JP4760579B2 - 同一性判定プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、検定試料に対し、赤外分光光度計や紫外可視分光光度計等の分光分析装置を用いた測定を行うことによって得られるスペクトルのデータから、該検定試料が標準試料と同一であるか否かを判定するための同一性判定プログラムに関する。
医薬品等の材料の受け入れ検査や最終製品の出荷前検査などにおける検定試料の確認方法として、分光測定によって得られる吸収スペクトルを利用する方法が知られている。日本薬局方が定める赤外吸収スペクトル測定法には、このような検定試料の確認基準として、(1)標準試料の吸収スペクトルと検定試料の吸収スペクトルを比較し、同じ波数位置にほぼ同程度の吸収があるとき、又は、(2)確認しようとする物質の特性吸収波数が定められている場合に検定試料の吸収スペクトルがその位置に吸収ピークを有しているとき、に検定試料と標準試料(又は確認しようとする物質)の同一性を確認することができると記述されている(非特許文献1を参照)。
このような同一性の確認を行うに際し、従来は、フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR:Fourier Transform Infrared Spectrometer)又は分散型赤外分光光度計を用いて検定試料の吸収スペクトル測定を行った後、ユーザがレポート上又はプログラム上で検定試料と標準試料の吸収スペクトルを目視して吸収ピークの確認を行っていた。
しかし、このような方法による判定を行う場合、ユーザが判定の度にピーク波数やその強度を読み取らなければならないため非常に煩雑であり、読み取りミスなどの人為的エラーが発生しやすかった。また、「同程度の吸収」という曖昧な判断をしなければならないため、判定結果の信頼性を十分に確保するのが困難であった。
そこで、このような判定をより確実且つ簡便に行うため、検定試料の吸収スペクトルと標準試料の吸収スペクトルについて、予め指定した特定の波数位置付近に現れる吸収ピークの位置及び相対ピーク強度を比較し、その差が許容範囲内であれば両者が同一であると判定して、該判定結果を記載したレポートを作成するプログラムが市販されている。
「日本薬局方ホームページ」、厚生労働省、インターネット<http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/yakkyoku/>、[平成18年6月23日検索]
しかし、上記従来の同一性判定プログラムはバッチ処理による判定を行うものであり、測定と連動させることができなかった。このため、検定試料の測定が完了した後に、ユーザが判定を行う検定試料のスペクトルデータと該判定に用いる標準試料のスペクトルデータを指定した上で、判定処理の実行を装置に指示する必要があり、作業効率が悪かった。更に、判定に使用する標準試料のスペクトルデータをユーザが直接指定する必要があるため、その際に間違ったスペクトルデータを選択してしまい、適正な判定が行われないおそれがあった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、吸収スペクトルに基づく検定試料と標準試料の同一性の判定試験を効率よく行うことができる同一性判定プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る同一性判定プログラムは、分光測定により得られるスペクトルのデータから検定試料と標準試料の同一性を判定するための同一性判定プログラムにおいて、
a) 検定試料の測定条件、及び前記同一性の判定条件を記載したメソッドを作成するメソッド作成機能と、
b) 前記メソッドに記載された測定条件に従って、分光分析装置を制御する測定制御機能と、
c) 前記分光分析装置から出力される測定データを基に前記検定試料の吸収スペクトルを生成するスペクトル生成機能と、
d) 前記検定試料の吸収スペクトルと予め記憶されている標準試料の吸収スペクトルの両者において、前記メソッドに記載された判定条件に従って、所定の波数位置付近のピークを検出すると共に所定の複数のピーク間の強度比を算出するピーク検出機能と、
e) 前記各ピークの波数位置及び強度比の値を前記検定試料と標準試料で比較することにより検定試料と標準試料の同一性を判定する判定機能と、
f) 該判定の結果を含むレポートを出力するレポート出力機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴としている。
本発明の同一性判定プログラムは、更に、
g) 前記スペクトル生成機能によって生成された検定試料のスペクトルと類似したパターンを有するスペクトルデータを複数の標準試料のスペクトルデータを格納したデータベースから抽出するデータベース検索機能、
