JP4761787B2 - 取得日射エネルギー量評価システム - Google Patents

取得日射エネルギー量評価システム Download PDF

Info

Publication number
JP4761787B2
JP4761787B2 JP2005049245A JP2005049245A JP4761787B2 JP 4761787 B2 JP4761787 B2 JP 4761787B2 JP 2005049245 A JP2005049245 A JP 2005049245A JP 2005049245 A JP2005049245 A JP 2005049245A JP 4761787 B2 JP4761787 B2 JP 4761787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar radiation
acquired
energy amount
radiation energy
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005049245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006233566A (ja
Inventor
祐子 築山
滋 高棹
正雄 柳沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Homes Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Homes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Homes Corp filed Critical Asahi Kasei Homes Corp
Priority to JP2005049245A priority Critical patent/JP4761787B2/ja
Publication of JP2006233566A publication Critical patent/JP2006233566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4761787B2 publication Critical patent/JP4761787B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

本発明は、建物、特に住宅の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき単位時間当たり、且つ単位体積当たりの取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムに関するものである。
建物を建築する地点(緯度、経度)、開口部の方向、季節、時刻に基づいて開口部に対する太陽の位置を演算すると共に、その演算結果と開口部の外側に存在する日照障害物の情報から開口部に照射される日照の位置と面積を演算し、それ等の演算結果から開口部を通して照射された照度分布を演算すると共に、開口部面に入力される熱量を演算する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−008476号公報
しかしながら、前述の従来例では、日射を透過可能なガラス窓等の開口部を有する部屋の取得日射エネルギー量の適否を判断し得るものではなく、夏季の例えば西日(日没前の日差し)で暑くなり過ぎる可能性のある部屋の検証が容易に出来る技術が望まれていた。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、日射を透過可能なガラス窓等の開口部を有する閉ざされた部屋の夏季の暑さの様子を明確に表示することが出来、夏季の例えば西日(日没前の日差し)で暑くなり過ぎる可能性のある部屋の検証が容易に出来る取得日射エネルギー量評価システムを提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第1の構成は、建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき、取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムであって、気象データによる1日水平全天日射量又は直達日射量が所定値以上とする条件と、気象データによる1日分の平均気温又は最低気温又は夜間の最低気温が所定値以上とする条件のうち、いずれか一方又は両方の条件を満たす日を夏日として抽出する夏日抽出手段と、前記夏日抽出手段により抽出された夏日において、前記建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部から取得される取得日射エネルギー量を算出する取得日射エネルギー量算出手段と、前記夏日抽出手段により抽出された夏日日数に亘って取得日射エネルギー量を積算する取得日射エネルギー量積算手段と、前記取得日射エネルギー量積算手段により積算された前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合にその空間領域を特定して表示する表示手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1の構成において、前記表示手段は、前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、建物図面においてその空間領域の表示を他の空間領域の表示と異なるように表示することを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1、第2の構成において、前記所定の閾値は、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの体感許容限界の積算取得日射エネルギー量に設定したことを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1、第2の構成において、前記所定の閾値は、前記建物の建物構成による熱応答特性に基づいて該建物の空間領域内の室温上昇程度から設定されることを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1、第2の構成において、前記取得日射エネルギー量算出手段は、外気温を考慮した所定の割増係数を乗じる演算を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1、第2の構成において、前記開口部からの取得日射を遮る周辺建物、または前記開口部に設けられる日射遮蔽要素により該開口部面が受ける取得日射エネルギー量を調整する取得日射エネルギー量調整手段を有することを特徴とする。
また、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、前記第1、第2の構成において、前記表示手段は、コンピュータの表示画面上に表示することを特徴とする。
