JP4750069B2 - 保守用車自動停止装置 - Google Patents
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Description
この運転者による見落としや、誤認等の人的ミスによる割出し事故防止のため、特許文献4〜6において、電波を使用した自動停止機能を有する割出防止装置が提案されている。
この提案では、該保守用車に対し送信する地上送信機に特定小電力無線機を使用することにより、該保守用車の進行方向が非開通のため強制停止した場合にも、分岐器の転換情報の伝達が容易となり、運転者の目視確認に頼ることなく、制動を解除できるものとなり、併せて保守用車が地上子上を通過後に分岐器が転換されて非開通状態となった場合にも、当該車両を自動停止させることができ、割出し事故を未然に防止できるものとなる。
本発明は、上記従来の引用文献1〜8に記載の課題を解決した上記先願の保守用車自動停止装置の上記の機能を確保すると共に、保守用車の編成如何に拘わらず、渡り線を安全に渡れるようにした保守用車自動停止装置を提供することを目的とする。
に存する。
図1は、一般分岐器の場合の地上装置の配置を示す平面図である。参照符号1は地上制御ボックス、2は分岐器Pの作動モーター、3は作動モーター2の動作杆、4は、分岐器Pの作動モーター2の動作杆3に取り付けられ、該動作杆3の動きを検出する検知部を示す。更に詳細には、該検知部4は、該分岐器Pの開閉に伴い一定位置を移動する該動作杆3の動きを検出し、該検知部4と有線で電気的に接続された地上制御ボックス1内蔵の制御回路に該分岐器Pの開通方向を伝達する。該地上制御ボックス1は、通過中の保守用車との間で無線方式での情報の伝達が可能な送受信装置及び制御回路を内蔵し、太陽電池と蓄電池の独立電源方式とすることにより、該分岐器Pの作動モーター2から有線で接続できる場所であり、日中、太陽光が充分に照射される場所であれば、どこに設置しても良い。また、分岐器Pの前端X方向で分岐器Pのトングレールの先端付近の軌間内枕木上には前端用地上子5を、該分岐器Pの後端Y,Z方向で、該分岐器Pから車両の制動距離を充分に考慮した距離、例えば、100m程度離れた位置の軌間内枕木上には、夫々後端用地上子6,6を設置するものとする。これらの地上子5,6,6には、予め該分岐器Pの識別番号及び分岐区分並びに通過位置情報を書き込んだRF-IDタグを収納し、直上を通過する車上装置を搭載した保守用車に無線方式でこれらの情報を伝達できるものとする。
この磁気スイッチ16,17のON,OFF状態を有線にて該地上制御ボックス1に伝達し、分岐器Pの開通方向情報として記憶するものとする。
昼間、夜間に拘わらず、保守用車7が、該保守用車7に搭載したアンテナ8からマイクロ波を送信しつつ、図1に示す分岐器Pの後端Y又はZ方向から分岐器Pに向かい進入し、該アンテナ8が地上子6の直上を通過すると、該地上子6はマイクロ波を受信し、そのエネルギーを用いて、内蔵のRF-IDタグに書き込まれている、一般分岐器か横取り装置か又は車輪止め装置かを識別する分岐器区分及び分岐器番号並びに分岐器の通過位置情報を該アンテナ8に向けて送信する。この分岐器区分及び分岐器番号並びに通過位置情報は、該アンテナ8を経由して有線でスキャナ10に伝達され、情報処理された後、同じく有線で車内制御ボックス12へ伝達される。該車内制御ボックス12では、この分岐器区分及び分岐器番号情報並びに通過位置情報が伝達されると、予め該車内制御ボックス12に設定されている保守用車識別番号と併せて、例えば特定小電力無線方式の内蔵送信機により地上制御ボックス1へ送信する。この送信電波を該地上制御ボックス1内蔵の例えば特定小電力無線方式の受信機が受信すると、受信制御回路内において受信した分岐器区分及び分岐器番号が、予め該地上制御ボックス1に読み込まれている分岐器区分及び分岐器番号と一致するか否かを判断し、一致していない場合は、他分岐器への情報と判断して何も動作せず、一致する場合は、これらの情報の他、同電波に含まれる保守用車識別番号と分岐器の通過位置情報を記憶すると同時に、検知部4から得られる分岐器の開通方向情報を記憶する。この検知部4から分岐器Pの開通方向情報を入手する方法は以下の通りである。
