JP4764150B2 - リングコータ塗装工程時の塗膜硬化方法 - Google Patents

リングコータ塗装工程時の塗膜硬化方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置に用いられる導電性ローラを製造する技術に係り、特に、これらの導電性ローラにおける表面の高品質化のために採用されるもので、導電性ローラの基体部の表面に塗料を塗布するトラバース塗装工程もしくはリングコータ塗装工程の塗膜硬化方法に関する。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、潜像を保持した感光ドラム等にトナーを供給し、感光ドラムの潜像に該トナーを付着させて潜像を可視化する現像方法として、加圧現像法が知られている。該加圧現像法においては、例えば、感光ドラムを一定電位に帯電させた後、露光機により感光ドラム上に静電潜像を形成し、さらに、トナーを担持した現像ローラを、静電潜像を保持した感光ドラムに接触させて、トナーを感光ドラムの潜像に付着させる現像を行う。また、感光ドラムと現像ローラに一定の間隙を設け、その間隙にトナーを電気的に飛翔させて現像を行う非接触現像法も提案されている。
また、上記感光ドラムの帯電には、従来コロナ放電方式が採用されていたが、コロナ放電方式では、6〜10kVの高電圧を印加する必要があるため、装置の安全確認の観点から好ましくはなく、さらに、コロナ放電中にオゾン等の有害物質が発生するため、環境面からも好ましくなかった。これに対し、感光ドラムを帯電させる接触帯電方式が提案されている。
上記加圧現像法における現像ローラ、ならびに上記接触帯電方式における帯電ローラは、感光ドラムに密着した状態を確実に保持しながら回転しなければならないため、また、非接触現像法における現像ローラにおいても、トナーに対するストレスを軽減するために、金属等の良導電性材料からなるシャフトの外周に、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリウレタン等のエラストマーにカーボンブラックや金属粉を分散させた半導電性の弾性体やこれらを発泡させた発泡体からなる半導電性弾性層を形成した構造となっている。また、トナーに対する帯電性や付着性の制御、弾性層による感光ドラムの汚染防止等を目的として、上記弾性層の表面に、さらに、塗膜層を形成する場合がある。
さらに、上記現像ローラおよび帯電ローラに加えて、現像ローラにトナーを供給するためのトナー供給ローラ、感光ドラムの潜像に付着したトナーを記録媒体に転写するための転写ローラ、転写後に感光ドラム上に残留するトナーを除去するためのクリーニングローラ等にも、上記のようなシャフトの外周に半導電性弾性層を形成し、該弾性層の表面にさらに塗膜層を形成した構造の導電性ローラが用いられている。
従来、上記導電性ローラにおいて、塗膜層は、シャフトと弾性層とからなる導電性ローラ基材本体を溶剤系もしくは水系の塗工液中にディップするか、または該塗工液を導電性ローラ基材本体にスプレーした後、熱もしくは熱風で乾燥・硬化して形成されているが、この場合、長時間の乾燥が必要なため、量産には長い乾燥ラインが必要である。また、塗膜層は、その用途から微妙な導電性および表面状態が要求されるが、乾燥ライン内の温度分布および風量等のばらつきが塗膜層の性能に大きく影響するため、品質上の問題があった。
従来、上記導電性ローラにおいて、上記塗膜層は、シャフトと弾性層とからなる導電性ローラ基材本体(基体部)を溶剤系もしくは水系の塗工液中にディップするか、または該塗工液を導電性ローラ基材本体にスプレーした後、熱もしくは熱風で乾燥・硬化して形成される。導電性ローラをディップ塗装するものとしては下記特許文献1に開示されたものがある。
特開2003−76089公報
しかしながら、このような従来のディップ塗装やスプレー塗装方法では、長時間の乾燥が必要なため、量産には長い乾燥ラインが必要であった。また、塗装された塗膜層は、その用途から微妙な導電性および表面状態が要求されるが、乾燥ライン内の温度分布および風量等のばらつきが塗膜層の性能に大きく影響するため、品質上の問題があった。また、導電性ローラ基体部に塗装された塗膜層が、塗装直後に液だれを生じることがある。そのため、別工程にて塗膜層の表面を加熱して乾燥・硬化を行う必要があった。ところが一度で全硬化するのが好適ではあるものの、そのような装置は大規模となって肥大化し、所要スペースも増大して工程も複雑化して時間も要して作業効率が低下していた。また、工程時間の短縮の観点から、連続硬化処理も考えられるが、塗装装置と同一の装置として組み込まねばならず、高エネルギー型で大規模な硬化装置の組込みは実用的でない。
そこで本発明は、このような従来の塗装の諸課題を解決して、導電性ローラ基体部の表面への塗料の塗装後に、ほぼ同時に後処理を行って、液だれを生じることなく、工程時間も短縮できるリングコータ塗装工程の後処理方法を提供することを目的とする。
このため本発明は、導電性ローラの基体部の表面にこの導電性ローラと軸方向に相対移動する塗装装置により塗料を塗布するリングコータ塗装工程時の塗膜硬化方法において、塗装工程の直後に連続して前記ローラの塗膜層に該導電性ローラと軸方向に相対移動する照射手段により紫外線あるいは電子線を照射して硬化させることを特徴とする。