更に、本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成は、建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき、取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムであって、気象データによる1日水平全天日射量又は直達日射量が所定値以上とする条件と、気象データによる1日分の平均気温又は最低気温又は夜間の最低気温が所定値以上とする条件のうち、いずれか一方又は両方の条件を満たす日を夏日として抽出する夏日抽出手段と、前記夏日抽出手段により抽出された夏日において、前記建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部から取得される取得日射エネルギー量を算出する取得日射エネルギー量算出手段と、前記夏日抽出手段により抽出された夏日日数に亘って取得日射エネルギー量を積算する取得日射エネルギー量積算手段と、前記取得日射エネルギー量積算手段により積算された値を総日照時間で除し更に前記建物の空間領域単位当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合にその空間領域を特定して表示する表示手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第1の構成によれば、例えば全国約1300箇所に設置された自動気象観測システムであるアメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System)の気象データを加工した拡張アメダス気象データを利用することにより、夏日抽出手段により夏日を抽出することが出来る。
そして、夏日抽出手段により抽出された夏日において、建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部から取得される取得日射エネルギー量を取得日射エネルギー量算出手段により算出することが出来る。
そして、取得日射エネルギー量積算手段により、夏日抽出手段により抽出された夏日日数に亘って取得日射エネルギー量を積算することが出来る。
そして、取得日射エネルギー量積算手段により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別手段により判別することが出来る。尚、空間領域単位とは、空間領域の体積を所定の単位体積にしたものである。
そして、判別手段により、建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、表示手段によりその空間領域を特定して表示することが出来る。
これにより、建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき単位時間当たり、且つ単位体積当たりの取得日射エネルギー量の適否を判定し、明確に表示することが出来る。
これにより、日射を透過可能なガラス窓等の開口部を有する空間領域(部屋等)の夏季の暑さの様子を明確に表示することが出来、例えば夏季の西日で暑くなり過ぎる可能性のある空間領域(部屋)の検証が容易に出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、表示手段により、判別手段により建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、その空間領域の表示(例えば色彩)を他の空間領域の表示(例えば色彩)と異なるように表示することで、夏季暑くなり過ぎる可能性のある空間領域とそうでない空間領域との識別が容易に出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、所定の閾値を、建物の空間領域単位での体感許容限界の積算取得日射エネルギー量に設定することで、体感許容限界を越えた空間領域を特定して表示することが出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、所定の閾値を、建物の建物構成(躯体構造、層構成、仕上材などを総合して)による熱応答特性に基づいて該建物の空間領域内の室温上昇程度から設定することで、建物の建物構成による熱応答特性に基づいて体感許容限界を越えた空間領域を特定して表示することが出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、取得日射エネルギー量算出手段により、外気温を考慮した所定の割増係数を乗じる演算を行うことで外気温を考慮した取得日射エネルギー量を算出することが出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、取得日射エネルギー量調整手段により、開口部からの取得日射を遮る周辺建物、または開口部に設けられる日射遮蔽要素により該開口部面が受ける取得日射エネルギー量を調整することが出来、これにより開口部からの取得日射を遮る周辺建物や開口部に設けられる日射遮蔽要素を考慮した取得日射エネルギー量を算出することが出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、前記表示は、コンピュータの表示画面上に表示することが出来、これにより、建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき、単位時間当たり、且つ単位体積当たりの取得日射エネルギー量の適否を判定し、明確に表示することが出来る。
また本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの第の構成によれば、気象データによる1日分の全天日射量が所定値以上、及び/又は気象データによる1日分の平均気温が所定値以上である日を夏日とすることが出来、また取得日射エネルギー量算出手段により加算された夏日の取得日射エネルギー量を夏日の総日照時間数で割った1時間当たりの積算取得日射エネルギー量とすることが出来る。尚、総日照時間数は夏日日数に亘り太陽が水平線から出ている時間数、即ち、太陽高度が0より大きい時の時間数である。
図により本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの制御系の構成を示すブロック図、図2及び図3は拡張アメダスの気象データの一例をグラフ化して示す図、図4は本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物の空間領域で夏季暑くなり過ぎる可能性があるか否かの評価を行う様子を示すフローチャート、図5は本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物の間取り図を作成した様子を示す図、図6は本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物が設置された方位を設定する様子を示す図、図7は評価する空間領域を選択した様子を示す図、図8はアメダスの地域を設定する様子を示す図、図9〜図14は本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図、図15は建物の建物構成による熱応答特性を説明する図である。
図1において、1は建物の空間領域(部屋やワンルームの一部等)毎に日射を透過可能なガラス窓等の開口部26で通風のないように締め切った状態における該開口部26からの取得日射エネルギーを得たとき単位時間当たり、且つ単位体積当たりの取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムであり、建物等の建築物が建築された地域での日射や外気温等の気象データは無人自動気象観測装置であるアメダス(Automated Meteorological Dataa Acquisition System;地域気象観測システムの略称)気象データを加工した拡張アメダス気象データを利用することが出来る。
