JP4748199B2 - 静脈撮像装置および静脈撮像方法 - Google Patents

静脈撮像装置および静脈撮像方法 Download PDF

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Description

本発明は、指静脈撮像装置および指静脈撮像方法に関する。
生体個人認証は今後のネットワーク社会において、権利を守る為に非常に重要な技術である。特に、他人が本人になりすまして、金銭やコンテンツ、権利などをネット越しに盗むことが可能であるインターネット上での商取引では、暗号だけでは解決できない領域を守る技術として注目されている。しかし、指紋やアイリスなどは、偽造の問題が解決できない。この点、静脈のパターンで外部から容易に撮像できない部位を用いた個人認証技術は、判定精度の高さや偽造、成りすましが困難であるため、次世代の生体個人認証として期待されている。
このような生体個人認証技術として、例えば、指紋認証技術と静脈認証技術とを挙げることができる。指紋認証技術は、登録不能なユーザが4%程度存在することや、残留指紋によるなりすまし攻撃への耐性などの問題点を有しているが、反面、ラインセンサやエリアセンサなどを利用したスキャン型でも容易に画像合成が可能であるため、センサを小型化できるという長所がある。他方、これらの問題点が少ない次世代認証技術として期待されている静脈認証技術は、センサが大きいためにモバイル機器などへの搭載が困難であり、特に、静脈の透過画像を利用した撮像方式においては、光源の位置の制限が大きいためデバイスの平面構造化が困難であった。
そこで、静脈認証技術を用いたデバイスの小型化を実現するために、以下の特許文献1では、マイクロレンズがアレイ状に配置されたマイクロレンズアレイを用いることが行われている。
特開2008−36058号公報
ところで、従来の指静脈認証装置では、指の外形検出などの静脈とは異なる補助情報を用いることで、指の位置情報や不要な部位の削除、位置合わせ等を行っていた。他方、装置の小型化が可能となるマイクロレンズアレイを用いた装置では、装置の小型化に伴い、指の全体画像の取得が困難となるため、指の外形検出に代わる位置合わせ、誤情報の排除方法などが必要となる。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、指の全体画像の取得が困難であるマイクロレンズアレイを用いた装置であるにもかかわらず、撮像した指の相対位置を特定することが可能な、新規かつ改良された指静脈撮像装置および指静脈撮像方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイと、前記レンズアレイの対向する端部に沿ってそれぞれ複数設けられ、指の一部に対して近赤外光を照射する近赤外光照射光源と、前記レンズアレイによって集光された、前記生体内で散乱され静脈を透過した近赤外光に基づいて、前記静脈の撮像画像を生成するものであり、前記近赤外光照射光源が配列している方向である第1の方向と、前記第1の方向と直交し前記指の長さ方向に沿った第2の方向にそれぞれライン走査を行い、2種類の撮像画像を生成する撮像素子と、前記2種類の撮像画像それぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出部と、抽出された2種類の前記静脈パターンを認証する認証部と、2種類の前記静脈パターンの少なくともいずれか一方に存在する、前記指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する撮像範囲検出部と、を備える指静脈認証装置が提供される。
かかる構成によれば、レンズアレイには、複数の受光レンズがアレイ状に配設されており、レンズアレイの対向する端部には、生体の一部に対して近赤外光を照射する複数の近赤外光照射光源が設けられている。撮像素子は、レンズアレイによって集光された、生体内で散乱され静脈を透過した近赤外光に基づいて、静脈の撮像画像を生成するものであり、近赤外光照射光源が配列している方向である第1の方向と、第1の方向と直交し指の長さ方向に沿った第2の方向にそれぞれライン走査を行い、2種類の撮像画像を生成する。また、静脈パターン抽出部は、2種類の撮像画像それぞれから静脈パターンを抽出し、認証部は、抽出された2種類の静脈パターンを認証する。また、撮像範囲検出部は、2種類の静脈パターンの少なくともいずれか一方に存在する、指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する。
複数の静脈パターンから構成される静脈情報群をテンプレートとして記録する記憶部を更に備え、前記認証部は、前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を用いて、前記静脈情報群の中から前記静脈パターンを選定することが好ましい。
前記認証部は、前記静脈パターンの登録時に、前記複数の静脈パターンを合成して指静脈の全体画像を生成して当該指静脈の全体画像を前記テンプレートとして登録し、前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を用いて、認証時の前記静脈パターンに撮像されている部分を特定することが好ましい。
前記認証部は、前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンと、前記静脈のパターンとの交点を、新たに特徴点として登録してもよい。
前記撮像素子では、一つの前記受光レンズに対して複数の受光素子が割り当てられ、同一の前記指の一部を前記複数の受光素子で撮像した複数種類の撮像データを用いて、前記指の一部を撮像した際の視差に関する情報を取得する視差情報取得部と、前記視差情報を用いて前記指の外形を検出する外形検出部と、を更に備えてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、指の一部に対して近赤外光を照射するステップと、前記指の内部で散乱され静脈を透過した近赤外光を、複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイで集光するステップと、前記レンズアレイによって集光された、前記指の内部で散乱され静脈を透過した近赤外光を、前記指の長さ方向に沿った方向と、前記指の長さ方向と直交する方向にそれぞれライン走査を行う撮像素子で撮像し、2種類の撮像画像を生成するステップと、前記2種類の撮像画像それぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出ステップと、2種類の前記静脈パターンの少なくともいずれか一方に存在する、前記指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する撮像範囲検出ステップと、抽出された2種類の前記静脈パターンを認証する認証ステップと、を含む指静脈認証方法が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイと、前記レンズアレイの対向する端部に沿ってそれぞれ複数設けられ、指の一部に対して近赤外光を照射する近赤外光照射光源と、前記レンズアレイによって集光された、前記生体内で散乱され静脈を透過した近赤外光に基づいて、前記静脈の撮像画像を生成するものであり、前記近赤外光照射光源が配列している方向である第1の方向と、前記第1の方向と直交し前記指の長さ方向に沿った第2の方向の何れか一方の方向にライン走査を行い、撮像画像を生成する撮像素子と、前記撮像画像から静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出部と、抽出された前記静脈パターンを認証する認証部と、前記静脈パターンから抽出された、前記指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する撮像範囲検出部と、を備える指静脈認証装置が提供される。
