JP4751840B2 - 導電性ポリマーを用いた分離装置およびそれを用いた分離方法 - Google Patents

導電性ポリマーを用いた分離装置およびそれを用いた分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性ポリマーを用いた分離装置およびそれを用いた分離方法に関するものである。さらに詳しくは、液体を対象とし、その中の粒子,不純物等である懸濁質,コロイド蛋白質,高分子等の分離に用いられる分離装置およびそれを用いた分離方法に関するものである。
膜によってその両側の相が互いに隔てられ、膜を通して物質の移動が起こるとき、ある物質は膜を通過できるが他の物質は通過し得ない場合、その膜はこれらの物質を分離する機能を有する。現在、このような膜として各種の分離膜が用いられており、それによって水,薬液,有機溶剤等の液体中の粒子や、空気,窒素,ミスト等の気体中の粒子を分離することが行われている。分離膜が粒子に対して分離機能を示す原理は、大別して2つある。1つは、分離膜に存在する孔が粒子をその大きさによって通過させたりさせなかったりする場合であり、濾過がこれに対応する。この場合、孔の大きさに応じて分離できる粒子の大きさは異なる。なお、コロイド粒子やタンパク質等の微小物質に圧力をかけて濾別する限外濾過とよばれる方法では、これに用いられる分離膜の孔は観察できないこともあるが、この場合でも、ポリマー鎖の間隙に基づく細孔が存在し、その分離機能が作用している。
一方、分離機能を示す2つ目の原理は、透析である。これは分離膜の両側での粒子の濃度差による拡散を利用し分離する方法である。
分離膜に要求される基本的な性質は、優れた透過性、選択性および適切な機械的強度である。優れた透過性および選択性を実現するには、緻密で薄い膜が望ましいが、薄膜だと機械的強度が劣るようになる。これらの性質のバランスをとり優れた分離膜の作製には、通常、高分子材料が用いられる。
高分子材料からなる分離膜として、最近では、導電性ポリマーであるポリアニリンを用いた分離膜が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1には、ポリアニリンを脱ドーピングすることにより、ポリアニリンの溶剤への溶解性を高めながら、他方でポリアニリンの一部をイミド変性したポリアニリンポリイミド組成物を用いることにより、耐熱性や耐化学薬品性に優れた気体分離膜とすることが記載されている。また、ポリアニリンを分離膜とした他の例として、ポリアニリンを高分子量化するとともに、多孔質膜化し、この多孔質膜に対してプロトン酸をドーパントとして作用させることによって、多孔質選択性透過膜を作製することが記載されている(特許文献2参照)。これらの分離膜はポリアニリンを主成分とするか、もしくはポリアニリンからなるものであり、いずれも優れた分離性能を奏する。
特開平11−342322号公報 特許第2855206号公報
しかしながら、これら分離膜に存在する孔の孔径は常時一定であることから、分離が進むにつれ膜面付近に溶質が集積し、目詰まりが生じやすい。このために、分離速度は低下し、分子分画性も変わってしまうという難点がある。また、分離の過程で別種の分離対象に変更することは容易ではなく、多種の分離対象に対応することができないという難点もある。
本発明は、上記ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いた分離膜を用いて、上記のような目詰まりの容易な洗浄回復ならびに各種の分離対象に合わせて孔の大きさを容易に変更することができる分離装置およびそれを用いた分離方法の提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の分離装置は、電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーを主成分とし、液体を分離対象とする分離膜と、上記分離膜に対して電圧調整可能に電圧を印加する電圧印加手段とを備える分離装置を第1の要旨とする。
また、上記分離膜と上記電圧印加手段とに加え、上記分離膜の面方向に対する収縮または伸長を規制する規制具を備える分離装置を第2の要旨とする。