この送信電波を車内制御ボックス12に内蔵の例えば特定小電力無線方式の受信機が受信すると、受信制御回路内において、受信した保守用車識別番号が、予め該車内制御ボックス12に読み込まれている保守用車識別番号と一致するか否かを判断し、一致していない場合は、他車両への情報と判断して何も動作せず、一致する場合は、これらの情報の他、同電波に含まれる分岐器区分、分岐器番号、通過位置情報及び分岐器開通方向情報並びに開通−非開通情報を記憶する。
一方、上記照合結果が非開通で不一致の場合は、該車内表示ボックス11の非開通ボタン20を点灯させると共に、制動装置13に対し制動信号を送出して、該保守用車7に自動制動をかける。尚、この場合、該車内制御ボックス12に内蔵のスピーカーで、例えば「分岐器が非開通です」等の音声にて制動理由を知らしめることも可能である。
地上制御ボックス1では、該保守用車7が分岐器Pを通過(前端X方向に設置された前端地上子5上を通過)するまで、常時分岐器の開通方向情報を監視し、開通方向が変化した場合には、上記の無線方式にて車内制御ボックス12へ伝達する。これを受けて、車内制御ボックス12では、分岐器Pの転換を知り、非開通状態は解除され、開通状態となったことを認識し、該車内表示ボックス11の非開通ランプ20を消灯させ、開通ボタン19を点滅させる。但、この段階では制動は解除されず、運転者が点滅している該開通ボタン19を押すことにより、制動が解除され、該開通ボタン19が連続点灯に変化する。
また、該保守用車7の進行方向が開通状態で走行中に分岐器Pが転換されて非開通状態となった場合は、該車内表示ボックス11の開通ボタン19が消灯し、非開通ボタン20が点灯すると共に、制動装置13に対し、制動信号を送出することができる。
尚、該保守用車7が分岐器P前端X方向から進入する場合は、前端地上子5上を通過しても、後端地上子6上を通過しても全く反応せず、車内表示ボックス11の表示も変化しないものとする。
以上が出願人が先に提案した保守用車自動停止装置の実施の1例であるが、この装置の利用範囲を拡大するべく、本発明は、保守用車7がその車両の編成の如何に拘わらず、渡り線を安全に走行することができる自動制御システムを備えた保守用車自動停止装置を提供するものである。
即ち、例えば、編成車両の先端から車上装置の搭載位置まで距離が例えば100mで、渡り線の両端の分岐器間の距離が80m以下と短い場合に、その編成車両がそのいずれか一方の一端の分岐器から他端の分岐器へ渡る場合に、その車上位置がその一端の分岐器を通過する以前に、その車両の先端が該他端の分岐器を通過してしまい、該他端の分岐器が非開通の場合には割出し事故を生ずる惧れがある。従って、本発明は、これを予防するため、該車両の先端が、該他端の分岐器を通過する以前に、その分岐器から充分の距離を置いて、例えば、その分岐器から少なくとも100mの位置で、該車上装置により該分岐器の開通状態を知るようにし、保守用車7が渡り線を安全に渡ることができるようにする走行制御システムを開発したものである。
その実施の形態の1例を図6に示す。図6は、X方向の本線とZ方向の本線間を渡る渡り線(図中Y方向)の両端に分岐器A及び分岐器Bを配設し、該保守用車7がZ方向から走行し、渡り線を渡る場合を示す。同図において、該分岐器Aのトングレールの前方には軌間内に前端用地上子28を設置し、該分岐器Bのトングレールの後方には軌間内に後端用地上子29を設置し、夫々の地上子28,29は、前記の図1に示す前端用地上子5と同様の構成機能を有する。該分岐器Aを構成する作動モーター31、動作杆32及び検知部33及び該検知器33に接続する地上制御ボックス30及び該分岐器Bを構成する作動モーター35、動作杆36及び検知部37及び該検知部37に接続する地上制御ボックス34は、夫々前記の図1に示す該分岐器Pを構成する作動モーター2、動作杆3及び検知部4及び該検知部4に接続する地上制御ボックス1と同じ機能を有する。該分岐器A及び該分岐器Bの夫々の後方の軌間に設置した地上子38及び39は夫々、図1に示す後端用地上子6,6と同様の機能を有する。
1 地上制御ボックス
2 分岐器モーター
3 動作杆
4 検知部
5 前端地上子
6 後端地上子
7 保守用車両
8 アンテナ
9 同軸ケーブル
10 スキャナ
11 車内表示ボックス
12 車内制御ボックス
13 制動装置
15 磁石
16 磁気スイッチ
