JP4765234B2 - 画像受配信システム、画像受配信用サーバ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の撮像画像を撮影場所に基づいて選択して撮影画像を配信する画像受配信システムおよび画像受配信用サーバに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラやビデオカメラのように電子化した撮影画像を出力する撮影装置が普及してきており、撮影画像をデータベース化することによって撮影画像の保存や検索が容易になっている。
【０００３】
一方、インターネットのようなネットワークの普及に伴ってデータを他人に容易に配信することが可能になってきている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、データベースから所要のデータを抽出するには、データを抽出するためのキーワードをデータごとに設定しておき、キーワードを直接指定するか複数の選択肢からキーワードを選択することが多い。しかしながら、多数の撮影画像にそれぞれ適切なキーワードを設定することは難しく、同じキーワードが多数存在したのでは多数の撮影画像から目的の撮影画像を抽出することが困難になる。したがって、撮影画像を配信するにあたってはデータベース化された撮影画像から目的とする撮影画像を容易に抽出する技術が要求されている。
【０００５】
本発明は上記自由に鑑みて為されたものであり、その目的は、多数の画像内から目的の画像を容易に抽出することができる画像受配信システム、画像受配信用サーバを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、撮影装置を備え撮影した撮影画像と撮影場所の位置情報とをネットワークを介して他装置に転送可能とした撮影用端末と、ネットワークを通して配信された撮影画像を表示可能なモニタ装置を備えるとともにネットワーク上の他装置に与える指示を入力可能な入力装置を備えたユーザ端末と、ネットワーク上に設けられ撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバとを備え、画像受配信用サーバが、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする。
【００１２】
請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記撮影用端末がＧＰＳ装置を備え、ＧＰＳ装置により計測された緯度および経度を撮影場所の位置情報に用いることを特徴とする。
【００１３】
請求項３の発明は、請求項１または請求項２の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする。
【００１４】
請求項４の発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする。
【００１５】
請求項５の発明は、撮影装置を備える撮影用端末とモニタ装置および入力装置を備えたユーザ端末とがネットワークを介して接続され撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバであって、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影装置による撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする。
【００１６】
請求項６の発明は、請求項５の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする。
【００１７】
請求項７の発明は、請求項５または請求項６の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする。
【００１８】
なお、画像データベースは、撮影場所の位置情報を撮影画像に対応付けて登録すればよく、撮影画像は必ずしも画像データベースに存在していなくてもよい。つまり、画像データベースの存在する場所が撮影場所の位置情報に対応付けて画像データベースに登録されているだけでもよい。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数台の撮影装置が異なる場所に配置されていることが前提であって、図１に示すように、各撮影装置２１により撮影された撮影画像は撮影用端末２０を通してインターネットのようなネットワークＮＴに送出される。また、撮影画像を管理するためにネットワークＮＴには画像受配信用サーバ１０が設けられる。さらに、ネットワークＮＴには撮影装置２１により撮影された撮影画像を閲覧可能なユーザ端末３０も設けられる。撮影用端末２０とユーザ端末３０とは、一般に端末として用いられているものであればどのような形態でもよく、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末などを用いることができる。また、撮影用端末２０とユーザ端末３０とネットワークＮＴとの接続形態についても有線と無線とのいずれであってもよい。
【００２０】
まず、撮影用端末２０について説明する。撮影用端末２０にはデジタルカメラあるいはビデオカメラからなる撮影装置２１がキャプチャインタフェース２３を介して接続され、撮影装置２１により撮影された静止画像ないし動画像が撮影画像として入力される。また、撮影用端末２０にはＧＰＳインタフェース２４を介してＧＰＳ装置２２が接続され、ＧＰＳ装置２２により計測された緯度および経度が位置情報として入力される。つまり、撮影場所の位置情報がＧＰＳ装置２２から撮影用端末２０に入力される。ここに、撮影装置２１が定位置に固定されている場合には位置情報はほとんど変化することがないから、ＧＰＳ装置２２およびＧＰＳインタフェース２４を撮影用端末２０に設けずに、別途に計測した位置情報を撮影用端末２０にあらかじめ登録しておいてもよい。さらに、本実施形態では撮影画像の撮影内容も撮影用端末２０に入力される。撮影用端末２０に撮影内容を入力するために、撮影用端末２０にはモニタ装置２５およびキーボードのような入力装置２６が設けられており、撮影内容をモニタ装置２５で確認しながらキーボードのような入力装置２６によって対話的に入力することが可能になっている。また、モニタ装置２５および入力装置２６を用いることにより撮影装置２１を特定するための識別情報を入力することができる。また、撮影用端末２０には現在日時を計時する時計部２７が設けられ、撮影装置２１により撮影を行うと時計部２７により計時される現在日時が撮影日時として撮影画像に添付される。つまり、撮影装置２１の識別情報と撮影日時とによって撮影画像を特定することができる。撮影用端末２０にはネットワークＮＴとの接続のための通信手段２８も設けられる。
【００２１】
ユーザ端末３０は、画像表示が可能なモニタ装置３１とキーボードのような入力装置３２とを備え、さらにネットワークＮＴとの接続のための通信手段３３を備える。ユーザ端末３０においても撮影用端末２０と同様にモニタ装置３１と入力装置３２とを用いて対話的に情報を入力することができる。
【００２２】
一方、画像受配信用サーバ１０は、ネットワークＮＴを通して撮影用端末２０から転送される撮影画像に、撮影装置２１の位置情報および識別情報と撮影日時と撮影内容とを対応付けて登録する画像データベース１１を備える。画像データベース１１に格納されるデータは原則として撮影画像を含むが、撮影画像を特定できる情報が画像データベース１１に登録されていれば、その情報を撮影画像の代わりに画像データベース１１に登録してもよい。たとえば、撮影画像が現在日時において撮影されている動画像であれば、画像データベース１１には必ずしも登録しなくてもよく、撮影装置２１の識別情報によって撮影画像を特定し、画像データベース１１には撮影装置２１の識別情報と撮影内容と撮影装置２１の位置情報とを対応付けて登録してもよい。また、撮影画像が動画像であるときに画像データベース１１にすべて記録するとすれば、画像データベース１１に膨大な容量が要求されるから、動画像の撮影画像については一定期間に制限して画像データベース１１に記録してもよい。同様に、静止画像の撮影画像についても各撮影装置２１ごとに枚数を制限しておくのが望ましい。画像データベース１１の各撮影画像には、当該撮影画像がユーザ端末３０によって閲覧された回数を示すアクセスカウンタの数値も各撮影画像ごとに格納されている。
