JP4751144B2 - 造形データ作成システム、製造方法および造形データ作成プログラム - Google Patents

造形データ作成システム、製造方法および造形データ作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって造形物を形成する積層造形装置で用いられるデータを作成する造形データ作成システムに関する。
例えば、歯科臨床および歯科研究においては、矯正用ブラケット・矯正装置、インレイ、オンレイ、ブリッジ、コア材、インプラント上部構造、局部床義歯、全部床義歯、各種模型、実験用治具、実験用構造材などの歯科用構造材の製造には主に手作業による型取り、複製模型の作製、ワックスアップ、埋没、脱鑞、鋳型、築盛などを組み合わせた煩雑かつ多段階の工程からなる方法が用いられているのが現状である。こうした方法によって複雑かつ精密な形状を有する歯科用構造材を製造するには多大な労力と時間が必要である。そのため、歯科用構造材のような複雑かつ精密な形状の構造材の製造効率、生産性を、品質を保った上で向上させるのは困難であった。
近年、著しく発達したコンピュータによる加工技術を元にして、複雑な構造を有する構造材の品質改善、製造効率の向上を目的とした多くの方法が開発されてきた。例えば、造形テーブル上に粉体を層状に積層して所望の造形物を作成する積層造形装置が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
図20は、上記の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。まず、図20(a)に示すように、積層造形装置が備える造形テーブル41上に粉体フィーダ42によって粉体が均一に散布され、粉体層51が形成される。次いで、図20(b)に示すように、インクジェットヘッド43が、粉体層51のうち造形したい部分51aに液剤を射出する。液剤が射出された部分51aは、例えば、光が照射されることによって固化する。図20(a)および(b)に示す動作は、造形テーブル41が所定のピッチだけ降下するたびに繰り返される。その結果、図20(c)に示すように、層の一部が選択的に固化された粉体層が複数積層される。最後に固化していない粉体を除去することにより、固化した部分だけが造形物として残る(図20(d)参照)。このように積層造形装置を用いることによって、例えば、歯科用構造材のような複雑な形状の構造材を形成することができる。
特開2004−344623号公報 特開2005−59477号公報
しかしながら、従来の積層造形装置によって、形成される造形物では、その形成過程において反り等の変形が生じる場合がある。特に、造形テーブルと造形物との間に空間ができるような造形物を形成する場合には、反りが生じやすい。反りが生じることによって、造形物は、所望されていた目的の形状と異なる形状に形成されるという問題が生じる場合がある。
特に、歯科構造材は、人の口腔内に適合するように形成されることが多いため、造形テーブルとの間に空間を有する場合が多い。そのため、反り等の変形が生じやすい。また、歯科構造材は、人の口腔内の一部に正確に適合する必要があるため、少しの変形によっても、上記の問題が深刻になる。
例えば、義歯床が顎堤の粘膜と接する面(入れ歯が歯茎と接する面、すなわち粘膜面)は、顎堤の粘膜に対して、約50〜150μm程度の隙間を保って正確に適合することが要求される。従来の積層造形装置では、上述の反りの問題等により、高い精度が求められる歯科構造材を形成するのが困難であった。
そこで、本発明は、形成過程で変形しにくい構造の造形物を表す造形データを作成する造形データ作成システム、プログラムおよび前記造形物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる造形データ作成システムは、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、前記支持部材と、前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備える。
本発明にかかる製造方法は、本発明にかかる造形データ作成システムで作成される前記断面データと、前記積層造形装置とを用いて前記構造物を製造するための製造方法であって、前記積層造形装置が備える上下に移動可能な造形テーブル上に、所定の厚みの造形層を形成する層形成工程と、前記造形層の少なくとも一部であって、前記断面データが表す断面形状に応じた形状の部分を硬化させる硬化工程と、前記造形テーブルを前記所定の厚み分降下させる降下工程とを備え、前記層形成工程、前記硬化工程および前記降下工程を、前記断面データが表す前記複数の平面それぞれについて順次繰り返すことによって、前記造形層を積層する積層工程と、前記積層工程で積層された前記造形層において、前記硬化工程で硬化された部分以外の部分を除去することによって、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持された状態の前記構造物を形成する除去工程とを含む。
本発明にかかるプログラムは、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムであって、所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成処理と、前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理とをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、本発明は、形成過程で変形しにくい構造の造形物を表す造形データを作成する造形データ作成システム、プログラムおよび前記造形物の製造方法を提供することができる。
本発明における造形データ作成システムは、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、前記支持部材と、前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備える。
前記支持部材生成部は、前記外形データで表される空間の略全体を満たす支持部材の形状を表す支持部材データを生成する。そのため、前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物は、前記構造物の前記基礎平面側の面すなわち、前記構造物の下面が前記支持部材によって前記基礎平面上に略全面に渡って支持される構成となる。このような構成を有する造形物の前記複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データが生成される。
上記のように、前記造形データ作成システムによって作成された断面データが、造形物を表す造形データとして、前記積層造形装置で用いられた場合、前記構造物を形成する過程で前記構造物が反る等して変形することが抑えられる。
すなわち、前記断面データを用いて積層される構造物は、前記支持部材によって、その下面が前記基礎平面上に、略全面に渡って支持される状態で形成される。そのため、前記断面データに基づいた造形物が形成される過程においては、構造物の反り等の変形が抑えられる。さらに、形成過程において、支持部材によって構造物の下面が全面的に支持されているので、構造物は目的の形状を保ったまま正確に形成される。その結果、前記断面データを用いて積層される構造物は、構造物の設計データである前記構造物データを正確に反映した形状となる。したがって、造形データ作成システムは、形成過程で変形しにくく、かつ設計データを正確に反映した構造の造形物を表す造形データを提供することができる。造形データ作成システムは、例えば、義歯床等のように、その表面が複雑で、かつ精密に形成する必要がある構造物の造形に有用な造形データを提供することができる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材データは、前記基礎平面に対して垂直に設けられた複数の板状体または柱状体で形成される支持部材を表すことが好ましい。
