以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る建築基本数量分析システムの機能ブロック構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態に係る建築基本数量分析システムは、各種データの入力を行うマウスやキーボード等からなる入力装置1と、CRTやLCD等の表示手段として機能する表示装置2と、HD(ハードディスク)等の記憶装置3とを備えており、これら各装置1,2,3は建物の各部位の寸法又は数量のデータの分析を行うコンピュータ4に接続されている。
記憶装置3には、建物の各部位の寸法や数量を示す基本数量データをモデル邸別に格納した邸別データベースが格納されている。なお、モデルとなる建物(モデル邸)は、既に建築費用が見積もられた実績のある建物が好ましい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る建築基本数量分析システムにおいて使用される基本数量データの一例を示す図表である。
数量名称(延床面積、床面積(1階)、床面積(2階)・・・・)毎に、数量(147.25、74.50、65.50・・・)と単位(m2、m2、・・・)が格納されている。
邸別データベースには、上記したような基本数量データがモデル邸別に格納されている。また、以下に示すコンピュータ4の収集部41では、分析対象邸に関する上記したような基本数量データが収集される。
コンピュータ4は、収集部41、第1の決定部42、第2の決定部43、算出部44、予測部45、第3の決定部46及び判定部47を備え、本実施の形態に係る建築基本数量分析システムを制御する構成としてある。例えば、あらかじめインストールされているコンピュータプログラムにより、コンピュータ4に内蔵されたCPU等が各部(収集部41、第1の決定部42、第2の決定部43、算出部44、予測部45、第3の決定部46及び判定部47)を制御する形態としてある。
収集部41は収集手段として機能し、入力装置1から手入力された分析対象となる建物(分析対象邸)の基本数量データを収集し、記憶する。あるいは、入力装置1からの指示に従い、本実施の形態に係る建築基本数量分析システムと連携されたCADシステム等から、分析対象となる建物(分析対象邸)の基本数量データを収集し、記憶する。
第1の決定部42は第1の決定手段として機能し、邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、分析項目の値及び分析項目と関連のある関連項目の値をそれぞれモデル邸別に決定する。
なお、分析項目は複数あってよく、各分析項目について、第1の決定部42、第2の決定部43、算出部44、予測部45、第3の決定部46及び判定部47で処理がなされることで、不適正な寸法又は数量のデータを認識できる構成となっている。
このため、分析項目には、例えば、「床面積」、「横架材面積」、「外周長」、「屋根面積」、「基礎長」、「外壁面積」、「間仕切長」、「内壁長」、「内階段」などの建物の構造上の特徴を示す項目が設定されていることが好ましい。
また、関連項目には、分析項目と相関性のある項目が設定されている。例えば、分析項目「床面積」の関連項目は「延床面積」、分析項目「横架材面積」の関連項目は「床面積とピロティ・オーバーハング面積の和」、分析項目「外周長」の関連項目は「床面積」となっている。
第2の決定部43は第2の決定手段として機能し、収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の関連項目の値を決定する。
算出部44は算出手段として機能し、第1の決定部42で決定したモデル邸別の分析項目の値及び関連項目の値に基づいて、分析項目と関連項目の相関を示す近似直線を算出する。
予測部45は予測手段として機能し、第2の決定部43で決定された分析対象邸の関連項目の値から、算出部44で算出した近似直線に基づいて分析対象邸の分析項目の値を予測する。
第3の決定部46は第3の決定手段として機能し、収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の分析項目の値を決定する。
判定部47は判定手段として機能し、予め設定されている条件に従い、分析項目の値が妥当であるか否かを判定する。例えば、第3の決定部46で決定した分析対処邸の値と、予測部45で予測した分析対邸の値の差が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、分析項目の値の妥当性が判定できるようになっていることが好ましい。
本実施の形態に係る建築基本数量分析システムは、次に示す建築基本数量分析方法が、コンピュータ4により実行される構成となっている。
以下に、本実施の形態に係る建築基本数量分析方法について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る建築基本数量分析方法での処理フローを示すフローチャートである。
まず、ステップS1で、コンピュータ4の収集部41が分析対象邸の基本数量データを収集する(収集ステップ)。
次に、ステップS2で、複数の分析項目の中から、判定処理(ステップS3〜ステップS11)が未処理の分析項目を選択する。
そして、選択した分析項目について、第1の決定部42、第2の決定部43、算出部44、予測部45、第3の決定部46及び判定部47によりステップS3〜ステップS11の判定処理を行う。この判定処理(ステップS3〜ステップS11)が終了したら、ステップS12で全分析項目について判定処理(ステップS3〜ステップS11)が終了しているかどうかを確認する。
全分析項目について判定処理(ステップS3〜ステップS11)が終了していない場合は、「NO」としてステップS2に戻り、未処理の分析項目を選択する。全分析項目について判定処理(ステップS3〜ステップS11)が終了している場合には、「YES」として、ステップS13に移行し、判定結果を表示装置2に表示して処理終了となる。
このように、本実施の形態では、分析対象邸の基本数量データが収集されると、分析項目毎に判定処理が行われ、表示装置に判定結果が表示される。
以下に、判定処理(ステップS3〜ステップS11)の方法について説明する。