本発明によれば、指の全体画像の取得が困難であるマイクロレンズアレイを用いた装置であるにもかかわらず、撮像した指の相対位置を特定することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)第1の実施形態
(1−1)指静脈認証装置の構成について
(1−2)指静脈の認証方法について
(2)本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置のハードウェア構成について
(3)まとめ
本願発明者は、上記課題を解決するために検討を行い、以下のような知見に想到した。すなわち、従来の静脈認証装置では、撮像装置と照明装置とをある程度離さないと、指静脈などの微細な静脈は撮像できなかった。これは、指内部に入射された近赤外光が、生体により大きく散乱されるために起こる。一般的に、生体に入射した近赤外光の70%以上は、真皮層までしか到達しないと言われており、このため撮像装置側から照射する光は真皮までの反射光となり、背面からの散乱光の吸収による影である微細な静脈画像は、この反射光の妨害によってコントラストが著しく低下して、撮像が困難となる。このため、従来の静脈認証装置は、手のひらや甲などの太い血管でしか利用できなかった。
本発明の各実施形態に係る静脈認証装置は、後述するように、マイクロレンズアレイを用いたフラットセンサと、パネル近傍に設けられた一体型照明装置とによる装置である。本発明の各実施形態では、マイクロレンズアレイと光源のそれぞれに、選択的な光のみを取り出すように配置された指向性制御板または絞りを設けることにより、静脈背面からの光のみを選択的に撮像可能とした。これにより、従来の光学系では不可能とされていた光源とセンサの一体化を実現している。
フラットセンサは、画像歪が少なく拡大率が変化しない、鮮明に細静脈が映るなど、従来の光学系よりも指静脈を高品質かつ再現性良く撮像できるため、従来の静脈認証装置より撮像面積を狭めても、認証精度を維持することが可能である。
ここで、従来の指静脈認証装置では、指ガイドや外形検出などの静脈とは異なる補助情報を用いることで、指の位置情報や不要な部位の削除、位置合わせを行っていた。このため、装置の小型化が可能なフラットセンサでは、これに代わる位置合わせ、誤情報の排除方法などが必要となる。
(第1の実施形態)
<指静脈認証装置の構成について>
まず、図1〜図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る指静脈認証装置の構成について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る指静脈認証装置の構成を説明するためのブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る指静脈認証装置における撮像部の平面図であり、図3は、図2をA−A切断線で切断した場合の断面図である。
本実施形態に係る指静脈認証装置10は、例えば図1に示したように、マイクロレンズアレイ101と、近赤外光照射光源105と、撮像素子109と、撮像素子制御部113と、静脈パターン抽出部115と、視差情報取得部117と、外形検出部119と、撮像範囲検出部121と、認証部123と、記憶部129と、を主に備える。指静脈認証装置10は、当該装置に載置された生体の一部(例えば、指)を撮像して、指の内部に存在する静脈の撮像画像(静脈画像)を生成するとともに、生成した静脈画像の認証処理を行う。
マイクロレンズアレイ(Micro Lens Array:MLA)101は、後述する近赤外光照射光源105から生体の一部(例えば、指)に対して照射され、生体内部の静脈を透過した近赤外光(以下、静脈透過光とも称する。)を、後述する撮像素子109へと集光する。このマイクロレンズアレイ101は、後述するように、複数の受光レンズから構成されている。
近赤外光照射光源105は、指静脈認証装置10に載置された生体の一部に対して、所定の波長帯域を有する近赤外光を照射する。近赤外光は、身体組織に対して透過性が高い一方で、血液中のヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に吸収されるという特徴を有するため、近赤外光を指や手のひらや手の甲に照射すると、指や手のひらや手の甲の内部に分布している静脈が影となって画像に現れる。画像に表れる静脈の影を、静脈パターンという。このような静脈パターンを良好に撮像するために、近赤外光照射光源105は、約600nm〜1300nm程度の波長、好ましくは、700nm〜900nm程度の波長を有する近赤外光を照射する。
ここで、近赤外光照射光源105が照射する近赤外光の波長が600nm未満または1300nm超過である場合には、血液中のヘモグロビンに吸収される割合が小さくなるため、良好な静脈パターンを得ることが困難となる。また、近赤外光照射光源105が照射する近赤外光の波長が700nm〜900nm程度である場合には、近赤外光は、脱酸素化ヘモグロビンと酸素化ヘモグロビンの双方に対して特異的に吸収されるため、良好な静脈パターンを得ることができる。
このような近赤外光照射光源105として、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いることが可能である。また、上述のような波長帯域を有する発光ダイオードを用いる代わりに、上述の波長帯域を含む光を射出可能な発光ダイオードと、射出された光を光学的に帯域制限するフィルタとを組み合わせたものを使用してもよい。
撮像素子109は、複数の受光素子111が格子状に配置された撮像面を有し、マイクロレンズアレイ101により結像された静脈透過光を基に、近赤外光による静脈画像を生成する。本実施形態に係る撮像素子109として、例えば、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)型画像センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型画像センサ等を利用することができる。撮像素子109は、生成された静脈画像(以下、撮像データとも称する。)を静脈パターン抽出部115および視差情報取得部117へと出力する。また、撮像素子109は、生成した静脈画像を、後述する記憶部129に記憶してもよい。
