JP4757125B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
前記中間転写方式の画像形成装置は、前記中間転写体の表面に感光体、2次転写ローラ、クリーニングブレードなどの様々な画像形成部品が当接され、前記中間転写体表面が摺擦される。このため、前記画像形成部品との摺擦作用や電気的作用により、前記中間転写体には機械的、電気的な外力への耐久性が要求される。特に、前記中間転写体としては、前記中間転写体表面の耐摩耗性、トナー等に対する離型性、及び中間転写体表面の前記画像形成部品との摩擦係数等に代表される表面特性、並びに引っ張り弾性率、伸び率等に代表される機械特性が重要である。
従来、トナー等に対する離型性が良好な中間転写体の材料として、シリコーン系の樹脂やエラストマー(例えば、特許文献1〜5等参照)、ポリオレフィン系の材料(例えば、特許文献6、7等参照)等が知られている。
しかしながら、この場合、中間転写体表面の摩耗や耐傷性等を防止することができないという問題がある。
また、従来より、離型性に優れた中間転写体の材料として、フッ素系の樹脂やエラストマーが知られている(例えば、特許文献8〜12等参照)。
しかしながら、この場合、中間転写体の表層材料として用いた場合、基材との接着性に劣り、前記表層材料が基材から剥離してしまうという問題がある。
また、機械特性に優れる中間転写体の材料として、ポリカーボネート系材料(例えば、特許文献13〜17等参照)、ポリエステル系材料(例えば、特許文献18、19等参照)、ポリウレタン系材料(例えば、特許文献20、21等参照)、ポリイミド系材料(特許文献22〜26等参照)、ポリイミド中にフッ素樹脂系微粒子やフッ素系有機化合物を分散した材料(例えば、特許文献27〜29等参照)等が知られている。
しかしながら、この場合、トナー等に対する離型性が十分ではなく、中間転写体表面にトナー粒子やその添加剤等が付着してしまう問題がある。
しかしながら、ギャップ放電に対してはこの過渡現象を定量化する技術も確立されていないため、これまでに効果のある有効な対策手段が確立されていなかった。
しかしながら、これらの場合、除電手段や電圧印加手段、これらの制御手段や特定の体積抵抗値を有する表面絶縁層等を設ける必要性が有り、装置全体が複雑になり、コストアップや小型化の妨げになるという問題があった。
しかしながら、絶縁性微粒子とポリアミド酸の親和性が非常に悪いため、両者を混合すると絶縁性微粒子の凝集が生じ、均一な分散を行うことが困難であった。ポリアミド酸溶液が極めて粘稠であることも、均一分散を困難とさせる。そこで、絶縁性微粒子分散液中でポリアミド酸を合成する方法、すなわち、予め絶縁性微粒子を分散させた有機極性溶媒中でジアミン化合物と酸無水化合物を反応させてポリアミド酸溶液を調製する方法が提案されている(特許文献37参照)。
しかしながら、この方法でも、絶縁性微粒子同士の凝集力が強いため、絶縁性微粒子の凝集が起き、その結果面内での抵抗のばらつきが発生して、局所的に放電が生じてベルト電荷を変動させ、白抜け画像や濃度ムラといった問題が生じ、従来技術では前記白抜けを十分に防止することができないという問題点があった。
これらの電気特性はJIS K 6911法に基づいて測定され、表面抵抗率や体積抵抗率を用いて評価されるのが最も一般的である。表面抵抗率は、試料の表面に電極(プローブ)を押し当て、表面を流れる電流を検出して算出され、体積抵抗率は試料上下の電極間に流れる電流を測定して求められる。また、別の表面抵抗測定方法としては、図7に示すように3個の接触端子を被測定部材に当接してその内の2個の端子を電気的に接続し、他の1個の端子との間の抵抗を並列の合成抵抗として測定することによって表面抵抗率を得る方法なども提案されている(特許文献39)。
一方、転写ベルトの表面抵抗率や体積抵抗率と転写画像との間に相関があることが経験的に知られており、これらの値を積極的に制御したベルト部材が多く提案されている。例えば、特許文献40では中抵抗のゴムから成る内層と誘電層、および誘電層よりも固有抵抗率が低い材質の表層の三層で転写ベルトを構成し、用紙の搬送性と分離性を両立すると同時に安定して良好な画像を得ることを実現している。また、特許文献41では導電性の異なる複数種類のカーボンを樹脂に対して膜厚方向に偏在するように分散し、ベルト表面の抵抗を裏面よりも高くすることによって、画像濃度ムラを防止する中間転写ベルトの製造方法が提案されている。
しかしながら、表面抵抗率や体積抵抗率はミリメートルオーダーの電極を用いて評価されるものであり、マクロな電気特性を示すため、表面抵抗率や体積抵抗率の測定値だけではベルト特性を完全には把握できないという問題がある。例えば、表面抵抗率や体積抵抗率の値が同等のベルトを用いて、同じ条件で感光体上のトナーを転写しても、ハーフトーン画像などで発生する濃度ムラや画像が所々白く抜ける現象(以下、“白抜け”と記す)の傾向が異なるため、結局のところ画像形成装置の開発段階においては、多くのベルトサンプルについて様々な条件下でトナー画像の転写実験を行い、出力画像を見て好ましいベルトを抽出するといった作業が発生していた。とりわけ近年その耐久性に期待して、熱硬化性樹脂のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の単層膜からなるシームレスベルトを中間転写体として利用しようという動きがあるが、このポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を用いると、前記白抜けや濃度ムラなどの異常画像が顕著に多発する傾向があり、従来の中間転写ベルトと比較しても良好な画像が得られないという問題点があった。このような実情から、より微視的な電気特性の評価手法の確立が望まれると同時に、そこで得られる知見に基づいたプロセス制御をリアルタイムで行うことにより、濃度ムラや白抜けを発生しない画像形成装置が強く要望されていた。
