JP4757770B2 - 通信ルート選択制御装置、無線装置及び通信ルート選択方法 - Google Patents

通信ルート選択制御装置、無線装置及び通信ルート選択方法 Download PDF

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Description

本発明は、通信ルート選択制御装置、無線装置及び通信ルート選択方法に関する。
近年、一つの無線局が複数の無線通信メディアを利用して通信を行うコグニティブ無線通信と呼ばれる技術が検討されている。非特許文献1には、別々の場所に設置された複数の無線通信メディア(例えば、セルラーシステムと、無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)システム)に接続して通信を行う場合に、モバイルIP(Internet Protocol)を用いることによりシームレスなメディア切り替えを行う技術が記載されている。非特許文献2には、複数の無線通信メディア(例えば、セルラーシステムと無線LANシステム)に接続して通信を行うITS(Intelligent Transport System)車両にモバイルルータを搭載した場合のIP層での無線通信メディア切り替えを行う技術が記載されている。非特許文献3には、複数の物理回線を集約して一つの論理回線として提供するリンクアグリゲーションについて記載されている。
齊藤,他,"異種無線通信メディア間切替ソフトの開発",B−5−289,電子情報通信学会総合大会,2003 磯村,他,"通信メディアの切替え可能な車載用モバイルルータの実装",B−7−103,電子情報通信学会総合大会,2003 IEEE802.3ad Standard(IEEE Computer Society LAN MAN Standards Committee).Aggregation of Multiple Link Segments,2000.
しかしながら、コグニティブ無線通信機能を備えた無線局(ノード)によってマルチホップネットワークを構成する場合において、End-to-Endの通信ルート全体での通信効率の向上を図ることのできる通信ルートを選択する技術が一つの課題となっている。さらには、時々刻々と変化する無線環境の影響を軽減し、より安定した通信ルートを提供することが望まれる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、コグニティブ無線通信機能を備えた無線局(ノード)によってマルチホップネットワークを構成する場合において、End-to-Endの通信ルート全体での通信効率の向上を図るとともに、無線環境の影響を軽減し、より安定した通信ルートを提供することのできる通信ルート選択制御装置、無線装置及び通信ルート選択方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信ルート選択制御装置は、複数の無線通信メディアを利用するノードによってマルチホップネットワークを構成するときの通信ルート選択制御装置において、自ノードと無線リンクを確立している相手ノードである隣接ノードの無線リンク情報を取得する無線リンク情報取得手段と、前記隣接ノードのアクティブフロー情報を取得するアクティブフロー情報取得手段と、前記取得された各隣接ノードの無線リンク情報およびアクティブフロー情報に基づいて、各隣接ノードの無線リンク負荷を算出する無線リンク負荷算出手段と、各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷を格納するルーティングテーブルと、他ノードとの間でルーティングテーブルを交換する交換手段と、各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づいて自ノードからデスティネーションノードに至る各経路を評価し、通信ルートを選択するルート選択手段と、を備え、ある隣接ノードの無線リンク情報は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数、又は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、ある隣接ノードのアクティブフロー情報は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの個数、又は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値である、ことを特徴とする。
本発明に係る通信ルート選択制御装置においては、前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの個数であり、前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数であり、ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの個数の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」で除した値であることを特徴とする。
本発明に係る通信ルート選択制御装置においては、前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの個数であり、前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの個数の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」で除した値であることを特徴とする。
本発明に係る通信ルート選択制御装置においては、前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値であり、前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数であり、ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」で除した値であることを特徴とする。
本発明に係る通信ルート選択制御装置においては、前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値であり、前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」で除した値であることを特徴とする。