そして、上記分離装置を用い被分離物を分離する分離方法を第3の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、目詰まり等の洗浄回復の容易性や、各種の分離対象に合わせて孔の孔径を変化させる性能を備えた分離膜等を求めて鋭意検討を行った。その過程で、ポリアニリン等の導電性ポリマーに電圧を加えると、電気化学的酸化還元反応が生起し、それによって分子の収縮または伸長が生ずることを利用しようと着想し、分離膜に導電性ポリマーを用いて電圧を加える研究を重ねた。その結果、導電性ポリマーを膜状にし、その分離膜に対して電圧を印加すると分離膜の孔径が変化することを見いだし本発明に到達したものである。ここで分離膜の孔とは、分離膜作製時に溶剤を飛ばすことにより形成された孔や分離膜作製後穿孔等により形成された孔等の物理的な孔だけでなく、分離膜に分子レベルで存在する細孔も含む趣旨である。
本発明の分離装置は、電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーを主成分とし、液体を分離対象とする分離膜と、上記分離膜に対して電圧調整可能に電圧を印加する電圧印加手段とを備えるものである。このため、分離膜に印加する電圧を変えることによって分離膜の孔径を変化させることができる。すなわち、印加電圧によって導電性ポリマーが収縮すると分離膜の孔径も収縮する。一方、印加電圧によって導電性ポリマーが伸長(膨張)すると分離膜の孔径も拡大する。したがって、分離の途中で別種の分離対象を分離する必要が生じたときには、印加電圧を変化させ分離膜の孔径をそれに合うように変化させることによって、別種の分離対象への変更を容易に行うことができる。また、目詰まりが生じた場合には、上記のような印加電圧を変化させることによって孔径を広げてその状態で洗浄し、洗浄後元に戻せば容易に洗浄回復することができ、従来のように、逆荒い(通常の透過方向と逆方向から洗浄液等による圧をかけ目詰まり物質を除去する方法)する必要もない。
また、上記分離膜と、上記電圧印加手段とに加えて、上記分離膜の面方向に対する収縮または伸長を規制する規制具を備えると、規制具が、印加電圧による分離膜の面方向に対する分子の収縮または伸長を規制する。そのため、印加電圧によって導電性ポリマーが収縮する場合、規制具で規制された分離膜部分は固定された状態で導電性ポリマーが収縮するため、固定された分離膜部分に対して、面方向へ広がる応力が加わり、そこに分布する孔の孔径が拡大する。逆に、印加電圧によって導電性ポリマーが伸長(膨張)する場合には、規制具で規制された分離膜部分は固定された状態で導電性ポリマーが伸長するため、固定された分離膜部分に対して、面方向に縮まる応力が加わり、そこに分布する孔の孔径が縮小する。
さらに、上記分離膜が、多孔質支持体上に一体的に設けられているものであると、分離膜の耐圧性など機械的特性が向上し、分離膜による分離と多孔質支持体による分離との2段階の分離が可能となる。また、分離膜を、流体を通過させるための開閉装置として機能させ、多孔質支持体を分離装置として機能させることも可能となる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の分離装置は、電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーを主成分とし、液体を分離対象とする分離膜と、上記分離膜に対して電圧調整可能に電圧を印加する電圧印加手段とを備えるものである。
上記分離膜としては、電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーを主成分とし、液体を分離対象とするものであり、この主成分となる電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーは、特に限定されるものではないが、電圧印加によって収縮または伸長するπ電子共役系ポリマー(π電子が共役できる構造をとることが可能なポリマー)が好ましい。このπ電子共役系ポリマーの中でも、アニリン、ピロール、チオフェンおよびこれらの誘導体を単独でもしくは2種以上重合してなるものが、安定である点から好ましい。これらのポリマーは単独で用いてもよいし2種以上併せて用いてもよい。ここで、主成分とは、全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