本発明は、複数の像担持体と、所定の方向に移動するとともに光の全て又は一部を透過可能な中間転写体と、前記像担持体上に形成されたトナー像を前記中間転写体に順次静電的に転写する複数の転写手段と、を有する画像形成装置において、前記転写手段が、光学異方性材料をその厚み方向の全部又は一部に含む転写ローラを有し、前記転写ローラの端部側に設けられ、前記光学異方性材料により端面に集光された転写時に生じる放電光を検出する放電光検出手段と、検出した放電光に関する情報に応じて前記転写手段の転写条件を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記光学異方性材料が、集光性染料であることを特徴とする。
本発明は、前記集光性染料が、集光性蛍光染料であることを特徴とする。
本発明は、前記放電光に関する情報が、検出した放電光の光量、粗密、あるいは頻度であることを特徴とする。
本発明は、前記放電光の光量、粗密、あるいは頻度に応じて、前記転写手段に印加するバイアス、又は前記転写手段に流れる電流値を変化させることを特徴とする。
本発明は、前記放電光検出手段が、受光素子から形成されており、前記受光素子が、光電導素子、光起電力素子、光電子放出素子、あるいはこれらの複合素子から構成されており、前記転写ローラの一方もしくは両方の端部に1箇所以上設置されることを特徴とする。
本発明は、前記放電光検出手段を構成する前記受光素子として光電子増倍管又は電荷結合素子が、少なくとも一箇所以上に用いられ、前記光電子増倍管又は電荷結合素子の検出感度が高い領域に、前記転写ローラに含有された集光性染料の最大吸収波長が、略一致するように組み合わせたことを特徴とする。
本発明は、前記光電子増倍管又は電荷結合素子の検出感度が、400〜800nmに最大感度を有し、かつ前記転写ローラに含有された染料が変換する蛍光の最大放出波長又は最大吸収波長が、前記400〜800nmの範囲に略一致していることを特徴とする。
本発明は、少なくとも前記中間転写体を構成する樹脂が、熱硬化性樹脂を単層又は他の樹脂などと組み合わせて積層したものであることを特徴とする。
本発明は、前記抵抗制御剤が、少なくとも金属類もしくはその酸化物からなる無機透明電子導電剤や有機物からなるイオン性導電剤より構成され、また前記放電光検出手段で検知できる発光波長領域の少なくとも一部に5%以上の光透過率を有する中間転写体を用いたことを特徴とする。
本発明は、前記抵抗制御剤の前記樹脂への分散性を改善せしめるために分散安定化剤を添加した中間転写体を用いたことを特徴とする。
そこで、本発明で用いる前記転写ローラを構成する樹脂としては透明性の良いものであれば、公知のものが利用できるが、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン等)、アモルファスポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン、セルロース系ポリマー(トリアセチルセルロース(TAC)等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル樹脂を単独もしくは混合して用いたり、あるいはシリコーンやウレタンなどの各種エラストマーや合成ゴム類を用いたりすることができる。
本発明で用いる集光性蛍光染料には以下の特性が要求される。
(1)高耐久性:長時間の光、熱、電界などに対する安定性に優れていること
(2)強蛍光性:強い傾向を放出できること
(3)彩色性:検出部位の感度が高い可視域の蛍光を放出できること
(4)分散性:樹脂に容易に分散できること
このような特徴を有する前記集光性蛍光染料には芳香族環や複素環などを含む環状構造色素化合物が好適であるが、具体的にはアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ染料などのアゾ染料類や、ペリレン系色素類、フタロシアニンなどのポルフィリン環を含むアザアヌレン色素類、フラビン類、チオフラビン類、ローダミンBなどを用いることができるが、さらに具体的には下記標章で上市されているものとして、Disperse Yellow5、Disperse Yellow54、Disperse Yellow56、Disperse Yellow60、Disperse Yellow64、Disperse Yellow160、Disperse Orange13、Disperse Orange30、Solvent Orange5、Solvent Orange45、Reactive Yellow 2、Reactive Orange13、Direct Yellow44、Direct Orange26、Acid Yellow38、Basic Yellow11、Basic Yellow28、Basic Yellow40、Basic Yellow51、Basic Orange 22、Basic Orange 30、Fluorescent Brightening Agent54、Fluorescent Brightening Agent135、Fluorescent Brightening Agent162、Fluorescent Brightening Agent260、Lumogen F Violet570、Lumogen F Yellow083、Lumogen F Orange240、Lumogen F Red305などがある。
これらの蛍光染料の含有率は、樹脂に対して1〜10wt%が好ましい。また、その発光波長も前記検出部材の感度が高い400〜800nmに最大値を有するものであることが好ましい。
前記中間転写体の形状としては、特に制限はないが、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状(円筒状)、無端ベルト状などが挙げられ、この中でも無端ベルト状構成のものが好適である。
前記中間転写体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記表面層のみによる単層構造、基材上に前記表面層を有する複層構造などが挙げられ、以下の成分を使用できる。
前記屈曲性ポリアミド酸としては、前記芳香族多価カルボン酸無水物と、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとの縮合反応により得られるものが挙げられる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を混合して用いることも可能である 前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビスフェニル、3,3’−ジアミノビスフェニル等が挙げられる。
