JP5163281B2 - 静脈認証装置および静脈認証方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静脈認証装置および静脈認証方法に関する。
近年、情報通信技術の発達に伴い、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末や携帯電話等の携帯機器において、電子マネーや定期券など、様々なサービスを利用することができるようになってきた。これらのサービスの利用に際して安全性を担保するために、様々な認証方法を利用することが可能である。
このような認証方法の一つに、生体の一部を撮像して得られる静脈パターンを用いて個人認証を行う静脈認証技術がある。この静脈認証は、判定精度の高さや偽造、成りすましが困難であるため、次世代の生体個人認証として期待されている。
生体個人認証においては、認証時の環境や生体の状態変化により、毎回同一の情報が入力されるとは限らず、確率的にある分布の範囲内での入力を想定しなくてはならない。そのため、画一的なテンプレート情報では、安定して認証処理を行うことは困難である。
そのため、指静脈認証においては、指の長さ方向を軸として、指がわずかに回転した異なるパターンをテンプレートとして保持することにより、安定して認証を行うための方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)
特開2007−213427号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、認証時においては使用者に対して負担をかけずに済むが、登録時においては、無理な動きや、動きを一方的に強要せざるを得ないユーザ・インタフェースになってしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、使用者に無理な動きを強要することなく、安定して異なる回転ズレが生じているテンプレートデータを取得することが可能であり、かつ、安定した認証処理が実現可能なテンプレートを取得することが可能な、静脈認証装置および静脈認証方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して所定波長の近赤外光を照射する光源部と、前記近赤外光が照射された前記指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成する撮像部と、前記複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出部と、一の前記静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された前記静脈パターンそれぞれの前記回転運動に伴う前記指の回転方向と回転量とを算出する、回転量算出部と、前記回転方向および前記回転量に基づいて前記撮像範囲のズレ量を算出し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の前記静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する前記静脈パターンを選択して登録情報とする、登録情報選択部と、を備える、静脈認証装置が提供される。
かかる構成によれば、光源部は、長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して、所定波長の近赤外光を照射し、撮像部は、近赤外光が照射された指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成し、静脈パターン抽出部は、複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する。また、回転量算出部は、一の静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された静脈パターンそれぞれの回転運動に伴う指の回転方向と回転量とを算出する。また、登録情報選択部は、回転方向および回転量に基づいて撮像範囲のズレ量を算出し、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する静脈パターンを選択して登録情報とする。
前記登録情報選択部は、前記撮像範囲の両端に位置する前記静脈パターンを保持するとともに、前記両端に位置する静脈パターン間に存在する前記静脈パターンの中から、相隣接する前記静脈パターン間距離が略均等に近づく位置に存在するものを選択することが好ましい。
前記静脈認証装置は、前記テンプレートとして登録されている前記登録情報に基づいて、抽出された前記静脈パターンを認証する静脈パターン認証部を更に備え、前記登録情報選択部は、前記登録情報と、認証された前記静脈パターンとを用いて、既に登録されている前記登録情報の内容を更新するようにしてもよい。
前記回転量算出部は、基準となる前記一の静脈パターンと、他の前記静脈パターンとの相関係数を算出し、前記相関係数のピーク位置のズレ方向とズレ量とに基づいて、前記回転方向および前記回転量を算出するようにしてもよい。
前記撮像範囲のズレ幅の閾値は、基準となる前記一の静脈パターンの撮像範囲を表すピクセル量の10%であってもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して所定波長の近赤外光を照射するステップと、前記近赤外光が照射された前記指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成する撮像ステップと、前記複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出ステップと、一の前記静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された前記静脈パターンそれぞれの前記回転運動に伴う前記指の回転方向と回転量とを算出する、回転量算出ステップと、前記回転方向および前記回転量に基づいて前記撮像範囲のズレ量を算出し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の前記静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する前記静脈パターンを選択して登録情報とする、登録情報選択ステップと、を含む静脈認証方法が提供される。
本発明によれば、使用者に無理な動きを強要することなく、安定して異なる回転ズレが生じているテンプレートデータを取得することが可能であり、かつ、安定した認証処理が実現可能なテンプレートを取得することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の各実施形態に係る静脈認証装置および静脈認証方法について説明するに先立ち、まず、従来の静脈認証方法の問題点等について、図16および図17を参照しながら説明する。
図16は、従来の情報処理方法におけるテンプレートの登録方法を説明するための説明図であり、図17は、従来の情報処理方法におけるテンプレートの登録方法を説明するための流れ図である。
以下では、従来のテンプレートの登録方法の一例として、例えば、左右、中央の計3枚の画像を取得し、異なる回転ズレをテンプレートデータとして取得する方法を挙げて説明を行う。
この方法では、まず、図16に示したように、基準となるテンプレートを決定する。すなわち、指が静止している状態を捕捉して基準位置とし、その状態における画像から、基準テンプレートを生成する。指が静止状態にあるとは、撮像フレーム単位での話であり、ここでは、ユーザに対して負担を与えるものではない。次に、図16に示したように、基準となる位置から指が左右に回転した状態それぞれにおいて、予め設定した回転が得られた位置(すなわち、左右の回転限界位置±dmax)で、基準画像としてテンプレートデータの登録を行う。この従来方法においては、回転ズレの登録範囲wthrは、2dmaxとなる。
