JP4756024B2 - 三次元形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のスペクトラム(以下、波長で説明する。)を有する広帯域光(例えば、白色光)による干渉現象を用いて被測定物の形状を立体的に測定する三次元形状測定装置に関する。特に、広帯域光の一方を遠端に参照鏡を有する参照光路に入射し、広帯域光の他方を遠端に被測定物を有する測定光路へ入射し、参照鏡(反射鏡)及び被測定物からの各戻り光による干渉を生じさせる干渉部(干渉計)を用いて、参照光路又は測定光路のいずれかの光路長を変化して干渉縞が生ずるときの光路長を基に、被測定物の形状を測定する三次元形状測定装置であって、その干渉縞が生ずる光路長を求めるための技術に関する。
一般的に、上記の干渉現象を用いた形状測定装置においては、参照光路と測定光路の双方の光路長が等しくなったときに、干渉縞の振幅が最大の大きさを示すことを利用している。つまり、参照光路又は測定光路のいずれかの光路長を変化させ(以下、参照光路の光路長を固定とし、測定光路の光路長を変化させるとして説明する。)、そのとき生じる干渉縞の振幅が最大の大きさを示す位置の光路長(光路長の変化量)を特定し、その干渉縞の振幅が最大を示す光路長を基に、光路長の変化方向における被測定物の変位を測定している(特許文献1)。
ところで、干渉縞の振幅が最大の大きさを示すときの光路長が求める光路長であると言っても、光路長の変化に対応する干渉縞の振幅の大きさの変化は、最大点付近では緩やかであるため、雑音の影響を受けやすいので、正確な特定が困難であった。そこで、特許文献1では、図6に示すように干渉縞の振幅の大きさが最大を示す光路長付近であって、干渉縞を構成する三つの波長成分(赤色R、緑色G、青色B)の位相が同時に交わるときの光路長を求める光路長とすることにより、より正確な光路長を求めている。
国際出願 PCT/JP2005/023586
しかしながら、特許文献1の技術は、三つの波長成分を検出、処理することから、高価なカラーイメージセンサ(カラーカメラ)用いること、波長成分の数に応じて処理するので処理時間(FFT処理)が比較的長いこと、波長成分の数に応じてメモリ容量が大きくなること、及び複雑な処理になること等の傾向があった。
本発明の目的は、干渉縞が生ずる光路長を簡易な構成で容易に特定できる三次元形状検査装置を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のスペクトラムを有する広帯域光を出力する広帯域光源(1)と、該広帯域光を、参照鏡を有する参照光路と被測定物を配置した測定光路とに分岐して入射させ、前記参照鏡からの反射光と照射された該対象物の照射位置からの反射光とを合波して出力する光路形成部(5)と、前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段(8)と、該光路長可変手段による該光路長の変化に対応して変化する、前記光路形成部から出力光を電気信号に変換して出力する検出手段(10)と、該検出手段の出力の周波数帯域を高周波領域に制限する帯域選択手段(14a)と、該帯域選択手段からの出力信号の包絡線の値が最大となる光路長を求めるピーク検出手段(14b)と、該帯域選択手段からの出力信号の位相がゼロとなる光路長であって前記包絡線の値が最大となる光路長に最も近い光路長を求める位相検出手段(14c)と、を備え、該位相検出手段により求めた光路長を基に、被測定物の三次元形状を測定する構成とした。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記検出手段は、前記光路長可変手段による前記光路長の変化に対応してモノクロで撮像するカメラであるとした。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記帯域選択手段は、前記検出手段が出力する信号の高周波の周波数成分の内、少なくとも最大の大きさを示す周波数成分を含む周波数帯域を選択するバンドパスフィルタを有し、前記ピーク検出手段は、前記バンドパスフィルタで選択された周波数帯域の包絡線の値が最大となる前記光路長を求め、前記位相検出手段は、前記バンドパスフィルタで選択された周波数帯域の成分の位相がゼロとなる光路長であって、該周波数成分の包絡線の値が最大となる該光路長に最も近い光路長を求める構成とした。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記帯域選択手段は、前記検出手段の出力を周波数領域のデータに変換して、少なくとも最大の大きさを示す周波数成分を含む帯域の成分を選択するバンドパスフィルタ処理をし、前記ピーク検出手段は、前記バンドパスフィルタ処理された成分を時間領域のデータに変換して、該時間領域のデータから包絡線の値が最大となる光路長を求め、前記位相検出手段は、前記時間領域のデータで位相がゼロとなる光路長であって、前記包絡線の値が最大となる該光路長に最も近い光路長を求める構成とした。