本発明に係る無線装置は、複数の無線通信メディアを利用する無線装置において、前述の通信ルート選択制御装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係る通信ルート選択方法は、複数の無線通信メディアを利用するノードによってマルチホップネットワークを構成するときの通信ルート選択方法であって、自ノードと無線リンクを確立している相手ノードである隣接ノードの無線リンク情報を取得する過程と、前記隣接ノードのアクティブフロー情報を取得する過程と、前記取得された各隣接ノードの無線リンク情報およびアクティブフロー情報に基づいて、各隣接ノードの無線リンク負荷を算出する過程と、各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷を格納するルーティングテーブルを、他ノードとの間で交換する過程と、各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づいて自ノードからデスティネーションノードに至る各経路を評価し、通信ルートを選択する過程と、を含み、ある隣接ノードの無線リンク情報は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数、又は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、ある隣接ノードのアクティブフロー情報は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの個数、又は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値である、ことを特徴とする。
本発明によれば、コグニティブ無線通信機能を備えた無線局(ノード)によってマルチホップネットワークを構成する場合において、End-to-Endの通信ルート全体での通信効率の向上を図ることが可能になる。さらには、時々刻々と変化する無線環境の影響を軽減し、より安定した通信ルートを提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線局(無線装置)1の構成を示すブロック図である。図1において、無線局1は、複数の無線通信メディアの無線モジュール11と、パケットスイッチ12と、IP(Internet Protocol)層部13と、制御部14とを備える。
各無線モジュール11は、それぞれの無線通信メディアに対応したPHY層及びデータリンク層の機能を有する。データリンク層の機能としては、例えば、MAC(Medium Access Control)やLLC(Logical Link Control)などが挙げられる。無線モジュール11は、パケットスイッチ12との間で、データリンク層パケットを送受する。また、無線モジュール11は、データリンク層パケットの無線送信及び無線受信を行う。
パケットスイッチ12は、データリンク層パケットのスイッチング機能を有する。パケットスイッチ12は、各無線モジュール11の各々に対応して設けられるバッファを有し、無線モジュール11との間で送受されるデータリンク層パケットのバッファリングを行う。また、パケットスイッチ12は、データリンク層パケットとIPパケットの相互変換を行う変換機能を有する。パケットスイッチ12は、IP層部13との間で、IPパケットを送受する。
制御部14は、パケットスイッチ12を制御する。具体的には、IPパケット単位で、どの無線モジュール11の無線リンクを利用するのかを決定し、パケットスイッチ12に指示する。
パケットスイッチ12は、IP層部13から受け取ったIPパケットを変換機能によりデータリンク層パケットに変換し、該データリンク層パケットを制御部14から指定された無線モジュール11に出力する。また、パケットスイッチ12は、各無線モジュール11から受け取ったデータリンク層パケットを変換機能によりIPパケットに変換し、該IPパケットを上位層部16に出力する。
無線モジュール11は、送信時には、パケットスイッチ12から受け取ったデータリンク層パケットを自己の無線通信メディアの固有フォーマットに変換し、無線送信する。また、受信時には、無線受信した固有フォーマットのデータリンク層パケットを共通フォーマットのデータリンク層パケットに変換し、パケットスイッチ12に出力する。
IP層部13は、入出力するIPパケットの情報を制御部14に通知する。その通知するIPパケット情報としては、例えば、アドレス情報(宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、TCP(Transmission Control Protocol)ポートアドレス等)、コネクション種別(単一コネクション、複数コネクション)、IPフローに対する通信品質の要求(伝送速度、QoS等)などが挙げられる。
制御部14は、IP層部13から通知されるアドレス情報に基づき、IPフローを識別し、通信相手の無線局を判断する。そして、通信相手の無線局との間で利用可能な無線通信メディアの無線モジュール11の中から、どの無線通信メディアの無線モジュール11を使用するのかを、IPパケット単位で、選択する。
図2は、コグニティブ無線通信の例を示す概念図である。図2において、各無線局1(S1,D1,D2,D3)は、3種類の無線通信メディアの無線モジュール11を備え、各無線通信メディアに対応している。その3種類の無線通信メディアの例として、本実施形態では、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)の無線アクセス方式の標準規格「IEEE802.16e」と、無線LANの標準規格「IEEE802.11g」,「IEEE802.11j」を挙げて説明する。図2中の無線リンク101はIEEE802.16eの無線リンクであり、無線リンク102はIEEE802.11gの無線リンクであり、無線リンク103はIEEE802.11jの無線リンクである。
図2の無線局1(S1,D1)間は、3つの無線リンク101,102,103で接続されている。無線局1(S1,D2)間は、2つの無線リンク101,102で接続されている。無線局1(S1,D3)間は、1つの無線リンク101で接続されている。
本実施形態では、無線局1は、マルチホップネットワークを構成するノードとして機能する。図3は、マルチホップネットワークの構成例である。図3の例では、End-to-Endの通信ルートとして、ソースノード1_Souからデスティネーションノード1_Desに至る2つの通信ルート1,2が示されている。
