JP4241467B2 - 添加物質含有判定装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、各種プラスチック材料に対する分光測定により得られるスペクトルのデータから、その材料に含有される物質を判定するためのプログラム及び装置に関する。本発明に係るプログラム等は、フーリエ変換赤外分光光度法(FTIR)により得られるスペクトルから、プラスチック及びそれに含有される臭素系難燃剤の有無を判定するために特に好適に使用することができる。
2006年7月1日から、欧州において「特定有害物質の使用制限に関する指令」(Restriction of the use of certain Hazardous Substances、略称:RoHS)が施行される。これにより、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)やポリブロモビフェニル(PBB)を含有する材料(主にプラスチック材料)を用いた電気電子機器は、欧州において販売が禁止される。PBDEやPBBは難燃剤としてプラスチックに添加されるものであるため、以下では、これらの物質を総称して「臭素系難燃剤」と呼ぶ。
上記機器を製造するメーカーは、使用する材料に臭素系難燃剤が含有されていないことを確認しなければならない。このような材料が実際に含まれているかどうかは、材料の納入元においてもわからないこともある。このような場合、機器メーカー側において材料のサンプルに対して何らかの測定を行う必要がある。
プラスチックの同定に関しては、FTIRが有効である。FTIRは試料に赤外線を照射し、その透過光又は反射光の信号をフーリエ変換して波数領域のスペクトルを得るものである。透過光を用いる場合のみならず、反射光を用いる場合にも反射の際に赤外線が試料内に多少入り込むため、このスペクトルは、試料に含有される物質による赤外線の吸収を反映したものとなる。
特許文献1には、プラスチック試料からの透過光又は反射光の中赤外領域(波長範囲2.5〜25μm、波数範囲400〜4,000cm-1)におけるスペクトルを解析することにより、そのプラスチックの種類を判別することが記載されている。この方法を用いると、例えば、プラスチックの種類のみならずそのグレードまでも判別することができる。中赤外領域以外にも、従来より近赤外領域(波長範囲1〜2.5μm、波数範囲4000〜10,000cm-1)のスペクトルも用いられているが、近赤外領域のスペクトルに含まれる情報の量は中赤外領域のそれよりも少ないため、正確な判別のためには中赤外領域のスペクトルを用いることがより望ましい。
特開2001-074650号公報([0012]〜[0023], 図1〜図4)
多くのプラスチック材料では中赤外領域のスペクトルに多数のピークを有し、また、難燃剤や軟化剤等の各種プラスチック添加剤を添加した場合もその領域にピークが現れることが多い。更に、難燃剤等の添加剤の添加量は一般的にプラスチック材料に対する重量比で数〜十数%程度であるため、スペクトル判定をソフトウエアで自動的に行おうとすると、含有されているはずの物質が含有されていないと判定されたり、逆に、含有されていないはずの物質が含有されていると誤って判定される可能性がある。
そのため、中赤外領域のスペクトル、特に臭素系難燃剤を含む可能性のあるプラスチック材料について測定する場合には、これまで測定者がスペクトルを見て含有物質を判断するしかなかった。また、初心者がこのような判定を行うことは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、複雑なスペクトルから、プラスチック材料に臭素系難燃剤等の添加物質が含まれているかどうかを自動的に且つ正しく判定することができるプログラム及び装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る添加物質含有判定装置は、未知のプラスチックを母材とする測定対象物に所定の添加物質が含まれているか否かを判定する装置であって、
a)測定対象物の分光測定により得られるスペクトルから所定の基準によりピークを検出するピーク検出手段と、
b)予め記憶されている多数のプラスチック母材物質及びそれに前記所定の添加物質を添加した混合物質のピークのデータである参照ピークデータから混合物質の参照ピークデータを読み出した後に該混合物質に係るプラスチック母材物質の参照ピークデータを読み出す参照手段と、
c)検出されたピークのデータと読み出された参照ピークデータを順次照合することにより、測定対象物に前記所定添加物質が含まれているか否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る添加物質含有判定プログラムは、前記ピーク検出手段、前記参照手段、及び前記判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のプログラムは、未知のプラスチックを母材とする測定対象物に、所定の(既知の)難燃剤や軟化剤等の添加物質が含まれているか否かを判定するためのものである。本プログラムの判定により、(i)測定対象物にその添加物質が含まれているか否か、(ii)母材プラスチックは何か、が明らかになる。この判定は、測定対象物に対して行われる分光測定(例えばFTIR)の結果に基づいて行われる。