【００２３】
画像受配信用サーバ１０には、ユーザ端末３０のモニタ装置３１に地図画像を表示させるための地図情報を格納した地図データベース１２も設けられている。地図データベース１２には、地図画像の各地点に位置情報を対応付けて登録してあり、また地図画像に含まれる場所を特定する地名情報も位置情報に対応付けて登録されている。地名情報は地名のほか郵便番号も併せて用いられる。また、電話番号の市外番号によっても位置情報の範囲を特定することができるから、これらの電話番号を地名および郵便番号に併用することが可能である。地図画像は縮尺の順に階層化されており、たとえばユーザ端末３０のモニタ装置３１に表示可能な地図画像が、地方別図、都市図、１ｋｍ四方図、１００ｍ四方図などというように階層化されている。したがって、モニタ装置３１に地図画像が表示された状態で地図画像内の所望の地点に入力装置３２としてのマウスのような適宜のポインティングデバイスを用いてポインタを移動させ、その位置を選択することによって、縮尺を１段階ずつ変化させることができるようになっている。また、地図画像の縮尺は双方向に変化させることができ、たとえば、２ボタン型のマウスを用いるとすれば、左クリックで縮尺を小さくし、右クリックで縮尺を大きくするなどの操作が可能になる。
【００２４】
画像受配信用サーバ１０にはネットワークＮＴに接続するための通信手段１３が設けられ、撮影用端末２０およびユーザ端末３０と画像受配信用サーバ１０とは双方向にデータ伝送が可能になっている。また、画像受配信用サーバ１０はマイクロコンピュータからなるサーバ処理部１４を備え、サーバ処理部１４では撮影用端末２０からの撮影画像を画像データベース１１に格納する処理や、ユーザ端末３０からの要求に従って地図データベース１２に格納された地図画像や画像データベース１１に格納された撮影画像をユーザ端末３０に転送する処理を行う。
【００２５】
サーバ処理部１４では、ユーザ端末３０に地図画像を転送する際には、転送する地図画像の範囲内に含まれる位置情報を画像データベース１１の位置情報に照合し、ユーザ端末３０に転送する地図画像の範囲内の位置情報が画像データベース１１から抽出されたときには、モニタ装置３１の画面に表示される地図画像内で、抽出された位置情報に相当する地点に地点標識を表示可能とするために、地図画像に地点標識の画像を重ね合わせて転送する。つまり、地点標識は地図画像内で撮影装置２１による撮影場所を示すことになる。ここで、複数種類の地点標識を用いれば、各地点標識によって撮影場所だけではなく、撮影画像の種類や撮影装置２１の動作状態を示すことも可能である。つまり、撮影画像が静止画像か動画像かの別を表したり、撮影装置２１が定位置に固定されているか移動するかの別を表したり、撮影画像が現在のものか過去のものかの別を表したり、あるいはまた撮影装置２１が休止中か否かの別を表したりすることが可能になる。たとえば、撮影画像が現在のものは「◎」で表すとともに過去のものは「○」で表し、撮影装置２１が固定か移動かを色の違いで表し、撮影装置２１を設置しているが撮影画像が得られていない休止中であれば「×」で表すようにすればよい。
【００２６】
画像受配信用サーバ１０には、接続管理データベース１５も設けられ、接続管理データベース１５には、撮影用端末２０の管理者に関する情報が格納された管理者ファイルＦ１と、ユーザ端末３０を操作するユーザに関する情報が格納されたユーザファイルＦ２とが設けられている。
【００２７】
管理者ファイルＦ１では、管理者を識別するための管理者ＩＤのほか、当該管理者が管理している撮影装置２１の識別情報が格納される。さらに、ユーザ端末３０による撮影画像の閲覧に伴ってユーザ端末３０に別の報知事項を提示しようとする場合は、報知事項も管理者ファイルＦ１に格納することが可能になっている。ここに、管理者において複数種類の報知事項を提示しようとする場合には、管理者ファイルＦ１とは別に報知事項ファイルを設けて報知事項ファイルの各報知事項を管理者ＩＤに対応付けておくのが望ましい。この場合、報知事項ファイルを撮影用端末２０のように管理者が管理している端末に設けておくことも可能である。このように、報知事項を管理者ＩＤに対応付けることによって、管理者が企業体であればユーザ端末３０に対して報知事項として広告の提示が可能になる。
【００２８】
ユーザ管理ファイルＦ２には、ユーザを識別するためのユーザＩＤおよびパスワードのほか、各ユーザに関する個人情報が格納される。このような個人情報は、ユーザ端末３０に提示する報知事項の内容選択に用いることもできる。たとえば、個人情報として性別が含まれているとすれば、男性向けあるいは女性向けの報知事項を選別して提示することが可能になる。
【００２９】
画像受配信用サーバ１０には関連リンクデータベース１６も設けられており、関連リンクデータベース１６では、位置情報に対応付けて、当該位置情報より表される場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのＵＲＬをリンク先として格納してある。つまり、関連リンクデータベース１６に位置情報が照合され、照合された位置情報に相当する位置情報が関連リンクデータベース１６に登録されていると、サーバ処理部１４では関連リンクデータベース１６に登録されているＵＲＬにアクセスしてユーザ端末３０に、そのホームページを表示させる。このようにして、ユーザ端末３０においては撮影装置２１での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報を入手することが可能になる。
【００３０】
以下では、本実施形態の使用例について説明する。まず、画像受配信用サーバ１０の画像データベース１１に撮影用端末２０から撮影画像を登録する手順について説明する。画像受配信用サーバ１０には上述のように管理者ファイルＦ１が設けられ、ここでは管理者ファイルＦ１にはあらかじめ管理者ＩＤなどの必要情報が登録されているものとする。また、画像受配信用サーバ１０には、専用ＵＲＬを用いてアクセス可能なホームページが設けられているものとする。
【００３１】
撮影画像の管理者（撮影用端末２０の操作者）は撮影用端末２０の操作により専用ＵＲＬに対応するホームページにアクセスする。このホームページでは、管理者ＩＤの入力を要求するフィールドが示され、フィールド内に正しい管理者ＩＤが入力されると次段階に移行する。ただし、管理者ＩＤが誤っているときには次段階には移行できない。次段階では撮影画像に関する処理か、アクセスカウンタを確認する処理かの選択が可能になる。
【００３２】
アクセスカウンタの確認処理の場合には、画像データベース１１を参照することによって、管理者が管理する各撮影画像に対応したアクセスカウンタの内容と最終アクセスの日付とがホームページに提示される。
【００３３】
一方、撮影画像に関する処理の場合には、ユーザ端末３０での撮影画像の閲覧を可能にする状態を「開始」するか「停止」するかの選択がホームページ上で可能になり、「開始」が選択されると、撮影画像が画像データベース１１に登録され（または、撮影画像の所在を特定する情報が画像データベース１１に登録され）、さらに位置情報をＧＰＳ装置２２から自動的に取り込むか手操作で入力するかの別と、報知情報の有無とが選択可能になる。また、「停止」が選択された場合は画像データベース１１に停止中を示すデータが登録される。また、報知情報をユーザ端末３０に提示しようとするときには「有」を選択することにより、撮影画像に添付する形で報知事項が画像データベース１１に登録され、当該撮影画像がユーザ端末３０に提示されたときに報知情報も提示される。
【００３４】
上述のようにして画像受配信用サーバ１０に撮影画像が登録されている状態ではユーザ端末３０では所定のＵＲＬを指定することによって、画像受配信用サーバ１０が提供するホームページにアクセスすることによって、ユーザ端末３０のモニタ装置３１に所望の撮影画像を表示させることが可能になる。ユーザ端末３０から撮影画像を閲覧するに際しては、まずユーザの認証作業が行われる。ユーザの認証には図２に示す画面が表示される。ここで、ユーザの個人情報がユーザ管理ファイルＦ２に登録されているときにはユーザＩＤおよびパスワードを各フィールドｆ１，ｆ２に入力して送信釦Ｂ１を操作すれば、画像受配信用サーバ１０において認証作業が行われる。また、ユーザの個人情報がユーザ管理ファイルＦ２に登録されていなければ、新規ユーザの釦Ｂ２を操作することによってユーザ管理ファイルＦ２への個人情報の登録作業が可能になる。