拡張アメダス気象データは、日本建築学会が作成したもので、気象庁が公開しているアメダス気象データの欠測、およびアメダスで観測されていない日射量や湿度等の気象データを補充して汎用性を高めた気象データのことである。その内容としては日本全国842地点の気温、絶対湿度、水平面全天日射量、大気放射量、風向、風速、降水量、日照時間の時別値で1981年から1995年の15年分のデータと標準年のデータを含んでいる。標準年データとは15年間の気象データから月別にそれぞれ平均的な年(月)を選択してつなぎ合わせた仮想の1年間の気象データで概ねその地点での標準的な気象データと推測されるものである。本実施形態においては標準年での気温と水平面全天日射量を用いている。
拡張アメダス気象データは、0.1℃単位で1時間毎の気温、0.1℃単位で1日の平均気温、0.01MJ/mh単位で1時間毎の水平面全天日射量、0.1MJ/md単位で1日の積算値等が含まれている。図2は拡張アメダス気象データの一例として東京の年間平均気温を示し、図3は拡張アメダス気象データの一例として東京の7月〜9月の平均気温と、1日の積算日射量を示す。これ等の拡張アメダス気象データは、取得日射エネルギー量評価システム1に設けられた拡張アメダス気象情報データベース(以下、「拡張アメダス気象情報DB」という)2に記憶される。
取得日射エネルギー量評価システム1に設けられた演算装置27には太陽位置演算部3が設けられている。太陽位置演算部3は、目的の建物の地球上の位置(緯度、経度、或いは所在住所等)、季節及び時刻に対応した太陽位置を演算するものである。
地球上の位置及び季節、時刻が指定されたとき、指定された各条件に対応した太陽の位置は一義的に決定される。太陽の位置は、太陽高度(h°;地上に於ける特定の点と太陽を結ぶ線と該点に於ける水平線とのなす角)と、太陽の方位角(A°;太陽が南中したときを0°とした子午線との角度をいい、西方向を正、東方向を負で表す)とによって特定されるものであり、以下の数1式によって演算することが可能である。
〔数1〕
sin(h)= sin(φ)・ sin(δ)+ cos(φ)・ cos(δ)・ cos(t)
sin(A)= cos(δ)・ sin(t)・ sec(h)
但し、 h;太陽高度(°)、φ;目的地の緯度(°)、δ:太陽の赤緯(°)、夏至δ=23.45 、春・秋分δ=0、冬至δ=−23.45 、t;時角(°)、1時間を15°とした真太陽時の時角A;太陽の方位角(°)である。
太陽位置演算部3には上記数1式を解くプログラムや三角関数表が格納され、入力部4から、図6に示すように、評価する建物が建設される目的地の緯度、経度、季節及び時刻等の情報が入力されると、これらの情報は一時記憶装置5に一時記憶され、プログラムの実行が指示されたとき、太陽位置演算部3によって指定された条件に応じた太陽の位置を演算することが可能である。そして演算した結果を記憶し或いは一時記憶装置5に一時記憶させておくことが可能である。
そして、特定の緯度及び経度を持った地点における建物の開口部26面の法線方向の方位角である開口部26面方位(α)と、開口部26面の傾斜角度である開口部26面傾角(θ)と、を設定することによって、この開口部26面と太陽とのなす角である開口部26面交角(hw)を以下の数2式により演算することが可能である。
〔数2〕
sin(hw)= sin(h)・ cos(θ)+ cos(h)・ sin(θ)・ cos(A−α)
そして開口部26面交角hwが90°を越えた場合、対象となる開口部26面には日射が当たらないこととなる。
ここで、開口部26面は例えば20cm角を一単位のセル空間領域とする仮想パネルとして分割される。その仮想パネルと太陽との間に直線を引いた際にその直線上に隣家や庇等の障害物が入り込まなければその仮想パネルは日射を受けるものと判断できる。そして、その日射を受ける仮想パネルへの日射量を合計することにより、その開口部26からの取得日射エネルギー量が演算される。尚、仮想パネルの大きさは適宜設定することが出来る。
具体的には太陽からの直達日射の方向ベクトルと、開口部26面の建物外側方向の法線ベクトルとのベクトル積から日射が与えられるか否かを判断し、日射が与えられた場合に直達日射が開口部26面に対してどのような角度を持つのかを算出し、投影面積の効果、ガラスの透過特性、日射遮蔽手段の効果を考慮することが出来る。開口部26の大きさが一様でないことや高低差があるために開口部26面を複数に分割された仮想パネルとして取り扱うことにより日射計算の簡便さと精度を実現することが出来る。
ここで、直達日射量とは、太陽から直接照射される日差しであり、拡張アメダス気象データによる水平面全天日射量は、該直達日射量と、拡散日射量との和で表わされる。拡散日射量とは、日射が周囲に反射した結果、間接的に検出され、特定の方向を持たず拡散的に認識される日射量である。
本実施形態では、1時間毎の拡張アメダス気象データを利用しており、例えば西日のような日差しを検査するために直接の計算は水平面全天日射量の中で直達日射量のみを対象としている。
水平面全天日射量を直達日射量と拡散日射量とに分離する場合には、直散分離法が知られており、直散分離法には、Nagataモデル、Udagawaモデル、Erbsモデル、Watanabeモデル、Perezモデル等の各モデルが知られている。本実施形態ではWatanabeモデルを採用して拡張アメダス気象データとして水平面全天日射量を直達日射量と拡散日射量とに分離して直達日射量を採用して開口部26からの取得日射エネルギー量を計算した一例である。尚、精度を上げるために直達日射量に拡散日射量を加えて開口部26からの取得日射エネルギー量を計算することも出来る。
取得日射エネルギー量評価システム1の演算装置27に設けられた間取り作成部8は、図5〜図14に示す建物、即ち、住宅の間取り図を作成するものであり、間取り図データベース(以下、「間取り図DB」という)9から適宜選択して参照することが出来、参照して更新した新たな間取り図を間取り図DB9に格納することも出来る。また作成した間取り図の中から取得日射エネルギー量評価システム1により取得日射エネルギー量を表示する部屋或いはワンルームの一部の空間領域を選択する機能も備えている。また開口部26面の分割されたパネルの単位面積や枚数等も適宜設定出来る。
また、周辺建物情報作成部12は、建設される建物の周辺隣家や立木等の日射障害物に関する周辺情報図を作成するものであり、周辺建物情報データベース(以下、「周辺建物情報DB」という)13から参照して作成することも出来る。
図6に示す方位設定画面10を利用して建設される建物の緯度、経度、及び真北を0°としたときの開口部26の戸外に向かう法線方向の角度を入力し、前述した太陽位置演算部3によって演算した太陽の位置と、各開口部26の複数に分割された各仮想パネルの位置とを結んだ直線上に、周辺建物情報作成部12により作成した開口部26の外側に存在する例えば庇や隣家の壁或いは立木等の日射障害物が在るか無いかの条件に基づいて開口部26の各仮想パネルに取得される日射があるか否かを求め、取得日射がある仮想パネルの日射量を合計することによりその開口部26からの取得日射エネルギー量を演算することが出来る。
そして、各開口部26からの取得日射エネルギー量を開口部26単位毎で且つ単位時間毎に取得日射エネルギー量取得手段となる取得日射エネルギー量取得部28により取得される。
ここで、夏日抽出手段となる夏日抽出部14により、取得日射エネルギー量取得部28により取得され、拡張アメダス気象情報DB2に記憶して格納された気象データによる1日分の水平面全天日射量が所定値以上、或いは気象データによる1日分の平均気温が所定値以上である日を夏日15として抽出し、夏日15対象日数を算出する。
