以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護する保護ガラスが嵌められたガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。また、前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う装飾ランプ16が設けられている。また、外枠11の下部には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく音声演出を行うスピーカ17が設けられている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類としている。本実施形態の可変表示器Hは、図柄組み合わせゲームが行われる表示手段となる。
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが表示されると、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。一方、可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類でない場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態では、図柄組み合わせゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示されるようになっている。そして、表示された左図柄と右図柄が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。このリーチを認識できる図柄組み合わせがリーチの図柄組み合わせとなる。
また、表示装置20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図4に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態では、始動入賞口22及び始動口センサSE1によって入賞検知手段が構成されている。
また、表示装置20には、機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を報知する保留球数表示器25が配設されている(図2参照)。保留記憶数は、始動入賞口22へ遊技球が入賞すると「1」加算(+1)され、図柄組み合わせゲームの開始によって「1」減算(−1)され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限値(本実施形態では4)まで累積される。保留球数表示器25は、保留1ランプ25a、保留2ランプ25b、保留3ランプ25c及び保留4ランプ25dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ25aのみが点灯している場合には1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを報知している。
次に、パチンコ機10の制御構成を図4に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が装着されている。
統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器Hの表示内容(図柄、背景、文字などの表示画像)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的な構成を説明する。
図4に示すように主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムや複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
演出パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、複数種類の演出パターンは、大当り演出用の演出パターン(大当り用演出パターン)と、はずれリーチ演出用の演出パターン(はずれ用演出パターン)と、はずれ演出用の演出パターン(はずれ用演出パターン)とに分類されている。
大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、はずれの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。前記リーチ演出は、リーチの図柄組み合わせが表示されてから(本実施形態においては、一旦表示された左図柄と同一種類の右図柄が一旦表示されてから)、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが停止されるまでの間に行われる演出である。
また、本実施形態において、大当り演出用の演出パターン及びはずれリーチ演出用の演出パターンに基づく図柄組み合わせゲームでは、2種類のリーチ演出A,Bのうち、いずれかのリーチ演出が行われるようになっている。例えば、リーチ演出Aは、リーチの図柄組み合わせが表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて図柄を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(ノーマルリーチ演出とも言う)。また、リーチ演出Bは、残り1列の図柄の変動中又は一旦表示した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○○リーチ」へ移行(発展)して図柄を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(スーパーリーチ演出とも言う)。
そして、本実施形態では、リーチ演出の種類に応じて、大当り遊技状態が付与される割合(大当り信頼度又は大当り期待度)を異ならせている。より詳しく言えば、リーチ演出Aよりリーチ演出Bの方が、大当り遊技状態が付与される割合が高くなるように設定されている。これは、リーチ演出Aよりリーチ演出Bの方が、大当り遊技状態が付与される期待度(可能性)が高まることを示している。大当り遊技状態が付与される割合は、各リーチ演出が行われる演出パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。即ち、リーチ演出の大当り遊技状態が付与される割合を高くするためには、当該リーチ演出が図柄組み合わせゲームにおいて出現する割合(大当りの場合とはずれリーチの場合に出現する全体の割合)に対して、大当りの場合に当該リーチ演出が出現する割合を高めると共にはずれリーチの場合に当該リーチ演出が出現する割合を低める(又はいずれか一方を行う)ように演出パターンを振り分ければよい。このように大当り遊技状態が付与される割合を異ならせることにより、リーチの図柄組み合わせが表示され、リーチ演出が行われた場合には、当該リーチ演出の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。