前記剛直性ポリアミド酸及び前記屈曲性ポリアミド酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7:3〜2:8の混合比の範囲であることが好ましい。
前記剛直性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドは、高い強度(剛性)を有するものの、同時に脆性を有する傾向にあり、耐屈曲性に劣ることがある。
一方、前記屈曲性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドは、強度(剛性)はあまり高くはないが、耐屈曲性に富むという長所がある。
前記剛直性ポリアミド酸及び屈曲性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドを中間転写体に用いることにより、剛性が高く、耐屈曲性に富む中間転写体を得ることが可能となる。
次いで、前記ポリアミド酸を、NMP(N−メチル−2−ピロリジノン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)等のアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン等のポリアミック酸系溶媒、双極子溶媒、乳酸エチル、メトキシメチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒に溶解し、必要な固形分、粘度を有するポリイミド形成ワニスを得る。
前記ポリアミド酸に対する前記溶媒の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリイミド形成ワニスの粘度や使い勝手のバランスの観点から、ポリイミド形成ワニス100質量部に対して、250〜2000質量部(固形分濃度約5〜30質量%)であることが好ましい。
次いで、前記ポリイミド形成ワニスを加熱反応させて、脱水、イミド化して前記ポリイミドが調製される。
前記ポリイミド形成ワニスの加熱条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、十分にイミド化を行うためには、100〜400℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法として一般的に、(1)イソシアネート法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と芳香族イソシアネートより溶媒中で製造する方法(例えば特公昭44−19274号公報)(2)酸クロライド法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には前記誘導体クロライドとジアミンから溶媒中で製造する方法(例えば特公昭42−15637号公報)が用いられる。各製造方法について説明する。
(1)イソシアネート法
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば化2及び化3で示す化合物を使用することができる。
これらは何れも使用することができるが最も代表的には無水トリメリット酸が用いられる。
また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独又は混合して用いられる。
必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
本方法に於いてはポリアミック酸を経由することなく、炭酸ガスを発生しながら、ポリアミドイミドが生成される。化4に無水トリメリット酸及び芳香族イソシアネートを用いた例を示す。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとしては、例えば化5及び化6で示す化合物を使用することができる。
ハロゲン元素はクロライドが好ましく、具体例を挙げるとテレフタル酸、イソフタル酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、4、4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス[2−(3−アミノフェノキシ)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス[2−(3−アミノフェノキシ)エチル]ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)プロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)プロピル]ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリジノン、N−ビニル−2−ピロリジノンなどのピロリジノン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独或いは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノンが特に好ましい。
その後、ポリアミック酸をイミド化してポリアミドイミドにする。イミド化の方法としては、加熱により脱水閉環させる方法及び脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。加熱により脱水閉環させる場合、反応温度は通常150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、時間は通常30秒間乃至10時間、好ましくは5分間乃至5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は通常0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間乃至数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物が挙げられる。
前記表面層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。前記フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー等が挙げられる。
