JP4747860B2 - 真正性表示体 - Google Patents

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Description

本発明は、物品等の真正性を表示する真正性表示体に関するものである。
従来、カード、パスポート、身分証明書、商品券等の偽造防止や、偽造品、海賊品等の防止策の1つとして、レリーフホログラムを利用したホログラムラベル等を、物品等の真正性を表示する真正性表示体として対象物に貼付するという手法が用いられている。
しかし、この種のホログラムは、近年の偽造技術の高度化や、ホログラム材料の入手が容易になったこと等から、一見よく似たホログラムラベルが偽造され、実際の運用において見過ごされてしまう恐れがあった。
また、偽造防止策として、見る角度によって反射色が変化するコレステリック液晶を用いた液晶フィルムを真正性表示体として貼付する手法も用いられている。しかし、近年では偽造技術も巧妙になり、コレステリック液晶による真正性表示体であっても偽造される恐れがある。
そこで、ホログラムラベルと液晶フィルムとを併用すれば、偽造防止効果は向上すると考えられるが、これらをそれぞれ用意し、対象物に貼付すると、作業工数が増えるという問題があった。
特許文献1には、レリーフホログラムの反射面にコレステリック液晶の反射層を設ける手法が開示されている。
しかし、特許文献1に示す識別用媒体では、コレステリック液晶は、入射光をレリーフホログラムへ反射する反射層としての機能しか有しておらず、真正か否かを識別する識別用の像を結ぶのはレリーフホログラムのみであり、偽造防止効果は向上しない。
また、レリーフホログラムは、上述のように偽造され始めており、偽造防止効果が不十分であるという問題があった。
ここで、特許文献1の識別用媒体では、コレステリック液晶に到達し反射して観察者へ到達する光は、保護層及びレリーフホログラム層を2回通過した光である。コレステリック液晶は、一方向の円偏光のみを反射するが、特許文献1の識別用媒体では、保護層及びレリーフホログラム層を通過することにより偏光状態が乱れ、コレステリック液晶からの反射光が少なくなったり、ムラになったりするという問題があった。
特許第3652487号公報
本発明の課題は、偽造が困難であり、意匠性の高い真正性表示体を、液晶層からの反射光の識別性が高い状態で提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない
求項の発明は、反射光を用いた第1の真正性判定機能を有するコレステリック規則性を有する液晶層(12)と、反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層(15)と、を積層したシート状の真正性表示体であって、前記液晶層よりも観察側に積層される層は、通過する光に対して少なくともシート面内方向の異方性を示す少なくとも1層の異方性層(11,13a)と、前記異方性層を通過する光に対して前記異方性層が与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層(P1,P2)と、を備え、前記位相差調整層(P1,P2)は、前記異方性層(11,13a)と同一の層であって、前記異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されていること、を特徴とする真正性表示体(101,102,103)である。
請求項の発明は、反射光を用いた第1の真正性判定機能を有するコレステリック規則性を有する液晶層(12)と、反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層(15)と、を積層したシート状の真正性表示体であって、前記液晶層よりも観察側に積層される層は、通過する光に対して少なくともシート面内方向の異方性を示す少なくとも1層の異方性層(11,13a)と、前記異方性層を通過する光に対して前記異方性層が与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層(P1,P2)と、を備え、前記位相差調整層(P1,P2)は、前記異方性層(11,13a)とシート面内方向の異方性が同等な層であって、前記異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されていること、を特徴とする真正性表示体(101,102,103)である。
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載の真正性表示体において、対象物に対して貼付可能とする貼付層(18)が、前記液晶層及び前記体積型ホログラム層の観察側とは反対側である裏面側に形成されていること、を特徴とする真正性表示体(101,102,103)である。
請求項の発明は、請求項に記載の真正性表示体において、前記貼付層(18)よりも裏面側に、剥離可能な剥離部材(19)が積層されていること、を特徴とする真正性表示体(101,102,103)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)真正性表示体は、反射光を用いた第1の真正性判定機能を有するコレステリック規則性を有する液晶層と、反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層とを積層しているので、液晶層と体積型ホログラムとの双方による真正性の表示が可能であり、偽造防止効果を高めることができる。
また、体積型ホログラムは、撮影や複製に高度な技術や特殊な製造設備を必要とし、流通が管理された入手困難な特殊な材料を利用するため、偽造が極めて困難である。従って、偽造防止効果が高い。
さらに、液晶層よりも観察側に、通過する光に対して少なくともシート面内方向の異方性を示す少なくとも1層の異方性層を積層し、この異方性層を通過する光に対して、異方性層が与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層を積層しているので、液晶層に入射する光及び液晶層から反射する光が、異方性層の影響により位相差が変化(偏光状態が変化)することを防止できる。従って、液晶層からの反射光が鮮明となり、容易かつ確実に真正性の判定が行える。
(2)位相差調整層は、異方性層と同一の層であって、異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されているので、異方性層を通過する光に対して異方性層が与える位相差を、異方性層と同一の部材を用いて容易に相殺又は低減できる。従って、液晶層からの反射光が鮮明となり、容易かつ確実に真正性の判定が行える。
(3)位相差調整層は、前記異方性層とシート面内方向の異方性が同等な層であって、異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されているので、異方性層を通過する光に対して異方性層が与える位相差を、容易に相殺又は低減できる。従って、液晶層からの反射光が鮮明となり、容易かつ確実に真正性の判定が行える。
