JP4763386B2 - Mimoフェージングシミュレータ - Google Patents
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V. Erceg他、「TGn Channel Models」IEEE 802.11-03/940r4、2004年5月。
1.複数のアナログ入出力回路における回路特性のばらつきや回路による歪により設定した通りのチャネルモデルを実現できない。
2.アンテナ指向性及び素子間結合係数を考慮に入れることができないので、オムニアンテナ以外のアンテナを使用した場合のMIMOチャネルを高精度に実現できない。
以上の点を考慮すると、アナログ入出力回路における回路特性のばらつきや回路による歪を補償でき、アンテナ指向性及び素子間結合係数を考慮に入れてチャネル係数を生成できるMIMOフェージングシミュレータは存在しない。
上記M個の入力端子からの入力信号を複素ベースバンド入力信号に変換するM個のダウンコンバータと、Mは正の整数であり、
上記複素ベースバンド入力信号に対し、上記ダウンコンバータが生成した歪の補償を行って校正後入力信号として出力するM個の入力校正回路と、
上記M個の入力校正回路からの上記校正後入力信号が与えられ、M入力−N出力間にMN個のチャネルをそれぞれJタップの有限インパルス応答フィルタ、以下FIRフィルタと呼ぶ、で形成するチャネル形成回路と、N、Jは正の整数であり、
MN個の上記FIRフィルタにそれぞれのチャネルの特性をシミュレートするJ個のチャネル係数を与えるチャネル係数生成器と、
上記チャネル形成回路のN個の出力が与えられ、それぞれ歪補償を行って複素ベースバンド信号である校正後出力信号として出力するN個の出力校正回路と、
上記N個の出力校正回路の校正後出力信号をそれぞれアップコンバートして上記N個の出力端子に出力するN個のアップコンバータ、
とを含み、上記チャネル係数生成器は、上記M個の送信アンテナとN個の受信アンテナのアンテナ指向性および素子間結合係数を含んだアンテナ・空間相関係数に基づいてそれぞれ上記J個のチャネル係数を生成して上記MN個のFIRフィルタに対し設定し、上記N個の出力校正回路は上記チャネル形成回路のN個の出力に対し、上記N個のアップコンバータが生成する歪をそれぞれ補償するよう処理を行って上記校正後出力信号を生成し、
上記チャネル係数生成器は、
複素ガウス乱数を生成するMNJ個の複素ガウス乱数生成器と、
上記複素ガウス乱数に対し設定したドップラースペクトルと成るように重み付け係数を畳み込み演算するMNJ個のドップラーフィルタと、
上記アンテナ指向性及び上記素子間結合係数を用いてアンテナ・空間相関係数を生成して出力するアンテナ・空間相関係数生成器と、
上記ドップラーチャネル係数に上記アンテナ・空間相関係数を乗算して相関チャネル係数を生成するJ個のアンテナ・空間相関係数乗算器と、
上記相関チャネル係数に対し、設定した電力遅延プロファイルに基づいてパス振幅を乗算するMNJ個のパス電力乗算器と、
上記パス電力乗算器の出力に設定した見通し成分と蛍光灯によるチャネル変動成分を加算するMNJ個の見通し成分加算器および蛍光灯加算器と、
その加算結果に伝搬及びシャドウィングによる減衰係数を乗算して乗算結果を補間前チャネル係数として出力するMNJ個のパスロス乗算器と、
上記補間前チャネル係数に対して補間を行ってMN組の上記J個のチャネル係数を出力するMNJ個の補間器と、
を含むように構成されている。
図1に示されるように、本発明に係るMIMOフェージングシミュレータは、M個の入力端子11〜1Mに接続されたM個のダウンコンバータ21〜2Mと、M個のアナログ・ディジタル変換器(以下、ADCと呼ぶ)31〜3Mと、M個の入力校正回路41〜4Mと、チャネル形成回路5と、チャネル係数生成器7と、 N個の加算器81〜8Nと、N個の雑音生成器91〜9Nと、N個の出力校正回路101〜10Nと、N個のディジタル・アナログ変換器(以下、DACと呼ぶ)111〜11Nと、N個のアップコンバータ121〜12Nと、N個の出力端子151〜15Nに接続されたN個の可変減衰器131〜13Nから構成される。
チャネル形成回路5はM入力−N出力間にMN個のチャネルを形成する回路であり、各入力端子1m(m=1, 2, …, M)に対応して設けられたN個のチャネルの伝送特性を規定するN個のFIRフィルタ5m1〜5mNと、各出力端子15n(n=1, 2, …, N)に対応して設けられたM入力加算器6nとから構成されている。