通信ルート1は、ソースノード1_Souからノード1_A,1_B,1_Cの3つの中継ノードを経由してデスティネーションノード1_Desに到達する。つまり、通信ルート1は、ソースノード1_Souとノード1_A間のパスPsoua、ノード1_A,1_B間のパスPab、ノード1_B,1_C間のパスPbc、及びノード1_Cとデスティネーションノード1_Des間のパスPcdesから構成される。
通信ルート2は、ソースノード1_Souからノード1_D,1_Eの2つの中継ノードを経由してデスティネーションノード1_Desに到達する。つまり、通信ルート2は、ソースノード1_Souとノード1_D間のパスPsoud、ノード1_D,1_E間のパスPde、及びノード1_Eとデスティネーションノード1_Des間のパスPedesから構成される。
IP層部13は、IPフロー毎に、デスティネーションノードに至る通信ルートの選択を行う。IP層部13は、通信ルートの選択結果を制御部14に指示する。制御部14は、IP層部13から指示された通信ルートに従って、通信相手のノードを決定する。
次に、図1の制御部14について説明する。
図4は、図1に示す制御部14の構成を示すブロック図である。図4には、制御部14の構成のうち、本発明に係る特徴的な部分を示している。
図4において、隣接ノード情報取得部21は、隣接ノードの情報を取得する。隣接ノードとは、自ノードと無線リンクを確立している相手ノードのことを言う。隣接ノード情報取得部21は、無線リンク情報取得部22とアクティブフロー情報取得部23を有する。
無線リンク情報取得部22は、各隣接ノードの無線リンク情報を取得する。無線リンク情報とは、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数、若しくは、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値である。無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数」を用いる場合、無線リンク情報取得部22は、隣接ノードの各々に関し、自ノードとの間で確立中の無線リンクの個数を調べる。これは、各無線モジュール11から知ることができる。無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」を用いる場合、無線リンク情報取得部22は、隣接ノードの各々から、自ノードとの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値を受信する。
また、無線リンク情報取得部22は、隣接ノードの各々に関し、自ノードとの間で確立中の無線リンクの無線通信メディアの種類を調べる。これは、各無線モジュール11から知ることができる。そして、各隣接ノードで確立中の無線リンクの無線通信メディアの種類を、それぞれの隣接ノードの無線リンク情報に含める。
アクティブフロー情報取得部23は、各隣接ノードのアクティブフロー情報を取得する。アクティブフロー情報とは、アクティブ状態のIPフローの個数、若しくは、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値である。アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの個数」を用いる場合、アクティブフロー情報取得部23は、隣接ノードの各々から、アクティブ状態のIPフローの個数を受信する。アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値」を用いる場合、アクティブフロー情報取得部23は、隣接ノードの各々から、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値を受信する。
無線リンク情報送信部24は、無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」を用いる場合、隣接ノードの各々に関し、自ノードとの間で確立中の無線リンクの個数とその無線通信メディアの種類を調べ、その確立中の無線リンクの各々の提供可能な最大データ通信速度の合計値を算出する。そして、その算出結果をそれぞれの隣接ノードに送信する。
なお、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数とその無線通信メディアの種類は、各無線モジュール11から知ることができる。
また、無線リンクの提供可能な最大データ通信速度は、無線通信メディアの種類ごとに、予め記憶しておく。この最大データ通信速度は、劣化要因となるノード間の干渉がない状態で得られる値にする。通常、利用可能なデータ通信速度は、周辺ノードのパケット送信により発生する干渉波の影響を受けて変化するが、ここでは、無線リンクの使用状況を生み出す情報の一つとして、ノード間の干渉がない状態での最大データ通信速度を用いる。
アクティブフロー情報送信部25は、自ノードのアクティブフロー情報を隣接ノードに送信する。アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの個数」を用いる場合、アクティブフロー情報送信部25は、自ノードでアクティブ状態にあるIPフローの個数を調べ、その結果を送信する。アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値」を用いる場合、アクティブフロー情報送信部25は、自ノードでアクティブ状態にあるIPフローの各々について、IPフローの単位時間当たりのパケット流入量を調べ、その合計値を算出し、その算出結果を送信する。なお、アクティブ状態にあるIPフローの個数、又は、アクティブ状態にあるIPフローの単位時間当たりのパケット流入量は、IP層部13で測定し、制御部14に通知される。
なお、アクティブ状態のIPフローとは、確立中の無線リンクを使用しているIPフローのことを言う。従って、アクティブ状態のIPフローの個数は、確立中の無線リンクの各々において、無線リンクを使用中のIPフローの総合計数である。
無線リンク情報およびアクティブフロー情報の隣接ノードへの報知には、確立中の無線リンクのうち、いずれか一つを指定して使用する。また、その報知タイミングは、定期的であってもよく、或いは、情報の変化があった時であってもよい。
隣接ノード情報テーブル生成部26は、隣接ノード情報取得部21により取得された無線リンク情報およびアクティブフロー情報から、隣接ノード情報テーブル27を生成する。図5は、本実施形態に係る隣接ノード情報テーブル27の構成例である。隣接ノード情報テーブル27は、隣接ノードごとに、無線リンク情報およびアクティブフロー情報を格納する。図5においては、隣接ノードの識別情報(隣接ノードID)に対応付けて、無線リンク情報およびアクティブフロー情報が記憶される。隣接ノード情報テーブル生成部26は、情報の変化があった場合には、隣接ノード情報テーブル27を更新する。