なお、本実施形態に係る指静脈認証装置10においては、後述するように、マイクロレンズアレイ101の一つの受光レンズに対して、複数の受光素子111が割り当てられている。そのため、本実施形態に係る指静脈認証装置10においては、一つの受光レンズによって集光された近赤外光(静脈透過光)は、複数の受光素子111によって撮像されることとなる。
この撮像素子109は、後述する撮像素子制御部113により、受光素子の走査タイミング等が制御される。
撮像素子制御部113は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されており、撮像素子109の駆動制御を行う。より詳細には、撮像素子制御部113は、所定の同期信号等に基づいて、撮像素子109を構成する受光素子111の走査タイミングや、どの受光素子111から情報を取得するかといった駆動の制御を行う。
より具体的には、撮像素子制御部113は、撮像素子109を制御して、撮像素子109が、指静脈認証装置10上に配設された指の長さ方向に沿った方向と、この指の長さ方向と直交する方向に、それぞれライン走査を行うようにさせる。このような撮像素子109の制御を行うことで、後述するように、指の第1関節近傍に存在する皺のパターンと第2関節近傍に存在する皺のパターンとを撮像した撮像データと、このような皺のパターンを含まないような撮像データの2種類を、生成することが可能となる。
また、撮像素子109が、指の長さ方向に沿った方向と、この指の長さ方向と直交する方向の何れか一方のライン走査にのみ対応している場合には、撮像素子制御部113は、ライン走査が可能な方向について、走査を行っても良い。
静脈パターン抽出部115は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成され、撮像素子109によって生成された2種類の撮像データの中から、静脈パターンを抽出する。
まず、静脈パターン抽出部115は、撮像素子109から伝送された撮像データについて、画像の反転処理および合成処理を行う。先に説明したように、マイクロレンズ101の一つの受光レンズによって集光された近赤外光は、複数の受光素子111によって撮像されている。一つの受光レンズに対応する複数の受光素子111それぞれでは、後で説明するように、元の画像に対して上下左右の関係が逆転した画像が生成される。そのため、これらの受光素子111により生成されたそれぞれの画像を反転して合成する処理が必要となる。
全ての受光レンズから得られた反転・合成された画像を、互いに合成することで、静脈認証処理に必要な解像度を有する撮像データが得られることとなる。
静脈パターンの抽出は、上述のような撮像データに対して、差分フィルタを適用することで行なわれる。差分フィルタは、注目している画素とその周囲の画素について、注目している画素と周囲の画素との差分が大きな部分で、大きな値を出力値として出力するフィルタである。換言すれば、差分フィルタとは、注目している画素とその近傍の階調値の差分を用いた演算により、画像中の線や縁を強調するフィルタである。
一般的に、2次元平面の格子点(x,y)を変数とする画像データu(x,y)に対してフィルタh(x,y)を用いてフィルタ処理を行なうと、以下の式1に示すように、画像データν(x,y)を生成する。ここで、以下の式1において、‘*’は畳込み積分(コンボリューション)を表す。
Figure 0004748199
本実施形態に係る静脈パターンの抽出では、上記の差分フィルタとして、1次空間微分フィルタや2次空間微分フィルタ等の微分フィルタを用いてもよい。1次空間微分フィルタは、注目している画素について、横方向と縦方向の隣接している画素の階調値の差分を算出するフィルタであり、2次空間微分フィルタは、注目している画素について、階調値の差分の変化量が大きくなっている部分を抽出するフィルタである。
上記の2次空間微分フィルタとして、例えば、以下に示すLog(Laplacian of Gaussian)フィルタを用いることが可能である。Logフィルタ(式3)は、ガウス関数を用いた平滑化フィルタであるガウシアン(Gaussian)フィルタ(式2)の2次微分で表される。ここで、以下の式2において、σはガウス関数の標準偏差を表し、ガウシアンフィルタの平滑化の度合いを表す変数である。また、以下の式3におけるσは、式2と同様にガウス関数の標準偏差を表すパラメータであり、σの値を変化させることで、Logフィルタ処理を行なった場合の出力値を変化させることができる。
Figure 0004748199
このようにして抽出された静脈パターンに対して、例えば、差分フィルタ適用後の撮像画像に対してなされる閾値処理や、2値化処理や、細線化処理等の処理が施される。かかる処理を経て、静脈パターンのスケルトンを抽出することが可能となる。
静脈パターン抽出部115は、このようにして抽出された静脈パターンを、後述する撮像範囲検出部121および認証部123へと伝送する。
また、静脈パターン抽出部115は、後述する外形検出部119から得られた外形の検出結果を、静脈パターンの抽出処理に利用することも可能である。
なお、静脈パターン抽出部115は、抽出した静脈パターンやスケルトンを、後述する記憶部129に記憶してもよい。なお、静脈パターン抽出部115は、上述の各処理を行なうに当たって生成したパラメータや処理の途中経過等を、記憶部129に記憶してもよい。
また、撮像素子制御部113が、撮像素子のライン走査を、一つの方向に関してのみ行った場合には、静脈パターン抽出部115は、得られた一種類の撮像画像から、上述の方法を用いて静脈パターンを抽出する。
視差情報取得部117は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、撮像素子109から伝送された撮像データに基づいて、撮像対象である指の一部を撮像した際の視差に関する情報を取得する。
先に説明したように、マイクロレンズアレイを構成する受光レンズのそれぞれについて、複数の受光素子111が対応付けられており、一つの受光レンズに対応する複数の受光素子は、同一の撮像対象を、それぞれわずかに異なる方向から撮像している。そのため、これらの受光素子111から得られた画像を微分処理してエッジ検出し、得られたエッジ部分について解析を行う。これにより、視差に関する情報を、例えば画像上の焦点位置のズレとして得ることができ、受光素子111と撮像対象との離隔距離を算出することができる。この視差に関する情報の取得方法については、以下で改めて詳細に説明する。
視差情報取得部117は、得られた視差に関する情報(例えば、受光素子と撮像対象との離隔距離に関する情報)を、後述する外形検出部119へと伝送する。また、視差情報取得部117は、得られた視差に関する情報を、後述する記憶部129に記録することが可能である。
