JP4750764B2 - 半導体光変調器 - Google Patents

半導体光変調器 Download PDF

Info

Publication number
JP4750764B2
JP4750764B2 JP2007201473A JP2007201473A JP4750764B2 JP 4750764 B2 JP4750764 B2 JP 4750764B2 JP 2007201473 A JP2007201473 A JP 2007201473A JP 2007201473 A JP2007201473 A JP 2007201473A JP 4750764 B2 JP4750764 B2 JP 4750764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
optical modulator
semiconductor layer
resistance
modulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007201473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009037013A (ja
Inventor
光映 石川
順裕 菊池
健 都築
泰夫 柴田
洋 八坂
忠夫 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Electronics Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
NTT Electronics Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Electronics Corp, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical NTT Electronics Corp
Priority to JP2007201473A priority Critical patent/JP4750764B2/ja
Publication of JP2009037013A publication Critical patent/JP2009037013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4750764B2 publication Critical patent/JP4750764B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は半導体光変調器に関し、特に光ファイバ通信に使用する超高速の半導体光変調器に適用して有用なものである。
長距離波長多重光通信システムにおいて使用される光信号は、ファイバ分散効果の影響を抑えるため、波長チャープが小さいことが要求される。このような光信号は、通常、レーザダイオード光源と外部変調器を組み合わせた構成で発生される。この種の典型的な外部変調器は、LiNbO3(LN)導波路で製作されるLN変調器である。LN変調器の動作原理は、光導波路と電気導波路を結合させて、電気信号入力により電気−光学効果に基づく屈折率変化を誘起し、光信号に位相変化を与えることによるものである。このようなLN変調器には、単純な光位相変調器の他に、マッハツェンダ干渉計を構成した光強度変調器、あるいは多数の導波路を結合させてより高機能の光強度/位相変調器として動作するデバイスなどがある。
また、LN変調器と同様の動作原理を用いた半導体光変調器も存在する。例えば、半絶縁性のGaAsにショットキー電極を配置し、光電子導波路としたGaAs光変調器や、ヘテロpn接合を用いて、光の閉じ込めと共に導波路のコア部分に効果的に電圧が印加されるようにしたInP/InGaAsP光変調器などがある。
斎藤 冨士郎 他、「超高速光デバイス」第6章、共立出版(1998) 都築 健 他、「n-i-n 構造マッハツェンダ光変調器の開発」、電子情報通信学会論文誌 VOL.J88−C No.2, p 83 (2005)
半導体光変調器は小型であるという利点を持つ反面、静電気が帯電した人体や装置と接触して電気サージを受けた場合により狭い領域にエネルギー集中が起こり、静電破壊を受け易いという問題があった。
図9に従来例として、電圧駆動型の半導体光変調器素子の模式図を示す。図9に示す半導体光変調器は、半導体基板1上に、光導波路2、変調信号入出力電極3、変調用電極4、グランド電極5を作製してなるものである。本例において半導体光変調器は、マッハツェンダ型干渉計を構成した光強度変調器となっている。光導波路2に導入された光は、途中で2分岐される。2分岐された光導波路2上に作製された変調用電極4は、光導波路2下にあるグランド層との間に変調信号に応じた電界を発生させ、電気−光学効果により位相変調を行う。分岐して位相変調された光は再び1つの光導波路2に合波され、干渉効果により位相変調から強度変調に変換されることとなる。