(4)対象物に対して貼付可能とする貼付層が、液晶層及び体積型ホログラム層の観察側とは反対側である裏面側に形成されているので、様々な対象物に容易に貼付可能である。
(5)貼付層よりも裏面側に、剥離可能な剥離部材が積層されているので、ラベルとして提供でき、流通も容易である。また、真正性表示体として様々な対象物に貼付可能である。
本発明は、偽造が困難であり、意匠性の高い真正性表示体を、液晶層からの反射光の識別性が高い状態で提供するという目的を、液晶層よりも観察側に設けられた異方性層が光に与える位相差の変化のうち、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層を、液晶層よりも観察側に設けることにより実現した。
図1は、本発明による真正性表示体の実施例の具体例1の層構成を示す図である。
真正性表示体101は、位相差調整層P1、保護層11、液晶層12、リップマンホログラム層15、粘着層(貼付層)18、セパレータ19等を備えている。
まず、液晶層12とリップマンホログラム層15について説明することとし、他の層については後述する。
図2は、液晶層とリップマンホログラム層とを観察側から見た図である。図2(a)は、液晶層のみを目視した図であり、図2(b)は、液晶層の一部を、円偏光板を通して目視した図であり、図2(c)は、リップマンホログラム層のみを目視した図であり、図2(d)は、液晶層とリップマンホログラム層とを積層して目視した図であり、図2(e)は、図2(d)に示す、液晶層とリップマンホログラム層とを積層したものの一部を、円偏光板を通して目視した図である。
液晶層12は、コレステリック規則性を有し、反射光を用いた第1の真正性判定機能を有する層である。この液晶層12は、特定の波長領域の光であり、かつ、一方向の円偏光のみを反射し、その波長領域以外の光や、逆方向の円偏光は透過する。
液晶層12は、コレステリック規則性を有する液晶性組成物を、後述の支持基材層(本実施例の具体例1では易接着PET層)13にロールコート法やグラビアコート法、バーコート法等を用いて塗布した後に、配向処理を行ってコレステリック液晶分子を配向させ、コレステリック液晶構造を固定化して形成される。
液晶層12の液晶分子は、物理的な分子配列が、液晶分子のダイレクターが回転する螺旋構造をとっている。液晶層12は、このような液晶分子の物理的な分子配列に基づいて、一方向の円偏光成分と、これと逆回りの円偏光成分とを分離する偏光分離特性を有している。つまり、液晶層12において、入射した無偏光状態の光は、2つの偏光状態(右円偏光及び左円偏光)に分離され、一方は反射され、他方は透過される。この現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における螺旋巻き方向を適宜選択すると、この螺旋巻き方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
本実施例では、液晶層12が反射する光の波長領域(選択波長領域)は、半値幅に対応する波長領域で605〜675nmであり、その反射光は赤色に見える。この波長領域については、後に図4を参照して説明する。また、液晶層12が反射する光は、右円偏光である。
液晶層12は、支持基材層(易接着PET層)13の観察側の全面に均一に形成されており、正面から目視した場合に赤色に見える(なお、図2では、液晶層12が赤色に目視できる状態を網掛けにより示している)。
支持基材層13上に塗布される液晶性組成物としては、コレステリック規則性を示すカイラルネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができる。このような材料としては、コレステリック液晶構造を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではないが、特に、分子の両末端に重合性の官能基があるような重合性の液晶材料が、硬化後に光学的に安定した液晶層12を得る上で好ましい。
以下、液晶性組成物としてカイラルネマチック液晶を用いる場合を例に挙げて説明する。なお、カイラルネマチック液晶は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料とカイラル剤とを混合したものである。ここで、カイラル剤は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の螺旋ピッチ長を制御し、液晶性組成物が全体としてコレステリック規則性を呈するようにするためのものである。また、このような液晶性組成物には、光重合開始剤や適当な添加剤が添加される。
ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の一例としては、例えば、下記の一般式(1)で表わされる化合物や、下記の式(2−i)〜(2−xi)で表される化合物を挙げることができる。また、これらの化合物を単独で、もしくは混合して用いることができる。
Figure 0004747860
Figure 0004747860
上記一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1及びR2はともに水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、上記一般式(1)において、分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶相を示す温度範囲が狭く好ましくない。
なお、以上においては、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料として重合性液晶モノマーの例を挙げて説明したが、これに限らず、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子、液晶ポリマー等を用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子、液晶ポリマーとしては、従来から提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
一方、カイラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物である。カイラル剤は主として、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。
この目的が達成される限り、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できるものであれば、カイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されない。
