JP4747925B2 - 無電極放電灯点灯装置及び照明器具 - Google Patents

無電極放電灯点灯装置及び照明器具 Download PDF

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Description

本発明は、無電極放電灯点灯装置及び照明器具に関するものである。
従来、この種の無電極放電灯点灯装置は、電源回路の安定電位と金属ケースとを接地コンデンサを介して接続する構成である(特許文献1参照)。これにより、電源回路で発生する電磁ノイズを低減することができ、電源回路に必要なフィルタ素子などを簡単な構成にすることができる。また、上記従来の無電極放電灯点灯装置は、検出回路や制御回路などが実装された実装基板を収納する金属ケース内に充填剤が充填されたものである(特許文献2参照)。これにより、実装基板や回路部品の耐湿性や耐振動性を向上させることができる。
一方、無電極放電灯は、一般の照明用ランプに比べて長寿命であるという特徴を有する。市販の無電極放電灯には寿命が60000時間を超えるものがあり、その期間中ランプの交換を必要としない。例えば60000時間の寿命の場合、1日10時間の点灯を行ったとしても、16年間ランプの交換を必要とせず、16年後に照明器具全体が寿命となる。無電極放電灯は長寿命の特性を生かし、例えば道路灯や高天井灯、街路灯など保守作業のしにくい場所に用いられることが多い。このため、無電極放電灯点灯装置にも、長寿命及び高信頼性が求められる。
上記無電極放電灯は内部に電極を有しないので、無電極放電灯の始動時に一般の蛍光灯などより高い始動電圧を誘導コイルに印加する必要がある。このため、無電極放電灯の始動時に共振の鋭さを鋭くして高い始動電圧を低損失で印加するような無電極放電灯点灯装置を設計する必要がある。ここで共振が鋭いとは、微少な周波数や素子パラメータなどの変動に対して、始動電圧が大きく変動する状態にあることを意味する。このような高い始動電圧を安定して印加するために、無電極放電灯点灯装置は、誘導コイルの始動電圧を検出する検出回路、及び電源回路を制御する制御回路を備えている。ここで、無電極放電灯の始動時に高い始動電圧を低損失で制御回路が検出するために、高いインピーダンスを持った検出回路が誘導コイルと制御回路とを接続している。無電極放電灯の始動時に始動電圧を検出回路が検出し、制御回路によってフィードバックを行い、所望の始動電圧が誘導コイルに印加されるように制御する。
また、従来の無電極放電灯点灯装置において、誘導コイルは、無電極放電灯に高周波磁界を発生させるために上記無電極放電灯に近接することによって、無電極放電灯から輻射熱を受ける。輻射熱による誘導コイルの温度上昇を低減するために、誘導コイル近傍には金属製の放熱体が設けられ、誘導コイルの熱を外部に排出するようになっている。
特許3463482号公報(第4,5頁及び第2図) 特開平7−226465号公報(第4頁及び第1図)
従来の無電極放電灯点灯装置には、誘導コイルと放熱体とが熱的な結合を高めるために密接に配設されることによって、比較的大きな第1の浮遊容量が発生する。これにより、電源回路の安定電位と金属ケースとが接地コンデンサを介して接続する場合、無電極放電灯の始動時に、電源回路の安定電位と誘導コイルとの間には、第1の浮遊容量及び接地コンデンサを介して接地電流が流れる。このため、無電極放電灯の始動時に始動電圧を所望の値にするために、検出回路からの検出電流と接地電流の影響を考慮して、制御回路が設計されている。
一方、充填剤の誘電率が空気より大きいので、充填剤を用いない場合に比べて、電源回路が実装された実装基板とこの実装基板に対向する金属ケースとの間に接地コンデンサと並列接続に発生する第2の浮遊容量の容量値が大きくなる。第1の浮遊容量及び第2の浮遊容量によって、接地電流と同じメカニズムで浮遊電流が流れる。