これは夏季に過剰な日射取得がないかどうかを検証するためのものである。本実施形態では、1日分の水平面全天日射量が所定値以上で且つ1日分の平均気温が所定値以上である日を夏日15として抽出した一例について説明するが、1日分の水平面全天日射量が所定値以上か、若しくは1日分の平均気温が所定値以上かのいずれか一方の条件である日を夏日15とすることも出来る。拡張アメダス気象情報には0.1℃単位で1日の平均気温の統計データが含まれており、このデータを利用することが出来る。
例えば、1日分の水平面全天日射量の判定基準値を14MJ/mdとし、1日分の平均気温の判定基準値を25℃として、1日分の水平面全天日射量が14MJ/md以上で且つ1日分の平均気温が25℃以上である日を夏日15とするか、もしくは、1日分の水平面全天日射量が14MJ/md以上または1日分の平均気温が25℃以上の何れかである日を夏日15とすることが出来る。尚、夏日15の条件は他の種々の条件に設定することも出来、例えば、1日の最低気温が25℃以上、夜間の最低気温が25℃以上、1日分の直達日射量が7MJ/md以上等のようにこれ等の各条件で所定の数値に適宜設定し、更に適宜組み合わせて夏日15を抽出することも出来る。
過剰な日射取得を検証する場合、日射が少ない日、曇りの日のデータを含むと全体の平均像としては曖昧になるため夏日15を設定することが有効である。また、その夏日15の日数が少ない場合は気候が比較的寒冷で仮に検査した夏日15は大きな値を示してもコストをかけてまで日射緩和処置が必ずしも得策でない場合もある。その判断目安として夏日15の対象日数を算出し、夏日15が少なければ日射緩和を処置しないで済む。即ち、過剰対応を防止することが出来る。
例えば、図3において、15は1日分の平均気温が25℃以上で且つ1日分の水平面全天日射量が14MJ/md以上となる夏日15を示す。水平面全天日射量を14MJ/md以上と定めたのは鉄骨系ALC(軽量気泡コンクリート)建物において、実態に合うことを日射量の変化とこれに応答する室温の関係により確認したからである。
また、冬日抽出手段となる冬日抽出部19により、取得日射エネルギー量取得手段となる取得日射エネルギー量取得部28により取得し、拡張アメダス気象情報DB2に記憶して格納された気象データによる所定期間中を冬日として抽出し、冬日対象日数を算出する。冬季は例えば図2に示すように、年間平均気温が低くなる12月〜2月の3ヶ月間の取得日射エネルギー量を積算する。冬季にはどれ位日射を得るかを算出するのが目的である。
取得日射エネルギー量算出手段となる取得日射エネルギー量算出部20は夏日抽出部14により抽出された夏日15において、建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部26から取得される取得日射エネルギー量を算出する。
また取得日射エネルギー量算出部20は外気温を考慮した所定の割増係数を乗じる演算を行う。一般に西面に開口部26がある部屋の場合は東面に開口部26がある部屋と同じ取得日射エネルギー量であっても室温が高くなる。これは西面に開口部26がある部屋は外気温が高い午後以降に取得日射エネルギー量のピークがあるためである。
従って、同じ取得日射エネルギー量であっても室温が高くなる西面に開口部26がある部屋の評価を適正に行うために取得日射エネルギー量に対して外気温を考慮した所定の割増係数を乗じて補正する。例えば、外気温が25℃以上の場合には、その外気温(℃)を25℃で除した値を割増係数として、建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部26から取得される取得日射エネルギー量に乗じて外気温の効果を取り入れた補正取得日射エネルギー量とすることが出来る。25℃を重み付けの基準としたのは1日の最低気温が25℃以上となる所謂、熱帯夜を基準とした一例である。
また、取得日射エネルギー量調整手段となる取得日射エネルギー量調整部29により、開口部26からの取得日射を遮る周辺建物、または開口部26に設けられる種々の日射遮蔽要素により該開口部26面が受ける取得日射エネルギー量を調整することが出来る。
開口部26に設けられる種々の日射遮蔽要素の日射遮蔽機能情報は、日射遮蔽機能情報データベース(以下、「日射遮蔽機能情報DB」という)25に記憶して格納されており、取得日射エネルギー量調整部29は日射遮蔽機能情報DB25に格納された種々の日射遮蔽要素の日射遮蔽機能情報から所定の係数を開口部26から取得される取得日射エネルギー量に乗じて日射遮蔽要素の効果を取り入れた補正取得日射エネルギー量とすることが出来る。
一般に外部日射量が同じとき東面の開口部26からの取得日射エネルギー量よりも南面の開口部26からの取得日射エネルギー量が小さくなる。これは、開口部26に設けられたガラスの日射透過率が太陽の入射角によって異なるためである
例えば、ガラスの日射透過率は、日射の入射角が0度〜60度までは略一定であるが、日射の入射角が60度を越えるあたりから急激に低下し、日射の入射角が90度に達すると、ガラス表面で全反射するため日射透過率は0となる。従って、各種のガラスの0度〜60度の範囲での一定の日射透過率に対して、日射の入射角が60度〜90度の範囲の所定の角度に対応する補正率を乗じることにより、日射の入射角に対応したガラスの日射透過の効果を取り入れた補正取得日射エネルギー量とすることが出来る。
取得日射エネルギー量積算手段となる取得日射エネルギー量積算部11は、夏日抽出部14により抽出された夏日15日数に亘って取得日射エネルギー量を積算する。即ち、取得日射エネルギー量積算部11は開口部26からの取得日射エネルギー量を開口部26単位毎で且つ単位時間毎に取得する取得日射エネルギー量取得手段となる取得日射エネルギー量取得部28により取得され、拡張アメダス気象情報DB2に記憶された夏日15の取得日射エネルギー量を積算する。
判別手段となる判別部16は、取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する。
前記所定の閾値は、建物の空間領域単位での体感許容限界の積算取得日射エネルギー量に設定されており、更に詳しくは、建物の建物構成による熱応答特性に基づいて該建物の空間領域内の室温上昇温度程度から設定することが出来る。
即ち、図15を参照して、建物の建物構成による熱応答特性に基づく熱のバランスとしては以下の数3式に示す通りである。
〔数3〕
Q+q+q=T+T+L
ここで、直接知りたいのは人が感じる温度となるTである。しかしながら、上記数3式の様な関係があり、また現実には室は熱的に単純でなく、必ず熱移動が発生するために容易に知ることは出来ない。
熱移動の複雑さで解り易い例としては、壁や室は熱容量を有するために、温度変化は瞬時に生じるのではなく、熱移動を行った結果として与えられることが挙げられる。一例として特段の空調を施さなくとも外気温の変化に応じて室温は変化するが、外気温と一致するのではなく異なった室温を表すことが挙げられる。
一方、この熱の変化の緩やかさは、散乱日射や外気温の応答が室温変化に比べて、一旦緩衝されて伝わってゆくことで理解出来る。この緩衝は部屋の内部の空間領域を囲い込んでいる部分が室温に対しての緩衝を行っていると推測することで理解出来る。またこのことは外壁を介しての熱移動は、壁部分を緩衝体として行われることから室内部にとってみれば、かなり均一化した影響の仕方になると推測することに繋がる。
ここで直達日射効果のみを異ならせた部屋E(東側の部屋)と部屋W(西側の部屋)を想定すると、以下の数4式の通りである。
〔数4〕
+q+qSE=TRERE+TKEKE+L
+q+qSW=TRWRW+TKWKW+L
外壁を介した熱移動が平均化されるとして、即ちq=q、qSE=qSW、L=Lで、また部屋の熱的応答特性は同じであるはずだから、CRE=CRW、CKE=CKWであるから以下の数5式となる。
〔数5〕
−Q=C(TRE−TRW)+C(TKE−TKW