前記支持部材データで表される支持部材は、複数の板状体または柱状体になっているので、前記支持部材が前記構造物に接する部分が小さくなる。従って、前記断面データで表される構造物は、前記支持部材によって全体に渡って支持され、かつ、前記支持部材と接する面積が小さくなる。このような断面データに基づいて形成される構造物は、形成過程での変形が抑えられ、かつ、支持部材を取り外しても、その残骸が構造物に残りにくいものとなる。すなわち、前記支持部材と前記構造物とが接する面積が小さいと、前記支持部材を除去する際に、前記構造物の根元近くで折れやすくなる。その結果、前記支持部材を除去した後の前記構造物の表面を平滑化するための後加工が容易になる。つまり、精密な形状の構造物を得ることが容易になる。このように、前記造形データ作成システムは、上記の支持部材データが用いることにより、精密な構造物を容易に得るための造形データを提供することが可能となる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材データは、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みが、前記構造物に接する部分において、他の部分に比べて小さくなっている前記支持部材を表すことが好ましい。
これにより、前記支持部材データで表される前記支持部材が前記構造物に接する部分の面積が小さくなる。すなわち、前記支持部材と前記構造物との接点が小さくなるので、前記断面データに基づいて造形される造形物においては、前記支持部材は、前記構造物から除去される際に、前記構造物に接する部分の近くで折れやすくなる。その結果、前記構造物には、前記支持部材の残骸が残りにくくなる。すなわち、前記支持部材データを用いて生成される断面データは、前記支持部材の残骸が残りにくい形状の造形物を表すことになる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材生成部は、前記構造物に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材を表す支持部材データを生成することが好ましい。これにより、前記構造物から前記支持部材を除去した際に、前記構造物に残骸が残りにくい形状を表す支持部材データが得られる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材生成部は、前記構造物において、前記支持部材が接する部分の周辺部を構造物の内面方向へ窪ませるように前記構造物データを修正することが好ましい。これにより、前記構造物から前記支持部材を除去した際に、前記構造物に残骸が残りにくい形状を表す構造物データが得られる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部をさらに備え、前記支持部材生成部は、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることが好ましい。
前記支持部材生成部は、前記組成データを用いることで、支持部材に必要な強度を確保し、かつ最小の厚みが得られる。すなわち、前記支持部材生成部は、前記支持部材が適切な強度を持ち、かつ前記構造物から容易に取り外すことができ、かつ取り除いた後の構造物の表面に前記支持部材の一部が残らない程度の前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることができる。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記支持部材生成部は、前記構造物が前記支持部材に与える力の分布を、構造物データを用いて計算し、該分布に基づいて前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることが好ましい。
前記支持部材生成部は、前記構造物から前記支持部材に加わる力の分布に基づいて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めるので、前記支持部材が前記構造物の変形を抑えるのに必要な強度を持ち、かつ前記構造物から容易に取り外すことができ、かつ取り除いた後の構造物の表面に前記支持部材の一部が残らない程度の前記厚みを求めることができる。なお、前記支持部材生成部は、前記組成データおよび前記力の分布の両方を用いて前記厚みを求めてもよい。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記外形生成部は、前記構造物と前記基礎平面上との間にできる空間の体積に基づいて前記構造物の配置を決定し、前記構造物と前記基礎平面との間にできる空間の外形を表す外形データを生成することが好ましい。
これにより、前記外形生成部が、前記空間の体積が最適になるように前記構造物を配置することができる。そのため、前記外形データは、最適な体積を持つ空間の外形を表すことになる。このような最適な体積を持つ空間の外形データに基づいて、前記支持部材生成部が支持部材データを生成する。そのため、最適な体積を持つ支持部材を表す支持部材データが得られる。例えば、前記空間の体積が小さくなると、前記空間に形成される支持部材も小さくてすむ。すなわち、前記支持部材データで表される前記支持部材が小さくなる。その結果、前記支持部材の形成に用いられる材料の量が少なくてすむ。
本発明にかかる造形データ作成システムにおいて、前記構造物は、口腔内の補綴物であり、前記構造物データは、前記口腔内またはその周辺部を測定することによって得られた測定データを基に生成されたデータであることが好ましい。
口腔内の補綴物の形状を表す構造物データは、前記測定によって得られた測定データを基に生成されるので、前記口腔内またはその周辺部の形状に適合した形状の補綴物を表すデータとなる。
本発明にかかる製造方法は、本発明にかかる造形データ作成システムで作成される前記断面データと、前記積層造形装置とを用いて前記構造物を製造するための製造方法であって、前記積層造形装置が備える上下に移動可能な造形テーブル上に、所定の厚みの造形層を形成する層形成工程と、前記造形層の少なくとも一部であって、前記断面データが表す断面形状に応じた形状の部分を硬化させる硬化工程と、前記造形テーブルを前記所定の厚み分降下させる降下工程と、前記層形成工程、前記硬化工程および前記降下工程を、前記断面データが表す前記複数の平面それぞれについて順次繰り返すことによって、前記造形層を積層する積層工程と、前記積層工程で積層された前記造形層において、前記硬化工程で硬化された部分以外の部分を除去することによって、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持された状態の前記構造物を形成する除去工程とを備える。
上記の製造方法によれば、前記積層造形装置は、前記断面データに基づいて前記層形成工程、前記硬化工程および前記降下工程を繰り返すことにより、前記硬化工程で硬化された部分が、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持される前記構造物となる。前記構造物は、前記支持部材によって、前記基礎平面である前記造形テーブル上に支持された状態で形成される。そのため、前記構造物を形成する過程において前記構造物に生じる反り等の変形を抑えることができる。除去工程により、前記造形層のうち、前記構造物および支持部材を形成する部分以外の部分が除去される。
本発明にかかる製造方法は、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する造形物の製造方法であって、所望の形状を有する構造物を前記基礎平面上で支持するための支持部材を形成する工程と、前記支持部材の上に前記構造物を形成する工程とを備える。
上記の製造方法によれば、前記構造物を支持する前記支持部材の上に前記構造物が形成されるので、前記構造物の形成工程において、前記構造物に反りが生じにくくなる。その結果、形成過程で構造物が変形しにくくなる。
