JP4763142B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴(以下、NMRと略記する)現象を利用して被検体の所望部位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に同時にTEに依存した像を複数枚得ることが可能なMRI装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、NMR現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密度分布、緩和時間分布等を計測して、その計測データから被検体の任意の断面を画像表示するものである。
【0003】
このようなMRI装置における基本的な撮像法は、RF(高周波)パルス印加によって被検体の原子核スピンを励起した後、位相エンコードを付与した1つのエコー信号を計測し、位相エンコード傾斜磁場の強度を変えながら繰り返し、1枚の画像の再構成に必要な位相エンコード数のエコーを得るというものである。この場合、1枚の画像を得る時間は繰り返し時間TR×位相エンコード数に依存している。
【0004】
これに対し撮像時間短縮を図った高速撮像法として、1回の原子核スピンの励起で複数のエコーを取得するエコープラナーイメージング(以下、EPIと略す)法がある。EPI法では、1回のRF照射(ショット)後の信号収集時に傾斜磁場の反転を何度も繰り返して多数のグラジエントエコーをつくりk空間のすべてのラインを埋める方法である。この方法は、極めて高速に1枚の画像を構成するデータを収集できるという利点があるが、エコー時間TE(RF照射からエコー信号発生までの時間)の長いエコーほど磁場変動の影響を受けやすい。k空間のデータを数ショットに分けて収集する分割EPI(或いはマルチショットEPI)もある。
【0005】
また時間分解能を短縮する方法としてハーフスキャン(Half scan)法がある。この方法ではk空間の、位相方向に対して、約半分(50%以上)または3/4のデータのみを計測し、これら計測データから残りの非計測領域のデータを推定して画像を作成する方法であり、同じ空間分解能の画像を短時間で得ることができる。そのかわりS/Nは低下する。
【0006】
一方、前述したようにEPI法で得られる複数のエコー信号は、エコー時間に依存して各エコーがもつ情報の性質が異なるので、これを利用して、1回のショットで同一エンコードに位相エンコードされたTEの異なる複数のエコーを取得し、それぞれから性質の異なる画像を得る方法も提案されている。この方法は前述した基本的には古典的な撮像方法と同じであり、性質の異なる画像を再構成するために、位相エンコード数分のステップを繰り返す必要があり、時間短縮を図ることはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものであり、複数の高分解能画像を短時間で同時に撮像することができ、診断価値の高い情報を提供することが可能なMRI装置を提供することを目的とする。また本発明は、撮像前、撮像中または撮像後に使用者の設定によって任意に希望する画像の種類(性質)や数を設定することが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明のMRI装置は、被検体が置かれる空間に静磁場を与える静磁場発生手段と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する手段と、前記傾斜磁場発生手段、送信系及び受信系を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段とを備え前記制御手段は、1つの高周波パルスを印加した後に、位相エンコードとエコー時間の異なる複数のエコー信号を発生させるパルスシーケンスを実行し、エコー時間毎のk空間データを作成し、前記エコー時間の異なる複数のエコー信号の数よりも多く各k空間を位相エンコード方向に分割して、計測された前記エコー時間の異なるエコー信号毎に、該エコー時間に対応するk空間に配置する分割領域を異ならせてそれぞれ配置して前記エコー時間毎のk空間データを作成し、その際、該各k空間へのエコー信号の配置領域は少なくとも低周波分割領域を含むように構成される。
そして、前記エコー時間毎のk空間データについて、その非計測の分割領域を、他のk空間データの同一の分割領域における計測されたデータで補う。
好ましくは、各k空間ータの組み合わせがk空間全領域を構成するものとなるように前記位相エンコード傾斜磁場を制御するように構成される。
【0009】
このような本発明のMRI装置によれば、エコー時間の異なるエコー信号毎のk空間データを用いて画像再構成することにより、エコー時間に依存して性質の異なる複数の画像を得ることができる。また各画像を再構成するためにk空間の一部の領域のみを測定するので、撮像時間の短縮を図ることができ、時間分解能を向上した高分解能画像を得ることができる。
【0010】
本発明のMRI装置の好適な態様によれば、制御手段は、前記パルスシーケンスの実行の際に、高周波パルス印加後に計測するエコー信号の数及び/または複数のエコー時間を設定する手段を備え、設定されたエコー信号またはエコー時間の数に応じて前記エコー信号毎の領域を設定する。
【0011】
