JP4748694B2 - 樹脂用充填剤及びその使用製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下地調整剤、接着剤、コーキング剤、塗料に樹脂と共に配合される新規な樹脂用充填剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の内装工事において使用されている下地調整剤や、現場施工用接着剤、コーキング材、仕上げ塗り塗材は、石膏、セメント、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、着色顔料等の骨材や充填剤と合成樹脂系の糊材を主原料として製造されている。
【0003】
これらの主原料の他に、ペーストの安定性、塗工性、ダレ防止等を付与するため、セルロース誘導体やポリアクリル酸エステル系の有機系揺変剤や、ベントナイトやクレー等の無機系揺変剤を添加しており、昭和40年代では、これらの揺変剤の他に揺変性を付与するための充填剤としてアスベストが添加されていた。
【0004】
しかしながら、昭和50年代にアスベストの発ガン性が問題となり、アスベストの代替え品の検討が行われ、一部の現場施工用接着剤以外には、研磨作業のある下地調整剤や表面仕上げ材である仕上げ塗り塗材等は完全にアスベストの使用がなくなった。
【0005】
更に、平成8年頃から新築物件での空気汚染がクローズアップされ、平成10年頃から産業廃棄物の問題が社会問題となってきている。このことは、製造時の取扱に注意することで問題が表面化しなかった接着剤へのアスベストの添加においても安全性が問われ始めた。
【0006】
アスベストは、粘土鉱物の一種で、一次元構造(繊維状)の二層ロール巻き構造をしている鉱物である。アスベストの代替え品として、セピオライト、ハロイサイト、カオリナイト、モンモリロナイト、セリサイト等の鉱物が検討されてきた。
【0007】
しかしながら、アスベストの有する特性を全て有した鉱物はない。例えば、アスベストを添加することによって向上する接着剤の性質としては、次の(a)〜(e)があげられる。
【0008】
(a) 繊維質のため、ダレ防止効果があり、クシ目状に塗布した接着剤の山が崩れにくい。(接着強さの低下の防止)
(b) 揺変性があり溶剤系接着剤独特の粘りのある粘性が、滑りの良い粘性に変化し、クシ目状の塗布作業が容易になる。(塗布性の向上)
(c) 内装材を貼り付けた際の納まり性がよい。
アスベスト繊維と樹脂の絡み合いにより初期接着力の発現に効果的である。
(d) 接着剤の長期保管に有効である。アスベスト繊維同士の絡み合いで炭酸カルシウムやタルク等の沈降・ケーキングの防止効果が高い。
(e) 接着剤の製造時の撹拌による分散性がよく、しかも繊維物質の破損が少ない。生産効率・品質の安定に対して効果がある。
【0009】
また、アスベストは価格の面でも魅力のある鉱物であり、コスト面でアスベストとその代替え鉱物を比較した場合、代替え鉱物は2〜5倍の価格である。
【0010】
また、現在では使用されていない下地調整剤やコーキング材、仕上げ塗り用塗材でも、充填剤としてアスベストを添加すると改善される性質としては、次の(a)〜(d)があげられる。
【0011】
(a) 繊維質のため、ダレ防止効果があり、有機系揺変剤の添加量が少なくなる。塗布後のダレがない。
(b) 揺変性があり、ポリビニルアルコールのような水溶性樹脂の粘りのある粘性が、滑りの良い粘性に変化し、塗工性が良くなる。
(c) ペースト系製品の長期保管に有効である。アスベスト繊維同士の絡み合いで炭酸カルシウムやタルク等の沈降・ケーキングの防止効果が高い。
(d) 凝集緩和性があり、乾燥に伴う収縮率を抑制する効果がある。アスベスト繊維同士の絡み合いで塗膜の亀裂の防止効果が高い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、各種の品質向上作用を有し、安価なアスベストの代替えとなる充填剤は、未だ得られていないのが現状である。
【0013】
本発明は、アスベストの代替え品となる新規な樹脂用充填剤を得ることを目的とし、特に、この新規な充填剤を用いて高品質の下地調整剤、接着剤、コーキング剤、及び仕上げ塗用塗材を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明に係る樹脂用充填剤は、揺変性を付与するために樹脂と共に添加される樹脂用充填剤であって、
前記樹脂用充填剤が、木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなり、