外形検出部119は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、視差情報取得部117から伝送された視差に関する情報に基づいて、撮像対象の外形を検出する。実際の撮像対象である指には奥行きが存在するために、指の輪郭近傍では、上述の離隔距離が異なる位置が存在することとなる。そのため、外形検出部119は、視差情報取得部117から伝送された複数の画像に関する視差情報(詳細には、離隔距離に関する情報)を用いて、外形検出、すなわち、指の輪郭に関する情報を得ることができる。
より詳細には、外形検出部119は、離隔距離が大きく離れている部分が存在すれば、指の輪郭部分や、指の外側などの不要な部分であると判断し、離隔距離が近接していれば、指に該当する部分であると判断する。
外形検出部119は、この外形の検出結果を、静脈パターン抽出部115や認証部123へと出力し、それぞれの処理部における処理に利用してもらう。また、外形検出部119は、得られた外形に関する情報を、後述する記憶部129へと記録することが可能である。
撮像範囲検出部121は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、静脈パターン抽出部115から伝送された静脈パターンやスケルトンに基づいて、伝送された静脈パターン等が、指のどの部分に該当しているのかを検出する。
より詳細には、撮像範囲検出部121は、静脈パターン抽出部115から伝送された、指の長さ方向と直交する方向にライン走査して得られた撮像データから抽出された静脈パターン等を用いて、撮像範囲の検出を行う。なお、以下では、指の長さ方向を垂直方向と称し、指の長さ方向と直交する方向を、水平方向と称することとする。
後述するように、水平方向にライン走査して得られた撮像データには、指の第1関節近傍や第2関節近傍に存在する皺のパターンが含まれている。そのため、このような特徴的な皺のパターンや、皺のパターンと静脈のパターンとの交点や、静脈パターンの形状や、輪郭線の位置等を、既に登録されているテンプレートと比較することで、静脈パターンの撮像範囲を大まかに特定することが可能となる。この撮像範囲の検出処理に際して、撮像範囲検出部121は、後述する記憶部129に記録されている各種のパラメータやデータベースやプログラム等を参照することが可能である。
撮像範囲検出部121は、得られた撮像範囲に関する情報(例えば、皺のパターンや、輪郭線から、どのくらい離隔した箇所のデータなのか、といった情報)を、認証部123へと出力する。また、撮像範囲検出部121は、得られた撮像範囲に関する情報を、後述する記憶部129へと記録してもよい。
認証部123は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成され、静脈パターン抽出部115により生成された静脈パターンをテンプレートとして登録したり、静脈パターン抽出部115により生成された静脈パターンを既に登録されているテンプレートと照合して、静脈パターンの認証をおこなったりする。かかる認証部123は、例えば、静脈パターン登録部125と、静脈パターン認証部127と、を更に備える。
静脈パターン登録部125は、静脈パターン抽出部115により生成された静脈パターンを、テンプレートとして後述する記憶部129に登録する。また、登録静脈パターンの登録に際しては、静脈パターンだけでなく、静脈パターンを有する個人を特定する他のデータ(例えば、指紋データ、顔画像データ、虹彩データ、声紋データ等)を静脈パターンに関連づけて記憶してもよい。また、テンプレートとして登録される登録静脈パターンは、例えば、CBEFF(Common Biometric Exchange File Format:共通バイオメトリック交換ファイルフォーマットフレームワーク)等の規格に則ったヘッダ情報を有していてもよい。
また、静脈パターン登録部125は、第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンと、静脈のパターンとの交点を、新たに特徴点として登録することも可能である。
なお、静脈パターン登録部125は、静脈パターン抽出部115から伝送された複数の静脈パターンを合成して、一つの全体画像として記録することも可能である。この全体画像の合成については、以下で改めて説明する。
静脈パターン認証部127は、静脈パターン抽出部115により生成された静脈パターンと、既に記録されている静脈パターンのテンプレートとに基づいて、生成された静脈パターンの認証を行なう。静脈パターン認証部127は、後述する記憶部129に対して登録静脈パターンの開示を要求し、取得した登録静脈パターンと、静脈パターン抽出部115から伝送された静脈パターンとの比較を行なう。
より詳細には、静脈パターン認証部127は、外形検出部119や、撮像範囲検出部121から伝送された、外形に関する情報や、撮像範囲に関する情報に基づいて、登録静脈パターン(テンプレート)における伝送された静脈パターンの位置関係を把握し、登録静脈パターンと伝送された静脈パターンとの比較を行う。
登録静脈パターンと伝送された静脈パターンとの比較は、例えば以下に示す相関係数を算出し、算出した相関係数に基づいて実行することが可能である。静脈パターン認証部127は、比較の結果登録静脈パターンと伝送された静脈パターンが類似している場合には、伝送された静脈パターンを認証し、類似していない場合には、認証を行なわない。
相関係数は、以下の式4で定義されるものであり、2つのデータx={xi},y={yi}間の類似度を示す統計学指標であって、−1から1までの実数値をとる。相関係数が1に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していることを示し、相関係数が0に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していないことを示す。また、相関係数が−1に近い値を示す場合には、2つのデータの符号が反転しているような場合を示す。
Figure 0004748199
また、静脈パターン認証部127は、認証結果を認証時刻等と関連づけて、認証履歴として記憶部129に記録してもよい。かかる認証履歴を生成することで、誰がいつ静脈パターンの認証を要求したのか、ひいては、誰がいつ指静脈認証装置10を利用したのか、を知ることが可能となる。
また、静脈パターン認証部127は、これらの皺のパターンに基づいて登録静脈パターンをいくつかのパターンに予め分割しておき、処理に活用することも可能である。
なお、静脈パターン認証部127は、上述のような皺のパターンに代表される皮紋パターンを利用することも可能である。このような皮紋パターンと静脈パターンとを利用して、いわゆるマルチモーダル認証を行うことで、認証の精度を向上させることが可能である。