【００３５】
ユーザの認証作業により登録ユーザであることが確認されると、図３に示す画面がユーザ端末３０のモニタ装置３１に表示される。この画面では地名を入力するフィールドｆ３と撮影内容の項目（カテゴリ）を一覧表示する領域Ｄ３とが表示される。フィールドｆ３には地名に相当する適宜の文字を入力すればよく、実在する地名のほか、郵便番号や電話番号（市外番号）を入力することも可能である。
【００３６】
領域Ｄ３においては各項目に対応するラジオボタンが設けられ、ラジオボタンにマウスカーソルを合わせてクリックすることにより、各項目の選択と非選択とを指定することが可能になっている。つまり、非選択の項目に対応するラジオボタンは図のように白抜きの丸であり、選択された項目に対応するラジオボタンは丸の中心に黒点（ドット）が付加される。ここでは、複数個の項目（海、山、名所、テーマパーク、ショッピングセンタ、行列、街の風景、リクエスト）を選択することが可能であり、複数個の項目を選択したときには各項目は論理和の関係で扱われる。図３に示す画面においては地名の入力は必須であるが、項目については必ずしも入力しなくてもよい。
【００３７】
図３に示す画面で地名を入力するとともに必要に応じて項目を選択した後に探索釦Ｂ３を操作すると、画像受配信用サーバ１０には指定した情報が伝送される。画像受配信用サーバ１０では、フィールドｆ３に入力された地名を地図データベース１２に登録されている地名と照合する。ここに、フィールドｆ３に入力された地名に一致する地名が地図データベース１２に登録されていないときには地名の再入力を促す。また、一致する地名が地図データベース１２に存在すれば、地図データベース１２から当該地名に対応した位置情報が抽出される。一般に地名に対応する位置情報は地図画像内の一点に対応するわけではないから、地名に対応する範囲の位置情報が抽出されることになる。位置情報の範囲が地図データベース１２から抽出されると、次にその位置情報の範囲内の位置情報が画像データベース１１に存在するか否かが検索される。該当する位置情報が画像データベース１１に存在すれば、ユーザ端末３０のモニタ装置３１には適宜の縮尺の地図画像が表示される。表示された地図画像の縮尺が小さいとき、つまり指定した地名が広範囲の位置情報を含む場合には、地図画像内でユーザが撮影画像を得ようとする地点付近にマウスカーソルを移動させてマウスボタンをクリックすれば、次段階の縮尺の地図画像が表示される。こうして、縮尺が最小である地図画像が表示されるようになるまで操作を繰り返すと、図４に示すように、地図画像上に撮影装置２１の位置が上述した地点標識を用いて表示される。もちろん、指定した地名によっては縮尺が最小である地図画像が１回で表示される場合もある。また、領域Ｄ３における項目が指定されているときには、項目を画像データベース１１における撮影内容と照合し、撮影内容が指定された項目に一致する撮影画像が画像データベース１１に登録されていればその撮影画像が抽出される。
【００３８】
図４に示すような地図画像が表示された状態では、所望位置の地点標識にマウスカーソルを合わせてマウスボタンをクリックすれば、当該地点の位置情報が画像データベース１１に照合され、対応する撮影画像がユーザ端末３０に転送される。たとえば、画像データベース１１に撮影画像の内容が蓄積されているときには、画像受配信用サーバ１０からユーザ端末３０に撮影画像が転送され、画像データベース１１に撮影画像の内容が蓄積されておらず、撮影画像の所在のみが画像データベース１１に登録されているときには、その場所から撮影画像をユーザ端末３０に転送させる。撮影画像をユーザ端末３０に転送すると、画像データベース１１では当該撮影画像に対応するアクセスカウンタを増加させる。
【００３９】
ユーザ端末３０に転送された撮影画像は、図５に示すように、ユーザ端末３０のモニタ装置３１において領域Ｄ４に表示される。撮影画像に付随する情報としての撮影場所（撮影装置２１の位置情報）、撮影日時は領域Ｄ４の下に設けた領域Ｄ５に表示され、さらに撮影画像に報知事項が含まれた報知情報が添付されているときには、領域Ｄ５の下に設けた領域Ｄ６に報知情報が表示される。また、その画像へのアクセス数が領域Ｄ７に表示される。
【００４０】
ところで、画像受配信用サーバ１０には、関連リンクデータベース１６が設けられており、ユーザ端末３０に表示される撮影画像が決定された時点で、選択された撮影画像の位置情報を用いて関連リンクデータベース１６が照合される。ここで、関連リンクデータベース１６に照合された位置情報に相当するＵＲＬが登録されているときには、そのＵＲＬを用いて撮影場所の気象情報あるいは交通情報を必要に応じて入手し、これらの情報を領域Ｄ８に表示する。図５に示す画面からは、地点探索釦Ｂ４の操作によって図３に示す画面に移行させることができる。また、リンク釦Ｂ５の操作によって、関連のあるホームページ、たとえば、領域Ｄ４にスキー場の映像が映し出されている場合には、そのスキー場や、隣接するホテルのホームページにアクセスすることができるようになっている。
【００４１】
上述した手順を図６に簡単にまとめて示す。図６の上部は撮影用端末２０から画像受配信用サーバ１０に撮影画像を登録する際の手順を示し、下部は端末３０により画像受配信用サーバ１０から撮影画像を閲覧する際の手順を示している。また、図６に示すように、撮影画像の閲覧の際には画像受配信用サーバ１０からユーザ端末３０に撮影画像が転送される場合と、画像受配信用サーバ１０から撮影用端末２０に対して撮影画像の指示を行い、撮影用端末２０からユーザ端末３０に対して撮影画像が転送される場合とがある。
【００４２】
なお、上述した画像受配信システムを構築する際に画像受配信用サーバ１０の運営者が料金を徴収しようとする場合には、以下のような方法で、撮影用端末２０の管理者やユーザ端末３０を操作するユーザに対して課金することが可能である。すなわち、撮影用端末２０の管理者に対しては、報知情報としての広告を掲載費用、各撮影画像のアクセス回数に対する単価、撮影画像の掲載費用などの形で料金契約が可能になる。また、ユーザに対してはユーザＩＤやパスワードによってユーザを特定することができるから、アクセス毎に課金することが可能である。この場合に、撮影画像の表示前にユーザに対して課金する旨の通知を行えばよく、課金を了承したユーザに対してのみ撮影画像を配信すればよい。
【００４３】
上述した画像受配信システムは、図７に示す用途に用いることができる。図７（ａ）は道路上で渋滞が多い箇所（図示例では交差点Ｘ１）の画像を撮影して道路状況の確認に用いる例を示している。すなわち、交差点Ｘ１を撮影領域とするように交差点Ｘ１の近隣の建物Ｙ１などに撮影装置２１を設置し、撮影画像について撮影場所および対応する交通情報を画像受配信用サーバ１０に登録すれば、この情報にアクセスしてきたユーザ端末３０の操作者が、交通情報とともに道路の渋滞状況を確認することができる。
【００４４】
ここで、撮影用端末２０、撮影装置２１、ＧＰＳ装置２２からなる撮影機材は、画像受配信サーバ１０の運営者から購入するか借り受けるようにすればよい。画像受配信サーバ１０の運営者は、撮影画像へのアクセス回数に応じて撮影機材を管理する管理者に対して対価を支払うことも可能である。このように、対価を支払えば撮影機材の設置を申し出る動機付けになり、一般に画像を提供しているサイトに比較して撮影機材の設置台数を飛躍的に増加させることが可能になる。
【００４５】
また、撮影機材の管理者がスキー場Ｘ２の経営者あるいはスキー場Ｘ２に隣接したホテルＹ２の経営者であれば、図７（ｂ）のように、スキー場Ｘ２の様子を撮影するようにホテルＹ２などに撮影装置２１を設置すればよい。この場合、ユーザ端末３０には、スキー場Ｘ２の実際の画像とともに、雪質の状態、天候、混み具合も同時に表示するように画像受配信サーバ１０のデータを関連付けておけば、ユーザ端末３０の操作者に対してスキー場Ｘ２の情報を多角的に提供することができる。その結果、他の施設が提供する情報との差別化を図ることができる。ここで、ユーザ端末３０の操作者が、情報の提供されているスキー場Ｘ２やホテルＹ２に対して興味をもつときには、リンク釦Ｂ５の操作によって関連するホームページにアクセスすることができるから、宣伝効果および集客効果が非常に高くなる。