入力校正回路4m(m=1, 2, …, M)の構成を図2に示す。入力校正回路4mは、歪補償回路4Aと歪学習回路4Bから構成される。m番目のダウンコンバータ2mの入力信号をst mとし、ダウンコンバータ2mのDCオフセットを表す2次元のベクトルをad mとし、IQインバランスおよびチャネル間偏差を表す2行2列の行列をDmとすると、ダウコンバータ2mの出力、従ってADC3mの出力sbb mは次式で表される。
歪学習回路4Bでは、以下の3つのステップによりダウンコンバータ2mのDCオフセットを表す2次元のベクトルad mとIQインバランスおよびチャネル間偏差を表す2行2列の行列Dmを求める。
(a) 第1のステップとして基準信号発生器(図示せず)を入力端子1mに接続する。
(b) 第2のステップとして基準信号発生器の出力をオフにした状態、即ちst m=0の状態でADC3mの出力信号
を観測し、式(1) におけるDCオフセットを表すベクトルad mを推定する。
(c) 第3のステップとして基準信号発生器より予め決められた校正用のトレーニング信号
を入力してADC3mの出力sbb mを測定し、式(1) によりIQインバランスおよびチャネル間偏差を表す行列Dmを推定する。
入力歪補償回路4Aでは以下の式(3) によりADC3mの出力信号sbb mに対してDCオフセットとIQインバランスおよびチャネル間偏差Dmの補償を行い、校正後入力信号
を出力する。
ここでは基準信号発生器を入力端子1mに接続したが、図3に示した出力校正回路10nのトレーニング信号生成回路10Bにおいて出力歪補償を行ったトレーニング信号を生成し、信号選択スイッチ10Cをトレーニング信号生成回路10B側に切り替え、出力端子15nを入力端子1mに結線することによっても同様の校正を行うことができる。
となる。さらに、M入力加算器6nは、smn(tk)をmに関してM個加算してn番目の出力端子15nから出力されるチャネル受信信号yn(tk)を生成する。チャネル受信信号yn(tk)は
となる。
rn(tk)=yn(tk)+wn(tk) (6)
を出力する。
sn=Mnrt n+Mnau n (7)
と表される。そこで、歪学習を行う場合は、入力校正回路4mの歪学習回路4Bを使って、以下の4つのステップによりアップコンバータ12nのMnとau nを求める。
(b) 第2のステップとしてトレーニング信号生成回路10Bの出力をオフにした状態、即ちrt n=0の状態で、歪学習回路4Bにより校正後入力信号smを観測する。ダウンコンバータ2mの歪は入力歪補償回路4Aにより補償されているのでsm=snである。従って、式(7)によりDCオフセットを表すベクトルau nとIQインバランスおよびチャネル間偏差を表す行列Mnの積を推定することができる。
(c) 第3のステップとしてトレーニング信号生成回路10Bにより予め決められた校正用のトレーニング信号
を出力し、その状態で歪学習回路4Bにより校正後入力信号smを観測して式(7) によりIQインバランスおよびチャネル間偏差を表す行列Mnを推定する。
(d) 第4のステップとして、第2のステップで推定したMnau nと第3のステップで推定したMnからDCオフセットを表すベクトルau nを求める。得られたMnとau nは出力校正回路10nの出力歪補償回路10Aに与えられる。
出力歪補償回路10Aでは以下の式(9) により加算器8nの出力信号ベクトル
に対してDCオフセットとIQインバランスおよびチャネル間偏差の補償を行い、校正後出力信号
を出力する。
ここでは出力端子15nを入力端子1mに結線し、歪学習回路4BでDCオフセットとIQインバランスおよびチャネル間偏差を学習したが、出力端子15nに信号解析器を接続して信号の解析を行うことによっても同様の校正を行うことができる。
となる。さらに、送信と受信アンテナの素子間結合を表す係数行列をそれぞれM行M列のQt、N行N列のQrとすると、アンテナ・空間相関係数行列Rは、
となり、アンテナ指向性、電力角度スペクトラム、素子間結合、アレイ応答ベクトルを設定することで、アンテナ・空間相関係数を計算できる。Rは、パス毎に電力角度スペクトラムを設定することで、パス毎に異なったものを生成することも可能である。
となる。
Claims (4)
- M個の入力端子とN個の出力端子を有し、M個の送信アンテナとN個の受信アンテナ間の伝送路特性をシミュレートするMIMOフェージングシミュレータにおいて、
上記M個の入力端子からの入力信号を複素ベースバンド入力信号に変換するM個のダウンコンバータと、Mは正の整数であり、
