JP4751041B2 - 曲面変形装置、曲面変形プログラム及び記録媒体 - Google Patents

曲面変形装置、曲面変形プログラム及び記録媒体 Download PDF

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本発明は、曲面変形装置及び曲面変形方法に関し、さらに詳しくは、トリム曲面の母曲面に対して境界曲線列で定義された有効領域が著しく小さい場合に、その領域にあわせて母曲面を小さく変形する曲面変形方法に関するものである。
従来からコンピュータを利用して曲面を表現する場合、平面や球面をはじめとする自然2次曲面は代数式などで表現することが可能である。しかし、それ以外の形状では、2つのパラメータ変数で定義される曲面式で表現するのが一般的であり、その代表格がB−Spline曲面である。この2つのパラメータ変数で表現された曲面は、4本の境界で構成され、四角形状の領域を表現するのが典型となる。
従来技術として特開2003−150654公報には、1つまたは複数のトリム境界曲線によって曲面の有効領域が示されるトリム曲面について、その曲面をU、V方向それぞれに指定された分割数で等パラメータ間隔に分割して小矩形領域を生成し、その小矩形領域が前記曲面の有効領域内に存在するか否かを判定しておき、この前記曲面の有効領域外と判定された小矩形領域については数値積分の計算対象から除外して計算した前記小矩形領域におけるパラメータ区間内の数値積分値の総和を前記曲面に関する積分値とするマスプロパティ計算装置について開示されている。
また特開2003−271682公報には、縮退パラメータ曲線を検出した後、周期的パラメータ曲線列を検出し、次いで、対象となる点に対するパラメータ点を計算し、周期的パラメータ曲線を用いたパラメータ点の正規化を行なうことにより、パラメータ点を求めるパラメータ生成方法について開示されている。
特開2003−150654公報 特開2003−271682公報
しかし、表したい形状によっては、4本の境界のいずれかが縮退した(長さが0になった)三角形状の曲面が用いられることもある。そのような曲面は、工業製品などの設計データで比較的良く用いられる一方で、境界が縮退した部分について、法線計算方法など数学的に取扱いが難しく、一旦そのような曲面を生成すると、それを変形したりそれをもとに別の曲面形状を生成することが困難となるという問題があった。
また特許文献1に開示されている従来技術は、小矩形領域におけるパラメータ区間内の数値積分値の総和を曲面に関する積分値として計算するので、計算に時間がかかるといった問題がある。
また特許文献2に開示されている従来技術は、周期的パラメータ曲線を用いたパラメータ点の正規化を行なうので、計算が難しくなる。
本発明は、かかる課題に鑑み、トリム曲面に関して、母曲面に対して境界曲線列で定義された有効領域が著しく小さい場合に、その領域にあわせて母曲面を小さく変形する曲面変形装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、曲面の形式、曲面の幾何情報、および前記形式で表現された曲面の全体領域に対して有効領域の境界を定義する閉曲線列データを含む曲面データを記憶手段より取り出す曲面入力手段と、取り出された前記曲面データに含まれる幾何情報を構成する閉曲線列と前記曲面データに含まれる閉曲線列データとの間に一部でも一致しない箇所がある場合に、前記有効領域がトリム曲面であると判定するトリム曲面判定手段と、前記有効領域がトリム曲面である場合に、前記有効領域を囲む四角形の部分領域を前記全体領域から抽出する曲面部分領域抽出手段と、前記曲面データに含まれる前記曲面の幾何情報を前記部分領域の境界線に沿って分割し、前記幾何情報を分割後の幾何情報に置き換える母曲面置換手段と、を含み、前記四角形の部分領域は、前記曲面データに含まれる前記閉曲線列データを構成する各曲線の凸包を求め、該凸包を構成する線分の始点に対して、前記曲面におけるパラメータ上の位置を求め、該求めたパラメータ上の位置のうちの最小値および最大値に相当する4本の等パラメータ線で囲まれるものであることを特徴とする。