以下に、テンプレートデータの登録方法の流れ図について、図17を参照しながら簡単に説明する。
まず、従来の方法では、表示画面に静止を促すGUI(Graphical User Interface)を表示したうえで、ユーザに指の静止を促す(ステップS1)。その後、指表面の撮像を行い、1枚目の撮像データを生成し、1枚目の候補として選択する(ステップS3)。
次に、表示画面に左回転を促す旨の表示を行い、実際に指回転が行われたか否かを検出する(ステップS5)。回転量が限界値となったら(ステップS7)、指表面の撮像を行い、2枚目の撮像データを生成し、2枚目の候補として選択する(ステップS9)。
次に、表示画面に右回転を促す旨の表示を行い、実際に指回転が行われたか否かを検出する(ステップS11)。回転量が限界値となったら(ステップS13)、指表面の撮像を行い、3枚目の撮像データを生成し、3枚目の候補として選択する(ステップS15)。
この時、上述のように、左、右と普段あまり使うことのない指を軸回転させる行為をアプリケーションのGUIの指示の下に行う。左右の順序が決まっていると、さらに複雑な上に、人によっては回転動作が苦手な方向がある場合もある。このような、ユーザに対して非常に負担のかかる行為自体が、利用障壁になりかねない。
そこで、以下に説明する本発明の各実施形態に係る静脈認証装置および静脈認証方法では、ユーザに対して動きの強要を少なくしてGUIと登録処理とを連動させず、ユーザの自由な動きの中で、登録に必要な情報を抽出する。
なお、以下の説明では、3枚のテンプレートデータを取得する場合を例にとって説明を行うが、本発明の各実施形態に係る静脈認証装置および静脈認証方法では、3枚以上のテンプレートデータを取得する場合であっても、同様に処理を行うことが可能である。
(第1の実施形態)
<本実施形態に係る静脈認証方法の概略について>
以下では、図1A〜図3Bを参照しながら、本実施形態に係る静脈認証方法の概略について説明する。図1A〜図3Bは、本実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。
図1Aに示したように、本実施形態に係る静脈認証方法では、静脈認証装置10の光源部LS上に配置された指表面FGを撮像素子Camにより撮像し、静脈パターンの抽出を行う。ユーザは、撮像の際に、長さ方向に沿った軸を回転軸として、軸をほぼ固定したまま指を回転させる。その結果、ユーザの指は、光源部LS上の近傍で平行移動することなく存在することとなる。
この状態で指を撮像すると、撮像対象である指は、図1Bに示したように様々な方向から撮像されることとなり、結果として、長さ方向の大きさはほぼ一定で、幅方向に所定の広がりを有する撮像データが得られることとなる。この撮像データの幅が、テンプレートとして登録される登録範囲となる。
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る静脈認証方法における指の回転動作について説明する。なお、以下に示す図は、全て回転軸がほぼ固定した状態で、撮像範囲に映る画像の平行移動量(換言すれば、回転による円弧の長さ)を指の動きとして図示したものであり、指自体が平行移動していることを表しているわけではない。
本実施形態に係る静脈認証方法では、ユーザの動きに対して、撮像の履歴を保持する必要がある。ここで、はじめに静止状態の捕捉は必要となるが、その後、静止状態から得られる基準テンプレートから、ユーザの自由な動きにより、位置ズレを捕捉し、その位置を履歴として保持して行く。ただし、すべての位置ズレの履歴を保持する必要はなく、登録範囲を拡大する位置ズレが発生した場合のみ、保持している履歴を更新すればよい。
そのため、従来手法とは異なり、図2に示したように、登録範囲をカバーできるものであれば、静止状態を基準に指を左右に回転させたものであってもよく、静止状態から左右どちらか一方向のみに回転させたものであってもよい。
この方法により、指によっては左右どちらかに回転させ難い場合でも、片方向だけでテンプレートを登録することが可能となる。本実施形態に係る静脈認証方法によれば、GUIと連動して、回転方向を強いられることもなくなり、ユーザは、登録シーンを示す映像を見ながら自由に回転させればテンプレートの登録ができる仕組みを構築することが可能となる。
次に、位置ズレの履歴の保持の方法について、図3Aおよび図3Bを示しながら説明する。
従来手法では、GUIに連動して、左右の限界位置を設けていたため、略中央と左右限界位置を保持することで、3種類のテンプレートデータは明確に位置ズレがあり、登録範囲をほぼ均等にカバーすることができていた。
しかしながら、本実施形態に係る方法では、GUIと連動して左右限界を設けることは行わない。そのため、刻々と変化する位置ズレデータの中から、登録範囲を拡大する方向の位置ズレが発生した場合のみ、履歴を更新する必要があり、かつ、その際の左右限界に挟まれる中心位置(基準とは限らない)をどのように選択するかが重要となる。
すなわち、図3Aおよび図3Bに示したように、中心の選択を誤ると、左右どちらかに偏ったテンプレートデータとなってしまうため、テンプレートデータの配置位置が不均一となってしまい、不感帯と呼ばれる空白位置が出来てしまう。図3Aおよび図3Bに示したような複数のテンプレートが登録されてしまうと、偏りとは逆方向寄りの静脈パターンが提示された場合に、認証が通りづらくなる可能性がある。
そこで、本実施形態に係る静脈認証方法では、登録する枚数に応じて、登録範囲を均等にカバーできるように撮像・抽出した静脈パターンの履歴を保持し、テンプレートデータに利用する。
<静脈認証装置の構成について>
続いて、図4を参照しながら、本実施形態に係る静脈認証装置10の構成について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る静脈認証装置の構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態に係る静脈認証装置10は、例えば図4に示したように、光源部101と、撮像部103と、静脈パターン抽出部105と、回転量算出部107と、登録情報選択部109と、テンプレート登録部111と、静脈パターン認証部113と、被制限処理実行部115と、記憶部117と、を主に備える。
光源部101は、体表面(例えば、指表面)FGに対して所定の波長帯域を有する近赤外光を照射する。近赤外光は、身体組織に対して透過性が高い一方で、血液中のヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に吸収されるという特徴を有するため、近赤外光を指や手のひらや手の甲に照射すると、指や手のひらや手の甲の内部に分布している静脈が影となって画像に現れる。画像に表れる静脈の影を、静脈パターンという。このような静脈パターンを良好に撮像するために、発光ダイオード等の光源部101は、約600nm〜1300nm程度の波長、好ましくは、700nm〜900nm程度の波長を有する近赤外光を照射する。
ここで、光源部101が照射する近赤外光の波長が600nm未満または1300nm超過である場合には、血液中のヘモグロビンに吸収される割合が小さくなるため、良好な静脈パターンを得ることが困難となる。また、光源部101が照射する近赤外光の波長が700nm〜900nm程度である場合には、近赤外光は、脱酸素化ヘモグロビンと酸素化ヘモグロビンの双方に対して特異的に吸収されるため、良好な静脈パターンを得ることができる。
また、上述のような波長帯域を有する発光ダイオードのような光源を用いる代わりに、上述の波長帯域を含む光を射出可能な発光ダイオードと、射出された光を光学的に帯域制限するフィルタとを組み合わせたものを使用してもよい。
