JP4754449B2 - 仮設足場用筋交い - Google Patents

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Description

この発明は、仮設足場用筋交いに関する。
一般に、建築物の工事等を行う際には、その外周に仮設足場が設置されるものであって、複数本の支柱を所定間隔で配置し、前記各支柱間に足場板を架設させて一の階層の足場を形成し、上方に支柱を順次継ぎ足して同様に足場板を架設させることにより複数階層の足場を形成してなる。このような仮設足場にあっては、上方への足場の継ぎ足し作業をする際の安全対策として、足場板を架設させる前に斜行材若しくは水平材若しくは垂直材等の足場材を手すりとして先行して配置するように構成される。
上記の如く、足場材を配置する場合において、前記足場材を支柱のホルダーに取り外し可能に連結するための連結部材が使用された筋交いあるいは先行筋交い手摺り等が知られている(例えば、特許文献1参照)。この先行筋交い手摺りは、支柱の対角位置にあるホルダーの間に斜めに筋交いが架設さるものであって、取付作業を容易に行えるように、対角位置にある上位ホルダーにおいては係止フックにより掛止され、下位ホルダーでは係止金具のピンにより螺着固定されている。さらに、支柱に対するホルダーの固定位置や筋交い材、水平材、垂直材等の足場材自体の寸法誤差に対応するために、前記係止金具を筋交いに対して傾斜長孔で上下可動とすることにより、支柱のホルダーに関する寸法誤差が吸収されるように構成されている。
しかしながら、このような先行筋交い手摺りは上下方向から負荷がかかるため、係止フックが上位ホルダーより外れたり、螺着された係止金具が緩んだりする等のおそれがあり、安全性に問題があった。
特開2002−70304号公報
この発明は前記の点に鑑みなされたものであり、支柱に設けられたくさび受けの位置や斜行材に多少の寸法誤差があるような場合であっても、足場支柱への連結をより確実かつ安全に行うことができ、しかも作業性が高く極めて容易に実施することができる仮設足場用筋交いを提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、足場支柱の間に傾斜して配設される斜行材と、前記斜行材の両端部に設けられて前記支柱に配備されたくさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部材及び下側連結部材とからなる仮設足場用筋交いにおいて、前記上側連結部材及び下側連結部材は、前記斜行材の各端部に設けられくさび受けの穴部に上方から抜き差し自在に係着するくさび部と、前記くさび部に固着された2つの板状部材からなる本体部材と、前記本体部材の2つの板状部材の間に形成されたガイド部に沿って横方向に進退可能に設けられ、後方に直動させた際に前記ガイド部に係止される脱落防止部が形成され、前部がくさび状に構成された棒状部材と後部に打込み用突部を備えた可動くさび部材とを有し、安全固定時には前記可動くさび部材の突部を後側から前側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部に前進させるとともに、固定解除時には前記可動くさび部材の突部を前側から後側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部から後退させて固定を解除するように構成されているとともに、前記斜行材は、上側連結部材にあってはその本体部材の下側部分に固着され、下側連結部材にあってはその本体部材の上側部分に固着され、かつ、前記可動くさび部材の打込み用突部は、上側連結部材にあっては上向き突部として形成され、下側連結部材にあっては下向き突部として形成されていることを特徴とする仮設足場用筋交いに係る。
請求項1の発明に係る仮設足場用筋交いによれば、足場支柱の間に傾斜して配設される斜行材と、前記斜行材の両端部に設けられて前記支柱に配備されたくさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部材及び下側連結部材とからなる仮設足場用筋交いにおいて、前記上側連結部材及び下側連結部材は、前記斜行材の各端部に設けられくさび受けの穴部に上方から抜き差し自在に係着するくさび部と、前記くさび部に固着された2つの板状部材からなる本体部材と、前記本体部材の2つの板状部材の間に形成されたガイド部に沿って横方向に進退可能に設けられ、後方に直動させた際に前記ガイド部に係止される脱落防止部が形成され、前部がくさび状に構成された棒状部材と後部に打込み用突部を備えた可動くさび部材とを有し、安全固定時には前記可動くさび部材の突部を後側から前側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部に前進させるとともに、固定解除時には前記可動くさび部材の突部を前側から後側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部から後退させて固定を解除するように構成されているとともに、前記斜行材は、上側連結部材にあってはその本体部材の下側部分に固着され、下側連結部材にあってはその本体部材の上側部分に固着され、かつ、前記可動くさび部材の打込み用突部は、上側連結部材にあっては上向き突部として形成され、下側連結部材にあっては下向き突部として形成されているため、足場支柱への連結をより安全かつ確実に行うことができ、しかも極めて容易に実施することがでる。また、ハンマー打ち込み等のための作業スペースを十分に確保できるため作業性が高い。