をコンピュータに実現させるものであって、該データベース検索機能によって抽出されたスペクトルデータを上記ピーク検出機能における標準試料のスペクトルとして使用するものとすることが望ましい。
また、本発明の同一性判定プログラムは、更に、
h) 複数の検定試料の測定順序及び各検定試料に適用するメソッドを記述した測定スケジュールを作成するスケジュール作成機能と、
i) 該測定スケジュールに従って、上記分光分析装置に付設されたオートサンプルチェンジャーを制御するサンプルチェンジャー制御機能と、
をコンピュータに実現させるものとすることがより望ましい。
上記構成を有する本発明の同一性判定プログラムによれば、測定装置による試料の測定と該測定結果に基づく同一性判定を連動させることができ、検定試料の確認試験を効率よく行うことができる。
また、上記データベース検索機能を実現させるものとした場合、ユーザが判定に使用する標準試料スペクトルを直接指定しなくても、検定試料の測定結果に基づくデータベース検索により、該試料の判定に最適な標準試料のスペクトルデータを自動的に選択させることができる。このため、ユーザによる標準試料スペクトルの設定ミスをなくし、確実な判定を行うことができる。
更に、上記スケジュール作成機能とサンプルチェンジャー制御機能を設けた場合、多数の試料の同一性判定試験をユーザの補助を介さず全自動で行うことが可能となり、試験の一層の効率化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例に基づいて説明する。本実施例のプログラムは、日本薬局方の赤外吸収スペクトル測定法に記載の標準試料によるスペクトル確認方法に基づいて検定試料の確認試験を行うものであり、図1は、該プログラムを搭載した制御・データ処理装置10(以下、「本装置10」と呼ぶ)の概略構成を示すブロック図である。本装置10は、FTIR測定装置30(以下、単に「測定装置30」と呼ぶ)に接続され、測定装置30の動作を制御すると共に測定装置30から送出される測定データを処理するものである。測定装置30自体は通常のFTIR測定を行うものであり、既存の装置を用いることができる。
本装置10は、マウスやキーボード等から成る入力部21、モニタ及びプリンタから成る出力部22、ハードディスク等から成る記憶部18、及び、プロセッサやメモリ等から成る中央制御部11を備えるパーソナルコンピュータ上で所定のプログラムを実行することにより構成されている。記憶部18には、設定記憶部19及び参照データ記憶部20が設けられている。設定記憶部19は検定試料の測定条件や判定条件を記載したメソッドファイルを記憶するものであり、参照データ記憶部20は、多数の標準試料のスペクトルを集めたデータベース(図中ではDB)20a、20bを格納するものである。なお、このようなデータベース20a、20bは、予め多数の物質(標準試料)の測定を行い、得られたスペクトルのデータを参照データ記憶部20に登録することによって作成される。
中央制御部11は、本実施例のプログラムによりソフトウェア的に構成された機能部であるメソッド作成部12、測定制御部13、スペクトル生成部14、DB検索部15、判定部16、及びレポート作成部17を備えている。
メソッド作成部12は、出力部22のモニタ上にメソッド作成画面を表示させてユーザの入力を受け付け、該入力内容を記載したメソッドファイルを作成して設定記憶部19に保存するものであり、測定制御部13は該メソッドに記載された測定条件に基づいて測定装置30の動作を制御するものである。スペクトル生成部14は、測定装置30より送出される測定データを基に検定試料の吸収スペクトル(以下、「試料スペクトル」と呼ぶ)を生成するものであり、DB検索部15は、該試料スペクトルを用いて予め指定されたデータベースを検索し、該試料スペクトルに類似したスペクトルパターンを有する標準試料のスペクトル(以下、「標準スペクトル」と呼ぶ)を抽出するものである。
判定部16は、前記試料スペクトルと該標準スペクトルに基づき、検定試料と標準試料が同一であるか否かの判定を行うものであり、レポート作成部17は、該判定結果を含むレポートを作成し、出力部22に設けられたモニタ及び/又はプリンタに出力するものである。
続いて、本装置10を用いた検定試料の確認試験の手順について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(1)メソッドの作成又は読み出し:まず、ユーザが入力部21で所定の操作を行うことにより本実施例のプログラムを起動し、検定試料の測定及び同一性判定に適用するメソッドの設定を行う(ステップS11)。ここで、メソッドとは、測定装置30におけるFTIR測定の条件、及び該測定によって得られたデータを基に本装置10で上記同一性判定を行う際の各種条件を記述したファイルである。以下、該メソッドの作成手順について説明する。
