JP4754113B2 - 転倒スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気温風機等の電気機器に組み込まれ、電気機器が転倒時に電源回路をオフするように設けられる転倒スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の転倒スイッチの一例として特開平9−203524号公報に記載の安全スイッチが知られている。以下、その構成について図5を参照しながら説明する。
【0003】
図に示すように、通電または切断を切換自在に行うスイッチ部101が設けられたスイッチ本体102と、一端が出退自在にスイッチ本体102に設けられたボタン体103とからなり、ボタン体103がスイッチ本体102の内側に押圧されることにより、スイッチ部101を接続し、ボタン体103が突出することによりスイッチ部101が切断される安全スイッチにおいて、ボタン体103の所定突出位置にてボタン体103をスイッチ本体102側に解除自在に係止してボタン体103をスイッチ本体102内部へ移動を阻止する係止手段を設け、係止手段がボタン体103外周面およびスイッチ本体102の内周面にそれぞれ形成された溝部104a、104bと、溝部104a、104b内に収納された係止体105からなり両溝部104a、104bの一方のボタン体103の移動を許容すべく係止体105が完全に収納される深さに設けられ、他方は係止体105の一部が突出する深さに設けられ、しかも両溝部104a、104bはボタン体103の所定突出位置において互いに対向して合致するように設けられ、ボタン体103の一端が略下向きのときは、係止体105が一方の溝部104aに収納され、ボタン体103の一端側が略横向きのときには、溝部104a内の係止体105が他方の溝部104bに移動してボタン体103の移動を阻止すべく対向した両溝部104a、104bは傾斜状に形成していた。
【0004】
また、鋼球を用いた他の転倒スイッチの一例として特開2000−57899号公報に記載された転倒オフスイッチが知られていた。以下、その構成について図6および図7を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、スイッチつまみ201と連動するスイッチ押し棒202により一端が押圧されて、てこ作用をするアクチュエーター203の他端部に鋼球204が載置されるように設け、アクチュエーター203の下降によりオンされるマイクロスイッチ205を設け、転倒時には鋼球204がアクチュエーター203上より鋼球移動部206に移動し、マイクロスイッチ205をオフとし、スイッチつまみ201をオフ側に切り替えることにより鋼球204を復帰させるようにして運転スイッチを兼用した転倒スイッチを構成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の前者における安全スイッチでは、ボタン体103が内側に押圧されることによりスイッチ部101により電気回路を形成しているのでボタン体103が床面等に当接するように電気器具本体106の下面側にスイッチ本体102を組み込む必要があり安全スイッチの取付位置が限定されるとともに、壁面等に取り付けられる電気器具には採用することができないという課題があり、取付位置が限定されず壁面に取り付ける電気機器にも適用できるようにすることが要求されている。
【0007】
また、後者における転倒スイッチでは、運転スイッチ兼用形のため、スイッチつまみ201およびスイッチ押し棒202とアクチュエーター203とを連動させて鋼球204を制御する必要があり、マイクロスイッチ205を復帰させるにはスイッチつまみ201を必ず「切」に戻してから「入」操作をする必要があるという課題があり、転倒スイッチが作動して運転が停止したときに、電気器具の姿勢を正常な状態に戻すだけで電気回路も自動的にオンできるようにすることが要求されている。
【0008】
また、鋼球204が正常位置にもどるとき、アクチュエーター203に引っかかりもどりにくい場合があるという課題があり、スムーズに鋼球204が正常位置にもどるようにすることが要求されている。
【0009】
また、スイッチつまみ201の下方部にマイクロスイッチ205を設けていることにより転倒スイッチ全体が大型になるという課題があり、スイッチ全体の小型化を図ることが要求されている。
【0010】
また、鋼球収納部206の一部にアクチュエーター203が入り込む溝部207を設けていたため、アクチュエーター203が鋼球収納部204内に露出し鋼球204がアクチュエーター203にのっかかってもどりにくい場合があり、転倒スイッチとしてアクチュエーター203と直交する方向は安定しているが、アクチュエーターの長手方向は安定が悪いという課題があり、何れの方向にも鋼球204がスムーズに移動して安定性を高めることが要求されている。