JP4764489B2 - ガスタービンプラントおよびガスタービンプラントの制御方法 - Google Patents
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図示の一軸型コンバインドプラントにおいて、1は大気を吸入して圧縮する圧縮機、2は燃料油が供給されると共に圧縮機1から圧縮された空気が燃焼用空気として供給される燃焼器、3は燃焼器2にて発生した燃焼ガスが導入されることにより回転するガスタービン、4はガスタービン3と連結した蒸気タービン、および5は発電機である。
以上のガスタービン3,圧縮機1,蒸気タービン4,発電機5が互いに連結軸6で連結されている。
符号9は燃料弁であり、燃焼器2への燃料供給量を調節する装置である。この燃料弁9は、コントローラ10によって制御される。
この制御を具体的に示す。図11において、符号S1はガバナCSO(Control Signal Output)信号であり、コントローラ10が燃料弁9に出力することにより、ガスタービン3の出力を制御する信号である。
通常時においては、符号aで示すように、周波数を一定に保つべく、コントローラ10がガバナCSO信号S1(すなわち、ガスタービン3の出力)を適宜変動させている。
一方、負荷が急激に増大した場合、回転数が急減して周波数が低下する。このとき、符号c1に示すように、コントローラ10がガバナCSO信号S1を増大させて回転数の急減を防ぐ。
したがって、ロードリミットCSO信号S2は、ガバナCSO信号S1の急減時には符号b1’で示すようにガバナCSO信号S1より下回ることないが、ガバナCSO信号S1の急増時には、符号c1’で示すようにガバナCSO信号S1よりも下回る。よって、ガバナCSO信号S1は、図の符号d1で示すように規定レート以上で上昇しないように制限される。
負荷の急減時、ガバナCSO信号S1は、符号b2で示すように、制限されることなく下降する。ロードリミットCSO信号S2は、規定レートで下降する(符号b2’)。
その後、負荷の急増が発生した場合、ガバナCSO信号S1が急上昇する(符号c2)。ロードリミットCSO信号S2は、ガバナCSO信号S1よりも5%高い値となるまで規定レートで下降を続ける(符号b2’)。その後上昇に転換するが、ガバナCSO信号S1が急増しているので、規定レートで上昇する(符号c2’)。そして、ガバナCSO信号S1はロードリミットCSO信号S2を上限として、符号d2で示すように規定レート以上で上昇しないよう制限される。
負荷が減少した場合、回転数を抑えるべく、コントローラ10が燃料弁9を絞り制御して燃焼器12に供給される燃料の量を制限する。このとき、燃空比を保つため、コントローラ10はバイパス弁15を開き、バイパス弁15から燃焼器尾筒13に供給される空気量を増加させる。これによって燃焼器12に供給される空気量が減少するので、燃空比が保たれる。
しかしながら、従来のコンバインドプラントにおいてはバイパス弁15の開閉速度は一定に保たれているため、燃料弁9を急速に絞るのと合わせてバイパス弁15を絞ろうとしても、バイパス弁15の絞りが追従せず、過度の空気がメイン燃焼器12に吸入されてしまい、燃焼が不安定になる等の問題が生じる。
また、このガスタービンプラントにおいては、バイパス弁開度算出部において、ガスタービンの出力に対応してバイパス弁をどの程度の開度とすればよいかが算出される。バイパス弁の開度を、現在の状態から、バイパス弁の開度設定値が示す開度に変更する際、開閉スピードを与えるのが開閉速度算出部である。開閉速度算出部は、ガスタービン出力の変化幅が大きいほど、速い速度でバイパス弁が開閉されるように開閉速度を算出する。第1変化率制限器は、与えられた開閉速度に基づいて前記バイパス弁を制御する信号を出力する。
また、バイパス弁の開度を、現在の状態から、設定開度に変更する際、開閉スピードを与える必要がある。このガスタービンプラントの制御方法においては、ガスタービン出力の変化幅が大きいほど、速い速度でバイパス弁が開閉されるように開閉速度を与えるようにする。