これによりユーザーは、画像データ連続取得中においても、設定により任意に表示する画像の性質や数を変更することができる。
さらに本発明のMRI装置の好適な態様によれば、各エコー信号毎のk空間データについて、非計測の領域のデータを他のk空間データの該当する領域のデータで補い、画像再構成し、エコー時間に依存して性質の異なる複数画像を表示させる。
【0012】
これにより画像のSNを劣化させることなく、診断に有効な画像を提供できる。また非計測の領域を他のk空間データ(即ちTEの異なるデータ)で補充しても、そのk空間データの低周波領域は、同じTEで計測したエコーで占められているので、そのTEに依存した画像の性質を損ねることがない。
【0013】
本発明のMRI装置は、二次元計測および三次元計測のいずれであっても適用できる。特に時間と共に変化する組織、形態を描出するための連続計測に好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明によるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、静磁場発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えている。
【0015】
静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段から成る。この静磁場発生磁石2に囲まれる磁場空間内に後述する傾斜磁場発生系3の傾斜磁場コイル9、送信系5の高周波コイル14a、受信系6の高周波コイル14bが設置される。
【0016】
傾斜磁場発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシーケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス面を設定することができ、エコー信号をエンコードすることにより位置情報を付与することができる。
【0017】
シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5、傾斜磁場発生系3および受信系6に送るようになっている。
【0018】
送信系5は、シーケンサ4の制御により被検体1の生体組織を構成する原子の原子核にNMRを起こさせるために高周波磁場を照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4の命令にしたがって変調器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に照射される。
【0019】
受信系6は、被検体1の生体組織の原子核のNMRにより放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、被検体1に近接して配置された受信側の高周波コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16とA/D変姿器17とから成る。高周波コイル14bが検出したエコー信号は、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力してディジタル量に変換され、さらにシーケンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16 によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系7に送られる。
【0020】
信号処理系7は、CPU8と、磁気ディスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ20と、マウス、キイボード等の入力装置25から成り、受信系6からの信号をCPU8でフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成の処理を行い、任意断面の信号強度分布や複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20に表示する。
【0021】
CPU8は、上述したように信号処理系7の一部として画像再構成に必要な各種演算を行う他、装置全体の制御系としても機能し、入力装置25を介して設定された撮像条件に従ってシーケンサ4に撮像に必要な指令を送る。撮像法によって決まるパルスシーケンスは、CPU8に備えられた記憶装置にプログラムとして組み込まれており、撮像法が選択されると、選択されたパルスシーケンスに則ってシーケンサ4が傾斜磁場コイル、高周波コイル、受信系6を動作させる。
【0022】
次にこのように構成されるMRI装置による撮像法の一実施形態を説明する。
この実施形態では、パルスシーケンスの一つとしてマルチエコーEPI法によるパルスシーケンスが組み込まれており、このパルスシーケンスでハーフスキャン計測を実行し、複数のTEに依存した画像を取得する。
【0023】
図2は、CPU8における制御フローの一例を示す図である。図示するように、入力装置25を介してマルチエコーEPI法による撮像が選択されると(ステップ201)、ユーザーに撮像条件の入力を促す。入力装置25により、例えば、所望の画像の種類、数が設定されると、それに対応した条件、即ち1ショットで計測するエコー数やエコー時間を決定するとともにエコー毎に計測するk空間データの領域を設定する(ステップ202、203)。k空間は、位相エンコード傾斜磁場の位相エンコード量を縦軸、読み出し傾斜磁場のデータ番号を横軸とするデータ空間であり、具体的にはパルスシーケンスに含まれる位相エンコード傾斜磁場の強度によって規定することができる。この領域決定の仕方については後に詳述する。