本発明で用いるπ電子共役系ポリマーとしては、上記モノマーを重合してなるポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびこれらの誘導体等があげられる。これらの誘導体としては、その骨格中にアルキル基,アルコキシ基,シアノ基,スルホン基およびカルボキシル基から選ばれた少なくとも1つを有しているものがあげられるが、これらに限定されるものではない。
分離膜を組成する導電性ポリマー以外の成分としては、特に限定はなく、任意成分(必要に応じて用いられる成分)として、バインダーポリマー、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤等があげられる。上記バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、熱可塑性樹脂ポリマー、熱硬化性樹脂ポリマー、ゴム系ポリマー、熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記分離膜は、多孔質支持体上に一体的に設けることも行われる。ここでいう一体的とは、分離膜成分を多孔質支持体に流延、含浸等して、一体的に形成する場合に加え、分離膜と多孔質支持体とを貼り合わせる等重ね合わせて用いる場合も含める趣旨である。分離膜による分離と多孔質支持体による分離との2段階の分離を効果的に行うためには、分離の際、分離膜の孔径は、多孔質支持体の孔径より大きいことが好ましい。他方、流体を通過させるための開閉装置として分離膜を機能させる場合には、分離膜の孔径は、流体通過を閉口する際、多孔質支持体の孔径よりも小さく、開口する際、多孔質支持体の孔径よりも大きくなることが好ましい。上記の多孔質支持体としては、特に限定されないが、例えば、メンブレンフィルター、ろ紙、セパレーター紙や、プラスチック,セラミックス,金属等各種の多孔質な膜があげられる。
そして、上記分離膜に対して電圧調整可能に電圧を印加する電圧印加手段としては、特に限定するものではないが、例えば、円形,方形等に形成した分離膜の相対向する端縁に一対の電極を取り付け、かつ、その電極に導線を通して印加する電圧調整器を設け、外部電源から電圧調整器を経由して電圧を印加する手段等があげられる。直流交流を問わないが、交流の場合は、+( プラス) のみ、または、−( マイナス) のみを印加するのが望ましい。本発明で使用する電極および導線の材料としては、白金,金,銀,銅,ニッケル,コバルト,チタン等や、ITO(酸化インジウムと酸化スズからなるもの)等の金属酸化物、黒鉛等種々の導電性材料があげられる。
また、必要に応じて、枠材等の規制具を用い上記分離膜の面方向に対する収縮または伸長を規制する。この規制具としては、例えば、分離膜が円形であればその周囲を囲う円形枠、分離膜が方形であれば方形枠等の枠体があげられ、また、枠材または多孔質支持体上に分離膜を載せ、枠材または多孔質支持体と分離膜の周囲とを接着する接着剤またはピン留めするピン等があげられる。本発明では、この規制具によって規制された分離膜に対し、上記電圧印加手段を用いて電圧を印加する。
つぎに、分離膜の製造について詳しく説明する。
I.導電性ポリマーの製造
まず、分離膜の主成分となる導電性ポリマーの原料となるモノマーを準備する。このモノマーとしては、特に制限されるものではないが、アニリン、ピロール、チオフェンおよびこれらの誘導体等のモノマーがあげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
導電性ポリマーの製造方法としては、例えば、上記モノマーを酸化剤と反応させ、必要に応じてドーパント剤を用いることによって、導電性ポリマーを酸化重合する化学酸化重合法や、上記モノマーとドーパント剤とを溶解させた溶剤中に、一対の電極を入れて電解することで、導電性ポリマーを重合する電解重合法等があげられる。上記化学酸化重合法には、重合ドープ法もしくは後ドープ法がある。
〔重合ドープ法〕