無線リンク負荷算出部28は、隣接ノード情報テーブル27に基づいて、各隣接ノードの無線リンク負荷を算出する。無線リンク負荷は、無線リンク情報およびアクティブフロー情報から算出される。ある隣接ノードAの無線リンク負荷を算出する実施例1〜4を以下に示す。
[実施例1]
実施例1では、アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの個数」を用い、無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数」を用いる。
まず、隣接ノードAに関し、自ノードとの間で確立中の無線リンクの無線通信メディアの種類を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、その無線通信メディアの種類と一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを、自ノードとの間で確立中の隣接ノードを全て抽出する。これは、隣接ノード情報テーブル27中の各隣接ノードの無線リンク情報に含まれる無線通信メディアの種類を調べることにより行う。次いで、その抽出された隣接ノードの各々に関し、隣接ノード情報テーブル27中のアクティブフロー情報から、アクティブ状態のIPフローの個数を読み出す。次いで、その読み出したアクティブ状態のIPフローの個数を合計する。この合計値は、隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの個数の総合計値(以下、「アクティブフロー総合計値」と称する)である。また、自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、隣接ノードAの無線リンク負荷を次式により計算する。
隣接ノードAの無線リンク負荷=「アクティブフロー総合計値」÷「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」
[実施例2]
実施例2では、アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの個数」を用い、無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」を用いる。
まず、実施例1と同様に、「アクティブフロー総合計値」を求める。また、自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、隣接ノードAの無線リンク負荷を次式により計算する。
隣接ノードAの無線リンク負荷=「アクティブフロー総合計値」÷「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」
[実施例3]
実施例3では、アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値」を用い、無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数」を用いる。
まず、隣接ノードAに関し、自ノードとの間で確立中の無線リンクの無線通信メディアの種類を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、その無線通信メディアの種類と一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを、自ノードとの間で確立中の隣接ノードを全て抽出する。これは、隣接ノード情報テーブル27中の各隣接ノードの無線リンク情報に含まれる無線通信メディアの種類を調べることにより行う。次いで、その抽出された隣接ノードの各々に関し、隣接ノード情報テーブル27中のアクティブフロー情報から、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値を読み出す。次いで、その読み出したアクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値を合計する。この合計値は、隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の総合計値(以下、「アクティブフローパケット流入量総合計値」と称する)である。また、自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、隣接ノードAの無線リンク負荷を次式により計算する。
隣接ノードAの無線リンク負荷=「アクティブフローパケット流入量総合計値」÷「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」
[実施例4]
実施例4では、アクティブフロー情報として「アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値」を用い、無線リンク情報として「自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」を用いる。
まず、実施例3と同様に、「アクティブフローパケット流入量総合計値」を求める。また、自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値を、隣接ノード情報テーブル27中の隣接ノードAの無線リンク情報から読み出す。次いで、隣接ノードAの無線リンク負荷を次式により計算する。
隣接ノードAの無線リンク負荷=「アクティブフローパケット流入量総合計値」÷「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」
無線リンク負荷算出部28は、算出した各隣接ノードの無線リンク負荷をIP層部13に送る。
次に、図1のIP層部13について説明する。
図6は、図1に示すIP層部13の構成を示すブロック図である。図6には、IP層部13の構成のうち、本発明に係る特徴的な部分を示している。
図6において、ルーティングテーブル送信部31は、定期的に、ルーティングテーブル32をブロードキャスト形式で送信する。このとき、ルーティングテーブル送信部31は、ブロードキャスト形式のIPパケットにルーティングテーブル32を格納し、該IPパケットをパケットスイッチ12に出力する。これにより、自ノードが有するルーティングテーブル32は、ブロードキャスト形式で送信され、隣接ノードで受信される。
