JP4756785B2 - 表面検査方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物の表面形状等を測定する表面検査方法および装置に係るものであり、特に、測定対象物に複数設けた略同一構造のサイトにおける対象層のサイト内膜厚分布を検出するのに好適な表面検査方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハ上に目的の層を形成する場合、この層の表面形状が下地のパターンに依存することがあり、このようなパターン依存性をウェハ上のチップ領域単位で測定して半導体製造工程の制御や条件設定にフィードバックすることが望まれている。
【0003】
例えば、凹凸パターンを有する配線層上に絶縁層を形成し、これをCMPによって平坦化する場合、絶縁層は下地パターンの影響を受けてその膜厚が一定の傾向で変化する。このような膜厚分布は、スルーホールの深さを変化させる要因となるので、スルーホールの接続精度に影響し、さらに層間容量が変化してデバイスヒステリシスが変化する等の種々の問題が発生する。このため、従来から膜厚の下地パターン依存性を解析することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この際の解析手段として、従来、チップ領域ごとに検査用の膜厚チェックパターンを設け、そのポイントでの膜厚を干渉を利用した光学式手段にて測定することが行なわれているが、この方式では、同一チップ内の膜厚チェックパターンとそれ以外のパターンとの相関関係が不明で、本来得たい情報が必ずしも得られていないという問題がある。このため、触針を利用した段差測定方法を用いて表面の形状を決定することが行なわれているが、この場合、最上層の表面形状に関する情報しか得られない。さらに、この段差測定方法には、▲1▼測定範囲が限定される、▲2▼LSI製造工程内ではウェーハの表面形状(厚さバラツキ)の影響を受けてしまうため本来得たい層間膜情報が正確に得られない、▲3▼ウェハ全体の凹凸を含んだ形状を測定してしまう、▲4▼破壊検査である、等の問題がある。
【0005】
また、光学式膜厚測定法は、検査光のスポット径が大きいので、微細なパターンを有する測定対象のパターン解析は実際上困難である。
【0006】
そこで、本発明は、半導体ウェハ上の任意のチップ領域において目的の層の表面形状を非破壊で検査することによって膜厚のパターン依存性等を迅速に計測することができる表面検査方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の表面検査方法は、略平行光束からなる照明光で測定対象物を照射する第1のステップと、物側にテレセントリックで前記測定対象物の表面での反射光を集光する集光光学系と当該集光光学系を含む結像光学系の後側焦平面またはその近傍に(つまり絞り位置又はその近傍に)配置された開口絞りとを介して、前記測定対象物の表面の前記反射光の像を結像する第2のステップと、結像された像を撮像して前記測定対象物の測定領域の各点の輝度データを収集する第3のステップと、前記輝度データから得られた各点の傾き角に基づいて、前記測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定すると共に、前記基準面を基準として各々のサイトについての表面形状を求める第4のステップと、を備える。ここで、「サイト」とは、測定対象物に設けた略同一構造の領域を指示している。これを半導体ウェハを例にとって説明すると、半導体製造工程では、半導体ウェハ上にます目状に設けた多数のICチップ領域のそれぞれに同時に複数のプロセスが施され、各チップ領域に配線、絶縁層等からなる同一のパターンが形成されるが、この場合のチップ領域が、上記サイトに相当する。また、「物側にテレセントリックな集光光学系」は物側にテレセントリックなものだけでなく、像物側にテレセントリックなものも含んでいる。
【0008】
この表面検査方法では、物側にテレセントリックな集光光学系と開口絞りとを介して結像された像を撮像し、測定対象物の測定領域の各点の輝度データを収集するので、目的とする層の表面形状に関する情報を、非破壊で迅速に得ることができる。さらに、輝度データに基づいて、複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定して各々のサイトについて表面形状を求めるので、各サイトにおける例えば特定層の膜厚の下地パターン依存性等の情報を一括して検出することができることとなり、各サイトの比較や統計処理が簡易となる。
【0009】
また、前記表面検査方法の好ましい態様では、前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化する。
【0010】
この態様では、前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化するので、測定対象物自体のソリその他のランダムな表面形状のばらつきをキャンセルすることができることから、複数のサイトの特定層の膜厚の下地パターン依存性等の全体的な傾向を得ることができる。
【0011】