記憶部129は、静脈パターン登録部125から登録要請のあった登録静脈パターンや、当該登録静脈パターンに関連付けられた他のデータを記憶する。また、これらのデータ以外にも、撮像素子109が生成した静脈画像や、静脈パターン抽出部115が抽出した静脈パターン等を記憶することも可能である。更に、これらのデータ以外にも、指静脈認証装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベース等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部129は、撮像素子109、撮像素子制御部113、静脈パターン抽出部115、示唆情報取得部117、外形検出部119、撮像範囲検出部121、認証部123等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
[静脈撮像部の構造について]
次に、図2および図3を参照しながら、本実施形態に係る指静脈認証装置における撮像部の構造について、詳細に説明する。
本実施形態に係る指静脈認証装置10のマイクロレンズアレイ101は、例えば図2に示したように、受光レンズである複数のマイクロレンズ103から構成されており、マイクロレンズ103は、所定の基板上に格子状に配列されている。各マイクロレンズ103は、例えば図3に示したように、光入射面から当該マイクロレンズ103に入射した静脈透過光を、後述する撮像素子109(より詳細には、撮像素子109の受光素子111)に導光する。マイクロレンズアレイ101は、像面湾曲が少なく深さ方向のひずみがないレンズアレイであるため、このようなマイクロレンズアレイ101を用いることで、良好な画像データを得ることができる。マイクロレンズアレイ101を構成する各マイクロレンズ103の焦点位置は、静脈撮像装置10の撮像対象となる静脈Vが存在する静脈層の位置となるように設定される。
人体の皮膚は、表皮層、真皮層および皮下組織層の3層構造となっていることが知られているが、上述の静脈層は、真皮層に存在している。真皮層は、指表面に対して0.1mm〜0.3mm程度の位置から2mm〜3mm程度の厚みで存在している層である。したがって、このような真皮層の存在位置(例えば、指表面から1.5mm〜2.0mm程度の位置)にマイクロレンズ103の焦点位置を設定することで、静脈層を透過した透過光を、効率よく集光することが可能となる。
ここで、近赤外光照射光源105から照射される近赤外光のうち、ほぼ70%は、表皮層で反射してしまうことが知られている。この表皮層は、皮膚の皺のパターン(いわゆる、皮紋パターン)に関係する箇所である。マイクロレンズアレイでは、上述のような焦点距離の設定を行ったとしても、この表皮層で反射した光を集光してしまう。本実施形態に係る指静脈認証装置10では、この表皮層で反射した光によって得られる皮紋パターン(すなわち、指紋パターン)も、処理に活用する。
なお、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ101に配設されるマイクロレンズ103の個数は、図2に示した例に限定されるわけではない。本実施形態に係るマイクロレンズアレイ101に配設されるマイクロレンズ103の個数は、撮像したい生体の大きさや、撮像素子109の大きさに応じて、自由に設定することが可能である。
近赤外光照射光源105の一例である発光ダイオードは、例えば図2に示したように、マイクロレンズアレイ101の対向する端部に複数配置されている。発光ダイオードが配置される端部は、生体の一部(図2および図3に示した例では、指FG)の上端と下端に対応する縁部であることが好ましい。このように発光ダイオードを配置することで、指FGの上下方向から、近赤外光を照射することが可能となる。
なお、本実施形態に係る近赤外光照射光源105の個数は、図2に示した例に限定されるわけではなく、マイクロレンズアレイ101の大きさや、近赤外光照射光源105の照射可能エリア等に応じて、自由に設定することが可能である。
また、マイクロレンズアレイ101と近赤外光照射光源105との間には、例えば図2および図3に示したように、指向性制御板107が設けられる。この指向性制御板107は、近赤外光照射光源105から射出された直接光12の指向性を制御し、直接光12が直接マイクロレンズアレイ101のマイクロレンズ103に入射しないようにする。
近赤外光照射光源105から射出された近赤外光は、例えば図3に示したように、指FGの表面に向かって上方に伝搬し、直接光12として、指FGの内部に入射する。ここで、人体は良好な近赤外光の散乱体であるため、指FG内に入射した直接光12は四方に散乱しながら伝搬する。これらの散乱光の一部は、背面散乱光13として上述の静脈層を背面から指表面に向かって進行し、その途中で静脈Vを透過する。静脈を透過した静脈透過光は、マイクロレンズアレイ101を構成するそれぞれのマイクロレンズ103に入射することとなる。
ここで、相隣接するマイクロレンズ103の境界部には、指向性制御板107が設けられる。この指向性制御板107により、静脈透過光の指向性を制御することが可能となり、撮像素子109(より詳細には、受光素子111)に集光される静脈透過光を選択することが可能となる。
なお、図3において、一つのマイクロレンズ103に対応する受光素子111は、一つしか記載されていないが、実際には、後述するように、一つのマイクロレンズ103に対して、複数の受光素子111が対応付けられている。
[撮像素子の走査方向について]
続いて、図4A〜図4Cを参照しながら、本実施形態に係る指静脈認証装置10が備える撮像素子109の走査方向について、詳細に説明する。図4A〜図4Cは、本実施形態に係る指静脈認証装置が備える撮像素子の走査方向について説明するための説明図である。
本実施形態に係る指静脈認証装置10が備えるマイクロレンズアレイ101は、例えば図2や図4Aに示したような構造を有しており、このマイクロレンズアレイ101の下方に、撮像素子109が配設されている。ここで、撮像素子109は、撮像素子制御部113によって、図4Aに示した2つの走査方向にライン走査するように制御される。
図4Bに模式的に示したように、人間の指FGには、第1関節近傍や第2関節近傍に、特徴的な皺のパターンが存在する。また、上述のように、指に対して照射された近赤外光の約70%は、このような皺のパターンが存在する表皮層によって反射されてしまい、マイクロレンズアレイによって集光される。そのため、図4Bに示したような皺のパターンは、撮像素子の走査方向によっては、得られた画像に残存してしまうこととなる。
そのため、従来の静脈認証方法では、図4Bに示したような皺のパターンの残存を排除するために、図4Aに示した「走査方向1」に沿って撮像素子109のライン走査を行っていた。これにより、ライン走査の方向が、図4Bに示した皺のパターンの向きと略平行となるために、皺のパターンの残存を排除することが可能となるからである。