図7には、ルーティングテーブル32の構成例が示されている。図7において、ルーティングテーブル32は、ノード毎に、隣接ノード毎の無線リンク負荷を格納する。図7においては、ノードの識別情報(ノードID)に対応付けて、当該ノードの隣接ノードのID(隣接ノードID)ごとに無線リンク負荷が記憶される。ルーティングテーブル32は、自ノードのルーティングテーブル情報と、他ノードのルーティングテーブル情報を有する。ルーティングテーブル情報は、ノードIDと、隣接ノードIDおよび無線リンク負荷の組とから成る。
更新部33は、ルーティングテーブル32を更新する。更新部33は、制御部14から、自ノードに関する隣接ノード毎の無線リンク負荷を受け取る。更新部33は、制御部14から受け取った隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づき、ルーティングテーブル32中の自ノードの隣接ノード毎の無線リンク負荷を書き換える。
ルーティングテーブル受信部34は、隣接ノードからブロードキャスト形式で送信された、隣接ノードのルーティングテーブルを受信する。このとき、ルーティングテーブル受信部34は、パケットスイッチ12からブロードキャスト形式のIPパケットを受け取り、該IPパケットに格納された隣接ノードのルーティングテーブルを得る。ルーティングテーブル受信部34は、隣接ノードのルーティングテーブルを更新部33に出力する。
更新部33は、ルーティングテーブル受信部34から隣接ノードのルーティングテーブルを受け取る。隣接ノードのルーティングテーブルには、自ノードと無線リンクで接続されていない他ノードのルーティングテーブル情報も含まれる。これにより、マルチホップネットワーク全体の各ノードのルーティングテーブル情報が収集可能となる。
更新部33は、ルーティングテーブル受信部34から受け取った隣接ノードのルーティングテーブルと、自ノードのルーティングテーブル32とを参照し、各ノードに係るルーティングテーブル情報を比較する。この比較の結果から、ルーティングテーブル情報の変化が見つかった場合には、自ノードのルーティングテーブル32を更新する。
ルート選択部35は、ルーティングテーブル32に基づいて、IPフロー毎に、通信ルートを選択する。ルート選択部35は、その選択結果のIPフロー毎の通信ルートを制御部14に指示する。
ここで、通信ルートの選択方法について、いくつかの実施例を挙げて説明する。
[無線リンク負荷のみを使用する通信ルート選択方法]
まず、自ノードからデスティネーションノードに至る経路毎に、全パスの無線リンク負荷の合計値を計算する。各パスの無線リンク負荷は、ルーティングテーブル32から読み取る。あるパスの無線リンク負荷は、当該パスの始端のノードにおける隣接ノードの無線リンク負荷のうち、当該パスの終端である隣接ノードの無線リンク負荷である。そして、全パスの無線リンク負荷の合計値が最小である経路を、当該IPフローの通信ルートとして選択する。
[無線リンク負荷とホップ数を使用する通信ルート選択方法]
まず、自ノードからデスティネーションノードに至る経路毎に、各パスのリンクコストを計算し、そのリンクコストの合計値を求める。リンクコストは次式により計算する。
パスBのリンクコスト=α+η+γ×H
但し、αは定数、ηはパスBの無線リンク負荷、Hは自ノードからパスBまでのホップ数、γは重み値である。ホップ数は、経由するノードの個数に相当する。
そして、全パスのリンクコストの合計値が最小である経路を、当該IPフローの通信ルートとして選択する。
上述したように本実施形態によれば、各ノードは、隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づいて自ノードからデスティネーションノードに至る各経路を評価することにより、最も通信効率のよい通信ルートを選択することができる。これにより、コグニティブ無線通信機能を備えた無線局(ノード)によってマルチホップネットワークを構成する場合において、End-to-Endの通信ルート全体での通信効率の向上を図ることが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、アクティブフロー情報および無線リンク情報から算出される無線リンク負荷を利用する。ここで、アクティブフロー情報は無線環境の影響を受けることのないものである。従来、一般的に無線リンクの負荷の算出に用いられる、単位時間当たりの無線リンク利用率は、無線環境の変化に応じて変動するものである。したがって、従来の無線リンク利用率を利用して算出される負荷に比べて、本実施形態に係る無線リンク負荷は、無線環境の影響を受ける度合いが軽減される。これにより、瞬時的な無線環境の悪化により通信ルートの変更が発生することを防止することができ、安定した通信ルートを提供することが可能になる。
また、従来の無線リンク利用率の測定が不要となるので、ノードにかかる処理負荷を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、無線通信メディアにおけるデータリンク層(MAC、LLC等)の上位に、IPパケットの単位で使用する無線通信メディアを選択するデータリンク層パケットスイッチを設けたが、データリンク層パケットの単位で使用する無線通信メディアを選択するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る無線局(無線装置)1の構成を示すブロック図である。 コグニティブ無線通信の例を示す概念図である。 マルチホップネットワークの構成例である。 図1に示す制御部14の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る隣接ノード情報テーブル27の構成例である。 図1に示すIP層部13の構成を示すブロック図である。 図6に示すルーティングテーブル32の構成例である。
符号の説明
1…無線局(無線装置)、11…無線モジュール、12…パケットスイッチ、13…IP層部、14…制御部、21…隣接ノード情報取得部、22…無線リンク情報取得部、23…アクティブフロー情報取得部、24…無線リンク情報送信部、25…アクティブフロー情報送信部、26…隣接ノード情報テーブル生成部、27…隣接ノード情報テーブル、28…無線リンク負荷算出部、31…ルーティングテーブル送信部、32…ルーティングテーブル、33…更新部、34…ルーティングテーブル受信部、35…ルート選択部、101〜103…無線リンク

Claims (7)