また、前記表面検査方法の好ましい態様では、前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求める。ここで、「表面処理」とは、例えば研削、ラッピング、ポリッシング、コーティング等である。
【0012】
この態様では、前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求めるので、表面処理前後の表面変化の状態を各サイトごとに得ることができる。例えば、半導体ウェハ上に薄膜を形成する場合には、特定層(薄膜)の膜厚のパターン依存性を各サイトごとに得ることができる。
【0013】
また、本発明の表面検査装置は、略平行光束からなる照明光で載置面上に載置された測定対象物を照射する光源装置と、物側にテレセントリックで前記測定対象物の表面での反射光を集光する集光光学系と、後側焦平面またはその近傍に配置された開口絞りとを有し、前記測定対象物の表面の前記反射光の像を結像する結像光学系と、結像された像を撮像して前記測定対象物の測定領域の各点の輝度データを検出するセンサと、前記輝度データから得られた各点の傾き角に基づいて、前記測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定すると共に、前記基準面を基準として各々のサイトについての表面形状を求める演算処理装置と、を備える。
【0014】
この表面検査装置では、物側にテレセントリックな集光光学系と開口絞りとを介して結像された像を撮像し、測定対象物の測定領域の各点の輝度データを収集するので、目的とする層の表面形状に関する情報を、非破壊で迅速に得ることができる。さらに、輝度データに基づいて、測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定して各々のサイトについての表面形状を求めるので、各サイトにおける例えば特定層の膜厚の下地パターン依存性等の情報を一括して検出することができ、各サイトの比較や統計処理が簡易となる。
【0015】
また、前記表面検査装置の好ましい態様では、前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化するものである。
【0016】
この態様では、前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化するので、測定対象物自体のソリその他のランダムな表面形状のばらつきをキャンセルすることができることから、複数のサイトの特定層の膜厚の下地パターン依存性等の全体的な傾向を得ることができる。
【0017】
また、前記表面検査装置の好ましい態様では、前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求めることを特徴とする請求項4記載の表面検査装置。
【0018】
この態様では、前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求めるので、表面処理前後の表面変化の状態を各サイトごとに得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(1)表面検査装置の構成
A.全体
図1は、実施形態に係る表面検査装置の構成図である。図1に示すように、この検査装置1は、測定対象物8を照明・観察するための光学系Kと、光学系Kによる測定対象物8の照明光量を調節する光源コントローラ73、74と、光学系Kから出力される画像データ(輝度データ)を処理して必要な情報に変換する画像処理ユニット71と、画像処理ユニット71で得た画像データ等を表示するモニタ76と、画像処理ユニット71の出力を受けて光源コントローラ73、74に制御信号を出力するインターフェース72と、光学系Kに設けたチルトステージ5に測定対象物8を順次搬送する搬送装置77と、画像処理ユニット71や搬送装置77の動作を統括的に制御するホストコンピュータ75とを備える。
【0020】
B.光学系
図2は、図1に示す光学系Kをより具体的に説明する図である。この光学系Kは、略平行光束にした照明光で測定対象物8を照射する光源装置として機能する照明部2と、測定対象物8の斜方から測定対象物8を照明する補助照明部4と、測定対象物8への照明光の入射方向と光軸が合致し測定対象物8の一点に対して所定の物側開口角を有すると共に測定対象物8での反射光を結像する物側にテレセントリックな結像光学系11と、この結像された像を撮像して画素ごとの輝度データを収集するセンサとして機能する撮像部7とを備える。
【0021】
ここで、照明部2は、光源からの照明光を導くスポットファイバライトガイド21と、スポットファイバライトガイド21からの照明光を拡散するディフューザ22と、照明光を一旦点光源にしてその輝度および照射角度範囲を適宜設定するアパーチャ23と、アパーチャ23を通過した照明光から不要な波長の光を除去する波長選択フィルタ24と、照明光を平行光束にするコリメータ25とを備える。スポットファイバライトガイド21は、光源Iコントローラ73により光量を制御されている光源のハロゲンランプ(図示を省略)から集光したハロゲン光を出射する。このスポットファイバライトガイド21からの出射光は、ディフューザ22、アパーチャ23、波長選択フィルタ24およびコリメータ25を経て、適当な照射角、光量および波長を有する略平行光束に変換されてハーフミラー3に照射される。なお、波長選択フィルタ24は、各種干渉フィルタを備えるターレット状のものであり、測定対象物8を照明する照明光の波長を適宜変更することを可能にするとともに、検査装置1の結像光学系11の感度調節に用いられる。