本発明は曲面入力手段により曲面を入力し、その曲面をトリム曲面判定手段により判定した結果トリム曲面であれば、曲面部分領域抽出手段により有効領域を囲む曲面の部分領域を抽出して母曲面置換手段によりトリム曲面の母曲面の置換を行う。
請求項2は、曲面入力手段が、曲面の形式、曲面の幾何情報、および前記形式で表現された曲面の全体領域に対して有効領域の境界を定義する閉曲線列データを含む曲面データを記憶手段より取り出すステップと、トリム曲面判定手段が、取り出された前記曲面データに含まれる幾何情報を構成する閉曲線列と前記曲面データに含まれる閉曲線列データとの間に一部でも一致しない箇所がある場合に、前記有効領域がトリム曲面であると判定するステップと、曲面部分領域抽出手段が、前記有効領域がトリム曲面である場合に、前記有効領域を囲む四角形の部分領域を前記全体領域から抽出するステップと、母曲面置換手段が、前記曲面データに含まれる前記曲面の幾何情報を前記部分領域の境界線に沿って分割し、前記幾何情報を分割後の幾何情報に置き換えるステップと、を含み、前記四角形の部分領域が、前記曲面データに含まれる前記閉曲線列データを構成する各曲線の凸包を求め、該凸包を構成する線分の始点に対して、前記曲面におけるパラメータ上の位置を求め、該求めたパラメータ上の位置のうちの最小値および最大値に相当する4本の等パラメータ線で囲まれるものである曲面変形方法をコンピュータ制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
請求項3は、請求項2に記載の曲面変形プログラムをコンピュータ読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
請求項の発明によれば、曲面入力手段により曲面を入力し、その曲面をトリム曲面判定手段により判定した結果トリム曲面であれば、曲面部分領域抽出手段により有効領域を囲む曲面の部分領域を抽出して母曲面置換手段によりトリム曲面の母曲面の置換を行うので、容易に特異形状部分を除去できる上に、本来の形状の部分領域に相当する形状となるため、本来の形状と完全に等価な形状を得ることもできる
た請求項では、本発明の曲面変形方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
また請求項では、曲面変形プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。

以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は一般的な計算機装置のシステム構成を表す図である。この計算機装置100は図1に示す如く、データ等の演算や処理を行う中央処理ユニット(CPU)1と、プログラムやデータ等を記憶するメモリ2と、プログラムやデータ等を人のキー操作に基づき入力するキーボード3と、プログラムやデータ等を印字出力するプリンタ4と、図形などを画面上に表示する画像表示装置(CRT)5と、そのCRT5の画面上に表示した、一般にマウスカーソルと呼ばれる目印を人の操作に基づき移動させると共に、その移動に基づくデータを入力するためのポインティングデバイスであるマウス6と、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の記憶媒体を収容する補助記憶装置7と、それらを相互に接続するバスライン8とを備えて構成される。尚、メモリ2や補助記憶装置7内に記憶された複合電子文書は、CRT5に表示され、キーボード3やマウス6のようなインターフェースを用いて編集することができる。
図2は本発明の曲面変形装置の構成図である。この曲面変形装置200は、曲面を入力する曲面入力手段10と、この曲面入力手段10により入力した曲面がトリム曲面であるか否かを判定するトリム曲面判定手段11と、トリム曲面の四角形をなす曲面である母曲面について、有効領域を囲む四角形の部分領域を抽出する曲面部分領域抽出手段12と、トリム曲面の母曲面を部分領域を表す曲面に置き換える母曲面置換手段13と、マウス、キーボード、CRT等の入出力手段を備えた入出力装置14と、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の記憶媒体を収容する外部記憶装置15と、を備えて構成される。