ピーク検出手段は、測定対象物に対する所定の分光測定により得られたスペクトルから、ピークを検出する。本発明では、主にピークの波数又は波長の位置データが重要となる。1つの測定対象物から得られるスペクトルには通常、複数のピークが現れる。
参照手段は、予め記憶されている参照ピークデータから、添加物質(添加の有無を判定しようとする物質)毎に定められた順序で参照ピークデータを読み出す。この参照ピークデータは、多数のプラスチック母材物質(単独物質)、及び、それら母材物質の各々に所定の添加物質を添加した物質(混合物質)について、それぞれ作成され、記憶されている。参照ピークデータには、予備実験により得られた実測値を用いることが望ましいが、理論値を用いてもよい。
判定手段は、ピーク検出手段により検出されたピークのデータと、参照手段により所定の順序で読み出されてくる参照ピークデータを順次照合する。両者が所定の一致度以上で一致した時、判定手段は、測定対象物はその参照ピークデータに係る物質であると判定する。これにより、測定対象物中の母材物質と、添加物質の有無が明らかとなる。
本発明に係るプログラムでは、参照手段が参照ピークデータを、予め定めた順序で読み出すため、そのような順序を全く考慮しない場合と比較すると、誤判定の可能性を低減することができる。例えば、添加物質を含有するプラスチック(混合物質)の測定スペクトルから検出されたピークと、その母材プラスチックのみ(単独物質)の参照ピークデータと比較すると、両者は母材プラスチックに由来するピークでほぼ一致する。そのため、混合物質を測定した時に、その検出ピークデータを先に単独物質の参照ピークデータと比較すると、両者は主要なピークでほぼ一致するため、誤って測定対象物はその単独物質であると判定し、そこで判定を終了してしまう。それに対して、先に混合物質の参照ピークデータと比較すると、その参照ピークデータには添加物質のピークのデータが必ず含まれているため、そのピークデータにおける比較が必ず行われる。これにより、測定対象物は混合物質であると正しく判定される。一方、測定対象物が単独物質であったとしても、その検出ピークデータを先に混合物質の参照ピークデータと比較すると、検出ピークには混合物質にあるべき添加物質由来ピークが存在しないため、測定対象物を誤って混合物質と判定することはない。以上のことから、混合物質と単独物質の間では、先に混合物質の参照ピークデータを読み出すことが望ましい。
また、多くのピークが同じような位置に現れる2種(或いはそれ以上)の母材物質があって、或るピークだけはいずれか一つの母材物質のみに存在して他方には存在しないという場合には、そのピークを有する母材物質の参照ピークデータを先に参照することが望ましい。
参照ピークデータには、その物質には現れないピークのデータを除外ピークデータとして明示的に含むようにしてもよい。例えば、2種の物質が、多くのピークにおいて一致するものの、或るピークにおいてのみ有無の相違があり、それによって判別可能であるという場合には、そのピークを持たない物質の方の参照ピークデータに、そのピークを除外ピークデータとして明示的に含めておくことができる。検出ピークデータにこのような除外ピークデータが含まれる場合には、判定手段は、測定対象物はその参照ピークデータに係る物質ではないと明確に判定することができる。
更に、ピーク位置(波数又は波長)のデータに加えて、所定の複数のピークの強度比のデータを判断指標として用いるようにしてもよい。2つのピークからは1つの強度比が得られ、3つ以上のピークからは複数の強度比が得られる。判断指標としては、強度比を1つのみ用いてもよいし、複数用いてもよい。ピーク検出手段は測定スペクトルから各ピークの位置(FTIR測定では波数)と共に複数のピークの強度比を検出する。そして、判定手段はピーク位置とピーク強度比の双方を照合して判定を行う。
本発明の添加物質含有判定プログラムにおいては、物質毎に予め用意されている参照ピークデータを所定の順序で検出ピークデータと比較することにより、他の物質とスペクトルが類似するような複雑なスペクトルであっても、プラスチック材料に添加物質が含まれているかどうかを誤認することなく自動的に且つ正しく判定することができる
また、この添加物質含有判定プログラムをFTIR測定の解析に用いることにより、プラスチック材料への臭素系難燃剤の有無を容易に判断できるため、欧州のRoHSによる規制に対応することができる。即ち、RoHSにより使用が禁止される臭素系難燃剤が、電気電子機器に使用しようとする材料に含まれていないかどうかを、本発明の添加物質含有判定プログラムを用いて的確に確認することができる。
本発明の一実施例として、本発明に係る添加物質含有判定プログラムを用いたFTIR測定・解析装置の一例を図1に示す。