変調信号入出力電極3は変調用電極4に接続されており、変調信号を効率的に変調用電極4まで導く構造を採る。途中の信号損失を避けるために、変調信号入出力電極3とグランド電極5間は電気的には絶縁設計となっている。一方、変調用電極4は、電気・光の相互作用部に当たるため、グランド電極5との間は、高抵抗ではあるが(数kΩ〜数10MΩ)電気的な相互作用を持つ。また、変調効率を高めるために狭い領域に電界が集中する構造となっている。その結果、変調信号入出力電極3もしくは変調用電極4と、グランド電極5との間に電気サージ入力があった場合、変調用電極4下において素子がダメージを受けることになる。サージ試験で、図9の矢印Aのように変調信号入出力電極3からサージパルスを印加し、実際に図9のB部の変調用電極4下(変調領域)において素子ダメージを確認した。
従って、本発明では、電気サージによる変調領域の破壊を防止し、サージ耐性を向上した半導体光変調器を提供することを目的とする。
上記目的を達成する第1発明の半導体光変調器は、半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により光変調を行う半導体光変調器であって、前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が電気抵抗体として機能し、
且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であることを特徴とする。
また、第2発明の半導体光変調器は、半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により変調を行う半導体光変調器であって、前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が直列接続された電気抵抗体と電気容量体として機能し、
且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であることを特徴とする。
また、第発明の半導体光変調器は、第1または発明の何れかの半導体光変調器において、
前記電気的接続機能部は前記半導体基板上に設けた高抵抗半導体層であり、この高抵抗半導体層が前記電気抵抗体として機能することを特徴とする。
また、第発明の半導体光変調器は、第発明の半導体光変調器において、
前記高抵抗半導体層の電気抵抗率が、前記半導体基板の電気抵抗率よりも低いことを特徴とする。
また、第発明の半導体光変調器は、第または第発明の半導体光変調器において、
前記高抵抗半導体層が、ルテニウムドーピングを行った半絶縁半導体層であることを特徴とする。
また、第発明の半導体光変調器は、第または第発明の半導体光変調器において、
前記高抵抗半導体層が、元素打ち込みにより高抵抗化した半導体層であることを特徴とする。
また、第発明の半導体光変調器は、第1〜第発明の何れかの半導体変調器において、前記光変調に電気−光学効果による屈折率変化を利用することを特徴とする。
また、第8発明の半導体光変調器は、半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により光変調を行う半導体光変調器であって、
前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が電気抵抗体として機能し、且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であること、
前記半導体基板上に設けた光導波路を有し、前記電気的接続機能部が、この光導波路上に位置しないこと、
を特徴とする。
本発明の半導体光変調器によれば、光変調に供する電極間を電気的に接続しかつ電気抵抗体として機能する電気的接続機能部、または、光変調に供する電極間を電気的に接続しかつ直列接続された電気抵抗体と電気容量体として機能する電気的接続機能部を、前記半導体基板上に備え、且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であることにより、電気サージ耐力の高い光半導体変調器を実現することが可能である。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態例に係る半導体光変調器素子の構成図である。この図1には請求項1及び請求項に係る発明の実施形態を示す。
本半導体光変調器の基本となる構成および動作原理は、図9に示す従来例の半導体光変調器と同様である。概要を説明すると、本実施形態例の半導体光変調器も、半導体基板1上に、光導波路2、変調信号入出力電極3、変調用電極4、グランド電極5を作製してなるものであり、マッハツェンダ型干渉計を構成した光強度変調器となっている。変調信号入出力電極3は変調用電極4に接続されており、変調信号を効率的に変調用電極4まで導く構造となっている。光導波路2に導入された光は、途中で2分岐され、この2分岐された光導波路2上に作製された変調用電極4は、光導波路2下にあるグランド層との間に変調信号に応じた電界を発生させ、電気−光学効果により位相変調を行う。分岐して位相変調された光は再び1つの光導波路2に合波され、干渉効果により位相変調から強度変調に変換されることとなる。