請求項1、2の発明は、帯域選択回路で、干渉縞の位相のゼロクロス点を直接的に検出する構成であるから、光検出器としてもモノクロイメージングセンサで対応でき、位相ゼロ点を見つける位相検出器(処理)、それらのデータを取り扱うメモリ。及び全体の処理が簡易になる。また、モノクロイメージングセンサを使用することにより、受けた光の全波長成分を検出するので、特定の波長成分だけ検出するカラーイメージングセンサを使用するより、S/N比が改善され、光路長の測定精度が良くなる。
請求項3、4の発明は、モノクロイメージングセンサで出力されてくる1データ(特許文献1の場合は、3波のデータ)を時間領域、及び/又は周波数領域で処理する構成であるから、単純な処理により干渉縞の大きさが最大になる光路長を求めることができる。
本発明に係る実施形態を、図を用いて説明する。図1は、三次元形状測定装置に係る実施形態の機能構成を示す図である。図2は、干渉縞を説明するための図である。図3は、干渉縞のピークにおける光路長近くの位相ゼロにおける特定光路長を求めるためのフロー図である。図4は、図3の流れに沿ったデータの変化を説明するための図である。図5は、離散的なデータに基づいて位相のゼロクロス点を求めるための説明用の図である。
次に、本発明に係る実施形態を主として、従来技術を含む「光学系の構成」、発明部分を含む「信号処理系の構成」の順に説明する。
「1.光学系の構成]
図1の光源1は、広帯域に亘る多数の波長成分を有しコヒーレンシーの低い広帯域光を出射する光源であって、ここでは、例えば、白色光源を用いる。コリメータレンズ2は、光源1からの白色光(広帯域光)を集光してビームスプリッター3へ送る。ビームスプリッター3は、白色光の方向を変換して対物レンズ4へ送る。対物レンズ4は、白色光を平行光にしてビームスプリッター5(光路形成部)へ送る。ビームスプリッター5は、対物レンズ4から受けた白色光を2方向へ分岐し、一つは測定光として被測定物7へ送り(ビームスプリッター5から被測定物7への光路を測定光路とする。)、他の一つは参照光として参照鏡6へ送る(ビームスプリッター5から参照鏡6への光路を参照光路とする。)。この例では、ビームスプリッター5と参照鏡6との間は固定、つまり参照光路の光路長は一定の固定の長さとされている。ビームスプリッター5の代わりに、ハーフミラーで構成することともできる。
測定光路は、被測定物7の表面上の測定したい所望の照射範囲を同時に白色光で照射するために幅のある光路である。
被測定物7は、ピエゾ8(光路長可変手段)の上に搭載されている。ピエゾ8は、圧電素子で構成され、光路長制御手段16からの指示により、連続的に、被測定物7をXY平面(図1の紙面に直交する面)に対してZ軸方向(図1の紙面の上下方向)へ、つまり光路長方向へ変位(移動)させることにより測定光路の光路長を所定速度で可変制御する。
なお、ここでは、本発明における光路長を変化させる可変方法としては、連続的な可変であり、可変速度を一定として、説明するが、可変方法は、変化のアルゴリズムが明確に一定であり、関数的に表現できるのであればその関数から解析可能なので、ステップ上に可変しても良いし、速度を変化させて変化しても良い。
ピエゾ8は、光路長制御手段16の制御によって、ビームスプリッター5の固定位置に対して測定光路の光路長を変化させる手段(光路長可変手段)である。なお、ここでは、参照光路の光路長を固定、測定光路の光路長を変化させることで説明するが、干渉縞を生成するには、ピエゾ8を参照鏡6へ取り付け、測定光路を固定とし、参照光路の光路長を可変する構成にしても可能である。
参照鏡6及び被測定物7から反射されてきた各白色光(以下、「戻り光」と言うことがある。)は、ビームスプリッター5で合波(合成)され、さらに対物レンズ4で集光される。戻り光は、ビームスプリッター3を通過して結像レンズ9により平行光にされてカメラ10へ入力される。