上記導電性ポリマーのモノマー(例えば、アニリン)と、ドーパント剤(例えば、アルキルナフタレンスルホン酸)と、トルエン等の有機溶剤等とをフラスコ中に所定量入れ、所定温度(例えば、5℃)に制御しながら、過硫酸アンモニウム等の酸化剤を数時間(例えば、1時間)かけて滴下し、数時間(例えば、20時間)酸化重合させて重合物を得る。つぎに、この重合物を水やメタノール等で洗浄して副生成物を除去し、遠心分離等することにより、導電性ポリマーを調製することができる。
〔後ドープ法〕
上記導電性ポリマーのモノマー(例えば、アニリン)と、過硫酸アンモニウム等の酸化剤とを所定量混合して、ポリアニリン等のπ電子共役系ポリマーを得る。このπ電子共役系ポリマーを、アルカリ環境下で、脱ドーピングを行い、水やメタノール等で精製を行う。そして、この脱ドーピングしたポリアニリン等のπ電子共役系ポリマーと、上記ドーパント剤(例えば、アルキルナフタレンスルホン酸)とを、必要に応じ溶解した状態で所定量混合し、ドーピングする後ドープ法により、導電性ポリマーを調製することができる。
化学酸化重合法に用いられる酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム、過酸化水素水、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、クロラニル等のベンゾキノン、塩化第二鉄、二酸化マンガン、ヨウ素酸塩等が特に好ましく用いられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
ドーパント剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、リンフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸等の無機酸,ドデシルベンゼンスルホン酸,ジドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)等のアルキルナフタレンスルホン酸、ジドデシルジフェニルエーテルスルホン酸等のアルキルフェニルエーテルスルホン酸、カンファースルホン酸、スルホコハク酸エステル、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、アミドエーテルスルホン酸ナトリウム、ピクリン酸等のフェノール類、m−ニトロ安息香酸等の芳香族カルボン酸、ジクロロ酢酸等の脂肪族カルボン酸等があげられる。
また、ドーパント剤としてポリマー酸も用いることができる。ポリマー酸としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエステルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニル硫酸、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリルアミド、各種ポリマーにカルボン酸基、リン酸基を付与した化合物等があげられる。これらドーパント剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ポリマー酸は、その分子量において何ら制限されるものではないが、一般に、ポリマー酸は、そのドーピング官能基当たりの分子量によって、ドーピング及び脱ドーピング性等が異なる。即ち、分子量の低いポリマー酸を用いれば、ドーピングを速やかに行なうことができ、分子量の高いポリマー酸を用いれば、脱ドーピングが起こり難い膜を得ることができる。
上記ドーパント剤が溶解する有機溶剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トルエン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶剤、塩酸等があげられる。
ここで、本発明において、有機溶剤に溶解するとは、遠心分離(1000〜10000回転で5〜60分)によって沈殿が生じない、または1ヵ月以上の放置によって沈殿が生じないことをいう。
なお、上記ドーパント剤は、ポリマーをドープさせるものであり、2次的にドーパントを添加する2次ドーピングに用いることも可能である。導電性ポリマーを得るためにドーピングする方法としては、上記の化学酸化重合法、電解重合法に加えて、浸漬法等公知の方法が適用できる。浸漬法によるドーピングは、通常ドーピング剤を含む溶剤中にポリマーを浸漬し、その後洗浄により行われる。