そして、本半導体光変調器の従来例との比較における特徴は、変調信号入出力電極3とグランド電極5の間に、これらを電気的に接続する高抵抗領域6を設けていることにある。すなわち、この高抵抗領域6が、光変調に供する電極間を電気的に接続しかつ電気抵抗体として機能する電気的接続機能部となっている。ここで、高抵抗領域とは「高電気抵抗の領域」を意味し、請求項記載の「変調に供する電極」には、変調信号入出力電極3、変調用電極4、ならびに、グランド電極5が該当する。すなわち、変調信号入出力電極3および変調用電極4と、グランド電極5との間が、高抵抗領域6により、電気抵抗を持って接続されることになる。
図1では、高抵抗領域6の様々な実施形態の例として3種類の高抵抗領域形状を示している(高抵抗領域6−1,6−2,6−3)。高抵抗領域6−1は、変調信号伝達の経路となる変調信号入出力電極3(入力)、変調用電極4、変調信号入出力電極3(出力)の全てに渡って、グランド電極5との接続を行っているものである。
請求項に係る発明を具体化した実施形態例として、変調信号入出力電極3とグランド電極5間のみを接続し、変調用電極4とは接触しない高抵抗領域6−2,6−3を示す。これらの高抵抗領域6−2,6−3は光導波路2上に位置しないため、これらの高抵抗領域6−2,6−3とは独立して変調領域(変調用電極4およびその下部構造)の最適化設計が可能であり、仮にサージや経年劣化により高抵抗領域が変化した場合にも変調領域への影響回避が可能となる効果が得られる。高抵抗領域は、最適な抵抗値となるように材料や形状の設計を行い、変調信号入出力電極3の途中までカバーする高抵抗領域6−2、変調信号入出力電極3のパッド部に相当する一部分3aとその両側にあるグランド電極5の一方とをつなぐ高抵抗領域6−3のように形状が決定される。特に高抵抗領域6−3は、高周波の変調信号への影響が非常に少ない構造となっている。
以上に関し、請求項に係る発明の実施形態例として、本半導体光変調器の断面構造を図2(図1のC−C´線矢視断面図)に示す。図2の断面構造においては、まず、半絶縁性の半導体基板1上に有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、高抵抗領域6−2を形成するための高抵抗半導体層6A、n型半導体層8Aの順に積層する。n型半導体層8Aは抵抗を低く抑えるべくn型ドーパントを高濃度でドーピングした層である。その後、高抵抗半導体層6A及びn型半導体層8Aをインピーダンス整合を考慮して決められた寸法(n型半導体層8A−1、および8A−1と8A−2間の距離)となるようエッチング加工する。すなわち、高抵抗半導体層6Aは高抵抗半導体層6A−1と高抵抗半導体層6A−2とに分離し、n型半導体層8Aは高抵抗半導体層6A−1上のn型半導体層8A−1と高抵抗半導体層6A−2上のn型半導体層8A−2とに分離する。更に、高抵抗半導体層6A−2上部に積層されたn型半導体層8A−2は、高抵抗半導体層6A−2よりも短い幅の形状となるようにエッチング加工を行う。これらの加工では、半導体基板1、高抵抗半導体層6A、n型半導体層8Aの半導体組成によるエッチング速度の違いを利用してエッチング深さの制御を行っている。
続いて、n型半導体層8A−1上からn型半導体層8A−1の側部(高抵抗半導体層6A−1,6A−2間)にわたって、絶縁膜7Aの堆積加工をした後、変調信号入出力電極3およびグランド電極5を形成した。ここで、グランド電極5はn型半導体層8A−1上に形成されており、変調信号入出力電極3は絶縁膜7A上から絶縁膜7Aの側部にわたって形成され、グランド電極5の層下にn型半導体層8A−2を介して連なる高抵抗半導体層6A−2と接続されている。その結果、電気抵抗体(サージ保護回路)として機能する図2のE部の高抵抗半導体層6A−2を介して、変調信号用電極3とグランド電極5とが電気的に接続されている。
すなわち、この高抵抗半導体層6A−2(E部)が、光変調に供する電極3,5間を電気的に接続しかつ電気抵抗体として機能する電気的接続機能部(高抵抗領域6−2)となっている。なお、高抵抗領域6−1,6−3も、この高抵抗領域6−2と同様に形成することができる。
通常、高抵抗半導体層6A(6A−2)は、様々な実現法が考えられ、ドーピング無しとする構成の他に、キャリア補償のための不純物を加えたり、低濃度のn型もしくはp型ドーパントを加えて作製してもよい。特に、高抵抗半導体層6A(6A−2)を、ルテニウムドーピングを行った半絶縁半導体層としたものが請求項に係る発明の実施形態例に該当し、プロトンなどを元素打ち込み(インプランテーション)して高抵抗化した場合が請求項に係る発明の実施形態例となる。