測定装置11自体は通常のFTIR測定を行うものであり、既存の装置を用いることができる。測定データ記憶部12は、測定装置11により得られた波数領域のスペクトルを記憶するものである。参照データ記憶部13は、予め多数の物質の測定により求められた参照データを記憶するものである。ピーク検出部14は、測定されたスペクトルを測定データ記憶部12から読み出し、所定の基準によりその中のピークを検出してその波数及び強度を求めるものである。参照データ取得部15は、制御部17による制御に従い、参照データを所定の順序で取得するものである。判定部16は、取得された測定データと参照データを比較して、測定対象物に含有される物質を判定するものである。
制御部17は、ピーク検出部14、参照データ取得部15及び判定部16を制御する。また、制御部17が測定装置11を制御するようにしてもよい。この場合、測定と連動して含有物質の判定を行うことができる。なお、測定と含有物質の判定を別に行うようにする場合には、制御部17が測定装置11を制御するようにする必要はない。測定者による測定条件・解析条件等の入力は入力部18から行う。
測定データ記憶部12及び参照データ記憶部13はメモリ或いはハードディスク等により構成される。ピーク検出部14、参照データ取得部15及び判定部16はソフトウエアにより構成することができる。
ここで、この添加物質含有判定プログラムが適用される、プラスチックに添加物質が含まれているかどうかを判定するためのFTIRのデータについて説明する。FTIR測定では、例えば図2に示すように、波数領域における赤外線吸収スペクトルが得られる。ここに示したものは、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)の中赤外領域におけるスペクトルである。PBDEは、プラスチック材料に添加される臭素系難燃剤の一種である。
本実施例の添加物質含有判定プログラムに用いる参照データを得るために、複数種類のプラスチック材料について、それぞれPBDEを含有するもの及び含有しないものに対するFTIR測定を行った結果の一例を図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)に示す。図3(a)はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)にPBDEを添加した物、図3(b)はポリスチレン(PS)にPBDEを添加した物、図4(a)はABS、図4(b)はPS、からそれぞれ得られたFTIRスペクトルである。1種類の材料につき100検体以上に対してこのような測定を行い、その結果に基づいて、判定に用いる参照データを作成した。
図5に、参照データの一例を示す。この図は、ABS、PS、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)及びこれらとPBDEの混合物の参照データをテーブルにしたものである。テーブル中、「波数1」〜「波数15」の欄に記載の数値はスペクトルの各ピークの波数である。判定に用いるピークを、ピークの強弱に関わらず波数順に記載している。これらの欄の一部(例えばNo. 3, 物質名"ABS"の「波数8」欄)に負符号"−"を付した数値は、その波数位置にはピークが検出されないことを意味する除外ピークを表す。「ピーク比2/1」の欄は、所定の2個のピークの強度比を取ったものである。ここで強度比を取るピークは「ピーク1」及び「ピーク2」の欄に記載の波数における2個のピークであり、それぞれ「ベース1」〜「ベース4」に記載の波数におけるスペクトルデータの値に基づきベースラインの変動を差し引いたうえで強度比を求めている。このピークの強度比は、ピーク位置(波数/波長)のみでは判定が難しい材料についてのみ使用するものであり、図5のテーブルではリスト5(物質名"PP+PBDE")にのみ記載されている。
図5のテーブルでは、各材料の参照データの配列順が後述のように重要となる。PBDEを含有する材料の参照データは、母物質のみから成る材料の参照データには含まれない、PBDEに由来するピークを含むため、このテーブルでは、各プラスチック材料について、PBDEを含有しないものよりもPBDEを含有するものの方をより上側に記載している。また、PSの参照データにない2236cm-1付近のピークがABSの参照データに存在するため、PSよりもABSを先に記載している。ABS及びPSに関する参照データの記載順は、ABS+PBDE、PS+PBDE、ABS、PSとしている。このような考慮により順序づけを行った後、その順序番号データをテーブルに加えておく。なお、図5では、説明の都合上、この順序により記載しているが、参照データの記憶の順序は、実測順や記憶スペースの効率上の観点から行い、上記順序は別データとして付与しておいてもよい。
本実施例の添加物質含有判定プログラムを、前記図1のFTIR測定・解析装置の概略構成図、前記図5のテーブル及び図6のフローチャートを用いて説明する。なお、このプログラムは、測定装置11による測定対象物に対するFTIR測定内の動作の1つとして実行してもよいし、予め測定を行った後に、該測定とは別の動作として実行してもよい。