前記表面層は、例えば、前記樹脂を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、前記塗布溶液を前記ポリイミド膜あるいはポリアミドイミド膜の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、ローラ塗布法、カーテン塗布法、ブラシ塗布法など公知の方法が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ベンゼン、トルエン、o−、m−、またはp−キシレンなどの芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリジノン、N−ビニル−2−ピロリジノンなどのピロリジノン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスファジルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独或いは混合溶媒として用いるのが望ましい。
例えば本発明で用いる無機透明電子導電剤としてはNiパウダー、チタン、スズ、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ジルコニア等の金属微粉末やこれらの金属酸化物、ITO(インジウム錫オキサイド)、ATO(アンチモン錫オキサイド)等などの異原子ドープ金属酸化物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウムなどに代表される金属塩類、あるいはこれらを複数組み合わせた無機透明電子導電剤が好ましい。無機透明電子導電剤の配合量は電子導電剤の種類やベース層を構成する樹脂の種類によるので一概には言えないが、一般的には樹脂固形分100質量部に対して約1〜50質量部程度、さらに好ましくは約3〜40質量部程度である。
一方、本発明で用いるイオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム等)、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム等)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。また上記分散安定化剤として用いる界面活性剤と併用しても構わない。イオン導電剤の配合量も種類やベース層を構成する樹脂の種類によるので一概には言えないが、一般的には100質量部に対して約1〜70質量部程度、さらに好ましくは約3〜50質量部程度である。
前記抵抗制御剤としては、所定の電気特性を得られ、かつ放電光の検出に支障が出ない光透過性の高いものが好適であり、さらに重要な用件としてポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の硬化温度である200〜400℃程度の高温でも変化し難いものが好ましく、例えば、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の有機化合物、若しくはそれらの重合体、エーテルエステルアミド重合体、エーテルアミドイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等の導電性ユニットを有する化合物、若しくはそれらの高分子化合物等の有機帯電防止剤などが挙げられる。この中でも、チタン、スズ、アルミナ、ケイ素、亜鉛、ジルコニア、ITO(インジウム錫オキサイド)、ATO(アンチモン錫オキサイド)等などの金属酸化物からなり、可視光域の一部あるいは全部に光透過性を有する抵抗制御剤が前記ポリイミド硬化温度でも安定であり、また検出感度を比較的に低下せずに使用できることからも最も望ましい。
これら前記金属酸化物は、樹脂に対する分散性を改善することを目的として、それ自身が界面活性剤により表面処理されるか、もしくは金属酸化物と同時に分散安定化剤として界面活性剤を添加していることがなお好ましい。
前記ノニオン性の界面活性剤としては、長鎖アルキル基,アルケン基,アルコシキ基等親油性含有オリゴマー、長鎖アルキル基,アルケン基,アルコシキ基等親水性基含有オリゴマー、アルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、アルキル基含有第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、長鎖アルキル,アルケン,アルコシキ等を含有するスルホン酸、カルボン酸の一価金属塩やリン酸エステルなどが挙げられる。
前記界面活性剤により表面処理されることで分散剤としての機能も附与され、前記ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂との親和性が向上し、安定した転写電流経路が形成された中間転写体が得られる。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記無機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、補強効果を目的とするガラス,チタン,シリコーン等のフィラーの添加などが挙げられる。
前記その他の成分の前記ポリイミドへの添加方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリイミド形成ワニスに対して、溶剤に溶解して添加してもよく、微粒子の状態で添加してもよい。
前記中間転写体の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記中間転写体が複層構造である場合には、基材上に表面層を形成する方法、前記中間転写体が単層構造である場合には、表面層を無端ベルト状に形成することによりシームレスベルトを得る方法などが挙げられる。
前記中間転写体の作製方法としては、具体的には、前記剛直性ポリアミド酸及び前記屈曲性ポリアミド酸を含む混合ポリアミド酸溶液を基材上又は成形型内に塗工して、塗膜形成過程と同時に又は塗膜形成後において少なくとも加熱して、イミド化することにより中間転写体を得る方法が好適に挙げられる。