また、高抵抗半導体層6A(6A−2)の電気抵抗率を半導体基板1の抵抗率よりも低く設定したものが、請求項に係る発明の実施形態例に相当する。このように高抵抗半導体層6A(高抵抗領域6)の電気抵抗率を半導体基板1の抵抗率よりも低く設定することにより、半導体基板1を介した電流リークが低減されることで、サージ保護回路における電気抵抗体の抵抗値は高抵抗半導体層6A(6A−2)に大きく依存することとなる。その結果、高抵抗半導体層6A(6A−2)の設計に基づいて制御性よくサージ保護回路の電気抵抗体を作製することが可能となる。
図3は本発明の他の実施形態例に係る半導体光変調器の構成図である。この図3には請求項2、請求項、および、請求項に係る発明の実施形態例を示す。
本半導体光変調器の基本となる構成および動作原理も、図9,図1に示す半導体光変調器と同様である。概要を説明すると、本実施形態例の半導体光変調器も、半導体基板1上に、光導波路2、変調信号入出力電極3、変調用電極4、グランド電極5を作製してなるものであり、マッハツェンダ型干渉計を構成した光強度変調器となっている。変調信号入出力電極3は変調用電極4に接続されており、変調信号を効率的に変調用電極4まで導く構造となっている。光導波路2に導入された光は、途中で2分岐され、この2分岐された光導波路2上に作製された変調用電極4は、光導波路2下にあるグランド層との間に変調信号に応じた電界を発生させ、電気−光学効果により位相変調を行う。分岐して位相変調された光は再び1つの光導波路2に合波され、干渉効果により位相変調から強度変調に変換されることとなる。
そして、本半導体光変調器の従来例との比較における特徴は、変調信号入出力電極3とグランド電極5の間に、これらを電気的に接続する、直列接続された高抵抗領域6と電気容量領域10(図3中の破線領域)を設けていることにある。すなわち、この直列接続された高抵抗領域6と電気容量領域10が、光変調に供する電極間を電気的に接続しかつ直列接続された電気抵抗体として機能する電気的接続機能部となっている。即ち、本半導体光変調器では、図1の実施形態例と同様のサージ保護回路の電気抵抗体と直列に電気容量体を集積している。なお、図3には図1の高抵抗領域6−3と同種形状の高抵抗領域6に電気容量領域10を直列接続した例を示しているが、これに限らず、高抵抗領域6−1,6−2と同種形状の高抵抗領域6に高抵抗領域10を直列接続してもよい。
より詳しくは、請求項に係る発明の実施形態例として、本半導体光変調器の断面構造を図4(図3のD−D′線矢視断面図)に示す。図4の断面構造においては、図2の実施形態例と同様に、まず、半絶縁性の半導体基板1上に有機気相堆積(MOVPE)法を用いて高抵抗半導体層6B、n型半導体層8Bの順に積層する。n型半導体層8Bは抵抗を低く抑えるべくn型ドーパントを高濃度でドーピングした層である。その後、高抵抗半導体層6及びn型半導体層8をインピーダンス整合を考慮して決められた寸法(n型半導体層8B−1、および8B−1と8B−2間の距離)となるようエッチング加工する。すなわち、高抵抗半導体層6Bは高抵抗半導体層6B−1と高抵抗半導体層6B−2と高抵抗半導体層6B−3とに分離し、n型半導体層8Bは高抵抗半導体層6B−1上のn型半導体層8B−1と高抵抗半導体層6B−2上のn型半導体層8B−2と高抵抗半導体層6B−3上のn型半導体層8B−3とに分離する。更に、高抵抗半導体層6B−2上部に積層されたn型半導体層8A−2は、高抵抗半導体層6B−2よりも短い幅の形状となるようエッチング加工を行う。これらの加工では、半導体基板1、高抵抗半導体層6B、n型半導体層8Bの半導体組成によるエッチング速度の違いを利用してエッチング深さの制御を行っている。
続いて、n型半導体層8B−1上からn型半導体層8B−1の側部(高抵抗半導体層6B−1,6B−2間)にわたって、絶縁膜7B−1を堆積加工し、かつ、n型半導体層8B−2上からn型半導体層8B−2の側部(変調信号入出力電極3とn型半導体層8B−2の間と、高抵抗半導体層6B−2およびn型半導体層8B−2と高抵抗半導体層6B−3およびn型半導体層8B−3の間)にわたって、絶縁膜7B−2を堆積加工する。これらの絶縁膜7B−1,7B−2の領域形成の後、変調信号入出力電極3およびグランド電極5を形成した。ここで、グランド電極5は絶縁膜7B−1上からn型半導体層8B−3上にわたって形成されており、変調信号入出力電極3は絶縁膜7B−1上から絶縁膜7B−1の側部にわたって形成され、グランド電極5の層下に絶縁膜7B−2及びn型半導体層8B−2を介して連なる高抵抗半導体層6B−2と接続されている。
その結果、電気抵抗体(サージ保護回路)として機能する図4のF部の高抵抗半導体層6B−2と、これに直列接続された電気容量体として機能する図4のG部の領域を介して、変調信号用電極3とグランド電極5とが電気的に接続されている。G部の電気容量体は、グランド電極5とn型半導体層8B−2とを2つの電極とし、これらの電極間に挟まれた絶縁層7B−2を中間誘電体とする平行平板コンデンサを構成している。