これに伴い、従来の無電極放電灯点灯装置には以下の問題があった。浮遊電流は、接地コンデンサを通じて電源回路の安定電位に流れる接地電流とは異なり、金属ケースと対向する実装基板上の検出回路や制御回路に流れて検出電流と重畳してしまう。ここで、制御回路に入力される検出電流は、始動電圧を低損失で検出するために高いインピーダンスを有する検出回路から入力されるので、非常に小さな値である。上記浮遊電流によって、無電極放電灯点灯装置の共振の鋭い始動時に、所望の始動電位を誘導コイルに安定に印加することが困難になる。より具体的に説明すると、接地コンデンサとしてセラミックコンデンサを用いた場合、始動電圧は、周囲の温度が室温(25℃)から高温(60℃)に高くなると低下する(図6の「第1の従来形態の特性」参照)。セラミックコンデンサの容量値が温度上昇に伴って小さくなることによって、接地電流が小さくなって浮遊電流が大きくなるためである。さらに、充填剤としてウレタン樹脂を用いて充填した場合の始動電圧は、周囲の温度が室温(25℃)から高温(60℃)に高くなったときに、充填剤で充填していない場合より低下分が大きくなる(図6の「第2の従来形態の特性」参照)。充填剤によって浮遊容量の容量値が大きくなることによって、浮遊電流が大きくなるためである。上記始動電圧の低下が、無電極放電灯の始動に必要な電圧を下回った場合、無電極放電灯の始動不良が発生してしまう。
上記のように、無電極放電灯点灯装置が寿命を迎える前にもかかわらず、高温時に無電極放電灯の始動不良が発生することは、無電極放電灯点灯装置に求められる長寿命及び高信頼性を損なうものとなる。ここで、高温時の始動電圧の低下を補うために、室温時からより高い始動電圧を発生するように設計した場合、使用する回路素子に多くのストレスがかかり、上記回路素子を保護するために回路素子やそれを実装する実装基板を大型にしなければならなかった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、比較的簡易で安価な方法によって、電源回路の発生する電磁ノイズを低減し、耐湿性及び耐振動性の向上を図りながら、始動電圧を安定に供給することができる無電極放電灯点灯装置及び照明器具を提供することにある。
請求項1に記載の無電極放電灯点灯装置の発明は、高周波磁界が発生すると点灯する無電極放電灯を点灯制御する無電極放電灯点灯装置であって、前記無電極放電灯に近接して配置され高周波電流が供給されると当該無電極放電灯に前記高周波磁界を発生させる誘導コイルと、前記誘導コイルに近接して配置され当該誘導コイルの熱を放熱する放熱体と、前記誘導コイルに電圧を印加して前記高周波電流を供給する電源回路と、前記無電極放電灯の始動時に前記誘導コイルに印加される始動電圧を検出し当該始動電圧の大きさに応じた検出電流を出力する検出回路と、前記検出回路から前記検出電流を入力し当該検出電流に基づいて前記始動電圧の大きさを可変するように前記電源回路を制御する制御回路と、少なくとも前記検出回路及び前記制御回路が実装された実装基板と、前記実装基板を収納し前記放熱体からの熱が伝達される金属ケースと、少なくとも前記実装基板を封止するように前記金属ケース内に充填され温度上昇に伴って比誘電率が小さくなる充填剤と、前記電源回路の出力側と前記金属ケースとの間に設けられ温度上昇に伴って容量値が大きくなる接地コンデンサとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、電源回路に発生する電磁ノイズを接地コンデンサによって低減し、充填剤によって耐湿性及び耐振動性の向上を図ることができるとともに、実装基板と金属ケースとの間に発生する浮遊容量と放熱体とを介して誘導コイルから実装基板に流れる浮遊電流を小さくすることができるので、実装基板上で浮遊電流が検出電流に重畳することによって発生する始動電圧の低下を小さくし、この始動電圧を誘導コイルに安定に供給することができる。