また本発明は、必要に応じて、前記塗膜層の照射による硬化を行ったあと、別工程で紫外線照射手段あるいは電子線照射手段により前記ローラの塗膜層をさらに硬化・架橋することを特徴とする。
また本発明は、前記塗装工程に先立って、塗装工程の直前で同時にプラズマ照射手段、コロナ放電手段あるいは紫外線照射手段により前記ローラの基体部表面を前処理し、前記各手段と導電性ローラとを軸方向に相対移動させて前記前処理と塗装を同時に行うことを特徴とする。また本発明は、前記塗装工程にて塗布される塗料が紫外線硬化型樹脂あるいは電子線硬化型樹脂から構成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
なお、以下の説明において、ロールコータ、ダイコータ、スプレーコータ、リングコータ等の塗装装置を塗装コータと呼ぶ。
本発明によれば、導電性ローラの基体部の表面にこれら導電性ローラと軸方向に相対移動する塗装装置により塗料を塗布するリングコータ塗装工程時の塗膜硬化方法において、塗装工程の直後に連続して前記ローラの塗膜層に該ローラと軸方向に相対移動する照射手段により紫外線あるいは電子線を照射してその場で硬化させることにより、被塗装体を回転させない場合に液だれの影響を受け易いリングコータ塗装においても、塗膜層の液だれを懸念することなく、導電性ローラ等を次工程である紫外線照射手段あるいは電子線照射手段を用いた硬化・架橋工程に持ち込むことができる。
また、本発明によれば、必要に応じて、前記塗膜層の照射による硬化を行ったあと、別工程で紫外線照射手段あるいは電子線照射手段により前記ローラの塗膜層をさらに硬化・架橋するので、硬化・架橋を確実にすることができる。
さらにまた、リングコータ塗装において、前記塗装工程に先立って、塗装工程の直前で同時にプラズマ照射手段、コロナ放電手段あるいは紫外線照射手段により前記ローラの基体部表面を前処理し、前記各手段とローラとを軸方向に相対移動させて前記前処理と塗装を同時に行う場合は、比較的容易に作りだすことができるプラズマ状態の雰囲気中で、導電性ローラ等の基体部表面が改質されて塗料の濡れ性が高まり、塗りむらや厚みの不均一性が解消される。その結果、塗料の密着性が向上して、長期運転時の塗膜層の剥離等の不具合を解消できる。特に、被塗装体を回転させないリングコータ塗装においても、塗装コータとプラズマ照射手段を併置して、トラバース塗装の特性を活かして塗装工程の簡略化に寄与できる。また、コロナ放電を用いた場合は、低電流で大気圧での処理が可能である。
また、リングコータ塗装において、前記塗装工程にて塗布される塗料が紫外線硬化型樹脂あるいは電子線硬化型樹脂から構成された場合は、均一に塗装された導電性ローラ等の基体部表面の塗膜層が、その後の紫外線や電子線の照射により、均一かつ効果的に硬化されて品質が向上する。
以下、本発明のトラバース塗装工程(トラバース塗装とは、回転する導電性ローラに対して、この導電性ローラの軸方向に相対移動する塗装装置により塗料を塗布する塗装方法)の塗膜硬化方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
図6は、本発明に係る塗膜硬化方法によって硬化される製品の例を示す概念斜視図であり、図6(A)は、導電性ローラの例である中実軸型ローラを示し、中実軸型ローラ1は、金属や合成樹脂製の硬質で中実の棒からなる中実軸6の周囲に、弾性体よりなる弾性層5が被覆され、弾性層5の周囲にさらに塗膜層4が形成される。図6(B)は、導電性ローラの他の例であるパイプ型ローラを示し、パイプ型ローラ2は、金属や合成樹脂製の硬質の管状体からなるパイプ軸7の周囲に厚さの薄い弾性体よりなる弾性層5が被覆され、弾性層5の周囲にさらに塗膜層4が形成される。
本発明は、このような中実軸型ローラ1やパイプ型ローラ2に例示される導電性ローラの塗膜硬化方法に係るものであるが、以下に、パイプ型ローラ2を硬化させる場合を例にとって詳細を説明する。
図1は、本発明のトラバース塗装工程の塗膜硬化方法に係る第1実施形態を示すもので、図1はロールコータ塗装工程に採用された平面図である。図2は、図1のD−D断面図である。本発明に係るトラバース塗装工程の塗膜硬化方法の基本的な構成は、図1に示すように、パイプ型ローラ2の基体部(例えば図示の場合は弾性層)5の表面にこれらパイプ型ローラ2等と軸方向に相対移動する塗装装置10により塗料を塗布するトラバース塗装工程時の塗膜硬化方法において、塗装工程の直後で同時にランプ18’等にて前記ローラ1の塗膜層4をトラバース照射して硬化させることを特徴とするものである。
図1に示すように、被塗装体である導電性の弾性ローラ1は、その軸の両端部を軸支する図示省略のローラ駆動モータにより回転されながら、軸方向にトラバース移動する。弾性ローラ1の基体部(図示の場合は弾性層5)の表面に接触あるいは近接(図2の隙間dを設定)するロールコータ10の塗装ロール11により、弾性ローラ1の基体部の表面が塗装される。塗装ロール11の軸と弾性ローラ1の軸とは所定角度θ(θは変更可能)にて交差配置されており、これらの点接触により、パイプ型ローラ2の基体部に、螺旋状に均一に塗りむらが少なく塗布されていく。前記角度θを小さくすれば塗装の螺旋塗膜の幅を大きくすることができる。設計上許容されるなら、弾性ローラ1側を回転のみとしてトラバース移動を不可とし、ロールコータ10側をトラバース移動可能に構成してもよい。