しかしながら、本実施形態に係る指静脈認証装置10では、図4Bに示したような関節近傍の皺のパターンを、撮像範囲の特定に利用するため、図4Aに示したように、「走査方向1」と、「走査方向2」の2つの方向で、撮像素子109はライン走査を行う。
走査方向1(すなわち、垂直方向)に沿ってライン走査を行って得られた撮像データでは、図4Bに示したような皺のパターンの残存が少ない静脈パターンを得ることができるため、静脈認証処理に用いる静脈パターンを抽出することができる。
また、走査方向2(すなわち、水平方向)に沿ってライン走査を行って得られた撮像データでは、図4Bに示したような皺のパターンの向きと走査方向とが直交することとなるため、図4Cに示したように、皺のパターンが残存した静脈パターンを得ることができる。
本実施形態に係る指静脈認証装置10では、このように2種類の走査方向によるライン走査を行うことで、静脈パターンの撮像範囲を特定するために用いる静脈パターンと、認証処理用に用いる静脈パターンの双方を得ることができる。
なお、上述のように、関節近傍に存在する皺のパターンを取得する必要があるため、マイクロレンズアレイ101や撮像素子109の大きさは、指の第1関節および第2関節を共に撮影することが可能な大きさを有することが好ましい。
また、上述の方法以外にも、例えば以下のような方法を用いることが可能である。すなわち、例えば図4Bに示したように、関節近傍に存在する皺の方向は、指の長さ方向(すなわち、垂直方向)に略直交している。そのため、垂直方向または水平方向の何れか一方の走査方向に沿ってライン走査を行い、得られた撮像画像に対して方向性フィルタ等を用いた画像処理を行うことで、静脈パターンの中から皺のパターンを分離して、抽出することが可能となる。
[視差情報の取得方法について]
次に、図5A〜図6を参照しながら、視差情報の取得方法について、詳細に説明する。図5Aおよび図5Bは、マイクロレンズアレイで撮像した画像について説明するための説明図である。また、図6は、マイクロレンズアレイを用いることで得られる視差情報について説明するための説明図である。
一般に、マイクロレンズアレイ(MLA)を用いてある画像を撮像すると、例えば図5Aに示したように、撮像画像は、元の画像に対して、上下および左右が逆転した像となる。また、実際には、一つの受光レンズ(マイクロレンズ103)に対して、複数の受光素子111が割り当てられているため、一つのマイクロレンズ103に割り当てられた全ての受光素子111について、上下左右の逆転した像が形成される。例えば、図5Bに示したように、一つのマイクロレンズ103に対して、例えば3×3=9個の受光素子111が割り当てられているとすると、9個の受光素子それぞれには、上下左右の逆転した画像が形成される。
このため、マイクロレンズアレイを用いた撮像装置では、一つのマイクロレンズ103に割り当てられている受光素子111から得られた全ての画像について、まず反転処理を行って上下の関係、および左右の関係を元に戻した後に、それぞれの画像を合成して、画像の解像度を上げることが行わる。
ここで、図6に示したように、一つのマイクロレンズ103を用いて、指のある部分を撮像した場合を考える。この際に、一つのマイクロレンズ103に対して、図6のように3×3=9個の受光素子111が割り当てられているとする。図6に示した9個の受光素子からなるグループを、以降「単位グループ131」と称することとする。
図5Bに示したように、一つのマイクロレンズ103に対応する受光素子111には、上下左右が逆転した状態で同じ画像が結像することとなる。しかしながら、実際には、単位グループ131内の受光素子111の配設位置に応じて、各受光素子111と撮像対象との方向が異なることとなるため、単位グループ131を構成する受光素子111から得られる撮像データは、視差を含むこととなる。
ここで、図6で斜線をつけて示した2つの受光素子111のように、単位グループ131内の水平配設位置が同じ受光素子111に着目すると、これらの素子111から得られる撮像データは、撮像方向以外の条件はほぼ同一であるデータとなることが予想される。そのため、このような位置関係にある受光素子111から得られる撮像データを解析することで、本実施形態に係る視差情報取得部117は、視差情報を取得することが可能となる。
具体的には、視差情報取得部117は、図6に示したような位置関係にある受光素子111から得られる撮像データを微分処理してエッジ検出し、エッジとして認識された部分について比較を行う。視差情報取得部117は、例えば、撮像対象の同一の点が、それぞれの撮像データにおいてどの場所に位置するかを把握した上で、単位グループ131内の受光素子111の位置関係に関する情報を用いて、離隔距離Lを算出することが可能である。
なお、上述の説明では、同一ライン上に存在する2つの受光素子111に着目した場合について説明を行ったが、同一ライン上に存在しない受光素子111を用いて視差情報を取得することも可能である。ただし、同一ライン上に存在しない受光素子111は、受光素子111から出力された信号の転送タイミング等が異なる場合があるため、リアルタイム処理ができないことがある。このような場合には、受光素子111から取得した情報を一旦フレームメモリなどに取り込んだ上で、受光素子111から取得した情報の再配置等を行い、視差情報を取得する必要がある。
[静脈パターンの全体画像の取得方法について]
次に、図7を参照しながら、認証部123が行う静脈パターンの合成処理について、詳細に説明する。図7は、静脈パターンの合成処理について説明するための説明図である。
本実施形態に係る指静脈認証装置10では、図4Aにて説明したように、撮像対象である指を、走査方向1と走査方向2の二つの方向に沿ってライン走査する。他方、マイクロレンズアレイ101を用いたフラットセンサでは、指を水平方向と垂直方向の2種類の方向で走査する場合に、多少の距離差では歪みを生じないという特徴がある。
そのため、図7に示したように、撮像対象である指を、二つの走査方向に沿ってライン走査し、得られた画像から抽出した複数の静脈パターンを合成して、一つの全体画像とすることが可能である。
走査方向を変えて取得した複数の静脈パターンの集合(以下、静脈情報群と称する。)では、互いの静脈パターンを比較すると、共通する部分が存在する。本実施形態に係る指静脈認証装置10では、第1関節近傍や第2関節近傍に存在する皺のパターンを利用して、撮像範囲の特定を行うことが可能であるため、静脈情報群を構成する各静脈パターンについて、どの静脈パターンがどの静脈パターンとつながっているかを判断することが可能である。また、共通する部分についても、上述のような相関係数を用いることで、類似度の高い範囲を見出すことが可能である。
そこで、本実施形態に係る静脈パターン登録部125は、これらの撮像範囲に関する情報や、類似度に関する情報に基づいて、静脈情報群を構成する複数の静脈パターンを合成し、図7に示したような全体画像を得ることが可能である。
このような全体画像を、テンプレートとして登録することにより、認証時に入力された部分的な静脈パターンと、この全体画像との比較が可能となる。
