステップS31において実行される差分大領域抽出処理の詳細な流れの例について、図13および図14のフローチャートを参照して説明する。
図13のステップS51において、バッファメモリ131は、供給された画像データ(画素データ)を取得し、それを所定のアドレスに格納すること等により、注目画素をセットする。そして、バッファメモリ131は、その注目画素について、ステップS52において、注目画素が画像領域内であるか否かを判定する。注目画素が画像領域内の、フレーム画像として有効な画素であると判定した場合、バッファメモリ131は、処理をステップS53に進める。
ステップS53において、差分算出部132は、その注目画素について、隣接画素との画素値の差分を算出する。差分値判定部133は、ステップS54において、差分値算出部132により算出されたその差分値群の中に、予め保持している閾値以上の絶対値の差分値が存在するか否かを判定し、閾値以上の絶対値の差分値が存在すると判定した場合、その注目画素を差分大画素とし、処理をステップS55に進める。ステップS55において、変数管理部134は、差分大連続量141の値に「+1」を加算し、差分小連続量142の値を「0」にリセットすることにより、差分大領域をカウントし、差分小領域のカウントをリセットする。ステップS55の処理を終了すると、変数管理部134は、処理を図14のステップS74に進める。
また、図13のステップS54において、閾値以上の絶対値の差分値が存在しないと判定した場合、差分値判定部133は、その注目画素を差分小画素とし、処理をステップS56に進める。ステップS56において、変数管理部134は、差分小連続量142の値に「+1」を加算することにより、差分小領域をカウントする。
ステップS57において、変数管理部134は、差分小連続量142の値が「10」より大きいか否かを判定する。差分大領域抽出処理部111は、連続していない差分小画素(差分小連続量142の値が十分に小さい場合)は、ノイズ成分と判定し、差分小領域として認めない。変数管理部134は、差分小連続量142の値が「10」以下である場合、まだ差分大領域が継続するとし、差分大連続量141の値をリセットせずに、処理を図14のステップS74に進める。
また、図13のステップS57において、差分小連続量142の値が「10」より大きいと判定した場合、変数管理部134は、注目画素が差分小領域内の画素であると認め、処理をステップS58に進める。ステップS58において、変数管理部134は、差分大連続量141の値が「1」以上であるか否かを判定する。差分大連続量141の値が「0」であると判定した場合、つまり、差分小領域が継続中であり、差分大連続量141は既にリセットされていると判定した場合、変数管理部134は、処理を図14のステップS74に進める。
また、図13のステップS58において、差分大連続量141の値が「1」以上であり、まだリセットされていないと判定した場合、変数管理部134は、処理をステップS59に進める。この場合、差分小画素の連続量が10画素に達したことにより、注目画素が差分小領域内の画素であることが認められ、直前の差分大領域が終了したとみなされる。すなわち、記憶部135は、ステップS59において、注目画素の座標と差分小連続量142より、その直前の差分大領域の終端画素の座標を求め、差分大連続量141の値と直前の差分大領域の終端画素の座標を関連付けて記憶する。そして、変数管理部134は、ステップS60において、差分大連続量141の値を「0」にリセットし、処理を図14のステップS74に進める。
また、図13のステップS52において、注目画素が有効な画像領域内に存在しないと判定した場合、バッファメモリ131は、処理を図14のステップS71に進める。差分大領域の検出はライン毎に(水平方向に)行われるので、例えば注目画素が画像領域の右端外に出ると、領域の抽出処理(に関する変数)が一度リセットされ、処理対象が次のラインに移行する。また、画像領域の一番下のラインにおいて、注目画素が画像領域の右端外に出ると、そのフレーム画像に対する差分大領域の抽出処理が終了するので、各変数がリセットされる。
図14のステップS71において、変数管理部134は、差分大連続量141の値が「1」以上であるか否かを判定し、「1」以上であると判定した場合、すなわち、現在の領域が差分大領域(連続量が十分に大きくない差分小画素も含む)であり、その差分大領域についての情報を記憶部135に記憶していないと判定した場合、処理をステップS72に進める。ステップS72において、記憶部135は、そのときの差分大連続量141の値と注目画素の1つ前の画素(画像領域の右端の画素)の座標(座標情報143)とを関連付けて記憶する。ステップS72の処理を終了すると、記憶部135は、処理をステップS73に進める。また、ステップS71において、差分大連続量141の値が「0」であると判定した場合、すなわち、現在の領域が差分小領域であり、その1つ前の差分大領域についての情報は、既に記憶部135に記憶されていると判定した場合、変数管理部134は、ステップS72の処理を省略し、ステップS73に処理を進める。
ステップS73において、変数管理部134は、差分大連続量141と差分小連続量142の値を、いずれも「0」にリセットする。変数をリセットすると変数管理部134は、処理をステップS74に進める。
ステップS74において、バッファメモリ131は、差分大領域抽出処理を終了するか否かを判定し、現在のフレーム画像データの供給が継続しており、差分大領域抽出処理を終了しないと判定した場合、処理を図13のステップS51に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、図14のステップS74において、注目画素が画像領域の右下隅の画素に達し、現在のフレーム画像データの供給が終了し、差分大領域抽出処理を終了すると判定した場合、バッファメモリ131は、処理をステップS75に進める。ステップS75において、差分大領域情報供給部136は、記憶部135に記憶されている差分大領域情報をフレーム内最大領域抽出部112に供給する。差分大領域情報を供給すると、差分大領域情報供給部136は、差分大領域抽出処理を終了し、図12のステップS31に処理を戻し、ステップS32以降の処理を実行させる。