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するもので、取付場所が限定されることのない小型で安定した作動ができる安全性の高い転倒スイッチを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の転倒スイッチは上記目的を達成するために、上下移動するスイッチ作動棒を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うスイッチと、このスイッチのスイッチ作動棒を一端を支点にしたてこ作用により押圧作動させるアクチュエーターと、このアクチュエーターの反支点側に設けられる受部と、この受部を重量で圧して前記スイッチを作動させる鋼球と、この鋼球が正常時に入る円形孔および転倒時にころがり込む凹部とを設けたスイッチ本体を備え、前記鋼球が正常時には円形孔に入り電源回路をオンさせ、転倒時には凹部に移動して電源回路をオフする構成とし、受部をフレキシブル状態に形成し、受部をフレキシブル部を介してフレキシブル状態に形成し、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が転倒したときに受部がフレキシブル部を介して転倒した側に倒れることを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、取付場所に限定されることのない小型で安定した作動ができる安全性の高い転倒スイッチが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、上下移動するスイッチ作動棒を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うスイッチと、このスイッチのスイッチ作動棒を一端を支点にしたてこ作用により押圧作動させるアクチュエーターと、このアクチュエーターの反支点側に設けられる受部と、この受部を重量で圧して前記スイッチを作動させる鋼球と、この鋼球が正常時に入る円形孔および転倒時にころがり込む凹部とを設けたスイッチ本体を備え、前記鋼球が正常時には円形孔に入り電源回路をオンさせ、転倒時には凹部に移動して電源回路をオフする構成とし、受部をフレキシブル状態に形成し、受部をフレキシブル部を介してフレキシブル状態に形成し、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が転倒したときに受部がフレキシブル部を介して転倒した側に倒れることを特徴とするものであり、転倒した電気機器を元の正常な状態に復帰させたときに鋼球が受部上に移動し易くなりスムーズに復帰させることができ、電気機器の何れの場所にも取り付けることができ、アクチュエーターが転倒時に鋼球がころがり込む凹部内に露出されていないので鋼球がスムーズに移動し、安定した状態でスイッチの作動ができ、電気機器の転倒後、正常状態に復帰させると自動的に電源回路がオンされ、使用者がその都度スイッチ操作をする必要がなく便利になるとともに、小型で安全性が高められるという作用を有する。
【0015】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
図1〜図4に示すように、上下移動するスイッチ作動棒1を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うマイクロスイッチ2のスイッチ作動棒1を押圧するアクチュエーター3を一端を支点4により支持し、てこ作用により押圧できるように設け、アクチュエーター3の反支点側に受部5を設け、受部5を皿状部6により形成し、受部5はアクチュエーター3の端部に傾倒自在なフレキシブル部7により連結し、受部5を重量で圧してマイクロスイッチ2を作動させる鋼球8が正常時に入る円形孔9および転倒時にころがり込む凹部10を円形孔9の周辺に設けスイッチ本体11を形成し、マイクロスイッチ2はアクチュエーター3の支点4側に近づけ鋼球8の下方部に配設して構成する。
【0017】
上記構成において、電気機器(図示せず)に転倒スイッチを組み込み使用したとき、電気機器が正常状態にあるときには、転倒スイッチに設けられた鋼球8は、スイッチ本体11に形成された円形孔9に入り円形孔9内に配設されている受部5の皿状部6で受けられ鋼球8の自重によりアクチュエーター3の反支点側がてこの作用を利用して下降し、アクチュエーター3によりスイッチ作動棒1が押し下げられマイクロスイッチ2により電源回路がオンされた状態となり、電気機器に設けた操作スイッチにより電気機器が運転制御されることとなる。
【0018】
次に、何らかの条件により電気機器が転倒した場合には、鋼球8が円形孔9の周辺に設けた凹部10に移動し、受部5に対する加重が除かれアクチュエーター3の反支点側が反スイッチ側に移動し、アクチュエーター3により押し下げられていたマイクロスイッチ2のスイッチ作動棒1が移動し、マイクロスイッチ2により電源回路がオフとなり電気機器の運転は自動的に停止されることとなる。
【0019】
そして、転倒した電気機器を運転時に正常状態に姿勢を立て直すことにより、転倒スイッチの鋼球8は移動し、スイッチ本体11に設けた円形孔9に入り受部5を介してアクチュエーター3の反支点側を下降し、アクチュエーター3によりスイッチ作動棒1が押し下げられマイクロスイッチ2により電源回路がオンされ、電気機器は運転可能となる。
【0020】
このように本発明の実施例1の転倒スイッチによれば、上下移動するスイッチ作動棒1を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うマイクロスイッチ2と、このマイクロスイッチ2のスイッチ作動棒1を一端を支点にしたてこ作用により押圧作動させるアクチュエーター3と、このアクチュエーター3の反支点側に設けられる受部5と、この受部5を重量で圧してマイクロスイッチ2を作動させる鋼球8と、この鋼球8が正常時に入る円形孔および転倒時にころがり込む凹部10とを設けたスイッチ本体11を備え、鋼球8が正常時には円形孔9に入り電源回路をオンさせ、転倒時には凹部10に移動して電源回路をオフする構成としたので、受部5を介してアクチュエーター3の反支点側を押し下げる鋼球8の重量は軽くて良くなり、鋼球8を小径にすることが可能となりスイッチ本体11を小型化することができる。
【0021】