以上、本実施形態に係る指静脈認証装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、本実施形態に係る指静脈認証装置10は、例えば、コンピュータやサーバ等の情報処理装置、携帯電話やPHS等の携帯端末や携帯情報端末(PDA)、現金自動預払機(ATM)、入退室管理装置、ゲーム機器やゲーム機器のコントローラ等の各種装置に実装されてもよい。
また、上述の説明では、テンプレートとして登録される登録静脈パターンが、指静脈認証装置10内に記録される場合について説明したが、登録静脈パターンは、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、または、SDメモリカード等の記録媒体や、非接触型ICチップを搭載したICカードまたは電子機器等に記録されてもよく、指静脈認証装置10とインターネット等の通信網を介して接続されたサーバに記録されてもよい。
<指静脈の認証方法について>
続いて、図8を参照しながら、本実施形態に係る指静脈の認証方法について、詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る指静脈の認証方法を説明するための流れ図である。
本実施形態に係る指静脈の認証方法では、まず、近赤外光照射光源105により、指の一部に対して近赤外光を照射し、マイクロレンズアレイ101および撮像素子109を用いて、生体の撮像を行う(ステップS101)。
この際、撮像素子109は、撮像素子制御部113によって駆動制御がなされており、指の長さ方向に沿ったライン走査(垂直方向に沿ったライン走査)と、指の長さ方向と直交する方向に沿ったライン走査(水平方向に沿ったライン走査)の双方を行い、2種類の撮像データを生成する。
次に、2種類の撮像データが伝送された静脈パターン抽出部115は、それぞれの撮像データから、静脈パターンを抽出する(ステップS103)。静脈パターン抽出部115は、抽出した2種類の静脈パターンを、撮像範囲検出部121と、認証部123へと伝送する。
また、この静脈パターンの抽出処理に併せて、撮像素子109から撮像データを取得した視差情報取得部117により、視差情報の取得処理が成されてもよい。視差情報取得部117は、取得した視差情報を外形検出部119に伝送し、外形検出部119では、指の外形に関する情報(例えば、輪郭線に関する情報等)を取得する。外形検出部119は、取得した外形に関する情報を、静脈パターン抽出部115や認証部123に伝送することが可能である。
指静脈認証装置10が実行している処理が、指静脈の登録処理である場合には(ステップS107)、認証部123の静脈パターン登録部125は、静脈パターン抽出部115から伝送された複数の静脈パターンを、撮像範囲検出部121から伝送された情報等に基づいて合成し、合成画像とする(ステップS109)。合成画像の生成処理が終了すると、静脈パターン登録部125は、合成画像をテンプレートとして記憶部129に登録する(ステップS111)。
また、指静脈認証装置10が実行している処理が、指静脈の認証処理である場合には(ステップS107)、認証部123の静脈パターン認証部127は、記憶部129に記録されているテンプレートを取得して(ステップS113)、認証処理を開始する。具体的には、静脈パターン認証部127は、撮像範囲検出部121から伝送された情報に基づいて、認証処理が実行される静脈パターンが合成画像のどの部分に該当する静脈パターンなのかを判定する。この判定処理は、第1関節近傍の皺のパターンや第2関節近傍の皺のパターンからの離隔距離や、相関係数の類似度合い等に基づいて、行われる。
全体画像のどの部分に該当する静脈パターンなのかが確定すると、静脈パターン認証部127は、登録されている該当部分のテンプレートと、伝送された静脈パターンとの比較を行う(ステップS115)。伝送された静脈パターンが登録されているテンプレートの該当部分と類似している場合には、静脈パターン認証部127は、認証は成功したと判断し、実行が制限されている各種の処理を実行する。また、伝送された静脈パターンが登録されているテンプレートの該当部分と類似していない場合には、静脈パターン認証部127は、認証は失敗したと判断し、エラーを提示して処理を終了する。
このように、本実施形態に係る指静脈認証方法によれば、マイクロレンズアレイを用いたフラットパネルのように、指全体の情報を得るのが困難な装置を用いた場合であっても、関節近傍に存在する皺のパターンを利用して静脈パターンの相対的な位置を特定することが可能である。
<ハードウェア構成について>
次に、図9を参照しながら、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図9は、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
指静脈認証装置10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、指静脈認証装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、指静脈認証装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。指静脈認証装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、指静脈認証装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなど、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、指静脈認証装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、指静脈認証装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、指静脈認証装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、指静脈認証装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、メモリースティック、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等である。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、i.Link等のIEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等の、機器を指静脈認証装置10に直接接続するためのポートである。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、指静脈認証装置10は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等である。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
