JP4757108B2 - 半導体集積回路及びその電力低減方法 - Google Patents

半導体集積回路及びその電力低減方法 Download PDF

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本発明は、閾値電圧の異なるトランジスタで構成され、電源電圧及び基板バイアス電圧が供給される半導体集積回路及びその電力低減方法に関する。
従来、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)構成の半導体集積回路(LSI)の消費電力は、トランジスタのオン・オフ動作に伴う負荷容量の充放電電流(スイッチング電流)によるものが支配的であった。しかし近年、半導体集積回路の微細化の進展や高集積化に伴い、スイッチング電流だけでなく、トランジスタの漏れ電流(リーク電流)による電力消費も顕在化し問題となっている。リーク電流に起因する電力はトランジスタのオン・オフ動作の頻度によらず、半導体集積回路が通電状態であればリーク電流の大きさに応じて消費されるという特徴を持つ。
図9は、半導体集積回路の消費電力の主要因を説明するための等価回路図である。図9に示すように、半導体集積回路は、p型トランジスタ53とn型トランジスタ55とで構成されたインバータ回路51として表すことができる。p型トランジスタ53及びn型トランジスタ55のゲート端子は互いに接続されている。p型トランジスタ53のソース端子は電源電圧VDDが印加される電源ライン61に接続され、ドレイン端子はn型トランジスタ55のドレイン端子に接続されている。n型トランジスタ55のソース端子は基準電圧VSSに維持されている基準電圧ライン63に接続されている。p型トランジスタ53及びn型トランジスタのドレイン端子が接続された接続点と、基準電圧ライン63との間には負荷容量57が接続されている。
インバータ回路51の動作周波数をfとし、負荷容量57の容量値をCとすると、インバータ回路51のオン・オフ動作に伴う負荷容量57のスイッチング電流Iswは以下の式(1)のように表すことができる。
sw=C×VDD×f ・・・(1)
また、半導体集積回路のリーク電流をIleakとすると、半導体集積回路の消費電力Pの主要因は、スイッチング電流Iswによる消費電力とリーク電流Ileakによる消費電力との和となり、以下の式(2)のように表すことができる。
P=Isw×VDD+Ileak×VDD ・・・(2)
半導体集積回路の消費電力を低減する既知の手法として、閾値電圧(VTH)の異なるトランジスタを混在して設計する方法や、半導体集積回路の実動作時に電源電圧や基板バイアス電圧を制御する方法が知られている。一般的に、閾値電圧の低いトランジスタは高速に動作するがリーク電流が多く、閾値電圧の高いトランジスタはリーク電流は小さいが動作速度が比較的遅い。このトランジスタの特徴を利用して、半導体集積回路の速度性能を律束する高速伝送パス上には閾値電圧の低いトランジスタを用い、それ以外の伝送パスには閾値電圧の高いトランジスタを用いることで、設計によって半導体集積回路の電力を低減する方法が知られている。これにより、半導体集積回路は高速動作が可能になると共に、リーク電流による電力の削減も実現できる。
実際の動作における半導体集積回路の電力低減方法として、特許文献1には、検出されたリーク電流のデータからリーク電流を最小にする印加電圧データを抽出し、リーク電流を制御することで、半導体集積回路のリーク電流による消費電力を動的に低減することが開示されている。また、実際の動作における半導体集積回路の電力低減方法として、特許文献2には、半導体集積回路の動作速度を検出して基板バイアス電圧を制御する構成が開示されている。
また、非特許文献1には、実際の動作における半導体集積回路の他の電力低減方法が開示されている。非特許文献1には、閾値電圧が同一のトランジスタで構成されている半導体集積回路においては、速度性能保持という条件下で半導体集積回路の電源電圧(VDD)と基板バイアス電圧(VBB)とを変化させると、消費電力が最小になる時のスイッチング電流とリーク電流との比が温度及び動作率によらずほぼ一定値(規定値)になることが開示されている。なお、当該規定値は半導体集積回路のテクノロジ等に依存し、後程示す式(3)によって表すことができる。
図10は、速度性能保持という条件下での半導体集積回路のオン電流と消費電力との関係を示している。横軸は、半導体集積回路を構成するトランジスタのオン電流Ionを線形表示し、縦軸は、半導体集積回路の消費電力Pを対数表示している。図10の図中に示す曲線Pは、式(2)によって求められた半導体集積回路の消費電力Pを示し、破線の直線Pleakは半導体集積回路のリーク電流に基づく消費電力Pleak(=Ileak×VDD)を示し、一点鎖線の直線Pswは半導体集積回路のスイッチング電流に基づく消費電力Psw(=Isw×VDD)を示している。図10に示すように、オン電流Ionが増加すると消費電力Pleakが単調に増加するのに対し、オン電流Ionが増加すれば電源電圧(VDD)を下げても速度性能一定の条件を満たすことが出来るため、速度性能一定の条件を満たすように電源電圧を下げることにより消費電力Pswは単調に減少する。このため、両電力Pleak、Pswを合計した半導体集積回路の消費電力Pは、消費電力Pleakと消費電力Pswとの和のオン電流Ionに関する導関数が0となるオン電流Ion近傍において最小値Pminになる。
このような半導体集積回路の特性を利用した電力最適化の方法として、非特許文献2には、半導体集積回路上にスイッチング電流及びリーク電流を測定(モニタ)するモニタ回路を用意し、その電流比を元に電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを制御する方法が開示されている。
特開2005−197411号公報 特開2001−156261号公報 Automatic Adjustment of Threshold & Supply Voltages for Minimum Power Consumption in CMOS Digital Circuits (1994 IEEE Symposium on Low Power Electronics, pp78−79) Monitoring scheme for minimizing power consumption by means of supply and threshold voltage control in active and standby modes (2005 IEEE Symposium on VLSI Circuit, pp308−311)
閾値電圧の異なるトランジスタを混在させ、高速伝送パスに低閾値電圧のトランジスタ(以下、低閾値トランジスタという)を用い、低速伝送パスに高閾値電圧のトランジスタ(以下、高閾値トランジスタという)を用いる手法では、回路の動作を保障するために、高速動作を想定するすべての伝送パスに低閾値トランジスタが使用されるように設計しなければならない。従って、実動作時の入力データや動作モードによっては、信号伝播しない伝送パスが存在し、その伝送パス上の低閾値トランジスタは動作していないにもかかわらず多量のリーク電流に基づく電力(以下、リーク電力という)を消費してしまう。つまり、この手法では、半導体集積回路の実行時に、入力データや動作モードに応じて動的にリーク電流による消費電力を最適に低減することができないという問題がある。
特許文献1に開示された手法は、リーク電流による消費電力を動的に最適化(低減)することは可能であるが、一定の速度性能を満たす範囲でスイッチング電流による消費電力を最適化することができない。特許文献2に開示された手法は、閾値電圧の異なるトランジスタで構成される半導体集積回路(以下、多閾値トランジスタ構成の半導体集積回路という)において、速度性能一定に維持したまま消費電力を最適化することができない。非特許文献1に開示された手法では、多閾値トランジスタ構成の半導体集積回路においては、回路機能モジュールのスイッチング電流とモニタ回路のリーク電流との比が回路機能モジュールのスイッチング電流及びリーク電流の比と一致しない。従って、単一の閾値電圧のトランジスタで構成された半導体集積回路と同じ手法を用いて、スイッチング電流とリーク電流との比が規定値となるように電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを動的に制御しても、多閾値トランジスタで構成された半導体集積回路の消費電力は最適化できないという問題がある。
本発明の目的は、閾値電圧の異なるトランジスタを有し、速度性能を維持した上で消費電力を最小にすることができる半導体集積回路及びその電力低減方法を提供することにある。
上記目的は、低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールと、前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を保持する定数保持回路と、前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出するスイッチング電流算出回路と、前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出するリーク電流算出モジュールと、前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御する制御モジュールと、前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力する可変電圧源とを有することを特徴とする半導体集積回路によって達成される。