【0024】
CPU8はまた、画像の種類やエコー数が設定されると、その数に対応するフレームメモリーを作成する(ステップ204)。このフレームメモリにエコー時間の異なるエコー毎のk空間データが格納される。このように条件が設定されると、シーケンサ4に指令を送り、撮像を開始する(ステップ205)。
【0025】
以下、1回の励起で2つのエコー信号を計測するマルチエコーEPI撮像を例にして説明する。図3に、本実施形態による撮像のフローを、図4に、パルスシーケンスの一例を示す。
【0026】
まず被検体を静磁場磁石内の測定空間に配置し、図4のパルスシーケンスに従いマルチエコーEPIのハーフスキャン計測を実行する(ステップ301)。即ち、所定の撮像領域を励起するために高周波パルス401と、スライス選択傾斜磁場402を印加する。次いで位相エンコード傾斜磁場403を印加し、読み出し傾斜磁場404、405の極性を反転させながら印加することによりエコー時間TE1で第1のエコー406を計測する。さらに位相エンコード傾斜磁場407を印加した後、さらに極性を反転させた読み出し傾斜磁場408を印加してエコー時間TE2で第2のエコー409を計測する。最後にスピンの状態を元に戻すための傾斜磁場410〜412を印加する。
【0027】
このようなステップを位相エンコード傾斜磁場403の大きさを変えながら、好ましくは順次1位相エンコードステップずつ増加しながら、繰り返し時間TRで繰り返す。ここで従来のEPIであれば、異なる位相エンコード量に位相エンコードされた第1、第2のエコーを、一つの画像を作成するために同一k空間に配置するのであるが、ここではエコー毎に設定されたk空間データにそれぞれ配置する(ステップ302、303)。即ち、各エコー番号のデータを各フレームメモリーに設定された所定アドレスに配置する。
【0028】
この様子を図5に示す。図5において104、107はエコー毎のk空間を表し、位相エンコード方向(ky方向)が縦軸、読み出し方向(kx方向)が横軸である。
【0029】
図示する例では、k空間100を位相エンコード方向(ky方向)に3つの区間101〜103に分け、エコー時間TE1のエコー(点線で示す)は、区間101、102からなる領域のデータを形成するように位相エンコードが決められる。図4に示したように第1のエコー406は、位相エンコード傾斜磁場403を1エンコードステップずつ増加しながら計測されるので、k空間の下端部(高周波域)から順にラインを埋め、低周波域を含む区間102の上端に達するデータ103となる。
【0030】
一方、エコー時間TE2のエコー(実線で示す)は、区間102、103からなる領域のデータとなるように位相エンコードが決められる。第2のエコー409は、既に位相エンコード傾斜磁場403による位相変化を与えられているので、さらに位相エンコード傾斜磁場407によって、1区間の幅に相当する位相エンコード量の傾斜磁場を印加することにより、第2区間102の下端のラインを埋めるデータとなる。その後、位相エンコード傾斜磁403が1エンコードステップ増加する毎に順次第2区間102および第3区間103を埋めていくことになる。そして、第1エコーが第2区間102の上端に達した時点で第2エコーは第3区間103の上端に達し、ここで1つの計測が終了する。
【0031】
第1エコー406と第2エコー409とでは、エコーを発生させるための読み出し傾斜磁場の極性が異なるため、図5中矢印で示すように、k空間における読み出し方向(kx方向)の配列が逆になるが、各エコーについて見ると、同一方向に揃ったデータが得られる。このように両エコーはk空間において同方向にステップしながら信号を取得するので、被検体の磁化率による磁場のオフセット変動の影響を受けにくくなる。
【0032】
信号処理系7は、こうしてエコー毎に収集されたk空間データを用いて画像再構成演算を行う。この際、各k空間データの非計測の領域については、他のk空間の該当する領域のデータで補完する(ステップ304、305)。即ち、第1エコーでは第1区間および第2区間のデータ105が得られているが、第3区間のデータは得られていないので、このデータ106として第2エコーの第3区間のデータを用いる。第2エコーでは、非計測である第1区間を第1エコーのデータ108で埋める。この補完に用いられるデータ(106、108)は高周波領域のデータであるため、画像の基本的な性質に影響を与えることはない。
【0033】
次に補完されたk空間全域のデータについて2次元フーリエ変換等の演算を施し、画像再構成する(ステップ306、307)。これにより2種類の画像を同時に得ることができる(ステップ308、309)。連続撮影の場合には、このような計測と画像再構成を連続して行い、2種類の画像を順次更新しながら、表示する。
【0034】
得られた2種類の画像では、各k空間のデータのうち低周波領域のデータが画像の性質を決定するので、それぞれ異なるエコー時間TEで計測されたエコーが持つ性質を反映した画像となる。即ち、一般にTEが短い場合には脂肪が強調された画像となり、TEが長い場合には水が強調された画像となる。またこれら画像は、高周波データについても実計測データを採用しているため、SNの低下がなく、高品質の画像を得ることができる。