そして、ドーパントとして機能するドーパントイオンは、必ずしも導電性ポリマー中のドーパントと同一である必要はなく、導電性ポリマーのドーパントとして機能するものであればよい。
上記のようにして得られた導電性ポリマーに、電圧を印加すると、電気化学的酸化還元反応が生起し、それによって分子の収縮または伸長が生ずる。すなわち、導電性ポリマーには、ドーパントイオンであるアニオンが含まれ、電圧印加による分極によって、主にアニオンのポリマー鎖間への出入り、すなわちドープ・脱ドープ状態が生じることにより導電性ポリマーが収縮または伸長する。ここで、ドープ状態とは、ポリマーにアニオンが取り込まれている状態をいい、ポリマー鎖に正電荷が発生し導電性を示す状態をいう。また、ポリマーにアニオンが取り込まれる現象をドーピング現象という。逆に、ポリマーからアニオンが出ていくことやカチオンが取り込まれる等により電気的に中性になる状態を脱ドープ状態という。
上記ドーパントであるアニオンは、前記ドーパント剤に由来するものであり、例えば、PF6 - ,BF4 - ,SbF6 - ,AsF6 - 等の中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオン、CF3 SO3-、SO4 2-、ClO4 - 、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸,アルキルナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸,ポリエステルスルホン酸等の重合体アニオン等をあげることができる。
II.分離膜の製膜
上記の導電性ポリマーに対し、必要に応じて、上記バインダーポリマー等を加えたものを分離膜材料とし、平膜、中空糸膜、複合膜等、適宜の形態の分離膜を製膜する。分離膜の製膜方法については、膜形態が成形できれば特に限定するものではないが、好ましくは、乾式製膜法、湿式製膜法が用いられる。
乾式製膜法は、導電性ポリマーを含むバインダーポリマーを溶融し、少なくとも1つのノズルから溶融したポリマーをシート状等に押し出して成形することにより製膜するものである。この際、上記ポリマーを多孔質支持体に流延、塗布等して一体的に形成してもよい。
湿式製膜法は、ポリマーを有機溶剤に溶解する方法であるが、この際、必要に応じて、膨潤剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。溶解したポリマー溶液を、押し出し法,流延法等で成形等する。凝固液(ポリマーを溶解しないが、有機溶剤と相溶性を有する溶剤であり、ポリマーを凝固させる溶剤置換法に使用される)中に浸漬した後乾燥させることでも、分離膜が得られる。また、公知のエレクトロスピニング法によっても作製できる。多孔質支持体上にポリマー溶液を流延し、または、キャスティング、ディッピング等の方法で塗布し、凝固液に浸漬した後乾燥させて、多孔質支持体と一体化した膜を形成することも行われ、これは全体の機械的強度を高める点から好適である。
上記凝固液としては、代表的には、水が用いられる。凝固液の他の例としては、水に相溶し得る有機溶剤と水との混合溶剤をあげることができ、このような有機溶剤の具体例として、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、グリセリン等をあげることができる。凝固液におけるこれら有機溶剤の量は、通常、50重量%以下であるが、必要に応じて有機溶剤のみを単独で凝固液として用いることもできる。
また、上記分離膜には、分子レベルの細孔、溶剤の気化跡の孔、多孔質支持体の多孔質に由来する孔等が存在するが、それより大きな孔が必要な場合は、例えば、レーザー光、γ線の点照射、錐、ナイフ等による孔形成が行われる。
III.分離装置および分離方法
上記分離膜を用いた分離装置について説明するが、分離装置はこれに限定されるものではない。まず、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過等に用いられる漏斗やブフナー漏斗等の濾過器具を利用する分離装置があげられる。例えば、円形の分離膜(場合によっては、多孔質支持体を含む。以下同じ。)の端部に電圧印加装置を設置し、分離膜を4つ折り(分析折りとも呼ぶ)にして漏斗に密着させた状態で、または分離膜をブフナー漏斗に密着させ減圧した状態で、これに被濾過液を注ぎ印加電圧を制御しながら濾過することがあげられる。