本実施形態は曲面入力手段10により曲面を入力し、その曲面をトリム曲面判定手段11により判定した結果トリム曲面であれば、曲面部分領域抽出手段12により有効領域を囲む曲面の部分領域を抽出して母曲面置換手段13によりトリム曲面の母曲面の置換を行う。これらの動作は外部記憶装置15を介して入出力装置14によりオペレータにより実行される。
図3は本発明の実施例を表す図である。図3(a)は大きく湾曲した曲面20を湾曲度の小さいより平坦な曲面21に置換した例である。図3(b)は縮退辺22を持つトリム面の母曲面23(三角形面)を縮退辺のない曲面24(四角形面)に置換した例である。
図4は本発明の実施例における曲面変形方法を説明するフローチャートである。この説明では2つのパラメータ変数u,vによる形式で表現された曲面(例えばB−Spline曲面)を対象とした場合の詳細を記す。尚、各パラメータ変数の値域は0.0以上1.0以下とする。
まず曲面の入力を行う(S1)。これは格納された曲面データを外部記憶装置から取り出す。また曲面データは、少なくとも以下の要素で構成される。(1)曲面形式のタイプ(例えば、B−Spline)、(2)(1)で示された形式で表現された曲面の幾何情報、(3)上記曲面形式で表現された曲面の全体領域に対して、有効範囲の境界を定義する閉曲線列データ、(3)の閉曲線列データは、先頭の曲線の始点と末尾の曲線の終点が一致した一連の曲線のデータで構成される。各曲線データは、曲面に関する上記(1)および(2)に相当する曲線形式のタイプおよびその形式で表現された曲線の幾何情報で構成される。
次に曲面がトリム曲面であるか否かの判定を行う(S2)。これは曲面データの構成要素(2)(曲面の幾何情報)そのものの4本の曲線からなる閉曲線列と、構成要素(3)の閉曲線列が一致するか否かを調べ、全体または一部でも一致しない箇所があれば、トリム曲面と判定する。なお、構成要素(3)にデータが格納されていない場合には、(3)は曲面データの構成要素(2)(曲面の幾何情報)そのものの4本の曲線からなる閉曲線列と一致するものとみなし、トリム曲面ではないものとして扱う。
次に有効領域を囲む曲面の部分境域を抽出する(S3)。これはパラメータ変数u,vで表現された全領域(u=0.0,u=1.0,v=0.0,v=1.0に相当する4本の境界によって囲まれた領域)のうち、曲面データを構成する要素(3)の閉曲線列を囲むのに十分な領域を求める。この部分領域は、例えば下記の手順で求めることができる。曲面データの構成要素(3)を構成する各曲線Ciに対して、以下の処理を行う。曲線Ciの凸包Biを求める。曲線Ciの凸包Biを構成する線分Ljの始点pjに対して、曲面におけるパラメータ上の位置(uj、vj)を求める。このようにして得たuj、vjのうちの最小値および最大値umin、umax、vmin、vmaxに対して、u=umin,u=umax,v=vmin,v=vmax(0.0≦umin、umax、vmin、vmax≦1.0)に相当する4本の等パラメータ線で囲まれる四角形領域が、求めようとする部分領域である。
次にステップS3により部分領域が抽出できたか否かを判定し(S4)抽出できると(S4でYESのルート)トリム曲面の母曲面の置換を行う(S5)。これは曲面データの構成要素(2)について、得られた4本の等パラメータ線に沿って分割する。曲面データの構成要素(2)の内容を、分割後の幾何情報に置き換える。
尚、ステップS2で曲面がトリム曲面でない場合とステップS4で部分領域が抽出できなかった場合は、そのまま終了する。