まず、ユーザが所定の操作を行うと、メソッド作成部12が図3に示すようなメソッド作成画面を出力部22のモニタに表示させる。該メソッド作成画面は、測定パラメータ設定欄41、対象データ指定欄42、ピーク波数指定欄43で構成される。測定パラメータ設定欄41は、測定装置30におけるFTIR測定の条件を設定するものであり、測定モード(透過率モード又は吸光度モード)、走査回数、走査範囲、ゲイン、ミラースピード、検出器等の各種条件を設定することができる。
対象データ指定欄42は、同一性判定の対象となる試料スペクトル及び該判定に使用する標準スペクトルを指定するものである。ユーザは、検定試料の測定によって生成される試料スペクトルのデータファイル名、及び該検定試料に関するコメントを「サンプルデータファイル名」欄42a及び「コメント」欄42bに入力すると共に、標準スペクトルの指定方法としてスペクトルデータのファイル名を直接指定するか該スペクトルデータを含むデータベース名を指定するかをラジオボタン42c、42dで選択する。ファイル名を直接指定する場合はラジオボタン42cを選択し、適切な標準スペクトルのデータファイル名を「標準データファイル」欄42eに入力する。また、データベースを指定する場合はラジオボタン42dを選択し、データベース名を「標準データベース」欄42fに入力する。
ピーク波数指定欄43では、上記対象データ指定欄42で指定した試料スペクトルデータと標準スペクトルデータの比較による同一性判定を行う際の条件を設定することができる。ユーザは、ピーク検出の対象とする波数位置を「波数」欄43cに入力し、各波数の許容範囲を「許容値」欄43dに入力する。なお、ピーク検出の対象とする波数は10点まで指定することができる。更に、判定に使用する波数の「Use」欄43aにチェックマークを入れる。波数が入力されていても、チェックマークが付いていないものは判定に使用されない。続いて、上記「波数」欄43cに入力したピーク波数の中から強度比を評価するピーク(以下、「評価ピーク」と呼ぶ)を選択する。その際、使用するピーク波数の数(4点まで)を「評価ピークNo.」欄43eに入力し、続いて、上記「波数」欄43cに入力した波数の中から評価ピークとして使用するピーク波数の番号43bをA〜D欄に入力し、ピーク強度比の許容範囲を「許容値」欄43fに入力する。
なお、このようなメソッドは測定開始前に新規作成するほか、データファィルとして保存しておき、必要に応じて読み出して使用することもできる。例えば、メソッド作成画面中の「保存」ボタン45をクリックすることにより、作成したピーク波数セットを保存することができ、「読み込み」ボタン46をクリックすることにより、過去に作成されたメソッドを読み込むことができる。メソッド作成画面の全ての欄への入力が完了し、ユーザが「OK」ボタン44をクリックするとメソッド作成画面が終了し、以上により作成されたメソッドファイルが設定記憶部19に記憶される。
(2)バックグラウンド試料の測定:メソッドの作成又は読み出しが完了すると、バックグラウンド試料のセットを指示するメッセージが出力部22のモニタに表示される。ユーザが測定装置30の試料室内にバックグラウンド試料をセットし、入力部21から測定開始を指示すると、測定制御部13は、設定記憶部19から前記メソッドファイルを読み出し、測定装置30に対し該メソッドに記載された測定条件と共に分析開始命令を送る。該命令を受けた測定装置は、該測定条件に従って測定を実施する(ステップS12)。
(3)検定試料の測定及びスペクトル生成:上記バックグラウンド試料の測定が完了すると、検定試料のセットを指示するメッセージが出力部22のモニタに表示される。ユーザが検定試料を測定装置30にセットし、入力部21から測定開始を指示すると、上記と同様にして、メソッドに記載の測定条件に従った測定が測定装置30において実施される(ステップS13)。検定試料の測定が完了すると、前記バックグラウンド試料及び検定試料の測定データに基づき、スペクトル生成部14において検定試料の吸収スペクトルが生成される(ステップS14)。
(4)スペクトル検索、標準スペクトルの読み出し:続いて、前記メソッドにおいて標準スペクトルのデータファイル名が指定されているかデータベース名が指定されているかが判定される(ステップS15)。ファイル名が指定されていた場合、該標準スペクトルのデータファイルが参照データ記憶部20から読み出され、前記試料スペクトルと共に判定部16へ送出される(ステップS17)。