すなわち、この直列接続された高抵抗半導体層6B−2(F部)と平行平板コンデンサ(G部)が、光変調に供する電極3,5間を電気的に接続しかつ直列接続された電気抵抗体と電気容量体として機能する電気的接続機能部(高抵抗領域6及び電気容量領域10)となっている。サージ保護回路の電気抵抗体と直列に電気容量体が配置されることで、サージ保護回路の電気抵抗体を介した電流リークを抑制することが可能となる。
なお、高抵抗半導体層6B(6B−2)も、前述の高抵抗半導体層6A(6A−2)と同様、様々な実現法が考えられ、ドーピング無しとする構成の他に、キャリア補償のための不純物を加えたり、低濃度のn型もしくはp型ドーパントを加えて作製してもよく、特に、高抵抗半導体層6B(6B−2)を、ルテニウムドーピングを行った半絶縁半導体層としたものが請求項に係る発明の実施形態例に該当し、プロトンなどを元素打ち込み(インプランテーション)して高抵抗化した場合が請求項に係る発明の実施形態例となる。また、高抵抗半導体層6B(6B−2)の電気抵抗率を半導体基板1の抵抗率よりも低く設定したものが、請求項に係る発明の実施形態例に相当する。
次に、図1および図3に示す実施形態例の半導体光変調器素子のサージ対策効果についてシミュレーション実験を行った結果を示す。サージ源として人体モデル(100pFのコンデンサと1.5kΩの抵抗を直列接続したモデル)を採用した。以下ではサージ保護回路に含まれる電気抵抗体を保護抵抗、電気容量体を保護容量と呼ぶ。実用的な値を考慮し、本計算においては、保護抵抗値10kΩ、保護容量値100pFを採用した。サージ保護回路なしの場合に、時間0において半導体光変調器素子に加わるサージ電圧、もしくは、サージパワーを基準に規格化したサージ電圧およびサージパワーをそれぞれ図5と図6に示す。サージ保護回路によるサージ電圧/パワーのピーク値低減、および、サージパルス幅の大幅な短縮が認められ、サージ対策効果が確認された。
半導体光変調器素子が破壊されるに至るエネルギーが一定との仮定の下に見積もったサージ耐圧の保護抵抗依存性を図7に示す。図7の縦軸は、サージ保護回路なしの場合のサージ耐圧を1とし、その何倍のサージ電圧に耐えられるかを示している。図7の横軸は、保護抵抗なしの場合の変調器抵抗値で規格化した保護抵抗値を示す。サージ保護回路なしの場合に比べて2倍のサージ耐圧を得るためには、サージ保護回路なしの場合の変調器抵抗値の30%以下となるように保護抵抗値を選ぶ必要がある。例えば、変調器抵抗が1MΩの場合は、300kΩ以下とする必要がある。半導体光変調器は、何らかのダイオード特性を持ち、順方向では十分にインピーダンスが低いため、サージ保護が不要な場合がある。このときには、逆方向バイアス時の変調器抵抗の30%以下とすればよい(請求項1,2,8)。
図7が示すように、保護抵抗が低いほど、サージ保護の効果は高い。しかしながら、保護抵抗が低い場合、回路インピーダンスが小さくなるため、電気反射が起こり変調信号が変調領域に到達しにくくなる問題がある。図8は、保護抵抗値の下限を見積もるために実施したシミュレーション実験の結果である。図8の縦軸は、サージ保護回路なしの場合を基準として示した変調領域まで到達する信号強度比を示し、図8の横軸は、高周波線路の特性インピーダンスで規格化した保護抵抗値である。信号の損失を1dB以内に抑えるためには、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスに対して4倍以上の保護抵抗値を選ぶ必要がある(請求項1,2,8)。請求項1,2,8記載の「給電に用いる高周波線路」とは、光半導体変調器素子に変調信号(高周波信号)を供給するための、同軸ケーブル、コプレーナ型電気導波路、マイクロストリップライン型電気導波路、導波管等の高周波信号線路等を指す。さらには、光半導体変調器素子上に高周波線路が設置されている場合にはその高周波線路も含まれるが、全てほぼ同じ値となるように設計するため、これらのいずれかの特性インピーダンスの4倍以上とすればよい。例えば、一般的に用いられる特性インピーダンス50Ωの系では、200Ω以上の保護抵抗値とする必要がある。
以上、本発明について具体的にいくつかの実施形態例に基づいて説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。以上の実施形態例では、チップ作製までしか示していないが、実際の光通信応用においては、入出力用の光ファイバを取り付けた光モジュールの形に実装して使用することが想定される。また、同一モジュール内に半導体光変調器素子と波長可変レーザ素子を内蔵した波長可変変調光源モジュールとしての使用も期待される。