光源部101から射出された近赤外光は、指表面FGに向かって伝搬し、直接光として、生体の側面などから内部に入射する。ここで、人体は良好な近赤外光の散乱体であるため、生体内に入射した直接光は四方に散乱しながら伝搬する。生体内を透過した近赤外光は、撮像部103の光学素子に入射することとなる。
撮像部103は、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子およびレンズ等の光学素子から構成される光学系と、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、前述の光学系の駆動制御を行う撮像制御部(図示せず。)と、から構成される。
撮像部103を構成する光学系は、1または複数の光学素子と、1または複数の撮像素子と、から構成される。本実施形態に係る撮像部103の光学系は、静脈認証処理専用のものであってもよく、予め存在している光学系を静脈撮像用の光学系として利用するようにしてもよい。例えば、本実施形態に係る静脈認証装置10を携帯電話等の携帯機器に実装する場合には、携帯機器に予め実装されている光学系を静脈撮像用の光学系として利用することが可能である。
人体の皮膚は、表皮層、真皮層および皮下組織層の3層構造となっていることが知られているが、静脈の存在する静脈層は、真皮層に存在している。真皮層は、指表面に対して0.1mm〜0.3mm程度の位置から2mm〜3mm程度の厚みで存在している層である。したがって、このような真皮層の存在位置(例えば、指表面から1.5mm〜2.0mm程度の位置)にレンズ等の光学素子の焦点位置を設定することで、静脈層を透過した透過光を、効率よく集光することが可能となる。
光学素子によって集光された静脈層を透過した透過光は、撮像素子に結像されて、静脈撮像データとなる。
撮像制御部は、所定の時間間隔が経過する毎に、光学系および撮像素子を制御して、複数の撮像データを生成する。指表面FGの撮像を行う時間間隔は、本実施形態に係る静脈認証装置10の処理能力等に応じて任意の値に設定することが可能である。
撮像制御部は、撮像素子によって生成された撮像データを、後述する静脈パターン抽出部105に出力する。また、撮像制御部は、得られた撮像データを、後述する記憶部117に記録してもよい。また、記憶部117への記録に際して、撮像制御部は、生成した撮像データに撮像日や撮像時刻等を関連づけてもよい。なお、生成される撮像データは、RGB(Red−Green−Blue)信号であってもよいし、それ以外の色やグレースケール等の画像データであってもよい。
なお、本実施形態に係る撮像部103は、光源部101から照射され、指内部を透過した透過光を撮像する、いわゆる透過型配置の撮像部であってもよく、指内部で反射した近赤外光の反射光を撮像する、いわゆる反射型配置の撮像部であってもよい。
静脈パターン抽出部105は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成され、例えば、撮像部103から伝送される近赤外光撮像データに対して、静脈パターン抽出の前処理を行なう機能と、静脈パターンの抽出を行なう機能と、静脈パターン抽出の後処理を行なう機能と、を備える。
ここで、上記の静脈パターン抽出の前処理は、例えば、撮像データから指の輪郭を検出し、撮像データのどの位置に指があるかを識別する処理や、検出した指の輪郭を利用して撮像データを平面内で回転させて、撮像データの角度(撮像画像の角度)を補正する処理等を含む。
また、上記の静脈パターンの抽出は、輪郭の検出や角度の補正が終了した撮像データに対して差分フィルタを適用することで行なわれる。差分フィルタは、注目している画素とその周囲の画素について、注目している画素と周囲の画素との差分が大きな部分で、大きな値を出力値として出力するフィルタである。換言すれば、差分フィルタとは、注目している画素とその近傍の階調値の差分を用いた演算により、画像中の線や縁を強調するフィルタである。
一般的に、2次元平面の格子点(x,y)を変数とする画像データu(x,y)に対してフィルタh(x,y)を用いてフィルタ処理を行なうと、以下の式1に示すように、画像データν(x,y)を生成する。ここで、以下の式1において、‘*’は畳込み積分(コンボリューション)を表す。
Figure 0005163281
本実施形態に係る静脈パターンの抽出では、上記の差分フィルタとして、1次空間微分フィルタや2次空間微分フィルタ等の微分フィルタを用いてもよい。1次空間微分フィルタは、注目している画素について、横方向と縦方向の隣接している画素の階調値の差分を算出するフィルタであり、2次空間微分フィルタは、注目している画素について、階調値の差分の変化量が大きくなっている部分を抽出するフィルタである。
上記の2次空間微分フィルタとして、例えば、以下に示すLog(Laplacian of Gaussian)フィルタを用いることが可能である。Logフィルタ(式3)は、ガウス関数を用いた平滑化フィルタであるガウシアン(Gaussian)フィルタ(式2)の2次微分で表される。ここで、以下の式2において、σはガウス関数の標準偏差を表し、ガウシアンフィルタの平滑化の度合いを表す変数である。また、以下の式3におけるσは、式2と同様にガウス関数の標準偏差を表すパラメータであり、σの値を変化させることで、Logフィルタ処理を行なった場合の出力値を変化させることができる。
Figure 0005163281
また、上記の静脈パターン抽出の後処理は、例えば、差分フィルタ適用後の画像データに対してなされる閾値処理や、2値化処理や、細線化処理等を含む。かかる後処理を経て、静脈パターンのスケルトンを抽出することが可能となる。
静脈パターン抽出部105は、このようにして抽出した静脈パターンやスケルトンを、後述する回転量算出部107および静脈パターン認証部113等に伝送する。また、静脈パターン抽出部105は、抽出した静脈パターンやスケルトンを、後述する記憶部117に記憶してもよい。なお、静脈パターン抽出部105は、上述の各処理を行なうに当たって生成したパラメータや処理の途中経過等を、記憶部117に記憶してもよい。
回転量算出部107は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、静脈パターン抽出部105から伝送された複数の静脈パターンのなかから、一つの静脈パターンを選択する。この静脈パターンは、静止状態下で撮像された最初の静脈パターンとすることが好ましい。回転量算出部107は、選択した静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された静脈パターンそれぞれの回転運動に伴う指の回転方向と回転量とを算出する。回転方向と回転量とを算出する方法としては、様々な方法を用いることが可能であるが、例えば、以下のような方法を用いることができる。
例えば、基準として選択した静脈パターンと、選択したもの以外の静脈パターンと、の相関係数を算出することで、回転方向と回転量とを算出することが可能である。
相関係数は、以下の式4で定義されるものであり、2つのデータf1、f2間の類似度を示す統計学指標であって、−1から1までの実数値をとる。相関係数が1に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していることを示し、相関係数が0に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していないことを示す。また、相関係数が−1に近い値を示す場合には、2つのデータの符号が反転しているような場合を示す。
ここで、本明細書では、f1およびf2は静脈パターンを表すデータであり、M行N列からなる画像サイズを有しているとする。また、各静脈パターンの画素を(m,n)と表すこととする。
Figure 0005163281