本発明にかかるプログラムは、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムであって、所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、前記構造物データが表す前記構造物を前記基礎平面上に配置した場合に、前記構造物と前記基礎平面との間にできる空間の外形を表す外形データを生成する外形生成処理と、前記外形データで表される空間に形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理とをコンピュータに実行させる。
上記プログラムにより、前記積層造形装置が、前記基礎平面上に前記構造物を支持するための前記支持部材を作成するために用いられる支持部材データが生成される。
本発明にかかるプログラムは、前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを生成する断面生成処理をさらにコンピュータに実行させることが好ましい。
上記プログラムにより、前記積層造形装置で利用しやすい断面データを生成することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1は、造形テーブル上に粉体を積層させることよって形成される造形物の形状を表すデータを作成する造形データ作成システムに関する。本実施形態においては、造形物が、例えば、有床義歯のような口腔内の補綴物の場合を例にとり説明する。図1は、本実施の形態1における造形データ作成システムの構成を表す機能ブロック図である。
図1に示すように、造形データ作成システム1は、入力部3、出力部4、外形生成部5、支持部材生成部7、断面生成部9および記録部11を備える。造形データ作成システム1は、補綴物形状データ作成システム2および積層造形装置100に接続されている。
補綴物形状データ作成システム2は、測定装置17、作成部15、モデル記録部13を備える。測定装置17は、例えば、患者の口腔内またはその周辺部の形状等を測定する。測定装置17が測定した形状は、測定データとして、作成部15に送られる。作成部15は、測定装置17から送られる測定データと、モデル記録部13に予め記録されたモデル21とに基づいて、所望の補綴物の形状を表す構造物データ22を作成する。モデル21には、例えば、補綴物の基本的または一般的な構造を表すデータ等が含まれる。
入力部3は、作成部15が作成した構造物データを読み込み、記録部11に記録する。その結果、造形データ作成システム1が構造物データ22を利用できる状態になる。
外形生成部5は、記録部11に記録された構造物データ22に基づいて、外形データ24を生成する。外形データ24は、構造物データ22が表す構造物を、例えば、造形テーブル上等の基礎平面上に配置した場合の、構造物と造形テーブルとの間にできる空間の外形を表す外形データ24である。生成された外形データ24は記録部11に記録される。
支持部材生成部7は、記録部11に記録された外形データ24に基づいて、造形テーブル上で構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を生成する。支持部材データ25は、例えば、外形データ24で表される空間内に設けられる支持部材の形状を表すデータである。支持部材生成部7が、支持部材の形状を決定する際、あらかじめ記録部11に記録されている組成データ23が参照されることが好ましい。組成データ23は、例えば、支持部材または構造物を形成する材料の組成を表すデータである。生成された支持部材データ25は記録部11に記録される。
断面生成部9は、構造物データ22と支持部材データ25とに基づいて、断面データ26を生成する。生成された断面データ26は、記録部11に記録される。
出力部4は、断面データ26を積層造形装置100へ出力する。また、出力部4は、積層造形装置100の動作を制御するための制御プログラムも積層造形装置100へ出力する。制御プログラムの例については、実施の形態2において後述する。積層造形装置100は、断面データ26および制御プログラムに基づいて、支持部材と構造物とで構成される造形物を作製する。積層造形装置100の構成および動作の詳細は後述する。
造形データ作成システム1および補綴物形状データ作成システム2は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ等のコンピュータ上に構築される。造形データ作成システム1および補綴物形状データ作成システム2は、1台のコンピュータ上に構築されてもよいし、互いに異なる2台のコンピュータ上にそれぞれ構築されてもよい。入力部3、出力部4、外形生成部5、支持部材生成部7、断面生成部9、作成部15の機能は、コンピュータのCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。記録部11、モデル記録部13には、例えば、コンピュータに内蔵されているハードディスク、RAM等の記憶媒体の他、フレキシブルディスク、メモリカード等の可搬型記憶媒体や、ネットワーク上にある記憶装置内の記憶媒体等を用いることができる。
次に、造形データ作成システム1の動作について説明する。本実施形態では、患者が使用する局部床義歯の歯肉部すなわち義歯床を積層造形装置で作製するための造形データを作成する処理を例にとって説明する。ここで、造形データは、積層造形装置で作製される造形物の形状を表すデータである。
はじめに、大まかな処理の流れについて説明する。図2は、造形データ作成システム1が造形データを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、まず、補綴物形状データ作成システム2の測定装置17が患者の口腔内またはその周辺を測定して測定データを得る。作成部15は、測定装置17から測定データを入力する(ステップS1)。
作成部15は、モデル記録部13に記録されたモデル21および測定データに基づいて、目的とする構造物、すなわち義歯床の形状を表す構造物データ22を作成する(ステップS2)。
外形生成部5と支持部材生成部7が、作成部15が作成した構造物データ22を用いて、構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を作成する(ステップS3)。
断面生成部9は、支持部材と構造物とで構成される造形物の、互いに平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データ26を生成する(ステップS4)。本実施形態においては、この断面データ26が、目的とする構造物である義歯床を作製するための造形データである。
次に、一例として義歯床を、所要の構造物とした場合の各ステップS1〜S4の詳細な処理について説明する。
(ステップS1 データ入力工程)
ステップS1において、補綴物形状データ作成システム2の測定装置17が、例えば、義歯床を使用する患者の口腔内および顎周辺部を測定することによって得た測定データを作成部15へ入力する。測定データは、例えば、顎堤形状、顎のサイズ、咬合高径(上下顎の間隔)、中心位(中心位置)、ゴシックアーチ等の患者固有の値である。ゴシックアーチは、顎の運動に伴って生じる特定部位の運動経路を描記したものである。顎堤形状は、例えば、点群データ、すなわちXYZ座標値の集まりで表現される。
(ステップS2 形状作成工程)
ステップS2の形状作成工程において、作成部15は、モデル記録部13に記録されたモデル21および測定データに基づいて、構造物データ22を作成する。図3(a)は、作成部15が作成した構造物データ22が表す義歯床の例を示す図である。
作成部15は、測定データのうち、顎のサイズ、咬合高径、ゴシックアーチ等のデータから、製作しようとする義歯床の大まかな形状を決定する。作成部15は、例えば、咬合平面、人工歯配列位置、咬合高径、垂直的顎位、水平的顎位を決定する。また、作成部15は、印象材や顎運動計測データから、上下の顎や歯列の位置関係を決定する。例えば、対合歯(かみ合う相手の歯)、対合歯列の咬合面形態(奥歯のかみ合う面の形)等が決められる。