このとき、光路長制御手段16からの指示で、ピエゾ8が測定光路の光路長を変化させる距離(或いは変化させるときの時間間隔)に応じて、モノクロイメージングセンサ(モノクロカメラ)としてのカメラ10が戻り光を撮像する。この撮像により、戻り光による干渉縞が電気信号に変換され、さらにデジタルデータとして出力される(実際は、撮像は、戻り光を撮像しているだけであるが、後に撮像データを展開したときに現れる戻り光による干渉縞を含むので、「干渉縞を撮像」と表現することがある。)。撮像された干渉縞(デジタルデータで表され、「データ」或いは「撮像データ」と言う。)は、メモリ13に記憶される。このとき、測定光路は、上記のように被測定物7の所望の照射範囲を白色光により同時に照射する構成にされているので、照射範囲の各照射位置、つまり測定したい位置(以下、「測定位置」と言う。)からの戻り光に対応する干渉縞が撮像される。
なお、図1の光学系の変形としては、対物レンズ4の代わりに測定光路と参照光路のそれぞれに対物レンズを配置する光学系を構成することもできるので、本発明は、図1の光学系に限らない。以下の説明は、図1に沿って説明する。
メモリ13は、光路長制御手段16が所定時間間隔のタイミング信号を生成してピエゾ8へ時間間隔に応じて光路長を可変指示するので、そのタイミング信号のタイミングでカメラ10で撮像された戻り光を撮像データ(輝度を示す輝度データになる。)として記憶する。例えば、光路長が時間的に直線的に連続して可変されるのであれば、タイミング信号の時間間隔をアドレスとして撮像データを記憶する。これらのタイミング進行方向(つまりアドレス方向)が、Z軸方向を表すことになる。そのとき、その撮像データを測定位置(Xm、Yp)と合わせて記憶する。測定位置(Xm、Yp)の情報は、カメラ10の撮像素子の位置に対応したXY方向の画素の位置である。このようにメモリ13に記憶されているので、例えば、後記するようにそのメモリ13から、このアドレス順に撮像データを取り出して再現すれば、図2のような干渉縞のデータが得られる。
図2は、横軸が光路長z(又は光路長zが変化する時間)で縦軸が輝度(振幅)を示す座標上に展開した白色光による干渉縞の波形である。この白色光による干渉縞のほぼ中央のピーク位置が、参照光路の光路長と測定光路の光路長が同一になった場合である。また、白色光による干渉縞の中心波長は、ほぼ白色光(広帯域光)の要素となる各波長の合成で作られ、それらの帯域のほぼ中央の波長λの1/2になる。また、図2の白色光による干渉縞の光路長方向への広がりは、白色光のコヒーレンシーの程度による。コヒーレンシーが低いほど広がり幅は、狭くなる。
「2.信号処理系の構成」
信号処理手段20は、光路長検出手段14及び変位演算手段15で構成される。光路長検出手段14は、図1のように、帯域選択手段14a、ピーク検出手段14b及び位相検出手段14cを備えている。そして、帯域選択手段14aは、メモリ13に記憶された撮像データであって、光路長制御手段16がピエゾ8を駆動して測定光路の光路長を変化させているときの撮像データから、高周波領域の周波数成分を選択して、直流成分等による雑音成分を除いた高周波成分をピーク検出手段14bへ送る。そして、ピーク検出手段14bは、帯域選択手段14aからの高周波成分の振幅の大きさ(以下、「成分の大きさ」は「成分の振幅の大きさ」を表す。)の最大値が現れるピーク位置の仮特定光路長z=Lpを求める。位相検出手段14cは、帯域選択手段14aからの高周波成分の位相がゼロとなる光路長zを求める。しかし、これは位相がπだけ回転する毎に在るので、その内、ピーク検出手段14bで求めたピーク位置の仮特定光路長z=Lpに近い特定光路長z=Lφを求めて、変位演算手段へ送る。
この信号処理手段20の詳細の構成・動作については、主に図3のフローに従って、図4、図1,図2を参照しながら説明する。
以下、図3の各ステップ順に説明する。
ステップS1:帯域選択手段14aは、メモリ13に収録された撮像データを受ける。この撮像データは、この時点では、時間領域ではg(x、y、z)として次の式1で表現され、周波数領域ではG(x、y、ω)として式2で表される。
g(x、y、z)
=a(x、y)+b(x、y、z−zs)×cosφ
=a(x、y)+0.5b(x、y、z−zs)×{eiφ+e―iφ} (式1)
ここで、
g(x、y、z):時間領域の強度を示す撮像データ
x、y:被測定物7の表面の測定位置