ここで、2つのデータf1およびf2が完全に一致していれば、その相関係数の値は1となり、そのピーク位置は、図5に示したように、mn平面の略中央となる。そのため、データf1およびf2の双方を基準として選択した静脈パターンとして相関係数を算出すれば、相関係数の値は1となり、そのピーク位置が回転方向および回転量を算出する際の基準ピーク位置となる。
次に、基準として選択した静脈パターンをf1とし、選択したもの以外の静脈パターンをf2として相関係数を算出する。算出された相関係数が所定の閾値以上であれば、選択したもの以外の静脈パターンが、実際に回転する指から得られた画像である可能性が高いことを意味する。また、図5の実線に示したように、算出したピーク位置の基準ピーク位置からのズレの方向が回転方向に相当し、ピーク位置のズレ量が回転量に相当する。
回転量算出部107は、算出した回転方向および回転量を、後述する登録情報選択部109に伝送する。また、回転量算出部107は、算出した回転方向および回転量を、該当する静脈パターンに関連づけて、後述する記憶部117に記録してもよい。
登録情報選択部109は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、回転量算出部107から伝送された回転方向および回転量に基づいて、撮像範囲のズレ量を算出し、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定する。生成された静脈パターンのサイズ(大きさ)が例えば長さ160ピクセル×幅60ピクセルであるとすると、上記閾値を、例えば基準となる静脈パターンの撮像範囲を表すピクセル量の10%程度、すなわち、6ピクセル程度とすることが可能である。この撮像範囲のズレ幅の閾値が、回転ズレを含むテンプレートの登録範囲(w=wthr)となる。
ここで、判定の結果、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上であった場合には、登録情報選択部109は、抽出された静脈パターン全てを登録情報として選択し、選択結果をテンプレート登録部111に通知する。
また、判定の結果、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満であった場合には、複数の静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する静脈パターンを選択して登録情報とする。より詳細には、登録情報選択部109は、撮像範囲の両端に位置する静脈パターンを保持するとともに、両端に位置する静脈パターン間に存在する静脈パターンの中から、相隣接する静脈パターン間距離が略均等に近づく位置に存在するものを選択する。
また、登録情報選択部109は、後述する静脈パターン認証部113から伝送された認証後の静脈パターンを用いて、既にテンプレートとして登録されている静脈パターンの内容を再検討し、既に登録されている静脈パターンと認証後の静脈パターンとを用いて、登録情報を再選択してもよい。
なお、登録情報選択部109が実施する登録情報の選択処理については、以下で改めて詳細に説明する。
テンプレート登録部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、登録情報選択部109から伝送された登録情報(すなわち、静脈パターン)を、テンプレートとして後述する記憶部117に登録する。また、登録静脈パターンの登録に際しては、静脈パターンだけでなく、静脈パターンを有する個人を特定する他のデータ(例えば、指紋データ、顔画像データ、虹彩データ、声紋データ等)を静脈パターンに関連づけて記憶してもよい。また、テンプレートとして登録される登録静脈パターンは、例えば、CBEFF(Common Biometric Exchange File Format:共通バイオメトリック交換ファイルフォーマットフレームワーク)等の規格に則ったヘッダ情報を有していてもよい。
静脈パターン認証部113は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成されており、静脈パターン抽出部105により生成された静脈パターンと、既に記録されている静脈パターンのテンプレートとに基づいて、生成された静脈パターンの認証を行なう。静脈パターン認証部113は、後述する記憶部117に対してテンプレートの開示を要求し、取得したテンプレートと、静脈パターン抽出部105から伝送された静脈パターンとの比較を行なう。テンプレートと伝送された静脈パターンとの比較は、例えば前述の式4に示した相関係数を算出し、算出した相関係数に基づいて実行することが可能である。静脈パターン認証部113は、比較の結果テンプレートと伝送された静脈パターンが類似している場合には、伝送された静脈パターンを認証し、類似していない場合には、認証を行なわない。
また、静脈パターン認証部113は、認証結果を認証時刻等と関連づけて、認証履歴として記憶部117に記録してもよい。かかる認証履歴を生成することで、誰がいつ静脈パターンの認証を要求したのか、ひいては、誰がいつ静脈認証装置10を利用したのか、を知ることが可能となる。
また、静脈パターン認証部113は、認証が成功した静脈パターンを登録情報選択部109に通知し、登録情報の更新に利用するようにしてもよい。
被制限処理実行部115は、例えば、CPU、ROM、RAM等から構成され、静脈パターン認証部113から出力される静脈パターンの認証結果に応じて、実行が制限されている所定の処理を実行する。すなわち、被制限処理実行部115は、静脈パターン認証部113から静脈パターンの認証が成功した旨の通知を受けると、実行が制限されている所定の処理の制限を解除して、処理を実行する。
記憶部117は、テンプレート登録部111から登録要請のあった登録静脈パターンや、当該登録静脈パターンに関連付けられた他のデータを記憶する。また、これらのデータ以外にも、撮像部103が生成した撮像データや、静脈パターン抽出部105が抽出した静脈パターン等を記憶することも可能である。更に、これらのデータ以外にも、静脈認証装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベース等を、適宜記憶することが可能である。この記憶部117は、光源部101、撮像部103、静脈パターン抽出部105、回転量算出部107、登録情報選択部109、テンプレート登録部111、静脈パターン認証部113、被制限処理実行部115等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
以上、本実施形態に係る静脈認証装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
<登録情報の選択方法について>
次に、図6〜10を参照しながら、本実施形態に係る静脈認証装置10の登録情報選択部109が実行する登録情報の選択方法について、詳細に説明する。
ここでは、簡単のために、3枚の静脈パターンを登録情報として登録する際の方法を説明する。前述しているように、最初の静止状態の捕捉により、基準となる静脈パターンが決定し、1枚目の登録候補が決定される。次に、登録範囲が拡大する入力があった場合には、その入力に対応した静脈パターンを登録候補として保持(履歴)する。そして、更にその範囲を拡大し、予定している登録範囲内(w=wthr)の場合には、保持している履歴を更新する。ここで、全ての履歴を保持しても良いが、消費メモリ等を考慮して、更新することが望ましい。ここでは、テンプレートとして3枚の静脈パターンを登録するため、静止状態を捕捉した最初の1枚以降の2枚分を、更新していくことになる。
図6に示したように、最初に抽出された1枚目の静脈パターンの登録データをIとし、登録データIからの位置ズレ量をd と表すこととする。この場合、d =0となる。続いて抽出された2枚の静脈パターンに関しても同様に、登録データをI、Iとし、Iからの位置ズレ量を、それぞれd 、d と表すこととする。