請求項2に記載の無電極放電灯点灯装置の発明は、請求項1に記載の発明において、室温より高い温度において、前記容量値の室温に対する増加分の比率の絶対値が、前記比誘電率の室温に対する減少分の比率の絶対値より小さいことを特徴とする。この構成によれば、接地コンデンサに発生する漏れ電流の増加を抑制することができる。また、接地コンデンサの容量値のほうが浮遊容量の容量値より大きいので、接地コンデンサの容量値の室温に対する増加分の比率が小さくても浮遊電流を十分に小さくすることができる。
請求項3に記載の無電極放電灯点灯装置の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記接地コンデンサの誘電体がポリエステルフィルムであることを特徴とする。この構成によれば、接地コンデンサの容量値を高温時に確実に上昇させることができるので、始動電圧の温度上昇に伴う低下を補うことができ、この始動電圧を誘導コイルにさらに安定に供給することができる。
請求項4に記載の無電極放電灯点灯装置の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記充填剤がウレタンであることを特徴とする。この構成によれば、硬化阻害を低減することができるので、使用する部品や構造材の選択肢を広げることができ、選択肢の中から最適な部品や構造材を用いることができる。
請求項5に記載の照明器具の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の無電極放電灯点灯装置と、放電ガスが内部に封入され高周波磁界が発生すると点灯する無電極放電灯とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、無電極放電灯点灯装置において、電源回路に発生する電磁ノイズを接地コンデンサによって低減し、充填剤によって耐湿性及び耐振動性の向上を図ることができるとともに、実装基板と金属ケースとの間に発生する浮遊容量と放熱体とを介して誘導コイルから実装基板に流れる浮遊電流を小さくすることができるので、実装基板上で浮遊電流が検出電流に重畳することによって発生する始動電圧の低下を小さくし、この始動電圧を誘導コイルに安定に供給することができる。これにより、照明器具が無電極放電灯を正常に始動させることができる。
請求項6に記載の照明器具の発明は、請求項5に記載の発明において、前記放熱体及び前記金属ケースと接続して前記無電極放電灯点灯装置を設置する金属製の器具本体を備えることを特徴とする。この構成によれば、放熱体及び金属ケースと接続するために、電線などの手段を別途用意することを要しない。また、器具本体が電線に比べて大きさ断面積を有するので、高周波インピーダンスを電線より下げることができ、電磁ノイズを低減することができるとともに、放熱体の熱伝導性を向上させることができ、誘導コイルからの熱をより多く放熱して誘導コイルの熱を下げることができる。
本発明によれば、電源回路に発生する電磁ノイズを低減し、耐湿性及び耐振動性の向上を図ることができるとともに、始動電圧を誘導コイルに安定に供給することができる。
本発明の実施形態について図1〜6を用いて説明する。図1は本実施形態の照明器具の回路図である。図2は本実施形態の照明器具の片側断面図である。図3は本実施形態の無電極放電灯点灯装置の断面図である。図4は、本実施形態の充填剤の誘電率を示す図である。図5は、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の浮遊容量を示す図である。図6は、本実施形態の始動時に誘電コイルに印加される電圧を示す図である。
まず、本実施形態の基本的な構成について説明する。本実施形態の照明器具は、図2に示すように、無電極放電灯1と、カプラ2と、灯具3と、無電極放電灯点灯装置4とを備えている。