【００４６】
図７（ｃ）のように、ショッピングセンタや量販店のような店舗Ｙ３において撮影機材を管理する場合には、特価品Ｘ３の宣伝や店内の状況を画像として提供することによって、購買意欲を喚起することが可能になる。また、店舗Ｙ３に駐車場Ｘ４が並設されているときには、駐車場Ｘ４の画像を提供すれば買い物の途中であってもユーザ端末３０として携帯電話を用いることによって自身の自動車の画像を監視することによって車両の盗難を未然に防止することが期待できる。あるいはまた、店舗Ｙ３に出かける前であれば、ユーザ端末３０の操作者は駐車場Ｘ４の空き具合を知ることができるから満車時に来店するのを抑制することができ、店舗Ｙ３の顧客に対する満足度を高め、かつ店舗Ｙ３の周辺での駐車待ちの自動車による交通への妨げを抑制することができる。
【００４７】
図７（ｄ）のように店舗の新規開店、人気店、売り出し日などであって行列ができると予想される場合には、撮影装置２１を店舗に取り付けるか、あるいは撮影装置２１を携帯した人Ｙ４を派遣して行列の状態を示す画像を提供することが可能になる。また、花火大会などのイベントの際にもユーザ端末３０の操作者は会場に赴くことなく会場の雰囲気を味わうことができる。同様にして図７（ｅ）のように、撮影用端末２０の管理者が所有するバイクＹ５に撮影装置２１を搭載しておき、バイクＹ５の運転者に対して携帯電話などで指示を与えるようにすれば、自宅に居ながらにして行ってみたい場所の画像を見ることができ、あるいはまた図７（ｆ）のようにタクシＹ６に撮影装置２１を搭載しておけば、街の状態や風景の画像をリアルタイムで見ることが可能になる。
【００４８】
【発明の効果】
請求項１の発明の構成によれば、撮影画像に撮影場所の位置情報を対応付けており、しかもモニタ装置には地図画像を表示するとともに、地図画像内で撮影場所を示す地点標識を示すから、撮影場所を一種のキーワードに用いて目的とする撮影画像を容易に抽出することができる。さらに、地図上で地点標識を選択すれば指定した地点標識に対応する位置情報を用いて撮影画像が抽出されるから、目的とする撮影画像を抽出するに際して文字による指定が不要であり、簡単な操作で目的とする撮影画像を抽出することが可能になる。その上、インターネットのようなネットワークを用いることによって世界中の画像を収集するとともに世界中に撮影画像を配信することが可能になる。加えて、ユーザ端末においては、撮影装置での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報が、撮影画像とともにモニタ装置の画面に表示される。
【００５４】
請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記撮影用端末がＧＰＳ装置を備え、ＧＰＳ装置により計測された緯度および経度を撮影場所の位置情報に用いるので、撮影用端末において撮影場所を入力することなく撮影場所に自動的に位置情報を対応付けることが可能になる。この技術は撮影場所が固定点ではなく撮影場所が時々刻々変化する場合にとくに有効である。
【００５５】
請求項３の発明は、請求項１または請求項２の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたので、地図内での地域を絞り込む際に地図画像だけではなく文字情報も併用することができ、地名や建物名のような名称を指定できるときには迅速な絞り込みが可能になる。
【００５６】
請求項４の発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出するものであり、キーワードを規定範囲で対応付けることによって、キーワードも併用して絞り込みを行うことができる。しかも、使用可能なキーワードに制限を加えているので、キーワードの設定に手間がかからない。
【００５７】
請求項５の発明の構成によれば、撮影画像に撮影場所の位置情報を対応付けており、しかもモニタ装置には地図画像を表示するとともに、地図画像内で撮影場所を示す地点標識を示すから、撮影場所を一種のキーワードに用いて目的とする撮影画像を容易に抽出することができる。さらに、地図上で地点標識を選択すれば指定した地点標識に対応する位置情報を用いて撮影画像が抽出されるから、目的とする撮影画像を抽出するに際して文字による指定が不要であり、簡単な操作で目的とする撮影画像を抽出することが可能になる。加えて、インターネットのようなネットワークを用いることによって世界中の画像を収集するとともに世界中に撮影画像を配信することが可能になる。その上、ユーザ端末においては、撮影装置での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報が、撮影画像とともにモニタ装置の画面に表示される。
【００５８】
請求項６の発明は、請求項５の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたので、地図内での地域を絞り込む際に地図画像だけではなく文字情報も併用することができ、地名や建物名のような名称を指定できるときには迅速な絞り込みが可能になる。
【００５９】
請求項７の発明は、請求項５または請求項６の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出するので、キーワードを規定範囲で対応付けることによって、キーワードも併用して絞り込みを行うことができる。しかも、使用可能なキーワードに制限を加えているので、キーワードの設定に手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図２】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図３】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図４】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図５】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図６】同上の動作説明図である。
【図７】（ａ）〜（ｆ）はそれぞれ同上の用途を示す説明図である。
【符号の説明】
１０ 画像受配信用サーバ
１１ 画像データベース
１２ 地図データベース
１３ 通信手段
１４ サーバ処理部
２０ 撮影用端末
２１ 撮影装置
２２ ＧＰＳ装置
２８ 通信手段
３０ ユーザ端末
３１ モニタ装置
３２ 入力装置
３３ 通信手段
ＮＴ ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の撮像画像を撮影場所に基づいて選択して撮影画像を配信する画像受配信システムおよび画像受配信用サーバに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラやビデオカメラのように電子化した撮影画像を出力する撮影装置が普及してきており、撮影画像をデータベース化することによって撮影画像の保存や検索が容易になっている。
【０００３】
一方、インターネットのようなネットワークの普及に伴ってデータを他人に容易に配信することが可能になってきている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、データベースから所要のデータを抽出するには、データを抽出するためのキーワードをデータごとに設定しておき、キーワードを直接指定するか複数の選択肢からキーワードを選択することが多い。しかしながら、多数の撮影画像にそれぞれ適切なキーワードを設定することは難しく、同じキーワードが多数存在したのでは多数の撮影画像から目的の撮影画像を抽出することが困難になる。したがって、撮影画像を配信するにあたってはデータベース化された撮影画像から目的とする撮影画像を容易に抽出する技術が要求されている。
【０００５】