ロールコータ10は、塗料タンク12内に貯溜された塗料中に浸されて配設される塗装ロール11と、塗装ロール11を回転駆動するロール駆動モータ14とから構成される。図2に示すように、ロールコータ10における塗装ロール11の表面は、被塗装体である導電性の弾性ローラ1の表面に接触し、互いに回転する表面同士が点接触して、塗装ロール11の周面の塗料をパイプ型ローラ2の基体部の表面に移載する。このように構成することで、塗膜の厚さの均一化と両者の離脱時における離脱線の解消が図られ、連続しての塗布が可能となって生産性が向上する他、塗りむらの解消や塗膜の厚みの均一化が可能となる。塗装ロール11の周面には微細なグラビア状の凹凸面が形成されており、塗料タンク12から導電性ローラ2の基体部5表面への塗料の移載を容易にする。図2の符号16は、前記グラビア状の凹凸面による塗装ロール11の表面への過剰な塗料の移載が抑制されるように、塗装ロール11の表面から塗料を剥ぎ取るブレードを示すものである。
本発明では、図1に示すように、このような塗装ロール11によるパイプ型ローラ2の基体部(弾性層5)の表面の塗装工程の直後に連続して照射手段18’等にてパイプ型ローラ2の塗膜層4をトラバース照射して硬化させるもので、この塗膜層4がトラバース照射され硬化したパイプ型ローラ2に、必要に応じて、別工程にて紫外線照射手段あるいは電子線照射手段により塗膜層4をさらに硬化するために必要なエネルギーを与えるものである。
このように、塗膜層4を成形した直後に、パイプ型ローラ2の回転したままで、塗膜層4を成形した直後に、照射手段18’で塗布された部分を、少なくとも塗膜層4の寸法変化を抑えることができる程度に硬化させ、しかも、好ましくは、少なくとも、塗布と照射とを同時に並行して行う時間帯が存在するようなプロセスとすることによって、塗装から硬化までの時間を短縮化して硬化するまでの塗膜層4の液だれ等による不均一な形状変化を抑えることができる点に本発明の特徴がある。
しかしながら、このようなトラバースしながらの照射だけでは、製品として、強度等の所定の物性を具えさせるだけの十分な反応エネルギーを塗膜層4を付与することはできない場合もあり、その場合には、このあとの別工程にて、紫外線照射手段あるいは電子線照射手段により塗膜層4を本硬化させることができる。
また、ロールコータ10による塗装に先立って、回転しつつトラバース移動するパイプ型ローラ2の基体部5の表面に、プラズマ照射手段あるいはコロナ放電手段17(図1参照)によりプラズマ照射、コロナ放電あるいは紫外線照射を行い、前記基体部5の表面を改質することで、基体部5を構成するエラストマー等の樹脂材の表面がプラズマ状態の雰囲気中に晒され、エラストマー等の樹脂材の表面が改質されて撥水特性が減少して塗料の濡れ性が高まり、塗りむらや厚みの不均一性が解消される。その結果、塗料の密着性が向上して、長期運転時における塗膜層の剥離等の不具合を解消できる。かくして、均一な厚みの塗装が実現されて、ローラ1の表面品質が向上する。プラズマ照射手段17に代えて、コロナ放電手段を設置すれば、コロナ放電の特性により、低電流で大気圧での表面処理が可能となる。
本発明の導電性ローラの弾性層5は、エラストマーと導電剤とを含み、必要に応じて充填剤等の他の成分を含む。弾性層5に用いるエラストマーとしては、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタンおよびこれらの混合物等が挙げられ、これらの中でも、シリコーンゴム、EPDM、ECOおよびポリウレタンが好ましい。弾性層5には、上記エラストマーを、発泡剤を用いて化学的に発泡させたり、ポリウレタンフォームのように空気を機械的に巻き込んで発泡させたり等して、上記エラストマーを発泡体として用いてもよい。
パイプ軸7と弾性層5とは、反応射出成形法(RIM成形法)を用いて一体化してもよい。すなわち、弾性層5の原料成分を構成する2個のモノマー成分を筒状型内に混合射出し、重合反応させて、パイプ軸7と弾性層5とを一体化することができる。これにより、原料の注入から脱型までの所要時間を短縮し、生産コストを大幅に削減することができる。
また、弾性層5にシリコーンゴムを用いる場合、該シリコーンゴムは、一般的なミラブル型シリコーンゴム(HCR)でも液状シリコーンゴム(LSR)でもよい。なお、液状シリコーンゴムを用いる場合、液状射出成形(LIM:Liquid injection Molding)で弾性層5を形成するのが好ましい。上記液状シリコーンゴムは、ビニル基含有ポリオルガノシロキサンに対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、シリカ等の補強性充填剤、導電剤、白金系触媒、反応抑制剤、シリコーンオイル、その他の各種添加剤を配合してなり、所定の形状のモールドに注入された後、加熱硬化によって成形される。