単層構造中間転写体の作製方法としては、例えば、以下の遠心成型法などにより前記ポリイミドを無端ベルト状に形成する方法が好適に挙げられる。
まず、前記ポリイミド形成ワニスを溶剤に溶解又は分散させた液状組成物を調製する。前記溶剤の種類、含有量としては、前記複層構造中間転写体の場合と同様とすることが可能である。
得られた、ベルト素材としての前記液状組成物を、回転される円筒形状の成形型内部に、流し込んで、前記成形型を高速回転させて、その遠心力により塗布液を拡げ、均一な膜を成膜する。
次いで、前記液状組成物を所定の温度に加熱してイミド化する事により前記基材上にポリイミド膜を成膜して、無端ベルト状の中間転写体を得ることができる。
前記加熱条件としては、前記複層構造中間転写体の場合と同様とすることが可能である。
前記遠心成型法によれば、塗布された前記液状組成物は遠心力により拡げられるので、均一な厚みのポリイミド無端ベルトを得ることが可能となる。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記分散において、原料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が50質量部未満であると、前記原料の分散状態が悪く、所定の分散径を有する膜が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。必要に応じて、粒度分布をシャープにし、安定に分散を行う観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリジノン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記乾燥工程としてもポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の硬化温度(200〜400℃)に到達する方法であれば公知の方法が利用でき、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、ドライヤ等高温ガスを放射し過熱する方法、マイクロウエーブを用いる方法などが挙げられる。
本発明のシート部材の放電検出装置は、観察対象である転写ベルトなどから切り出したサンプルシート1を電極2の上に置き、電極2に外部から電圧を印加することによってサンプルシート1とアースに短絡されたITO(Indium−Tin−Oxide)電極7との間に発生する放電光を、ミラー5を介してイメージインテンシファイア4に導入し、増倍された放電画像を、CCDを内蔵するビデオカメラ3などで取り込む構成となっている。本装置では、微小な発光を捕らえることを目的として、イメージインテンシファイア4(浜松フォトニクス製V1366P)を2つ直列に並べており、それぞれのイメージインテンシファイアの入口側に像を結像するためにレンズ9(PENTAX社製、smc PENTAX−A DENTAL MACRO 1:4 100mm)とレンズ10(PENTAX社製、smc PENTAX−FA 1:2.8 50mm MACRO)が配設されている。サンプルシート1と透明電極7との距離は、ステッピングモーター12を用いてステージ8を動かすことにより、1μmのオーダーで制御され、ステッピングモーター12はステッピングモーターコントローラ13(駿河精機(株)製ステッピングモーターコントローラD70)を介して、パソコン14で制御される。なお、電極2に印加されるバイアスについても、アンプ11(トレック社製、MODEL677A)を介してパソコン14で制御される。
なお、サンプルシート内に抵抗が高い領域があったり、また、シートの裏面層に抵抗が高い層があったりして、直流バイアスでは継続的な放電が発生しないものに対しては、電極2に振幅の大きいACバイアスを重畳することによって連続的に放電を発生させることによって、放電ムラの傾向を見ることが可能になるため、放電ムラ観察時にACバイアスを使用することは非常に有効である。放電ムラの観察時は、直流バイアス成分のオフセット値や、交流成分の振幅、周波数などについて、様々な条件で測定することが望ましい。
本発明者らはこれに対して上記光学的に透明性を保有する中間転写体を採用し、かつ転写過程もしくはその近傍域で放電光受光素子を設けることで放電発生状態を検知し、その結果を元に画像品質を保持するためにプロセスコントロールを行う機構を画像形成装置に設け、本発明に至った。
本発明で用いる前記放電光検出手段としては以下のような受光素子が挙げられ、具体的にはCd−Sセル、Cd−Seセル、PbSセンサなどからなる光電導素子、Si,Ge,GaP,GaAsP,InGaAsP/InPなどに代表されるPN型ダイオード、PIN型ダイオード、ショットキーダイオード、アバランシュダイオード、及びこれらを用いたフォトトランジスタ素子、フォトIC、フォトトライアック素子、フォトサイリスタ素子などの光起電力素子、もしくは光電撮像管や、光電子増倍管といわれる光電子放出型素子、さらにこれらの複合型素子としての光ダイオードアレイやPSD(Position Sensitive Detector)、CCDイメージセンサ、MOSイメージセンサなどが好適に利用できる。
また、本発明で用いる受光素子は、各々の部位で観測される放電光の粗密、あるいは頻度の差を検出することもできる。具体的には、光束や放電光の受光頻度の差を検出することができる。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(もしくは感光体)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン無機感光体やフタロシアニン系ポリメチン顔料を用いた有機感光体が好適に用いられる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に前記現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって前記静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が前記トナーにより現像されて前記静電潜像担持体(感光体)の表面に前記トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記現像剤であるが、前記現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、前記複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ドラム態様のものが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記トナー像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記画像形成装置の具体的な構造としては、前記構造を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下に示す第1から第2の構造の画像形成装置が好適に挙げられる。