FTIR測定内の動作の1つとして解析を行う場合にはその測定が終了した時、測定とは別途解析を行う場合には測定者が入力部18から所定の操作を行った時、解析を開始する。まず、ピーク検出部14は、測定データ記憶部12から、解析対象のFTIRスペクトルを取得し、その中のピークを検出して各々のピークの波数及び強度を求める(ステップS1)。この時、得られたデータ中のピーク強度の最大値(最大吸光度)が所定値(本実施例では0.1とした)以上であるか否かを判定する(ステップS2)。このような判定を行う理由は後述する。最大吸光度が所定値以上であればそのままステップS3に進み、所定値以下であればステップS21に移動して後述の処理を行う。
ステップS3では、参照データ番号nに初期値1を代入する。参照データ番号nは図5のテーブルの各物質に付与された上記順序番号であり、添加物質の含有判定が正しく行われるように予め付与されているものである。次に、ステップS4において、参照データ取得部15がn番目の参照データ(参照データn)を取得する。即ちピークの波数と、強度比の参照データが存在すればそれを取得する。そして、ステップS5において、判定部16が測定データと参照データnの比較を行う。ここではピーク位置の波数のみを比較する。ここで所定以上の一致度で両者が一致しているならばステップS6に進み、そのような一致が見られなければステップS8に進む。
測定データと参照データnが所定以上の一致度で一致している場合には、まず、ステップS6において、参照データnにピーク比のデータ(図5のテーブル中の「比2/1」)が含まれているか否かを確認する。ここでピーク比のデータがあれば、更にステップS31に移動して後述の処理を行う。ピーク比のデータがなければ、参照データnに係る物質が測定対象物に含有されている、と結論づける(ステップS11)。そのため、この測定データとn+1番目以降の参照データとの比較を行うことはない。
それに対して、測定データと参照データnが所定以上の一致度では一致していない場合には、ステップS8に移り、nの値が最大値nmaxに達しているかどうかを確認する。ここでnmaxは、参照データの個数、言い換えれば参照データのある物質の数を意味する。nの値がまだnmaxに達していなければ、nに1を加え(ステップS9)、ステップS4に戻る。一方、nの値がnmaxに達した場合は、全ての参照データを参照し終え、且ついずれの参照データにも測定データが一致しなかったことになるため、参照データ内の物質は測定対象物に含有されていない、と結論づける(ステップS10)。
これら2つの結論のいずれかが得られれば、ディスプレイに表示したりプリントアウトすること等により、解析結果を出力する(ステップS11)。その後、他の測定データが有るかどうかを確認し(ステップS12)、他の測定データが有ればステップS1に戻ってその測定データの解析を行う。他の測定データがなければ解析を終了する。
最大吸光度が所定値以下の場合には、測定に用いるプリズムと試料が十分に密着していないために正しく測定されていない可能性がある。そのため、ステップS2において最大吸光度が0.1以下であると判定された場合には、ステップS21に移動して、例えばディスプレイにその旨を表示することにより、測定者に対して警告を発する。そして、測定者に対して解析を続行するか否かの選択を求める(ステップS22)。解析を続行する場合にはそのままステップS3に移り、解析を続行しない場合にはその測定データについては解析を終了し、ステップS12に移る。なお、ここで解析を続行した場合には、ステップS11における結果の出力の際に、解析結果と共に「正しく測定されていない可能性がある」旨の表示をするようにしてもよい。
ステップS6において"yes"と判断された時には、更に測定データと参照データnの間で、所定のピークのピーク強度比の比較を行う(ステップS31)。測定データの強度比が参照データnの強度比と所定の一致度以上で一致した時、ステップS7に移り、参照データnに係る物質が測定対象物に含有されている、と結論づける。一方、両者が一致しない時はステップS8に移り、その後、上記と同様の処理を行う。
次に、本実施例のプログラムにより誤判定を抑制することができる理由を説明する。参照データは、例えば上記テーブルにおいてピークデータを15個に限定しているように、通常、全てのピークは登録しない。そのため、参照データに含まれていないピークが測定データ中に含まれていても、測定データと参照データの一致度は低下しない。それに対して、参照データに含まれているはずのピークが測定データ中に含まれていない場合は、両者の一致度は低下する。
これをPBDEを含有する物質とそれを含有しない母物質とを比較する場合に当てはめる。まず、母物質の参照データとPBDE含有物質の測定データを比較すると両者の一致度が高くなり、両者が一致するという誤判定が生じる恐れがある。それに対して、PBDE含有物質の参照データと母物質の測定データを比較すると、両者の一致度は低くなり、両者が異なる、と正しく判定できる。この場合、次に母物質の参照データと母物質の測定データを比較して、両者が一致する、と判定される。もちろん、PBDE含有物質の参照データとPBDE含有物質の測定データを比較した時には両者が一致する、と正しく判定できる。以上のように、PBDE含有物質の参照データを先に参照することにより、測定データがPBDE含有物質、母物質のいずれのものであっても正しく判定することができる。