なお、本実施の形態では、分析項目に「外周長」、「基礎長」、「外壁面積」、「間仕切長」、「床面積」、「横架材面積」、「屋根面積」、「内壁長」、「内階段」が設定されているものとし、これら各分析項目を例に、判定処理(ステップS3〜ステップS11)の方法を説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る建築基本数量分析システムにおいて設定されている分析項目の判定処理のパターンを説明するための図表である。
判定処理のパターンには、「A」、「B」、「C」のパターンがあり、各分析項目(「外周長」、「基礎長」、「外壁面積」・・・・)について判定処理のパターン(「A」、「B」、「C」)が予め設定されている。例えば、分析項目「外周長」の判定処理のパターンは「A」、分析項目「床面積」の判定処理のパターンは「B」、分析項目「内壁長」の判定処理のパターンは「C」となっている。
図3のフローチャートが示すように、判定処理のパターンは、ステップS3及びステップS6で確認される。つまり、判定処理のパターン「A」の場合は、ステップS3での判定が「NO」、ステップS6での判定が「YES」となるから、ステップS4〜ステップS11の全処理により判定処理がなされる。また、判定処理のパターン「B」の場合は、ステップS3での判定が「NO」、ステップS6での判定が「NO」となるから、ステップS7及びステップS8の処理がスキップされて判定処理がなされる。さらに、判定処理のパターン「C」の場合は、ステップS3での判定が「YES」となるからステップS4の処理がスキップされ、さらに、ステップS6での判定が「NO」となるからステップS7及びステップS8の処理もスキップされて判定処理がなされる。
そこで、まず、分析項目「外周長」の判定処理について説明する。なお、分析項目「外周長」では各階について判定処理がなされる。
図5〜図6は、分析項目「外周長」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。図5は1階の判定結果表(A)及び散布図(B)を示し、図6は2階の判定結果表(A)及び散布図(B)を示している。
図4に示すように、分析項目「外周長」の判定処理のパターンは「A」となっている。よって、ステップS3による「パターンCであるか否か」の判定では、「NO」と判定されるから、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「外周長」に対する関連項目は「床面積」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「外周長」の値、及び「床面積」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして後続のステップS5へ移行する。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「床面積」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6へ移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。「外周長」の判定処理のパターンは「A」であるから、「YES」と判定してステップS7へ移行する。
ステップS7では、算出部44が第1の決定部42で決定した「外周長」及び「床面積」の値に基づいて、「外周長」と「床面積」の相関を示す近似直線L1を算出する(算出ステップ)。そして、後続のステップS8へ移行する。
ステップS8では、予測部45が第2の決定部43で算出した「床面積」の値V3から、近似直線L1に基づいて、分析対象邸の「外周長」の値(計算値)V2を算出(予測)する(予測ステップ)。そして後続のステップS9へ移行する。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「外周長」の値(実寸値)V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10へ移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「外周長」の値(実寸値)V1が、各OK条件Jを満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11へ移行する。
なお、OK条件Jとしては、「計算値との差が±5m未満」、「計算値との差が延床面積の3%未満」といった第3の決定部46で決定した分析対象邸の「外周長」の値(実寸値)V1と予測部45で算出(予測)した「外周長」の値(計算値)V2との差の範囲条件が主に規定されている。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表(A)と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「外周長」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「外周長」の値(実寸値)V1、予測部45で算出した分析項目「外周長」の値(計算値)V2、第2の決定部43で決定した「床面積」の値V3、及びその他OK条件の判定に必要な「延床面積」の値V4が示されている。
例えば、図5(A)に示す1階外周長の判定結果表からは、外周長の値(実寸値)V1が「40」、外周長の値(計算値)V2が「40.81」、床面積の値V3が「85.5」、延床面積の値V4が「155.78」であることが分かる。そして、各OK条件J(「計算値との差が±5m未満」、「計算値との差が延床面積の3%未満」、「√床面積の4倍以上」)の判定結果Rは、全て「OK」であることが分かる。
同様に、図6(A)に示す2階外周長の判定結果表からは、外周長の値(実寸値)V1が「36」、外周長の値(計算値)V2が「35.61」、床面積の値V3が「68」、延床面積の値V4が「155.78」であることが分かる。そして、各OK条件J(「計算値との差が±5m未満」、「計算値との差が延床面積の3%未満」、「√床面積の4倍以上」)の判定結果Rは、全て「OK」であることが分かる。
散布図(B)は、縦軸に「外周長」が、横軸に「床面積」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に「床面積」の値に対する「外周長」の値がプロットP1,P2されている。また、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、散布図には、モデル邸のプロットP1の値から求められる近似直線L1が表示されている。さらに、OK条件の「√床面積の4倍以上」に対応し、床面積の平方根の4倍を示す曲線L2が示されている。