感光体ドラム101a〜101d、非接触帯電ローラ103a〜103d、現像器104a〜104d、1次転写ローラ105a〜105d、および図示されない4つの露光装置によって各感光体ドラム101a〜101dに作像された球形重合トナーから成るトナー像を中間転ベルト106上に1次転写し、中間転写ベルト106上に1次転写画像を形成する1次転写画像形成部A101〜A104と、中間転写ベルト106上に形成された1次転写画像を図示されない被転写材に転写して2次転写画像を得るための転写電界を形成する2次転写ローラ107、搬送ベルト108、対向ローラ109と、被転写材上の2次転写画像を定着するための定着ローラ110と加圧ローラ111、ヒータを有する加熱ローラ114、定着ベルト115、および空冷ファン113から構成される。
本装置において、スキャナ等でカラー画像データが発生すると、1次転写画像形成部A101では、まず、マイナスにバイアスされた非接触帯電ローラ103aが感光体ドラム101aを均一にマイナス帯電し、次いで図示されない露光装置が感光体ドラム101a表面に静電潜像を形成する。続いて現像器104aがマイナスの電荷を有するトナーを反転現像することによって、感光体101a上にトナー像が形成される。1次転写転写ローラ105aには,トナーの極性とは逆極性のプラスのバイアスが印加されており、感光体ドラム101a上のトナー像は1次転写ローラ105aとの間で形成される転写電界によって中間転写ベルト106上に転写され、1次転写画像が形成される。これと同様に、1次転写画像形成部A102〜A104においても各タイミングに応じて画像形成が行われ、中間転写ベルト106上には4色のトナーからなる1次転写画像が形成される。
本発明の放電光検出機能は一次転写ローラでも二次転写ローラでも適用でき、両方に具備してもかまわない。一次転写ローラ105a、105b、105c、105dに適用される場合は中間転写ベルト106も少なくとも放電光の一部波長域に対して透明であって、放電光を検出しながら転写電界を調整し、白抜けの無い画像を形成することが可能である。また、二次転写ローラ107または109にも適用できるが、109の場合は上記一次転写ローラと同じ条件で利用できるが、二次転写ローラ107から検出する際には紙などの転写体越しには検出できないため、紙間など検出のタイミングを調整することで適用可能である。
本図に示した画像形成装置は、静電潜像担持体としての感光体ベルト201と、前記感光体ベルト201の周囲に配置されるブラック現像ユニットK、シアン現像ユニットC、マゼンタ現像ユニットM、イエロー現像ユニットYを有する現像手段と、感光体ベルト201に所定にニップ部をもって当接される中間転写ドラム208と、前記中間転写ドラム208に対して、感光体ベルト201と中間転写ドラム208とのニップ部に当接する1次転写ローラ203と、中間転写ドラム208の回転方向下流側で前記中間転写ドラム208に当接する2次転写ローラ204と、前記2次転写ローラ204よりも転写材205の搬送方向下流側に配置される用紙除電手段206と、中間転写ドラム208に対向配置されるクリーニング手段207とを備えている。本構成で、中間転写ドラム208が、円筒状のドラム基材上に表面層を有する複層構造の中間転写体であり、前記本発明は一次転写ローラ202乃至は前記中間転写体208が光学的異方性層を有してかつその端部に放電光検出部203を配置してなる。
図4に示した構造に係る画像形成装置において、適宜選択された一の前記現像ユニットY、M、C、Kによって、感光体ベルト201上に現像されたトナー像Tは、感光体ベルト201と中間転写ドラム208とのニップ部である一次転写部で1次転写ローラ203を介して、所定のバイアス電位が付与されるとともに、感光体ベルト201に対して同期回転される中間転写ドラム208上に転写される。
そして、現像ユニットY、M、C、Kによって現像された各色(黒、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像は、中間転写ドラム208上に逐次転写され、前記カラートナー像が中間転写ドラム208上に重ね合わされる。
中間転写ドラム208の回転に同期して搬送される転写材205が中間転写ドラム208と二次転写ローラ204の間を通過する。この時、二次転写ローラ204には、前記トナー像の帯電極性と反対の極性のバイアス電圧が印加されている。そして、前記中間転写ドラム208上に一次転写されたカラートナー像が、中間転写ドラム208と二次転写ローラ204との間を通過する転写材205に二次転写される。本構成は感光体ベルト201を共用したものだが、各色トナー毎にベルトやドラム構成の感光体が具備され、これが中間転写ドラムに順次一次転写する構成であっても構わない。
転写材205は、その後、用紙除電手段206で所定の電荷が与えられて、滞留する電荷が除去される。転写材205は、その後、図示しない定着手段に搬送されて、定着工程へと移動する。
一方、中間転写ドラム208上に残留した転写残トナーは、中間転写ドラム208に対向配置されるクリーニング手段207(ブラシ、ローラ等)で除去される。その後、中間転写ドラム208は、不図示の除電手段により除電されて初期化される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
光学的異方性層を有する転写ローラの作製