本発明は上記自由に鑑みて為されたものであり、その目的は、多数の画像内から目的の画像を容易に抽出することができる画像受配信システム、画像受配信用サーバを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、撮影装置を備え撮影した撮影画像と撮影場所の位置情報とをネットワークを介して他装置に転送可能とした撮影用端末と、ネットワークを通して配信された撮影画像を表示可能なモニタ装置を備えるとともにネットワーク上の他装置に与える指示を入力可能な入力装置を備えたユーザ端末と、ネットワーク上に設けられ撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバとを備え、画像受配信用サーバが、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする。
【００１２】
請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記撮影用端末がＧＰＳ装置を備え、ＧＰＳ装置により計測された緯度および経度を撮影場所の位置情報に用いることを特徴とする。
【００１３】
請求項３の発明は、請求項１または請求項２の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする。
【００１４】
請求項４の発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする。
【００１５】
請求項５の発明は、撮影装置を備える撮影用端末とモニタ装置および入力装置を備えたユーザ端末とがネットワークを介して接続され撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバであって、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影装置による撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする。
【００１６】
請求項６の発明は、請求項５の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする。
【００１７】
請求項７の発明は、請求項５または請求項６の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする。
【００１８】
なお、画像データベースは、撮影場所の位置情報を撮影画像に対応付けて登録すればよく、撮影画像は必ずしも画像データベースに存在していなくてもよい。つまり、画像データベースの存在する場所が撮影場所の位置情報に対応付けて画像データベースに登録されているだけでもよい。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数台の撮影装置が異なる場所に配置されていることが前提であって、図１に示すように、各撮影装置２１により撮影された撮影画像は撮影用端末２０を通してインターネットのようなネットワークＮＴに送出される。また、撮影画像を管理するためにネットワークＮＴには画像受配信用サーバ１０が設けられる。さらに、ネットワークＮＴには撮影装置２１により撮影された撮影画像を閲覧可能なユーザ端末３０も設けられる。撮影用端末２０とユーザ端末３０とは、一般に端末として用いられているものであればどのような形態でもよく、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末などを用いることができる。また、撮影用端末２０とユーザ端末３０とネットワークＮＴとの接続形態についても有線と無線とのいずれであってもよい。
【００２０】
まず、撮影用端末２０について説明する。撮影用端末２０にはデジタルカメラあるいはビデオカメラからなる撮影装置２１がキャプチャインタフェース２３を介して接続され、撮影装置２１により撮影された静止画像ないし動画像が撮影画像として入力される。また、撮影用端末２０にはＧＰＳインタフェース２４を介してＧＰＳ装置２２が接続され、ＧＰＳ装置２２により計測された緯度および経度が位置情報として入力される。つまり、撮影場所の位置情報がＧＰＳ装置２２から撮影用端末２０に入力される。ここに、撮影装置２１が定位置に固定されている場合には位置情報はほとんど変化することがないから、ＧＰＳ装置２２およびＧＰＳインタフェース２４を撮影用端末２０に設けずに、別途に計測した位置情報を撮影用端末２０にあらかじめ登録しておいてもよい。さらに、本実施形態では撮影画像の撮影内容も撮影用端末２０に入力される。撮影用端末２０に撮影内容を入力するために、撮影用端末２０にはモニタ装置２５およびキーボードのような入力装置２６が設けられており、撮影内容をモニタ装置２５で確認しながらキーボードのような入力装置２６によって対話的に入力することが可能になっている。また、モニタ装置２５および入力装置２６を用いることにより撮影装置２１を特定するための識別情報を入力することができる。また、撮影用端末２０には現在日時を計時する時計部２７が設けられ、撮影装置２１により撮影を行うと時計部２７により計時される現在日時が撮影日時として撮影画像に添付される。つまり、撮影装置２１の識別情報と撮影日時とによって撮影画像を特定することができる。撮影用端末２０にはネットワークＮＴとの接続のための通信手段２８も設けられる。
【００２１】
ユーザ端末３０は、画像表示が可能なモニタ装置３１とキーボードのような入力装置３２とを備え、さらにネットワークＮＴとの接続のための通信手段３３を備える。ユーザ端末３０においても撮影用端末２０と同様にモニタ装置３１と入力装置３２とを用いて対話的に情報を入力することができる。
【００２２】
一方、画像受配信用サーバ１０は、ネットワークＮＴを通して撮影用端末２０から転送される撮影画像に、撮影装置２１の位置情報および識別情報と撮影日時と撮影内容とを対応付けて登録する画像データベース１１を備える。画像データベース１１に格納されるデータは原則として撮影画像を含むが、撮影画像を特定できる情報が画像データベース１１に登録されていれば、その情報を撮影画像の代わりに画像データベース１１に登録してもよい。たとえば、撮影画像が現在日時において撮影されている動画像であれば、画像データベース１１には必ずしも登録しなくてもよく、撮影装置２１の識別情報によって撮影画像を特定し、画像データベース１１には撮影装置２１の識別情報と撮影内容と撮影装置２１の位置情報とを対応付けて登録してもよい。また、撮影画像が動画像であるときに画像データベース１１にすべて記録するとすれば、画像データベース１１に膨大な容量が要求されるから、動画像の撮影画像については一定期間に制限して画像データベース１１に記録してもよい。同様に、静止画像の撮影画像についても各撮影装置２１ごとに枚数を制限しておくのが望ましい。画像データベース１１の各撮影画像には、当該撮影画像がユーザ端末３０によって閲覧された回数を示すアクセスカウンタの数値も各撮影画像ごとに格納されている。
【００２３】
画像受配信用サーバ１０には、ユーザ端末３０のモニタ装置３１に地図画像を表示させるための地図情報を格納した地図データベース１２も設けられている。地図データベース１２には、地図画像の各地点に位置情報を対応付けて登録してあり、また地図画像に含まれる場所を特定する地名情報も位置情報に対応付けて登録されている。地名情報は地名のほか郵便番号も併せて用いられる。また、電話番号の市外番号によっても位置情報の範囲を特定することができるから、これらの電話番号を地名および郵便番号に併用することが可能である。地図画像は縮尺の順に階層化されており、たとえばユーザ端末３０のモニタ装置３１に表示可能な地図画像が、地方別図、都市図、１ｋｍ四方図、１００ｍ四方図などというように階層化されている。したがって、モニタ装置３１に地図画像が表示された状態で地図画像内の所望の地点に入力装置３２としてのマウスのような適宜のポインティングデバイスを用いてポインタを移動させ、その位置を選択することによって、縮尺を１段階ずつ変化させることができるようになっている。また、地図画像の縮尺は双方向に変化させることができ、たとえば、２ボタン型のマウスを用いるとすれば、左クリックで縮尺を小さくし、右クリックで縮尺を大きくするなどの操作が可能になる。
【００２４】