以上において、差分小領域の最小条件となる差分小連続量142の値を10画素とするように説明したが、この差分小領域の最小条件としての差分小連続量142の値はいくつであってもよいが、最適な値とするのが望ましい。ズーム領域設定部102は、後述するように、細かい絵柄が集合する部分をズーム領域として設定する。従って、例えば、この最小条件の値を小さくしすぎると、拡大画像の拡大率が大きすぎて見づらいものとなってしまう恐れがあり、逆に、最小条件の値を大きくしすぎると、拡大画像の拡大率が小さすぎて拡大の効果を十分に得られない恐れがある。なお、この最小条件は、予め定められた所定の定数であっても良いが、例えば、過去や現在の画像の内容などに基づいて決定される変数であってもよい。
差分大領域情報が供給されると、図5のフレーム内最大領域抽出処理部112は、その差分大領域情報に含まれる差分大領域の中から、フレーム内において最大の差分大領域(フレーム内最大領域)を抽出するフレーム内最大領域抽出処理を実行する。図15のフローチャートを参照して、フレーム内最大領域抽出処理の流れの例を説明する。
フレーム内最大領域抽出処理が開始されると、図8の注目差分大領域情報設定部171は、ステップS91において、供給される差分大領域情報の差分大領域の中から処理対象となる注目差分大領域を設定(セット)し、その差分大領域に関する情報である連続量と終端座標を、それぞれ、注目連続量181および注目座標182として変数記憶部177に供給して記憶させる。
ステップS92において、比較部172は、変数記憶部177に記憶されている注目連続量181と最大連続量183とを比較する。判定部173は、ステップS93において、その比較結果に基づいて、注目連続量181の値が最大連続量183の値より大きいか否かを判定する。すなわち、判定部173は、比較結果から、注目差分大領域がフレーム内最大領域となり得るか否か(現時点において最大か否か)を検討する。注目連続量181の値が最大連続量183の値より大きいと判定した場合、判定部173は、処理をステップS94に進める。
ステップS94において、最大連続量更新部174は、注目連続量181を用いて最大連続量183を更新する。ステップS95において、最大差分大領域座標更新部175は、注目座標182を用いて最大差分大領域座標184を更新する。ステップS95の処理が終了すると、最大差分大領域座標更新部175は、処理をステップS96に進める。
また、ステップS93において、注目連続量181の値が最大連続量183の値より大きくなく、注目差分大領域がフレーム内最大領域となり得ないと判定した場合、判定部173は、ステップS94およびステップS95の処理を省略し、ステップS96に処理を進める。
ステップS96において、最大差分大領域座標更新部175は、フレーム内最大領域抽出処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS91に戻し、それ以降の処理を繰り返し実行させる。また、ステップS96において、全ての差分大領域について処理が終了し、フレーム内最大領域を決定し、フレーム内最大領域抽出処理を終了すると判定した場合、最大差分大領域座標更新部175は、処理をステップS97に進める。ステップS97において、フレーム内最大領域設定部176は、変数記憶部177に記憶されている最大連続量183および最大差分大領域座標184をフレーム内最大領域情報として、図5の判定部113に供給し、フレーム内最大領域抽出処理を終了し、図12のステップS32に処理を戻し、ステップS33以降の処理を実行させる。
なお、以上においては、ズーム領域を設定するためにフレーム内最大領域を抽出するように説明したが、ズーム領域は、フレーム内最大領域以外に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、フレーム内において、連続量が平均値である差分大領域(フレーム内の全差分大領域の連続量の平均値に最も近い連続量の差分大領域)に基づいてズーム領域が設定されるようにしてもよい。また、連続量が、予め定められた所定の定数である差分大領域に基づいてズーム領域が設定されるようにしてもよい。さらに、ズーム領域候補より設定されるズーム領域の、ズーム領域候補に対する相対位置および領域の大きさは、任意である。つまり、ズーム領域は、ズーム領域候補に対してどのような位置にどのような範囲で設定するようにしてもよい。
新たに供給されたフレーム内最大領域に対してズーム領域が既に設定されている場合、図5の更新部114は、ズーム領域更新処理を実行し、所定の条件を満たす場合のみズーム領域の更新を行う。
図16のフローチャートを参照して、ズーム領域更新処理の流れの例を説明する。
ステップS111において、比較部201は、供給されたフレーム内最大領域情報に含まれる、現フレームのフレーム内最大領域の座標と、記憶部206に記憶されているズーム領域候補情報211に含まれる、ズーム領域候補の座標を比較する。座標判定部202は、その比較結果に基づいて、ステップS112において、縦座標変化量が10画素以内であるか否かを判定する。つまり、座標判定部202は、現フレームのフレーム内最大領域の座標の、ズーム領域候補の座標に対する、画像領域の縦方向(垂直方向)の「ずれ幅」が、10画素以下であるか否かを判定する。そして、この「ずれ幅」が10画素以内であると判定した場合(「大きくずれていない」と判定した場合)、座標判定部202は、ステップS113に処理を進め、次に、横座標変化量が10画素以内であるか否かを判定する。つまり、座標判定部202は、現フレームのフレーム内最大領域の座標の、ズーム領域候補の座標に対する、画像領域の横方向(水平方向)の「ずれ幅」が、10画素以下であるか否かを判定する。そして、この「ずれ幅」が10画素以内であると判定した場合(「大きくずれていない」と判定した場合)、座標判定部202は、座標変化量が少ないので(ズーム領域候補も、現フレームのフレーム内最大領域もほぼ同じ位置にあるので)、ズーム領域候補を更新する必要が無いと判定し、ステップS114に処理を進める。