本発明で使用した上記転写ローラはリコー製カラー複写機Imagio Neo C600で使用している一次転写ローラに対して、ポリメチルメタクリレート樹脂(積水化学製エスレックE)100部と集光性蛍光染料(BASF社製LumogenF Red305)5部をトルエン中に溶解した溶液を用い、上記ローラを浸漬塗工法によりその表面に蛍光染料含有ポリメチルメタクリレート樹脂膜3mmを設け、前記光学異方性層を有する転写ローラを得た。
剛直性ポリアミド酸を適量のアミド系の溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリジノン)に溶解されてなる下記化7で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、屈曲性ポリアミド酸を適量のアミド系の溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリジノン)に溶解されてなる下記化8で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、5:5となるように混合し、混合ワニスを得た。
図6は、遠心成形装置を示す図である。図6において、円筒形の成形型43を有する遠心成形装置42の回転軸を、水平方向に配置し、前記成形型43を500rpmで高速回転させて、前記成形型43内のキャビティ44の全面に離型液を塗布し、約50μmの均一な厚みの離型液膜層を形成した。
次に、成形型43の回転速度を100rpmに減速し、ベルト素材液としての前記中間転写体形成用ワニスを、キャビティ内に挿入されるスプレー45のノズル46より噴出させて、キャビティ44の全面に前記中間転写体形成用ワニスを塗布した。
その後、成形型43の回転数を500rpmに上げて、前記中間転写体形成用ワニスの塗布液膜を均一化して、ベルト素材層を形成した。
更に、約100℃のドライエアーをスプレー45側からキャビティ44内に導入して、前記ベルト素材層を乾燥させた。
次いで、成形型43内からベルト素材層を取り出し、前記ベルト素材層を別の成形型内に配置して、約120℃、20分の条件で加熱して、溶媒の乾燥と、予備的にイミド化を行った。
更に、前記ベルト素材層を320℃、120分の条件で加熱してイミド化を行い、実施例1で用いる透明かつ平滑なシームレスの中間転写ベルトを作製した。
得られた実施例1の中間転写ベルトの膜厚をミツトヨ社製マイクロメータを用いて求めたところ、80±2μmであった。
放電光観察装置
図1に示した「放電光観察装置」を用い、転写ベルトに、絶縁破壊電界に満たない垂直電界を印加した際の、転写ベルト表面上の放電光の観察を行った。
放電領域の評価
前記の「放電光観察装置」を用いて、種々のベルトサンプルを観察した際に観察される放電光を、3つのタイプに分類した模式図を図2に示す。
図2のパターンAは、観察領域内に、局所的な強い放電光が同時複数個観察され、局所的な強い放電光が観察される島状領域が、経時で変化しない場合を表し、パターンBは、観察領域内に、弱い放電光が島状に形成され、局所的な強い放電光が観察される領域が、経時でランダムに同時複数個点滅する場合を表し、パターンCは、観察領域内に、弱い放電光が均一に観察される場合を表す。
図2のタイプA、Bで示されるような、ベルトの絶縁破壊電界未満の電界において、ベルト表面上に、局所的な強い放電光が観察される島状領域が同時複数個存在する、転写ベルトを画像形成装置に搭載すると、転写時に転写ニップ部前後で局所集中した不均一な放電が発生するため、出力画像上に濃度ムラや白抜けとなって現れることが確認された。さらに検討を進めた結果、少なくとも面積1cm2以上の大きさの観察領域中に局所的な強い放電光が発生し、さらには図2A、図2Bに示したような島状にかつ同時に複数観察されるような中間転写体では、出力画像上に濃度ムラや白抜けが発生し易いことが確認された。
<画質評価>
リコー製カラー複写機Imagio Neo C600改造機を用いて、さらに上記の中間転写ベルトを搭載し、前記転写ベルト上の画像評価を実施した。なおImagio Neo C600改造機は、現像は二成分現像方式、転写は中間転写ベルト方式で、外部信号によって任意のタイミングで作像動作を途中で止められるようにした。感光体ドラム上に複数のベタ画像及び細線画像の潜像を書き込み、一次転写の途中で作像プロセスを止め、感光体ドラムユニットと転写ベルトユニットを複写機から取り出し、感光体ドラム上のベタ画像部のパイルハイトを測定し、転写ベルト上の細線部の画像評価を実施した。なお、単位面積当たりのトナー質量M/Aは約0.6mg/cm2に設定した。また、本改造機の上記転写ベルト及び感光体を始めとする各部材の表面線速は250mm/sである。
前記Imagio Neo C600改造機の中間転写体を用い、2×2ドットパターンを作像し、中間転写ベルト上の画像状態を超深度形状測定顕微鏡(VK8500;キーエンス製)により観察した。この画像を画像解析ソフト(MediaCybernetics製ImagePro)を用いて二値化画像に編集後、ソリッドパターンからトナーが抜けて白抜けとなった部分の面積を定量化し、全面積中の白抜け画像を以下のようにランク評価した。
3 良好、白抜け面積比<1%
2 許容範囲内、白抜け面積比<4%
1 問題、白抜け面積比≧4%
但し、白抜け面積比率の許容範囲は4%以下である。
本実施例での白抜けランクは1であり、図2のタイプA、Bで示されるような局所的な強い放電光が観察される場合に、実機でも白抜け画像が発生することを確認した。
実際に放電光を検出するために、先ずは図3の一次転写ローラ5aの転写ニップ直下の端面に検出部材として受光素子に浜松フォトニクス社製4分割SiPINフォトダイオードアレイS5981型を用い、これに繋がるライトガイドを前記ローラ端面に接触してその光量変動を測定した。しかしながら1点の測定では放電光自体が過渡現象であるため、その変動のみでは誤差が多過ぎて、検出や制御は困難であった。そこで上記一次転写ローラ5aの両端面にライトガイドを接触し、検出された光電流の最大差分値が5μAを超えないことを確認した後に、転写電流を確認したところ19μAであった。このままの条件で上記2×2ドットパターン画像を出力したところ白抜けランクは3で、非常に良好な画像が出力されることを確認した。