モデル記録部13に記録されたモデル21は、例えば、咬合器、顎口腔系を再現するためのモデルである。モデル21には、例えば、様々な形状を有する人工歯のデータベースや、基本的または一般的な義歯床の形状を表すモデル等が含まれる。作成部15は、一般的な義歯床の形状を表すモデル21に、上記の測定データより得られた患者特有の値を反映させて、義歯床の大まかな形状を表す義歯床モデルを作成する。
また、作成部15は、測定データに含まれる顎堤形状から、義歯床が顎堤の粘膜と接する面、すなわち粘膜面の形状を定義する。例えば、測定データに含まれる顎堤形状をそのまま義歯床の粘膜面形状とすることができる。また例えば、作成部15は、義歯床モデルに対して、形状粘膜面の通りにトリミングすることで、義歯床モデルにおいて義歯床の顎と接する面の形状を決定することができる。あるいは、必要に応じて顎堤形状と義歯床の間に適切な適合性を持たせるための隙間を設けるために、顎堤形状を表すデータを上方にオフセットして義歯床の粘膜面形状とする事ができる。一般に、顎堤粘膜と義歯床の適切な隙間は約50〜150μm程度であり、この隙間に唾液が介在して吸着効果をもたらすことにより義歯が外れにくく、安定した機能発現が可能になる。
作成部15は、顎堤形状、顎のサイズ等の測定データに基づいて、顎提のアーチ形状および高さ、顎提全体の厚みと曲率等を決定する。さらに、作成部15は、モデル21に含まれる人工歯データベースから適切な形状の人工歯を選択して配列することもできる。
次に、作成部15は、歯肉部の詳細な表面形状を決定する。例えば、歯頸線、辺縁のアール、歯頸線と歯肉の接触角度等を決定する。これらの値に基づいて、作成部15は、例えば、義歯床モデルに歯肉部の表面形状を表すサーフェスを生成することができる。その後、サーフェスのパラメータの調節により歯肉の曲面のふくらみ具合が調整されてもよい。また、必要に応じて部分的な修正が施されてもよい。このようにして、図3(a)に示すような義歯床の形状を表す構造物データ22が生成される。
(ステップS3 支持部材データ生成工程)
ステップS3の支持部材データ生成工程において、外形生成部5と支持部材生成部7が、作成部15が作成した構造物データ22を用いて、構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を作成する。構造物データ22が表す構造物は、例えば、ステップS2で説明した義歯床である。図3(b)は、支持部材生成部7が作成した支持部材データ25が表す支持部材の例を示す図である。図3(b)に示す支持部材は、図3(a)に示す義歯床が積層造形装置100で形成される際に、義歯床を後述する造形テーブル上に支持するための支持部材である。すなわち、図3(b)に示す支持部材の上に、図3(a)に示す構造物である義歯床が形成される。
図4は、支持部材データ25を作成する処理の一例を示すフローチャートである。まず、外形生成部5は、記録部11に記録された構造物データ22を読み込んで、構造物データ22が表す構造物を、基礎平面に対して、造形しやすい向きに回転させる(ステップS11)。基礎平面は、構造物を形成するために積層される造形層の基礎となる平面である。積層造形データ作成システム1における処理においては、基礎平面を例えば、xy平面とすることができる。なお、積層造形装置においては、基礎平面は、例えば、造形テーブルである。
構造物データ22が表す構造物である義歯床が、基礎平面に対してどのような向きで配置されるかによって、基礎平面と構造物との間の空間の形状が変わる。基礎平面と構造物との間の空間の形状が変わると、その空間に配置される支持部材の形状も変わる。そこで、構造物の配置は、支持部材に用いられる材料の量が最小になるような配置、または支持部材および構造物の造形時間が最短になるような配置になるように決定されることが好ましい。このような配置の決定要素のうちどちらかを優先させるか、あるいは両立させるように構造物の基礎平面に対する配置が決定されることが好ましい。
外形生成部5は、例えば、構造物を回転させ、様々な配置において、基礎平面と構造物との間の空間の体積を計算する。外形生成部5は、様々な配置のうち、例えば、前記体積が最小となる状態を、構造物を形成する際の配置として選択することができる。
図5は、構造物データ22が表す構造物31が、xyz座標上に配置された状態を表示する画面の例を示す図である。図5に示す画面において、右上の画像は斜め上から見た構造物31の形状、右下の画像はx軸方向から見た構造物31の形状、左上の画像はz軸方向からみた構造物31の形状、左下の画像はy軸方向から見た構造物31の形状をそれぞれ表している。図5に示す画面におけるxyz座標は、例えば、基礎平面に垂直な方向をz軸に、基礎平面の面をxy平面に対応させた座標とすることができる。なお、図5に示す画面で表示される構造物31の形状は、説明を簡単にするため、義歯床の形状ではなく単純な形状とされている。以下に示す図6〜13においても、図5と同様に、構造物データ22で表される構造物31および支持部材データ25で表される支持部材は単純な形状で表されている。
外形生成部5は、構造物データ22が表す構造物31の基礎平面に対する高さを、造形しやすい適切な高さに設定する(ステップS12)。外形生成部5は、例えば、記録部11に予め設定されている高さを表すデータを、構造物31の基礎平面に対する高さに設定することができる。構造物31の基礎平面に対する高さは、支持部材に用いられる材料の量を少なくするためには、なるべく低い方が好ましい。しかし、構造物が基礎平面に対して低すぎると、支持部材から構造物を取り外しにくくなるので、構造物を取り出しやすい程度の高さを保つことが好ましい。
外形生成部5は、構造物31の形状をz軸方向からxy平面すなわち基礎平面に投影した形の平面を作成する(ステップS13)。図6は、構造物31の形状をxy平面に投影した平面32を表示する画面の例を表す図である。
外形生成部5は、構造物31を投影した平面32と、構造物31との間の空間を、例えば、ルールド面等で埋めてこの空間の外形を生成する。図7は、外形データ24が表す、構造物31と基礎平面(xy平面)との間の空間の外形33を表示する画面の例を表す図である。例えば、構造物31が義歯床である場合、義歯床の粘膜面と義歯床を基礎平面に投影した平面32との間の空間の外形を表すデータが外形データ24となる。外形データ24は、前記空間の周囲全てを囲む外形を表す必要はなく、少なくとも一部の外形を表すデータであればよい。
外形データ24の形式は、例えば、閉じたサーフェスとしてもソリッドとしてもよい。外形データ24の形式は、例えば、外形生成部5の機能を実現するソフトウエアにおいて扱われるデータの形式に依存する。
支持部材生成部7は、外形データ24で表される空間内に、所定の断面形状を有する複数の柱状体または板状体を並べることにより、支持部材34を生成する。支持部材34は、例えば、xy平面に垂直に一定間隔で並べられた複数の柱状体または板状体によって形成される。図8は、xy平面に垂直に等間隔で並べられた柱状体34aを表示する画面の例を表す図である。図8に示す例のように、井桁構造の薄壁の集合体を支持部材34にすることができる。支持部材34は、xy平面に垂直な板形状を縦横に交差させた構造であってもよい。
支持部材生成部7が、支持部材34の形状を表す支持部材データ25を生成する方法として、例えば、論理演算による方法、または、単純に柱状体あるいは板状体を並べて外形データ24が表す外形でトリムする方法等がある。
論理演算により支持部材データ25を生成する方法の一例を説明する。例えば、支持部材生成部7は、支持部材34の外形33を定義する形状(図7参照)のデータと、図8に示すように等間隔に並べられた柱状体34a(図8参照)のデータとで論理積演算する。図9は、柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。論理積演算の結果、外形33と柱状体34aの両方の形状に含まれる部分だけが残って支持部材34の形状が得られる。図10は、支持部材34の形状を表示する画面の例である。図10に示す支持部材34の形状と、目的とする構造物31の形状(図5参照)とを論理和演算することによって、両方の形状が足し算される。その結果、造形しようとする造形物の形状が得られる。このようにして得られる造形物の形状は、目的とする構造物31の形状と支持部材34の形状とが合成された形状である。図11は、目的とする構造物31と支持部材34とで構成される造形物を表示する画面の例を表す図である。図11の画面は、支持部材34の上に構造物31が支持される状態を示している。