ステップS114において、同座標連続フレーム管理部204は、記憶部206に記憶されている変数である同座標連続フレーム212の値に「+1」を加算する。ステップS115において、同座標連続フレーム管理部204は、同座標連続フレーム212の値が「5」より大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合、処理をステップS116に進める。
ステップS116において、ズーム領域設定部205は、ズーム領域候補情報211および画面領域のアスペクト比を用いてズーム領域を設定し、そのズーム領域に関するズーム領域情報をズーム領域情報記憶部116に供給して記憶させ、ズーム領域更新処理を終了し、処理を図12のステップS34に戻し、ステップS36以降の処理を実行させる。つまり、ズーム領域候補が6フレーム以上の間更新されない場合、そのズーム領域候補を用いてズーム領域が更新される。
なお、例えば、ズーム領域候補(フレーム内最大領域)が画像領域の1番上のラインであったり、一番下のラインであったりして、その領域周辺に十分なスペースが存在せず、そのズーム領域候補とアスペクト比に基づいて、図10を参照して説明したような方法で画像領域内にズーム領域を設定することが不可能である場合、ズーム領域設定部205は、ズーム領域を、画像領域内に収まるように、本来の位置よりずらして設定する。
例えば、ズーム領域候補が画像領域の上端付近のラインに存在し、ズーム領域候補の上側に、ズーム領域の設定に必要なスペースが存在しない場合、つまり、左右端の水平方向の位置が、ズーム領域候補の左右端の水平方向の位置と等しく、そのアスペクト比が画像領域のアスペクト比と等しく、さらに、ズーム領域候補によって垂直方向に2等分されるズーム領域を設定すると、そのズーム領域の一部が画像領域上端よりはみ出してしまう場合、ズーム領域設定部205は、そのズーム領域を本来の位置より画像領域の下方向にずらし、画像領域内に収まるように設定する。つまり、この場合、ズーム領域候補は、ズーム領域の垂直方向の中心とならない。さらに付言すると、例えば、ズーム領域候補が画像領域の1番上のラインである場合、ズーム領域は、ズーム領域候補が領域の一番上のラインとなるように、ズーム領域候補の下側に設定される。
なお、ズーム領域候補が画像領域の下端付近のラインに存在し、ズーム領域候補の下側に、ズーム領域の設定に必要なスペースが存在しない場合、ズーム領域は、上述した上側の場合と逆に、本来の位置より画像領域の下方向にずらして設定される。例えば、ズーム領域候補が画像領域の1番下のラインである場合、ズーム領域は、ズーム領域候補が領域の一番下のラインとなるように、ズーム領域候補の上側に設定される。
以上のようにズーム領域設定部205は、ステップS116において、ズーム領域候補およびアスペクト比を用いて、ズーム領域を、画像領域内に収まるように設定する。
これに対して、ズーム領域候補が更新されてから5フレーム以内である場合、すなわち、ステップS115において、同座標連続フレーム212の値が「5」以下であると判定した場合、同座標連続フレーム管理部204は、このフレームにおいてズーム領域の更新を行わないようにステップS116の処理を省略し、ズーム領域更新処理を終了し、処理を図12のステップS34に戻し、ステップS36以降の処理を実行させる。
また、ステップS112において縦座標変化量が10画素より大きいと判定した場合、または、ステップS113において横座標変化量が10画素より大きいと判定した場合、すなわち、現フレームのフレーム内最大領域がズーム領域候補に対して大きくずれていると判定した場合、座標判定部202は、処理をステップS117に進める。
ステップS117において、ズーム領域候補設定部203は、現フレームのフレーム内最大領域を新たなズーム領域候補とするように、ズーム領域候補を更新する。同座標連続フレーム管理部204は、同座標連続フレーム212の値を「0」にリセットし、ズーム領域更新処理を終了し、処理を図12のステップS34に戻し、ステップS36以降の処理を実行させる。
なお、座標判定部202によるステップS112およびステップS113の処理において、変化量の条件を10画素として説明したが、この条件は何画素であってもよい。また、縦方向と横方向で互いに異なる条件としても良い。また、ステップS115の処理において、ズーム領域の更新のためには、ズーム領域候補が6フレーム以上の間、同座標を保つ必要があるように説明したが、この条件は何フレームであってもよい。
上述したように、差分大領域は細かい絵柄が集中する部分であり、フレーム内最大領域やズーム領域候補も同様である。従って、これらの領域の座標や連続量はフレーム間で(時系列上で)変化しやすい。この細かい変化に基づいて逐一ズーム領域を更新するようにすると、ノイズ成分等による不要なズーム領域の変動を招く恐れがあり、拡大画像が不自然に変化し(例えば微小振動を繰り返したりして)、見づらくなってしまう恐れがある。
更新部114は、以上のようなズーム領域更新処理を実行して、各条件を設けることにより、ズーム領域の変化の高周波成分を除去し、ズーム領域の拡大画像をより安定させることができる。
図5のズーム処理部103は、ズーム領域設定部102が以上のように設定したズーム領域の画像を拡大表示させる。ズーム処理部103により実行されるズーム処理の流れの例を、図17のフローチャートを参照して説明する。
最初に、ステップS131において、ズーム処理部103は、ズーム領域情報記憶部116を参照し、ズーム領域が設定されているか否かを判定する。ズーム領域が設定されていると判定した場合、ズーム処理部103は、ズーム領域情報記憶部116よりズーム領域情報を取得し、さらにフレームメモリ101よりフレーム画像データを取得し、ズーム画像データを生成して画像出力部84に供給し、設定されているズーム領域を拡大表示させ、処理をステップS134に進める。
また、ステップS131において、ズーム領域が設定されていないと判定した場合、ズーム処理部103は、処理をステップS133に進め、エラーメッセージを画像出力部84に表示させる等のエラー処理を行い、処理をステップS134に進める。