(位置座標:例えば、図2の(Xm、Ym)に相当)
z:測定光路の光路長であって測定位置(x、y)における高さ方向の変位
a(x、y):DC成分
b(x、y、z−zs):干渉縞のコントラスト成分
(繰り返し成分、或いは高周波成分)
φ:測定される位相(干渉縞波形における位相をφで表す。)
φは理論的にはφ=4π(z−zs)/λ、z=αt
(α:光路長可変速度)で表せる。
λ:干渉縞の中心波長
(言い換えれば、カメラ10が感応するスペクトラムの平均波長)
z:測定光路長(可変される。変数)
zs:参照光路の光路長(固定)
G(x、y、ω)
=2πa(x、y)δ(ω)
+0.5{B(x、y、ω−2k)+B(x、y、ω+2k)} (式2)
ここで、
G(x、y、ω):g(x、y、z)のフーリエ変換した関数
B(x、y、ω−2k)+B(x、y、ω+2k):
b(x、y、z−zs)×{eiφ+e―iφ}のフーリエ変換した関数
k:2π/λ
上記の関数表示された撮像データのg(x、y、z)、G(x、y、ω)は、それぞれ、図4(A)、図4(B)のようにグラフにして示すことができる。図4(A)と(B)から時間領域でデータb(x、y、z−zs)の包絡線│b│は、周波数領域の高周波帯のスペクトラム分布の包絡線│B│と関連している。つまり、包絡線│b│が広がれば、スペクトラム分布の包絡線│B│も広がる。
ステップS2:帯域選択手段14aは、図4(B)に示すようにバンドパスフィルタ処理をして、撮像データg(x、y、z)から次に示す高周波領域の周波数成分ghfを抽出する。
hf(x、y、z)=0.5b(x、y、z−zs)×eiφ
つまり、DC(直流)成分等の不要な成分を除去した。
なお、ghf(x、y、z)については、次の式により、包絡線、位相φを求めることができる。
包絡線:│ghf│(絶対値)、
位相φ:tanー1位相([ghfの虚数部)]/[ghfの実数部])
図4(C)に時間領域の周波数成分ghf(x、y、z)を周波数領域で表現した周波数成分Ghf(x、y、ω)を示す。図4(C)に示すように、Ghf(x、y、ω)の帯域はG(x、y、ω)の側波帯である。帯域選択手段14aは、上記のようにバンドパス形のデジタルフィルタで処理することができる。そしてその通過帯域は、側波帯の高周波領域の周波数成分を含む。したがって、上記したように干渉縞の中心波長λ/2を含む帯域、つまり振幅が一番大きな波長を含む帯域である。λ/2は、設計時点で既知であるので、それを中心としてバンドパス形のデジタルフィルタを構成する。
なお、このバンドパスフィルタ処理における通過帯域は狭ければ狭いほど良い。つまり、干渉縞の中心波長λ/2単一の信号で在れば在るほど波形がきれいになるため、後ほどのピーク検出、位相ゼロ検出、の各検出時のS/Nが良くなる。
ステップS3:ピーク検出手段14bは、帯域選択手段14aから出力される高周波数成分のデータghf(x、y、z)の振幅の包絡線│b│の値が最大値(ピーク)となる仮特定光路長z=Lpを求める。例えば、包絡線│b│は、データghf(x、y、z)を自乗して絶対値を求めることにより得られる。そして、最大値(ピーク)を示す光路長の位置は、包絡線│b│を光路長zで微分し、微分係数がゼロになる位置として求めることができる。また、上記微分で求める方法以外にも、包絡線│b│の最大値近傍のデータを凸の多項式で近似し内挿し、最大値を示す位置を求めることができる。
ステップS4:位相検出手段14cは、高周波数成分のデータghf(x、y、z)の位相φとゼロとの交点(ゼロクロス点)を、つまり位相φ=0点を算出する。位相φ=0になる点として算出されるのは、位相が2πだけ回転する毎に(波長で言えば、ほぼ測定光路の往復の光路長が1波長分λだけ変化する毎に)異なる光路長z(nは0,1,2,・・・)が算出される。
ステップS5:一方で、理論的には上記のように位相φ=4π(z−zs)/λであるから、位相φ=0になるのは、理論的に測定光路の光路長z=参照光路の光路長zs(=特定光路長)である。そこで位相検出手段14cは、ピーク検出手段14bが求めた光路長z=Lpと、複数の光路長z(n=0,1,2,・・・)の絶対値とを比較し、それらの差が一番小さいときの光路長z(rは、r=0,1,2,・・の内の一つ)を求め、光路長Lφ=zを求める特定光路長とする。なお、理論的にはz=[zx±(r×λ)/2](但し、zxは未知)で表される。