また、上記目的は、低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールを備えた半導体集積回路の電力低減方法において、前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を入力して保持し、前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出し、前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出し、前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御し、前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力することを特徴とする半導体集積回路の電力低減方法によって達成される。
本発明によれば、閾値電圧の異なるトランジスタを有し、速度性能を維持した上で消費電力を最小にすることができる半導体集積回路が実現できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路及びその電力低減方法について図1乃至図6を用いて説明する。まず、本実施の形態による半導体集積回路の概略の構成について図1乃至4を用いて説明する。図1は、本実施の形態による半導体集積回路1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、半導体集積回路1は、低閾値電圧の低閾値トランジスタと、当該低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成され、少なくとも1つのデータ処理機能を有するメイン回路(回路機能モジュール)13と、メイン回路13を構成する低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比x及び複数の特定定数α、β、a、bを保持する定数保持回路7と、メイン回路13の動作時のスイッチング電流Iswを算出するスイッチング電流算出回路11と、メイン回路13とは分離して備えられ、混在比x及び特定定数α、β、a、bに基づいてリーク電流Ileakを算出するリーク電流算出モジュール9と、リーク電流算出モジュール9で算出されたリーク電流Ileak−monとスイッチング電流算出回路11で算出されたスイッチング電流Iswとの比の値と、特定定数α、βで表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を制御する制御モジュール15と、当該電圧値とほぼ等しい電圧値の電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを出力する可変電圧源5とを有している。
メイン回路13は、動作保障するために、高速動作を想定する全ての伝送パスには低閾値トランジスタが配置され、それ以外の伝送パスには高閾値トランジスタが配置されている。メイン回路13の低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比は、例えば低閾値トランジスタの総数:高閾値トランジスタの総数=1:xになっている。メイン回路13の低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれの総数は半導体集積回路1の設計完了時に決定されるため、混在比xは容易に求められる。ただし、本発明の実施において、混在比xの決定は、低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれの総数を用いる算出方法に限定されない。トランジスタのサイズが略同一である場合には、低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれの総面積に基づいて、混在比xを決定することもできる。
定数保持回路7は、メイン回路13を構成する低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比x及び特定定数α、β、a、bを保持している。定数保持回路7は、例えば混在比xの保持用のフューズを有し、当該フューズを溶断して混在比xが保持される。所定の定数をフューズの溶断によって保持する方法は既知の技術である。また、定数保持回路7は、例えば特定定数α、β、a、bを保持する不揮発性メモリを有している。特定定数α、β、a、bは、例えば回路シミュレーション、デバイスシミュレーション、もしくは出荷前試験により求められ、半導体集積回路1の出荷前試験終了後に入力される。
図2は、リーク電流算出モジュール9の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、リーク電流算出モジュール9は、低閾値トランジスタで構成され、低閾値トランジスタのリーク電流(以下、低閾値リーク電流という)ImlLを測定する低閾値リーク電流測定回路21と、高閾値トランジスタで構成され、高閾値トランジスタのリーク電流(以下、高閾値リーク電流という)ImlHを測定する高閾値リーク電流測定回路23とを有している。また、リーク電流算出モジュール9は、可変電圧源5(図2では不図示)から出力された基板バイアス電圧VBBの変動値に対する低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれのオン電流の変動量I’、I’を格納するオン電流変動量格納回路25と、制御モジュール15(図2では不図示)から出力された基板バイアス電圧VBBの制御電圧値に基づいてオン電流変動量格納回路25から読出されたオン電流の変動量I’、I’の比I’/I’を算出するオン電流変動量の比の算出回路27と、混在比x、特定定数α、β、a、b及び基板バイアス電圧VBBの変動値に対応するオン電流の変動量I’、I’に基づいて、リーク電流算出モジュール9内の例えば低閾値リーク電流ImlL対する高閾値リーク電流ImlHの電流混在比xを算出する電流混在比算出回路29とを有している。さらに、リーク電流算出モジュール9は、高閾値リーク電流ImlHに電流混在比xを乗ずる演算回路19と、低閾値リーク電流ImlLと、電流混在比xが加重された高閾値リーク電流ImlHとに基づいてリーク電流Ileak−monを算出するリーク電流算出回路17とを有している。
低閾値リーク電流測定回路21内には、低閾値トランジスタのリーク電流測定用トランジスタが備えられ、高閾値リーク電流測定回路23内には、高閾値トランジスタのリーク電流測定用トランジスタが備えられている。例えば同数のリーク電流測定用トランジスタが低閾値リーク電流測定回路21及び高閾値リーク電流測定回路23内にそれぞれ備えられている。低閾値リーク電流ImlL及び高閾値リーク電流ImlHは個別に測定できるようになっている。
オン電流変動量格納回路25は、例えば基板バイアス電圧VBBに対する各閾値トランジスタのオン電流の変動量I’、I’の依存特性を格納する不揮発性メモリを有している。基板バイアス電圧VBBに対する各閾値トランジスタのオン電流の変動量I’、I’の依存特性は、例えばシミュレーションや出荷前試験により求められる。さらに、オン電流変動量格納回路25は、制御モジュール15から出力された基板バイアス電圧VBBの制御電圧値に対応したオン電流の変動量I’、I’をオン電流変動量の比の算出回路27に出力するようになっている。オン電流変動量の比の算出回路27はオン電流変動量格納回路25から出力されたオン電流の変動量I’、I’を用いてオン電流変動量の比I’/I’を演算する演算器を有している。オン電流変動量格納回路25とオン電流変動量の比の算出回路27とでオン電流変動量の比の出力回路が構成される。
オン電流変動量格納回路25は、オン電流の変動量I’、I’を個別に格納せずにオン電流比変動量の比I’/I’を格納してもよい。この場合、オン電流変動量の比の算出回路27は演算機能を有さずに、オン電流変動量格納回路25から出力されたオン電流の変動量の比I’/I’を電流混在比算出回路29に出力できる機能を有していればよい。
電流混在比算出回路29は、例えば定数保持回路7(図2では不図示)から出力された特定定数α、β及び混在比xとオン電流変動量の比の算出回路27から出力されたオン電流変動量の比I’/I’とを用いて電流混在比xを算出する数値演算器を有している。電流混在比xの算出方法については後程詳細に説明する。
演算回路19は、高閾値リーク電流測定回路23の高閾値リーク電流ImlHに電流混在比xを乗ずることが可能な数値乗算器を有している。リーク電流算出回路17は、四則演算可能な数値演算器を有している。リーク電流算出回路17は、電流混在比xが加重された高閾値リーク電流ImlHと低閾値リーク電流ImlLとが加算されたリーク電流Ileak−monを制御モジュール15に出力するようになっている。
図1及び図2に示すように、スイッチング電流算出回路11には、低閾値リーク電流測定回路21で測定された低閾値リーク電流ImlL及び高閾値リーク電流測定回路23で測定された高閾値リーク電流ImlHが入力される。スイッチング電流算出回路11は、メイン回路13の低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれの総数と、低閾値リーク電流測定回路21及び高閾値リーク電流測定回路23内のリーク電流測定用トランジスタのそれぞれの総数を保持している。各トランジスタの総数は、例えばフューズの溶断によって保持されている。スイッチング電流算出回路11は、メイン回路13の低閾値トランジスタ数と低閾値リーク電流測定回路21の低閾値トランジスタ数との比を低閾値リーク電流ImlLに乗じて得た値と、メイン回路13の高閾値トランジスタ数と高閾値リーク電流測定回路23の高閾値トランジスタ数との比を高閾値リーク電流ImlHに乗じて得た値とを加算してメイン回路13のリーク電流(以下、メインリーク電流という)を算出する機能を有している。さらに、スイッチング電流算出回路11は可変電圧源5が供給している電流からメインリーク電流を減じてメイン回路13のスイッチング電流Iswを算出する機能を有している。