ステップS134において、ズーム処理部103は、ズーム処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS131に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS134において、ズーム処理を終了すると判定した場合、ズーム処理部103は、ズーム処理を終了する。
以上のような各処理により、例えば図2に示されるように、表示装置21−1は、表示装置21−5に表示される元画像において細かい絵柄が集中する部分である花41の部分を、ユーザの設定無しに自動的にズーム領域に設定し、拡大表示することができる。
つまり、表示装置21は、全体画像(元画像)において細かい絵柄が集中する部分はユーザにとって画像が複雑で見づらい部分であるから、その部分をユーザが拡大を所望する部分であるとしてズーム領域に設定し拡大表示する。このようにすることにより、ユーザは、より簡単な操作で、より効果的な画像(細かい絵柄が集中する部分の拡大画像)を表示させることができる。
なお、拡大画像や元画像の表示方法は任意であり、例えば、図18に示されるように1つの表示装置21にそれらの両方を表示させるようにしてもよい。図18の例の場合、画面全体に拡大画像231が表示され、その一部分に拡大画像の元画像である全体画像232が重畳されて表示されている。さらに、その全体画像232には、拡大画像に対応するズーム領域の位置(範囲)を示すズーム枠233を、例えば点線で表示するようにしてもよい。図18に示されるように、全体画像232は、人物234の画像を含む画像であり、ズーム枠233は、その人物234の顔の部分に設定されている。拡大画像231は、このズーム枠233により設定される範囲の拡大画像であり、人物234の顔の部分が拡大表示されている。
このように表示することにより、ユーザは、拡大画像が元画像のどの部分を拡大したものであるかを容易に把握することができる。
なお、以上において、表示装置21は、画像領域の中の細かい絵柄が集中する部分を拡大表示するように説明したが、これに限らず、例えば、周囲に対して目立つ部分を拡大表示するようにしてもよい。
図19は、その場合の画像処理部83の詳細な構成例を示すブロック図である。
図19において、画像処理部83は、図5のズーム領域設定部102の代わりにズーム領域設定部302を有している。ズーム領域設定部302は、差分大領域抽出処理部311、ズーム領域中心設定部312、ズーム領域範囲設定部313、およびズーム領域情報記憶部116を有している。
差分大領域抽出処理部311は、フレームメモリ101より供給される画像データに基づいて、フレーム画像の差分大領域を抽出し、差分大領域情報としてズーム領域中心設定部312に供給する。差分大領域抽出処理部311の詳細な構成は、図6に示される差分大領域抽出処理部111と同様であるので、図6の説明を差分大領域抽出処理部311にも適用することができる。ただし、隣接画素の設定方法は、差分大領域抽出処理部111と異なる。
この場合、差分大領域抽出処理部311のバッファメモリ131は、隣接画素の代わりに、図20に示されるように、注目画素を中心として縦11画素および横11画素を注目画素321の周辺画素として設定し、各周辺画素と注目画素との差分を演算する。
この場合の、バッファメモリ131は、フレームメモリとして画像領域の全画素データを保持するようにしてもよいが、図21Aに示されるように、少なくとも12(11+1)ライン以上の画素データを保持することができる。注目画素321とその周辺画素の範囲である周辺画素範囲322は、バッファメモリ131に新規画素が追加される度に、1つずつ左に移動する。周辺画素範囲322は、追加された新規画素が右下隅の画素となるように11画素×11画素の範囲で設定される。注目画素321は、この周辺画素範囲322の中心の画素(新規追加された画素の左側に5画素、上側に5画素の位置にある画素)である。
注目画素321が画像領域の左右端付近に位置する場合、その注目画素321に対する周辺画素範囲322は、11画素×11画素を保つことができないが、その場合、確保可能な限りの範囲で設定される。ただし注目画素は必須である。例えば、周辺画素範囲322の右端が画素領域の右端に達すると、そのあとは、注目画素321の右側の領域が、注目画素321が右に移動する度に減少する。その間、新規画素の追加は続けられ、次のラインの左端から順に追加される。注目画素321が画像領域の右端に達すると、バッファメモリ131は、図21Cに示されるように、古い方から1ライン分画素データを破棄し、注目画素321および周辺画素範囲322を1ライン分下にずらす。
差分算出部132は、このように設定される周辺画素範囲322内の周辺画素と注目画素の差分値をそれぞれ算出する。差分値判定部133は、この差分値群の中に閾値以上の差分値が存在するか否かを判定する。
なお、バッファメモリ131の容量はいくつであってもよい。
差分大領域抽出部311は、差分大領域情報の他に、各注目画素において算出された差分値(絶対値)の最大値をフレーム(画像領域)毎に画像としてまとめた周辺画素差分値画像もズーム領域中心設定部312に供給する。つまり、この周辺画素差分値画像の各画素は元画像の各画素に対応しており、各画素の画素値は、それぞれ、図20に示されるように、元画像においてその画素を注目画素としたときに得られる、120(11×11−1)個の周辺画素との差分値の中で絶対値の最大値を示している。
図22は、図19のズーム領域中心設定部312の詳細な構成例を示すブロック図である。
図22において、ズーム領域中心設定部312は、注目画素設定部371、注目差分大画素率算出部372、判定部373、最大差分大画素率更新部374、最大座標更新部375、ズーム領域中心設定部376、並びに変数記憶部377を有している。
差分大領域情報や周辺画素差分値画像を供給されると、注目画素設定部371は、まず、変数記憶部377に、供給された周辺画素差分値画像381を供給し、記憶させる。次に、注目画素設定部371は、差分大領域情報より未処理の差分大領域を1つ選択し、その差分大領域の中央の画素の座標を算出する。差分大領域が2等分される場合は、その中心点の右側の画素を中央の画素としても良いし、左側の画素を中央の画素としてもよい。注目画素設定部371は、その中央の画素を処理対象として注目画素に設定し、その画素の座標を注目座標382として供給し、記憶させる。