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の仮設足場用筋交いの実施例を示す正面図、図2は図1の実施例の上側連結部材の要部で、支柱への取付前の状態を表した概略側面図、図3は図2の上側連結部材が支柱に取り付けられた状態を表した概略側面図、図4は図1の実施例の下側連結部材の要部で、支柱への取付前の状態を表した概略側面図、図5は図4の下側連結部材が支柱に取り付けられた状態を表した概略側面図である。
この発明の仮設足場用筋交い10は、図1ないし図5に示したように、足場支柱P1,P2の間に傾斜して配設される斜行材11と、前記斜行材11の両端部11a,11bに設けられて前記支柱P1,P2に配備されたくさび受けQ1,Q2に対して取り外し可能に係着される上側連結部材20及び下側連結部材60とからなる仮設足場用筋交い10において、前記上側連結部材20及び下側連結部材60は、前記斜行材の各端部11a,11bに設けられくさび受けQ1,Q2の穴部に上方から抜き差し自在に係着するくさび部30,70と、2つの板状部材からなる本体部材40,80と、前記本体部材の2つの板状部材の間に形成されたガイド部に沿って横方向に進退可能に設けられ、安全固定時には前記くさび受けの下部に前進され固定解除時には前記くさび受けの下部から後退される可動くさび部材50,90とを有するとともに、前記斜行材11は、上側連結部材20にあってはその本体部材40の下側部分43に固着され、下側連結部材60にあってはその本体部材80の上側部分84に固着され、かつ、前記可動くさび部材50,90は、上側連結部材20にあってはその後部55にハンマー打ち込み用の上向き突部56が形成され、下側連結部材60にあってはその後部95にハンマー打ち込み用の下向き突部97が形成されている。
斜行材11は、図1の実施例において、足場支柱P1,P2の間に傾斜して配設され、斜行材11の上端部11aは、上側連結部材20によって足場支柱P1に配備されたくさび受けQ1に、そして下端部11bは、下側連結部材60により足場支柱P2に設けられたくさび受けQ2に対して取り外し可能に係着される。この上側連結部材20は、図2及び図3より理解されるように、くさび部30、本体部材40、可動くさび部材50より構成される。また、下側連結部材60は、図4及び図5に示されるように、くさび部70,本体部材80、可動くさび部材90より形成される。
まず、各連結部材20,60におけるくさび部30,70は、図2ないし図4から理解されるように、斜行材11の各端部11a,11bに設けられ、足場支柱P1,P2のくさび受けQ1,Q2の穴部5,6に上方から抜き差し自在に係着される。実施例では、くさび部30,70の下部33,73は、溶接により本体部材40,80に固着され一体に形成される。
本体部材40,80は、2つの板状部材41,42(81,82)からなる。また、この本体部材40,80の2つの板状部材41,42(81,82)の間に固着されるリベットであるピン部46,86、本体部材40,80の下端部に設けられるガイド部47,87、及び前記ガイド部47,87の上方でリベット46,86とその下部が略同一の高さになるようにガイド部48,88が設けられ、これらピン部46,88及びガイド部47,48,87,88が後述の可動くさび部材50,90のガイド部として構成される。
可動くさび部材50,90は、本体部材40,80の2つの板状部材41,42(81,82)の間に形成されたガイド部46,47,48(86,87,88)に沿って横方向に進退可能に設けられ、安全固定時には前記くさび受けQ1,Q2の下部に前進され固定解除時には前記くさび受けQ1,Q2の下部から後退される。実施例の可動くさび部材50,90は、ガイド部であるリベット46,86及びガイド部47,48,87,88によって前後方向に進退可能に狭持されることにより、横方向への直動が可能に構成されている。そして可動くさび部材50,90には、前記本体部材40,80のピン部46,86と係着する突部からなる脱落防止部53,93が設けられていて、後方に直動させた際に前記脱落防止部53,93が本体部材40,80のリベットであるピン部46,86に係止されて脱落しないように構成される。なお、この可動くさび部材50,90は、前部52,92がくさび状に構成された棒状部材51,91からなる。
次に、上側連結部材20にあっては、図2及び図3に示されるように、斜行材11の上端部11aが本体部材40の下側部分43に固着され、かつ、可動くさび部材50の後部55にハンマー打ち込み用の上向き突部56が構成される。このように構成されることで、可動くさび部材50のハンマー打ち込み等の作業スペースが十分に確保でき、作業性が向上する。実施例では、図2及び図3に示されるように、斜行材の上端部11aが本体部材40の下側部分43に溶接によって固着されている。
一方、下側連結部材60においては、図4及び図5から理解されるように、上記と同様に連結部材の取付及び取り外し作業がしやすいように、斜行材11の下端部11bが本体部材80の上側部分84に固着され、かつ、可動くさび部材90の後部95にハンマー打ち込み用の下向き突部97が形成される。図4及び図5の実施例では、斜行材11の下端部11bがくさび部70の後部72に溶接により固着されることにより、本体部材の上側部分84に一体に形成されている。