制御モジュール15には、定数保持回路7に保持され特定定数α、βと、リーク電流算出モジュール9で算出されたリーク電流Ileak−monと、スイッチング電流算出回路11で算出されたメイン回路13のスイッチング電流Iswとが入力される。図3は、制御モジュール15の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御モジュール15は、スイッチング電流Iswとリーク電流Ileak−monとの電流比Isw/Ileak−monを算出する電流比算出回路31と、特定定数α、βによって表される規定値Svと電流比Isw/Ileak−monとを比較する規定値比較回路33とを有している。また、制御モジュール15は、規定値比較回路33の比較結果に基づいて可変電圧源5の電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を更新するために用いる電圧指示値を制御する可変電圧源制御回路35を有している。さらに、制御モジュール15は、可変電圧源制御回路35から出力された電圧指示値に基づいて電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電位を更新すると共に、更新された当該電位を保持する電位保持回路37を有している。
後程詳細に説明するが、半導体集積回路1は、電流比Isw/Ileak−monと規定値Svとが等しい場合に速度性能を維持した上で消費電力を最小にすることができる。このため、制御モジュール15は、電流比Isw/Ileak−monと規定値Svとを比較して、電流比Isw/Ileak−monと規定値Svとが等しくなるように可変電圧源5を制御する。
電流比算出回路31は、例えば数値演算器を有し、電流比Isw/Ileak−monを算出することができる。規定値比較回路33は、例えば数値演算器及び比較器を有している。当該数値演算器は、特定定数α、βを用いて規定値Svを演算する機能を有している。当該比較器は、電流比Isw/Ileak−monと規定値Svとを比較して、その比較結果を出力する機能を有している。規定値Svは以下の式(3)のように表すことができる。
Sv=(β−α)/2α ・・・(3)
図4は、可変電圧源制御回路35の機能の一例を示している。図4の最左欄は、電流比Isw/Ileak−monと規定値Svとの関係が示され、中央の欄には、電源電圧VDDの電圧指示値が示され、最右欄には、基板バイアス電圧VBBの電圧指示値が示されている。
図4に示すように、電流比Isw/Ileak−monが規定値Svと等しい場合には、可変電圧源制御回路35は電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電位を現状の値に保持するための電圧指示値を電位保持回路37に出力する。電流比Isw/Ileak−monが規定値Svより大きい場合には、電源電圧VDDを現状の電位より下降させ、基板バイアス電圧VBBの電位を現状の値より上昇させるために、可変電圧源制御回路35は、例えば電源電圧VDDを0.1V下降させる電圧指示値DIvと、基板バイアス電圧VBBを0.1V上昇させる電圧指示値BIvとを電位保持回路37に出力する。電流比Isw/Ileak−monが規定値Svより小さい場合には、電源電圧VDDを現状の電位より上昇させ、基板バイアス電圧VBBの電位を現状の値より下降させるために、可変電圧源制御回路35は、例えば電源電圧VDDを0.1V上昇させる電圧指示値DIvと、基板バイアス電圧VBBを0.1V下降させる電圧指示値BIvとを電位保持回路37に出力する。電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電位を更新するための電圧指示値(図4では、0.1V)は、例えば半導体集積回路1の外部より値の設定できる不揮発性メモリに記憶される。電圧指示値は、例えば半導体集積回路1の出荷試験時に設定される。
図3に戻って、電位保持回路37は、例えば電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を保持する不揮発性メモリを有している。当該不揮発性メモリは電源投入時に規定の値に初期化することができ、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値は電源投入時に所定値に初期化される。電位保持回路37は、可変電圧源制御回路35から出力された電圧指示値DIv、BIvに基づいて電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電位を更新して更新後の電位を不揮発性メモリに記憶する。さらに電位保持回路37は、既存の通信手段(プロトコル)で更新後の電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を可変電圧源5(図3では不図示)に出力し、更新後の基板バイアス電圧VBBを制御電圧値としてリーク電流算出モジュール9(図3では不図示)に出力する。
さらに、電位保持回路37は、記憶できる電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧範囲が限定されており、半導体集積回路1内の素子の破壊を防止できるようになっている。例えば、半導体集積回路1で許容される電源電圧VDDの最大値が3Vと仮定する。ここで、電位保持回路37に電源電圧VDDを0.1V上昇させる電圧指示値が入力されたとしても、すでに電位保持回路37に3Vの電源電圧VDDが保持されている場合には、電源電圧VDDの電圧値を更新せずに、3Vの値を可変電圧源5に出力する。このように、電位保持回路37で記憶できる電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧範囲を限定することにより、可変電圧源5は許容範囲外の電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを出力することがなくなるので、半導体集積回路1の破損を防止できる。
図1に示すように、可変電圧源5は、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを可変して、制御モジュール15から出力された電圧値とほぼ等しい電圧値の電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを半導体集積回路1内の各回路7、11、13及び各モジュール9、15に出力するようになっている。
次に、本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法の基本原理について説明する。メイン回路における高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれのオン電流をI、Iと表す。一般的に速度律束となる伝送パスは低閾値トランジスタで構成されることから、速度性能を維持する最低の電源電圧Vは、低閾値トランジスタのオン電流Iから次の式(4)のように表すことができる。
Figure 0004757108
高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタの動作周波数をfとし、高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれの負荷容量の容量値をC、Cとすると、高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれのスイッチング電流IswH 、IswL は、以下の式(5)及び式(6)のように表すことができる。なお、動作周波数f及び容量値C、Cは定数である。
Figure 0004757108
同様に、高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれのリーク電流IleakH、IleakLは、それぞれのオン電流I、Iを用いて、以下の式(7)及び式(8)のように表すことができる。
Figure 0004757108
一般的に、メイン回路の消費電力Pはスイッチング電流Iswによる消費電力とリーク電流Ileakによる消費電力との和であることから、メイン回路の消費電力Pは、次の式(9)のように記述できる。
Figure 0004757108
メイン回路を構成する高閾値トランジスタと低閾値トランジスタとの混在比をx:1 とすると、式(4)に示す速度性能を維持する最低の電源電圧Vを印加した際のメイン回路の消費電力Pは、式(4)乃至式(9)を用いて、次の式(10)のように展開することができる。
Figure 0004757108
オン電流I、Iは基板バイアス電圧VBBの関数である。また、図10に示すように、消費電力Pがオン電流、すなわち基板バイアス電圧VBBに対して最小となるのはdP/dVBB=0の時なので、式(10)をVBBで微分すると、以下の式(11)が成立する。なお、式(11)において、I’=dI/dVBB 及びI’=dI/dVBBとする。
Figure 0004757108
リーク電流算出モジュール内(例えば低閾値リーク電流測定回路及び高閾値リーク電流測定回路)の高閾値リーク電流及び低閾値リーク電流の電流混在比をx:1とする。高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタの基板バイアス電圧VBB変動値に対するそれぞれのオン電流の変動量の比I’/I’を用いて、電流混在比xを以下の式(12)のように設定する。
Figure 0004757108
このとき、リーク電流算出モジュール内のリーク電流Ileak−monは、以下の式(13)のように表すことができる。