上記複素ベースバンド入力信号に対し、上記ダウンコンバータが生成した歪の補償を行って校正後入力信号として出力するM個の入力校正回路と、
上記M個の入力校正回路からの上記校正後入力信号が与えられ、M入力−N出力間にMN個のチャネルをそれぞれJタップの有限インパルス応答フィルタ、以下FIRフィルタと呼ぶ、で形成するチャネル形成回路と、N、Jは正の整数であり、
MN個の上記FIRフィルタにそれぞれのチャネルの特性をシミュレートするJ個のチャネル係数を与えるチャネル係数生成器と、
上記チャネル形成回路のN個の出力が与えられ、それぞれ歪補償を行って複素ベースバンド信号である校正後出力信号として出力するN個の出力校正回路と、
上記N個の出力校正回路の校正後出力信号をそれぞれアップコンバートして上記N個の出力端子に出力するN個のアップコンバータと、
を含み、
上記チャネル係数生成器は、上記M個の送信アンテナとN個の受信アンテナのアンテナ指向性および素子間結合係数を含んだアンテナ・空間相関係数に基づいてそれぞれ上記J個のチャネル係数を生成して上記MN個のFIRフィルタに対し設定し、上記N個の出力校正回路は上記チャネル形成回路のN個の出力に対し、上記N個のアップコンバータが生成する歪をそれぞれ補償するよう処理を行って上記校正後出力信号を生成し、
上記チャネル係数生成器は、
複素ガウス乱数を生成するMNJ個の複素ガウス乱数生成器と、
上記複素ガウス乱数に対し設定したドップラースペクトルと成るように重み付け係数を畳み込み演算するMNJ個のドップラーフィルタと、
上記アンテナ指向性及び上記素子間結合係数を用いてアンテナ・空間相関係数を生成して出力するアンテナ・空間相関係数生成器と、
上記ドップラーチャネル係数に上記アンテナ・空間相関係数を乗算して相関チャネル係数を生成するJ個のアンテナ・空間相関係数乗算器と、
上記相関チャネル係数に対し、設定した電力遅延プロファイルに基づいてパス振幅を乗算するMNJ個のパス電力乗算器と、
上記パス電力乗算器の出力に設定した見通し成分と蛍光灯によるチャネル変動成分を加算するMNJ個の見通し成分加算器および蛍光灯加算器と、
その加算結果に伝搬及びシャドウィングによる減衰係数を乗算して乗算結果を補間前チャネル係数として出力するMNJ個のパスロス乗算器と、
上記補間前チャネル係数に対して補間を行ってMN組の上記J個のチャネル係数を出力するMNJ個の補間器と、
を含む、
ことを特徴とするMIMOフェージングシミュレータ。 - 請求項1記載のMIMOフェージングシミュレータにおいて、
M個の上記ダウンコンバータの出力をそれぞれディジタル信号に変換してM個の上記入力校正回路に与えるM個のアナログ・ディジタルコンバータと、
それぞれ雑音を発生するN個の雑音生成器と、
上記N個の雑音発生器からの雑音をそれぞれ上記チャネル形成回路のN個の出力に加算して加算結果をN個の上記出力校正回路にそれぞれ入力するN個の加算器と、
N個の上記出力校正回路からの上記校正後出力信号をアナログ信号に変換してN個の上記アップコンバータにそれぞれ与えるN個のディジタル・アナログコンバータと、
N個の上記アップコンバータの出力のレベルをそれぞれ調整して出力するN個の可変減衰器、
とを更に含むことを特徴とするMIMOフェージングシミュレータ。 - 請求項1記載のMIMOフェージングシミュレータにおいて、各上記入力校正回路は、学習により対応する上記ダウンコンバータのDCオフセットとIQインバランスを推定する歪学習回路と、上記推定したDCオフセットとIQインバランスを補償するよう上記ダウンコンバータからの信号を処理して上記校正後入力信号を生成する入力歪補償回路とを含むことを特徴とするMIMOフェージングシミュレータ。
- 請求項3記載のMIMOフェージングシミュレータにおいて、各上記出力校正回路は既知のトレーニング信号を生成するトレーニング信号生成回路と、上記チャネル形成回路の対応する出力信号を処理して上記校正後出力信号を生成する出力歪補償回路とを含み、歪学習時に上記トレーニング信号生成回路のトレーニング信号を上記N個の出力端子の対応する1つから上記M個の入力端子の任意の1つに入力して上記アップコンバータのDCオフセットとIQインバランスを上記入力校正回路の上記歪学習回路を使って学習により推定し、上記出力歪補償回路は、推定した上記アップコンバータのDCオフセットとIQインバランスに基づいて上記チャネル形成回路の対応する出力信号を処理して上記校正後出力信号を生成することを特徴とするMIMOフェージングシミュレータ。
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