<まとめ>
以上説明したように、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置によれば、マイクロレンズアレイを用いたフラットパネルのように、指全体の情報を得るのが困難な装置を用いた場合であっても、関節近傍に存在する皺のパターンを利用して静脈パターンの相対的な位置を特定することが可能である。皺のパターンに代表される皮紋パターンは、皮紋の空間周波数の特徴を利用して抽出することが可能である。
また、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置によれば、マイクロレンズアレイの特徴を利用して、視差情報を取得することが可能であるため、撮像対象の外形判断や、非生体部分の特定が可能となり、撮像対象の輪郭線や、撮影背景に起因する誤動作の回避が可能となる。
また、複数の静脈パターンを利用して、静脈パターンの全体画像を生成することが可能であるため、登録画像の一部のみを用いて、認証処理を実行することが可能となる。
また、本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置では、指の関節近傍に存在する皺のパターンに代表される皮紋パターンを利用するため、皮紋パターンと静脈パターンとを利用したハイブリッド認証の実行が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態に係る指静脈認証装置の構成を説明するためのブロック図である。 同実施形態に係る指静脈認証装置の撮像部を説明するための平面図である。 図2をA−A切断線で切断した場合の断面図である。 同実施形態に係る指静脈認証装置が備える撮像素子の走査方向について説明するための説明図である。 同実施形態に係る指静脈認証装置が備える撮像素子の走査方向について説明するための説明図である。 同実施形態に係る指静脈認証装置が備える撮像素子の走査方向について説明するための説明図である。 マイクロレンズアレイで撮像した画像について説明するための説明図である。 マイクロレンズアレイで撮像した画像について説明するための説明図である。 マイクロレンズアレイを用いることで得られる視差情報について説明するための説明図である。 静脈パターンの合成処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る指静脈の認証方法を説明するための流れ図である。 本発明の各実施形態に係る指静脈認証装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
符号の説明
10 指静脈認証装置
101 マイクロレンズアレイ
103 マイクロレンズ
105 近赤外光照射光源
107 指向性制御版
109 撮像素子
111 受光素子
113 撮像素子制御部
115 静脈パターン抽出部
117 視差情報取得部
119 外形検出部
121 撮像範囲検出部
123 認証部
125 静脈パターン登録部
127 静脈パターン認証部
129 記憶部

Claims (8)

  1. 複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイと、
    前記レンズアレイの対向する端部に沿ってそれぞれ複数設けられ、指の一部に対して近赤外光を照射する近赤外光照射光源と、
    前記レンズアレイによって集光された、前記指の内部で散乱され静脈を透過した近赤外光に基づいて、前記静脈の撮像画像を生成するものであり、前記近赤外光照射光源が配列している方向である第1の方向と、前記第1の方向と直交し前記指の長さ方向に沿った第2の方向にそれぞれライン走査を行い、2種類の撮像画像を生成する撮像素子と、
    前記2種類の撮像画像それぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出部と、
    2種類の前記静脈パターンの少なくともいずれか一方に存在する、前記指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する撮像範囲検出部と、
    を備える、静脈撮像装置。
  2. 抽出された前記静脈パターンを認証する認証部を更に備える、請求項に記載の静脈撮像装置。
  3. 複数の静脈パターンから構成される静脈情報群をテンプレートとして記録する記憶部を更に備え、
    前記認証部は、前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を用いて、前記静脈情報群の中から前記静脈パターンを選定する、請求項に記載の静脈撮像装置。
  4. 前記認証部は、
    前記静脈パターンの登録時に、前記複数の静脈パターンを合成して指静脈の全体画像を生成して当該指静脈の全体画像を前記テンプレートとして登録し、
    前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を用いて、認証時の前記静脈パターンに撮像されている部分を特定する、請求項に記載の静脈撮像装置。
  5. 前記認証部は、前記第1関節近傍の皺のパターンまたは前記第2関節近傍の皺のパターンと、前記静脈のパターンとの交点を、新たに特徴点として登録する、請求項に記載の静脈撮像装置。
  6. 前記撮像素子では、一つの前記受光レンズに対して複数の受光素子が割り当てられ、
    同一の前記指の一部を前記複数の受光素子で撮像した複数種類の撮像データを用いて、前記指の一部を撮像した際の視差に関する情報を取得する視差情報取得部と、
    前記視差情報を用いて前記指の外形を検出する外形検出部と、
    を更に備える、請求項に記載の静脈撮像装置。
  7. 指の一部に対して近赤外光を照射するステップと、
    前記指の内部で散乱され静脈を透過した近赤外光を、複数の受光レンズがアレイ状に配設されたレンズアレイで集光するステップと、
    前記レンズアレイによって集光された、前記指の内部で散乱され静脈を透過した近赤外光を、前記指の長さ方向に沿った方向と、前記指の長さ方向と直交する方向にそれぞれライン走査を行う撮像素子で撮像し、2種類の撮像画像を生成するステップと、
    前記2種類の撮像画像それぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出ステップと、
    2種類の前記静脈パターンの少なくともいずれか一方に存在する、前記指の第1関節近傍の皺のパターンまたは第2関節近傍の皺のパターンの少なくともいずれか一方を利用して、指の撮像範囲の相対位置を検出する撮像範囲検出ステップと、
    を含む、静脈撮像方法。
  8. 抽出された前記静脈パターンを認証する認証ステップを更に含む、請求項に記載の静脈撮像方法。
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