次に、トリムにより支持部材データ25を生成する方法の一例を説明する。図8に示すように並べられた柱状体34aに、外形33(図7参照)を重ね合わせてトリムすることにより、支持部材34の形状を表す支持部材データ25が生成される。図9は、柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。支持部材生成部7は、柱状体34aのうち外形33内に含まれる部分以外の部分をトリムすることにより、支持部材34の形状を形成する。トリムされた柱状体34aによって形成された支持部材34の形状は、例えば、図10のように表示される。
このようにして形成された支持部材34の形状は、構造物31を基礎平面上に支持することができる形状である必要がある。図11は、支持部材34の上に構造物31が支持される状態を表示する画面の例を表す図である。図11に示すように、支持部材34は、構造物31の基礎平面(xy平面)側の面を全体的に支持する構造になっている。この構造により、構造物31は、造形過程において、反りにくくなる。
柱状体の断面形状は、正方形か長方形が好ましい。この場合、柱の側面が壁となる。その壁の厚みと、柱状体の断面形状における正方形または長方形の一辺の長さによって、支持部材34の強度が変わる。また、支持部材34に用いられる材料の強度によっても、支持部材34の強度は変わる。支持部材34の求められる強度は、構造物31が造形時に反らない程度であることが好ましい。一方で、壁の厚みを厚くしすぎると、支持部材34が構造物31に接する面積が大きくなり、造形後に、支持部材34を構造物31から除去した際に、支持部材34の残骸が構造物31に残りやすくなる。
したがって、支持部材34を構成する柱状体間の壁の厚みは、構造物31が造形時に反らない程度に厚く、かつ手指で簡単に除去でき、かつ支持部材34除去後も構造物31に残骸が残らない程度に薄くすることが好ましい。支持部材生成部7は、支持部材34に用いられる材料の組成が決まれば、壁の厚みを決めることができる。以下、支持部材34を構成する柱状体の壁の厚みを求める方法の例について説明する。
(支持部材34の壁の厚み計算方法例)
記録部11には、支持部材34に用いられる材料の組成を表す組成データ23が予め記録されていることが好ましい。例えば、構造物31の設計者が、支持部材34に用いる材料の組成を組成データ23に設定してもよい。支持部材生成部7は、設定された組成データ23を基に、支持部材34の壁の厚みを計算により求めることができる。
支持部材生成部7は、反りの生じる方向と大きさを示すデータを、支持部材34の壁の厚みの計算に用いてもよい。
構造物31の反りが、支持部材34を押す方向に力を加えるか、引っ張る方向に力を加えるかによって支持部材34にかかる力の大きさが変わる場合がある。そのため、その力の大きさに応じて、支持部材34の壁の厚さを変えることができる。
反りの生じる方向と大きさは、構造物31の形状によって変化する。例えば、積層造形装置において、各造形層において、ある回の積層で形成される形状と、その次の回の積層形状との形状変化を見た場合、上の(すなわち次の回の)層の形状が大きくなる(アンダーカットになる)か、小さくなる(山状になる)かによって、反りの方向と反る力の大きさが変化する。また、例えば各造形層間における傾斜の程度、傾斜が続く高さの大小などによって反りの発生量と、反ろうとする力の大きさが変化する。
そこで、反りの生じる方向と大きさを示すデータは、例えば、構造物31の形状、材料を表すデータに基づいて算出することができる。また、一定形状のテストピースに生じる反りを測定することによって得られた測定データを計算に用いることもできる。
前記測定データは、例えば、積層造形装置で、一層の厚みにポリマーを散布し、液を射出して膨潤・重合硬化させて一定形状のテストピースを形成し、その際にテストピースに生じる反りの量を計測することによって得られる。また、テストピースを足場なしで造形して、生じた反りを平らにするのに必要な力を測定してもよい。
上記の構造物31の形状、材料を表すデータや、前記測定データは、予め記録部11に記録されていることが好ましい。支持部材生成部7は、これらのデータを用いて、例えば、有限要素法等、一般的な計算方法によって反りの生じる方向と大きさを求めることができる。算出した反りの生じる方向と大きさを表すデータは、支持部材34の壁の厚さを求めるのに用いられる。
また、支持部材生成部7は構造物31の重量配分(例えば、構造物31を平面に投影した場合の単位面積あたりの重さ)を、支持部材34の壁の厚みの計算に用いてもよい。場所によって支持部材34にかかる重さが変化する場合、支持部材34の壁の厚みを場所によって変えられる可能性がある。例えば、支持部材生成部7は、単位面積あたりの重さが大きい部分にある支持部材34の壁の厚みを、他の部分より厚くすることができる。
(支持部材34が構造物31と接する部分の形状の例)
ここで、支持部材34が構造物31と接する部分の形状の例について説明する。支持部材データ25および構造物データ22で表される造形物が、積層造形装置によって造形されると、支持部材34は構造物31から除去される。支持部材34が除去された後の構造物には後加工(検索、研磨、バフがけ)が施され、表面が平滑化される。支持部材34を除去する際に、支持部材34のどの部分で折り取ることができるかは、後加工の作業量や所要時間に大きく影響する。後加工を容易にするためには、構造物31と支持部材34が接する部分の近くが折れることが好ましい。すなわち、支持部材34として、構造物31から除去した時に、その残骸が構造物31に残らないような形状を表す支持部材データ25を生成することが好ましい。
支持部材生成部7は、支持部材34が構造物31と接する部分の面積がなるべく小さくなるように支持部材34の壁の厚みを算出することが好ましい。支持部材34が構造物31と接する部分の面積を小さいと、支持部材34を除去した後に構造物31に残る残骸が少なくなる。
また、支持部材生成部7は、支持部材34を構成する柱状体または板状体と構造物31とが接する部分において、柱状体または板状体の壁の厚みを他の部分よりも薄くすることができる。
また、支持部材生成部7は、構造物31において、支持部材34が接する部分の周辺部を構造物31の内面方向へ窪ませるように構造物データ22を修正してもよい。図12(a)は、支持部材34が接する部分の周辺部を窪ませた場合の支持部材34と構造物31の断面形状を示す図である。図12(a)に示す例では、支持部材34と構造物31が接する部分の周辺部に窪み31aが設けられている。窪み31aの深さは構造物31の厚み以下であることが好ましい。構造物31の破壊防止のためである。
また、窪み31aの大きさは、後処理で解消できる程度であることが好ましい。例えば、構造物31が義歯床である場合、窪み31aの面積が構造物31の表面全体に対して、面積比で30%程度以上にならないことが好ましい。図12(c)は、構造物31が義歯床である場合に、支持部材34を除去し後処理をした義歯床が患者の粘膜に嵌められている状態を示す図である。
図12(c)に示すように、義歯床である構造物31は、患者の粘膜51と隙間hを保って口腔内に嵌められる。隙間hには、唾液が介在する。そのため、窪み31aが構造物31に残っても、唾液介在層の厚みに影響を与えない程度に窪み31aの大きさを設定することが好ましい。すなわち、患者の粘膜51に対する義歯床の適合性に影響を与えない程度に窪み31aの大きさが設定されることが好ましい。
また、支持部材生成部7は、構造物31に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材34を表す支持部材データ25を生成してもよい。図12(b)は、切り欠きを有する支持部材34の断面形状を示す図である。図12(b)に示す例では、支持部材34と構造物31が接する部分の根元に切り欠き34bが設けられている。これにより、支持部材34は、除去されるときに根元に近い切り欠き34a部分で折れやすくなり、残骸を構造物31に残しにくくなる。