また、逆浸透膜として分離膜を用いる分離装置があげられる。例えば、水の精製の場合には、電圧印加装置を端部に設置した分離膜で、純水と塩を含む溶液とを区切り、水が純水側より塩を含む溶液側へ移動すること(浸透圧)を抑えるため、一定の圧力を溶液側にかける加圧手段を有する分離装置である。これにより溶液側にかける圧力が浸透圧を超えると、溶媒である水が溶液側より純水側へ移動し、純水を得ることができる。また、気体分離膜、透析膜等として分離膜を用いる分離装置もあげられる。
さらに、規制具を用いる分離装置としては、例えば、図1に示す濾過装置があげられる。図1に示すように、円筒状の透明容器1と有底円筒状の透明容器2とを、その両開口を合わせて配置し、その両開口の間に、分離膜Aを位置決めし、両容器1,2で狭持し密着状態で固定する。この場合、容器1,2の開口縁が枠体として作用し、分離膜Aの面方向の収縮または伸長が規制される。つぎに、枠材からはみ出た分離膜Aの両端部に銅電極3,4を設けて、それぞれ銅線5,6を接続し、それら銅線5,6の他端を、電圧調整器(図示せず)を備えた電源7にそれぞれ接続する。被濾過液を容器1に入れ、印加電圧(例えば、0〜20V)を制御しながら被濾過物の自重や減圧・加圧等により濾過を行って、被濾過液中の粒子等を分離膜Aでこしとり、容器2に濾液を貯める。これにより濾過が行われる。この際、容器2には、被濾過物の抽出、減圧および通気孔等のため、貫通孔8を設けることが好ましい。
また、図2に示す透析装置があげられる。図2に示すように、有底円筒状の透明容器1,2を、その両開口を合わせて配置し、その両開口の間に、分離膜Aを位置決めし、両容器1,2で狭持し密着状態で固定する。この場合、容器1,2の開口縁が枠体として作用し、分離膜Aの面方向の収縮または伸長が規制される。つぎに、枠材からはみ出た分離膜Aの両端部に銅電極3,4を設けて、それぞれ銅線5,6を接続し、それら銅線5,6の他端を、電圧調整器(図示せず)を備えた電源7にそれぞれ接続する。高分子溶液を容器1に入れ、溶媒を容器2に入れて置くと、容器1の高分子溶液から分子量の低い成分だけが分離膜Aを透過する。これにより透析が行われる。この際、容器1,2には、被分離物の注入・抽出、加圧・減圧および通気孔等のため、開閉式の貫通孔を設けることが好ましい。
本発明の分離装置による分離方法は、分離に際して印加電圧を制御することにより、分離膜の孔径を変えることによって、様々なサイズの物質を選択的に分離するものである。また、印加電圧を分離機能の開閉スイッチとして分離を行うことも可能となる。
上記の分離装置は、分離膜Aの外周を、容器1,2の開口部で分離膜Aの面方向への収縮または伸長を規制している。これにより、同電圧で規制のない場合に比べ、孔径等の変化をさらに大きくすることが可能となる。
また、本発明の分離装置において、印加電圧の制御により、つぎのことが可能となる。例えば、印加電圧の強弱等の印加条件による分離物質の選択性(弱い印加の場合には、小さい物質の分離が可能となる等)、繰り返し印加による孔径の制御、穿孔サイズによる分離物質のさらなる選択性付与、目詰まりの防止等があげられる。
本発明の分離装置を用いて分離できる例としては、分離対象を液体とするものであれば特に限定するものではないが、例えば、塩水の淡水化、汚水の浄化、アミノ酸分離等があげられる。
以上のとおり、本発明は、電圧印加による導電性ポリマーの収縮または伸長機能を利用することにより、分離膜の孔径を変化させて分離性および透過性を制御し、また、孔の目詰まり等を容易に洗浄することが可能となる分離装置およびそれを用いた分離方法を実現できる。
つぎに実施例について説明するが、本発明は、実施例により限定されるものではない。
(ドープ状態の導電性ポリマーの製造)
アニリン〔導電性ポリマーのモノマー〕1モル(93g)をフラスコ中に入れ、水500mlに溶解した過硫酸アンモニウム(酸化剤)1モル(228.2g)を1時間かけて滴下し、5℃に制御し攪拌しながら20時間酸化重合させて重合物を得た。つぎに、この重合物を水とメタノールで遠心分離(8000rpm×30分)を繰り返して洗浄し、20℃で10Torrの減圧乾燥をして黒緑色の導電性ポリアニリン粉末を得た。