無電極放電灯1は、バルブ10を備え、無電極放電灯点灯装置4によって点灯制御されるものである。バルブ10は、例えば透光性ガラスなどの透光性材料で上部が球状に形成されている。このバルブ10には有底筒状の空洞部(図示せず)が上下方向に形成されている。また、バルブ10の内部には放電ガスが封入され、バルブ10の内面には蛍光体膜及び保護膜が塗布されている。放電ガスは、例えば水銀や希ガス、金属ハロゲン化物などを含む電離可能なガスである。上記無電極放電灯1は、バルブ10の内部に高周波磁界が発生すると点灯する。具体的には、高周波磁界によって放電ガスの原子が電離されて電子が発生し、発生した電子が別の放電ガスの原子に衝突し、衝突された放電ガスの原子が電離されて新たな電子が発生する。このとき、電子は、高周波磁界によってエネルギーを受け取り、放電ガスの原子に衝突してエネルギーを与える。このような衝突によって放電ガスの原子が励起と緩和を繰り返し、励起された原子が緩和するときに放電ガスから紫外線又は可視光が発生する。
カプラ2は、ボビン20を備えている。ボビン20は、例えば樹脂などで形成され、横断面円状の基台部200と、基台部200の内周縁から上方に延設された筒部201とを一体に備えている。このボビン20は、筒部201が無電極放電灯1の空洞部(図示せず)に収納されるようにして無電極放電灯1と結合する。
灯具3は、灯具本体30と、グローブ31と、拡散板32と、笠33とを備えている。灯具本体30は、例えば金属材料などで形成され、カプラ2が設置された導電性部材34が上端に設けられている。導電性部材34は、例えば鋼板やアルミ板などの金属部材で形成されたものである。この導電性部材34には、ねじ孔340が形成されている。また、導電性部材34は、後述の放熱体42と金属ケース47とを接続する。上記灯具本体30には、カプラ2及び無電極放電灯点灯装置4が設置されている。グローブ31は、例えばポリカーボネート又はアクリルなどの透光性を有する樹脂で円錐台状に形成され、下端で灯具本体30と接合している。このグローブ31には開口310が形成され、この開口310には無電極放電灯1、カプラ2、拡散板32及び無電極放電灯点灯装置4が収納されている。また、グローブ31の上端の外周縁には、ねじ孔311が形成されている。拡散板32は、例えばポリカーボネート又はアクリルなどの透光性を有する樹脂で形成され、円錐台状の筒部320と、筒部320の下端から内方に延設された取付部321とを備えている。取付部321には、ねじ孔322が形成されている。拡散板32は、ねじ323がねじ孔322,340に嵌め合わされることによって、灯具本体30の導電性部材34にねじ止め固定されている。このとき、筒部320は、無電極放電灯1の下側を取り囲むように配置される。笠33は、例えば金属材料又は樹脂などで断面円弧状に形成されたものである。この笠33の外周縁には複数の貫通孔330が形成されている。この笠33は、ねじ331が貫通孔330に挿入されてねじ孔311に嵌め合わされることによって、グローブ31の上面を覆うように上記グローブ31にねじ止め固定されている。
無電極放電灯点灯装置4は、図1に示すように、電源回路40と、誘導コイル41と、放熱体(熱伝導体)42と、検出回路43と、制御回路44と、接地回路45と、実装基板46と、金属ケース47とを備え、交流電源ACと接続し、無電極放電灯1を点灯制御するものである。交流電源ACは例えば商用電源などである。また、実装基板46には、電源回路40と、検出回路43と、制御回路44と、接地回路45とが実装されている。
金属ケース47は、図2に示すように、例えばアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料で箱状に形成され、導電性部材34と導通して灯具本体30に収納されている。すなわち、金属ケース47は、導電性部材34を介して放熱体42と接続し、放熱体42からの熱が伝達される。また、図3に示すように、金属ケース47は実装基板46を収納し、この実装基板46は充填剤48によって封止されている。充填剤48としては、比誘電率が室温で3以上であって温度上昇に伴って小さくなる材料が用いられる。上記のような特性を有する材料の中でもウレタン樹脂がより適しており、本実施形態の充填剤48としてウレタン樹脂を用いている。充填剤48として用いられるウレタン樹脂の温度に対する誘電率の変化特性を図4に示している。本実施形態の充填剤48の20℃に対する60℃での減少分の比率の絶対値は約10%である。なお、充填剤48の材料はウレタン樹脂がより適しているものの、ウレタン樹脂に限定されるものでなく、比誘電率が室温で3以上であって温度上昇に伴って小さくなる材料であればよく、用途に応じて適宜選択される。