  1. 複数の無線通信メディアを利用するノードによってマルチホップネットワークを構成するときの通信ルート選択制御装置において、
    自ノードと無線リンクを確立している相手ノードである隣接ノードの無線リンク情報を取得する無線リンク情報取得手段と、
    前記隣接ノードのアクティブフロー情報を取得するアクティブフロー情報取得手段と、
    前記取得された各隣接ノードの無線リンク情報およびアクティブフロー情報に基づいて、各隣接ノードの無線リンク負荷を算出する無線リンク負荷算出手段と、
    各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷を格納するルーティングテーブルと、
    他ノードとの間でルーティングテーブルを交換する交換手段と、
    各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づいて自ノードからデスティネーションノードに至る各経路を評価し、通信ルートを選択するルート選択手段と、を備え
    ある隣接ノードの無線リンク情報は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数、又は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、
    ある隣接ノードのアクティブフロー情報は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの個数、又は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値である、
    ことを特徴とする通信ルート選択制御装置。
  2. 前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの個数であり、
    前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数であり、
    ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの個数の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」で除した値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信ルート選択制御装置。
  3. 前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの個数であり、
    前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、
    ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの個数の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」で除した値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信ルート選択制御装置。
  4. 前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値であり、
    前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数であり、
    ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクの個数」で除した値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信ルート選択制御装置。
  5. 前記アクティブフロー情報は、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値であり、
    前記無線リンク情報は、自ノードと隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、
    ある隣接ノード(隣接ノードA)についての前記無線リンク負荷は、「隣接ノードAと自ノードの間で確立中の無線リンクと一つでも同じ無線通信メディアの無線リンクを自ノードとの間で確立中の隣接ノードの全てについての、アクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の総合計値」を「自ノードと隣接ノードAの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値」で除した値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信ルート選択制御装置。
  6. 複数の無線通信メディアを利用する無線装置において、
    請求項1から請求項5のいずれかの項に記載の通信ルート選択制御装置を備えたことを特徴とする無線装置。
  7. 複数の無線通信メディアを利用するノードによってマルチホップネットワークを構成するときの通信ルート選択方法であって、
    自ノードと無線リンクを確立している相手ノードである隣接ノードの無線リンク情報を取得する過程と、
    前記隣接ノードのアクティブフロー情報を取得する過程と、
    前記取得された各隣接ノードの無線リンク情報およびアクティブフロー情報に基づいて、各隣接ノードの無線リンク負荷を算出する過程と、
    各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷を格納するルーティングテーブルを、他ノードとの間で交換する過程と、
    各ノードに係る隣接ノード毎の無線リンク負荷に基づいて自ノードからデスティネーションノードに至る各経路を評価し、通信ルートを選択する過程と、を含み、
    ある隣接ノードの無線リンク情報は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクの個数、又は、自ノードと当該隣接ノードの間で確立中の無線リンクで提供可能な最大データ通信速度の合計値であり、
    ある隣接ノードのアクティブフロー情報は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの個数、又は、当該隣接ノードにおけるアクティブ状態のIPフローの単位時間当たりのパケット流入量の合計値である、
    ことを特徴とする通信ルート選択方法。
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