以下の説明では、図3に示すように、はずれ演出用の演出パターンを「演出パターンP1」と示す。はずれ演出用の演出パターンP1では、リーチが形成されることなく、各列の図柄を左列→右列→中列という表示順序に従って導出する演出内容で図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。また、リーチ演出Aが行われる演出パターンのうち、はずれ演出用の演出パターンを「演出パターンP2」と示し、リーチ演出Bが行われる演出パターンのうち、はずれ演出用の演出パターンを「演出パターンP3」と示す。同様に、リーチ演出Aが行われる演出パターンのうち、大当り演出用の演出パターンを「演出パターンP4」と示し、リーチ演出Bが行われる演出パターンのうち、大当り演出用の演出パターンを「演出パターンP5」と示す。
そして、本実施形態において、図柄組み合わせゲームが大当りとなる割合は、1/400に設定されているので、はずれとなる割合に比べて遙かに小さい。このため、図柄組み合わせゲームにおいて、大当り演出用の演出パターンP4,P5が選択される割合よりも、はずれ演出用の演出パターンP1又ははずれリーチ演出用の演出パターンP2,P3が選択される割合の方が大きい。そして、はずれとなる図柄組み合わせゲームにおいて、リーチ演出が行われる割合は、1/13に設定されている。このため、はずれとなる図柄組み合わせゲームにおいて、はずれリーチ演出用の演出パターンP2,P3が選択される割合よりも、はずれ演出用の演出パターンP1が選択される割合の方が大きい。
そして、リーチ演出を経てはずれとなる図柄組み合わせゲームにおいて、リーチ演出Bが選択される割合よりも、リーチ演出Aが選択される割合の方が大きく設定されている。このため、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄組み合わせゲームにおいて、リーチ演出Bが行われる演出パターンP3が選択される割合よりもリーチ演出Aが行われる演出パターンP2が選択される割合の方が大きい。また、リーチ演出が行われて大当りとなる図柄組み合わせゲームにおいて、リーチ演出Bが選択される割合より、リーチ演出Aが選択される割合の方が小さく設定されている。このため、リーチ演出が行われて大当りとなる図柄組み合わせゲームにおいて、リーチ演出Bが行われる演出パターンP5が選択される割合よりもリーチ演出Aが行われる演出パターンP4が選択される割合の方が小さい。従って、本実施形態においては、図3に示すように、演出パターンP1→演出パターンP2→演出パターンP3→演出パターンP5→演出パターンP4の順番で、図柄組み合わせゲームにおいて出現する(選択される)割合が小さくなっている。
そして、メインCPU30aは、メイン制御プログラムに基づき、入賞処理、演出パターン決定処理などの各種処理を実行するようになっている。
まず、入賞処理について説明する。メインCPU30aは、入賞処理において、所定時間間隔で遊技球の入賞検知がなされたか否かを入賞判定する。この入賞判定の判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを上限判定する。この上限判定の判定結果が肯定の場合(保留記憶数<4の場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数に「1」加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り判定用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する。なお、大当り判定用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、入賞判定及び上限判定の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、入賞処理を終了するようになっている。
次に、演出パターン決定処理について説明する。メインCPU30aは、演出パターン決定処理において、所定時間間隔で保留記憶数が「0」よりも大きいか否か保留判定する。この保留判定の結果が否定の場合(保留記憶数=0の場合)、保留中の図柄組み合わせゲームが存在しないので、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、保留判定の結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、図柄が変動表示中であるか否か、すなわち、図柄組み合わせゲーム中であるか否か変動判定する。この変動判定の判定結果が否定の場合(図柄組み合わせゲーム中でない場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定を行う。なお、本実施形態において、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1/400としている。
そして、大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、全列が同一種類となるように最終停止図柄を決定すると共に、大当り演出用の演出パターン(演出パターンP4及び演出パターンP5)の中から演出パターンを決定する。例えば、全列の図柄を「1」に決定し、大当り演出用の演出パターンP5を決定した場合、図柄組み合わせゲームでは、リーチ演出Bを経て、大当りの組み合わせ[111]が表示される。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を行うか否かを判定するリーチ判定を行う。なお、本実施形態において、リーチ判定の判定結果が肯定となる確率(リーチ確率)は、1/13としている。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、左列の図柄と右列の図柄を同一種類の図柄とし、中列の図柄を左右列の図柄と異なるように最終停止図柄を決定する。それと共に、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の演出パターン(演出パターンP2及び演出パターンP3)の中から演出パターンを決定する。一方、このリーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、左列の図柄と右列の図柄が異なるように最終停止図柄を決定する。それと共に、メインCPU30aは、はずれ演出用の演出パターンP1を決定する。
演出パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、メインCPU30aは、各列毎の最終停止図柄を指定するための図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した演出パターンに定められている変動時間に基づいて変動停止を指示し、図柄組み合わせゲームを終了するための全図柄停止コマンドを出力する。
従って、本実施形態のメインCPU30aは、大当り判定を実行する大当り判定手段である。また、メインCPU30aは、演出パターンを選択する演出パターン選択手段である。