また、位相検出手段14cは、仮特定光路長z=Lp付近の所定範囲内、例えば、[Lp―λ/4]〜[Lp+λ/4]の範囲内、或いはより狭い[Lp―λ/8]〜[Lp+λ/8]の範囲内で位相φ=0となる光路長でよりLpに近い特定光路長z(=Lφ)を算出しても良い。
ステップS6:変位演算手段15は、測定位置(x、y)における特定光路長Lφとする。これと同様にして、各測定位置(x、y)における各特定光路長z=Lφを基に、被測定物7の表面の3次元形状を求める。
具体的には、変位演算手段15は、予め光路長制御手段16がピエゾ8を制御して可変した光路長zの移動距離を測るために基準の校正位置で校正された光路長スケールを有している。したがって、例えば、図2に示すように、基準測定位置(Xs、Ys)で位相φ=0となる特定光路長Lφを得たときにピエゾ8による可変位置(距離)をzsとして記憶し、測定位置(Xm、Yp)で位相φ=0となる特定光路長Lφを得たときにピエゾ8による可変位置(距離)はz1として記憶する。そして、測定位置(Xm、Yp)は、基準測定位置(Xs、Ys)に対して形状が高さ方向に距離[z1―zs]だけ変位しているとして、この距離[z1―zs]を相対的な変位量として出力する。
上記ステップS2については、図3(B)に示すように周波数領域で高周波の周波数成分を選択することができる。具体的動作を図3(B)のステップ順に下記に示す。なお、図3(B)及び下記ステップ2−1〜2−3の説明は、図3(A)のステップS2の詳細一例であり、その他の各ステップSの動作は、図3(A)とその説明の通りである。
ステップS2−1:上記式1で示される時間領域のデータg(x、y、z)をフーリエ変換(FFT処理)して、上記式2で示される周波数領域データG(x、y、ω)に変換する。
ステップS2−2:周波数領域データG(x、y、ω)をデジタル的にバンドパスフィルタ処理して、次の高周波成分Ghfを抽出する。
高周波成分Ghf(x、y、ω)=0.5{B(x、y、ω+2k)
ステップS2−3:高周波成分Ghfを逆フーリエ変換して(逆FFT処理をして)次に示す時間領域の高周波成分のデータghfに変換する。
hf(x、y、z)=0.5b(x、y、z−zs)×eiφ
また、メモリ13に記憶される撮像データは、光路長が可変されるときの時間間隔で記憶される(図2は、それらを結んで連続的に表現したものである。)ので、撮像データとしては離散的になる。このため上記のような、仮特定光路長z=Lp、光路長z、特定光路長z(=Lφ)、可変位置(距離)zs、z1等の各算出において、精度上、データ不足が生じる可能性がある。その場合は、干渉縞の光路長に対する特性は滑らかなので、補間等によりデータを補って算出することにより精度を改善できる。
上記ステップ4及び5に示すように位相のゼロクロス点を、離散的なデータから求める一例を図5を用いて説明する。図5は、ほぼ図4(D)を求めたときと同じようにして求まられた干渉縞の高周波成分の振幅の包絡線と位相を示す。そして、振幅を示すg(z10)〜g(z20)は添字10番〜20番の順に光路長z10〜z20 の位置で離散的に得られらた干渉縞の振幅を結んだ包絡線の値であり、位相を示すφ(z10)〜φ(z20)は、離散的な干渉縞の位相のデータであって振幅値g(z10)〜g(z20)と対応した光路長位置z10〜z20 における位相値であり、これらが実際に取得されるデータである(従って、図5の実線は、それらを結んだ値である。)。
例えば、これらの離散的なデータから干渉縞の振幅が最大値を示す付近の位相ゼロクロス点を次の(イ)〜(ハ)のようにして求める。
(イ)干渉縞の振幅が最大値と関係の内、位相ゼロクロス点は、次の2つの式を満足するで示される位置zとzi+1の間、或いはそれらの上にある。
φ(z)× φ(zi+1)≦0
│[φ(zi+1)―φ(z)]│<π
ここで、先の式は、光路長位置zとzi+1とはゼロを挟む位置にあることを示す。後の式は、図5で光路長位置z10とz11との間の段差のように位相測定特有の測定の都合上の切り替わり目(位相は+π〜―πの間しか測定できず、例えば+πを越えると―πへつながる。)を除く趣旨である。
上記式、図5から、光路長位置z11とz12,z15とz16,z18とz19、・・の各点が選択される。
(ロ)振幅の大きさの観点からは次の式を満たす光路長位置zi+1、・・、
i+1+kを選択する。
g(z)<g(zi+1) :微分係数が正の状態
g(zi+1)≒g(zi+2)≒・・・・・≒g(zi+1+k
kは、0,1,2.・・の整数