Figure 0004757108
式(11)に式(12)を代入すると、以下の式(14)が得られる。
Figure 0004757108
式(14)に式(5)、式(6)及び式(13)を代入し、通常、I’≠0であるため、以下の式(15)が得られる。
Figure 0004757108
式(15)の左辺のカッコ内はメイン回路のスイッチング電流Iswを表している。従って、メイン回路のスイッチング電流Iswとリーク電流算出モジュール内のリーク電流Ileak−monとの間には、以下の式(16)が成立する。
Figure 0004757108
式(16)の右辺は規定値Svを表している。式(12)に示す電流混在比xを設定することにより、式(16)に示すように、スイッチング電流Iswとリーク電流Ileak−monとの比が規定値Svと等しくなる。規定値Svは半導体集積回路の速度性能を維持したまま消費電力Pの最小化を達成する定数である。従って、電流比Isw/Ileakが規定値Svと等しくなるように電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを制御することにより、半導体集積回路は速度性能を維持したまま消費電力Pの最小化を図ることができる。
ここで、特定定数α、β、a、bについて説明する。一般的にトランジスタのリーク電流Ileakは閾値電圧VTHが低くなると指数関数的に増加することが知られている。また、トランジスタのオン電流Ionは閾値電圧VTHが低くなると増加するので、トランジスタは電源電圧VDDを下げても所定の動作周波数を保持できる。このように、閾値電圧VTHが低くなると電源電圧VDDを下げることができるので、トランジスタのスイッチング電流Iswは指数関数的に減少する。
一方、一般的にトランジスタのリーク電流Ileakは閾値電圧VTHが高くなると指数関数的に減少することが知られている。また、トランジスタのオン電流Ionは閾値電圧VTHが高くなると減少するので、トランジスタは電源電圧VDDを高くしなければ所定の動作周波数を保持できなくなる。このように、閾値電圧VTHが高くなると電源電圧VDDを高くしなければならないので、トランジスタのスイッチング電流Iswは指数関数的に増加する。
トランジスタのオン電流Ionは、以下の式(17)のように表すことができる。
on=I×(VDD−VTH ・・・(17)
ここで、Iは定数である。pは半導体集積回路のテクノロジによって決定される定数であり、半導体集積回路が微細化された現行のテクノロジでは1〜2程度の値となる。なお、半導体理論においては、当該pは定数として扱われる。
リーク電流Ileakは、トランジスタのゲート幅をWとすると、以下の式(18)のように表すことができる。
leak ∝ W×exp(−VTH/S) ・・・(18)
ここで、Sは、Sファクタであり、常温であれば一定値となる。
式(17)を式(18)に代入し、実使用上問題ない範囲であるため閾値電圧VTHをオン電流Ionに近似し、且つフィッティングパラメータとして特定定数β、bを用いると、リーク電流Ileakは上記の式(7)及び式(8)のように表すことができる。
ところで、トランジスタが一定の動作周波数を保持するという条件の下でのオン電流Ionによる電力と、同条件下でのスイッチング電流Iswによる電力との関係は、解析的には導出できない。このため、スイッチング電流による電力(スイッチング電力)Psw(=Isw×VDD)は、想定される使用範囲では、シミュレーションによる計算結果を元に以下の式(19)のように近似される。
sw=a’×exp(−α×Ion) ・・・(19)
ここで、特定定数αは、半導体集積回路のテクノロジで決まる値である。特定定数a’は、半導体集積回路に用いられたトランジスタ数量や負荷容量に対する係数及びスイッチング確率などが含まれ、回路設計に依存する値である。さらに、特定定数α、a’は、スイッチング電力Pswを式(19)のように近似するためのフィッティングパラメータとしての役割も担っている。
本実施の形態では、特定定数α、β、a、bを高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタで共通化することが望ましい。このため、式(5)及び式(6)では、式(19)の特定定数a’とは異なり、負荷容量及び動作周波数が含まれていない特定定数aが用いられている。
このように、特定定数α、βは半導体集積回路に採用されたテクノロジに依存する定数である。従って、式(3)に示すように、特定定数α、βによって表される規定値Svも半導体集積回路に採用されたテクノロジに依存する定数となる。リーク電流算出モジュール内の高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのリーク電流の電流混在比xは、特定定数α、βと、メイン回路の混在比xと、基板バイアス電圧VBB変動値に対する各閾値トランジスタのオン電流の変動量の比I’/I’とを用いて常に式(12)に示すように設定される。規定値Svは半導体集積回路の速度性能を維持したまま消費電力Pの最小化を達成する定数なので、電流混在比xが導入されたリーク電流Ileak−monと、スイッチング電流Iswとの比が規定値Sv(一定値)となるように電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを制御することで、メイン回路の速度性能を維持したまま消費電力Pを最小化することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、閾値電圧の異なるトランジスタが混在する半導体集積回路1は、各閾値電圧のトランジスタ毎のリーク電流を適切な係数(電流混在比x)を元に逐一算出できるリーク電流算出モジュール9を有している。このため、半導体集積回路1は、メイン回路13のスイッチング電流Iswと、リーク電流算出モジュール9で算出されたリーク電流Ileak−monとの比が規定値Svと等しくなるように電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを制御することができる。これにより、多閾値(マルチVTH)トランジスタ構成の半導体集積回路1において、速度性能を維持しながらスイッチング電流Iswだけでなくリーク電流Ileakによる消費電力も最適に低減できる。
次に、本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法について図1乃至図6を用いて説明する。図5は、図1に示す半導体集積回路1の電力低減方法のフローチャートである。図5に示すように、まず、半導体集積回路1を初期設定する(ステップS1)。ステップS1において、メイン回路13を構成する低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比1:xと、特定定数α、β、a、bとが入力されて定数保持回路7に保持される(図1参照)。さらに、基板バイアス電圧VBBの変動値に対する低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのオン電流の変動量I’、I’が入力されてオン電流変動量格納回路25に格納される(図2参照)。次に、メイン回路13動作時のスイッチング電流Iswを算出する(ステップS2)。上述したように、スイッチング電流Iswは、可変電圧源5が供給している電流からメインリーク電流を減じて算出される。
次に、メイン回路13とは分離して備えられたリーク電流算出モジュール9のリーク電流Ileak−monが算出される(ステップS3)。図6は、図5に示すリーク電流Ileak−monの算出処理(ステップS3)のフローチャートである。図2及び図6に示すように、まず、低閾値トランジスタ(低閾値Tr)で構成された低閾値リーク電流測定回路21の低閾値リーク電流ImlLと、高閾値トランジスタ(高閾値Tr)で構成された高閾値リーク電流測定回路23の高閾値リーク電流ImlHとを測定する(ステップS11)。次に、制御モジュール15から出力された制御電圧値に対応したオン電流の変動量I’、I’をオン電流変動量格納回路25から読出し、オン電流の変動量の比I’/I’を演算する(ステップS12)。ステップS12において、オン電流の変動量の比I’/I’はオン電流変動量の比の算出回路27で演算される(図2参照)。
次に、ステップS12で演算されたオン電流変動量の比I’/I’と、混在比xと、特定定数α、βとに基づいて、リーク電流算出モジュール9内の低閾値ドランジスタの低閾値リーク電流ImlLに対する高閾値トランジスタの高閾値リーク電流ImlHの電流混在比xを算出する(ステップS13)。ステップS13において、電流混在比xは、式(12)により求められる。
次に、電流混在比xを加重した高閾値測定リーク電流ImlHと、低閾値測定リーク電流ImlLとを加算してリーク電流Ileak−monを算出する(ステップS14)。こうして、リーク電流Ileak−monの算出処理が終了する。
図5に戻って、次に、ステップS3で算出されたリーク電流Ileak−monと、ステップS2で算出されたスイッチング電流Iswとの電流比Isw/Ileak−monの値と、特定定数α、βで表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値Svとを比較する(ステップS4)。規定値Svは、式(3)により求められる。