なお、支持部材34を構成する柱状体の断面形状は、正方形または長方形に限られない。例えば、円、楕円、菱形、平行四辺形、五角形、正六角形、ひょうたん型等任意の形状の断面形状を持つ柱状体で支持部材34を構成してもよい。すなわち、断面形状として、三角形よりも多くの角を有する多角形、円形や扇形のような曲面を含む形状等が用いられてもよい。また、これらのうち任意の2種類以上の形状が併用されてもよい。
(支持部材34の変形例)
図13および図14は、図10に示す支持部材34の例とは、異なる形状を有する支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。図13に示す支持部材34の形状は、xy平面に垂直な板状体を縦横に交差させた構造であり、それぞれの板状体におけるxy方向の端部が外側へ突出している。図14に示す支持部材34においては、支持部材34を構成する柱状体の断面形状が、x軸に対して略45°の角度を有する辺を持つ正方形となっている。
(ステップS4 断面データ生成工程)
ステップS4において、断面生成部9は、支持部材データ25で表される支持部材34と、構造物データ22で表される構造物31とで構成される造形物の、基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データ26を生成する。
図15は、構造物31である義歯床を、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにする様子を示す図である。断面生成部9は、例えば、図15に示すように、構造物31を所定の間隔(ピッチ)で輪切りにした場合の、各断面における構造物31の2次元の形状を断面データ26として生成する。前記所定の間隔は、構造物31が造形される際の造形層の厚みに応じて決められることが好ましい。
断面データ26は、例えば、各断面の2次元形状をビットマップで表す画像データ群である。各断面の画像において、構造物31に相当する部分は、構造物31が形成される領域であることを示す階調のデータで表される。構造物31を形成する材料または色によって階調を変えて、各断面における構造物31の形状が表されてもよい。図16は、構造物31である義歯床の各断面における画像データの例を示す図である。
断面生成部9は、各断面の2次元形状を表す画像データの解像度が、後述する積層造形装置100におけるインクジェットヘッドの解像度に適合するように、画像データのサイズを補正してもよい。例えば、前記インクジェットヘッドのドット密度が、512ドット/36mm(14.2ドット/mm)である場合、これに合うビット間隔になるように画像データのサイズが補正されることが好ましい。
なお、図15においては、構造物31のみを輪切りする様子が示されているが、構造物31および支持部材34で構成される造形物が輪切りにされた場合の、各断面における構造物31および支持部材34の2次元形状を表す断面データ26が生成されてもよい。また、図16に示すような構造物31のみの各断面における2次元形状を表す画像データではなく、構造物31および支持部材34で構成される造形物の2次元形状を表す画像データが生成されてもよい。
以上のように。実施の形態1においては、構造物の一例として義歯床を造形するためのデータを作成する場合について説明したが、構造物は、義歯床に限らない。例えば、矯正用ブラケット・矯正装置、インレイ、オンレイ、ブリッジ、コア材、インプラント上部構造、局部床義歯、全部床義歯、各種模型、実験用治具、実験用構造材などの歯科用構造材、人工歯、マウスガード、顎間接症やブラキシズムの治療用ステント、嚥下障害緩和・改善・解消用ステント、歯牙漂白や殺菌、薬浴などの治療行為に用いる薬液保持用ステント、可撤性咬合面保護部材、各種のスプリント、術前評価などに用いられる顎骨形状模型、インプラント埋入時に用いる方向・位置決め用治具を構造物とすることができる。さらに、構造物は、歯科用材に限られず、他の分野における任意の形状の構造物を目的とする構造物とすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成される断面データ26と、積層造形装置100とを用いて、例えば、義歯床等のような構造物を製造するための製造方法に関する。積層造形装置100は、造形テーブル上に、その層の一部を選択的に硬化させた造形層を積層することによって所望の造形物を製作する装置である。
図17は、積層造形装置100の概略構成を示す斜視図である。図17において、互いに直交する水平方向軸をX軸およびY軸、上下方向軸をZ軸とする。図17に示すように、積層造形装置100は、造形テーブル110、升120、粉体フィーダ130、液剤フィーダ140、掻き取り部材150、光源160を備える。図11では、構造を理解しやすくするために、升120が二点鎖線で示され、その中の造形テーブル110が透視されるように図示されている。
造形テーブル110は、Z軸方向に昇降可能であり。升120は、造形テーブル110の水平方向の周囲を取り囲む壁を備える。粉体フィーダ130は、粉体を造形テーブル110上に散布する。液剤フィーダ140は、液剤を造形テーブル110上に射出する。掻き取り部材150は、造形テーブル110上に散布された粉体の上面を平面にならす。光源160は、射出された液剤を光重合させるための光線を放出する。
積層造形装置100は、コンピュータ(図示せず)を備える。このコンピュータは、所定の制御プログラムに基づいて、造形テーブル110、粉体フィーダ130、液剤フィーダ140、掻き取り部材150および光源160の動作を制御する。
粉体フィーダ130は、Y軸方向において、造形テーブル110の寸法と略同一幅の粉体散布幅を有する。粉体フィーダ130は、粉体を散布しながらX軸方向に移動することにより、造形テーブル110の全面に粉体を散布する。
粉体フィーダ130は、例えば、スライダ(図示せず)によって、X軸方向に移動させられる。前記コンピュータは、前記スライダを駆動するためのドライバに制御信号を送ることによって、粉体フィーダ130を制御することができる。
掻き取り部材150は、その下端にY軸方向に延びた掻き取り端縁151を有する。掻き取り端縁151を升120の上面122に摺動させながら、掻き取り部材150はX軸方向に移動する。掻き取り部材150は、例えば、スライダ(図示せず)によって、X軸方向へ移動させられる。
液剤フィーダ140は、例えば、インクジェットヘッドである。液剤フィーダ140は、一軸案内機構148によりY軸方向に移動する。そして、この一軸案内機構148は図示しない駆動機構によりX軸方向へ駆動される。すなわち、液剤フィーダ140は、造形テーブル110上をX軸方向およびY軸方向に走査しながら、所望する位置にて造形テーブル110に向かって液剤を射出する。積層造形装置100は、例えば、一軸案内機構148において液剤フィーダ140をY軸方向へ移動するYスライダ(図示せず)と、液剤フィーダ140をX軸方向へ移動させるXスライダ(図示せず)を備えてもよい。
この液剤フィーダ140の動作は、前記コンピュータによって制御される。前記コンピュータは、前記Xスライダおよび前記Yスライダを駆動するためのドライバに制御信号を送ることによって液剤フィーダ140を制御する。また、コンピュータは、例えば、造形データ作成システム1で生成された断面データ26等に基づいて、液剤フィーダ140が液剤を射出する位置を制御することできる。
造形テーブル110は、図示しない駆動機構により一定ピッチで下降される。この1ピッチが、造形テーブル110上に積層される粉体の1層の厚さに対応する。すなわち、1ピッチに相当する厚さずつ、造形テーブル110上に粉体が積層されていく。造形テーブル110は、例えば、スライダ(図示せず)によって、上下方向へ移動させられる。
次に、積層造形装置100が、造形物を製造する方法について図18を用いて詳細に説明する。