静止状態捕捉直後は、登録情報の候補としては、最初の1枚しか存在しないので、回転量算出部107は、刻々と入力されるデータ(静脈パターン)と1枚目の登録データIとの位置ズレの計測を行い、登録情報選択部109は、回転量算出部107から通知された結果に基づいて、登録候補に追加するか否かを判定する。
3枚目の静脈パターンが登録候補として追加された場合(I)、回転量算出部107は、登録候補I、Iとの位置ズレ計測を行う。Iとの位置ズレの場合には、位置ズレd そのものを保持する。また、Iとの位置ズレの場合には、回転量算出部107は、I自身のIからの位置ズレ量d と、IのIからの位置ズレ量d とに基づいて、d ←d +d として算出する。
位置ズレの計測には、相互相関値(相関係数)のピーク位置だけから計測するのでなく、ピーク値の値により類似度がある程度確保されている状況の場合にのみ、その位置ズレ量を採用する形式をとる。そのため、いずれの登録候補との位置ズレ計測値が採用されるかは、ユーザ自身の指の動かし方に依存する。本実施形態では、機械的に3枚目までは登録候補が決定されるが、それ以降、予定している登録範囲(w=wthr)をカバーするために、3枚の登録候補のうち、2枚を更新していくこととなる。
続いて、2枚の静脈パターンの更新の方法について、詳細に説明する。この場合に、想定される状態として、以下の2種類が考えられる。
(A)片側だけに登録範囲を拡大していく場合
(B)左右方向に登録範囲を拡大していく場合
[片側だけに登録範囲を拡大していく場合]
まず、図7〜図9Bを参照しながら、(A)片側だけに登録範囲を拡大していく場合について、詳細に説明する。この場合、例えば図7上段に示したように、静止状態を捕捉した1枚目の静脈パターンが常に登録範囲の端に位置することになり、1枚目から遠ざかる方向に、順次2枚目、3枚目の静脈パターンの登録候補が決定される。
ここで、3枚目までの静脈パターンにより決定される登録領域は、図7上段に示したように登録範囲の閾値(w=wthr)よりも狭いため、図7下段に示したように、4枚目以降の新規候補が入力された場合には、登録候補の均等な割り当てを考慮する必要がある。この場合、登録情報選択部109は、複数の静脈パターンの登録候補によって規定される登録範囲の両端に位置するものを保持しつつ、内側に存在している登録候補の中から、相隣接する登録候補間距離が略均等に近づく位置に存在するものを選択する。すなわち、図7下段に示した例では、現在保持されている登録候補I〜Iのうち、登録候補Iの内容を、新規候補の内容に更新することとなる。
上述のような登録候補の均等割り当てを考える場合に、候補選択により登録範囲をカバーする登録候補状況を比べてみると、登録候補の選択により、図3Aおよび図3Bで示したような、好ましくない登録例になる場合がある。すなわち、図8の(ケース1)のように、Iの履歴を消去して、I、I、Iを登録候補として選択してしまうと、I〜Iの間に不感帯が生じてしまうこととなり、好ましくない。また、図8の(ケース2)のように、Iの履歴を消去して、I、I、Iを登録候補として選択してしまうと、I〜Iの間に不感帯が生じてしまうこととなり、好ましくない。
そこで、登録情報選択部109は、新規候補をIとした場合に、新規入力候補と各登録候補との位置ズレ量を算出し、登録範囲内で均等に登録候補が割り当てられるように、各登録候補の吟味を行う。
回転量算出部107は、図9Aに示したように、まず、新規候補データIの各登録候補との位置ズレ量を算出して、登録情報選択部109に通知する。登録情報選択部109は、4つの登録候補のうち、両端に位置する登録候補Iと新規候補Iとを保持したうえで、登録候補Iと新規候補Iとの間に位置する登録候補Iおよび登録候補Iについて、どちらを選択するかを判定する。
登録情報選択部109は、まず登録候補Iについて検討を行う。登録候補Iを登録候補の中心として残す場合に、登録範囲中に均等に配置されているかどうかは、Iからの位置ズレ量の差であるΔdに着目すればよい。図9Aに示したように、Iからの位置ズレ量の差であるΔdは、Iからの位置ズレ量d およびd を用いて、以下の(式5)のように表すことができる。
同様に、登録情報選択部109は、登録候補Iについて、Iからの位置ズレ量の差であるΔdを算出して、検討を行う。登録情報選択部109は、Iからの位置ズレ量の差であるΔdは、Iからの位置ズレ量d およびd を用いて、以下の(式6)のように表すことができる。
Figure 0005163281
算出したΔdの値が小さい程、対象となる登録候補が登録範囲の中で中心に近いことを意味している。よって、片方向へのみ登録範囲が拡大される場合は、この差の小さくなる方の静脈パターンを登録候補として残さなければならない。
すなわち、図9Aに示した場合には、Δdの方がΔdよりも小さな値となるため、登録情報選択部109は、登録候補Iの履歴を更新し、新たに、登録候補I、登録候補Iおよび新規候補Iを登録候補として選択する。
さらに、片方向への登録範囲拡大例の場合には、新規候補によって登録範囲が拡大されない場合であっても、新規候補がより均等配置に寄与する候補であるときには、登録候補の更新を行う必要がある。
すなわち、図9Bに示したように、新規候補により、既に配置されている登録範囲を拡大することはないが、新規候補を登録候補とすることにより、より配置が均等になる場合には、登録候補の更新を行う。図9Bに示した場合には、登録候補Iの履歴を保持するよりも、新たに入力された新規候補Iを保持することで、相隣接する登録候補間距離が略均等に近づくようになる。そのため、登録情報選択部109は、登録候補Iの履歴を更新し、新たに、登録候補I、登録候補Iおよび新規候補Iを登録候補として選択する。
[左右方向に登録範囲を拡大していく場合]
続いて、図10を参照しながら、(B)左右方向に登録範囲を拡大していく場合について、詳細に説明する。左右方向に登録範囲を拡大していく場合には、まず、回転量算出部107が、位置ズレ量を算出し、拡大方向が右方向なのか左方向なのかを検出し、結果を登録情報選択部109に伝送する。登録情報選択部109は、通知された位置ズレ量に基づいて、登録範囲を拡大する位置ズレ量が生じているか否かを判定する。登録範囲を拡大する位置ズレ量が生じている場合には、登録情報選択部109は、検出方向側に該当している登録候補を新たなデータである新規候補で更新すれば良い。
すなわち、図10に示した場合には、回転量算出部107は、新規候補に関する回転方向が左方向であることと、該当する位置ズレ量である回転量を算出し、登録情報選択部109に通知する。登録情報選択部109は、登録範囲を拡大する位置ズレ量が生じていることを判定した後に、登録候補Iを新規候補Iで更新することとなる。
ただし、左右方向に登録範囲を拡大していく場合には、図3Aおよび図3Bで示したような好ましくない登録例になる場合がある。このような場合は、登録時に指がわずかに片側へ回転し、そこで登録候補を1つ作り、以後逆方向のみ回転しながら登録範囲を拡大した場合に起こり得る。この場合も、片側だけに登録範囲を拡大していく場合と同様に、登録範囲の両端にある候補はそのまま残し、その間に存在する登録候補のどちらかを候補から外すことで、可能な限り均等に登録候補を配置させる処理を行う。
すなわち、図10に示した場合では、登録情報選択部109は、登録候補Iと新規候補Iとを保持したうえで、登録候補Iと登録候補IのそれぞれについてΔdを算出し、Δdの値の小さい登録候補を選択することとなる。その結果、図10から明らかなように、登録情報選択部109は、登録候補Iと、登録候補Iと、新規候補Iと、を登録情報として選択する。