次に、電流比Isw/Ileak−monが規定値Svと等しければ、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBのそれぞれの電圧値を現状のまま維持するための電圧指示値DIv、BIvを生成し、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を制御する(ステップS5)。また、電流比Isw/Ileak−monが規定値Svより大きければ、電源電圧VDDを0.1V下降させ、基板バイアス電圧VBBを0.1V上昇させるための電圧指示値DIv、BIvを生成し、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を制御する(ステップS6)。さらに、電流比Isw/Ileak−monが規定値Svより小さければ、電源電圧VDDを0.1V上昇させ、基板バイアス電圧VBBを0.1V下降させるための電圧指示値DIv、BIvを生成し、電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBの電圧値を制御する(ステップS7)。ステップS4乃至S7は、図3に示す制御モジュール15で処理される。
次に、可変電圧源5はステップS5乃至S7で制御された電圧値が出力されるように調整されて電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBを各回路7、11、13及び各モジュール9、15に出力する(ステップS8)。こうして、半導体集積回路1の電力低減方法は終了する。本実施の形態の半導体集積回路1は、上記ステップS2からステップS8までの処理を繰り返し行うことにより、半導体集積回路1の動作中、常にメイン回路13の速度性能を維持しながらスイッチング電流Iswだけでなくリーク電流Ileakによる消費電力も最適に低減できる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態による半導体集積回路及びその電力低減方法について図7を用いて説明する。本実施の形態による半導体集積回路は、リーク電流算出モジュールの構成が上記第1の実施の形態による半導体集積回路1と異なる点に特徴を有している。本実施の形態による半導体集積回路の全体の概略構成は、上記第1の実施の形態による半導体集積回路1と同様であるため説明は省略する。
図7は、本実施の形態による半導体集積回路のリーク電流算出モジュール39の概略構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、図2に示したリーク電流算出モジュール10の構成要素及び同一の作用機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。図7に示すように、リーク電流算出モジュール39は、低閾値リーク電流測定回路21、高閾値リーク電流測定回路23、演算回路19及びリーク電流算出回路17に変えて、例えばn個のリーク電流モニタ回路MC1〜MCnと選択回路41とを有している。リーク電流モニタ回路MC1〜MCnは、例えば電流混在比x=1〜nでのリーク電流Ileak−monとなるように、低閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比を変えてそれぞれ構成されている。例えば、リーク電流モニタ回路MC1は高閾値トランジスタ:低閾値トランジスタ=1:nとなるように構成され、リーク電流モニタ回路MCnは高閾値トランジスタ:低閾値トランジスタ=n:1となるように構成されている。リーク電流モニタ回路MC1〜MCnのそれぞれのリーク電流は選択回路41に入力されている。選択回路41は、上記第1の実施の形態と同様の方法により電流混在比算出回路29で算出された電流混在比xに基づいてリーク電流モニタ回路MC1〜MCnを選択するようになっている。リーク電流算出モジュール39は選択回路41で選択されたリーク電流モニタ回路MC1〜MCnのリーク電流をリーク電流Ileak−monとして制御モジュール15(図7では不図示)に出力する。
例えば、電流混在比算出回路29で算出された電流混在比xが1の場合には、選択回路41はリーク電流モニタ回路MC1を選択する。リーク電流算出モジュール39はリーク電流モニタ回路MC1のリーク電流をリーク電流Ileak−monとして制御モジュール15に出力する。電流混在比算出回路29で算出された電流混在比xがリーク電流モニタ回路MC1〜MCnで想定された電流混在比xと一致しない場合には、選択回路41は算出された値に最も近い電流混在比xのリーク電流モニタ回路MC1〜MCnを選択するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態による半導体集積回路によれば、リーク電流算出モジュール39は、電流混在比xに基づいてリーク電流Ileak−monを出力することができるので、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法について説明する。本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法は、上記第1の実施の形態とほぼ同様であるため、異なるステップのみ簡述する。まず、上記第1の実施の形態と同様に、ステップ1からステップS13まで処理される(図5及び図6参照)。次いで、図6に示すステップ14に変えて、ステップ13において算出された電流混在比xに基づいて、図7に示すリーク電流モニタ回路MC1〜NMnのいずれか1つのリーク電流がリーク電流Ileak−monとして選択される。その後、上記第1の実施の形態と同様に、図5に示すステップS4からステップS8まで処理されて、可変電圧源5から出力される電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBが制御される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、半導体集積回路は電流混在比xを算出できるリーク電流算出モジュール39を有している。リーク電流算出モジュール39は算出された電流混在比xに基づくリーク電流Ileak−monを出力することができるので、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態による半導体集積回路及びその電力低減方法について図8を用いて説明する。上記第1及び第2の実施の形態では、半導体集積回路は、2種類の閾値電圧のトランジスタで構成されている。これに対し、本実施の形態では、半導体集積回路は、3種類の閾値電圧のトランジスタで構成されている点に特徴を有している。本実施の形態による半導体集積回路は、低閾値電圧と高閾値電圧との間の閾値電圧の中閾値トランジスタをさらに有し、高閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタで構成されている。本実施の形態では、メイン回路の低閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタの混在比は、例えば低閾値トランジスタ:高閾値トランジスタ:中閾値トランジスタ=1:x:xになっている。本実施の形態による半導体集積回路の全体の概略構成は、図1に示す上記第1の実施の形態による半導体集積回路1と同様であるため説明は省略する。
図8は、本実施の形態による半導体集積回路のリーク電流算出モジュール10の概略構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、図2に示したリーク電流算出モジュール10の構成要素及び同一の作用機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。図8に示すように、リーク電流算出モジュール10は、低閾値リーク電流測定回路21と、高閾値リーク電流測定回路23と、中閾値トランジスタで構成され、中閾値トランジスタのリーク電流(以下、中閾値リーク電流という)ImlMを測定する中閾値リーク電流測定回路24と、オン電流変動量格納回路25と、オン電流変動量の比の算出回路27と、電流混在比算出回路29とを有している。低閾値リーク電流測定回路21、高閾値リーク電流測定回路23及び中閾値リーク電流測定回路24内には、例えば同数のリーク電流測定用トランジスタがそれぞれ備えられている。当該リーク電流測定用トランジスタのリーク電流を測定することにより、低閾値トランジスタ、高閾値トランジスタ及び中閾値トランジスタのそれぞれのリーク電流ImlL、ImlH、ImlMが個別に測定できるようになっている。
オン電流変動量格納回路25には、オン電流の変動量I’、I’に加え、可変電圧源5(図2では不図示)から出力された基板バイアス電圧VBBの変動値に対する中閾値トランジスタのオン電流の変動量I’も格納される。オン電流変動量算出回路27では、オン電流変動量の比I’/I’に加え、制御モジュール15から出力された基板バイアス電圧VBBの制御電圧値に基づいてオン電流変動量格納回路25から読出されたオン電流の変動量I’、I’のオン電流変動量の比I’/I’も算出される。電流混在比算出回路29では、混在比x、特定定数α、β、a、b及びオン電流変動量の比I’/I’に基づいて、リーク電流算出モジュール10内の低閾値リーク電流ImlLに対する高閾値リーク電流ImlHの電流混在比xm0と、混在比x、特定定数α、β、a、b及びオン電流変動量の比I’/I’に基づいて、リーク電流算出モジュール10内の低閾値リーク電流ImlLに対する中閾値リーク電流ImlMの電流混在比xm1とが算出される。
さらに、リーク電流算出モジュール10は、高閾値リーク電流測定回路23の高閾値リーク電流ImlHに電流混在比xm0を乗ずる演算回路19と、中閾値リーク電流測定回路24の中閾値リーク電流ImlMに電流混在比xm1を乗ずる演算回路20と、電流混在比xm0が加重された高閾値リーク電流ImlHと、電流混在比xm1が加重された中閾値リーク電流ImlMと、低閾値リーク電流測定回路21の低閾値リーク電流mlLとに基づいてリーク電流Ileak−monを算出するリーク電流算出回路17とを有している。演算回路20は、中閾値リーク電流ImlMに電流混在比xm1を乗ずることが可能な数値乗算器を有している。