画像受配信用サーバ１０にはネットワークＮＴに接続するための通信手段１３が設けられ、撮影用端末２０およびユーザ端末３０と画像受配信用サーバ１０とは双方向にデータ伝送が可能になっている。また、画像受配信用サーバ１０はマイクロコンピュータからなるサーバ処理部１４を備え、サーバ処理部１４では撮影用端末２０からの撮影画像を画像データベース１１に格納する処理や、ユーザ端末３０からの要求に従って地図データベース１２に格納された地図画像や画像データベース１１に格納された撮影画像をユーザ端末３０に転送する処理を行う。
【００２５】
サーバ処理部１４では、ユーザ端末３０に地図画像を転送する際には、転送する地図画像の範囲内に含まれる位置情報を画像データベース１１の位置情報に照合し、ユーザ端末３０に転送する地図画像の範囲内の位置情報が画像データベース１１から抽出されたときには、モニタ装置３１の画面に表示される地図画像内で、抽出された位置情報に相当する地点に地点標識を表示可能とするために、地図画像に地点標識の画像を重ね合わせて転送する。つまり、地点標識は地図画像内で撮影装置２１による撮影場所を示すことになる。ここで、複数種類の地点標識を用いれば、各地点標識によって撮影場所だけではなく、撮影画像の種類や撮影装置２１の動作状態を示すことも可能である。つまり、撮影画像が静止画像か動画像かの別を表したり、撮影装置２１が定位置に固定されているか移動するかの別を表したり、撮影画像が現在のものか過去のものかの別を表したり、あるいはまた撮影装置２１が休止中か否かの別を表したりすることが可能になる。たとえば、撮影画像が現在のものは「◎」で表すとともに過去のものは「○」で表し、撮影装置２１が固定か移動かを色の違いで表し、撮影装置２１を設置しているが撮影画像が得られていない休止中であれば「×」で表すようにすればよい。
【００２６】
画像受配信用サーバ１０には、接続管理データベース１５も設けられ、接続管理データベース１５には、撮影用端末２０の管理者に関する情報が格納された管理者ファイルＦ１と、ユーザ端末３０を操作するユーザに関する情報が格納されたユーザファイルＦ２とが設けられている。
【００２７】
管理者ファイルＦ１では、管理者を識別するための管理者ＩＤのほか、当該管理者が管理している撮影装置２１の識別情報が格納される。さらに、ユーザ端末３０による撮影画像の閲覧に伴ってユーザ端末３０に別の報知事項を提示しようとする場合は、報知事項も管理者ファイルＦ１に格納することが可能になっている。ここに、管理者において複数種類の報知事項を提示しようとする場合には、管理者ファイルＦ１とは別に報知事項ファイルを設けて報知事項ファイルの各報知事項を管理者ＩＤに対応付けておくのが望ましい。この場合、報知事項ファイルを撮影用端末２０のように管理者が管理している端末に設けておくことも可能である。このように、報知事項を管理者ＩＤに対応付けることによって、管理者が企業体であればユーザ端末３０に対して報知事項として広告の提示が可能になる。
【００２８】
ユーザ管理ファイルＦ２には、ユーザを識別するためのユーザＩＤおよびパスワードのほか、各ユーザに関する個人情報が格納される。このような個人情報は、ユーザ端末３０に提示する報知事項の内容選択に用いることもできる。たとえば、個人情報として性別が含まれているとすれば、男性向けあるいは女性向けの報知事項を選別して提示することが可能になる。
【００２９】
画像受配信用サーバ１０には関連リンクデータベース１６も設けられており、関連リンクデータベース１６では、位置情報に対応付けて、当該位置情報より表される場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのＵＲＬをリンク先として格納してある。つまり、関連リンクデータベース１６に位置情報が照合され、照合された位置情報に相当する位置情報が関連リンクデータベース１６に登録されていると、サーバ処理部１４では関連リンクデータベース１６に登録されているＵＲＬにアクセスしてユーザ端末３０に、そのホームページを表示させる。このようにして、ユーザ端末３０においては撮影装置２１での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報を入手することが可能になる。
【００３０】
以下では、本実施形態の使用例について説明する。まず、画像受配信用サーバ１０の画像データベース１１に撮影用端末２０から撮影画像を登録する手順について説明する。画像受配信用サーバ１０には上述のように管理者ファイルＦ１が設けられ、ここでは管理者ファイルＦ１にはあらかじめ管理者ＩＤなどの必要情報が登録されているものとする。また、画像受配信用サーバ１０には、専用ＵＲＬを用いてアクセス可能なホームページが設けられているものとする。
【００３１】
撮影画像の管理者（撮影用端末２０の操作者）は撮影用端末２０の操作により専用ＵＲＬに対応するホームページにアクセスする。このホームページでは、管理者ＩＤの入力を要求するフィールドが示され、フィールド内に正しい管理者ＩＤが入力されると次段階に移行する。ただし、管理者ＩＤが誤っているときには次段階には移行できない。次段階では撮影画像に関する処理か、アクセスカウンタを確認する処理かの選択が可能になる。
【００３２】
アクセスカウンタの確認処理の場合には、画像データベース１１を参照することによって、管理者が管理する各撮影画像に対応したアクセスカウンタの内容と最終アクセスの日付とがホームページに提示される。
【００３３】
一方、撮影画像に関する処理の場合には、ユーザ端末３０での撮影画像の閲覧を可能にする状態を「開始」するか「停止」するかの選択がホームページ上で可能になり、「開始」が選択されると、撮影画像が画像データベース１１に登録され（または、撮影画像の所在を特定する情報が画像データベース１１に登録され）、さらに位置情報をＧＰＳ装置２２から自動的に取り込むか手操作で入力するかの別と、報知情報の有無とが選択可能になる。また、「停止」が選択された場合は画像データベース１１に停止中を示すデータが登録される。また、報知情報をユーザ端末３０に提示しようとするときには「有」を選択することにより、撮影画像に添付する形で報知事項が画像データベース１１に登録され、当該撮影画像がユーザ端末３０に提示されたときに報知情報も提示される。
【００３４】
上述のようにして画像受配信用サーバ１０に撮影画像が登録されている状態ではユーザ端末３０では所定のＵＲＬを指定することによって、画像受配信用サーバ１０が提供するホームページにアクセスすることによって、ユーザ端末３０のモニタ装置３１に所望の撮影画像を表示させることが可能になる。ユーザ端末３０から撮影画像を閲覧するに際しては、まずユーザの認証作業が行われる。ユーザの認証には図２に示す画面が表示される。ここで、ユーザの個人情報がユーザ管理ファイルＦ２に登録されているときにはユーザＩＤおよびパスワードを各フィールドｆ１，ｆ２に入力して送信釦Ｂ１を操作すれば、画像受配信用サーバ１０において認証作業が行われる。また、ユーザの個人情報がユーザ管理ファイルＦ２に登録されていなければ、新規ユーザの釦Ｂ２を操作することによってユーザ管理ファイルＦ２への個人情報の登録作業が可能になる。
【００３５】
ユーザの認証作業により登録ユーザであることが確認されると、図３に示す画面がユーザ端末３０のモニタ装置３１に表示される。この画面では地名を入力するフィールドｆ３と撮影内容の項目（カテゴリ）を一覧表示する領域Ｄ３とが表示される。フィールドｆ３には地名に相当する適宜の文字を入力すればよく、実在する地名のほか、郵便番号や電話番号（市外番号）を入力することも可能である。
【００３６】
領域Ｄ３においては各項目に対応するラジオボタンが設けられ、ラジオボタンにマウスカーソルを合わせてクリックすることにより、各項目の選択と非選択とを指定することが可能になっている。つまり、非選択の項目に対応するラジオボタンは図のように白抜きの丸であり、選択された項目に対応するラジオボタンは丸の中心に黒点（ドット）が付加される。ここでは、複数個の項目（海、山、名所、テーマパーク、ショッピングセンタ、行列、街の風景、リクエスト）を選択することが可能であり、複数個の項目を選択したときには各項目は論理和の関係で扱われる。図３に示す画面においては地名の入力は必須であるが、項目については必ずしも入力しなくてもよい。
【００３７】