こうすることで環境に基づく変動因子は消すことが出来る。但し、壁の熱容量等の存在から一義的に室の熱容量を決めることまでは出来ない。また熱容量の存在の為に温度分布、熱移動が発生することから室温Tと壁温度Tを一意的に関係付けることは不可能である。とはいえ一時近似として係数を介して結びつけることを想定すると、以下の数6式となる。
〔数6〕
−Q=C′(TRE−TRW
C′:見掛けの室の熱容量
の存在と熱移動の影響でC′は一定値ではないが、見掛け変動を説明する係数としては有意義なもので実測から推測出来るものである。この関係式は直達日射による供給熱量と室内温度の関係を示しているものだが、さらに外気温による供給熱量の影響を加えた供給熱量と室温変化を結びつける関係を推定すると以下の数7式となる。
〔数7〕
Q+q=C″
そして、上記数7式において、例えば1時間ごとに、Qに何らかの修正を加えることで前述したように、外気温の効果を取り入れる形式とする可能性を見出すことが出来る。外気温による供給熱量の影響もその根源は太陽熱であり、両者が相関することは矛盾しない。
即ち、Q+qを、Qを補正して求めるとして、Q×(T℃/25℃)(ここでTが25℃以上であれば該T℃を25℃で除した値とする。Tが25℃より低ければ重み付けはしない)とすることが出来る。これを外気温を考慮した割増係数という。この場合に25℃を重みの規準としたのは、いわゆる熱帯夜(1日の最低気温が25℃以上)を目安とした一例であり、外気温の効果を考慮することで例えば夕刻外気温が高くかつ日射が射し込む、いわゆる西日の効果を考慮した補正が出来る。またこうした補正を、例えば1時間毎に、取得日射エネルギー量を算出することで外気温が変化してゆく場合の影響も勘案することが出来る。なお、ここでは25℃以上としたが、気象条件の異なる場所では、例えば湿度を勘案して、他の温度にしても良い。
ここで、熱応答特性を求める場合の一例としては、外界条件が同じに設定された開口部26が東に面する東室と、開口部26が西に面する西室とを設置し、東室と西室の温度差と、それぞれの開口部26からの取得日射エネルギー量の差とから算出することが出来る。即ち、同日の両室の室内温度差は、外界条件が同じなので単純に開口部26からの取得日射エネルギー量の差によると考えられるため、単位時間当たりのΔQ/ΔTを熱応答特性(熱容量に相当する)とすることが出来る。
そして、表示手段となるコンピュータの表示画面、即ち、表示部17は、図9〜図14に示すように、判別部16により、建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、その空間領域を特定して建物図面上の空間領域に表示する。本実施形態では、判別部16により、建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、その空間領域の色彩を他の空間領域の色彩と異なるように表示した一例を示す。
次に図4を用いて、取得日射エネルギー量評価システム1により建物の夏季の検証を行う様子について説明する。先ず、ステップSにおいて、間取り図を作成する。次にステップSにおいて、間取り作成部8により間取り図DB9に格納された間取り図サンプルを参照して、図5に示すように、CAD(Computer Aided Design;コンピュータによる設計製図)による間取り入力を行う。
このとき、周辺建物情報作成部12により周辺建物情報を入力する。周辺建物情報DB13に格納された周辺建物情報を参照することも出来る。
次にステップSにおいて、図6に示す方位設定画面10を利用して建物位置情報を入力する。建物の位置情報としては、建物の緯度、経度を入力するか若しくは建物の住所を入力することも出来る。建物の位置情報(緯度、経度)と月日時間から太陽位置演算部3により太陽高度と太陽方位角を求め、直達日射の方向角、高度とする。
次にステップSにおいて、評価する空間領域を入力する。このとき、図7に示すように、検証する部屋やワンルーム内の一部の空間領域を指定することで検証空間領域の選択を行うことが出来る。
次にステップSにおいて、アメダス気象データの参照地点を指定する。図8に示すポップアップメニューをクリックして、アメダス地域設定画面18を利用して建物の設置場所に最も近い気象条件であるアメダス観測点を選択する。
次にステップSにおいて、アメダス地域設定画面18の計算実行ボタン18aをクリックして取得日射シミユレーションを実行する。取得日射エネルギー量取得部28は拡張アメダス気象情報DB2に格納された気象データから検査対象期間のデータを抽出する。このとき、1日分の平均気温が25℃以上で且つ1日分の水平面全天日射量が14MJ/md以上となる夏日15を抽出すると共に、年間平均気温が低くなる12月〜2月の3ヶ月間を冬日として抽出する。
夏日15と冬日の検査期間の初期時刻から最終時刻までの取得日射エネルギー量を演算し積算して行く。最終時刻になった時点で全開口部26毎に夏季と冬季の積算された取得日射エネルギー量を夏日15及び冬日の夫々の総日照時間数で割った1時間当たりの積算取得日射エネルギー量として一同に表示する(図9、図11、図13参照)。
ステップSにおいて、判別部16は取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での夏季の積算された取得日射エネルギー量を夏日15の総日照時間数で割った1時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別し、所定の閾値以上になっていれば、ステップSにおいて、該空間領域の床面を例えば薄赤色に彩色する。
本実施形態では、空間領域の一畳当たり(天井高さ2.4mとして)の夏季の積算された取得日射エネルギー量を夏日15の総日照時間数で割った1時間当たりの積算取得日射エネルギー量が70KJ/1畳・天井高さ2.4m・1時間以上になった場合にその空間領域の床面を薄赤色に彩色するように構成している。本実施形態の所定の閾値を70KJ/1畳・天井高さ2.4m・1時間としたのは、実際の建物における体感許容限界のアンケート調査と、実測した取得日射エネルギー量に基づいて設定したものである。
図9及び図10は建物の空間領域となる部屋6,7の両方が夏日15において、閾値となる70KJ/畳以上となって部屋6,7の床面が薄赤色に彩色して表示された一例である。尚、図9から図14において、部屋6,7の中央に積算所得日射エネルギー量の単位がKJ/畳になっているが、これは顧客への便宜上の表示で、天井高さ2.4m・1時間を省略したものであり、正確には、KJ/1畳・天井高さ2.4m・1時間である。
取得日射エネルギー量は開口部26を透過した後の部屋等の空間領域に供給されるエネルギー量を指しており、特別な日射遮蔽要素を用いない場合でも開口部26により閉じられた空間領域に、通常の開口部26を透過して供給される取得日射エネルギー量を計算している。また種々の日射遮蔽要素を用いた場合でも、検査している空間領域は開放されておらず、何らかの形態で開口部26に存在して日射が部分的に遮蔽されるものである。
図9及び図10は開口部26に特別な日射遮蔽要素を設けずに低放射ペアガラスで構成された開口部26である。本実施形態では、部屋6,7の床面が薄赤色に彩色して表示する。また、部屋6,7に含まれるそれぞれの開口部26からの夏季と冬季の取得日射エネルギー量をそれぞれ棒グラフで各開口部26毎に表示すると共に、1空間領域(例えば1つの部屋)に複数の開口部26を有する場合には、各開口部26の夏季と冬季の各取得日射エネルギー量を取得日射エネルギー量算出部20により加算して、それぞれに加算された夏日15と冬日の各取得日射エネルギー量を夏季及び冬季の取得日射エネルギー量として各空間領域(部屋)に一同に表示したものである。