本実施の形態では、スイッチング電流算出回路11には、低閾値リーク電流測定回路21、中閾値リーク電流測定回路24及び高閾値リーク電流測定回路23で測定された各リーク電流ImlL、ImlM、ImlHがそれぞれ入力される。スイッチング電流算出回路11は、メイン回路13の低閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び高閾値トランジスタのそれぞれの総数と、低閾値リーク電流測定回路21、中閾値リーク電流測定回路24及び高閾値リーク電流測定回路23内のリーク電流測定用トランジスタのそれぞれの総数とを保持している。各トランジスタの総数は、例えばフューズの溶断によって保持されている。また、スイッチング電流算出回路11は、上記第1の実施の形態と同様の方法を用いて各トランジスタのリーク電流ImlL、ImlM、ImlHに基づくメイン回路13のメインリーク電流を算出する。スイッチング電流算出回路11は、可変電圧源5が供給している電流から当該メインリーク電流を減じてメイン回路13のスイッチング電流Iswを算出するようになっている。
次に、本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法の基本原理について説明する。高閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタの動作周波数をfとし、高閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれの負荷容量の容量値をC、C、Cとすると、高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれのスイッチング電流IswH 、IswL は、式(5)及び式(6)のように表すことができ、中閾値トランジスタのスイッチング電流IswMは以下の式(20)のように表すことができる。
Figure 0004757108
高閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのそれぞれのリーク電流IleakH 、IleakLは、式(7)及び式(8)のように表すことができ、中閾値トランジスタのそれぞれのリーク電流IleakMは、オン電流Iを用いて、以下の式(21)のように表すことができる。
Figure 0004757108
メイン回路を構成する高閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタの混在比をx:x:1とすると、式(4)に示す速度性能を維持する最低の電源電圧Vを印加した際のメイン回路の消費電力Pは、式(4)乃至式(9)、式(20)及び式(21)を用いて、次の式(22)のように展開することができる。
Figure 0004757108
消費電力Pが基板バイアス電圧VBBに対して最小となるのはdP/dVBB=0の時なので、式(22)をVBBで微分すると、以下の式(23)が成立する。なお、式(23)において、I’=dI/dVBB、I’=dI/dVBB及びI’=dI/dVBBとする。
Figure 0004757108
リーク電流算出モジュール内(例えば低閾値リーク電流測定回路、中閾値リーク電流測定回路及び高閾値リーク電流測定回路)の高閾値トランジスタ、中閾値トランジスタ及び低閾値トランジスタのリーク電流の電流混在比をxm0:xm1:1とすると、電流混在比xm0及び電流混在比xm1は以下の式(24)及び式(25)のように設定される。
Figure 0004757108
このとき、リーク電流算出モジュール内のリーク電流Ileak−monは、以下の式(26)のように表すことができる。
Figure 0004757108
式(23)に式(24)及び式(25)を代入すると、以下の式(27)が得られる。
Figure 0004757108
式(27)に式(5)、式(6)、式(20)及び式(26)を代入し、通常、I’≠0であるため、以下の式(28)が得られる。
Figure 0004757108
式(28)の左辺のカッコ内は、メイン回路のスイッチング電流Iswを表しているので、半導体集積回路が3種類の閾値電圧のトランジスタで構成されていても、リーク電流算出モジュール内のリーク電流Ileak−monとメイン回路のスイッチング電流Iswとの間には、上記の式(16)が成立する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、3種類の閾値電圧のトランジスタが混在した半導体集積回路は、各閾値電圧のトランジスタ毎のリーク電流を適切な係数(電流混在比xm0及び電流混在比xm1)を元に逐一算出できるリーク電流算出モジュール10を有している。このため、本実施の形態による半導体集積回路は、上記第1の実施の形態の半導体集積回路1と同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法について説明する。本実施の形態による半導体集積回路の電力低減方法は、上記第1の実施の形態とほぼ同様であるため、異なるステップのみ簡述する。まず、図5に示すステップS1において、メイン回路13を構成する各トランジスタの混在比x、xと、特定定数α、β、a、b等が保持される。次に、ステップS2において、各トランジスタの総数及び各リーク電流ImlL、ImlM、ImlHを用いてメイン回路13のスイッチング電流Iswが算出される。
次に、図6のステップS11において、各トランジスタのリーク電流ImlL、ImlM、ImlHが測定される。次に、ステップS12において、オン電流変動量の比I’/I’及びオン電流変動量の比I’/I’が算出される。次に、ステップS13において、電流混在比xm0及び電流混在比xm1が算出される。次に、ステップS14において、各リーク電流ImlL、ImlM、ImlH及び電流混在比xm0、xm1に基づいてリーク電流算出モジュール10内のリーク電流Ileak−monが算出される。その後、上記第1の実施の形態と同様に、図5に示すステップS4からステップS8まで処理されて、可変電圧源5から出力される電源電圧VDD及び基板バイアス電圧VBBが制御される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、半導体集積回路は電流混在比xm0及び電流混在比xm1を算出できるリーク電流算出モジュール10を有している。リーク電流算出モジュール10は算出された電流混在比xm0、xm1に基づくリーク電流Ileak−monを出力することができるので、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記第3の実施の形態では、半導体集積回路は3種類の閾値電圧のトランジスタを有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、半導体集積回路は4種類以上の閾値電圧のトランジスタを有していてもよい。メイン回路を構成する混在比や基板バイアス電圧に対するオン電流等のパラメータを閾値電圧の異なるトランジスタ毎に設定することにより、低閾値トランジスタに対する各閾値電圧のトランジスタの電流混在比を式(24)及び式(25)を用いてそれぞれ算出することができる。また、閾値電圧の異なるトランジスタ毎にリーク電流を測定し、式(26)に示すように、測定されたリーク電流と算出された電流混在比とを用いてリーク電流leak−monを算出できる。従って、半導体集積回路は4種類以上の閾値電圧のトランジスタを有していても、メイン回路の速度性能を維持しながらスイッチング電流Iswだけでなくリーク電流Ileakによる消費電力も最適に低減できる。
上記第1乃至第3の実施の形態では、リーク電流算出回路17、電流混在比算出回路29及び電流比算出回路31は数値演算器を有し、演算回路19、20は数値乗算器を有し、規定値比較回路33は数値演算器及び比較器を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、半導体集積回路は、数値演算器、数値乗算器及び比較器に代えて、マイクロプロセッサ回路及びプログラム格納メモリを搭載し、これらを用いてプログラム上で所定の演算処理を実行しても、上記第1乃至第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
上記第1乃至第3の実施の形態では、制御モジュール15から出力された基板バイアス電圧VBBの制御電圧値に基づいて、オン電流変動量の比I’/I’及びオン電流変動量の比I’/I’が算出されているが、本発明はこれに限られない。例えば、制御モジュール15から出力された電源電圧VDDの制御電圧値又は基板バイアス電圧VBB及び電源電圧VDDのそれぞれの制御電圧値に基づいて、オン電流変動量の比I’/I’及びオン電流変動量の比I’/I’が算出しても、上記第1乃至第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
以上説明した本実施の形態による半導体集積回路及びその電力低減方法は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールと、
前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を保持する定数保持回路と、
前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出するスイッチング電流算出回路と、
前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出するリーク電流算出モジュールと、
前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御する制御モジュールと、