【0022】
照明部2からの照明光が入射するハーフミラー3は、光軸に対して45°傾けて配置されており、照明部2からの出射光を反射してチルトステージ5に照射するとともに、チルトステージ5上の測定対象物8で反射された反射光を透過して結像光学系11に導く。
【0023】
補助照明部4は、本体が環状に形成されている。そして、この本体の下端部には、それぞれドーナッツ状の、リングファイバライトガイド26、ディフューザ27および波長選択フィルタ28が取り付けられている。リングファイバライトガイド26は、補助的な光源となっており、光源IIコントローラ74により光量を制御されているハロゲンランプ(図示を省略)から集光したハロゲン光を、チルトステージ5に向かって照射する。
【0024】
結像光学系11は、5枚のレンズ31〜35からなるテレセントリック光学部と、円形開口の直径を連続的に可変可能な開口絞り12とを鏡筒に収容した構造となっている。なお、結像光学系11は、観測部7における結像の大きさを調節するため、全体として交換可能な構造になっている。また、鏡筒11中でレンズ31〜35を一体として移動させることにより、結像のフォーカス調整が可能になっている。また、結像光学系11は、測定面8aからの法線方向の反射光の光軸に対して傾きを変化させるあおり機構を備えている。結像光学系11の開口絞り12は、多数の羽根からなるアイリス絞りであり、図示を省略する可動部を動作させることにより、その円形開口の直径を変化させることができるようになっている。この円形開口の直径を変化させると、感度を調節することができる。また、この開口絞り12は、結像光学系11の後像空間焦平面に配置されており、レンズ31〜35が移動しても、後像空間焦平面に位置するようにされている。
【0025】
観測部7は、CCD撮像素子により構成され、測定面8aの状態に対応する2次元的な明暗パターンを検出する。そして、CCD撮像素子からの画像信号は、同軸ケーブルにより画像処理ユニット71に出力される。
【0026】
C.チルトステージ
図1に示すように、チルトステージ5は、照明部2からの照明光としての略平行光束が測定面8aに垂直入射するように、測定対象物8の傾きを微調整可能に構成されている。すなわち、チルトステージ5は、ステージ駆動装置51に駆動されてその位置で測定対象物8の傾斜方向及び傾斜角を調節することができ、これら傾斜方向及び傾斜角は、ホストコンピュータ75を介して所望の値に制御される。
【0027】
D.その他
画像処理ユニット71は、観測部7中のCCD撮像素子から出力される画像信号を増幅した後、ビデオ信号としてモニタ76に出力したり、画像信号の微分信号を算出したり、AD変換したデジタル画像信号をホストコンピュータ75に出力したりする。また、画像処理ユニット71は、画像信号の白レベル電圧が飽和しないように、インターフェース72を介して、光源Iコントローラ73や光源IIコントローラ74に光量制御信号を出力して、光学系K内の照明部2や補助照明部4の光量を調節する。一方、ホストコンピュータ75は、画像処理ユニット71が出力するデジタル画像信号から測定対象物8の基準面や表面形状を求めたり、表面の形状データを処理等を行う。
【0028】
(2)観測部で観察される像
図1の光学系1では、照射開口角及び物側開口角がほぼ0°の場合を考えると、測定面8aのある点にその法線方向から(入射角0°で)照明光が照射され且つ放線方向に反射されたときだけ、そのある点の像は輝度100%の明るい像となり、それ以外の点(例えば入射角が0°以外の周囲の点)の像は輝度0%の暗い像となって観察される。
【0029】
ここで、図3に示すように測定面8aに凹部Dが存在する場合を考える。この場合の「凹部D」は円錐状の凹部であり、凹部Dの斜面の傾き角はθ/2、直径L、深さがdとし、これらの間にはd=(L/2)tan(θ/2)の関係が存在するものとする。
【0030】
この測定面8aにその法線方向から照明光が照射されるとすると、凹部Dにおいては照明光が入射方向(法線方向)に反射されないので、その反射光は、結像光学系11の開口絞り12を通過せず、観測部7での凹部Dの像は輝度0%の像となって観察される。
【0031】
次に、チルトステージ5すなわち測定面8aがδθだけ傾ける。すると、凹部Dの一方の斜面の、照明光の入射方向と直交する平面(基準平面)に対する傾き角は、
((θ/2)−δθ)
となり、凹部Dの他方の斜面の、基準平面に対する傾き角は、
((θ/2)+δθ)
となる。この場合、傾き(測定面8aの傾斜角)を
(θ/2)=δθ