本発明の実施形態例に係る半導体光変調器素子(電気抵抗体を設けた場合の例)の構成図である。 前記半導体光変調器素子の断面構造を示す図(図1のC−C´線矢視断面図)である。 本発明の他の実施形態例に係る半導体光変調器素子(電気抵抗体+電気容量体を設け場合の例)の構成図である。 前記半導体光変調器素子の断面構造を示す図(図2のD−D´線矢視断面図)である。 半導体光変調器素子における規格化サージ電圧の時間応答を示す図である。 半導体光変調器素子における規格化サージパワーの時間応答を示す図である。 半導体光変調器素子における保護回路抵抗と規格化サージ耐圧の関係を示す図である。 半導体光変調器素子における保護回路抵抗と信号到達率の関係を示す図である。 従来例の半導体光変調器素子の構成図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 光導波路
3 変調信号入出力電極
3a 変調信号入出力電極の一部分(パッド部)
4 変調用電極
5 グランド電極
6,6−1,6−2,6−3 高抵抗領域
6A,6A−1,6A−2,6B,6B−1,6B−2,60B−3 高抵抗半導体層
7A,7B,7B−1,7B−2 絶縁膜
8A,8A−1,8A−2,8B,8B−1,8B−2,8B−3 n型半導体層
10 電気容量領域

Claims (8)

  1. 半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により光変調を行う半導体光変調器であって、前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が電気抵抗体として機能し、
    且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であることを特徴とする半導体光変調器。
  2. 半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により変調を行う半導体光変調器であって、前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が直列接続された電気抵抗体と電気容量体として機能し、
    且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であることを特徴とする半導体光変調器。
  3. 請求項1または2に記載の半導体光変調器において、
    前記電気的接続機能部は前記半導体基板上に設けた高抵抗半導体層を有してなるものであり、この高抵抗半導体層が前記電気抵抗体として機能することを特徴とする半導体光変調器。
  4. 請求項に記載の半導体光変調器において、
    前記高抵抗半導体層の電気抵抗率が、前記半導体基板の電気抵抗率よりも低いことを特徴とする半導体光変調器。
  5. 請求項またはに記載の半導体光変調器において、
    前記高抵抗半導体層が、ルテニウムドーピングを行った半絶縁半導体層であることを特徴とする半導体光変調器。
  6. 請求項またはに記載の半導体光変調器において、
    前記高抵抗半導体層が、元素打ち込みにより高抵抗化した半導体層であることを特徴とする半導体光変調器。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の半導体変調器において、
    前記光変調に電気−光学効果による屈折率変化を利用することを特徴とする半導体光変調器。
  8. 半導体基板上に形成され、電圧もしくは電流により光変調を行う半導体光変調器であって、
    前記光変調に供する電極間を電気的に接続する機能を有する電気的接続機能部を前記半導体基板上に備え、この電気的接続機能部が電気抵抗体として機能し、且つ、前記電気的接続機能部の電気抵抗値が、駆動電圧もしくは駆動電流の給電に用いる高周波線路の特性インピーダンスの4倍以上で、且つ、逆方向バイアス時の変調器抵抗値の30%以下であること、
    前記半導体基板上に設けた光導波路を有し、前記電気的接続機能部が、この光導波路上に位置しないこと、
    を特徴とする半導体光変調器。
JP2007201473A 2007-08-02 2007-08-02 半導体光変調器 Active JP4750764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007201473A JP4750764B2 (ja) 2007-08-02 2007-08-02 半導体光変調器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007201473A JP4750764B2 (ja) 2007-08-02 2007-08-02 半導体光変調器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009037013A JP2009037013A (ja) 2009-02-19