次に、統括制御基板31について説明する。統括制御基板31には、図4に示すように、統括CPU31aが設けられている。前記統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。また、統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。前記ROM31bには、前記各制御基板32〜34を統括的に制御するための統括制御プログラムなどが記憶されている。また、前記RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
そして、メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、当該演出パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、図柄指定コマンド又は全図柄停止コマンドを入力すると、当該各コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。表示制御基板32は、図4に示すように、サブCPU32aを備えており、該サブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。ROM32bには、可変表示器Hの表示内容(図柄の変動やキャラクタの動作)を制御するため表示制御プログラムや、各種画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)などが記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
そして、サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、演出パターン指定コマンドにて指定された演出パターンで図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器Hに表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。この制御により、可変表示器Hでは図柄組み合わせゲームが行われる。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームの開始直後に、大当り予告が表示演出にて行われるようになっており、統括制御基板31(統括CPU31a)が大当り予告の実行時期を決定するようになっている。大当り予告は、大当りとなる可能性があることを予め遊技者に告げるための予告演出(当否の可能性を示唆する演出)である。本実施形態では、大当り予告において可変表示器Hの表示領域に表示される背景画像を変更するようになっている。具体的には、昼の背景画像から夜の背景画像に変更するようになっている。
ここで統括制御基板31(統括CPU31a)が大当り予告を実行させるまでの流れについて説明する。
まず、大当り予告の実行及び実行契機を決定するための予告決定処理について図5に基づき説明する。この予告決定処理は、統括CPU31aが主制御基板30から演出パターン指定コマンドを入力することにより、統括CPU31aにより実行される。
予告決定処理において、統括CPU31aは、まず、RAM31cの所定の記憶領域を参照して、大当り予告の実行可否を示す予告フラグに「0」が設定されているか否かを判定する(ステップS10)。なお、予告フラグはRAM31cの所定の記憶領域に記憶されており、予告フラグに「0」が設定されている場合には、大当り予告の実行が決定されていないことを示し、「1」が設定されている場合には、大当り予告の実行が決定されていることを示す。
ステップS10の判定結果が肯定の場合(予告フラグに「0」が設定されている場合)、統括CPU31aは、入力した演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンが少なくとも大当り演出用の演出パターンを含む第1演出パターン群に含まれるか否か判定する(ステップS11)。第1演出パターン群に含まれる演出パターンは、予めROM31bに設定されており、1又は複数の演出パターンから構成されている。本実施形態における第1演出パターン群には、演出パターンP3、演出パターンP4及び演出パターンP5が含まれている。すなわち、大当り演出用の演出パターン又は大当り信頼度の高い演出(リーチ演出B)を特定可能な演出パターンが含まれている。
ステップS11の判定結果が肯定の場合(第1演出パターン群に含まれる場合)、統括CPU31aは、大当り予告を第1の契機で実行させることを決定するか否かを乱数抽選により判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が肯定の場合(第1の契機で実行させることを決定した場合)、統括CPU31aは、予告フラグに「1」を設定すると共に、待機ゲーム数に「0」を設定するようにRAM31cの所定の記憶領域を書き換える(ステップS13)。そして、統括CPU31aは、予告決定処理を終了する。前記待機ゲーム数は、大当り予告を実行させるまでの図柄組み合わせゲームの残りゲーム数を示すものであり、RAM31cの所定の記憶領域に記憶されている。
一方、ステップS11又はステップS12の判定結果が否定の場合(第1演出パターン群に含まれない場合又は第1の契機で実行させない場合)、統括CPU31aは、指定された演出パターンがはずれ演出用又ははずれリーチ演出用の演出パターンのみから構成される第2演出パターン群に含まれるか否か判定する(ステップS14)。第2演出パターン群に含まれる演出パターンは、予めROM31bに設定されており、1又は複数の演出パターンから構成されている。本実施形態における第2演出パターン群には、はずれ演出用の演出パターンP1が含まれている。第2演出パターン群に含まれる演出パターンの種類は、第1演出パターン群に含まれる演出パターンP3〜P5とは異なる種類の演出パターンであり、第1演出パターン群に含まれる演出パターンよりも、その出現率が高く設定されている(図3参照)。すなわち、図柄組み合わせゲームは、第1演出パターン群に含まれる演出パターンよりも第2演出パターン群に含まれる演出パターンに基づいて、実行されやすい。
ステップS14の判定結果が肯定の場合(第2演出パターン群に含まれる場合)、統括CPU31aは、大当り予告を第2の契機で実行させることを決定するか否かを乱数抽選により判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が肯定の場合(第2の契機で実行させることを決定した場合)、統括CPU31aは、予告フラグに「1」を設定し、待機ゲーム数に「16」を設定するようにRAM31cの所定の記憶領域を書き換える(ステップS16)。次に、統括CPU31aは、報知演出を実行させるか否かを乱数抽選により判定する(ステップS17)。前記報知演出は、大当り予告の実行が決定されたことを報知する予告報知演出である。本実施形態では、「背景モード変更確定」という文字列を可変表示器Hに表示させる演出である。この報知演出は、予告フラグに「1」が設定されているとき以外、すなわち、大当り予告の実行が決定されてから大当り予告が実行されるまでの間以外に実行されない演出である。