電源回路40は、図1に示すように、交流電源AC側から順に、直流電源回路(図示せず)と、インバータ回路(図示せず)と、共振回路(図示せず)とを備える回路である。直流電源回路は、交流電源ACからの交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を昇圧し、昇圧された直流電力を平滑にし、平滑された直流電力(直流電流)をインバータ回路に出力する。インバータ回路は、直流電源回路からの直流電力を、無電極放電灯1に高周波磁界を印加するための高周波電力に変換し、変換された高周波電力を共振回路に出力する。共振回路は、共振周波数の近傍において大きな振幅の高周波電力を出力するように設計され、出力端側で誘導コイル41と接続し、インバータ回路からの高周波電力の周波数に基づいて、誘導コイル41に高周波電圧を印加して高周波電流を供給する。特に、共振回路は、無電極放電灯1の始動時に大きな振幅の高周波電流を誘導コイル41に出力する。上記電源回路40の動作周波数は50kHz〜100kHzである。
誘導コイル41は、図2に示すように、例えば銅又は銅合金などの導線がボビン20の筒部201に巻回されることによって形成され、無電極放電灯1の空洞部(図示せず)に配置されている。この誘導コイル41は、電源回路40(図1参照)から高周波電流が供給されると無電極放電灯1のバルブ10の内部に高周波磁界を発生させる。コア410は、例えば軟磁性体など高周波磁気特性の良好な材料で形成され、誘導コイル41から効率よく高周波磁界を発生させるものである。コア410の材料として、マンガン亜鉛フェライト(Mn−Znフェライト)やニッケル亜鉛フェライト(NiZnフェライト)などがある。これにより、損失を低減することができる。また、コア410は、放熱体42と面状に接しており、発生した熱を後述の放熱体42に放熱しながら保持されている。
放熱体42は、例えばアルミニウム若しくは銅、又はこれらの合金など熱伝導率の高い材料で形成され、ボビン20の筒部201の外周面に沿って設けられ、誘導コイル41に近接して配置されている。この放熱体42は、誘導コイル41の熱を放熱する。
検出回路43は、図1に示すように、無電極放電灯1の始動時に、誘導コイル41に印加される始動電圧V1を検出し、検出した始動電圧V1の大きさに比例した検出電流I1を制御回路44に出力する。制御回路44は、少なくとも無電極放電灯1の始動時に、検出回路43から検出電流I1を入力し、入力した検出電流I1に基づいて、誘導コイル41に発生する高周波電力の周波数を可変することによって、始動電圧V1の大きさを可変するように電源回路40のインバータ回路(図示せず)を制御する。
接地回路45は、電源回路40の出力側と金属ケース47との間に設けられた接地コンデンサ450からなる。接地コンデンサ450としては、容量値が後述の第2の浮遊容量51の容量値の10倍以上であるとともに室温(例えば25℃)で2nFより小さく温度上昇に伴って大きくなるものが用いられる。また、室温より高い温度において、接地コンデンサ450の容量値の室温に対する増加分の比率の絶対値は、充填剤48の比誘電率の室温に対する減少分の比率の絶対値より小さくなる。上記のような特性を有する接地コンデンサ450の誘電体としてポリエステルフィルムがより適しており、本実施形態の接地コンデンサ450の誘電体としてポリエステルフィルムを用いている。本実施形態の接地コンデンサ450の20℃に対する60℃での増加分の比率の絶対値は、約1%であり、充填剤48の20℃に対する60℃での減少分の比率の絶対値(図4参照)より大幅に小さい。なお、接地コンデンサ450の誘電体はポリエステルフィルムがより適しているものの、ポリエステルフィルムに限定されるものでなく、容量値が温度上昇に伴って大きくなるものであればよく、用途に応じて適宜選択される。