前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力する可変電圧源と
を有することを特徴とする半導体集積回路。
(付記2)
付記1記載の半導体集積回路において、
前記リーク電流算出モジュールは、
前記低閾値トランジスタで構成され、前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定する低閾値リーク電流測定回路と、
前記高閾値トランジスタで構成され、前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定する高閾値リーク電流測定回路と、
前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量の比を出力するオン電流変動量の比の出力回路と、
前記混在比、前記複数の特定定数及び前記オン電流に基づいて、前記リーク電流算出モジュール内の前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出する電流混在比算出回路と、
前記低閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出するリーク電流算出回路と
を有することを特徴とする半導体集積回路。
(付記3)
付記2記載の半導体集積回路において、
前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記高閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記複数の特定定数をα、β、a及びbとし、前記低閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonl’とし、前記高閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonh’とし、前記電流混在比をxとし、前記低閾値リーク電流をIleaklとし、前記高閾値リーク電流をIleakhとし、前記リーク電流をIleak−monとすると、
前記電流混在比及び前記リーク電流は、
={β×(Ionh’/Ionl’)−α}×x/(β−α)
及び
leak−mon=x×b×exp(β×Ileakh)+b×exp(β×Ileakl
として表されること
を特徴とする半導体集積回路。
(付記4)
付記1記載の半導体集積回路において、
前記回路機能モジュール及び前記リーク電流算出モジュールは、前記低閾値電圧と前記高閾値電圧との間の閾値電圧の中閾値トランジスタをさらに有することを
を特徴とする半導体集積回路。
(付記5)
付記4記載の半導体集積回路において、
前記リーク電流算出モジュールは、
前記低閾値トランジスタで構成され、前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定する低閾値リーク電流測定回路と、
前記中閾値トランジスタで構成され、前記中閾値トランジスタの中閾値リーク電流を測定する中閾値リーク電流測定回路と、
前記高閾値トランジスタで構成され、前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定する高閾値リーク電流測定回路と、
前記低閾値トランジスタ、前記中閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量の比を出力するオン電流変動量の比の出力回路と、
前記混在比、前記複数の特定定数及び前記オン電流の変動量に基づいて、前記リーク電流変動量の比の算出モジュール内の前記低閾値リーク電流に対する前記中閾値リーク電流の電流混在比及び前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出する電流混在比算出回路と、
前記低閾値リーク電流、前記中閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、2つの前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出するリーク電流算出回路と
を有することを特徴とする半導体集積回路。
(付記6)
付記5記載の半導体集積回路において、
前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記高閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記中閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記複数の特定定数をα、β、a及びbとし、前記低閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonl’とし、前記中閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonm’とし、前記高閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonh’とし、前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の前記電流混在比をxm0とし、前記低閾値リーク電流に対する前記中閾値リーク電流の前記電流混在比をxm1とし、前記低閾値リーク電流をIleaklとし、前記中閾値リーク電流をIleakmとし、前記高閾値リーク電流をIleakhとし、前記リーク電流をIleak−monとすると、
前記高閾値トランジスタの前記電流混在比、前記中閾値トランジスタの前記電流混在比及び前記リーク電流は、
m0={β×(Ionh’/Ionl’)−α}×x/(β−α)、
m1={β×(Ionm’/Ionl’)−α}×x/(β−α)
及び
leak−mon=xm0×b×exp(β×Ileakh)+xm1×b×exp(β×Ileakm)+b×exp(β×Ileakl
として表されること
を特徴とする半導体集積回路。
(付記7)
低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールを備えた半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を入力して保持し、
前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出し、
前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出し、
前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御し、
前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力すること
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
(付記8)
付記7記載の半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定し、
前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定し、
前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量、前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいて、前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出し、
前記低閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出すること
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
(付記9)
付記8記載の半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記高閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記複数の特定定数をα、β、a及びbとし、前記低閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonl’とし、前記高閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonh’とし、前記電流混在比をxとし、前記低閾値リーク電流をIleaklとし、前記高閾値リーク電流をIleakhとし、前記リーク電流をIleak−monとすると、
前記電流混在比及び前記リーク電流は、
={β×(Ionh’/Ionl’)−α}×x/(β−α)
及び
leak−mon=x×b×exp(β×Ileakh)+b×exp(β×Ileakl
として表されること
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
(付記10)
付記7記載の半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値電圧と前記高閾値電圧との間の閾値電圧の中閾値トランジスタの混在比をさらに入力して保持することを
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
(付記11)
付記10記載の半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定し、
前記中閾値トランジスタの中閾値リーク電流を測定し、
前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定し、