ステップS17の判定結果が肯定の場合(報知演出を実行させる場合)、統括CPU31aは、報知演出の実行可否を示す報知フラグに「1」を設定するようにRAM31cを書き換える(ステップS18)。なお、報知フラグは、RAM31cの所定の記憶領域に記憶されており、報知フラグに「0」が設定されている場合には、報知演出の実行が決定されていないことを示し、「1」が設定されている場合には、報知演出の実行が決定されていることを示す。そして、統括CPU31aは、予告決定処理を終了する。また、ステップ14の判定結果が否定の場合(第2演出パターン群に含まれない場合)、ステップ15の判定結果が否定の場合(第2の契機にて実行させない場合)、又はステップ17の判定結果が否定の場合(報知演出を実行させない場合)、統括CPU31aは、そのまま予告決定処理を終了する。
一方、ステップS10の判定結果が否定の場合(予告フラグに「0」が設定されていない場合)、統括CPU31aは、入力した演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンが第1演出パターン群に含まれるか否か判定する(ステップS19)。ステップS19の判定結果が肯定の場合(第1演出パターン群に含まれる場合)、統括CPU31aは、待機ゲーム数に「0」を設定するようにRAM31cの所定の記憶領域を書き換える(ステップS20)。そして、統括CPU31aは、予告決定処理を終了する。一方、ステップS19の判定結果が肯定の場合(第1演出パターン群に含まれない場合)、統括CPU31aはそのまま予告決定処理を終了する。
次に、大当り予告及び報知演出を実行させるための予告実行処理について図6に基づき説明する。この予告実行処理は、予告決定処理の終了後に統括CPU31aにより実行される。
統括CPU31aは、RAM31cの所定の記憶領域を参照して、予告フラグに「1」が設定されている否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合(予告フラグに「1」が設定されている場合)、統括CPU31aは、RAM31cの所定の記憶領域を参照して、待機ゲーム数の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が肯定の場合(待機ゲーム数の値が「0」の場合)、統括CPU31aは、大当り予告の実行を指示する予告実行コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する(ステップS23)。それと共に、統括CPU31aは、予告フラグ及び報知フラグに「0」を設定するようにRAM31cを書き換え、予告実行処理を終了する。
一方、ステップS22の判定結果が否定の場合(待機ゲーム数の値が「0」でない場合)、統括CPU31aは、待機ゲーム数の値から1減算した値を新たな待機ゲーム数の値とするようにRAM31cを書き換える(ステップS24)。次に、統括CPU31aは、報知フラグに「1」が設定されているか否か、すなわち、報知演出の実行が決定されているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定結果が肯定の場合(報知フラグに「1」が設定されている場合)、統括CPU31aは、報知演出の実行を指示する報知演出実行コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力し(ステップS26)、予告実行処理を終了する。
なお、ステップS21の判定結果が否定の場合(予告フラグに「1」が設定されていない場合)、又は、ステップS25の判定結果が肯定の場合(報知フラグに「1」が設定されていない場合)、統括CPU31aは、そのまま予告実行処理を終了する。
次に、表示制御基板32の入力処理について図7に基づき説明する。
サブCPU32aは、制御コマンドを入力すると、当該制御コマンドが予告実行コマンドであるか否か判定する(ステップS31)。ステップS31の判定結果が肯定の場合(予告実行コマンドである場合)、サブCPU32aは、表示制御プログラムに基づき、大当り予告を実行させるように可変表示器Hの表示内容を制御し(ステップS32)、入力処理を終了する。これにより、可変表示器Hは、図柄組み合わせゲームの開始後、表示領域の背景画面を昼の画像から夜の画像に変更する。
ステップS31の判定結果が否定の場合(予告実行コマンドでない場合)、サブCPU32aは、制御コマンドが報知演出実行コマンドであるか否か判定する(ステップS33)。ステップS33の判定結果が肯定の場合(報知演出実行コマンドである場合)、サブCPU32aは、表示制御プログラムに基づき、報知演出を実行させるように可変表示器Hの表示内容を制御し(ステップS34)、入力処理を終了する。これにより、可変表示器Hは、表示領域に「背景モード変更確定」という文字列を表示する。
ステップS34の判定結果が否定の場合(報知演出実行コマンドでない場合)、サブCPU32aは、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに対応した処理を実行し(ステップS35)、入力処理を終了する。
従って、本実施形態の統括CPU31aは、大当り予告の実行契機を決定する実行契機決定手段となる。また、統括CPU31aは、大当り予告を実行させる予告制御手段となる。また、統括CPU31aは、報知演出を実行させる報知制御手段となる。また、統括CPU31aは、報知演出の実行可否を判定する予告報知演出実行判定手段となる。また、可変表示器Hは、大当り予告を実行する予告手段となる。また、可変表示器Hは、報知演出を実行する報知手段となる。
次に、大当り予告が実行されるタイミングについて図8に基づき説明する。
図8(a)は、第1演出パターン群に含まれる演出パターンが指定され、第1の契機で大当り予告を実行することを決定した場合の大当り予告の実行タイミングを示す図である。なお、図8では、最初の演出パターン指定コマンド入力時、予告フラグや待機ゲーム数、報知フラグは設定されていない状態であるとして説明する。また、図8(a)では、演出パターンP5を指定する演出パターン指定コマンドを最初に入力し、また、最初の予告決定処理のステップS12の乱数抽選にて当選して大当り予告の実行を第1の契機にて実行させることを決定するものとして説明する。
図8(a)において、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると(時点A1)、予告決定処理を実行する。そして、前提より、予告フラグは設定されておらず、また、演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP5は、第1演出パターン群に含まれるため、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS12に移行し、大当り予告の実行を第1の契機にて行わせるか否かを乱数抽選により判定する。この判定結果は、前提より、肯定となるので、統括CPU31aは、予告フラグに「1」を設定し、待機ゲーム数に「0」を設定する。これにより、統括CPU31aは、予告実行処理において、表示制御基板32に予告実行コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、主制御基板30から入力した演出パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、演出パターン指定コマンド及び予告実行コマンドを入力すると、演出パターン指定コマンドにより指定された演出パターンP5に基づき、図柄組み合わせゲームを開始させる(時点A1)。それと共に、サブCPU32aは、図柄組み合わせゲームの開始後に大当り予告を実行させ、その後、リーチ演出Bを経て(時点A2)大当りの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