図18(A)は、造形テーブル110上にすでに粉体による造形層が、複数層(図では2層)積層された状態を示している。図18(A)に示す状態において、造形テーブル110上の堆積された複数の造形層のうち最上層171は、液剤の固化により形成された固結部172を含む。最上層171の1つ前に堆積された造形層173も、液剤の固化により形成された固結部174を含む。
図18(A)に示す状態において、粉体フィーダ130は、X軸方向に移動しながら、そのスリット132から造形テーブル110上に粉体134を散布する。
次に、図18(B)に示すように、掻き取り部材150が、X軸方向に移動して、粉体134の上面を升120の上面122と同一の高さに規制する。これにより最上層171上に、均一の厚みを持つ粉体層175が形成される。
次いで、図18(C)に示すように液剤フィーダ140が移動しながら、粉体層175中の造形物を形成する位置に向かって液剤を射出する。液剤が射出される位置は、断面データ26に基づいて制御される。例えば、断面データ26が表す断面形状を、粉体層175に形成するように、液剤フィーダ140が液剤を射出する。その結果、粉体層175において、断面データ26で表される断面形状が形成される。
次いで、図18(D)に示すように、光源160により光を照射して、粉体層175に付与された液剤を重合させ固化させる。液剤が固化する際、液剤が付与された領域内の粉体が一体化される。かくして、粉体層175中に固結部177が形成される。形成される固結部177の形状は、断面データ26によって表されたある1つ断面における断面形状である。
次いで、造形テーブル110を所定のピッチだけ降下させて、上記の図18(A)〜図18(D)に示す動作を行う。上記の図18(A)〜図18(D)に示す動作を、断面データ26に含まれる断面それぞれについて順次繰り返す。
最後に、造形テーブル110の未固結の粉体を除去することにより、図18(E)に示すように、固結部174、172、177等が一体となった造形物を得ることができる。
以上の工程を、例えば、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成された断面データ26を用いて行うことにより、構造物31およびそれを支持する支持部材34が一体となった造形物を製造することができる。
以上のような、積層造形装置100の動作は、積層造形装置100が備えるコンピュータが所定の制御プログラムに基づいて積層造形装置100を制御することによって実行することができる。以下、図18に示す動作を実現するための制御プログラムによる制御の一例を説明する。図19は、制御プログラムによって制御される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、コンピュータは、造形テーブル110のスライダを駆動するためのドライバに制御信号を送って、造形テーブル110を造形開始位置に移動させる(ステップS21)。造形テーブル110が所定の位置に配置されると、コンピュータは、粉体フィーダ130に移動を開始させる(ステップS22)。コンピュータは、例えば、粉体フィーダ130のスライダを駆動させるドライバに制御信号を送ることにより、粉体フィーダ130を移動させることができる。
コンピュータは、粉体フィーダ130の移動開始後一定時間が経過したら、粉体フィーダ130の撒布口を開く(ステップS23)。コンピュータは前記一定時間経過後に粉体フィーダ130が一定速度に達し、加速度がゼロになったと判断することができる。
粉体フィーダ130が撒布口を開いて、粉体134を撒布し始めてから一定距離を移動した時点(あるいは一定時間経過した時点)で、コンピュータは、粉体フィーダ130の撒布口を閉じる(ステップS24)。その後、コンピュータは、粉体フィーダ130の移動を止めて(ステップS25)、待避場所に戻す(ステップS26)。
次に、コンピュータは、液剤射出パターンを表すデータを読み込む(ステップS27)。液剤射出パターンは、例えば、断面データ26が表すある一断面における断面形状である。コンピュータは、液剤フィーダ140の移動を開始する(ステップS28)。移動開始後、一定時間経過した時点で、コンピュータは、液剤フィーダ140が一定速度に達し、その加速度がゼロになったと判断して、液剤の射出を開始する。液剤の射出は、ステップS27で読み込んだデータに従って行われる。一断面分の射出が終了すると、コンピュータは液剤フィーダ140の移動を止める(ステップS30)。
コンピュータは、射出した液剤の量が、予め設定されている量に達しているか否か判断する(ステップS31)。液剤の量が設定されている量に達していない場合(ステップS31でNOの場合)、ステップS28〜S31の処理が再度実行される。このように、液剤量が多く設定されている場合はステップS28〜31を複数回繰り返すことで、所定の液剤量を射出することができる。
ステップS31でYESの場合、コンピュータは、液剤フィーダ140を退避位置に戻し(ステップS32)、造形テーブル110を積層ピッチ1回分下降する(ステップS33)。コンピュータは、全積層分について終了するまで、ステップS21〜33の処理を繰り返す(ステップS34)。すなわち、ステップS21〜33までの処理は必要な回数繰り返される。以上が、図18に示す動作を実現するための制御プログラムによる制御の一例である。
図19に示す処理において、ステップS27で読み込む断面データ26として、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成されたデータを用いることができる。造形データ作成システム1で作成されたデータを用いることによって、構造物31およびそれを支持する支持部材34が一体となった造形物が製造される。構造物31は、支持部材34に支持された状態で形成されるので、形成過程で反りが生じにくい。また、支持部材34は、簡単に構造物31から除去でき、かつ構造物31に残骸が残りにくい形状になっている。
支持部材34を除去した後の構造物31は、外周全面に渡って高さ方向に一回の積層厚み分の段差が生じる。また、インクジェットヘッドの解像度や吐出液量と、粉体(ポリマー)の粒子径の組み合わせ等によって、平面方向で細かなぎざぎざが生じる事がある。
例えば、構造物31が、義歯床である場合、その粘膜面は平滑ではなく、造形後の後処理(検索、研磨、バフがけ)の実施が必須となる。積層造形装置100において、造形データ作成システム1で作成された断面データ26を用いて形成される義歯床は、形成過程で反りが生じにくく、かつ支持部材34を除去しても残骸が残りにくい。そのため、後処理によって、義歯床の粘膜面を容易に平滑化することができる。また、粘膜面の適合精度も実用上十分なレベルにできる可能性が高い。
なお、実施の形態1および2においては、光による重合硬化によって造形層を生成する方法を例示したが、化学重合による硬化によって造形層を生成する方法を用いることも可能である。
化学重合による硬化による方法においては、例えば、粉体に重合開始材を配合しておき、液剤に3級アミンなどの還元剤を配合しておくと、粉体と液剤が混ざったときにラジカルが発生して重合が始まる。この方法を用いると粉体と液剤を撒布した後に光を当てなくても数十秒から数十分の間に粉体と液剤が重合硬化する。例えば、配合した重合触媒の量や重合防止剤の量、材料組成中の重合性モノマーの修理や量を調整することによって、目的の硬化時間を調整することができる。
また、実施の形態2においては、積層造形装置100が、粉体を積層して層の一部を固化することによって造形物を製造する方法について説明したが、造形層を積層することによって造形物を製造する方法は、粉体を積層する方法に限られない。例えば、光硬化樹脂を積層して、光を照射することによって層の一部を固化する光造形方法や、シート材を積層してその一部をカットする方法等、他の積層造形方法を用いることができる。
また、実施の形態2における積層造形装置100の造形テーブル110に、例えば、テーブル面に平行な回転軸を設けて、造形テーブル110のテーブル面が、上下逆さまになるように回転可能な構成とすることができる。この回転可能な造形テーブル110を使用して積層造形を行う場合の動作の例を説明する。まず、硬化させたい部分に液剤が射出され、次に粉体が一層撒布される。このとき、液剤が射出された部分に撒布された粉体のみが液剤と接触して硬化する。その後、一旦造形テーブルが回転して粉体が撒布された面が逆さまになることにより、硬化しなかった粉体は重力によって落下する。このような動作を繰り返すことにより積層造形が行われる。