尚、図9及び図10に表示された夏季及び冬季のそれぞれの取得日射エネルギー量は、取得日射エネルギー量積算部11により積算された夏日15及び冬日のそれぞれの積算取得日射エネルギー量を夏日15及び冬日のそれぞれの総日照時間数で割った1時間当たりの積算取得日射エネルギー量としている。
夏季と冬季の各取得日射エネルギー量を表す棒グラフは、特定の開口部26毎に1つ作成されて引き出し線で連結される。またグラフの初期位置は建物全体の重心と各開口部26の中心とを結んだ線分上で建物から適度に離れた位置に表示され、画面上でドラッグすることで移動出来、必要に応じて消去することも出来る。
開口部26に何もない単なる開け放たれた開口部26面と比較すると、天井高さ2.4m・1時間、低放射ペアガラスで構成された開口部26だけで日射遮蔽率は35%である。即ち、65%だけ日射を透過する。
前記ステップSにおいて、部屋6,7の床面が薄赤色に彩色されたため、ステップSにおいて、日射遮蔽要素による日射対策を行う。図11及び図12は日射遮蔽要素の一例として部屋6の低放射ペアガラスで構成された開口部26に固定式日射遮蔽部材21を取り付けた場合の一例である。
次に前記ステップSに戻って取得日射シミュレーションを実行し、判別部16により、取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する。
図11及び図12において、部屋6は、開口部26に固定式日射遮蔽部材21を取り付けたことにより取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が閾値となる70KJ/1畳・2.4m・1時間よりも小さくなり、床面が白色に変更される。
同時に夏季と冬季のそれぞれの取得日射エネルギー量が図9と同様に棒グラフでその開口部26に表示される。低放射ペアガラスの開口部26で日射が65%透過し、更に固定式日射遮蔽部材21で日射が65%透過するため、全体で42.3%(65%×65%=42.3%)の日射が透過する。即ち、日射遮蔽率としては58%である。
前記ステップSにおいて、部屋7の床面が薄赤色に彩色されたため、ステップSにおいて、再度、日射遮蔽要素による日射対策を行う。図13及び図14は日射遮蔽要素の一例として部屋7の開口部26に同じく固定式日射遮蔽部材21を取り付けた場合の一例である。
次に前記ステップSに戻って取得日射シミュレーションを実行し、判別部16により、取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する。
図13及び図14において、部屋7にも開口部26に固定式日射遮蔽部材21を取り付けたことにより取得日射エネルギー量積算部11により積算された建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が閾値となる70KJ/畳よりも小さくなり、床面が白色に変更される。
同時に夏季と冬季のそれぞれの取得日射エネルギー量が図9、図11と同様に棒グラフでその開口部26に表示される。
尚、固定式日射遮蔽部材21、遮熱ガラス、可動式日射遮蔽部材等の日射遮蔽機能情報は日射遮蔽機能情報データベース(以下、「日射遮蔽機能情報DB」という)25に記憶して格納されており、取得日射エネルギー量積算部11により夏日15及び冬日の取得日射エネルギー量を積算する際に各日射遮蔽率が利用される。
付け庇24や周辺建物は、目的の建物の地球上の位置(緯度、経度、或いは所在住所等)、季節及び時刻に対応した太陽位置を太陽位置演算部3により演算し、時々刻々と移動する太陽の位置と、各開口部26の複数に分割された各仮想パネルの位置とを結んだ直線上に、周辺建物情報作成部12により作成した開口部26の外側に存在する隣家や付け庇24や構造庇が在るか無いかの条件に基づいて開口部26の各仮想パネルに取得される日射があるか否かを求め、取得日射がある仮想パネルへの日射量を合計することによりその開口部26からの取得日射エネルギー量を演算する。
例えば可動式日射遮蔽部材を利用した場合には夏季の取得日射エネルギー量は低減するが冬季の取得日射エネルギー量は変化しない。一方、固定式日射遮蔽部材21と遮熱ガラスでは夏季と冬季の取得日射エネルギー量を概ね同程度に減少させる。
また付け庇24を適宜調整することが出来れば冬季の取得日射エネルギー量の低減に比べて夏季の取得日射エネルギー量をより多く遮蔽することが出来ることが分かる。また隣接建物の影響は逆に夏季の取得日射エネルギー量の低減以上に冬季の取得日射エネルギー量低減に影響してしまうことが分かる。
各日射遮蔽要素には上述した特性があるために、取得日射エネルギー量が大きいからといって闇雲に日射遮蔽要素を講じると、冬季の取得日射エネルギー量も減じてしまい冬季にはむしろ多く取り入れたい取得日射エネルギー量を有効に活用出来なくなる。このため、それぞれの日射遮蔽要素の特性を活かしながら取得日射エネルギー量を制御するために多様な日射遮蔽要素の準備とその特性を活かすために夏季と冬季の取得日射エネルギー量の評価を同時に表示することが不可欠となる。
また、付け庇24の効果や周辺建物の影響はその配置や寸法、建物自身がどの方向にどの種類の開口部26を有するかでその影響程度が様々に変化する。一般的に付け庇24は夏季の南向きの日射を遮蔽するには有効であることが知られているが、例えば開口部26が南から30°傾いた方向を向いているとすれば一体どの程度に遮蔽効果を有するのか容易には判断出来ない。従って、上記のような取得日射エネルギー量評価システム1を構築して始めて簡便な検討が可能となる。
ステップSにおいて、各部屋の積算取得日射エネルギー量が閾値よりも小さくなった時点で処理を終了する。
尚、本発明は共同住宅・寄宿舎・学校・老人ホーム・保育所・ホテル又は旅館等、住宅という建物用途に関わらず部屋単位の日射取得エネルギー評価を必要とする空間に用いることが出来る。
本発明の活用例として、建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき単位時間当たり、且つ単位体積当たりの取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムに適用出来、建物以外にも適用出来る。
本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムの制御系の構成を示すブロック図である。 拡張アメダスの気象データの一例をグラフ化して示す図である。 拡張アメダスの気象データの一例をグラフ化して示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物室内の温熱環境の評価を行う様子を示すフローチャートである。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物の間取り図を作成した様子を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより建物が設置された方位を設定する様子を示す図である。 評価する空間領域を選択した様子を示す図である。 アメダスの地域を設定する様子を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 本発明に係る取得日射エネルギー量評価システムにより表示された画像の一例を示す図である。 建物の建物構成による熱応答特性を説明する図である。
1…取得日射エネルギー量評価システム
2…拡張アメダス気象情報DB
3…太陽位置演算部
4…入力部
5…一時記憶装置
6,7…部屋
8…間取り作成部
9…間取り図DB
10…方位設定画面
11…取得日射エネルギー量積算部
12…周辺建物情報作成部
13…周辺建物情報DB