このように、第1演出パターン群に含まれる演出パターンが指定された場合、統括CPU31aは、第1の契機にて大当り予告を実行させることを決定するか否かを判定し、この判定結果が肯定の場合、決定後最初の図柄組み合わせゲームにおいて、大当り予告が実行される。それと共に、当該大当り予告が行われる図柄組み合わせゲームは、第1演出パターン群に含まれる演出パターンに基づいて行われる。そして、第1演出パターン群に含まれる演出パターンに基づき行われる図柄組み合わせゲームにおいては、大当りへの信頼度が高いリーチ演出Bが行われる、又はリーチ演出Aが行われて大当りとなるので、第1の契機にて大当り予告が実行された場合、大当り信頼度が高くなる。その一方で、第1演出パターン群に含まれる演出パターンP3〜P5は、出現率が低いので(図3参照)、第1の契機にて大当り予告が実行される確率も低いということとなる。
次に、図8(b)に基づいて説明する。図8(b)は、第2演出パターン群に含まれる演出パターンが指定され、第2の契機で大当り予告を実行することを決定した場合の大当り予告の実行タイミングを示す図である。なお、図8(b)では、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドのみを入力し、また、最初に実行する予告決定処理のステップS15の乱数抽選にて当選して大当り予告の実行を第2の契機にて実行することを決定するものとして説明する。また、図8(b)では、最初に実行する予告決定処理のステップS17の乱数抽選にて当選して報知演出を実行させることを決定するものとして説明する。
図8(b)において、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると(時点B1)、予告決定処理を実行する。そして、前提より、予告フラグは決定されておらず、また、演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1は、第1演出パターン群に含まれていないため、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS14に移行し、演出パターンP1が第2演出パターン群に含まれるか否か判定する。この判定結果は肯定となり、また、前提によりステップS15の処理も肯定となるので、統括CPU31aは、大当り予告を第2の契機にて実行させることを決定する。このため、予告フラグには「1」が設定され、待機ゲーム数には「16」が設定される。
また、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS17に移行し、報知演出を実行させるか否かを判定する。この判定結果は、前提より肯定となるので、統括CPU31aは、報知演出を実行させることを決定する。このため、報知演出フラグには、「1」が設定される。その後、統括CPU31aは、予告実行処理において、予告フラグに「1」が設定されているにも拘わらず、待機ゲーム数に「16」が設定されていることから予告実行コマンドを出力せずに、待機ゲーム数を1減算する。また、報知フラグに「1」が設定されていることから、統括CPU31aは、報知演出実行コマンドを出力する。それと共に、統括CPU31aは、主制御基板30から入力した演出パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、統括制御基板31から演出パターン指定コマンド及び報知演出実行コマンドを入力すると、入力した演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1に基づき、図柄組み合わせゲームを開始させ、その開始後、報知演出を実行させる(時点B1)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点B2)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。なお、このとき、サブCPU32aは、予告実行コマンドを入力していないため、図柄組み合わせゲームにおいては大当り予告が実行されない。
その後、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力するたびに、予告決定処理及び予告実行処理を実行し、待機ゲーム数を1ずつ減算すると共に、報知演出実行コマンドを出力する。このため、サブCPU32aは、演出パターンP1に基づいて、図柄組み合わせゲームを開始させ、その開始後、報知演出を実行させる(時点B3)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点B4)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。統括CPU31aは、同様の処理を16回繰り返す。
そして、統括CPU31aは、待機ゲーム数が「0」になったとき、すなわち、演出パターン指定コマンドを17回入力したとき、予告実行処理に基づき、予告実行コマンドを出力する。これにより、サブCPU32aは、演出パターンP1に基づき、17回目の図柄組み合わせゲームを開始させ、その開始後に大当り予告を実行させる(時点B5)。その後、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点B6)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
このように、第2の契機にて大当り予告を実行させることを決定した後、待機ゲーム数が「0」となるまで大当り予告を実行させない。このため、第2の契機にて大当り予告が実行されても、大当りとなる又は大当り信頼度の高い演出が実行されるとは限らない。すなわち、第2の契機にて実行される大当り予告は、第1の契機にて実行される大当り予告と比べて大当り信頼度が低いということとなる。その一方で、第2演出パターン群に含まれる演出パターンP1は、第1演出パターン群に含まれる演出パターンP3〜P5と比較すると、出現率が高いので(図3参照)、第2の契機にて大当り予告の実行が決定される確率も高くなる。
次に、図8(c)に基づいて説明する。図8(c)は、第2の契機で大当り予告を実行することを決定した後に、第1の契機にて大当り予告を実行することを決定した場合の大当り予告の実行タイミングを示す図である。なお、図8(c)では、統括CPU31aは、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドを5回連続して入力した後、演出パターンP5を指定する演出パターン指定コマンドを入力するものとして説明する。また、図8(c)では、最初に実行する予告決定処理において、統括CPU31aは、ステップS15の乱数抽選にて大当り予告の実行を第2の契機にて実行することを決定すると共に、ステップS17の乱数抽選にて報知演出を実行させることを決定するものとして説明する。