図9に示したものは、本例にかかる一軸型コンバインドプラント(ガスタービンプラント)の概略構成図である。一軸型コンバインドプラントにおいて、1は大気を吸入して圧縮する圧縮機、2は燃料油が供給されると共に圧縮機1から圧縮された空気が燃焼用空気として供給される燃焼器、3は燃焼器2にて発生した燃焼ガスが導入されることにより回転するガスタービン、4はガスタービン3と連結した蒸気タービン、および5は発電機である。
以上のガスタービン3,圧縮機1,蒸気タービン4,発電機5が互いに連結軸6で連結されている。
符号9は燃料弁であり、燃焼器2への燃料供給量を調節する装置である。この燃料弁9は、コントローラ10によって制御される。
この制御を具体的に示す。図1に示したものは、コントローラ10のブロック図である。
コントローラ10は、ガスタービン3の回転数が入力され、該回転数からガスタービン3の負荷を算出するとともに、該負荷に応じて燃料弁9の開度を制御するガバナCSO信号(ガバナ制御信号)S1を算出するガバナCSO信号算出部(ガバナ制御信号算出部)20と、ガバナCSO信号S1が下降状態にあるときは該ガバナCSO信号S1よりも所定のトラッキング幅だけ大きい値にて該ガバナCSO信号S1に追従するとともに、ガバナCSO信号S1が上昇状態にあるときは、所定の上昇レートを上限とした上昇率でガバナCSO信号S1に追従するロードリミットCSO信号S2を算出するロードリミットCSO信号算出部(ロードリミット制御信号算出部)21と、ガバナCSO信号S1の上限をロードリミットCSO信号S2により制限する低値選択回路(制限部)22とを備えている。
図3に示したものはロードリミットCSO(LDCSO)信号演算回路である。本回路において、符号22aはロードリミット設定−発電機出力の偏差を算出する減算器であり、符号22bは減算器22aが算出した上記偏差が入力されるPIコントローラである。さらに本例においては、その出力上限値がLRCSO信号S2’により制限される。
通常時においては、符号aで示すように、周波数を一定に保つべく、コントローラ10のガバナCSO信号算出部20がガバナCSO信号S1(すなわち、ガスタービン3の出力)を適宜変動させている。
一方、負荷が急激に増大した場合、回転数が急減して周波数が低下する。このとき、符号c3に示すように、ガバナCSO信号算出部20がガバナCSO信号S1を増大させて系統周波数の安定を図る。
その後、負荷が急増した場合、ガバナCSO信号S1も急上昇する(符号c4)。ロードリミットCSO信号S2は、規定レートで上昇する(符号c4’)。上記のように、低値選択回路22はロードリミットCSO信号S2を上限値としてガバナCSO信号S1の上昇を制限するため、急増開始から所定時間後には、ガバナCSO信号S1の上昇が制限されたロードリミット信号S2が選択されて燃料弁9に出力される。
しかも、従来例(図12参照)と本例(図5参照)とを比較するとわかるように、ガバナCSO信号S1が急減した後に急増する場合、ガバナCSO信号S1は、より早くロードリミットCSO信号S2に追いつき、速やかにガバナCSO信号S1の上昇が制限される。したがって、ガスタービン3に与えるストレスを従来よりも減少させることができる。
コントローラ10は、図6に示すように、バイパス弁15を制御するバイパス弁制御回路30を備える。図6において、31はバイパス弁開度算出部であり、ガスタービン3の出力値(以下、GT出力値と呼ぶ)S4が入力され、該GT出力値S4に対応してバイパス弁15をどの程度の開度とすればよいかを示す開度設定値S5を出力する回路である。
符号32は変化率制限器(第2変化率制限器)であり、負荷に応じて変化するGT出力値S4が入力され、該GT出力値S4の増減変化率を所定値に設定して出力する。例えば、図7(a)に示すように、GT出力値S4が大きく減少する場合であっても、変化率制御器32は、同図(b)に示すように、所定の変化率で減少する信号を出力する。