上記ビニル基含有ポリオルガノシロキサンは、分子中に2個以上の反応基を有し、該反応基としてはアルケニル基および水酸基が挙げられる。該ビニル基含有ポリオルガノシロキサンとしては、下記式1
Figure 0004764150

(式1中、R1 は、それぞれ独立して一価の炭化水素基であり、nは100〜10000の整数である)で表される化合物が好ましい。ここで、R1 における一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびペンチル基等のアルキル基、ビニル基およびアリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基等が挙げられる。
また、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記式2
Figure 0004764150

(式2中、R2 は、それぞれ独立して水素または一価の炭化水素基であり、mは10〜1000の整数である)で表され、分子中に2個以上の珪素−水素結合を有する化合物が好ましい。ここで、R2 おける一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびペンチル基等のアルキル基、ビニル基およびアリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基等が挙げられる。
また、液状シリコーンゴムに含まれる導電剤としては、後述する、弾性層5に一般に用いられる導電剤を使用することができる。白金系触媒としては、塩化第二白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金等が挙げられ、反応抑制剤としては、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
弾性層5に用いる導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤等が挙げられる。電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボンブラック、酸化処理等を施したカラー用カーボンブラック、熱分解カーボンブラック、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープ酸化スズ、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属化合物、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属、ポリアニリン、ポリビニール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウィスカー、黒鉛ウィスカー、炭化チタンウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー、導電性チタン酸バリウムウィスカー、導電性酸化チタンウィスカー、導電性酸化亜鉛ウィスカー等の導電性ウィスカー等が挙げられる。上記電子導電剤の配合量は、上記エラストマー100質量部に対して1〜50質量部の範囲が好ましく、5〜40質量部の範囲がさらに好ましい。
また、上記イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。上記イオン導電剤の配合量は、上記エラストマー100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲が好ましく、0.05〜5質量部の範囲がさらに好ましい。上記導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせてもよい。
弾性層5は、上記導電剤の配合により、その抵抗値を103 〜1010Ωcmとすることが好ましく、104 〜108 Ωcmとすることが好ましい。弾性層5の抵抗値が103 Ωcm未満では、電荷が感光ドラム等にリークしたり、電圧により導電性ローラ自体が破壊する場合があり、1010Ωcmを超えると、地かぶりが発生し易くなる。
弾性層5は、必要に応じて上記エラストマーをゴム状物質とするために、有機過酸化物等の架橋剤、硫黄等の加硫剤を含有してもよく、さらに加硫物剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等を含有してもよい。また、弾性層5は、さらに充填剤、しゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等のゴム用配合剤を含有してもよい。
また、ポリウレタンまたはEPDMを基材として弾性層5を形成する場合、表面上のトナー帯電量をコントロールするために、ニグロシン、トリアミノフェニルメタン、カチオン染料等の各種荷電制御剤、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ナイロン等の微粉体を添加してもよい。ここで、上記荷電制御剤の添加量は、上記ポリウレタンまたはEPDM100質量部に対して1〜5質量部の範囲が好ましく、上記微粉体の添加量は、上記ポリウレタンまたはEPDM100質量部に対して1〜10質量部の範囲が好ましい。