次に、分析項目「基礎長」の判定処理について説明する。
図7は、分析項目「基礎長」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。
図4に示すように、分析項目「基礎長」の判定処理のパターンは「A」となっており、上記した分析項目「外周長」の同様の判定処理が実行される。つまり、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「基礎長」に対する関連項目は「外周基礎内面積」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「基礎長」及び「外周基礎内面積」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5へ移行する。なお、本実施の形態では、基礎長から外周長を差し引いた値を分析項目「基礎長」の値としている。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「外周基礎内面積」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「外周長」の判定処理のパターンは「A」であるから、「YES」と判定してステップS7へ移行する。
ステップS7では、算出部44が第1の決定部42で決定した分析項目「基礎長」及び「外周基礎内面積」の値に基づいて、「基礎長」と「外周基礎内面積」の相関を示す近似直線L1を算出する(算出ステップ)。そして、後続のステップS8に移行する。
ステップS8では、予測部45が第2の決定部43で算出した「外周基礎内面積」の値V3から、近似直線L1に基づいて、分析対象邸の「基礎長」の値(計算値)V2を算出(予測)する(予測ステップ)。そして、後続のステップS9に移行する。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「基礎長」の値(実寸値)V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10に移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「基礎長」の値(実寸値)V1が、各OK条件J(「計算値との差が±10m未満」を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11に移行する。
なお、OK条件としては、「計算値との差が±10m未満」といった第3の決定部46で決定した分析対象邸の「基礎長」の値(実寸値)V1と予測部45で算出(予測)した「基礎長」の値(計算値)V2との差の範囲条件が規定されている。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表(A)と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「基礎長」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、決定部46で決定した分析項目「基礎長」の値(実寸値)V1、予測部45で算出した分析項目「基礎長」の値(計算値)V2、及び第2の決定部43で決定した関連項目「外周基礎内面積」の値V3が示されている。
例えば、図7(A)の判定結果表からは、「基礎長」の値(実寸値)V1が「19」、「基礎長」の値(計算値)V2が「31.9922」、「外周基礎内面積」の値V3が「88」であることが分かる。そして、「基礎長」の値(実寸値)V1と「基礎長」の値(計算値)との差は「−12.992」であるから、「計算値との差が±10m未満」というOK条件Jを満たしていないということが分かる。なお、判定の結果R(基礎長の実寸値から計算値を差し引いた値)は強調表示されており、OK条件を満たさないことが一目で認識できるようになっている。
散布図(B)は、縦軸に「基礎長(図中(B)では、「基礎長−外周長」と示す)」が、横軸に「外周基礎内面積」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「外周基礎内面積」の値に対するの「基礎長」の値(基礎長−外周長)がプロットP1,P2されている。また、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、モデル邸のプロットP1から求められた近似直線L1が重ねて表示されている。
次に、分析項目「外壁面積」の判定処理について説明する。
図8は、分析項目「外壁面積」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。
図4に示すように、分析項目「外壁面積」の判定処理のパターンは「A」となっており、上記した分析項目「外周長」及び「基礎長」と同様の判定処理が実行される。つまり、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「外壁面積」に対する関連項目は「外周長合計」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。なお、「外周長合計」とは、各階の外周長や袖壁長等を合計したものである。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「外壁面積」及び「外周長」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5に移行する。なお、本実施の形態では、外壁面積から外周長(その他壁)を差し引いた値を分析項目「外壁面積」の値としている。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「外周長合計」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップ6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「外壁面積」の判定処理のパターンは「A」であるから、「YES」と判定してステップS7へ移行する。
ステップS7では、算出部44が第1の決定部42で決定した「外壁面積」及び「外周長合計」の値に基づいて、「外壁面積」と「外周長合計」の相関を示す近似直線L1を算出する(算出ステップ)。そして、後続のステップS8に移行する。