に設定すれば、前者の傾き角((θ/2)−δθ)の斜面からの反射光は、結像光学系11の開口絞り12を通過し、他の部分からの反射光は、開口絞り12を通過しなくなる。したがって、観測部7では、傾き角((θ/2)−δθ)の斜面が輝度100%明部、それ以外の部分が輝度0%の暗部となっている像が観察される。
【0032】
このことは、測定面8aの傾斜角を変化させることによって、その傾斜角に応じた凹凸部だけを観察できることを意味し、深さや大きさの異なる凹凸部を全て観察するには、測定面8の傾斜角を様々に変化させればよいことが分かる。
【0033】
なお、上記方法では、深さや大きさの異なる凹凸部を全て観察するのに、測定面8aの傾斜角を様々に変化させたが、照射開口角や物側開口角を比較的大きく設定することによって、深さや大きさの異なる凹凸部を一括して観察することもできる。すなわち、照射開口角や物側開口角を比較的大きく設定することで、凹凸部の斜面の像はその傾き角に応じた輝度の像となって観察される。この場合でも、チルトステージ5の傾斜角ひいては測定面8aの傾斜角を変化させることが好ましい。なぜなら、傾斜角を変えることによって、様々な傾き角の斜面を持つ凹凸の感度調整ができるからである。
【0034】
(3)デジタル画像信号の処理
デジタル画像信号のドット(画素)ごとのデータは測定面8aの各点における傾き角に応じた輝度を示しているので、輝度から得られた傾き角を特定方向(好ましくは測定面8aの傾斜方向)に積分し、その結果から最小二乗法によって回帰直線を求め、回帰直線を合成することによって基準面を設定するか、規定された3点から基準面を設定すると共に、測定面8aの表面形状を求める。この求めた表面形状は、測定面8aの最上層の凹凸形状であるが、測定面8aが薄膜で形成される場合、その下地層が基準面と平行な面であることを前提にすれば、測定面8aを形成する膜の相対的な膜厚分布を表すことになる。
【0035】
以上のようにして表面形状や膜厚分布を求めるが、測定面8aに略同一構造の領域であるサイトを有し、下地層に段差がある半導体ウェハ等の場合には、以下のようにして表面形状や膜厚分布を求めることが好ましい。以下、それを図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
(2)半導体ウェハにおける表面検査
A.半導体ウェハにおける表面検査の必要性
図6には、この測定対象物8の一例として、絶縁膜を成膜後にCMPによって平坦化した状態の半導体ウェハ108が平面図として示されている。この半導体ウェハ108上には、ICチップとなるICチップ領域が検査サイトSとして碁盤状に配列されている。
【0037】
図6は、図5に示す半導体ウェハ108の特定のICチップ領域である検査サイトSの断面構造を示す図である。このサイトSは、例えばSi基板108a上にAl配線パターン108bを形成し、その上にSiO2絶縁膜108cを形成し、これをCMPにより平坦化処理したものである。絶縁膜108cの表面は、平坦化後も下地のAl配線パターン108b等を反映した凹凸を有している。このような凹凸は、Al配線パターン108b上の絶縁膜108cの膜厚tとして、スルーホールの形成深さや配線間の相関容量に影響する。
そこで、半導体ウェハに形成される膜のパターン依存性を解析するために、サイトごとに基準面を算出及び設定して各々のサイトについて表面形状を求めるようにした。また、その表面形状のデータに基づいて、少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点(ドット)ごとに表面形状データを平均化した。
【0038】
B.具体的方法(パターン依存性の解析)
上記デジタル画像信号のドットごとのデータは半導体ウェハ108の各点における傾き角に応じた輝度を示しているので、ステップ1では、輝度から得られた傾き角を特定方向(好ましくは測定面8aの傾斜方向)に積分し、その結果から最小二乗法によって回帰直線を求め、回帰直線を合成することによって基準面を設定するか、規定された3点から基準面を設定することによって、半導体ウェハ108の表面形状を求める(図7(a))。次に、図6に示すようにサイトの分割を行い(図7(b))、半導体ウェハ108上の複数のサイトSから少なくとも2つ以上のサイトSを選択する(ステップS2)。サイトSの選択は、用途に応じた適当なものとすることが好ましい。
【0039】
続いて、サイトベストフィット処理として、選択した2つ以上のサイトSについての表面形状のデータからウェハ全体の基準面設定方法と同様にしてサイトごとの基準面を求める(図7(c),ステップS3)。この基準面を基準として所定エリアについてドット(画素)ごとの凹凸変位量の積算を行う(ステップS4)。また、必要ならば、この積算にあたって、パターンマッチングとして、サイト内の所定エリアを上下左右にずらしてサイトごとに重ね(ステップS3−2)、輝度差が最小となる位置を求めそれを最適位置として積算を行う。以上の処理が選択したサイトSの分だけ繰り返される(ステップS5)。
【0040】
次に、ステップS5で得た凹凸変位との積算値が選択されたサイト数で割られ、その選択された全サイトSの凹凸変位の平均値が計算される(ステップS6)。これによって得られた表面形状(図7(d))は、下地の段差がキャンセルされた最上層の膜のパターン依存性を示すものとなり、その像はモニタ76に表示される(ステップ7)。このような平均値は、サイト内の膜厚むらを反映している。