前記樹脂用充填剤の短繊維状の粉末が、繊維子径と繊維子長の比率が1対2〜50で、繊維子長が5〜500μの粉末を含み、
前記樹脂用充填材が、前記樹脂に対して、カサ比で40%未満、5%以上添加されることを特徴とするものである。
【0016】
請求項に記載された発明に係る下地調整剤は、樹脂製固着成分と充填成分とからなる下地調整剤において、
前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製固着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むものである。
【0017】
請求項に記載された発明に係る充填型接着剤は、樹脂製接着成分と充填成分とからなる充填型接着剤において、
前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製接着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むものである。
【0018】
請求項に記載された発明に係るコーキング剤は、樹脂製コーキング成分と充填成分とからなるコーキング剤において、
前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製コーキング成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むものである。
【0019】
請求項に記載された発明に係る塗料は、樹脂製塗着成分と充填成分とからなる塗料において、
前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製塗着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなる樹脂用充填剤の顕微鏡写真である。図に示す通り、本発明においては、アスベストの代替え品となる新規な樹脂用充填剤として、木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなるものである。より好ましくは、樹脂用充填剤の繊維子径と繊維子長の比率が1対2〜50で、繊維子長が5〜500μの粉末を含むものである。
【0021】
本発明における樹脂用充填剤は、次の(1)〜(3)のすぐれた特徴がある。
(1) 石膏、炭酸カルシウム等の無機充填材やアスベスト、モンモリロナイト等の無機系揺変剤と比較し真比重が半分以下で、カサ比重は無機充填材の1/4〜1/5と軽い骨材である。
(2) 木粉末は、ヒル石のような二次元構造体の軽量骨材や、パーライトのような欠損のある中空構造系軽量骨材と異なり、木粉末は一次元構造(繊維状)粉体であるため吸水性がなく、ペースト状態の安定性に悪い影響を及ぼさない軽量骨材である。
(3) 短繊維状粉末(繊維子長/繊維子径=50以下)であるため、パルプやガラス繊維粉末のような長繊維状粉末(繊維子長/繊維子径=100以上)と異なり、単体同士の絡み合いがなく粉体自体の分散性に優れる。しかも繊維状物質の有するダレ防止性能や揺変性能、凝集緩和性能を付与する特性がある。
【0022】
これらの特徴は、アスベストの特徴と類似しており、しかも比重がアスベストよりも軽いことから、軽量骨材としても使用できる。従って、アスベストは揺変性を付与するために添加される無機系充填剤としての使用が主であったが、本発明の木粉末系充填剤は揺変性を付与する他に軽量骨材として添加される充填剤としての使用も可能となる。
【0023】
本発明の木粉末系の樹脂用充填剤は、前述の特性を生かして、揺変性を付与するために樹脂と共に添加される。例えば、下地調整剤、接着剤、コーキング剤、塗料の揺変性を付与するために添加される充填剤としての使用が考えられる。
【0024】
具体的な下地調整剤に配合した場合の効果は、次の(1)〜(3)が上げられる。
(1) 木粉末同士の絡み合いが生じ、凝集緩和作用から肉ヤセが少なくなる。特に、繊維子長が100μ以上の木粉末をカサ比で20%以上配合したものはこの効果が著しい。下塗り用の下地調整剤は、肉ヤセの少ないものが望まれている。しかしながら、粒径が大きくなるにつれ、塗布時のスジ引きは大きくなることから、下塗り用の下地調整剤では繊維子長が500μ以下が望ましく、上下両用を目的としたものは繊維子長が150μ以下と制限があり、仕上げ用では繊維子長が100μ以下であることが望ましい。尚、代表的な下塗り用の下地調整剤の骨材であるヒル石やパーライトと比較し、カサ比が同等であれば、木粉末を用いた方がヤセ防止効果が高い。しかも、平均粒径も木粉末の方が小さくても効果がある。