以上、本実施形態に係る静脈認証装置10が実施する登録情報の選択処理について、詳細に説明した。続いて、図11および図12を参照しながら、本実施形態に係る静脈認証方法(より具体的には、テンプレートの登録処理)について、詳細に説明する。
[流れ図を用いた説明]
図11は、本実施形態に係る静脈認証方法を説明するための流れ図であり、図12は、回転量算出部107および登録情報選択部109が実施する登録情報の選択処理について説明するための流れ図である。
まず、本実施形態に係る静脈認証方法では、ユーザのコマンド選択等をきっかけにして、静脈パターンの登録処理が開始される。登録処理が開始すると、静脈認証装置10の表示制御部(図示せず。)は、表示部に、指を所定の箇所に配置して静止させるように表示を出す。また、登録処理の開始に伴い、光源部101は、指が配置される場所に対して、所定波長の近赤外光を照射する。指が配置され、かつ、静止している旨が捕捉されると(ステップS101)、撮像部103は指を撮像して、撮像データを生成する。続いて、静脈パターン抽出部105は、撮像部103が生成した撮像データから、静脈パターンを抽出する。抽出された静脈パターンは、回転量算出部107に伝送されて位置ズレ量等が算出された後に、登録情報選択部109に伝送される。登録情報処理部109は、伝送された1枚目の静脈パターンを、1枚目の登録候補として選択する(ステップS103)。
また、1枚目の登録候補が選択されると、表示制御部(図示せず。)は、表示部に例えば指が回転しているグラフィックやオブジェクト等を表示させて、ユーザに指の回転動作の開始を促す。撮像部103は、所定の時間間隔で指表面の撮像を繰り返すため、ユーザは、静脈認証装置10の撮像間隔を意識することなく、自由に指を回転させておけばよい。
所定の時間間隔が経過して2枚目の撮像データが撮像部103によって生成されると、静脈パターン抽出部105は、2枚目の撮像データから静脈パターンを抽出し、回転量算出部107に伝送する。回転量算出部107では、静脈パターン抽出部105から伝送された2枚目の静脈パターンについて、回転方向と回転量とを算出して(ステップS105)、記憶部117に記録する。次に、登録情報選択部109は、2枚目の静脈パターンを、登録情報として選択する(ステップS107)。
さらに所定の時間間隔が経過して3枚目の撮像データが撮像部103によって生成されると、静脈パターン抽出部105は、3枚目の撮像データから静脈パターンを抽出し、回転量算出部107に伝送する。回転量算出部107では、静脈パターン抽出部105から伝送された3枚目の静脈パターンについて、回転方向と回転量とを算出して(ステップS109)、記憶部117に記録する。次に、登録情報選択部109は、3枚目の静脈パターンを、登録情報として選択する(ステップS111)。
ここで、3枚の登録情報が選択されると、登録情報選択部109は、3枚の登録情報から規定される登録範囲wが、登録範囲の閾値wthr以上か否かを判定する(ステップS113)。登録範囲wが閾値wthr以上であれば、登録情報選択部109は判定結果を撮像部103に通知して撮像を中止させるとともに、既に選択している3枚の静脈パターンを登録情報として選択し、テンプレート登録部111に通知する。テンプレート登録部111では、通知された登録情報を、テンプレートとして記憶部117に登録し(ステップS115)、登録処理を終了する。
また、登録範囲wが閾値wthr未満であれば、撮像部103は指表面を撮像して、4枚目の撮像データを生成する。次に、静脈パターン抽出部105は、4枚目の撮像データから静脈パターンを抽出し、回転量算出部107に伝送する。回転量算出部107では、静脈パターン抽出部105から伝送された4枚目の静脈パターンについて、回転方向と回転量とを算出して(ステップS117)、記憶部117に記録する。次に、登録情報選択部109は、4枚目の静脈パターンを、新規候補として選択する(ステップS119)。
ここで、登録情報選択部109は、既に登録候補として選択されている3枚の静脈パターンの回転方向および回転量に関する情報を記憶部117から取得するとともに、新規候補の回転方向および回転量に関する情報に基づいて、登録候補の選択処理を行う(ステップS121)。この選択処理については、図12を参照しながら、改めて詳細に説明する。選択する登録候補が決定すると、登録情報選択部109は再び登録範囲の判定を行う(ステップS113)。
続いて、図12を参照しながら、均等配置による登録候補の選択処理について、その流れを詳細に説明する。
登録情報選択部109では、上述のように、1枚目〜3枚目の登録候補について、それぞれの回転量と回転方向を記憶部117から取得する(ステップS201)。ここで、回転方向および回転量は、例えば、基準となる位置から右方向に回転したものは正の回転量で表すこととし、左方向に回転したものは負の回転量として表すことが可能である。
次に、登録情報選択部109は、新規候補についても、その回転方向と回転量とを取得する(ステップS203)。
続いて、登録情報選択部109は、3枚の登録候補と1枚の新規候補について、回転量(すなわち、位置ズレ量)に基づいて、昇順に並べ替えを行う(ステップS205)。例えば、上述のように右方向に正の値を付けることとしている場合には、この並べ替えによって、最右端に位置している候補から順に、最左端に位置する候補まで並べ替えが行われる。
続いて、登録情報選択部109は、内側に位置している候補(例えば、右から2番目に位置している候補)について、候補間距離d 、d を算出し、Δdを算出する(ステップS207)。同様に、登録情報選択部109は、内側に位置している他方の候補(例えば、左から2番目に位置している候補)について、候補間距離d 、d を算出し、Δdを算出する(ステップS209)。
次に、登録情報選択部109は、算出したΔdとΔdの大小比較を行い(ステップS211)、Δdの方が小さい値であった場合には、3番目(例えば、右側から3番目)に位置している候補を保持せずに、1番目、2番目、4番目の候補を登録情報として選択する(ステップS213)。また、Δdの方が小さい値であった場合には、2番目(例えば、右側から2番目)に位置している候補を保持せずに、1番目、3番目、4番目の候補を登録情報として選択する(ステップS215)。
続いて、登録情報選択部109は、両端に位置している登録情報の回転量(位置ズレ量)に基づいて、登録範囲wを算出する(ステップS217)。
このように、本実施形態に係る静脈認証方法(登録情報の選択方法)により、生体認証におけるテンプレート登録において、ユーザに対して登録のための特別な動きを強制することなく、かつ、範囲内に均等に登録データを配置することが可能となる。これにより、より安定した静脈認証処理を行うことが可能となる。また、本実施形態に係る静脈認証方法を採用することにより、既存の生体認証システムに対して各段に使いやすい登録システムを実現することが可能となる。
<認証処理時における登録情報の更新について>
以上説明したような、テンプレートの登録方法においては、図11のステップS113からも明らかなように、登録範囲wがカバーされた時点(すなわち、w≧wthrとなった時点)で、テンプレートの登録を終了する。これは、登録時に、登録候補すべてが均等に配置されるまで登録が終了しないように設定した場合には、登録処理がユーザの負担となる可能性があるためである。このため、最初に抽出された3枚の静脈パターンが選択された時点で、均等配置による登録選択が行われることなく、登録処理が終了する可能性があり、絶対的な均等配置になっているとは限らない場合も生じうる。
そこで、認証処理時に利用された静脈パターンを用いて、登録されているテンプレートの更新処理を行うことにより、登録時に生じている可能性のある不感帯を、認証時に修正していくことが可能となる。以下に、この認証処理時における登録情報の更新処理について、詳細に説明する。