弾性層5の硬度は、特に限定されるものではないが、アスカーC硬度で80度以下であるのが好ましく、20〜70度であるのがさらに好ましい。弾性層5のアスカーC硬度が80ど超えると、導電性ローラと感光ドラム等との接触面積が小さくなり、良好な現像が行えなく虞れがあり、また、導電性ローラを現像ローラとして用いた場合、トナーに損傷を与え、感光ドラムや成層ブレードへのトナー固着等が発生して画像不良が起こり易い。一方、弾性層5が低硬度過ぎると、導電性ローラを現像ローラとして用いた場合、感光ドラムや成層ブレードとの摩擦力が大きくなり、ジッター等の画像不足が発生する虞れがある。なお、弾性層5は、感光ドラムや成層ブレード等に当接して使用されるため、硬度を低硬度に設定する場合でも、圧縮永久歪みをなるべく小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
また、本発明に用いる高分子イオン導電材料としては、例えば、特開平9−227717号公報、特開平10−120924号公報および特開2000−327922号公報に記載されているものを用いることができるが、特に限定されるものではない。
具体的には、(A)有機ポリマー材料、(B)イオン導電可能なポリマーまたはコポリマーおよび(C)無機または低分子量有機塩からなる混合物を挙げることができ、ここで、成分(A)は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステルであり、成分(B)は、オリゴエトキシ化アクリレートもしくはメタクリレート、芳香族環についてオリゴエトキシ化されたスチレン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテル尿素、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルエステルであり、また成分(C)は、無機または低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛またはアンモニウム塩であり、好ましくは、LiClo4 、LiCF3 SO3 、NaClo4 、LiBF4 、NaBF4 、KBF4 、NaCF4 SO3 、KClO4 、KPF6 、KCF3 SO3 、KC4 9 SO3 、Ca(ClO4 2 、Ca(PF6)2 、Mg(ClO4)2 、Mg(CF3 SO3 2 、Zn(ClO4)2 、Zn(PF6)2 、またはCaCF3 SO3 2 等である。
また、本発明においては、基材に対して、機能性成分として他の導電性材料を添加して、補助的に導電性の付与、調整を行うこともできる。かかる導電性材料としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸、ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベルジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウム等の陽イオン界面活性剤:脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCF2 SO2 、NaClo4 、LiBF4 、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca)ClO4 2 等の周期律表第2族の金属塩;およびこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル基、一級乃至二級アミン等)を1個以上有するもの等が挙げられる。さらに、これらと多価アルコール(1、4−ブタジエンオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘導体との錯体、あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体等のイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーブン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等を例示することができる。
これら他の導電性材料の添加量は、基材100重量部に対して好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部程度である。本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分に加えて他の機能性成分を適宜添加することも可能であり、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することができる。さらに、着色剤を添加して、導電性ローラに着色を施してもよい。