本実施の形態1における造形データ作成システムの構成を表す機能ブロック図である。 造形データを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、作成部15が作成した構造物データが表す義歯床の例を示す図である。支持部材生成部7が作成した支持部材データが表す支持部材の例を示す図である。 支持部材データを作成する処理の一例を示すフローチャートである。 構造物データ22が表す構造物31が、xyz座標上に配置された状態を表示する画面の例を示す図である。 構造物31の形状をxy平面に投影した平面32を表示する画面の例を表す図である。 外形データが表す外形33を表示する画面の例を表す図である。 xy平面に垂直に等間隔で並べられた柱状体34aを表示する画面の例を表す図である。 柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。 トリムされた柱状体34aによって形成された支持部材34の形状を表示する画面の例である。 支持部材34の上に構造物31が支持される状態を表示する画面の例を表す図である。 (a)は、支持部材34が接する部分の周辺部を窪ませた場合の支持部材34と構造物31の断面形状を示す図である。(b)は、切り欠きを有する支持部材34の断面形状を示す図である。(c)は、構造物31が義歯床である場合に、支持部材34を除去した義歯床が患者の粘膜に嵌められている状態を示す図である。 支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。 支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。 構造物31である義歯床を、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにする様子を示す図である。 構造物31である義歯床の各断面における画像データの例を示す図である。 積層造形装置100の概略構成を示す斜視図である。 積層造形装置100を用いた造形物の製造方法を工程順に示した断面図である。 制御プログラムによって制御される処理の一例を示すフローチャートである。 従来の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。
符号の説明
1 造形データ作成システム
2 補綴物形状データ作成システム
3 入力部
4 出力部
5 外形生成部
7 支持部材生成部
9 断面生成部
11 記録部
22 構造物データ
23 組成データ
24 外形データ
25 支持部材データ
26 断面データ
31 構造物
32 平面
33 外形
34 支持部材
41 造形テーブル
42 粉体フィーダ
43 インクジェットヘッド
100 積層造形装置
110 造形テーブル
120 升
122 上面
130 粉体フィーダ
132 スリット
134 粉体
140 液剤フィーダ
148 一軸案内機構
150 掻き取り部材
151 掻き取り端縁
160 光源
171 最上層
172 固結部
173 粉体層
174 固結部
175 粉体層
176 液剤が付された部分
177 固結部


Claims (11)

  1. その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、
    前記支持部材と、前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備え、
    前記支持部材生成部は、前記構造物において、前記支持部材が接する部分の周辺部を構造物の内面方向へ窪ませるように前記構造物データを修正する、造形データ作成システム。
  2. 前記支持部材データは、前記基礎平面に対して垂直に設けられた複数の板状体または柱状体で形成される支持部材を表す、請求項1に記載の造形データ作成システム。
  3. 前記支持部材データは、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みが、前記構造物に接する部分において、他の部分に比べて小さくなっている前記支持部材を表す、請求項2に記載の造形データ作成システム。
  4. 前記支持部材生成部は、前記構造物に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材を表す支持部材データを生成する、請求項2に記載の造形データ作成システム。
  5. 前記支持部材に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部をさらに備え、
    前記支持部材生成部は、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求める、請求項2に記載の造形データ作成システム。
  6. 前記支持部材生成部は、前記構造物が前記支持部材に与える力の分布を、構造物データを用いて計算し、該分布に基づいて前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求める、請求項2に記載の造形データ作成システム。
  7. 前記外形生成部は、前記構造物の様々な配置において前記構造物と前記基礎平面上との間にできる空間の体積を計算し、様々な配置のうち当該体積が最小になる配置を、前記構造物を形成する際の配置に決定し、前記構造物と前記基礎平面との間にできる空間の外形を表す外形データを生成する、請求項1に記載の造形データ作成システム。
  8. 前記構造物は、口腔内の補綴物であり、前記構造物データは、前記口腔内またはその周辺部を測定することによって得られた測定データを基に生成されたデータである、請求項1に記載の造形データ作成システム。
  9. 請求項1に記載の造形データ作成システムで作成される前記断面データと、前記積層造形装置とを用いて前記構造物を製造するための製造方法であって、
    前記積層造形装置が備える上下に移動可能な造形テーブル上に、所定の厚みの造形層を
    形成する層形成工程と、
    前記造形層の少なくとも一部であって、前記断面データが表す断面形状に応じた形状の部分を硬化させる硬化工程と、
    前記造形テーブルを前記所定の厚み分降下させる降下工程と、
    前記層形成工程、前記硬化工程および前記降下工程を、前記断面データが表す前記複数の平面それぞれについて順次繰り返すことによって、前記造形層を積層する積層工程と、
    前記積層工程で積層された前記造形層において、前記硬化工程で硬化された部分以外の部分を除去することによって、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持された状態の前記構造物を形成する除去工程とを備える製造方法。
  10. その層の一部を選択的に硬化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記硬化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられるデータであって、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成処理と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理と、
    前記構造物において、前記支持部材が接する部分の周辺部を構造物の内面方向へ窪ませるように前記構造物データを修正する処理とをコンピュータに実行させる造形データ作成プログラム。
  11. 前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを生成する断面生成処理をさらにコンピュータに実行させる、請求項10に記載の造形データ作成プログラム。
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