注目差分大画素率算出部372は、周辺画素差分値画像381において、注目画素の周辺領域(例えば11画素×11画素)に含まれる、差分大画素(所定の閾値より大きな画素値を有する画素)の割合(差分大画素率)を示す注目差分大画素率を算出する。算出された注目差分大画素率383は、変数記憶部377に供給されて記憶される。なお、この閾値は、予め定められた定数であっても良いし、状況に応じて設定される変数であってもよく、差分大領域抽出処理部311において、注目画素が差分大画素か否かを判定するのに使用される閾値と同じであってもよいし、互いに独立して設定される値であってもよい。
判定部373は、注目差分大画素率383が変数記憶部377に記憶されている最大差分大画素率385の値より大きいか否かを判定する。最大差分大画素率385は、最大座標384とともに、ズーム領域の中心となる画素の候補に関する情報である。最大座標384は、その候補の座標情報であり、最大差分大画素率385は、その候補を注目画素とするときの差分大画素率である。ズーム領域の中心は、差分大領域内の画素の中で、この差分大画素率がフレーム内(画像領域内)において最大となる画素に設定される。従って、判定部373は、最大差分大画素率385と注目差分大画素率383とで値の大きさを比較し、その大小関係に基づいて、注目画素がズーム領域の中心の候補として、現在の候補よりもふさわしいか否かを判定する。
最大差分大画素率更新部374は、判定部373の判定結果に基づいて、最大差分大画素率385の値を更新する。つまり、最大差分大画素率更新部374は、注目画素をズーム領域の中心の新たな候補とする場合、変数記憶部377に記憶されている注目差分大画素率383の値を用いて、同じく変数記憶部377に記憶されている最大差分大画素率385の値を更新する。
最大座標更新部375は、判定部373の判定結果に基づいて、変数記憶部377に記憶されている最大座標384を、変数記憶部377に記憶されている注目画素382を用いて更新する。
設定部376は、以上のような処理が繰返し実行されて決定された、フレーム内において差分大画素率が最も高い画素である最大座標384に示される座標の画素を、ズーム領域の中心画素の候補として設定し、そのときの最大座標384および最大差分大画素率385を、ズーム領域中心情報としてズーム領域範囲設定部313に供給する。なお、設定部376は、周辺画素差分値画像381もズーム領域範囲設定部313に供給する。
変数記憶部377は、半導体メモリ等の所定の記憶領域を有し、その記憶領域を用いて、周辺画素差分値画像381、注目座標382、注目差分大画素率383、最大座標384、および最大差分大画素率385等を記憶し、必要に応じて、それらの値を各処理部に供給する。
図23は、図19のズーム領域範囲設定部313の詳細な構成例を示すブロック図である。
図23において、ズーム領域範囲設定部313は、範囲初期値設定部391、差分大画素率算出部392、判定部393、範囲更新部394、および範囲決定部395を有している。
範囲初期値設定部391は、ズーム領域中心設定部312より供給されたズーム領域中心情報に基づいて、そのズーム領域の中心を中心とするズーム領域を、予め定められた所定の初期値で設定する。つまり、範囲初期値設定部391は、ズーム領域の範囲を初期値に設定する。
差分大画素率算出部392は、周辺画素差分値画像を用いて、現在設定されているズーム領域内に含まれる差分大画素率を算出する。判定部393は、その差分大画素率の値が所定の閾値以上であるか否かを判定し、差分大画素率の値が閾値以上である場合、範囲更新部394にズーム領域の範囲を更新させ、差分大画素率の値が閾値より小さい場合、範囲決定部395に範囲を決定させる。
範囲更新部394は、所定の割合だけズーム領域を広げるように、ズーム領域の範囲の設定を更新し、その新たな設定を差分大画素率算出部392に供給する。差分大画素率算出部392は、新たな範囲内において、差分大画素率を算出する。このように、差分大画素率算出部392乃至範囲更新部394は、ズーム領域内の差分大画素率が閾値より低くなるまで、繰返し処理を行い、ズーム領域の範囲を広げていく。
範囲決定部395は、ズーム領域の範囲をそのときの値に決定し、ズーム領域の中心の画素の座標に関するズーム領域中心情報と、ズーム領域の範囲の大きさに関するズーム領域範囲情報をズーム領域情報としてズーム領域情報記憶部116に供給し、記憶させる。
図24にズーム領域設定部302によるズーム領域の設定方法の具体例を示す。
ズーム領域設定部302の差分大領域抽出処理部311は、注目画素の周囲の11画素×11画素を周辺画素として差分大領域を抽出し、図24Aに示されるような周辺画素差分値画像401を生成する。差分大画素群402(図中、網掛けの楕円部分)は、ライン毎の領域である差分大領域の集合の例を示している。ズーム領域中心設定部312は、図24Aに示される周辺領域403乃至周辺領域405のように、各差分大領域の中心画素を注目画素とし、その注目画素毎に周辺領域(例えば11画素×11画素)内の差分大画素(差分大画素群402)の割合である差分大画素率(網掛けの部分の割合)を算出し、その割合が最大となるものを求める。図24Aの場合、周辺領域405の差分大画素率が最大となり、その中心画素406がズーム領域の中心として設定される。
ズーム領域範囲設定部313は、図24Bに示されるように、その中心画素406を中心とする、範囲の大きさが初期値のズーム領域407を設定する。そして、ズーム領域範囲設定部313は、そのズーム領域内の差分大画素率が所定の割合より低くなるまで、ズーム領域の範囲を広げていき、最終的なズーム領域408を決定する。
以上のようなズーム領域設定部302により実行されるズーム領域設定処理の流れの例を図25のフローチャートを参照して説明する。
最初に、差分大領域抽出処理部311は、ステップS151において、差分大領域を抽出し、処理をステップS152に進める。なお、差分大領域抽出処理の詳細は、図13および図14のフローチャートを参照して説明した場合と同様であるのでその説明を省略する。ステップS152において、ズーム領域中心設定部312は、ズーム領域の中心を設定し、ステップS153に処理を進める。ステップS153において、ズーム領域範囲設定部313は、ズーム領域の範囲を設定し、処理をステップS154に進める。ステップS154において、ズーム領域情報記憶部116は、設定されたズーム領域を記憶し、処理をステップS155に進める。