塗装に先立つパイプ型ローラ2の基体部5の表面へのプラズマ照射、コロナ放電あるいは紫外線照射手段は、塗装のためのロールコータ10等を退避させた状態にて、パイプ型ローラ2を回転させつつ矢印Aのようにトラバース移動させて行ってもよいし、トラバース塗装の利点を活かして、ロールコータ10等のトラバース塗装手段を作動させて塗装を行いつつローラ1の先行側にてプラズマ照射あるいはコロナ放電を行ってもよい。この場合は、プラズマ照射等の後の改質面に速やかに塗装を施すことができてトラバース塗装の利点を最大限に活かせる上に、塗装工程時間の大幅な短縮が可能となる。
このようなプラズマ照射、コロナ放電あるいは紫外線照射手段による前記前処理方法により改質されたパイプ型ローラ2等の基体部5表面に、ロールコータ10等のトラバース塗装手段により塗料が高い密着性により、塗りむら、厚みの不均一を生じることなく確実に塗布される。
本発明の塗膜層4は、紫外線または電子線硬化型樹脂および/または化合物が好適に用いられるが、非紫外線または非電子線硬化型樹脂を含んでもよい。上記塗工液は、反応性希釈剤、導電剤を含むのが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型化合物の場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を含むのが好ましい。その他、必要に応じて公知の添加剤を含んでもよく、また、溶剤を含まないのが好ましい。
塗膜層4に用いる紫外線または電子線硬化型樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルエステル系樹脂およびこれら樹脂に特定の官能基を導入した変性樹脂等が挙げられ、これら樹脂は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
上記紫外線または電子線硬化型樹脂は、紫外線または電子線により重合可能な樹脂および/または化合物、好ましくは、紫外線または電子線により重合可能な炭素原子間二重結合を有する樹脂および/または化合物を紫外線または電子線照射により硬化させてなる。上記紫外線または電子線により重合可能な樹脂および/または化合物は、(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマーが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマーとしては、ウレタン系(メタ)アクリレート、エポキシ系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、エステル系(メタ)アクリレート、ポリカーボネート系(メタ)アクリレート、シリコーン系(メタ)アクリレート等のモノマーおよびオリゴマーが挙げられる。
塗膜層4の形成に用いる塗工液には、さらに必要に応じて重合性二重結合を有する反応性希釈剤、導電剤等の各種添加剤を配合してもよい。塗工液に重合性二重結合を有する反応性希釈剤を配合することで、塗工液の粘度を調整することができる。該反応性希釈剤としては、アミノ酸や水酸基を含む化合物に、(メタ)アクリル酸がエステル化反応およびアミド化反応で結合した構造の単官能、2官能または多官能の重合性化合物を使用することができる。トラバース塗装方法においては、上記反応性希釈剤の配合量は、上記紫外線により重合可能な樹脂および化合物の合計100質量部に対して10〜200質量部の範囲が好ましい。
また、上記塗工液に用いる導電剤としては、弾性層用導電剤として例示したものと同様のものを例示することができる。それらの中でも、カーボン系電子導電剤、イオン導電剤および透明導電剤が好ましい。
塗膜層4の形成に用いる塗工液には、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤を配合するのが好ましい。該光重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよび3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4、4−ジメトキシベンゾフェノン、4、4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾオイル)−2,4.4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,66−トリメチリルベンゾオイル)フェニルホスソフィンオキシド、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1等が挙げられる。これら光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗膜層4の形成に用いる塗工液に光重合開始剤を配合する場合、光重合開始剤による重合反応を促進するために、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン系光重合促進剤、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系光重合促進剤。チオジグリコール等のチオエーテル系光重合促進剤等をさらに添加してもよい。これら光重合促進剤の添加量は、紫外線により重合可能な樹脂および化合物の合計100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲が好ましい。