【0035】
さらに2種類の画像はハーフスキャンで計測されので、撮像時間を短縮できる。例えば、EPIシーケンスの繰り返し時間(TR)20msec、エコー間隔(TE)4msec、FOV2O0、読み出し方向のデータ数192、位相エンコード方向のエンコード量192、ショット数100、エコートレイン数2と設定した場合、連続撮影における1枚の画像更新時間を約2.0秒(20×100=200msec)にすることが可能となる。
【0036】
以上、本発明のMRI装置による撮像方法として2エコー計測の例を説明し、エコー数はそれ以上であっても同様に実施することができる。
【0037】
3エコー計測の場合を図6〜図8を参照して説明する。
この場合もまず入力装置から本発明によるマルチエコーEPIが選択され、1ショットで計測するエコー数、TEが設定されると図7に示すマルチエコーEPI法によるシーケンスが実行されることは2エコーの場合と同様である(ステップ600)。ここで実行されるシーケンスは図4と同様であるが、1回の高周波パルス印加による励起後、3つのエコー信号701〜703を取得することが異なっている。なお、図7において、図4と同じ構成要素については同一の番号で示した。
【0038】
一方、信号処理系はエコー数3が設定されると、それに対応して3つのデータ格納用フレームメモリを確保し、前記パルスシーケンスの実行によって計測されたエコー信号をTEに応じてそれぞれ異なるフレームメモリ内に設定されたk空間に配置する(ステップ601〜603)。
【0039】
この場合、k空間800を図8に示すように5つの区間に分け、第1エコー▲1▼では第1から第3の区間からなる領域、第2エコー▲2▼では第2から第4の区間からな領域、第3エコー▲3▼では第3から第5の区間からなる領域をそれぞれ埋めるように計測する。即ち、図7のパルスシーケンスにおいて、最初に印加される位相エンコード方向の傾斜磁場403は、1ステップずつ増加することとし、エコーとエコーとの間に印加される位相エンコード傾斜磁場407は、1区間の位相エンコードステップ数に対応する強度とする。
【0040】
このように位相エンコード傾斜磁場を制御することにより、最終的に各エコーについてk空間の3/5を埋めるデータ804〜806が得られる。これらは、図5に示す実施形態と同様に読み出し方向が同一方向に揃ったデータであり、被検体の磁化率による磁場のオフセット変動の影響を受けにくくなる。
【0041】
各データについて計測されていない領域は、他のエコーのデータを用いて補完する(ステップ604〜606)。図8に示す例において、第1エコーの非計測領域は、第3エコーのデータで補完し、第2エコーの非計測領域は、第1エコーのデータと第3エコーのデータでそれぞれ補完し、第3エコーの非計測領域は、第1エコーのデータで補完している。非計測領域を補完する仕方は、図示する例に限定されないが、1)データが読み出し方向に揃うようにする、2)他のデータに読み出し方向に揃うデータがない場合には、最もTEの近いデータを用いる、ことが好ましい。
【0042】
こうしてk空間全領域が補完されたデータ807〜809について、それぞれ二次元フーリエ変換等の演算によって画像再構成を行い(ステップ607〜609)、3種類の高空間分解能画像を同時に得る(ステップ610〜613)。これら3種類の画像は、それぞれ画像の性質を決める低周波領域のデータとして一定のTEのエコーを用いるとともに非計測の高周波領域データについても他の該当データで補完しているので、TEに依存して性質の異なる高空間分解能画像となり、且つハーフスキャン計測でありながらSNの劣化のない画像となる。
【0043】
この場合にも、上述した計測と画像再構成を連続して行うことにより、高時間分解能で複数種の連続画像を更新することができる。例えば、繰り返し時間(TR)25msec、エコー間隔(TE)8msec、FOV200、読み出し方向のデータ数192、位相エンコード方向のエンコード量192、ショット数64、エコートレイン数3と設定した場合、1枚の画像更新時間を約2.5秒(25×100=2500msec)にすることが可能となる。
【0044】
1回の励起で計測するエコー数(エコートレイン数)をNとし、N種の画像を得る場合を一般的に説明すると、N個のエコーについて計測領域を設定するには、まずk空間を(2N-1)個の区画に分割し、1番目のエコーは1〜N番目の区画までの領域、2番目のエコーは2〜N+1番目の区画までの領域・・・N番目のエコーはN〜(2N-1)番目の区画までの領域となるように領域を設定すればよい。それによってすべてのデータでk空間の低周波領域を含むハーフスキャン計測が可能となる。上記領域設定法に従い4エコーEPIのエコーの領域を設定した例を図9に示す。
【0045】
以上、本発明のMRI装置を用いた撮像法の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、計測データの種類をあらかじめ選択するよう指示しているが、連続的にデータを取得する際、目的部位や条件により測定中であってもユーザーが測定方法及びTR/TEを任意的に変化させ、好みのコントラスト画像を得ることも可能である。例えばプロトコルを適宜設定することによりT1W及びT2W強調画像を得ることも可能である。またディスプレイ上に表示する画像枚数(つまりエコートレイン数)も状況に応じて設定を変更することができる。