【0025】
(2) 揺変性があり、セルロース系の増粘剤や鉱物系揺変剤の添加が大幅に低減することが出来る。カサ比で5%以上の配合で、塗布時におけるダレ防止があり、しかも保水性がないことから乾燥性がよく、擬似硬化性の優れた下地調整剤に調整することができる。尚、これらの揺変性付与剤を添加することにより、ヤセが小さくなる傾向にあり、肉ヤセ防止にも効果的である。
【0026】
(3) 比重が軽くなることから、カサ比で25%配合することにより、ペースト比重が1.2〜1.3程度となり、従来品と比較し約20%軽量化することができる。
【0027】
下地調整剤は充填成分と固着成分とで構成されており、固着成分としての樹脂分が必要となる。粉末系の下地調整剤の場合は、一般的にポリビニルアルコールやα−濃粉、セルロース誘導体等のような水溶性樹脂が固着剤として使用されている。これらの樹脂を配合すると保水性が付与され、擬似硬化性が著しく低下する性質があり、下塗り用の下地調整剤としては必要以上に配合できない種類の固着剤である。(仕上げ用の下地調整剤はこの限りではない。)
【0028】
従って、下塗り用下地調整剤のような擬似硬化性能が要求される場合は、この性質を高めるためには水分の下地への移行性の良い樹脂を配合する必要が条件となる。この条件を満足する樹脂としては、界面活性剤やセルロース系誘導体を乳化剤として重合したエマルション形の接着剤が最適である。更に、従来型の下地調整剤の場合、下地調整剤塗布面は吸水性が強くなり、2回目の以降の塗布は延びが低下し、しかも塗布厚みも厚くなる傾向にあり、サンドペーパーによる研磨作業が必要になる。
【0029】
しかしながら、ビニル樹脂系エマルションはポリビニルアルコール等の水溶性樹脂と比較し、耐水性が良く吸水性が少ないことから、サンドペーパーによる研磨作業を行った後でも、吸水性に変化が少なく、仕上げ塗り時への影響はない。このことから、薄塗り仕上げができ、下地調整剤の塗布厚みは必要以上に厚くなることはないことから、サンドペーパーによる研磨作業も少なくなり、施工効率の向上につながる。
【0030】
本発明の木粉末系の樹脂用充填剤の下地調整剤への添加について、その配合量は、その形状からカサ比で40%がペースト状態となる上限であり、これ以上の配合量では、均一なペーストとならない。また、従来品と違和感のない標準的なペーストとして使用するならば、カサ比で30%以下が望ましい。尚、配合量の下限値は、カサ比で5%は必要で、これ以下では木粉末を配合した効果は認められない。
【0031】
しかも、下地調整剤は、充填成分を固着成分で固めて強度を付与しており、木粉末は充填密度を粗にする性質があるため、木粉末の配合量が多くなるに従い、キメが粗くなりしかも樹脂量の割には強度が得られず、乾燥性にも問題が生じる。このことからも、下地調整剤の主な充填剤として、焼石膏又は炭酸カルシウム等の無機充填剤を同時に配合することが好ましい。
【0032】
無機充填剤は、全て焼石膏でも良いが、硬化後の強度の面から、焼石膏等の配合量が大きくなるに従い、乾燥後の強度も大きくなり、サンドペーパーによる研磨性が低下する。従って、焼石膏等の配合量は、カサ比で50%以下が条件となり、40〜50%が適度な配合量である。
【0033】
また、ビニル床タイルやビニル床シート、フローリング、磁器タイル等の床用内装材の接着は、下地の精度(平滑性)の問題から、充填剤を含有した乾燥収縮性の少ない充填型接着剤が使用されている。これらの内装材の施工に使用する充填剤入りの接着剤(以下、床用接着剤という。)に木粉末系充填剤を配合した場合の効果は、具体的には、次の(1)〜(6)が上げられる。
【0034】
(1) 木粉末同士の絡み合いが生じ、塗布後のダレ防止効果が高く、クシ目山の残りがよい。
(2) 揺変性があり、溶剤系接着剤の有する飴状のしつこい粘りのある粘性が、粘りの少ない粘性となり、塗布性が改善される。
(3) 内装材を貼り付けた際の納まり性がよい。オープンタイムを取ると、溶剤が蒸発し、固形分が高くなると、充填剤と接着剤成分との絡み合いで凝集力が強くなり、初期の接着力が発現する。特に、繊維子長が50μ以上の木粉末をカサ比で20%以上配合したものはこの効果が著しい。
(4) 接着剤の長期保管に有効である。木粉末の繊維同士の絡み合いで炭酸カルシウムやタルク等の沈降・ケーキングの防止効果効果が高い。特に、繊維子長が50μ以上の木粉末をカサ比で20%以上配合したものはこの効果が著しい。