図３に示す画面で地名を入力するとともに必要に応じて項目を選択した後に探索釦Ｂ３を操作すると、画像受配信用サーバ１０には指定した情報が伝送される。画像受配信用サーバ１０では、フィールドｆ３に入力された地名を地図データベース１２に登録されている地名と照合する。ここに、フィールドｆ３に入力された地名に一致する地名が地図データベース１２に登録されていないときには地名の再入力を促す。また、一致する地名が地図データベース１２に存在すれば、地図データベース１２から当該地名に対応した位置情報が抽出される。一般に地名に対応する位置情報は地図画像内の一点に対応するわけではないから、地名に対応する範囲の位置情報が抽出されることになる。位置情報の範囲が地図データベース１２から抽出されると、次にその位置情報の範囲内の位置情報が画像データベース１１に存在するか否かが検索される。該当する位置情報が画像データベース１１に存在すれば、ユーザ端末３０のモニタ装置３１には適宜の縮尺の地図画像が表示される。表示された地図画像の縮尺が小さいとき、つまり指定した地名が広範囲の位置情報を含む場合には、地図画像内でユーザが撮影画像を得ようとする地点付近にマウスカーソルを移動させてマウスボタンをクリックすれば、次段階の縮尺の地図画像が表示される。こうして、縮尺が最小である地図画像が表示されるようになるまで操作を繰り返すと、図４に示すように、地図画像上に撮影装置２１の位置が上述した地点標識を用いて表示される。もちろん、指定した地名によっては縮尺が最小である地図画像が１回で表示される場合もある。また、領域Ｄ３における項目が指定されているときには、項目を画像データベース１１における撮影内容と照合し、撮影内容が指定された項目に一致する撮影画像が画像データベース１１に登録されていればその撮影画像が抽出される。
【００３８】
図４に示すような地図画像が表示された状態では、所望位置の地点標識にマウスカーソルを合わせてマウスボタンをクリックすれば、当該地点の位置情報が画像データベース１１に照合され、対応する撮影画像がユーザ端末３０に転送される。たとえば、画像データベース１１に撮影画像の内容が蓄積されているときには、画像受配信用サーバ１０からユーザ端末３０に撮影画像が転送され、画像データベース１１に撮影画像の内容が蓄積されておらず、撮影画像の所在のみが画像データベース１１に登録されているときには、その場所から撮影画像をユーザ端末３０に転送させる。撮影画像をユーザ端末３０に転送すると、画像データベース１１では当該撮影画像に対応するアクセスカウンタを増加させる。
【００３９】
ユーザ端末３０に転送された撮影画像は、図５に示すように、ユーザ端末３０のモニタ装置３１において領域Ｄ４に表示される。撮影画像に付随する情報としての撮影場所（撮影装置２１の位置情報）、撮影日時は領域Ｄ４の下に設けた領域Ｄ５に表示され、さらに撮影画像に報知事項が含まれた報知情報が添付されているときには、領域Ｄ５の下に設けた領域Ｄ６に報知情報が表示される。また、その画像へのアクセス数が領域Ｄ７に表示される。
【００４０】
ところで、画像受配信用サーバ１０には、関連リンクデータベース１６が設けられており、ユーザ端末３０に表示される撮影画像が決定された時点で、選択された撮影画像の位置情報を用いて関連リンクデータベース１６が照合される。ここで、関連リンクデータベース１６に照合された位置情報に相当するＵＲＬが登録されているときには、そのＵＲＬを用いて撮影場所の気象情報あるいは交通情報を必要に応じて入手し、これらの情報を領域Ｄ８に表示する。図５に示す画面からは、地点探索釦Ｂ４の操作によって図３に示す画面に移行させることができる。また、リンク釦Ｂ５の操作によって、関連のあるホームページ、たとえば、領域Ｄ４にスキー場の映像が映し出されている場合には、そのスキー場や、隣接するホテルのホームページにアクセスすることができるようになっている。
【００４１】
上述した手順を図６に簡単にまとめて示す。図６の上部は撮影用端末２０から画像受配信用サーバ１０に撮影画像を登録する際の手順を示し、下部は端末３０により画像受配信用サーバ１０から撮影画像を閲覧する際の手順を示している。また、図６に示すように、撮影画像の閲覧の際には画像受配信用サーバ１０からユーザ端末３０に撮影画像が転送される場合と、画像受配信用サーバ１０から撮影用端末２０に対して撮影画像の指示を行い、撮影用端末２０からユーザ端末３０に対して撮影画像が転送される場合とがある。
【００４２】
なお、上述した画像受配信システムを構築する際に画像受配信用サーバ１０の運営者が料金を徴収しようとする場合には、以下のような方法で、撮影用端末２０の管理者やユーザ端末３０を操作するユーザに対して課金することが可能である。すなわち、撮影用端末２０の管理者に対しては、報知情報としての広告を掲載費用、各撮影画像のアクセス回数に対する単価、撮影画像の掲載費用などの形で料金契約が可能になる。また、ユーザに対してはユーザＩＤやパスワードによってユーザを特定することができるから、アクセス毎に課金することが可能である。この場合に、撮影画像の表示前にユーザに対して課金する旨の通知を行えばよく、課金を了承したユーザに対してのみ撮影画像を配信すればよい。
【００４３】
上述した画像受配信システムは、図７に示す用途に用いることができる。図７（ａ）は道路上で渋滞が多い箇所（図示例では交差点Ｘ１）の画像を撮影して道路状況の確認に用いる例を示している。すなわち、交差点Ｘ１を撮影領域とするように交差点Ｘ１の近隣の建物Ｙ１などに撮影装置２１を設置し、撮影画像について撮影場所および対応する交通情報を画像受配信用サーバ１０に登録すれば、この情報にアクセスしてきたユーザ端末３０の操作者が、交通情報とともに道路の渋滞状況を確認することができる。
【００４４】
ここで、撮影用端末２０、撮影装置２１、ＧＰＳ装置２２からなる撮影機材は、画像受配信サーバ１０の運営者から購入するか借り受けるようにすればよい。画像受配信サーバ１０の運営者は、撮影画像へのアクセス回数に応じて撮影機材を管理する管理者に対して対価を支払うことも可能である。このように、対価を支払えば撮影機材の設置を申し出る動機付けになり、一般に画像を提供しているサイトに比較して撮影機材の設置台数を飛躍的に増加させることが可能になる。
【００４５】
また、撮影機材の管理者がスキー場Ｘ２の経営者あるいはスキー場Ｘ２に隣接したホテルＹ２の経営者であれば、図７（ｂ）のように、スキー場Ｘ２の様子を撮影するようにホテルＹ２などに撮影装置２１を設置すればよい。この場合、ユーザ端末３０には、スキー場Ｘ２の実際の画像とともに、雪質の状態、天候、混み具合も同時に表示するように画像受配信サーバ１０のデータを関連付けておけば、ユーザ端末３０の操作者に対してスキー場Ｘ２の情報を多角的に提供することができる。その結果、他の施設が提供する情報との差別化を図ることができる。ここで、ユーザ端末３０の操作者が、情報の提供されているスキー場Ｘ２やホテルＹ２に対して興味をもつときには、リンク釦Ｂ５の操作によって関連するホームページにアクセスすることができるから、宣伝効果および集客効果が非常に高くなる。
【００４６】
図７（ｃ）のように、ショッピングセンタや量販店のような店舗Ｙ３において撮影機材を管理する場合には、特価品Ｘ３の宣伝や店内の状況を画像として提供することによって、購買意欲を喚起することが可能になる。また、店舗Ｙ３に駐車場Ｘ４が並設されているときには、駐車場Ｘ４の画像を提供すれば買い物の途中であってもユーザ端末３０として携帯電話を用いることによって自身の自動車の画像を監視することによって車両の盗難を未然に防止することが期待できる。あるいはまた、店舗Ｙ３に出かける前であれば、ユーザ端末３０の操作者は駐車場Ｘ４の空き具合を知ることができるから満車時に来店するのを抑制することができ、店舗Ｙ３の顧客に対する満足度を高め、かつ店舗Ｙ３の周辺での駐車待ちの自動車による交通への妨げを抑制することができる。
【００４７】
図７（ｄ）のように店舗の新規開店、人気店、売り出し日などであって行列ができると予想される場合には、撮影装置２１を店舗に取り付けるか、あるいは撮影装置２１を携帯した人Ｙ４を派遣して行列の状態を示す画像を提供することが可能になる。また、花火大会などのイベントの際にもユーザ端末３０の操作者は会場に赴くことなく会場の雰囲気を味わうことができる。同様にして図７（ｅ）のように、撮影用端末２０の管理者が所有するバイクＹ５に撮影装置２１を搭載しておき、バイクＹ５の運転者に対して携帯電話などで指示を与えるようにすれば、自宅に居ながらにして行ってみたい場所の画像を見ることができ、あるいはまた図７（ｆ）のようにタクシＹ６に撮影装置２１を搭載しておけば、街の状態や風景の画像をリアルタイムで見ることが可能になる。