次に、上記のような構成を有する本実施形態の無電極放電灯点灯装置4に発生する浮遊容量について図5を用いて説明する。本実施形態の無電極放電灯点灯装置4には、図5に示すように、誘導コイル41と放熱体42(図1参照)との間に第1の浮遊容量50が発生し、実装基板46(図1参照)と金属ケース47(図1参照)との間に第2の浮遊容量51が発生する。この第2の浮遊容量51は接地コンデンサ450に並列接続となるように発生する。
第2の浮遊容量51に流れる浮遊電流I2は、接地コンデンサ450及び第2の浮遊容量51の容量値によって変動する。具体的には、接地コンデンサ450の容量値が小さくなると、接地コンデンサ450に流れる接地電流I3が小さくなり、電流減少分が第2の浮遊容量51に流れるので浮遊電流I2が大きくなる。これに対して、接地コンデンサ450の容量値が大きくなると、接地電流I3が大きくなり、浮遊電流I2が小さくなる。一方、第2の浮遊容量51の容量値が大きくなると浮遊電流I2が大きくなり、第2の浮遊容量51の容量値が小さくなると浮遊電流I2が小さくなる。ここで、第2の浮遊容量51の容量値は充填剤48の誘電率(図4参照)によって変化する。具体的には、第2の浮遊容量51の容量値は、温度が高くなると小さくなり、温度が低くなると大きくなる。
上記浮遊電流I2は実装基板46(図1参照)上で検出電流I1と重畳する。そして、重畳された電流は検出電流として制御回路44に入力される。図6には、本実施形態の始動電圧の特性を、第1の従来形態の始動電圧の特性及び第2の従来形態の始動電圧の特性とともに示している。なお、第1の従来形態は、接地コンデンサとしてセラミックコンデンサを用い、充填剤で充填されていないものである。また、第2の従来形態は、接地コンデンサとしてセラミックコンデンサを用い、充填剤で充填されたものである。制御回路44では、25℃において検出電流I1、浮遊電流I2及び接地電流I3を考慮して、入力される電流に対する始動電圧の大きさについて設計されている。本実施形態の始動電圧の温度変化は、第1の従来形態及び第2の従来形態の始動電圧の温度変化と比較して小さくなっている。
以上、本実施形態によれば、電源回路40に発生する電磁ノイズを接地コンデンサ450によって低減し、充填剤48によって耐湿性及び耐振動性の向上を図ることができるとともに、実装基板46と金属ケース47との間に発生する第2の浮遊容量51と放熱体42とを介して誘導コイル41から実装基板46に流れる浮遊電流を小さくすることができるので、実装基板46上で浮遊電流I2が検出電流I1に重畳することによって発生する始動電圧V1の低下を小さくし、この始動電圧V1を誘導コイル41に安定に供給することができる。これにより、無電極放電灯1を正常に始動させることができる。また、接地コンデンサ450に発生する漏れ電流の増加を抑制することができる。さらに、接地コンデンサ450の容量値のほうが第2の浮遊容量51の容量値より大きいので、接地コンデンサ450の容量値の室温に対する増加分の比率が小さくても浮遊電流I2を十分に小さくすることができる。
また、接地コンデンサ450の誘電体がポリエステルフィルムであるので、接地コンデンサ450の容量値を高温時に確実に上昇させることができるので、始動電圧V1の温度上昇に伴う低下を補うことができ、この始動電圧V1を誘導コイル41にさらに安定に供給することができる。さらに、充填剤48がウレタン樹脂であるので、硬化阻害を低減することができるので、使用する部品や構造材の選択肢を広げることができ、選択肢の中から最適な部品や構造材を用いることができる。これに対して、充填剤が、誘電率の小さなケイ素樹脂やケイ素ゴムであった場合、硬化阻害によって使用できる部品や構造材の選択肢を狭めることになり、最適な部品や構造材を用いることができなくなってしまう。