14…夏日抽出部
15…夏日
16…判別部
17…表示部
18…アメダス地域設定画面
18a…計算実行ボタン
19…冬日抽出部
20…取得日射エネルギー量算出部
21…固定式日射遮蔽部材
24…付け庇
25…日射遮蔽機能情報DB
26…開口部
27…演算装置
28…取得日射エネルギー量取得部
29…取得日射エネルギー量調整部

Claims (8)

  1. 建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき、取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムであって、
    気象データによる1日水平全天日射量又は直達日射量が所定値以上とする条件と、気象データによる1日分の平均気温又は最低気温又は夜間の最低気温が所定値以上とする条件のうち、いずれか一方又は両方の条件を満たす日を夏日として抽出する夏日抽出手段と、
    前記夏日抽出手段により抽出された夏日において、前記建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部から取得される取得日射エネルギー量を算出する取得日射エネルギー量算出手段と、
    前記夏日抽出手段により抽出された夏日日数に亘って取得日射エネルギー量を積算する取得日射エネルギー量積算手段と、
    前記取得日射エネルギー量積算手段により積算された前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合にその空間領域を特定して表示する表示手段と、
    を有することを特徴とする取得日射エネルギー量評価システム。
  2. 前記表示手段は、前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合に、建物図面においてその空間領域の表示を他の空間領域の表示と異なるように表示することを特徴とする請求項1に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  3. 前記所定の閾値は、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの体感許容限界の積算取得日射エネルギー量に設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  4. 前記所定の閾値は、前記建物の建物構成による熱応答特性に基づいて該建物の空間領域内の室温上昇程度から設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  5. 前記取得日射エネルギー量算出手段は、外気温を考慮した所定の割増係数を乗じる演算を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  6. 前記開口部からの取得日射を遮る周辺建物、または前記開口部に設けられる日射遮蔽要素により該開口部面が受ける取得日射エネルギー量を調整する取得日射エネルギー量調整手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  7. 前記表示手段は、コンピュータの表示画面上に表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取得日射エネルギー量評価システム。
  8. 建物の空間領域毎に日射を透過可能な開口部からの取得日射エネルギーを得たとき、取得日射エネルギー量の適否を判定する取得日射エネルギー量評価システムであって、
    気象データによる1日水平全天日射量又は直達日射量が所定値以上とする条件と、気象データによる1日分の平均気温又は最低気温又は夜間の最低気温が所定値以上とする条件のうち、いずれか一方又は両方の条件を満たす日を夏日として抽出する夏日抽出手段と、
    前記夏日抽出手段により抽出された夏日において、前記建物の所定の空間領域に含まれる全ての開口部から取得される取得日射エネルギー量を算出する取得日射エネルギー量算出手段と、
    前記夏日抽出手段により抽出された夏日日数に亘って取得日射エネルギー量を積算する取得日射エネルギー量積算手段と、
    前記取得日射エネルギー量積算手段により積算された値を総日照時間で除し更に前記建物の空間領域単位当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により、前記建物の空間領域単位での所定時間当たりの積算取得日射エネルギー量が所定の閾値以上になったと判別した場合にその空間領域を特定して表示する表示手段と、
    を有することを特徴とする取得日射エネルギー量評価システム。
JP2005049245A 2005-02-24 2005-02-24 取得日射エネルギー量評価システム Active JP4761787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005049245A JP4761787B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 取得日射エネルギー量評価システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005049245A JP4761787B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 取得日射エネルギー量評価システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006233566A JP2006233566A (ja) 2006-09-07
JP4761787B2 true JP4761787B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=37041526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005049245A Active JP4761787B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 取得日射エネルギー量評価システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4761787B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4553750B2 (ja) * 2005-02-24 2010-09-29 旭化成ホームズ株式会社 取得日射エネルギー量表示装置
JP5188535B2 (ja) * 2010-05-13 2013-04-24 旭化成ホームズ株式会社 取得日射エネルギー量表示装置
JP2022117867A (ja) * 2021-02-01 2022-08-12 トヨタ自動車株式会社 照度提供装置および照度収集システム

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0611577A (ja) * 1992-06-27 1994-01-21 Casio Comput Co Ltd 日照時間測定装置
JPH10239161A (ja) * 1997-02-26 1998-09-11 Mitsui Home Co Ltd 建築物の温熱環境シミュレーション装置及び方法
JP3871441B2 (ja) * 1998-06-26 2007-01-24 旭化成ホームズ株式会社 住宅用日照シュミレーション装置