塗膜層4の厚さは、1から100μmの範囲がさらに好ましく、5〜100μmの範囲がより一層好ましい。塗膜層4の厚さが1μm未満では、長期使用時の摩擦によりローラ等の表面の電気性能を充分に確保することができない場合があり、100μmを超えると、表面が硬くなり、トナーにダメージを与えて感光ドラムへのトナーの固着が発生して、画像不良を引き起こす場合がある。
本発明の塗膜硬化方法が適用されるトラバース塗装方法としては、第1実施形態にて説明したロールコータ塗装方法の他、図3に示すようなダイコータ塗装方法にも適用され、これを第2実施形態として以下に説明すると、パイプ型ローラ2に併設して配置されたダイコータ20は、上部および下部ダイヘッド21、22から構成され、これらの間の隙間の吐出縁27から吐出される塗料により、回転するパイプ型ローラ2の基体部(弾性層5)の表面を軸方向にトラバース移動しながら塗装するものである。前記ダイコータ20の吐出縁27には、定量ポンプ26から供給された塗料が供給管23を通じて送出される。パイプ型ローラ2の塗膜層4に対してダイコータ20が軸方向にトラバース移動して(実際にはパイプ型ローラ2が軸移動する)全域が塗装される。次いで、軸方向にトラバース移動するランプ18’等により塗膜層4が硬化され、次の本硬化のための硬化・架橋工程に持ち込まれる。本実施形態でも、前記実施形態のものと同様に、塗装に先立って、パイプ型ローラ2の基体部5の表面へのプラズマ照射あるいはコロナ放電がなされてもよい。
図4は、本発明の塗膜硬化方法が適用されるトラバース塗装方法としてスプレーコータ塗装方法に適用された第3実施形態を示す正面図である。本実施形態のものは、パイプ型ローラ2に併設して配置されたスプレーコータ40から放射状に吐出される塗料によって、ローラ駆動モータ19により回転するパイプ型ローラ2の基体部5の表面に塗膜層4が形成されるものである。図示の例ではパイプ型ローラ2は回転するのみで、スプレーコータ40が軸方向にトラバース移動する。スプレーコータ40は前記パイプ型ローラ2の回転軸と平行に配置された螺子棒45の回転によって軸方向に移動する。スプレーコータ40への塗料の供給は、塗料タンク41から送液ポンプ42により供給されて還流管により余分な塗料が塗料タンク41に戻るように構成される。また、スプレー噴霧のためにスプレーコータ40にはエアタンク43が接続されて高圧が供給される。
このような構成により、塗装されてパイプ型ローラ2の表面に形成された塗膜層4が、ランプ18’等の軸方向のトラバース移動により硬化され、次の硬化・架橋工程に持ち込まれる。なお、本実施例では、スプレーコータ40が軸方向へトラバース移動するように構成されたが、パイプ型ローラ2側がトラバース移動するように構成してもよい。その場合は、ランプ18’等や、前記実施例のものでも採用された塗装の前処理のためのプラズマ照射手段あるいはコロナ放電手段も静止構成とされる。
図5は、本発明の塗膜硬化方法が適用されるトラバース塗装方法としてリングコータ塗装方法に適用された第4実施形態を示す正面図である。本実施例のものは、鉛直方向に配置されたパイプ型ローラ2の基体部(弾性層5)の表面の周囲を取り囲んでリングコータ30が配設され、パイプ型ローラ2の基体部の表面が塗装される。リングコータ30には、塗料供給源であるシリンダ中の供給ピストン34により塗料が供給される。リングコータ30は、上下一対の環状の上部ヘッド31および下部ヘッド32から構成される。これらの重ね合せ面には、環状の圧力室33と塗料の吐出路37が形成されている。したがって、環状の吐出路37から吐出された塗料により、被塗装体である導電性のパイプ型ローラ2の基体部(弾性層5)の表面の全周が一度に塗装される。次いで、弾性ローラ1を矢印Aのように上方へ引き抜いていくことで、パイプ型ローラ2の表面の全域が塗装される。
本発明では、このようなリングコータ30によるパイプ型ローラ2の基体部の表面に塗装された塗膜層4に塗装直後に連続して、照射手段18’等の軸方向のトラバース移動により硬化され、次の硬化・架橋工程に持ち込まれる。なお、本実施例では、パイプ型ローラ2が軸方向へトラバース移動するように構成されたが、リングコータ30および照射手段18’等がトラバース移動するように構成してもよい。また、このリングコータ塗装では、被塗装体であるパイプ型ローラ2が回転しない場合には、前記照射手段18’がリングコータ30のように全周囲を照射するように構成してもよいし、図示のような照射手段18’が周囲を走査するように構成してもよい。