一方、上記メソッドにおいてデータベース名が指定されていた場合は、DB検索部15によって該データベース(例えば、データベース20a)に対し所定のアルゴリズムによるスペクトル検索が実行され(ステップS16)、前記試料スペクトルに類似したスペクトルパターンを有する標準スペクトルのデータファイルが抽出されて、前記試料スペクトルと共に判定部16に送出される(ステップS17)。なお、このとき、検定試料のスペクトルと最も類似度の高かったものを自動的に判定用の標準スペクトルとして決定するようにしてもよく、或いは、類似度の高かったスペクトルのうち上位数件を出力部22のモニタ上に表示し、その中から判定用の標準スペクトルとして適切なものをユーザに選択させるようにしてもよい。
(5)ピーク検出・波数比較:判定部16では、前記試料スペクトルと標準スペクトルに基づき、前記メソッドに記載された判定条件に従って同一性判定が実施される。まず、前記メソッドでピーク検出の対象として指定された波数位置(「波数」欄43cに記入された波数のうち「Use」欄43aにチェックが入っているもの)付近のピークが前記試料スペクトルと標準スペクトルの双方において検出され、更に、両スペクトルにおいて実際に検出されたピーク波数の誤差(「試料スペクトルのピーク波数」−「標準スペクトルのピーク波数」)が各波数位置毎に算出され、それらの値が前記メソッドで指定された許容範囲を満たすか否かが判定される(ステップS18)。
(6)ピーク比の比較:続いて、ステップS18で検出されたピークのうち、評価ピークとして前記メソッドで指定された複数のピーク(すなわち、メソッド作成画面のA〜D欄に入力された波数付近のピーク。以下、これらをピークA〜Dと呼ぶ)の強度比(透過率比)を求め、検定試料と標準試料の間での各強度比の値の不一致度を求める。すなわち、試料スペクトルと標準スペクトルのそれぞれにおいて、2つの評価ピーク間の強度比(「評価ピークAの透過率/評価ピークBの透過率」など)を算出し、続いて、両スペクトル間における各強度比の値の不一致度を「試料スペクトル上の強度比/標準スペクトル上の強度比」として算出し、それらがメソッドで指定された許容範囲を満たすか否かを判定する(ステップS19)。
(7)総合判定及びレポート出力:更に、判定部16がステップS18とS19の判定結果に基づいて検定試料の総合判定を行う。このとき、上記判定結果の全てが許容範囲を満たしていれば検定試料が標準試料と同一成分であるとして総合判定を「合格」とし、一部でも許容範囲を超えるものがあれば同一成分と認められないとして総合判定を「不合格」とする(ステップS20)。その後、レポート作成部17において該判定結果を含むレポートを作成し、出力部22のモニタ及び/又はプリンタに出力する(ステップS21)。
このとき作成されるレポートの一例を図4に示す。該レポートには、ステップS20における総合評価(合格なら「OK」、不合格なら「NG」)51と、上記ステップS14で作成された試料スペクトル52及びステップS17で読み出された評価スペクトル53が記載されると共に、ステップS18におけるピーク検出及び各ピークの波数比較の結果54と、ステップS19における評価ピークの強度比の比較結果55が記載される。ピーク検出及び波数比較の結果54としては、ピーク検出対象として指定された波数(図中のP1〜P10)の付近で実際に検出されたピークの波数(cm−1)と透過率(%T)を検定試料(図中の「試料」)と標準試料(図中の「標準品」)の双方について示すと共に、対応するピーク波数の誤差の値とその許容値が示されている。また、強度比(ピーク比)の比較結果55としては、各評価ピークの強度比(A/B、A/C、A/D、B/C、B/D、C/D)を検定試料と標準試料のそれぞれについて示すと共に、両試料間での各強度比の不一致度及びその許容値が示される。
なお、上記測定装置30には、複数の試料を所定の順序で測定装置30の試料室に導入するためのオートサンプルチェンジャーを付設し、多数の検定試料の測定から同一性の判定までを全自動で行うことのできる構成としてもよい。この場合、本実施例のプログラムは、上記各部の機能に加えて、更に、試料の測定順序や各試料の測定及び判定に使用するメソッド等を記載したスケジュールを作成する機能と、該スケジュールに従ってオートサンプルチェンジャーの動作を制御する機能をコンピュータに実現させるものとする。このようなプログラムを搭載した制御・データ処理装置を利用して検査を行う場合、予め、測定開始前に複数の検定試料及びバックグラウンド試料をオートサンプルチェンジャーにセットしておき、ユーザが入力部21を用いて各試料の測定順序と各試料の分析に使用するメソッドのファイル名等を記載したスプレッドシート(スケジュール)を作成し設定記憶部19に記憶させておく。入力部21から測定開始が指示されると、該スケジュールで指定された最初の1サンプル分の分析に適用するメソッドファイルが設定記憶部19から読み出され、上記ステップS12〜S21と同様の処理が実行される。1サンプル分の分析が終了すると全てのサンプルについての分析が完了したかどうか判定され、未分析の試料が残っている場合にはS12に戻って上記の動作を繰り返し実行し、全試料の測定が完了した時点で一連の測定を終了する。このような構成とすることにより、試料の同一性確認試験をより高効率に行うことが可能となる。