(5) 短繊維であるため製造時の撹拌の際の分散性がよく、しかも靱性のある繊維のため繊維物質の破損が少ない。生産効率・品質の安定に対して効果がある。
(6) 比重が軽くなることから、カサ比で25%配合することにより、カサ比重が0.8〜0.9程度となり、従来品と比較し約20%軽量化することができる。
【0035】
床用接着剤は、充填効果のある充填成分と合成樹脂製の接着成分とで構成されている。エマルション系接着剤は、有機系揺変剤の種類も多く、比較的容易に安定性がよく、しかも作業性(塗布性)の良いものに調整することができるが、溶剤系の床用接着剤では使用している樹脂と溶剤とで粘性が決まり、無機系揺変剤で若干の変性で安定性や施工性の改善を行っていた。
【0036】
従って、溶剤型接着剤に木粉末系の樹脂用充填剤を配合することにより、ペーストの安定性、ダレ止め、塗布性、初期の接着性の優れた、しかも軽量タイプの床用接着剤が得られた。
【0037】
ところで、従来の充填剤にない特性を有する木粉末系の樹脂用充填剤の配合量は、その形状からカサ比で40%がペースト状態となる上限であり、これ以上の配合量では、均一なペーストとならない。また、従来品と違和感のない標準的なペーストとして使用するならば、カサ比で30%以下が望ましい。尚、配合量の下限値は、カサ比で5%は必要で、これ以下では木粉末を配合した効果は認められない。
【0038】
更に、コーキング剤についても、充填効果のある充填成分と合成樹脂製のコーキング成分とで構成され、塗料についても、充填効果のある充填成分と合成樹脂製の塗着成分とで構成されている。充填成分として、本発明の木粉末系の樹脂用充填剤を用いることにより、ペーストの安定性、ダレ止め、塗布性、初期の接着性の優れた、しかも軽量タイプの製品が得られる。
【0039】
また、コーキング剤又は塗料への本発明の木粉末系の樹脂用充填剤の配合量は、前述の下地調整剤及び接着剤と同様に、カサ比で40%がペースト状態となる上限であり、これ以上の配合量では、均一なペーストとならない。尚、配合量の下限値は、カサ比で5%は必要で、これ以下では木粉末を配合した効果は認められない。
【0040】
【実施例】
実施例1.下地調整剤
以下に具体的な実施例をあげて説明する。
1−1.配合実施例
次の表1に示す重量部で下地調整剤を作成した。尚、表中の木粉末は、平均粒径が約100μである。ヒル石は、平均粒径が約500μである。PVAとは、ポリピニルアルコールを指す。酢酸ビニル樹脂とは、酢酸ビニル樹脂エマルションで、固形分換算値で表記した。水とは、(混合水)+(樹脂エマルションの水分の換算値)で表記した。
【0041】
【表1】
Figure 0004748694
【0042】
1−2.評価結果
表1で得られた試作品の評価を行った。その結果を次の表2に示す。尚、表中、溝埋め疑似硬化時間は、巾8mm、深さ5mmのV溝に塗布し、指で軽く押さえた際に硬くなるまでの時間(2回目の塗布作業へ移行できるまでの時間)を測定した。また、肉ヤセは、巾8mm、深さ5mmのV溝に塗布乾燥した後、ダイヤルゲージにてくぼみを測定した。
【0043】
研磨性は、#80のサンドペーパーで研磨し、次のA〜Cの評価を行った。
A…研磨性がよい
B…研磨性はややよい
C…普通
【0044】
吸水性は、乾燥面に水滴を落とし、吸収されるまでの時間を測定し、次のA,C,Dの評価を行った。
A…吸い込み性が緩やか(10分間以上水滴が残る)
C…普通(5分以内に吸収される)
D…激しい(着けた瞬間に吸収される)
【0045】
壁紙の乾燥性は、ビニル壁紙を貼り付けた後の乾燥時間を測定し、次のA〜Cの評価を行った。
A…2時間以内に接着
B…4時間以内に接着
C…4時間以上必要
【0046】
硬化物の固さは、乾燥硬化後の固さを観察し、次のA〜Cの評価を行った。
A…硬い
B…やや硬い(指で押しても凹まない)
C…柔らかい(指で押すと弾性があり、凹む)
【0047】
表2から判る通り、本実施例の下地調整剤は、木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなる樹脂用充填剤と、ビニル系樹脂を主成分とした樹脂製固着成分とからなるものであり、塗布後の疑似硬化が早く、しかも肉ヤセが少なく施工効率がよく、しかもサンダー性と壁紙の接着性は相反する性質にも関わらず、両者をマッチさせることができる画期的な下地調整剤が得られることが確認された。
【0048】
【表2】
Figure 0004748694
【0049】
実施例2.接着剤