:微分係数がゼロの状態であってkが大きいほど、最大値付近が広い。
g(zi+1+k)>g(zi+1+k+1) :微分係数が負の状態
図5で言えば、光路長位置z15とz16が上記式を満足し、該当する。
(ハ)干渉縞の振幅が最大を示す位相ゼロクロス点は、上記(イ)(ロ)から、図5における光路長位置z15とz16の境にあることが分かる。
(ホ)光路長位置z15とz16と直線的関係にある周辺の位相データφ(z14)、φ(z15)、φ(z16)、 φ(z17)を基に、それらを近似的に結ぶ一次近似直線φ=az+bを計算して求める。そして、φ=0とすることで、ゼロクロス点の光路長z=−b/aを求めることができる。なお、一次近似直線の代わりに、位相データφ(z15)とφ(z16)とを直接に結んだ直線であっても良い。
本発明に係る実施形態の機能構成を示す図である。 干渉縞と変位を説明するための図である。 データ処理系により、干渉縞のピークにおける光路長近くの位相ゼロにおける特定光路長を求めるための動作フローを示す図である。 図3の動作フローに応じて、変化するデータを示す図である。 離散的なデータに基づいて位相のゼロクロス点を求めるための説明用の図である。 従来の技術を説明するための図である。
符号の説明
1 光源、 2 コリメータレンズ、 3 ビームスプリッター、
4 対物レンズ、 5 ビームスプリッター、 6 参照鏡、 7 被測定物
8 ピエゾ、 9 結像レンズ、 10 カメラ、 13 メモリ
14 光路長検出手段、 14a 帯域選択手段、 14b ピーク検出手段
14c 位相検出手段、 15 変位演算手段、 16 光路長制御手段
18 ユーザインタフェース、 20 信号処理手段

Claims (4)

  1. 複数のスペクトラムを有する広帯域光を出力する広帯域光源(1)と、
    該広帯域光を、参照鏡を有する参照光路と被測定物を配置した測定光路とに分岐して入射させ、前記参照鏡からの反射光と照射された該対象物の照射位置からの反射光とを合波して出力する光路形成部(5)と、
    前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段(8)と、
    該光路長可変手段による該光路長の変化に対応して変化する、前記光路形成部から出力光を電気信号に変換して出力する検出手段(10)と、
    該検出手段の出力の周波数帯域を高周波領域に制限する帯域選択手段(14a)と、
    該帯域選択手段からの出力信号の包絡線の値が最大となる光路長を求めるピーク検出手段(14b)と、
    該帯域選択手段からの出力信号の位相がゼロとなる光路長であって前記包絡線の値が最大となる光路長に最も近い光路長を求める位相検出手段(14c)と、を備え、
    該位相検出手段により求めた光路長を基に、被測定物の三次元形状を測定することを特徴とする三次元形状測定装置。
  2. 前記検出手段は、前記光路長可変手段による前記光路長の変化に対応してモノクロで撮像するカメラであることを特徴とする請求項1に記載の三次元形状測定装置。
  3. 前記帯域選択手段は、前記検出手段が出力する信号の高周波の周波数成分の内、少なくとも最大の大きさを示す周波数成分を含む周波数帯域を選択するバンドパスフィルタを有し、
    前記ピーク検出手段は、前記バンドパスフィルタで選択された周波数帯域の包絡線の値が最大となる前記光路長を求め、
    前記位相検出手段は、前記バンドパスフィルタで選択された周波数帯域の成分の位相がゼロとなる光路長であって、該周波数成分の包絡線の値が最大となる該光路長に最も近い光路長を求める、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元形状測定装置。
  4. 前記帯域選択手段は、前記検出手段の出力を周波数領域のデータに変換して、少なくとも最大の大きさを示す周波数成分を含む帯域の成分を選択するバンドパスフィルタ処理をし、
    前記ピーク検出手段は、前記バンドパスフィルタ処理された成分を時間領域のデータに変換して、該時間領域のデータから包絡線の値が最大となる光路長を求め、
    前記位相検出手段は、前記時間領域のデータで位相がゼロとなる光路長であって、前記包絡線の値が最大となる該光路長に最も近い光路長を求める、ことを特徴とする請求項3に記載の三次元形状測定装置。
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