このように曲面入力手段10により曲面を入力し、その曲面をトリム曲面判定手段11により判定した結果トリム曲面であれば、曲面部分領域抽出手段12により有効領域を囲む曲面の部分領域を抽出して母曲面置換手段13によりトリム曲面の母曲面の置換を行うので、容易に特異形状部分を除去できる上に、本来の形状の部分領域に相当する形状となるため、本来の形状と完全に等価な形状を得ることもできる。また、曲面部分領域抽出手段12は、母曲面上で最も外側の境界曲線列にあわせて四角形の部分領域を表す曲面を求めることにより曲面部分領域を抽出するので、その領域にあわせて母曲面を小さく変形することで、特異形状部分を除外した曲面を得ることが可能となる。また、部分領域を表す曲面は、母曲面が2つのパラメータ変数でパラメータ表現された自由曲面である場合に、母曲面上で最も外側の境界曲線列を囲む最も内側に位置する4本の等パラメータ線で囲まれる領域であるので、その領域にあわせて母曲面を小さく変形することで、特異形状部分を除外した曲面を得ることが可能となる。
一般的な計算機装置のシステム構成を表す図。 本発明の曲面変形装置の構成図。 (a)は大きく湾曲した曲面を湾曲度の小さいより平坦な曲面に置換した例を示す図、(b)は縮退辺を持つトリム面の母曲面(三角形面)を縮退辺のない曲面(四角形面)に置換した例を示す図。 本発明の実施例における曲面変形方法を説明するフローチャート。
符号の説明
10 曲面入力手段、11 トリム曲面判定手段、12 曲面部分領域抽出手段、13 母曲面置換手段、14 入出力装置、15 外部記憶装置、200 曲面変形装置

Claims (3)

  1. 曲面の形式、曲面の幾何情報、および前記形式で表現された曲面の全体領域に対して有効領域の境界を定義する閉曲線列データを含む曲面データを記憶手段より取り出す曲面入力手段と、
    取り出された前記曲面データに含まれる幾何情報を構成する閉曲線列と前記曲面データに含まれる閉曲線列データとの間に一部でも一致しない箇所がある場合に、前記有効領域がトリム曲面であると判定するトリム曲面判定手段と、
    前記有効領域がトリム曲面である場合に、前記有効領域を囲む四角形の部分領域を前記全体領域から抽出する曲面部分領域抽出手段と、
    前記曲面データに含まれる前記曲面の幾何情報を前記部分領域の境界線に沿って分割し、前記幾何情報を分割後の幾何情報に置き換える母曲面置換手段と、を含み、
    前記四角形の部分領域は、前記曲面データに含まれる前記閉曲線列データを構成する各曲線の凸包を求め、該凸包を構成する線分の始点に対して、前記曲面におけるパラメータ上の位置を求め、該求めたパラメータ上の位置のうちの最小値および最大値に相当する4本の等パラメータ線で囲まれるものであることを特徴とする曲面変形装置。
  2. 曲面入力手段が、曲面の形式、曲面の幾何情報、および前記形式で表現された曲面の全体領域に対して有効領域の境界を定義する閉曲線列データを含む曲面データを記憶手段より取り出すステップと、
    トリム曲面判定手段が、取り出された前記曲面データに含まれる幾何情報を構成する閉曲線列と前記曲面データに含まれる閉曲線列データとの間に一部でも一致しない箇所がある場合に、前記有効領域がトリム曲面であると判定するステップと、
    曲面部分領域抽出手段が、前記有効領域がトリム曲面である場合に、前記有効領域を囲む四角形の部分領域を前記全体領域から抽出するステップと、
    母曲面置換手段が、前記曲面データに含まれる前記曲面の幾何情報を前記部分領域の境界線に沿って分割し、前記幾何情報を分割後の幾何情報に置き換えるステップと、を含み、
    前記四角形の部分領域が、前記曲面データに含まれる前記閉曲線列データを構成する各曲線の凸包を求め、該凸包を構成する線分の始点に対して、前記曲面におけるパラメータ上の位置を求め、該求めたパラメータ上の位置のうちの最小値および最大値に相当する4本の等パラメータ線で囲まれるものである曲面変形方法をコンピュータ制御可能にプログラミングしたことを特徴とする曲面変形プログラム。
  3. 請求項2に記載の曲面変形プログラムをコンピュータ読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
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