また、転倒時に鋼球8がころがり込む凹部10には従来のようにアクチュエーター3が入り込む溝を設ける必要がなく、アクチュエーター3が凹部10内に露出するようにしていないので、鋼球8の移動がスムーズに行われ、電源回路のオン・オフを安定した状態で行うことができ、安全性をさらに高めることができる。また、受部5をフレキシブル部7を介してフレキシブル状態に形成したので転倒スイッチを組み込んだ電気機器が転倒したときに受部5がフレキシブル部7を介して転倒した側に倒れることとなり、転倒した電気機器を元の正常な状態に復帰させたときに鋼球8が受部5上に移動し易くなりスムーズに復帰させることができる。
【0022】
また、受部5に皿状部6を形成したので、鋼球8の転がり込む面が大きくなることで鋼球8の受部5への移動性が良くなり、マイクロスイッチ2の復帰がし易くなる。
【0023】
また、マイクロスイッチ2をアクチュエーター3の支点4側に近づけ鋼球8の下方部に配設したので転倒スイッチ全体の小型化を図ることができ電気機器への組み込みが容易となる。
【0024】
また、転倒時に鋼球8がころがり込む凹部10を円形孔9の周辺に設けたので、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が何れの方向に転倒しても鋼球8は凹部10にころがり込み、アクチュエーター3の長手方向に関係なく安定して鋼球8を転倒方向に移動し電源回路を確実にオフし安全性が高められる。
【0025】
なお、実施例1では受部5は皿状部6に形成し、フレキシブル部7を介してフレキシブル自在に形成したが、受部5をコイルスプリングで皿状に形成しフレキシブル自在に形成しても同様の作用効果をもたらすことはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば上下移動するスイッチ作動棒を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うスイッチと、このスイッチのスイッチ作動棒を一端を支点にしたてこ作用により押圧作動させるアクチュエーターと、このアクチュエーターの反支点側に設けられる受部と、この受部を重量で圧して前記スイッチを作動させる鋼球と、この鋼球が正常時に入る円形孔および転倒時にころがり込む凹部とを設けたスイッチ本体を備え、前記鋼球が正常時には円形孔に入り電源回路をオンさせ、転倒時には凹部に移動して電源回路をオフする構成とし、受部をフレキシブル状態に形成し、受部をフレキシブル部を介してフレキシブル状態に形成し、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が転倒したときに受部がフレキシブル部を介して転倒した側に倒れることを特徴とするものであり、転倒した電気機器を元の正常な状態に復帰させたときに鋼球が受部上に移動し易くなりスムーズに復帰させることができ、スイッチ本体を小型化することができるとともに、電源回路のオン・オフを安定した状態で行うことができ、安全性を高められる転倒スイッチを提供できる。
【0027】
また、受部をフレキシブル状態に形成したので、転倒後、正常な状態に復帰させたときの鋼球の復帰をスムーズに行わせることができる。
【0028】
また、受部を皿状に形成したので、鋼球が受部に転入しやすくなり正確にスイッチを復帰させることができる。
【0029】
また、スイッチをアクチュエーターの支点側に近づけ鋼球の下方部に配設したので、転倒スイッチを小型化することができ、電気機器への組み込みが容易となる。
【0030】
また、転倒時の鋼球がころがり込む凹部を円形孔の周辺に設けたので、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が何れの方向に転倒しても正確にスイッチをオフ状態に作動することができ、スイッチの作動する方向が限定されるのを防止するこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における転倒スイッチの正常時の状態を示す正面断面図
【図2】同転倒スイッチの正常時の状態を示す側面断面図
【図3】同転倒スイッチの転倒時の状態を示す正面断面図
【図4】同転倒スイッチの転倒時の状態を示す側面断面図
【図5】従来の安全スイッチの構成を示す断面図
【図6】従来の他の例の転倒オフスイッチの正常時の状態を示す断面図
【図7】同転倒オフスイッチの転倒時の状態を示す断面図
【符号の説明】
1 スイッチ作動棒
2 スイッチ
3 アクチュエーター
4 支点
5 受皿
6 皿状部
7 フレキシブル部
8 鋼球
9 円形孔
10 凹部
11 スイッチ本体
Claims (4)
- 上下移動するスイッチ作動棒を有した電源回路のオン・オフの切り替えを行うスイッチと、このスイッチのスイッチ作動棒を一端を支点にしたてこ作用により押圧作動させるアクチュエーターと、このアクチュエーターの反支点側に設けられる受部と、この受部を重量で圧して前記スイッチを作動させる鋼球と、この鋼球が正常時に入る円形孔および、転倒時にころがり込む凹部とを設けたスイッチ本体を備え、前記鋼球が正常時には円形孔に入り電源回路をオンさせ、転倒時には凹部に移動して電源回路をオフする構成とし、受部をフレキシブル状態に形成し、受部をフレキシブル部を介してフレキシブル状態に形成し、転倒スイッチを組み込んだ電気機器が転倒したときに受部がフレキシブル部を介して転倒した側に倒れることを特徴とする転倒スイッチ。
- 受部を皿状に形成した請求項1記載の転倒スイッチ。
- スイッチをアクチュエーターの支点側に近づけ鋼球の下方部に配設した請求項1記載の転倒スイッチ。
- 転倒時に鋼球がころがり込む凹部を円形孔の周辺に設けた請求項1記載の転倒スイッチ。
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