ステップS8では、予測部45が第2の決定部43で算出した「外周長合計」の値V3から、近似直線L1に基づいて、分析対象邸の「外壁面積」の値(計算値)V2を算出(予測)する(予測ステップ)。そして、後続のステップS9に移行する。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「外壁面積」の値(実寸値)V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10に移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「外壁面積」の値(実寸値)V1が、OK条件J(「計算値との差が±10m2未満」)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11に移行する。
なお、OK条件としては、「計算値との差が±10m2未満」といった第3の決定部46で決定した分析対象邸の「外壁面積」の値(実寸値)V1と予測部45で算出(予測)した「外壁面積」の値(計算値)V2との差の範囲条件が規定されている。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「外壁面積」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「外壁面積」の値(実寸値)V1、予測部45で算出した分析項目「外壁面積」の値(計算値)V2、及び第2の決定部43で決定した関連項目「外周長合計」の値V3が示されている。
例えば、図8(A)の判定結果表からは、「外壁面積」の値(実寸値)V1が「221.1」、「外壁面積」の値(計算値)V2が「176.929」、「外周長合計」の値V3が「76」であることが分かる。そして、「外壁面積」の値(実寸値)V1と「外壁面積」の値(計算値)V2との差は「44.1713」であるから、「計算値との差が±10m2未満」というOK条件Jを満たしていないということが分かる。また、判定の結果R(外壁面積の値から計算値を差し引いた値)は強調表示されており、OK条件を満たさないことが一目で認識できるようになっている。
散布図(B)は、縦軸に「外壁面積(図中では「外壁面積−外周長(その他壁)」と示す)」が、横軸に「外周長合計」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「外周長合計」の値に対する「外壁面積」の値(外壁面積合計−外周長合計)がプロットP1,P2されている。なお、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、モデル邸のプロットP1から求められた近似直線L1が重ねて表示されている。
次に、分析項目「間仕切長」の判定処理について説明する。なお、「間仕切長」については、各階について判定処理がなされる。
図9〜図10は、分析項目「間仕切長」について表示される判定結果表(A)及び散布図の一例を示す図である。図9は1階の判定結果表(A)及び散布図(B)を示し、図10は2階の判定結果表及び散布図を示している。
図4に示すように、分析項目「間仕切長」の判定処理のパターンは「A」となっており、上記した分析項目「外周長」、「基礎長」、及び「外壁面積」と同様の判定処理が実行される。つまり、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「間仕切長」に対する関連項目は「床面積」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「間仕切長」及び「床面積」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5に移行する。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「床面積」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「間仕切長」の判定処理のパターンは「A」であるから、「YES」と判定してステップS7へ移行する。
ステップS7では、算出部44が第1の決定部42で決定した分析項目「間仕切長」及び「床面積」の値に基づいて、「間仕切長」と「床面積」の相関を示す近似直線L1を算出する(算出ステップ)。そして、後続のステップS8に移行する。
ステップS8では、予測部45が第2の決定部43で算出した「床面積」の値V3から、近似直線L1に基づいて、分析対象邸の「間仕切長」の値(計算値)V2を算出(予測)する(予測ステップ)。そして、後続のステップS9に移行する。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「間仕切長」の値(実寸値)V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10に移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「間仕切長」の値(実寸値)V1が、OK条件J(「計算値との差が±10m未満」)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11に移行する。
なお、OK条件としては、「計算値との差が±10m未満」といった第3の決定部46で決定した分析対象邸の「間仕切長」の値(実寸値)V1と予測部45で算出(予測)した「間仕切長」の値(計算値)V2との差の範囲条件が規定されている。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表(A)と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「間仕切長」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「間仕切長」の値(実寸値)V1、予測部45で算出した分析項目「間仕切長」の値(計算値)V2、及び第2の決定部43で決定した「床面積」の値V3が示されている。
例えば、図9(A)の1階間仕切長の判定結果表からは、「間仕切長」の値(実寸値)V1が「47.6」、「間仕切長」の値(計算値)V2が「45.96」、「床面積」の値V3が「85.5」であることが分かる。そして、判定の結果Rは「OK」となっているから、「計算値との差が±10m未満」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