ステップS155において、差分大領域抽出処理部311は、ズーム領域設定処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS151に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS155において、ズーム領域設定処理を終了すると判定した場合、差分大領域抽出処理部311は、ステップS156に処理を進め、終了処理を行い、ズーム領域設定処理を終了する。
次に、図25のステップS152において実行されるズーム領域中心設定処理の詳細な流れを図26のフローチャートを参照して説明する。
ズーム領域中心設定処理が開始されると、注目画素設定部371は、ステップS171において、処理対象とする注目画素をセットし、処理をステップS172に進める。ステップS172において、注目差分大画素算出部372は、その注目画素について注目差分大画素率を算出し、処理をステップS173に進める。ステップS173において、判定部373は、注目差分大画素率が最大差分大画素率より大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合、ステップS174に処理を進める。ステップS174において、最大差分大画素率更新部374は、注目差分大画素率を用いて最大差分大画素率を更新し、ステップS175において、最大座標更新部375は、注目座標を用いて最大座標を更新し、処理をステップS176に進める。
また、ステップS173において、注目差分大画素率が最大差分大画素率より大きくないと判定した場合、判定部373は、処理をステップS176に進める。ステップS176において、最大座標更新部375は、ズーム領域中心設定処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS171に戻し、それ以降の処理を繰り返させる。また、ステップS176において、ズーム領域中心設定処理を終了すると判定した場合、最大座標更新部375は、処理をステップS177に進める。
ステップS177において、設定部376は、最大座標をズーム領域中心として設定し、ズーム領域中心設定処理を終了し、処理を図25のステップS152に戻し、ステップS153以降の処理を実行させる。
次に、図25のステップS153において実行されるズーム領域範囲設定処理の詳細な流れの例を図27のフローチャートを参照して説明する。
ズーム領域範囲設定処理が開始されると、範囲初期値設定部391は、ズーム領域の範囲を初期値に設定し、ステップS192に処理を進める。ステップS192において、差分大画素率算出部392は、ズーム領域内の差分大画素率を算出し、ステップS193に処理を進める。ステップS193において、判定部393は、差分大画素率が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上であると判定した場合、ステップS194に処理を進める。ステップS194において、範囲更新部394は、ズーム領域の範囲を所定の割合だけ広げ、処理をステップS192に戻し、それ以降の処理を繰り返させる。すなわち、差分大画素率算出部392乃至範囲更新部394は、ズーム領域内の差分大画素率が閾値より小さくなるまで、ステップS192乃至ステップS194の処理を繰り返すことにより、ズーム領域の範囲を広げていく。そして、ステップS193において、差分大画素率が閾値より小さいと判定した場合、判定部393は、処理をステップS195に進める。
ステップS195において、範囲決定部395は、ズーム領域の範囲を現在の設定に決定し、ズーム領域範囲設定処理を終了し、処理を図25のステップS153に戻し、ステップS154以降の処理を実行させる。
以上のように、注目画素の周囲の11画素×11画素を周辺画素とし、注目画素との差分を求めるようにし、その差分値から、ズーム領域の設定を行うようにしたので、ズーム領域設定部302は、周囲の領域より目立つ絵柄の部分をズーム領域に設定することができる。
例えば図2に示されるように、表示装置21−2は、表示装置21−5に表示される元画像において周囲の領域より目立つ絵柄である太陽42の部分を、ユーザの設定無しに自動的にズーム領域に設定し、拡大表示することができる。
全体画像(元画像)において周囲の領域より目立つ絵柄の部分は、一般的に、その全体画像の特徴的な部分であり、全体画像の重要な部分である場合が多く、ユーザが注目したくなる部分であることが多い。例えば、被写体と無地の背景からなる画像の場合、ユーザは、一般的に、無地の背景の一部分よりも、被写体の拡大表示を望むことの方が多い。
しかしながら、ズーム領域設定部102のように、細かい絵柄が集中する部分を検出する方法では、図2の花41をズーム領域に設定することはできても、無地の部分が所定の範囲に広がる太陽42のような部分は、その周囲との境目(エッジ部分)しか検出することができず、ズーム領域に設定することができない恐れがある。
これに対して、ズーム領域設定部302は、水平方向だけでなく垂直方向にも広く周辺領域を設定し、差分値を算出するので、無地の部分が所定の範囲に広がる太陽42のような部分の内側の画素も差分大画素として検出することができる。さらに、ズーム領域設定部102は、図24を参照して説明したように設定を行い、なるべく、差分大画素群402全体を含むようにズーム領域を設定するので、図2の無地の部分が所定の範囲に広がる太陽42のような部分全体をズーム領域として設定することができる。
このように、ズーム領域設定部302は、周囲の領域より目立つ絵柄の部分をユーザの設定無しに自動的にズーム領域に設定し、拡大表示することができる。これにより、ユーザは、より簡単な操作で、より効果的な画像(周囲の領域より目立つ部分の拡大画像)を表示させることができる。