図8(c)において、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると(時点C1)、予告決定処理を実行する。そして、前提より、予告フラグは決定されておらず、また、演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1は、第1演出パターン群に含まれていないため、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS14に移行し、演出パターンP1が第2演出パターン群に含まれるか否か判定する。この判定結果は肯定となり、また、前提によりステップS15の処理も肯定となるので、統括CPU31aは、大当り予告を第2の契機にて実行させることを決定する。このため、予告フラグには「1」が設定され、待機ゲーム数には「16」が設定される。
また、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS17に移行し、報知演出を実行させるか否かを判定する。この判定結果は、前提より肯定となるので、統括CPU31aは、報知演出を実行させることを決定する。このため、報知演出フラグには、「1」が設定される。その後、統括CPU31aは、予告実行処理において、予告フラグに「1」が設定されているにも拘わらず、待機ゲーム数に「16」が設定されていることから予告実行コマンドを出力せずに、待機ゲーム数を1減算する。また、報知フラグ「1」が設定されていることから、統括CPU31aは、報知演出実行コマンドを出力する。それと共に、統括CPU31aは、主制御基板30から入力した演出パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
これにより、表示制御基板32のサブCPU32aは、統括制御基板31から入力した演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1に基づき、図柄組み合わせゲームを開始し、開始後、報知演出を実行させる(時点C1)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点C2)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。なお、このとき、予告実行コマンドを入力していないため、図柄組み合わせゲームにおいては大当り予告が実行されない。
その後、統括CPU31aは、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドを入力するたびに、予告決定処理及び予告実行処理を実行し、待機ゲーム数を1ずつ減算すると共に、報知演出実行コマンドを出力する。このため、サブCPU32aは、演出パターンP1に基づいて、図柄組み合わせゲームを開始させ、その開始後、報知演出を実行させる(時点C3)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点C4)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。なお、前提より、報知演出を伴う図柄組み合わせゲームは、5回繰り返し実行される。
そして、前提より6回目に入力する演出パターン指定コマンドは、演出パターンP5を指定しているので、統括CPU31aは、6回目の演出パターン指定コマンドを入力すると、予告決定処理のステップS19において、第1演出パターン群に含まれるか否かの判定を肯定判定する。そして、統括CPU31aは、ステップS20に移行して、待機ゲーム数を「11」から「0」に設定する。
このため、統括CPU31aは、その後予告実行処理を実行すると、待機ゲーム数が「0」であるので、ステップS22の判定結果が肯定となり、予告実行コマンドを出力する。これにより、サブCPU32aは、演出パターンP5に基づき、6回目の図柄組み合わせゲームを開始させ、その開始後に大当り予告を実行させる(時点C5)。その後、サブCPU32aは、リーチ演出Bを経て(時点C6)、大当りの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
以上のように、第2の契機にて大当り予告を実行させることを決定した場合であっても、待機ゲーム数が「0」となる前に、第1演出パターン群に含まれる演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、待機ゲーム数に「0」を設定して、第1の契機にて大当り予告を優先的に実行させる。
そして、遊技者は、見た目から大当り予告が第2の契機にて実行されたか否かは判別できない。このため、遊技者は、報知演出が実行された後、第2の契機にて大当り予告が実行された場合であっても、大当り信頼度が高くなる第1の契機にて大当り予告が実行されたと期待することができる。すなわち、遊技者は、第2の契機にて大当り予告が実行された場合であっても期待することができるので、全ての大当り予告に対して期待感を有することとなる。従って、当該予告演出の実行を報知する報知演出が行われることにより、予告演出が実行されるまで遊技を継続する意欲を持たせることができる。また、第1の契機にて実行される大当り予告と、第2の契機にて実行される大当り予告は、見た目から区別できないので、大当り予告の出現率を高めることができる。
また、報知演出が行われているときに、第1演出パターン群の演出パターンが選択されると、統括CPU31aは、必ず第1の契機にて大当り予告を実行させる(予告決定処理のステップS19及びステップS20参照)。すなわち、大当り信頼度が高い第1の契機で実行される大当り予告の出現率が上がる。報知演出が実行されているときには、信頼度の高い第1の契機にて実行される大当り予告の出現率も高い。すなわち、報知演出が実行されている場合、全ての大当り予告に対する期待度も向上するので、遊技者は、大当り予告が実行されるまで遊技を継続する意欲を持つ。
次に、図8(d)に基づいて説明する。図8(d)は、第2の契機で大当り予告を実行することが決定される一方、報知演出の実行が決定されなかった場合の大当り予告の実行タイミングを示す図である。なお、図8(d)では、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドのみを入力し、また、最初に実行する予告決定処理のステップS15にて当選して大当り予告の実行を第2の契機にて実行することを決定するものとして説明する。また、図8(d)では、最初に実行する予告決定処理のステップS17にて報知演出を実行させないと決定するものとして説明する。
図8(d)において、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、予告決定処理を実行する。そして、前提より、予告フラグは決定されておらず、また、演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1は、第1演出パターン群に含まれていないため、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS14に移行し、演出パターンP1が第2演出パターン群に含まれるか否か判定する。この判定結果は肯定となり、また、前提によりステップS15の処理も肯定となるので、統括CPU31aは、大当り予告を第2の契機にて実行させることを決定する。このため、予告フラグには「1」が設定され、待機ゲーム数には「16」が設定される。