テンプレートの登録時に、登録情報が厳密に均等に配置されるように処理を行わず、かつ、静脈パターンの認証時に登録済みの情報(テンプレート)との位置ズレを検出し、認証が成功した場合を考える。静脈パターンの認証時には、静脈パターン認証部113は相関係数の算出を行っているため、認証用に入力された静脈パターンの位置ズレ量(すなわち、回転方向と回転量)を算出することが可能である。そこで、認証成功時には、静脈パターン認証部113は、認証に成功した静脈パターン(以下、認証情報と称する。)を、登録情報選択部109に伝送する。
認証情報が通知された登録情報選択部109は、認証情報の位置ズレ量と、現在登録されている登録情報(テンプレート)とを用いて、これらの情報の相対的な位置関係を算出する。認証情報が現在登録されている登録情報よりも均等配置に近い場合には、登録情報選択部109は、前述の登録情報の選択処理を実施し、既に登録されている登録情報と、認証のために提示した情報(認証情報)との入れ替えを行い、テンプレートの更新を行う。
ここで、この際に注意しなければならないのは、登録範囲を拡大するテンプレート更新は行わないことである。このような更新を行ってしまうと、逆に不感帯が大きくなってしまう可能性がある。
図13は、認証処理時における登録情報の更新について説明するための説明図である。図13上段に示した例のように、登録情報I〜登録情報Iが既にテンプレートとして登録されており、登録情報I〜登録情報I間に不感帯が生じている場合を考える。この場合に、静脈認証処理が実施され、認証が成功すると、静脈パターン認証部113は、認証に成功した静脈パターンを登録情報選択部109に通知する。
登録情報選択部109は、まず、通知された認証情報が、図13上段における登録情報Iと登録情報Iの間に存在するか否かを判定する。通知された認証情報が登録情報Iまたは登録情報Iよりも外側に存在する場合には、前述のような登録範囲を拡大する更新となってしまい、更に不感帯が大きくなってしまう場合がある。
登録情報選択部109に通知された認証情報が、例えば図13下段に示したような位置に存在する場合には、登録範囲を拡大するテンプレート更新には該当しないため、登録情報選択部109は、既に登録されている登録情報I〜登録情報Iと、通知された認証情報とを用いて、登録情報の更新処理を行う。この登録情報の更新処理は、テンプレートの登録時における登録情報の選択処理と同様の手順で行われる。
更新処理の結果、例えば図13下段に示したように、登録情報I2よりも認証情報の方が、より均等配置となるような場合(換言すれば、不感帯を小さくするような位置に認証情報が存在している場合)には、登録情報選択部109は、登録情報Iに換えて認証情報を登録情報として選択する。
[流れ図を用いた説明]
図14は、認証処理時における登録情報の更新について説明するための流れ図である。
まず、静脈パターンの認証処理自体は、ユーザのコマンド選択等をきっかけにして、開始される。認証処理が開始すると、静脈認証装置10の表示制御部(図示せず。)は、表示部に、指を所定の箇所に配置するように表示を出す。また、認証処理の開始に伴い、光源部101は、指が配置される場所に対して、所定波長の近赤外光を照射する。すると、撮像部103は指を撮像して、撮像データを生成する。続いて、静脈パターン抽出部105は、撮像部103が生成した撮像データから、静脈パターンを抽出する(ステップS301)。抽出された静脈パターンは、静脈パターン認証部113に通知される。
静脈パターン認証部113は、まず、記憶部117に記録されているテンプレートを読み出して(ステップS303)、登録されているテンプレートと、抽出された静脈パターンとの比較を行う。具体的には、(式4)に示した相関係数の算出を行い、得られた相関係数が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS305)。相関係数が所定の閾値未満であった場合には、抽出された静脈パターンは登録されているテンプレートに類似していないと判断し、認証が失敗したと判定する。
また、得られた相関係数が所定の閾値以上であった場合には、抽出された静脈パターンと登録されているテンプレートとは類似していると判断し、認証が成功したと判定する。
認証が成功した場合には、静脈パターン認証部113は、認証が成功した旨を被制限処理実行部115に通知し、被制限処理実行部115は、実行が制限されている処理を実施する(ステップS307)。
また、認証が成功した場合には、静脈パターン認証部113は、認証が成功した静脈パターン(認証情報)を、登録情報選択部109に通知し、登録情報選択部109は、均等配置による候補選択を実施する(ステップS309)。具体的には、まず、通知された認証情報が、登録範囲を拡大する位置に存在しないものであることを判定した上で、図12に示した流れ図に従い、登録情報の更新処理を行う。
登録情報の更新処理の結果、既に登録されている登録情報に換えて認証情報が選択された場合には、登録情報選択部109は、選択結果をテンプレート登録部111に通知し、テンプレート登録部111は、認証情報を新たに登録情報として登録する(ステップS313)。また、認証情報が新たな登録情報として選択されなかった場合には、テンプレートを更新せずに処理を終了する。
このように、この認証時における登録情報の更新処理を行うことで、認証時にも適宜、不感帯が減る方向にテンプレートが更新され、認証を重ねる度にテンプレートを熟成させることが可能となる。
なお、上述の本発明の各実施形態に係る説明では、登録情報として3枚の静脈パターンが登録される場合について説明したが、4枚以上の静脈パターンを登録情報として選択する場合にも、同様の処理を行うことが可能である。すなわち、登録範囲の両端に位置する静脈パターンを保持したうえで、内側に位置する静脈パターンそれぞれについて、残りの静脈パターンとの距離を算出し、相隣接する静脈パターン間の距離が略均等となるようなものを登録候補として選択すればよい。
<ハードウェア構成について>
次に、図15を参照しながら、本発明の各実施形態に係る静脈認証装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図15は、本実施形態に係る静脈認証装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
静脈認証装置10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、静脈認証装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、静脈認証装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。静脈認証装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、静脈認証装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなど、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、静脈認証装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、静脈認証装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、静脈認証装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータ等を格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、静脈認証装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、メモリースティック、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等である。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、i.Link等のIEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等の、機器を静脈認証装置10に直接接続するためのポートである。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、静脈認証装置10は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等である。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の各実施形態に係る静脈認証装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