前記低閾値トランジスタ、前記中閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量、前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいて、前記低閾値リーク電流に対する前記中閾値リーク電流の電流混在比及び前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出し、
前記低閾値リーク電流、前記中閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、2つの前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出すること
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
(付記12)
付記11記載の半導体集積回路の電力低減方法において、
前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記高閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記低閾値トランジスタの前記混在比に対する前記中閾値トランジスタの前記混在比をxとし、前記複数の特定定数をα、β、a及びbとし、前記低閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonl’とし、前記中閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonm’とし、前記高閾値トランジスタの前記オン電流変動量をIonh’とし、前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の前記電流混在比をxm0とし、前記低閾値リーク電流に対する前記中閾値リーク電流の前記電流混在比をxm1とし、前記低閾値リーク電流をIleaklとし、前記中閾値リーク電流をIleakmとし、前記高閾値リーク電流をIleakhとし、前記リーク電流をIleak−monとすると、
前記高閾値トランジスタの前記電流混在比、前記中閾値トランジスタの前記電流混在比及び前記リーク電流は、
m0={β×(Ionh’/Ionl’)−α}×x/(β−α)、
m1={β×(Ionm’/Ionl’)−α}×x/(β−α)
及び
leak−mon=xm0×b×exp(β×Ileakh)+xm1×b×exp(β×Ileakm)+b×exp(β×Ileakl
として表されること
を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1に備えられたリーク電流算出モジュール9の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1に備えられた制御モジュール15の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1に備えられた可変電圧源制御回路35の機能の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1の電力低減方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態による半導体集積回路1の電力低減方法であって、図5に示すリーク電流Ileak−monの算出処理(ステップS3)のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態による半導体集積回路に備えられたリーク電流算出モジュール39の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態による半導体集積回路に備えられたリーク電流算出モジュール10の概略構成を示すブロック図である。 従来の半導体集積回路の消費電力の主要因を説明するための等価回路図である。 速度性能保持という条件下での従来の半導体集積回路のオン電流と消費電力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 半導体集積回路
5 可変電圧源
7 定数保持回路
9、10、39 リーク電流算出モジュール
11 スイッチング電流算出回路
13 メイン回路
15 制御モジュール
17 リーク電流算出回路
19、20 演算回路
21 低閾値リーク電流測定回路
23 高閾値リーク電流測定回路
24 中閾値リーク電流測定回路
25 オン電流変動量格納回路
27 オン電流変動量の比の算出回路
29 電流混在比算出回路
31 電流比算出回路
33 規定値比較回路
35 可変電圧源制御回路
37 電位保持回路
41 選択回路
51 インバータ回路
53 p型トランジスタ
55 n型トランジスタ
57 負荷容量
61 電源ライン
63 基準電圧ライン
MC1〜MCn リーク電流モニタ回路

Claims (5)

  1. 低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールと、
    前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を保持する定数保持回路と、
    前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出するスイッチング電流算出回路と、
    前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出するリーク電流算出モジュールと、
    前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御する制御モジュールと、
    前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力する可変電圧源と
    を有することを特徴とする半導体集積回路。
  2. 請求項1記載の半導体集積回路において、
    前記リーク電流算出モジュールは、
    前記低閾値トランジスタで構成され、前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定する低閾値リーク電流測定回路と、
    前記高閾値トランジスタで構成され、前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定する高閾値リーク電流測定回路と、
    前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量の比を出力するオン電流変動量の比の出力回路と、
    前記混在比、前記複数の特定定数及び前記オン電流に基づいて、前記リーク電流算出モジュール内の前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出する電流混在比算出回路と、
    前記低閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出するリーク電流算出回路と
    を有することを特徴とする半導体集積回路。
  3. 請求項1記載の半導体集積回路において、
    前記回路機能モジュール及び前記リーク電流算出モジュールは、前記低閾値電圧と前記高閾値電圧との間の閾値電圧の中閾値トランジスタをさらに有することを特徴とする半導体集積回路。
  4. 請求項3記載の半導体集積回路において、
    前記リーク電流算出モジュールは、
    前記低閾値トランジスタで構成され、前記低閾値トランジスタの低閾値リーク電流を測定する低閾値リーク電流測定回路と、
    前記中閾値トランジスタで構成され、前記中閾値トランジスタの中閾値リーク電流を測定する中閾値リーク電流測定回路と、
    前記高閾値トランジスタで構成され、前記高閾値トランジスタの高閾値リーク電流を測定する高閾値リーク電流測定回路と、
    前記低閾値トランジスタ、前記中閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの前記基板バイアス電圧の変動値に対するそれぞれのオン電流変動量の比を出力するオン電流変動量の比の出力回路と、
    前記混在比、前記複数の特定定数及び前記オン電流変動量の比に基づいて、前記リーク電流変動量の比の算出モジュール内の前記低閾値リーク電流に対する前記中閾値リーク電流の電流混在比及び前記低閾値リーク電流に対する前記高閾値リーク電流の電流混在比を算出する電流混在比算出回路と、
    前記低閾値リーク電流、前記中閾値リーク電流及び前記高閾値リーク電流と、2つの前記電流混在比とに基づいて前記リーク電流を算出するリーク電流算出回路と
    を有することを特徴とする半導体集積回路。
  5. 低閾値電圧の低閾値トランジスタと、前記低閾値トランジスタより閾値電圧の高い高閾値トランジスタとで構成されるデータ処理機能を有する回路機能モジュールを備えた半導体集積回路の電力低減方法において、
    前記低閾値トランジスタ及び前記高閾値トランジスタの混在比及び複数の特定定数を入力して保持し、
    前記回路機能モジュールの動作時のスイッチング電流を算出し、
    前記混在比及び前記複数の特定定数に基づいてリーク電流を算出し、
    前記リーク電流と前記スイッチング電流との比の値と、前記複数の特定定数で表され、速度性能を維持した上で消費電力が最小となる規定値との比較結果に基づいて、電源電圧及び基板バイアス電圧の電圧値を制御し、
    前記電圧値とほぼ等しい電圧値の前記電源電圧及び前記基板バイアス電圧を出力すること
    を特徴とする半導体集積回路の電力低減方法。
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