JP4750764B2 true JP4750764B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=40438981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007201473A Active JP4750764B2 (ja) 2007-08-02 2007-08-02 半導体光変調器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4750764B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5118166B2 (ja) * 2010-03-19 2013-01-16 日本電信電話株式会社 サージ保護機能内蔵型半導体光変調器及びその製造方法
JP6408963B2 (ja) * 2015-07-10 2018-10-17 日本電信電話株式会社 半導体光変調器及びその製造方法
JP6639375B2 (ja) * 2016-02-08 2020-02-05 三菱電機株式会社 光変調器
US9927677B2 (en) * 2016-06-10 2018-03-27 Huawei Technologies Co. Ltd. Optical interferometer device tolerant to inaccuracy in doping overlay

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11186661A (ja) * 1997-12-24 1999-07-09 Hitachi Ltd 変調器付半導体レーザ
JP2000124541A (ja) * 1998-10-21 2000-04-28 Hitachi Ltd 半導体レーザおよび半導体レーザモジュール
JP3801550B2 (ja) * 2002-09-12 2006-07-26 ユーディナデバイス株式会社 光変調器及びその製造方法
JP4357438B2 (ja) * 2005-03-08 2009-11-04 日本電信電話株式会社 半導体光変調器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009037013A (ja) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3306381B1 (en) Semiconductor optical modulation element
US8149493B2 (en) Electro-optic silicon modulator
US9429774B2 (en) Optic modulator and method of manufacturing the same
US8548281B2 (en) Electro-optic modulating device
US8401344B2 (en) Semiconductor optical modulator and optical modulating apparatus
JP2015191068A (ja) 光変調器の出力モニター方法および出力モニター装置
JPWO2006095776A1 (ja) 半導体光変調器
US20070127534A1 (en) Complex optical device
JP2012053399A (ja) 光変調素子
KR20120026318A (ko) 광전 소자 및 그를 구비한 마흐-젠더 광변조기
JP4750764B2 (ja) 半導体光変調器
JP6939411B2 (ja) 半導体光素子
Dhiman Silicon photonics: a review
JP6002066B2 (ja) 半導体光変調素子
JP2005116644A (ja) 半導体光電子導波路
EP3921697B1 (en) Improved building block for electro-optical integrated indium-phosphide based phase modulator
JP4105618B2 (ja) 半導体光変調導波路
US5920419A (en) Quantum well electro-optical modulator
Lim Electro-absorption modulator integrated lasers with enhanced signal injection efficiency
EP1849037B1 (en) Optical modulator
JP4961732B2 (ja) 光変調器集積光源
CN113960814A (zh) 硅光调制器及其形成方法
JP4283079B2 (ja) 半導体光電子導波路
Dogru et al. Ultra wide bandwidth electro-optic intensity modulators with 0.46 V-cm modulation efficiency at 1550 nm

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4750764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250