符号33は減算器であり、GT出力値S4から、前記変化率制御器32の出力を引いた偏差量を出力するものである。その値の時間変化を図7(c)に示した。
上記変化率制限器32、減算器33、変化率算出器35により、開閉速度算出部36が構成されている。
図7(e)の破線で示すように、バイパス弁15の変化率がa1に固定されているとバイパス弁15の開閉が燃料弁9の開閉より遅れてしまうが、上記のように変化率がa2に高速化されるので、バイパス弁15の開閉が迅速に行われ、燃焼器12における燃料の燃焼を安定化することができる。
3 ガスタービン
9 燃料弁
10 コントローラ
12 メイン燃焼器
13 尾筒
15 バイパス弁
20 ガバナCSO信号算出部(ガバナ制御信号算出部)
21 ロードリミットCSO信号算出部(ロードリミット制御信号算出部)
22 低値選択回路(制限部)
31 バイパス弁開度算出部
32 変化率制限器(第2変化率制限器)
33 減算器
35 変化率算出器
36 開閉速度算出部
37 変化率制限器(第1変化率制限器)
S1 ガバナCSO信号(ガバナ制御信号)
S2 ロードリミットCSO信号(ロードリミット制御信号)
S3 燃料制御信号
Claims (4)
- ガスタービンと、燃料及び空気が供給され、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器への燃料供給量を調節する燃料弁と、該燃料弁を制御するコントローラとを備え、前記燃焼器は供給された燃料及び空気が導入されるメイン燃焼器と、該メイン燃焼器から燃焼ガスが供給され、該燃焼ガスを前記タービンに導入する尾筒と、前記コントローラにより制御され、供給された前記空気の一部を前記尾筒に導入するバイパス弁とを備えたガスタービンプラントにおいて、
前記コントローラは、前記ガスタービン出力に対応した前記バイパス弁の開度設定値を算出するバイパス弁開度算出部と、
前記ガスタービン出力の変化幅を算出するとともに、該変化幅に応じて前記バイパス弁の開閉速度を算出する開閉速度算出部と、
前記バイパス弁開度算出部において算出された前記バイパス弁の開度設定値の変化レートを前記開閉速度算出部において算出された開閉速度として前記バイパス弁を制御する第1変化率制限器とを備えており、
前記バイパス弁を、前記タービンの出力変動に応じた開閉速度で開閉することを特徴とするガスタービンプラント。 - 請求項1に記載のガスタービンプラントにおいて、
前記開閉速度算出部は、前記ガスタービン出力が入力され、該ガスタービン出力の増減変化レートを所定値に変換した基準値を出力する第2変化率制限器と、該第2変化率制限器から前記基準値が入力され、該基準値に対する前記ガスタービン出力の偏差量を算出する減算器と、
前記偏差量に応じて前記バイパス弁の開閉速度を算出する変化率算出器とを備えていることを特徴とするガスタービンプラント。 - ガスタービンと、燃料及び燃焼空気が供給され、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器への燃料供給量を調節する燃料弁とを備え、前記燃焼器は供給された燃料及び空気が導入されるメイン燃焼器と、該メイン燃焼器から燃焼ガスが供給され、該燃焼ガスを前記タービンに導入する尾筒と、供給された前記空気の一部を前記尾筒に導入するバイパス弁とを備えたガスタービンプラントの制御方法において、
前記ガスタービン出力の変化幅を算出した後、該変化幅に対応した前記バイパス弁の開閉速度を算出し、該開閉速度によって前記バイパス弁を開閉することを特徴とするガスタービンプラントの制御方法。 - 請求項3に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
ガスタービン出力の増減変化レートを所定値に変換した基準値を求め、該基準値に対する前記ガスタービン出力の偏差量を算出し、該偏差量を前記変化幅として用いることを特徴とするガスタービンプラントの制御方法。
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