同様に、図10(A)の2階間仕切長の判定結果表からは、「間仕切長」の値(実寸値)V1が「33.6」、「間仕切長」の値(計算値)V2が「35.26」、「床面積」の値V3が「68」であることが分かる。そして、判定の結果Rは「OK」となっているから、「計算値との差が±10m未満」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
散布図(B)は、縦軸に「間仕切長」が、横軸に「床面積」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「床面積」の値に対する「間仕切長」の値がプロットP1,P2されている。なお、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、モデル邸のプロットP1から求められた近似直線L1が重ねて表示されている。
次に、分析項目「床面積」の判定処理について説明する。
図11は、分析項目「床面積」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。
図4に示すように、分析項目「床面積」の判定処理のパターンは「B」となっている。よって、ステップS3による「パターンCであるか否か」の判定では、「NO」と判定されるから、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「床面積」に対する関連項目は「延床面積」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「床面積」及び「延床面積」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5に移行する。なお、ここでは、床面積合計に吹抜床面積合計とデッドスペース面積合計を加算した値を分析項目「床面積」の値V1としている。よって、図中では、床面積(合計)と示す。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「延床面積」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「床面積」の判定処理のパターンは「B」であるから、「NO」と判定してステップS9へ移行する。つまり、ステップS7、ステップS8の処理をスキップする。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「床面積」の値V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10に移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「床面積」の値V1が、各OK条件J(「延床面積よりも小さい」、「延床面積との差が2%未満」)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11に移行する。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「床面積」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「床面積」の値V1、及び第2の決定部43で決定した関連項目「延床面積」の値V3が示されている。
例えば、図11(A)の判定結果表からは、「床面積」の値(実寸値)V1が「153.5」、「延床面積」の値V3が「155.78」であることが分かる。そして、判定の結果Rは全てOKとなっているから、各OK条件J(「延床面積よりも小さい」、「延床面積との差が2%未満」)を満たしていることが分かる。
散布図(B)は、縦軸に「床面積」が、横軸に「延床面積」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「延床面積」の値に対する「床面積」の値がプロットP1,P2されている。なお、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。
次に、分析項目「横架材面積」の判定処理について説明する。
図12は、分析項目「横架材面積」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。なお、図中の関連値とは、関連項目「床面積合計+PA・OH面積」(PA:ピロティ−の略、OH:オーバーハングの略)の値を意味する。
図12に示すように、分析項目「横架材面積」の判定処理のパターンは「B」となっており、分析項目「横架材面積」については、上記した分析項目「床面積」と同様の判定処理が実行される。つまり、ステップS4から判定処理を開始する。
なお、分析項目「横架材面積」に対する関連項目は「床面積合計+PA・OH面積」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「横架材面積」及び「床面積合計+PA・OH面積」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5に移行する。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「床面積合計+PA・OH面積」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「横架材面積」の判定処理のパターンは「B」であるから、「NO」と判定してステップS9へ移行する。つまり、ステップS7、ステップS8の処理をスキップする。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「横架材面積」の値V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10へ移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「横架材面積」の値V1が、OK条件J(関連値との差が±5m2未満)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11へ移行する。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「横架材面積」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「横架材面積」の値V1、及び第2の決定部43で決定した関連項目「床面積合計+PA・OH面積」の値V3が示されている。