なお、ズーム領域設定部302によるズーム領域の設定においても、上述したズーム領域設定部102によるズーム領域の設定の場合と同様に、ズーム領域の変動を安定させるために、更新候補の座標が5フレーム以上安定した場合のみズーム領域を更新させる等、ズーム領域の更新条件を設けるようにしてもよい。
また、拡大画像の表示方法も、細かい絵柄が集中する部分を拡大表示する場合と同様であり、任意である。例えば、図18に示されるように、元画像と拡大画像を重畳させて1つの表示装置21に表示させるようにしてもよい。
以上において、表示装置21(スケーラブルテレビジョンシステム)の構成として説明したが、本発明は、これに限らず、元画像の画像データから、元画像の部分画像である拡大画像を生成する処理を行う画像処理を実行可能な装置であれば、どのような装置にも適用することができる。なお、以上において、スケーラブルテレビジョンシステムが9台の表示装置21を有するように説明したが、スケーラブルテレビジョンシステムにおける表示装置21の台数はいくつであってもよい。
また、以上においては、1つの画像領域において、ズーム領域を1つ設定する場合について説明したが、ズーム領域の数は複数であってもよい。その場合、得られた複数のズーム領域のそれぞれについて拡大画像が得られるが、その複数の拡大画像を1つの表示装置に表示させるようにしてもよいし、複数の表示装置21を用いて、各画像を互いに異なる表示装置21に表示させるようにしてもよい。その場合、各表示装置21において、互いに異なる領域を拡大画像とするように(ズーム領域の設定に用いるズーム領域候補が重複しないように)、予めズーム領域の設定方法が互いに異なるようにしてもよいし、ズーム領域設定の際に、ズーム領域候補の重複を回避するのに必要な情報を交換するようにしてもよい。
さらに、表示装置21が、上述した複数の方法を併用し、1つの画像領域において、細かい絵柄が集中する部分の拡大画像と、周囲の領域より目立つ絵柄の部分の拡大画像を同時に生成するようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、画像処理部83は、図28に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図28において、パーソナルコンピュータ500のCPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502に記憶されているプログラム、または記憶部513からRAM(Random Access Memory)503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU501、ROM502、およびRAM503は、バス504を介して相互に接続されている。このバス504にはまた、入出力インタフェース510も接続されている。
入出力インタフェース510には、キーボード、マウスなどよりなる入力部511、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部512、ハードディスクなどより構成される記憶部513、モデムなどより構成される通信部514が接続されている。通信部514は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース510にはまた、必要に応じてドライブ515が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア521が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部513にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図28に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア521により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM502や、記憶部513に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用したスケーラブルテレビジョンシステムの外観の構成例を示す図である。 画像表示例を示す図である。 図1のスケーラブルテレビジョンシステムの構成例を示すブロック図である。 図3の表示装置の内部の構成例を示すブロック図である。 図4の画像処理部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図5の差分大領域抽出処理部の詳細な構成例を示すブロック図である。 差分大領域抽出処理の様子の例を説明する模式図である。 図5のフレーム内最大領域抽出処理部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図5の更新部の詳細な構成例を示すブロック図である。 ズーム領域の設定方法の例を説明する模式図である。 制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。 ズーム領域設定処理の流れの例を説明するフローチャートである。 差分大領域抽出処理の詳細な流れの例を説明するフローチャートである。 差分大領域抽出処理の詳細な流れの例を説明する、図13に続くフローチャートである。 フレーム内最大領域抽出処理の流れの例を説明するフローチャートである。 ズーム領域更新処理の流れの例を説明するフローチャートである。 ズーム処理の流れの例を説明するフローチャートである。 拡大画像の表情方法の例を示す図である。 図4の画像処理部の詳細な他の構成例を示すブロック図である。 注目画素と周辺画素の構成例を示す模式図である。 バッファメモリの動作の例を示す模式図である。 図19のズーム領域中心設定部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図19のズーム領域範囲設定部の詳細な構成例を示すブロック図である。 ズーム領域の設定方法の具体例を示す模式図である。 ズーム領域設定処理の流れの他の例を説明するフローチャートである。 ズーム領域中心設定処理の詳細な流れの例を説明するフローチャートである。 ズーム領域範囲設定処理の詳細な流れの例を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態を適用したパーソナルコンピュータの構成例を示す図である。