上記に追加して、放熱体42及び金属ケース47と接続するために、電線などの手段を別途用意することを要しない。また、灯具本体30が電線に比べて大きさ断面積を有するので、高周波インピーダンスを電線より下げることができ、電磁ノイズを低減することができるとともに、放熱体42の熱伝導性を向上させることができ、誘導コイル41からの熱をより多く放熱して誘導コイル41の熱を下げることができる。特に、本実施形態のように誘導コイル41を無電極放電灯1の空洞部(図示せず)に収納されている場合、放熱の困難性を解決するのに大きな効果を持つ。誘導コイル41の熱を下げることによって、誘導コイル41を構成する部材の耐熱温度を下げることができ、誘導コイル41のコストを低減することができる。さらに、無電極放電灯点灯装置4の動作周波数を500kHz以下としているので、導電性部材34の放熱性及び雑音防止を良好にすることができる。
本発明による実施形態の照明器具の回路図である。 同上の照明器具の片側断面図である。 同上の無電極放電灯点灯装置の断面図である。 同上の充填剤の誘電率を示す図である。 同上の無電極放電灯点灯装置の浮遊容量を示す図である。 同上の始動時に誘電コイルに印加される電圧を示す図である。
符号の説明
1 無電極放電灯
34 導電性部材
4 無電極放電灯点灯装置
40 電源回路
41 誘導コイル
42 放熱体
43 検出回路
44 制御回路
450 接地コンデンサ
46 プリント基板
47 金属ケース
48 充填剤
50 第1の浮遊容量
51 第2の浮遊容量
V1 始動電圧
I1 検出電流
I2 浮遊電流
I3 接地電流

Claims (6)

  1. 高周波磁界が発生すると点灯する無電極放電灯を点灯制御する無電極放電灯点灯装置であって、
    前記無電極放電灯に近接して配置され高周波電流が供給されると当該無電極放電灯に前記高周波磁界を発生させる誘導コイルと、
    前記誘導コイルに近接して配置され当該誘導コイルの熱を放熱する放熱体と、
    前記誘導コイルに電圧を印加して前記高周波電流を供給する電源回路と、
    前記無電極放電灯の始動時に前記誘導コイルに印加される始動電圧を検出し当該始動電圧の大きさに応じた検出電流を出力する検出回路と、
    前記検出回路から前記検出電流を入力し当該検出電流に基づいて前記始動電圧の大きさを可変するように前記電源回路を制御する制御回路と、
    少なくとも前記検出回路及び前記制御回路が実装された実装基板と、
    前記実装基板を収納し前記放熱体からの熱が伝達される金属ケースと、
    少なくとも前記実装基板を封止するように前記金属ケース内に充填され温度上昇に伴って比誘電率が小さくなる充填剤と、
    前記電源回路の出力側と前記金属ケースとの間に設けられ温度上昇に伴って容量値が大きくなる接地コンデンサと
    を備えることを特徴とする無電極放電灯点灯装置。
  2. 室温より高い温度において、前記容量値の室温に対する増加分の比率の絶対値が、前記比誘電率の室温に対する減少分の比率の絶対値より小さいことを特徴とする請求項1記載の無電極放電灯点灯装置。
  3. 前記接地コンデンサの誘電体がポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1又は2記載の無電極放電灯点灯装置。
  4. 前記充填剤がウレタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の無電極放電灯点灯装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の無電極放電灯点灯装置と、
    放電ガスが内部に封入され高周波磁界が発生すると点灯する無電極放電灯と
    を備えることを特徴とする照明器具。
  6. 前記放熱体及び前記金属ケースと接続して前記無電極放電灯点灯装置を設置する金属製の器具本体を備えることを特徴とする請求項5記載の照明器具。
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