【００４８】
【発明の効果】
請求項１の発明の構成によれば、撮影画像に撮影場所の位置情報を対応付けており、しかもモニタ装置には地図画像を表示するとともに、地図画像内で撮影場所を示す地点標識を示すから、撮影場所を一種のキーワードに用いて目的とする撮影画像を容易に抽出することができる。さらに、地図上で地点標識を選択すれば指定した地点標識に対応する位置情報を用いて撮影画像が抽出されるから、目的とする撮影画像を抽出するに際して文字による指定が不要であり、簡単な操作で目的とする撮影画像を抽出することが可能になる。その上、インターネットのようなネットワークを用いることによって世界中の画像を収集するとともに世界中に撮影画像を配信することが可能になる。加えて、ユーザ端末においては、撮影装置での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報が、撮影画像とともにモニタ装置の画面に表示される。
【００５４】
請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記撮影用端末がＧＰＳ装置を備え、ＧＰＳ装置により計測された緯度および経度を撮影場所の位置情報に用いるので、撮影用端末において撮影場所を入力することなく撮影場所に自動的に位置情報を対応付けることが可能になる。この技術は撮影場所が固定点ではなく撮影場所が時々刻々変化する場合にとくに有効である。
【００５５】
請求項３の発明は、請求項１または請求項２の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたので、地図内での地域を絞り込む際に地図画像だけではなく文字情報も併用することができ、地名や建物名のような名称を指定できるときには迅速な絞り込みが可能になる。
【００５６】
請求項４の発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出するものであり、キーワードを規定範囲で対応付けることによって、キーワードも併用して絞り込みを行うことができる。しかも、使用可能なキーワードに制限を加えているので、キーワードの設定に手間がかからない。
【００５７】
請求項５の発明の構成によれば、撮影画像に撮影場所の位置情報を対応付けており、しかもモニタ装置には地図画像を表示するとともに、地図画像内で撮影場所を示す地点標識を示すから、撮影場所を一種のキーワードに用いて目的とする撮影画像を容易に抽出することができる。さらに、地図上で地点標識を選択すれば指定した地点標識に対応する位置情報を用いて撮影画像が抽出されるから、目的とする撮影画像を抽出するに際して文字による指定が不要であり、簡単な操作で目的とする撮影画像を抽出することが可能になる。加えて、インターネットのようなネットワークを用いることによって世界中の画像を収集するとともに世界中に撮影画像を配信することが可能になる。その上、ユーザ端末においては、撮影装置での撮影場所に対応した気象情報あるいは交通情報が、撮影画像とともにモニタ装置の画面に表示される。
【００５８】
請求項６の発明は、請求項５の発明において、前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたので、地図内での地域を絞り込む際に地図画像だけではなく文字情報も併用することができ、地名や建物名のような名称を指定できるときには迅速な絞り込みが可能になる。
【００５９】
請求項７の発明は、請求項５または請求項６の発明において、規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出するので、キーワードを規定範囲で対応付けることによって、キーワードも併用して絞り込みを行うことができる。しかも、使用可能なキーワードに制限を加えているので、キーワードの設定に手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図２】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図３】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図４】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図５】同上に用いるユーザ端末の画面を示す動作説明図である。
【図６】同上の動作説明図である。
【図７】（ａ）〜（ｆ）はそれぞれ同上の用途を示す説明図である。
【符号の説明】
１０ 画像受配信用サーバ
１１ 画像データベース
１２ 地図データベース
１３ 通信手段
１４ サーバ処理部
２０ 撮影用端末
２１ 撮影装置
２２ ＧＰＳ装置
２８ 通信手段
３０ ユーザ端末
３１ モニタ装置
３２ 入力装置
３３ 通信手段
ＮＴ ネットワーク
Claims (7)
- 撮影装置を備え撮影した撮影画像と撮影場所の位置情報とをネットワークを介して他装置に転送可能とした撮影用端末と、ネットワークを通して配信された撮影画像を表示可能なモニタ装置を備えるとともにネットワーク上の他装置に与える指示を入力可能な入力装置を備えたユーザ端末と、ネットワーク上に設けられ撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバとを備え、画像受配信用サーバが、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする画像受配信システム。
- 前記撮影用端末がＧＰＳ装置を備え、ＧＰＳ装置により計測された緯度および経度を撮影場所の位置情報に用いることを特徴とする請求項１記載の画像受配信システム。
- 前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする請求項１または請求項２記載の画像受配信システム。
- 規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載の画像受配信システム。
- 撮影装置を備える撮影用端末とモニタ装置および入力装置を備えたユーザ端末とがネットワークを介して接続され撮影用端末およびユーザ端末との間でデータ通信が可能な画像受配信用サーバであって、撮影用端末から伝送された撮影場所の位置情報が撮影装置による撮影画像に対応付けて登録される画像データベースと、前記モニタ装置の画面上に地図画像を表示させる地図情報と地図画像の各地点の位置情報とが対応付けて格納された地図データベースと、撮影場所の位置情報に当該場所の気象情報あるいは交通情報を提示可能なホームページのアドレスをリンク先として格納した関連リンクデータベースと、前記ユーザ端末により指定された範囲の地図画像を地図データベースから抽出して前記モニタ装置の画面上に表示させるとともに、画像データベースに登録された位置情報のうちモニタ装置の画面上に表示された地図画像の位置範囲に含まれる位置情報を抽出して当該位置情報を示す地点標識をモニタ装置の画面上に表示された地図画像内に表示させるサーバ処理部とを備え、サーバ処理部では、前記モニタ装置の地図画像内に表示された１つの地点標識が指定されたときに当該地点標識に対応する位置情報を用いて、画像データベースから当該位置情報に対応する撮影画像を抽出してモニタ装置に表示する撮影画像をユーザ端末に転送させるとともに、関連リンクデータベースから当該位置情報に対応するリンク先から入手した気象情報あるいは交通情報を、モニタ装置において撮影画像を表示する第１の領域とは異なる第２の領域に表示させることを特徴とする画像受配信用サーバ。
- 前記地図データベースにおける前記位置情報が前記地図画像の場所を特定する名称を含み、前記モニタ装置の画面上に表示する地図画像を前記名称で特定される場所を含む所定の位置範囲としたことを特徴とする請求項５記載の画像受配信用サーバ。
- 規定範囲のキーワードを用いて表される撮影内容が前記撮影画像に対応付けて前記画像データベースに登録され、サーバ処理部ではユーザ端末により撮影内容が指定されると指定された撮影内容に一致する撮影画像を画像データベースから抽出することを特徴とする請求項５または請求項６記載の画像受配信用サーバ。
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