例えば、図12(A)の判定結果表からは、「横架材面積」の値V1が「161」、床面積合計+PA・OH面積」(関連値)V3が「161」であることが分かる。そして、判定の結果Rは「OK」となっているから、「関連値との差が±5m2未満」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
散布図(B)は、縦軸に「横架材面積」が、横軸に「床面積合計+PA・OH面積」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「床面積合計+PA・OH面積」の値に対する「横架材面積」の値がプロットP1,P2されている。なお、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、モデル邸のプロットP1から求められた近似直線L1が重ねて表示されている。
次に、分析項目「屋根面積」の判定処理について説明する。
図13は、分析項目「屋根面積」について表示される判定結果表(A)及び散布図(B)の一例を示す図である。なお、図中の関連値とは、関連項目「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」(RB:ルーフバルコニーの略)の値を意味する。
なお、分析項目「屋根面積」に対する「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
図4に示すように、分析項目「屋根面積」の判定処理のパターンは「B」となっており、分析項目「屋根面積」については、上記した分析項目「床面積」及び「横架材面積」と同様の判定処理が実行される。つまり、ステップS4から判定処理を開始する。
まず、ステップS4では、第1の決定部42が邸別データベースに格納されている全モデル邸の基本数量データに基づいて、モデル邸別の「屋根面積」及び「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」の値を決定する(第1の決定ステップ)。そして、後続のステップS5に移行する。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「屋根面積」の判定処理のパターンは「B」であるから、「NO」と判定してステップS9へ移行する。つまり、ステップS7、ステップS8の処理をスキップする。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「屋根面積」の値V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10へ移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「屋根面積」の値V1が、OK条件J(関連値との差が4m2未満)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11へ移行する。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表(A)と、第1〜第3の決定部42,43,46で決定した各邸の値をグラフ上に分析対象邸と各モデル邸とで表示形態を異ならせてプロットした散布図(B)を作成する。これにより、分析項目「屋根面積」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表(A)には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「屋根面積」の値V1、及び第2の決定部43で決定した関連項目「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」の値V3が示されている。
例えば、図13(A)の判定結果表からは、「屋根面積」の値(実寸値)V1が「140」、「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」の値V3が「140」であることが分かる。そして、判定の結果Rは「OK」となっているから、「関連値との差が4m2未満」というOK条件Jを満たしているということが分かる
散布図(B)は、縦軸に「屋根面積」が、横軸に「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」が割り振られており、この横軸及び縦軸の数値に一致する箇所に、「横架材面積(1階−2階)―RB面積+軒裏面積合計」の値に対する「屋根面積」の値がプロットP1,P2されている。なお、モデル邸のプロットP1と、分析対象邸のプロットP2は異なる表示形態となっている。また、モデル邸のプロットP1から求められた近似直線L1が重ねて表示されている。
次に、分析項目「内壁長」の判定処理について説明する。なお、分析項目「内壁長」の判定処理は、各階について実行される。
図14〜図15は、分析項目「内壁長」について表示される判定結果表の一例を示す図である。図14は、1階の判定結果表を示す図であり、図15は、2階の判定結果表を示す図である。
なお、分析項目「内壁長」に対する関連項目は「外周長」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
図4に示すように、分析項目「内壁長」の判定処理のパターンは「C」となっている。
よって、ステップS3による「パターンCであるか否か」の判定では、「YES」と判定されるから、ステップS4をスキップし、ステップS5から判定処理を開始する。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「外周長」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「内壁長」の判定処理のパターンは「C」であるから、「NO」と判定してステップS9へ移行する。つまり、ステップS7、ステップS8の処理をスキップする。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「内壁長」の値V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10へ移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「内壁長」の値V1が、OK条件J(外周長との差が0)を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11へ移行する。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表を作成する。これにより、分析項目「内壁長」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「内壁長」の値V1、及び第2の決定部43で決定した「外周長」の値V3が示されている。