(導電性ポリマーの脱ドーピング)
上記ドープされている導電性ポリアニリン粉末を含むフラスコ中の反応混合物に25%アンモニア水150mlを加え、3℃に冷却下、1.5時間攪拌した。反応混合物は、黒緑色から青紫色に変化した。ブフナー漏斗にて粉末を濾別し、蒸留水にて濾液が中性で無色になるまで繰り返し洗浄し、ついで、濾液が無色になるまでアセトンにて洗浄した。この後、粉末を室温にて10時間減圧乾燥して、紫がかった銅色の脱ドーピングしたポリアニリン粉末を得た。
(可溶性ポリアニリンを用いる膜の調製)
得られた脱ドーピングしたポリアニリン粉末2gをN−メチル−2−ピロリドン50gに溶解させて、製膜溶液を調製した。室温にて、メンブレンフィルター(Aldrich社製、Supor menbraneZ269255、孔径0.45μm)を製膜溶液に含浸した後、100℃で2Torrの減圧乾燥を10分間して溶剤を蒸発させ、膜を得た。
(膜のドーピング)
この膜を10%カンファースルホン酸(CSA)水溶液に室温で24時間浸漬した後、メタノールで洗浄し風乾して、ポリアニリン/メンブレンフィルター多孔質膜を得た。
(分離装置の作製)
図2に示すように、有底円筒状の透明容器1,2により、多孔質支持体と一体的に形成した分離膜Aの両面から、この分離膜Aの周囲を狭持し面積を固定する。つぎに、枠材としての開口縁からはみ出た分離膜Aの両端部に銅電極3,4を設け、それぞれ銅線5,6(直径100μm、長さ3cm)で接続し、それら銅線5,6の他端を、電圧調整器を備えた電源7にそれぞれ接続する。容器1に1Nアミノ酸と1N塩酸との混合溶液を入れ、容器2に1N塩酸溶液を入れる。
〔濃度変化測定〕
上記の分離装置を用いて、1.5Vの正の電圧印加を印加する系と印加しない系とにおいて、塩酸溶液中のアミノ酸の濃度変化の時間依存性を、紫外可視分光光度計(V−570、日本分光社製)を用いて測定した。塩酸溶液中のアミノ酸の濃度変化を測定することにより、アミノ酸が分離膜を透過したかしなかったかが分かる。この結果を表1に示す。
Figure 0004751840
表1の結果から、電圧を印加しない系では、アミノ酸濃度は全く上昇しなかったのに対し、1.5Vの正の電圧を印加した系では、アミノ酸濃度が時間に比例して上昇した。これは、電圧を印加しない系では、アミノ酸は分離膜を透過できなかったのに対し、電圧を印加した系では、分離膜の孔径が大きくなり、印加前、分離膜を透過できなかったアミノ酸を透過させたものである。したがって、電圧印加の有無により、アミノ酸透過の可否を決定できるものであって、分離対象に合わせて孔の大きさを変更できるものである。また、アミノ酸を目詰まり物質と想定した場合には、電圧印加により孔径を大きくすることでアミノ酸が分離膜を透過できたものであるから、目詰まり物質を洗浄できることがわかる。
電気的制御により液体の分離を可能にし、フィルターとしても目詰まりを起こさず、電池膜セパレーターとしても利用できる。また、孔径の制御による表示材料、微細な供給装置、インクジェットのノズルとしても使用できる。
本発明の規制具を備える分離装置の構造を示す斜視図である。 実施例に用いる分離装置の構造を示す斜視図である。

Claims (6)

  1. 電圧印加によって収縮または伸長する導電性ポリマーを主成分とし、液体を分離対象とする分離膜と、上記分離膜に対して電圧調整可能に電圧を印加する電圧印加手段とを備えることを特徴とする分離装置。
  2. 上記導電性ポリマーが、電圧印加によって生起する電気化学的酸化還元反応により収縮または伸長する請求項1記載の分離装置。
  3. 上記分離膜と上記電圧印加手段とに加え、上記分離膜の面方向に対する収縮または伸長を規制する規制具を備える請求項1または2に記載の分離装置。
  4. 上記規制具が、分離膜の周囲に枠状に設けられた枠材である請求項記載の分離装置。
  5. 上記分離膜が、多孔質支持体上に一体的に設けられている請求項1〜のいずれか一項に記載の分離装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の分離装置を用い被分離物を分離することを特徴とする分離方法。
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