符号の説明
11 スケーラブルテレビジョンシステム, 21 表示装置, 22 設置台, 102 ズーム領域設定部, 103 ズーム処理部, 111 差分大領域抽出処理部, 112 フレーム内最大領域抽出処理部, 114 更新部, 116 ズーム領域情報記憶部, 131 バッファメモリ, 132 差分算出部, 133 差分値判定部, 134 変数管理部, 135 記憶部, 141 差分大連続量, 142 差分小連続量, 143 座標情報, 174 最大連続量更新部, 175 最大差分大領域座標更新部, 176 フレーム内最大領域設定部, 183 最大連続量, 184 最大差分大領域座標, 202 座標判定部, 203 ズーム領域候補設定部, 204 同座標連続フレーム管理部, 205 ズーム領域設定部, 211 ズーム領域候補情報, 212 同座標連続フレーム, 302 ズーム領域設定部, 311 差分大領域抽出処理部, 312 ズーム領域中心設定部, 313 ズーム領域範囲設定部, 372 注目差分大画素率算出部, 374 最大差分大画素率更新部, 375 最大座標更新部, 381 周辺画素差分値画像, 382 注目座標, 383 注目差分大画素率, 384 最大座標, 385 最大差分大画素率, 391 範囲初期値設定部, 392 差分大画素率算出部, 393 判定部, 394 範囲更新部, 395 範囲決定部

Claims (7)

  1. 画像データを処理する画像処理装置であって、
    処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出する差分算出手段と、
    前記差分算出手段により算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定する差分値判定手段と、
    前記差分値判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定するズーム領域中心設定手段と、
    前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定するズーム領域範囲設定手段と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記周辺画素は、前記注目画素を中心にアレイ状に並ぶ、垂直方向に11画素、および水平方向に11画素の画素群である
    請求項に記載の画像処理装置。
  3. 前記差分値判定手段は、前記差分算出手段により算出された差分値の中の最大値を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて前記注目画素が差分大画素であるか否かを判定する
    請求項に記載の画像処理装置。
  4. 前記ズーム領域中心設定手段は、
    各差分大領域について、前記差分大領域を代表する代表画素を中心とする所定の範囲内に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段と、
    前記全体画像内において、前記差分大画素率算出手段により算出される前記差分大画素率が最大となる前記代表画素を特定し、前記ズーム領域の中心に設定する中心設定手段と
    を備える請求項に記載の画像処理装置。
  5. 前記ズーム領域範囲設定手段は、
    前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲を初期値に設定する初期値設定手段と、
    前記初期値設定手段により範囲が前記初期値に設定された前記ズーム領域に含まれる、前記差分大画素の割合である差分大画素率を算出する差分大画素率算出手段と、
    前記差分大画素率算出手段により算出された前記差分大画素率が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素率が前記閾値以上である場合、前記ズーム領域の範囲を大きくするように更新する範囲更新手段と
    を備える請求項に記載の画像処理装置。
  6. 画像データを処理する画像処理装置の画像処理方法であって、
    差分算出手段が、処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出し、
    差分値判定手段が、算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定し、
    記憶手段が、判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段と、
    ズーム領域中心設定手段が、抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定し、
    ズーム領域範囲設定手段が、中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定する
    像処理方法。
  7. 画像データに関する処理を行うコンピュータを、
    処理対象の画素である注目画素と、前記注目画素を中心とする所定の範囲の周辺画素のそれぞれとの画素値の差分を算出する差分算出手段、
    前記差分算出手段により算出される差分値に基づいて、前記注目画素が、前記周辺画素との画素値の差が大きい差分大画素であるか否かを判定する差分値判定手段、
    前記差分値判定手段の判定結果に基づいて、前記差分大画素と判定される画素が連続する差分大領域を、全体画像に含まれる周囲の領域より目立つ部分として抽出し、前記差分大領域に関する情報を記憶する記憶手段、
    前記記憶手段により抽出されて記憶される前記差分大領域の中から、ズーム領域の中心を設定するズーム領域中心設定手段、
    前記ズーム領域中心設定手段により中心が設定された前記ズーム領域の範囲の大きさを設定するズーム領域範囲設定手段
    として機能させるプログラム。
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