実施例2において、転写電流を大きくし検出された光電流の最大差分値が5μAを超えることを確認した後に、転写電流を確認したところ29μAであった。このままの条件で上記2×2ドットパターン画像を出力したところ白抜けランクは1で、白抜け画像が発生することを確認した。
実施例2において、受光素子の浜松フォトニクス社製4分割SiPINフォトダイオードアレイS5981型に繋がるライトガイドを図3の一次転写ローラ5aの片側の端面に転写ニップ直下部分に3個を設置し、実施例1と同様にして放電光の有無を確認した。検出部の各分割部位の差分値が最大で5μAを越えることを確認し、転写電流を確認したところ27μAであった。以下実施例1と同様にして、上記2×2ドットパターン画像を出力すると顕像化された部分に白抜け画像が発生したため、前記白抜け画像評価方法に基づく評価を行ったところ、本実施例での白抜けランクは1であることを確認した。
実施例4における転写電流をやや下げ、実施例1と同様にして放電光の有無を確認した。検出部の各分割部位の差分値が最大で5μAを越えないことを確認し、転写電流を確認したところ19μAであった。以下実施例1と同様にして、上記2×2ドットパターン画像を出力すると顕像化された部分に白抜け画像が発生したため、前記白抜け画像評価方法に基づく評価を行ったところ、本実施例での白抜けランクは1であることを確認した。
2 電極
3 CCD
4 イメージインテンシファイア
5 ミラー
6 ITO電極固定台
7 ITO電極
8 電極ステージ
9 集光レンズ
10 結像レンズ
11 アンプ
12 ステッピングモーター
13 ステッピングモーターコントローラ
14 制御PC
42 遠心成形装置
43 成形型
44 キャビティ
45 スプレー
46 ノズル
47 ドライエアーの流れ
101a〜101d 感光体ドラム
103a〜103d 帯電ローラ
104a〜104d 現像器
105a〜105d 1次転写ローラ
106 中間転写ベルト
107 2次転写ローラ
108 搬送ベルト
109 対向ローラ
110 定着ローラ
111 加圧ローラ
112 給紙トレイ
113 空冷ファン
114 加熱ローラ
115 定着ベルト
116 光学異方性層
117 光増倍装置
118 受光装置
119 放電光検出装置
201 感光体ベルト K ブラック現像ユニット
202 一次転写ローラ C シアン現像ユニット
203 放電光検出部 M マゼンタ現像ユニット
204 二次転写ローラ Y イエロー現像ユニット
205 転写材(紙等)
206 用紙除電手段
207 クリーニング手段
208 中間転写ドラム
301a、301b、301c 接触端子
302 基板
303 内部配線
304a、304b 計測器への配線部
Claims (11)
- 複数の像担持体と、
所定の方向に移動するとともに光の全て又は一部を透過可能な中間転写体と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を前記中間転写体に順次静電的に転写する複数の転写手段と、
を有する画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記転写手段が、光学異方性材料をその厚み方向の全部又は一部に含む転写ローラを有し、
前記転写ローラの端部側に設けられ、前記光学異方性材料により端面に集光された転写時に生じる放電光を検出する放電光検出手段と、
検出した放電光に関する情報に応じて前記転写手段の転写条件を制御する制御手段と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記光学異方性材料が、集光性染料である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記集光性染料が、集光性蛍光染料である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記放電光に関する情報が、検出した放電光の光量、粗密、あるいは頻度である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記放電光の光量、粗密、あるいは頻度に応じて、前記転写手段に印加するバイアス、又は前記転写手段に流れる電流値を変化させる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記放電光検出手段が、受光素子から形成されており、
前記受光素子が、
光電導素子、光起電力素子、光電子放出素子、あるいはこれらの複合素子から構成されており、
前記転写ローラの一方もしくは両方の端部に1箇所以上設置される
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記放電光検出手段を構成する前記受光素子として光電子増倍管又は電荷結合素子が、少なくとも一箇所以上に用いられ、
前記光電子増倍管又は電荷結合素子の検出感度が高い領域に、前記転写ローラに含有された集光性染料の最大吸収波長が、略一致するように組み合わせた
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記光電子増倍管又は電荷結合素子の検出感度が、400〜800nmに最大感度を有し、
かつ前記転写ローラに含有された染料が変換する蛍光の最大放出波長又は最大吸収波長が、前記400〜800nmの範囲に略一致している
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
少なくとも前記中間転写体を構成する樹脂が、熱硬化性樹脂を単層又は他の樹脂などと組み合わせて積層したものである
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記抵抗制御剤が、少なくとも金属類もしくはその酸化物からなる無機透明電子導電剤や有機物からなるイオン性導電剤より構成され、
また前記放電光検出手段で検知できる発光波長領域の少なくとも一部に5%以上の光透過率を有する中間転写体を用いた
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記抵抗制御剤の前記樹脂への分散性を改善せしめるために分散安定化剤を添加した中間転写体を用いた
ことを特徴とする画像形成装置。
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