2−1.配合実施例
次の表3に示す重量部で充填型接着剤を作成した。尚、表中の木粉末は、平均粒径が約100μである。ビニル共重合樹脂は固形分換算値で表記した。
【0050】
【表3】
Figure 0004748694
【0051】
2−2.評価結果
表3で得られた試作品の評価を行った。その結果を次の表4に示す。尚、表中、ペーストの安定性は、常温で3ヶ月間放置後の状態を観察し、次の◎、○、△、×で評価した。
◎:均一なペースト状態
○:上部に少し分離が認められた。
△:明確な分離が生じている。
×:底部に充填剤のケーキングが認められた。
【0052】
クシ目山のダレ性は、、次の◎、○、△、×で評価した。
◎:ダレがなくクシ目山が残っている
○:塗布時に粘性でクシ目山が小さくなるが、ダレはない
△:塗布後、少しダレが生じ、クシ目山が小さくなる。
×:明確にダレ現象が認められ、クシ目山が低くなった。
【0053】
塗布性は、次の◎、○、△、×で評価した。
◎:クシ目ベラによる塗布作業に支障がない
○:若干粘りが強く、少し塗りにくい
△:延びがなく、カスレ現象が生じる
×:粘りが強く、手首への負担が大きい
【0054】
接着剤の戻し性は、次の◎、○、△、×で評価した。
◎:クシ目ベラで容易に掻き取りができ、容器に戻せた
○:掻き取る際、少しダレが生じるが、支障なく容器に戻せた
△:ダレが生じ、容器に戻すことが困難
×:ダレが激しく、容器に戻せない
【0055】
表4から判る通り、本実施例の床用接着剤は、木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなる樹脂用充填剤と、各種樹脂を主成分とした樹脂製接着成分とからなり、製造時の均一性の向上、ペーストの安定性の向上、揺変性の付与による塗布性、クシ目のダレ防止効果等で充分な効果が認められ、しかもアスベスト等の繊維状鉱物の添加による弊害(接着強さの低下)もなく、接着性能の優れた床用接着剤が得られることが確認された。
【0056】
【表4】
Figure 0004748694
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、アスベストの代替え品となる新規な樹脂用充填剤を得ることができ、特に、この新規な充填剤を用いて高品質の下地調整剤、接着剤、コーキング剤、及び仕上げ塗用塗材を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなる樹脂用充填剤の顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 揺変性を付与するために樹脂と共に添加される樹脂用充填剤であって、
    前記樹脂用充填剤が、木材を粉砕して短繊維状の粉末にしてなり、
    前記樹脂用充填剤の短繊維状の粉末が、繊維子径と繊維子長の比率が1対2〜50で、繊維子長が5〜500μの粉末を含み、
    前記樹脂用充填材が、前記樹脂に対して、カサ比で40%未満、5%以上添加されることを特徴とする樹脂用充填剤。
  2. 樹脂製固着成分と充填成分とからなる下地調整剤において、
    前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製固着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むことを特徴とする下地調整剤。
  3. 樹脂製接着成分と充填成分とからなる充填型接着剤において、
    前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製接着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むことを特徴とする充填型接着剤。
  4. 樹脂製コーキング成分と充填成分とからなるコーキング剤において、
    前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製コーキング成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むことを特徴とするコーキング剤。
  5. 樹脂製塗着成分と充填成分とからなる塗料において、
    前記充填成分として、請求項1に記載された樹脂用充填剤を、前記樹脂製塗着成分に対してカサ比で40%未満、5%以上含むことを特徴とする塗料。
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