また、統括CPU31aは、予告決定処理のステップS17に移行し、報知演出を実行させるか否かを判定する。この判定結果は、前提より否定となるので、報知演出フラグには、「0」が設定される。その後、統括CPU31aは、予告実行処理において、予告フラグが設定されているにも拘わらず、待機ゲーム数に「16」が設定されていることから予告実行コマンドを出力せずに、待機ゲーム数を1減算する。また、報知フラグが設定されていないことから、統括CPU31aは、主制御基板30から入力した演出パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、統括制御基板31から演出パターン指定コマンドを入力すると、入力した演出パターン指定コマンドが指定する演出パターンP1に基づき、図柄組み合わせゲームを開始させる(時点D1)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。なお、このとき、サブCPU32aは、予告実行コマンド及び報知演出実行コマンドを入力していないため、図柄組み合わせゲームにおいては大当り予告及び報知演出が実行されない。
その後、統括CPU31aは、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドを入力するたびに、予告決定処理及び予告実行処理を実行して待機ゲーム数を1ずつ減算すると共に、演出パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。このため、サブCPU32aは、演出パターンP1に基づいて、図柄組み合わせゲームを開始させる(時点D2)。そして、サブCPU32aは、通常変動を経て、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。なお、このとき、サブCPU32aは、予告実行コマンド及び報知演出実行コマンドを入力していないため、図柄組み合わせゲームにおいては大当り予告及び報知演出が実行されない。統括CPU31aは、同様の処理を16回繰り返す。
そして、統括CPU31aは、待機ゲーム数が「0」になったとき、すなわち、演出パターン指定コマンドを17回入力したとき、予告実行処理に基づき、予告実行コマンドを出力する。これにより、サブCPU32aは、演出パターンP1に基づき、17回目の図柄組み合わせゲームを開始させ(時点D3)、その開始後に大当り予告を実行させる。その後、サブCPU32aは、通常変動を経て(時点D4)、はずれの図柄組み合わせを表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
このように、第2の契機にて大当り予告を実行させると決定した場合であっても、報知演出を実行させないことにより、第2の契機にて実行される大当り予告は、第1の契機にて実行される大当り予告と区別ができなくなる。従って、図柄組み合わせゲームにおいて、報知演出が行われずに実行される大当り予告の出現率を向上することができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第2演出パターン群に含まれる演出パターンが選択され、第2の契機にて大当り予告の実行が決定された場合、通常、当該決定後最初の図柄組み合わせゲームから数えて16回の図柄組み合わせゲーム終了後の図柄組み合わせゲームにおいて大当り予告を実行させる(図8(b)参照)。しかしながら、それまでの間に第1の契機にて大当り予告の実行が決定された場合には、当該第1の契機にて大当り予告を優先的に実行させる(図8(c)参照)。
そして、遊技者は、見た目から第1の契機にて大当り予告の実行が決定されたか否かを判断できないため、大当り予告の実行後は大当り演出用の演出パターンP4、P5に基づき図柄組み合わせゲームが実行されるのではないかと期待を持つことができる。例えば、第2の契機にて大当り予告が実行されることが決定され、複数回数終了後の図柄組み合わせゲームがはずれ演出用の演出パターンP1に基づき行われるときであっても、大当り予告が実行されることにより、遊技者は、大当り演出用の演出パターンP4、P5に基づき図柄組み合わせゲームが実行されるのではないかとの期待感を持つこととなる。このため、遊技者は大当り予告の実行時には、大当りへの期待感を有することとなる。従って、大当り予告を実行させたときの大当りへの期待感を損なうことを防止して、遊技の継続意欲を高めることができる。
(2)また、第1演出パターン群に含まれる演出パターンP3〜P5が選択されたときだけでなく、第2演出パターン群に含まれる演出パターンP1が選択されたときにも大当り予告が実行されるので、大当り予告の出現率を調整することができる。すなわち、第1演出パターン群に含まれる演出パターンP3〜P5の出現率(選択率)が低くても、第2演出パターン群に含まれる演出パターンP1の出現率(選択率)を高くすることにより、全体として大当り予告の出現率を高くすることができる。
(3)大当り予告の実行が決定されてから始動保留球の記憶数(本実施形態では「4」)よりも多い回数の図柄組み合わせゲーム終了後の図柄組み合わせゲームにおいて大当り予告が実行される。このため、遊技者は、少なくとも始動保留球の記憶数よりも多い回数の図柄組み合わせゲームに跨って大当り予告の実行を期待するので、始動保留球の記憶数よりも多い回数の図柄組み合わせゲームに跨って遊技の興趣を継続することができる。
(4)予告決定処理のステップS17において、統括CPU31aは、報知演出を実行させるか否か乱数抽選により判定し、この判定結果が肯定の場合に報知演出を実行させるようにした。これにより、大当り予告の実行が決定されても、報知演出が実行されないようにすることができる(図8(d)参照)。このため、第1の契機にて大当り予告が実行される場合と、第2の契機にて大当り予告が実行された場合とが見た目から区別できなくなる。従って、第2の契機にて大当り予告の実行が決定され、複数回数の図柄組み合わせゲーム終了後に大当り予告が行われた場合であっても、報知演出を行わないようにすることにより、遊技者に第1の契機にて大当り予告が実行されたと思わせることができ、大当りへの期待を持たせることができる。これにより、報知演出が実行されずに実行される大当り予告の出現率を上げることができる。
(5)第1の契機にて大当り予告を実行して大当りとなった後、第2の契機においても大当り予告を実行すると、遊技者に第2の契機にて大当り予告が実行されることが解ってしまう場合があり、大当りとなる期待感が持てなくなる。そこで、本実施形態において、統括CPU31aは、予告実行コマンドを出力して、大当り予告を実行させると共に、予告フラグに「0」を設定するようにした。これにより、第2の契機にて大当り予告を実行させる前に、第1の契機にて大当り予告を実行させた場合には、第2の契機における大当り予告の実行が中止することとなり、興趣が低下するのを防止することができる。