なお、本発明の各実施形態に係る静脈認証装置10は、以下に示すような機能を有するプログラムとして提供されることも可能である。このプログラムは、コンピュータに、長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して所定波長の近赤外光を照射する光源部を制御する光源部制御機能と、前記近赤外光が照射された前記指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成する撮像部を制御する撮像制御機能と、前記複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出機能と、一の前記静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された前記静脈パターンそれぞれの前記回転運動に伴う前記指の回転方向と回転量とを算出する、回転量算出機能と、前記回転方向および前記回転量に基づいて前記撮像範囲のズレ量を算出し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の前記静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する前記静脈パターンを選択して登録情報とする、登録情報選択機能と、を実現させるためのプログラムである。
このコンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶部に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、コンピュータを上記の静脈認証装置10として機能させる。また、コンピュータプログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証方法の概略を説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置の構成を説明するためのブロック図である。 回転方向および回転量の算出について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈認証方法を説明するための流れ図である。 同実施形態に係る静脈認証装置が実施する登録情報の選択処理について説明するための流れ図である。 認証処理時における登録情報の更新について説明するための説明図である。 認証処理時における登録情報の更新方法を説明するための流れ図である。 同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 従来の情報処理方法におけるテンプレートの登録方法を説明するための説明図である。 従来の情報処理方法におけるテンプレートの登録方法を説明するための流れ図である。
符号の説明
10 静脈認証装置
101 光源部
103 撮像部
105 静脈パターン抽出部
107 回転量算出部
109 登録情報選択部
111 テンプレート登録部
113 静脈パターン認証部
115 被制限処理実行部
117 記憶部
FG 指表面

Claims (6)

  1. 長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して所定波長の近赤外光を照射する光源部と、
    前記近赤外光が照射された前記指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成する撮像部と、
    前記複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出部と、
    一の前記静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された前記静脈パターンそれぞれの前記回転運動に伴う前記指の回転方向と回転量とを算出する、回転量算出部と、
    前記回転方向および前記回転量に基づいて前記撮像範囲のズレ量を算出し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上である場合に、複数の前記静脈パターンの全てを登録情報として選択し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の前記静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する前記静脈パターンを選択して登録情報とする、登録情報選択部と、
    を備える、静脈認証装置。
  2. 前記登録情報選択部は、前記撮像範囲の両端に位置する前記静脈パターンを保持するとともに、前記両端に位置する静脈パターン間に存在する前記静脈パターンの中から、相隣接する前記静脈パターン間距離が略均等に近づく位置に存在するものを選択する、請求項1に記載の静脈認証装置。
  3. 前記静脈認証装置は、前記テンプレートとして登録されている前記登録情報に基づいて、抽出された前記静脈パターンを認証する静脈パターン認証部を更に備え、
    前記登録情報選択部は、前記登録情報と、認証された前記静脈パターンとを用いて、既に登録されている前記登録情報の内容を更新する、請求項2に記載の静脈認証装置。
  4. 前記回転量算出部は、基準となる前記一の静脈パターンと、他の前記静脈パターンとの相関係数を算出し、前記相関係数のピーク位置のズレ方向とズレ量とに基づいて、前記回転方向および前記回転量を算出する、請求項1に記載の静脈認証装置。
  5. 前記撮像範囲のズレ幅の閾値は、基準となる前記一の静脈パターンの撮像範囲を表すピクセル量の10%である、請求項1に記載の静脈認証装置。
  6. 長さ方向に沿った軸を中心に回転運動をしている指の表面に対して所定波長の近赤外光を照射するステップと、
    前記近赤外光が照射された前記指表面を所定の時間間隔で撮像し、撮像範囲が互いに異なる複数の静脈撮像データを生成する撮像ステップと、
    前記複数の静脈撮像データそれぞれから静脈パターンを抽出する静脈パターン抽出ステップと、
    一の前記静脈パターンの撮像範囲を基準として、抽出された前記静脈パターンそれぞれの前記回転運動に伴う前記指の回転方向と回転量とを算出する、回転量算出ステップと、
    前記回転方向および前記回転量に基づいて前記撮像範囲のズレ量を算出し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上である場合に、複数の前記静脈パターンの全てを登録情報として選択し、前記撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満である場合に、複数の前記静脈パターンの中から、テンプレートとして登録する前記静脈パターンを選択して登録情報とする、登録情報選択ステップと、
    を含む、静脈認証方法。
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