17 磁気スイッチ
28 分岐器A側の前端用地上子
29 分岐器B側の後端用地上子
30 分岐器A側の地上制御ボックス
34 分岐器B側の地上制御ボックス
Claims (1)
- 地上装置は、鉄道線路における分岐器の開通方向を検知する検知手段と、該検知手段からの分岐器の開通方向情報を、保守用車の車内制御ボックスとの間で無線方式により伝達する送受信機を備えた地上制御ボックスと、分岐器の後端位置に設置され、予め分岐器の通過位置情報を書き込んだRF-IDタグ内蔵の地上子とを有し、保守用車は、前記地上子の直上を通過するとき、該地上子に書き込まれた分岐器の通過位置情報を読み取る読取り装置及びその分岐器の通過位置情報を、前記地上制御ボックスとの間で無線方式により伝達する送受信機を搭載して成り、保守用車は地上制御ボックスへ保守用車識別番号と合わせて、分岐器区分及び分岐器識別番号並びに通過位置情報を送信し、これを受信した地上制御ボックスは、受信した分岐器区分及び分岐器識別番号が予め読み込まれている分岐器区分及び分岐器識別番号と一致するか否かを判断するようにし、地上制御ボックスの送受信機と車内制御ボックスの送受信機との間で行われる情報伝達により、保守用車が分岐器後端から進入する際に得られる分岐器の通過位置情報と地上制御ボックスからの分岐器の開通方向情報とを車内制御ボックスにおいて対比判断し、その判断が不整合と判断したときに、自動的に保守用車に制動をかけるようにして成る保守用車自動停止装置において、両端に分岐器を配設した渡り線において、地上装置は、平行する鉄道線路間を渡る渡り線Yの両端に配設した分岐器A,Bと、夫々の分岐器A,Bのトングレールを作動する動作杆の動き、即ち、開通方向を検知する検知器33,37と、夫々の検知器33,37から夫々の分岐器A,Bの開通方向を検知し、且つ保守用車7との間で無線方式で情報を送受信する地上制御ボックス30,34と、分岐器Aのトングレールの前方に軌道内に予め分岐器Aの識別番号と通過位置情報を書き込んだRF-IDタグ内蔵し、且つ識別番号を有する前端用地上子28と、分岐器Bのトングレールの後方に軌道内に予め分岐器Bの識別番号と通過位置情報を書き込んだRF-IDを内蔵し且つ識別番号を有する後端用地上子29とを配設して成り、保守用車7に搭載した車上装置は車体の下部にRF-ID用アンテナ8、前端用地上子28及び後端用地上子29内臓のRF-IDタグから情報を読み取るためのマイクロ波を送出し、読み取った情報を車内制御ボックス12に伝達するスキャナ10と車内表示ボックス11と制動装置13とを有し、保守用車7が、前端用地上子28又は後端用地上子29の直上を通過するとき、夫々の地上子に書き込まれた分岐器A又はBの通過位置情報を読み取る読取り装置及びその夫々の分岐器A,Bの通過位置情報を、前記地上制御ボックス30又は34との間で無線方式により伝達する送受信機を搭載して成り、更に、地上制御ボックス30,34には、夫々渡り線があることを示す夫々の識別番号を付与すると共に、保守用車が一方の分岐器A又はBから他方の分岐器B又はAへ渡る方向において、分岐器Aの前端用地上子28に分岐器Bの後端用地上子29としての機能を付与すると共に、分岐器Bの後端用地上子29に分岐器Aの前端用地上子28としての機能を付与し、保守用車7に地上ボックス30及び34の識別番号を感知する装置を具備し、その感知した信号を地上制御ボックス34又は40に送信するようにし、保守用車7が分岐器Aの後端地上子29(又は28)の機能を兼ねる前端地上子28(又は29)を通過する際に該車上装置により、分岐器A(又はB)が渡り側に開通していることを地上制御ボックス34(又は30)からの情報により確認し、これにより、通過位置情報と開通方向情報とが一致した場合は、車内表示ボックス11の開通ボタン19を点滅させ、渡り線が開通状態であることを表示し、分岐器Bが渡り側に非開通であることを地上制御ボックス30(又は34)からの情報により通過位置情報と開通方向情報が一致しない場合は、車内表示ボックス11の非開通ボタン20を点滅させ、渡り線が開通状態であることを表示するので、これを押し制御信号を送出して保守用車7に自動制御をかけるようにしたことを特徴とする保守用車自動停止装置。
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