(6)報知演出は、大当り予告が第2の契機にて実行されることが決定された後から大当り予告が実行される(予告実行コマンド出力時)までの間のみ実行される演出とした。これにより、報知演出を実行させた後には、必ず大当り予告が実行されることとなる。このため、遊技者は、報知演出を観た場合、大当り予告が行われることを予め知ることができ、大当り予告が実行されるまで遊技を継続する意欲を確実に持たせることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態では、予告決定処理のステップS16の処理において、待機ゲーム数として「16」を設定するようにしたが、始動保留球の記憶数よりも多い回数であれば、任意の回数を設定しても良い。すなわち、第2の契機にて大当り予告を実行させることを決定した場合、大当り予告の決定後最初の図柄組み合わせゲームから数えて始動保留球の記憶数よりも多い任意の回数の図柄組み合わせゲームを終了した後の図柄組み合わせゲームにて大当り予告を実行させても良い。例えば、待機ゲーム数に「5」や「32」を設定するようにしても良い。
○上記実施形態では、予告決定処理のステップS16の処理において、待機ゲーム数として予め定められた固定値(すなわち、「16」)を設定するようにしたが、始動保留球の記憶数よりも多い回数であれば、待機ゲーム数として取り得る値を変動させても良い。例えば、「10」〜「32」の範囲内の数値から乱数により1つの値を決定し、当該値を待機ゲーム数として設定しても良い。このようにすれば、報知演出が実行された図柄組み合わせゲームからのゲーム数を数えても、遊技者は、第2の契機にて実行される大当り予告がいつ実行されるかを知ることはできない。すなわち、待機ゲーム数に設定される値が固定値の場合、報知演出の実行開始からの図柄組み合わせゲームの回数を数えることにより、第2の契機にて実行される大当り予告がどの図柄組み合わせゲームにて実行されるのかを予測しやすくなる。そこで、待機ゲーム数に設定される値を変動させることで、第2の契機にて実行される大当り予告がどの図柄組み合わせゲームにて実行されるのかを予測しにくくする。これにより、第2の契機にて実行される大当り予告と、第1の契機にて実行される大当り予告とを区別しにくくすることができる。このため、第2の契機にて実行される大当り予告であっても遊技者は第1の契機にて大当り予告が実行されているのかも知れないと期待を持つことができ、遊技を継続させることができる。
また、待機ゲーム数に設定する値を変動させることにより、報知演出の開始時から第2の契機にて大当り予告が実行されるまでの間において、第1の契機にて実行される大当り予告の出現率を調整することができる。例えば、待機ゲーム数に設定する値を大きくすれば、報知演出の開始時から第2の契機にて大当り予告が実行されるまでの間におけるゲーム数が多くなり、それにより第1の契機にて実行される大当り予告の出現率を大きくすることができる。また、報知演出が実行された図柄組み合わせゲームからのゲーム数が「10」より少なければ、第1の契機にて実行されたことが確定する。このため、遊技者は、報知演出が開始してからなるべく早く大当り予告が出現するように期待するので、遊技の興趣が向上する。
○上記実施形態では、第1演出パターン群に含まれる演出パターンの種類と、第2演出パターン群に含まれる演出パターンの種類は、異なるようにしたが、一部一致していても良い。例えば、第1演出パターン群を演出パターンP3〜P5から構成し、第2演出パターン群を演出パターンP1〜P3から構成しても良い。
○上記実施形態では、ステップS17の判定結果が否定の場合、報知演出を実行させないようにしたが、第2の契機にて大当り予告が実行されることを決定した場合には、必ず報知演出を実行させるようにしてもよい。
○上記実施形態の第1演出パターン群を、大当り演出用の演出パターンP4,P5のみから構成しても良い。
○上記実施形態では、予告決定処理のステップS17の処理において、報知演出を大当り予告の実行決定後から大当り予告を実行するまでの間に実行するか否かを判定していたが、図柄組み合わせゲーム毎に報知演出を実行するか否かを決定しても良い。この場合、予告決定処理のステップS17及びステップS18を省略し、予告実行処理のステップS25の処理において、報知演出を実行するか否かを判定すればよい。このようにすれば、報知演出が実行された図柄組み合わせゲームからゲーム数を数えても、いつ大当り予告が実行されるのかを予測することができないため、第1の契機にて実行される大当り予告と、第2の契機にて実行される大当り予告とが確実に区別できなくなる。このため、第2の契機にて実行される大当り予告であっても遊技者は第1の契機にて大当り予告が実行されているのかも知れないと期待を持つことができ、遊技を継続する意欲を持たせることができる。
○上記実施形態において、統括制御基板31を、主制御基板30、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34のうち1つ又は2つの制御基板と兼用構成にしても良い。例えば、音声制御基板34が、上記実施形態で説明した統括制御基板31の役割を担い、主制御基板30が出力した制御コマンドに基づいて各制御基板32〜34を統括的に制御しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMは、音声制御用と統括制御用に分けて別々に設けても良いし、兼用しても良い。
○上記実施形態では、可変表示器Hを予告手段として、可変表示器Hに大当り予告を実行させたが、これ以外の演出装置、例えば、スピーカ17や装飾ランプ16に大当り予告を実行させても良い。また、可変表示器Hを報知手段として、可変表示器Hに報知演出を実行させたが、これ以外の演出装置、例えば、スピーカ17や装飾ランプ16に報知演出を実行させても良い。
○上記実施形態では、大当り演出用の演出パターンP4,P5は、第1演出パターン群に含まれていたが、大当り演出用の演出パターンP4,P5のうち一部だけを第1演出パターン群に含ませるようにしても良い。例えば、大当り演出用の演出パターンP5だけを第1演出パターン群に含むようにしても良い。このようにすれば、大当り演出用の演出パターンP4,P5が指定された場合に大当り予告を実行させるか否かの判定(予告決定処理のステップS12の判定)を行わなくても、演出パターンにより、大当り予告の実行可否を決定することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記予告報知演出は、前記実行契機決定手段が前記予告演出を第2の契機にて実行させることを決定した後から前記予告演出が実行されるまでの間のみ実行される演出であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記予告制御手段は、前記第2の契機にて前記予告演出を実行させる前に、第1の契機にて予告演出を実行させた場合には、第2の契機における予告演出の実行を中止することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…表示装置、30…主制御基板、30a…メインCPU(大当り判定手段、演出パターン選択手段)、31…統括制御基板、31a…統括CPU(実行契機決定手段、予告制御手段、報知制御手段、予告報知演出実行判定手段)、32…表示制御基板、32a…サブCPU、H…可変表示器(表示手段、予告手段、報知手段)。