【0047】
さらに例えばエコートレイン数が3以上であるマルチエコーEPIにより計測したデータについて、すべてのデータについて画像再構成・表示するのではなく、任意のTEの画像を再構成・表示するようにしてもよい。
【0048】
また以上の実施形態では、FIDで信号を計測する勾配エコータイプのEPI(GE-EPI)を採用しているが、k空間の原点の信号をスピン・エコーで計測するスピン・エコータイプのEPI(SE-EPI)を採用することも可能である。GE-EPIは、機能MRI(functional MRI)や潅流計測(perfusion study)などに使用され、T2*コントラスト画像を効果的に取得できる。一方、SE-EPIは拡散(diffusion)、潅流(perfusion)、血流(flow)の計測など、T2*による効果をなるべくさけたい場合に使用される。
【0049】
さらに以上の実施形態では基礎となる計測データとして二次元計測データの場合を説明したが、三次元計測データであっても同様に任意の多種のデータ取得が可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、ハーフスキャンとほぼ同じ撮像時間で複数種類の画像を同時に撮像でき、多種画像を同時にかつ連続的に表示させることができる。しかもハーフスキャンの場合のようなSN劣化のない高分解能の画像が得られる。通常のEPIやハーフスキャンの場合のように磁場変動によるオフセットの影響を受けにくく良好な画像が得られる。
また本発明によれば、診断に有用な情報を得るために、ユーザーが画像の種類や数を任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】 本発明のMRI装置の制御系の制御フローの一実施形態を示す図。
【図3】 本発明のMRI装置が実行する2エコーEPI法による撮像フローの一実施形態を示す図。
【図4】 本発明のMRI装置が実行する2エコーEPI法のシーケンス図。
【図5】 2エコーEPI法により計測したデータのk空間配置の一例を示す図。
【図6】 本発明のMRI装置が実行する3エコーEPI法による撮像フローの一実施形態を示す図。
【図7】 本発明のMRI装置が実行する3エコーEPI法のシーケンス図。
【図8】 3エコーEPI法により計測したデータのk空間配置の一例を示す図。
【図9】 4エコーEPI法により計測したデータのk空間配置の一例を示す図。
【符号の説明】
1・・・被検体
2・・・静磁場発生磁石
3・・・傾斜磁場発生系
4・・・シーケンサ
5・・・送信系
6・・・受信系
7・・・信号処理系
8・・・CPU
9・・・傾斜磁場コイル
10・・・傾斜磁場電源
14a・・・送信側の高周波コイル
14b・・・受信側の高周波コイル

Claims (4)

  1. 被検体が置かれる空間に静磁場を与える静磁場発生手段と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する手段と、前記傾斜磁場発生手段、送信系及び受信系を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、1つの高周波パルスを印加した後に、位相エンコードとエコー時間の異なる複数のエコー信号を発生させるパルスシーケンスを実行し、エコー時間毎のk空間データを作成し、
    前記信号処理系は、前記k空間データ毎に画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御手段は、前記エコー時間の異なる複数のエコー信号の数よりも多く各k空間を位相エンコード方向に分割して、計測された前記エコー時間の異なるエコー信号毎に、該エコー時間に対応するk空間に配置する分割領域を異ならせてそれぞれ配置して前記エコー時間毎のk空間データを作成し、その際、該各k空間へのエコー信号の配置領域は少なくとも低周波分割領域を含み、
    前記信号処理系は、前記エコー時間毎のk空間データについて、その非計測の分割領域を、他のk空間データの同一の分割領域における計測されたデータで補い、画像再構成し、エコー時間に依存して性質の異なる複数画像を表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御手段は、前記計測されたエコー信号が配置されたエコー時間毎のk空間データの組み合わせがk空間全領域を構成するものとなるように前記位相エンコード傾斜磁場を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御手段は、前記パルスシーケンスの実行の際に、前記高周波パルス印加後に計測するエコー信号の数及び/または複数のエコー時間を設定する手段を備え、設定されたエコー信号またはエコー時間の数に基づいて、前記k空間の位相エンコード方向の分割を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記所定のパルスシーケンスは、エコープラナーイメージング法によるパルスシーケンスであって、前記信号処理系が再構成する画像はT2*強調画像であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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