続いて、当該仮設足場用筋交い10の足場支柱P1,P2への連結方法について図2ないし図5を用いて説明する。連結前において、上側連結部材20及び下側連結部材60は、図2及び図4に示されるように、可動くさび部材50,90が後退して脱落防止部53,93が本体部材40,80のリベット46,86に係止された状態である。
まず、図2から理解されるように、上側連結部材20において、くさび部30の突部31を足場支柱P1の上側くさび受けQ1の穴部5に上方から差し込むことにより、当該足場用仮設筋交い10の足場支柱P1への連結が開始される。
次いで、図3に示すように、可動くさび部材50をガイド部46,47,48に沿って前進させて、該可動くさび部材50の後部55に形成された上向き突部56を後側から前側に向かってハンマー等を用いて打ち込むことにより、前記可動くさび部材50の前部52がガイド部48下部に係着して3つのガイド部46,47,48によって係合される。くさび部30と可動くさび部材50とによって、上側くさび受けQ1が上下から把持されて安全固定され、上側連結部材20による足場用仮設筋交い10の足場支柱P1への連結が完了する。
次に、下側連結部材60において、図4から理解されるように、くさび部70の突部71が足場支柱P2の下側くさび受けQ2の穴部6に上方から差し込まれる。続いて、図5に示すように、可動くさび部材90をガイド部86,87,88に沿って前進させて、該可動くさび部材90の後部95に形成された下向き突部97を後側から前側に向かってハンマー等を用いて打ち込まれる。前部92が下側くさび受けQ2下部に係着して、上側連結部材20の場合と同様、Q2が上下から把持されて安全固定され、上側連結部材60による足場用仮設筋交い10の足場支柱P2への連結が完了する。なお、仮設足場用筋交い10の足場支柱P1,P2への連結は、斜行材の有する寸法誤差や、足場支柱に設けられたくさび受けの位置のズレによるがたつきや遊びを解消して斜行材が緊張状態となるように確実に行われる。
また、仮設足場用筋交い10の上側連結部材20及び下側連結部材60を足場支柱P1,P2から取り外す場合は、図3及び図5に示すように、可動くさび部材50,90のハンマー打ち込み用突部56,97を前側から後側に向かってハンマー等を用いて打ち込んで、前記可動くさび部材50,90の前部を足場支柱P1,P2の上側くさび受けQ1,Q2下部から後退させて固定解除し(図2,図4参照)、続いて、くさび部30,70の突部31,71をくさび受けQ1,Q2の上穴部5,6から抜去させることで当該仮設足場用筋交い10の足場支柱P1,P2からの取り外しが完了する。このような各連結部材の足場支柱への連結及び取り外しにおいては、ハンマー打ち込み作業のためのスペースが十分に確保されており、極めて容易に作業を行うことができる。
なお、本発明の仮設足場用筋交いは、前述の実施例のみに限定されるものではなく、足場支柱の間に傾斜される2本の斜行材から構成されたり、斜行材に水平手摺り材が配置される構成とされてもよく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。
この発明の仮設足場用筋交いの実施例を示す正面図である。 図1の実施例の上側連結部材の要部で、支柱への取付前の状態を表した概略側面図である。 図2の上側連結部材が支柱に取り付けられた状態を表した概略側面図である。 図1の実施例の下側連結部材の要部で、支柱への取付前の状態を表した概略側面図である。 図4の下側連結部材が支柱に取り付けられた状態を表した概略側面図である。
10 仮設足場用筋交い
11 斜行材
11a,11b 端部
20 上側連結部材
30,70 くさび部
40,80 本体部材
50,90 可動くさび部材
53,93 脱落防止部
54,94 ハンマー打ち込み用突部
60 下側連結部材
P1,P2 足場支柱
Q1,Q2 くさび受け

Claims (1)

  1. 足場支柱の間に傾斜して配設される斜行材と、前記斜行材の両端部に設けられて前記支柱に配備されたくさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部材及び下側連結部材とからなる仮設足場用筋交いにおいて、
    前記上側連結部材及び下側連結部材は、
    前記斜行材の各端部に設けられくさび受けの穴部に上方から抜き差し自在に係着するくさび部と、
    前記くさび部に固着された2つの板状部材からなる本体部材と、
    前記本体部材の2つの板状部材の間に形成されたガイド部に沿って横方向に進退可能に設けられ、後方に直動させた際に前記ガイド部に係止される脱落防止部が形成され、前部がくさび状に構成された棒状部材と後部に打込み用突部を備えた可動くさび部材とを有し、
    安全固定時には前記可動くさび部材の突部を後側から前側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部に前進させるとともに、固定解除時には前記可動くさび部材の突部を前側から後側に向かって打ち込んで該可動くさび部材を前記くさび受けの下部から後退させて固定を解除するように構成されているとともに、
    前記斜行材は、上側連結部材にあってはその本体部材の下側部分に固着され、下側連結部材にあってはその本体部材の上側部分に固着され、かつ、
    前記可動くさび部材の打込み用突部は、上側連結部材にあっては上向き突部として形成され、下側連結部材にあっては下向き突部として形成されている
    ことを特徴とする仮設足場用筋交い。
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