PBDEに由来するピークのように、他の物質の参照データにはない特徴的なピークを用いることは、臭素系難燃剤の有無を判定する場合以外にも有効である。例えば、図5のテーブルでは、PSよりもABSの方を先に記載している。これは、両者のスペクトルのピーク位置が近似している中で、ABSのスペクトル中にPSのそれには見られない2236cm-1付近に特徴的なピークが存在する。これを用いて判定を行うことにより、判定の確度をより高めることができる。
また、図5のテーブルには、例えばABSやPSの参照データ中に「-1352」とあるように、負符号を付したものが含まれている。これは、この値の波数(上記の例では1352cm-1)にはピークが存在しないことを意味する。これを用いて測定データと参照データの比較を行うことにより、より判定の確度を高めることができる。
本実施例では予め参照データのテーブルを用意しているが、測定者が新たにテーブルを作成したり、既存のテーブルに参照データを追加することもできる。また、本実施例では、臭素系難燃剤としてPBDEを含有するプラスチック材料に関する参照データのテーブルを用いているが、PBBを含有するプラスチック材料についても同様にテーブルを作成して本発明のプログラムによる解析を行うことができる。
本発明に係る添加物質含有判定プログラムを用いたFTIR測定・解析装置の一例を示す概略構成図。 臭素系難燃剤であるデカブロモジフェニルエーテル(DBDE)のFTIR測定により得られるスペクトルを示すグラフ。 DBDEを含有するプラスチックに対するFTIR測定結果の一例を示すグラフ。 DBDEを含有しないプラスチックに対するFTIR測定結果の一例を示すグラフ。 参照データの一例を示すテーブル。 本実施例の添加物質含有判定プログラムの動作を示すフローチャート。
符号の説明
11…測定装置
12…測定データ記憶部
13…参照データ記憶部
14…ピーク検出部
15…参照データ取得部
16…判定部
17…制御部
18…入力部

Claims (6)

  1. 未知のプラスチックを母材とする測定対象物に所定の添加物質が含まれているか否かを判定する装置であって、
    a)測定対象物の分光測定により得られるスペクトルから所定の基準によりピークを検出するピーク検出手段と、
    b)予め記憶されている多数のプラスチック母材物質及びそれに前記所定の添加物質を添加した混合物質のピークのデータである参照ピークデータから混合物質の参照ピークデータを読み出した後に該混合物質に係るプラスチック母材物質の参照ピークデータを読み出す参照手段と、
    c)検出されたピークのデータと読み出された参照ピークデータを順次照合することにより、測定対象物に前記所定添加物質が含まれているか否かを判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする添加物質含有判定装置
  2. 前記参照ピークデータのうち少なくとも一部の物質の参照ピークデータには、その物質自身には現れないピークデータが除外ピークデータとして明示的に含まれており、前記判定手段は、検出ピークデータに該除外ピークデータが含まれる場合には、その物質ではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の添加物質含有判定装置
  3. 前記参照ピークデータには、各ピークの波数又は波長位置のデータに加え、所定の複数のピークの強度比のデータが含まれており、前記ピーク検出手段は測定スペクトルから各ピーク位置と複数のピークの強度比を検出するとともに、判定手段はピーク位置とピーク強度比の双方を照合して前記判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の添加物質含有判定装置
  4. 前記測定がフーリエ変換赤外分光光度法によるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の添加物質含有判定装置
  5. 前記添加物質がポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)又はポリブロモビフェニル(PBB)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の添加物質含有判定装置
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の添加物質含有判定装置における前記ピーク検出手段、前記参照手段、及び前記判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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