例えば、図14の1階の内壁長に関する判定結果表からは、「内壁長」の値V1が「40」、「外周長」の値V3が「40」であることが分かる。そして、判定の結果Rは、「OK」となっているから、「外周長との差が0」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
同様に、図15の2階の内壁長に関する判定結果表からは、「内壁長」の値V1が「36」、「外周長」の値V3が「36」であることが分かる。そして、判定の結果Rは、「OK」となっているから、「外周長との差が0」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
次に、分析項目「内階段」の判定処理について説明する。
図16は、分析項目「内階段」について表示される判定結果表の一例を示す図である。
図4に示すように、分析項目「内階段」の判定処理のパターンは「C」となっている。
よって、ステップS3による「パターンCであるか否か」の判定では、「YES」と判定されるから、ステップS4をスキップし、ステップS5から判定処理を開始する。
なお、分析項目「内階段」に対する関連項目は「階数」であり、このことは予め記憶装置3に記憶されているものとする。
ステップS5では、第2の決定部43が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「階数」の値V3を決定する(第2の決定ステップ)。そして、後続のステップS6に移行する。なお、「階数」の値は、例えば、1階建ての建物であれば、「1」、2階建ての建物であれば、「2」となる。
ステップS6では、処理パターンが「A」であるかを判定する。分析項目「内階段」の判定処理のパターンは「C」であるから、「NO」と判定してステップS9へ移行する。つまり、ステップS7、ステップS8の処理をスキップする。
ステップS9では、第3の決定部46が収集部41で収集した分析対象邸の基本数量データに基づいて、分析対象邸の「内階段」の値V1を決定する(第3の決定ステップ)。そして、後続のステップS10へ移行する。
ステップS10では、判定部47が第3の決定部46で決定した分析対象邸の「内階段」の値V1が、OK条件J「階数が1であれば1、階数が2であれば2以上」を満たすか否かを判定する(判定ステップ)。そして、後続のステップS11へ移行する。
ステップS11では、判定部47で判定した結果を示す判定結果表を作成する。これにより、分析項目「内階段」の判定処理は終了し、後続のステップS12へ移行する。
判定結果表には、OK条件J、判定部47での判定結果R、第3の決定部46で決定した分析項目「内階段」の値V1、及び第2の決定部43で決定した関連項目「階数」の値V3が示されている。
例えば、図16の判定結果表からは、「内階段」の値(実寸値)V1が「1」、「階数」の値V3が「1」であることが分かる。そして、判定の結果Rは、「OK」となっているから、「階数が1であれば1、階数が2であれば2以上」というOK条件Jを満たしているということが分かる。
以上のようにして、分析項目毎に判定処理を行い、全分析項目について判定処理が終了したら、ステップS12で「YES」の判定を行い、ステップS13で表示装置2に各分析項目の判定結果表及び散布図(図5〜図16)を表示して全処理を終了させる。
上記したような構成により、ユーザーは表示装置2に表示された各分析項目の判定結果表及び散布図(図5〜図16)を参照して、分析対象の建物の各部位の寸法又は数量の間違いを発見することができる。よって、例えば、建築費用の見積を作成する場合において、設計図から拾い出した各部位の寸法又は数量に間違いがないかを判別することができるので、見積ミスを防止することができる。
また、本実施の形態に係る建築基本数量分析システム及び建築基本数量分析方法は、例えば、全部位の寸法や数量が決定しておらず、第3の決定部46で分析項目の値を決定できない建物、つまり分析項目に関する部位の寸法や数量が決定していない建物であっても、第1の決定部42で決定した邸別データベースに格納されている全モデル邸についての分析項目の値及び関連項目の値をグラフ上にプロットしてなる散布図、及び判定結果表(第3の決定部46で決定されるはずの分析項目の値(実寸値)V1はブランクとなっている。)を表示装置2に表示する構成となっている。
この構成により、ユーザーは、全部位の寸法や数量が決定していない建物についても、表示された散布図、並びに判定結果表に表示されている予測部45で予測された分析項目の値(計算値)V2、及び第2の決定部43で決定された関連項目の値V3等を参考にして、分析項目の値(実測値)を予測することができる。つまり、例えば、設計段階にあって、全部位の寸法や数量が決定していない建物についても、関連項目に関する部位の寸法や数量から分析項目に関する部位の寸法や数量を予測することができるので、概算の建築費用を見積もることができる。
また、本発明に係る建築基本数量分析方法は、前述したように、図示しないCPU等で構成されるコンピュータに本実施形態に係る各ステップ(ステップS1〜ステップS13)を実行させるコンピュータプログラムにより実現される。上述した各ステップ(建築基本数量分析方法)を実行するコンピュータプログラムは、適宜の記憶装置(例えばコンピュータが内蔵する記憶装置またはコンピュータに接続された外部記憶装置)を介して適宜の記憶媒体に格納することが可能である。記憶媒体に記憶することにより、異なる場所にある建築基本数量分析システムに対しても容易にコンピュータプログラムを適用することが可能となる。
なお、記録媒体としては、マスクROM、フラッシュROMといった半導体装置、ハードディスク、フレキシブルディスク、MOディスク、CD―ROM、DVD―ROM、BD―ROM、光磁気ディスク、ICカード、磁気テープなどを適用することができ、コンピュータプログラムを記録することが可能であればどのような他の記録媒体であっても良い。また、コンピュータプログラムそのものを通信により伝送して送信先の記録媒体に記録することも可能である。