【0041】
なお、半導体ウェハのように表面処理(例えば研削、研磨、ラッピング、ポリッシング、コーティング等)が施される測定対象物8にあっては、表面処理前の表面形状を上記と同様の手法によって求めておけば、表面処理前後の表面形状の差分として、表面の形状変化量を正確に得ることができる。また、薄膜が形成される測定対象物8の薄膜に対してある程度以上の透過特性を有する波長の光と、ある程度以上の反射特性を有する波長の光とを併用すれば、下地層形成段階で表面形状を測定することなく膜厚分布を決定することもできる。
【0042】
以上実施形態に即して本発明を説明したが本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、測定対象物8の最上層の膜厚分布を検出したが、測定対象物8を処理する各プロセス段階で表面形状を測定すれば、測定対象物8の表面を構成する各層の膜厚分布を決定することができる。具体的には、多層配線の中間層の膜厚評価が可能になる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の表面検査方法及び表面検査装置によれば、目的とする層の表面形状に関する情報を、非破壊で迅速に得ることができると共に、測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々における例えば特定層の膜厚の下地パターン依存性等の情報を一括して検出することができ、各サイトの比較や統計処理が簡易となる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の表面検査装置の全体の構成図である。
【図2】図1の装置を構成する光学系の構成図である。
【図3】測定面の形状を検出する方法を説明する図である。
【図4】半導体ウェハの表面検査方法のプロセスを示す図である。
【図5】半導体ウェハのサイトを説明する平面図である。
【図6】図5の半導体ウェハの断面構造を説明する図である。
【図7】半導体ウェハの表面検査方法を説明するための当該半導体ウェーハの断面図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 照明部
4 補助照明部
5 チルトステージ
7 観測部
11 結像光学系
71 画像処理ユニット
75 ホストコンピュータ
76 モニタ
77 搬送装置

Claims (6)

  1. 略平行光束からなる照明光で測定対象物を照射する第1のステップと、
    物側にテレセントリックで前記測定対象物の表面での反射光を集光する集光光学系と当該集光光学系を含む結像光学系の後側焦平面またはその近傍に配置された開口絞りとを介して、前記測定対象物の表面の前記反射光の像を結像する第2のステップと、
    結像された像を撮像して前記測定対象物の測定領域の各点の輝度データを収集する第3のステップと、
    前記輝度データから得られた各点の傾き角に基づいて、前記測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定すると共に、前記基準面を基準として各々のサイトについての表面形状を求める第4のステップと、
    を備えることを特徴とする表面検査方法。
  2. 前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化することを特徴とする請求項1記載の表面検査方法。
  3. 前記第4のステップで求めた各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求めることを特徴とする請求項1記載の表面検査方法。
  4. 略平行光束からなる照明光で載置面上に載置された測定対象物を照射する光源装置と、
    物側にテレセントリックで前記測定対象物の表面での反射光を集光する集光光学系と、後側焦平面またはその近傍に配置された開口絞りとを有し、前記測定対象物の表面の前記反射光の像を結像する結像光学系と、
    結像された像を撮像して前記測定対象物の測定領域の各点の輝度データを検出するセンサと、
    前記輝度データから得られた各点の傾き角に基づいて、前記測定対象物に設けた略同一構造の複数のサイトの各々で基準面を算出及び設定すると共に、前記基準面を基準として各々のサイトについての表面形状を求める演算処理装置と
    を備える表面検査装置。
  5. 前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、任意に選択した少なくとも2つ以上のサイトについてサイト内の対応する各点ごとに形状データを平均化することを特徴とする請求項4記載の表面検査装置。
  6. 前記演算処理装置で、前記各々のサイトについての表面形状のデータに基づいて、前記測定対象物の表面の表面処理前後における同一サイトのサイト内の対応する各点ごとに差分を求めることを特徴とする請求項4記載の表面検査装置。
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