JP4582921B2 (ja) * 2000-02-04 2010-11-17 積水化学工業株式会社 環境表示装置、それを利用した建物の仮設計方法、建物設計装置及び建物の評価方法
JP2001349598A (ja) * 2000-06-05 2001-12-21 Shimizu Corp 建物運用時性能評価システム
JP4570280B2 (ja) * 2001-05-24 2010-10-27 旭化成ホームズ株式会社 建物の換気量及び温度予測システム
JP2003083586A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機の制御装置
JP2003193579A (ja) * 2001-12-25 2003-07-09 Asahi Kasei Corp 住 宅
JP4334176B2 (ja) * 2002-01-22 2009-09-30 株式会社東芝 建物省エネルギー評価監視装置
JP3913621B2 (ja) * 2002-06-27 2007-05-09 住友林業株式会社 日射遮蔽評価システム
JP4666351B2 (ja) * 2005-02-24 2011-04-06 株式会社Nippo 舗装止め型枠の位置調整装置及びこれを使用した位置調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006233566A (ja) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. An investigation of optimal window-to-wall ratio based on changes in building orientations for traditional dwellings
Karlsen et al. Solar shading control strategy for office buildings in cold climate
Subhashini et al. A passive design solution to enhance thermal comfort in an educational building in the warm humid climatic zone of Madurai
Van Den Wymelenberg Patterns of occupant interaction with window blinds: A literature review
Uribe et al. Impact of different control strategies of perforated curved louvers on the visual comfort and energy consumption of office buildings in different climates
CN107367940B (zh) 一种结合地理位置、气候和建筑朝向的百叶窗控制方法
KR101933876B1 (ko) 건물의 일조 특성 시뮬레이션 시스템 및 그 제어 방법
Gamero-Salinas et al. The influence of building form variables on the environmental performance of semi-outdoor spaces. A study in mid-rise and high-rise buildings of Singapore
Balter et al. On high-rise residential buildings in an oasis-city: Thermal and energy assessment of different envelope materiality above and below tree canopy
JP5188535B2 (ja) 取得日射エネルギー量表示装置
Kenaï et al. Impact of plants occultation on energy balance: Experimental study
Paule et al. A lighting simulation tool for the new European daylighting standard
Oxizidis et al. A computational method to assess the impact of urban climate on buildings using modeled climatic data
Davila et al. On the combined use of laser-cut panel light redirecting systems and horizontal blinds for daylighting and solar heat control, a focus on visual comfort objectives
JP4761787B2 (ja) 取得日射エネルギー量評価システム
JP3913621B2 (ja) 日射遮蔽評価システム
Hong et al. Comparative analysis of the daylight and building-energy performance of a double-skin facade system with multisectional shading devices of different control strategies
Goulart Thermal Inertia and Natural Ventilation–
JP4553750B2 (ja) 取得日射エネルギー量表示装置
Dev et al. Dynamic facade control systems for optimal daylighting, a case of Kerala
de Vries et al. Sensor selection and control strategy development support for automated solar shading systems using building performance simulation
Domínguez-Torres et al. Numerical and experimental validation of the solar radiation transfer for an egg-crate shading device under Mediterranean climate conditions
Panão et al. Determining the shading correction factor using a smartphone camera with a fisheye lens
Alam et al. Occupants interaction with window blinds in a green-certified office building in Putrajaya, Malaysia
Bauwens et al. IEA EBC Annex71: Building energy performance assessment based on in-situ measurements

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080131

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4761787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350