塗膜層4の形成に用いる塗工液には、さらに必要に応じて重合性二重結合を有する反応性希釈剤、導電剤等の各種添加剤を配合してもよいことを先に説明したが、、リングコータ塗装の場合、反応性希釈剤はなくてもよいが、配合する場合、配合量は上記紫外線により重合可能な樹脂および化合物の合計100質量部に対して200質量部以下の範囲が好ましい。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、導電性ローラ等の種類(帯電ローラ、現像ローラ等)、層状形態を含む形状、形式(弾性ローラ、パイプ型ローラ等)、トラバース塗装形態(好適には被塗装体である導電性ローラ側を軸移動させるが、ロールコータ等の塗装ロール側を軸移動させてもよい)、導電性ローラの回転形態、トラバースおよび回転駆動のためのアクチュエータの形態(電動、流体、磁気等の駆動源の種類およびラックとピニオン、ピストンとシリンダ等)、ランプ等の形状、形式およびその照射形態(導電性ローラがトラバース移動するときは静止、導電性ローラが静止回転のときはトラバース照射等)、紫外線照射手段および電子線照射手段ならびにプラズマ照射手段およびコロナ放電手段の形状、形式およびそれらの照射形態(前記ランプと同様)、放電形態、設置形態、導電性ローラ等の基体部の軸あるいはパイプ軸への固着形態、基体部の材質および導電剤の含有量等の添加形態、紫外線硬化型樹脂あるいは電子線硬化型樹脂等の塗料への含有量等の添加形態、トラバース塗装方法の種類(好適には、ロールコータが採用されるが、ダイコータあるいはスプレーコータ等も採用され得る)等については適宜選択することができる。
先の第1〜第4の実施形態にて説明した種々の塗装コータを用いてトラバース塗工を行いながら連続的にこれらを硬化されて塗膜層4を形成し複数の種類の導電性ローラ2を作成し、これらを実施例1〜6とした。また、トラバース塗工によることなく、硬化を連続的に行わない方法によっても、複数の種類の導電性ローラを作成し、これらを比較例1、とした。これらの8種類のローラについて、塗膜層の膜厚さバラツキ、および、碁盤目密着(残り目/切り目)評価を行った。それぞれの例の導電性ローラに関し、それらの形成方法、塗膜層形成プロセスにおけるパラメータ、並びに、前記測定結果を表1に示した。
Figure 0004764150
表1において、UVとは紫外線を意味し、EBとは電子線を意味する。また、碁盤目密着(残り目/切り目)評価とは、JIS K-5400に準じて碁盤目テープ剥離試験を行い、切り目に対する残り目の数にて密着性を評価する方法をいい、残り目の数が多いほど密着性が高いことを意味する。
表1において、UV(もしくはEB)トラバース照射速度とは、紫外線(UV)照射手段(もしくは電子線(EB)照射手段)をローラに対して相対的にトラバースさせる速度を言い、UVトラバース照射強度もしくはEBトラバース照射線量とは、UVもしくはEB照射装置から照射される単位時間、単位面積当たりのエネルギー量であり、また、UV照射積算強度もしくはEB照射線量とは、このエネルギー量を時間で積分した総量をいう。
表1から明らかなように、実施例のものはいずれも、塗膜層の膜厚さバラツキの点においても、耐密着性すなわち硬化の度合いの点においても、比較例のものに対比して優れていることがわかる。
本発明に係るトラバース塗装工程の塗膜硬化方法の第1実施形態を示すもので、ロールコータ塗装工程に採用された平面図である。 図1のD−D断面図である。 本発明に係るトラバース塗装工程の塗膜硬化方法の第2実施形態を示すもので、ダイコータ塗装方法を示す斜視図である。 本発明に係るトラバース塗装工程の塗膜硬化方法の第3実施形態を示すもので、スプレーコータ塗装の正面図である。 本発明に係るトラバース塗装工程の塗膜硬化方法の第4実施形態を示すもので、リングコータ塗装の正面図である。 本発明によって製造される製品の例を示す概念斜視図である。
符号の説明
1 中実軸ローラ(導電性ローラ)
2 パイプ軸ローラ(導電性ローラ)
3 導電性ベルト
4 パイプ軸ローラの塗膜層
5 パイプ軸ローラの弾性層(基体部)
10 ロールコータ
11 塗装ロール
14 ロール駆動モータ
17 プラズマ照射手段(あるいはコロナ放電手段)
18’ 照射手段(ランプ等)

Claims (4)

  1. 導電性ローラの基体部の表面にこの導電性ローラと軸方向に相対移動する塗装装置により塗料を塗布するリングコータ塗装工程時の塗膜硬化方法において、
    塗装工程の直後に連続して前記導電性ローラの塗膜層に該導電性ローラと軸方向に相対移動する照射手段により紫外線あるいは電子線を照射して硬化させることを特徴とするリングコータ塗装工程の塗膜硬化方法。
  2. 前記塗膜層の照射による硬化を行ったあと、別工程で紫外線照射手段あるいは電子線照射手段により前記ローラの塗膜層をさらに硬化・架橋することを特徴とする請求項1に記載のリングコータ塗装工程の塗膜硬化方法。
  3. 前記塗装工程に先立って、塗装工程の直前で同時にプラズマ照射手段、コロナ放電手段あるいは紫外線照射手段により前記導電性ローラの基体部表面を前処理し、前記各手段と導電性ローラとを軸方向に相対移動させて前記前処理と塗装とを同時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のリングコータ塗装工程の塗膜硬化方法。
  4. 前記塗装工程にて塗布される塗料が紫外線硬化型樹脂あるいは電子線硬化型樹脂から構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリングコータ塗装工程の塗膜硬化方法。
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