以上、実施例を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変更が許容されるものである。例えば、上記実施例では本発明に係るプログラムをパーソナルコンピュータに搭載した例を示したが、この他に、本発明のプログラムは専用のコントロールユニットに搭載されるものとしたり、測定装置の一部に含まれるコンピュータに搭載されるものとしたりしてもよい。
また、上記実施例では、本発明のプログラムをFTIR測定装置を利用した日本薬局方の赤外吸収スペクトル測定法に基づく検定試料の確認試験に用いるものとしたが、本発明のプログラムは、この他に、分散型赤外分光光度計を用いた同様の確認試験や、紫外可視分光光度計を利用した日本薬局方の紫外可視吸光度測定法に基づく検定試料の確認試験等に用いるものとすることもできる。
本発明の一実施例に係るプログラムを搭載したFTIR用制御・データ処理装置の要部構成を示すブロック図。 同実施例に係るFTIR用制御・データ処理装置を用いた検定試料の確認試験の手順を示すフローチャート。 同実施例におけるメソッド作成画面の一例を示す図。 同実施例におけるレポートの一例を示す図。
符号の説明
10…制御・データ処理装置
11…中央制御部
12…メソッド作成部
13…測定制御部
14…スペクトル生成部
15…DB検索部
16…判定部
17…レポート作成部
18…記憶部
18…中央制御部
19…設定記憶部
20…参照データ記憶部
20a、20b…データベース
21…入力部
22…出力部
30…FTIR測定装置
41…測定パラメータ設定欄
42…対象データ指定欄
43…ピーク波数指定欄

Claims (4)

  1. 分光測定により得られるスペクトルのデータから検定試料と標準試料の同一性を判定するための同一性判定プログラムにおいて、
    a) 検定試料の測定条件、及び前記同一性の判定条件を記載したメソッドを作成するメソッド作成機能と、
    b) 前記メソッドに記載された測定条件に従って、分光分析装置を制御する測定制御機能と、
    c) 前記分光分析装置から出力される測定データを基に前記検定試料の吸収スペクトルを生成するスペクトル生成機能と、
    d) 前記検定試料の吸収スペクトルと予め記憶されている標準試料の吸収スペクトルの両者において、前記メソッドに記載された判定条件に従って、所定の波数位置付近のピークを検出すると共に所定の複数のピーク間の強度比を算出するピーク検出機能と、
    e) 前記各ピークの波数位置及び強度比の値を前記検定試料と標準試料で比較することにより検定試料と標準試料の同一性を判定する判定機能と、
    f) 該判定の結果を含むレポートを出力するレポート出力機能と、
    をコンピュータに実現させるための同一性判定プログラム。
  2. 更に、
    g) 前記スペクトル生成機能によって生成された検定試料のスペクトルと類似したパターンを有するスペクトルデータを複数の標準試料のスペクトルデータを格納したデータベースから抽出するデータベース検索機能、
    をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
    該データベース検索機能によって抽出されたスペクトルデータを上記ピーク検出機能における標準試料のスペクトルとして使用するものであることを特徴とする請求項1に記載の同一性判定プログラム。
  3. 更に、
    h) 複数の検定試料の測定順序及び各検定試料に適用するメソッドを記述した測定スケジュールを作成するスケジュール作成機能と、
    i) 該測定スケジュールに従って、上記分光分析装置に付設されたオートサンプルチェンジャーを制御するサンプルチェンジャー制御機能と、
    をコンピュータに実現させるための請求項1又は2に記載の同一性判定プログラム。
  4. 日本薬局方の赤外吸収スペクトル測定法又は紫外可視吸光度測定法に基づく検定試料の判定に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の同一性判定プログラム。
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