なお、このようにして液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。従って、ここで用いられるカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミンやキラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレンやビナフトール等の軸不斉を持つ光学活性な部位を有する化合物が挙げられる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶(例えばキラルドーパント液晶S−811(Merck社製))が挙げられる。
しかしながら、選択されたカイラル剤の性質によっては、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいはカイラル剤が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下や、硬化後のフィルムの信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量な使用は、液晶性組成物のコストアップを招く。従って、短い螺旋ピッチ長のコレステリック規則性を有する偏光選択反射層を形成する場合には、液晶性組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤としては、螺旋構造を誘起させる効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には下記の一般式(3)、(4)又は(5)で表されるような、分子内に軸不斉を有する低分子化合物を用いることが好ましい。
Figure 0004747860
Figure 0004747860
Figure 0004747860
上記一般式(3)又は(4)において、R4は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、中でも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である上記一般式(3)又は(4)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物では、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間の相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きるおそれがある。
なお、このようなカイラル剤は、特に重合性を有する必要はない。しかしながら、カイラル剤が重合性を有している場合には、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料と重合され、コレステリック規則性が安定的に固定化されるので、熱安定性等の面では非常に好ましい。特に、分子の両末端に重合性の官能基があることが、耐熱性の良好な液晶層12を得る上で好ましい。
また、液晶性組成物に含有されるカイラル剤の量は、螺旋構造の誘起能力や最終的に得られるのコレステリック液晶構造等を考慮して最適値が決められる。具体的には、用いられる液晶性組成物の材料により大きく異なるものではあるが、液晶性組成物の合計量100重量部当り、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で選ばれる。カイラル剤の含有量が上述した範囲よりも少ない場合は、液晶性組成物に充分なコレステリック規則性を付与することができない場合があり、上述した範囲を越える場合は、液晶分子の配向が阻害され、活性放射線等によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。
さらに、液晶性組成物は支持基材層13上にそのまま塗布することも可能であるが、粘性を塗布装置に合わせたり、良好な配向状態を得る目的で有機溶媒等の適当な溶媒に溶解させてインキ化するようにしてもよい。
このような溶媒としては、上述したような重合性の液晶材料を溶解することが可能であれば特に限定されるものではないが、支持基材層13を浸食しないものであることが好ましい。具体的には、アセトンや、酢酸−3−メトキシブチル、ジグライム、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、塩化メチレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。重合性の液晶材料の希釈の程度は特に限定されるものではないが、液晶自体が溶解性の低い材料であり、また粘性が高いこと等を考慮して、5〜50%、さらに好ましくは10〜30%程度に希釈することが好ましい。
(配向処理工程)
上述した塗布工程において、支持基材層13上に液晶性組成物を塗布し、液晶層12を形成した後、配向処理工程において、液晶層12をコレステリック液晶構造が発現する所定の温度に保持し、液晶層12中の液晶分子を配向させる。
図3は、コレステリック液晶構造を説明する図である。
図3において、液晶層12に入射する光は光線31Rであり、反射する光は、図3(a)では、光線33であり、図3(b)では、光線36である。図3(a)では、反射する光の方向は、ばらついており、図3(b)では、反射する光の主光線方向が揃っている。
本実施例において最終的に得られるべきコレステリック液晶構造は、図3(a)に示すように、複数の螺旋構造領域30の螺旋軸Lの方向が層内でばらついた配向状態となっている場合と、図3(b)に示すようなプラーナー配向状態となっている場合とがあるが、どちらの場合でも、配向処理は必要となる。すなわち、前者においては、コレステリック液晶構造中に複数の螺旋構造領域30を形成させるような配向処理が必要となり、後者においては、コレステリック液晶構造中に複数の螺旋構造領域30を形成させるような配向処理と、コレステリック液晶構造の液晶分子のダイレクターを支持基材層13上で一定方向に揃えるような配向処理とが必要となる。
ここで、支持基材層13上に形成された液晶層12を、コレステリック液晶構造が発現する所定の温度に保持すると、液晶層12は液晶相を呈し、液晶分子自体の自己集積作用により、液晶分子のダイレクターが回転してなる螺旋構造が形成される。また、液晶層12に拡散性を持たせない場合であれば、コレステリック液晶構造の液晶分子のダイレクターが支持基材層13上で一定方向に揃えられる。そして、このような液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造は、後述するような手法で液晶層12を硬化させることにより、固定化することができる。
このような配向処理工程は、支持基材層13上に塗布された液晶性組成物に溶媒が含有されている場合には、通常、溶媒を除去するための乾燥処理とともに行われる。溶媒を除去するためには、40〜120℃、好ましくは60〜100℃の乾燥温度が適しており、乾燥時間(加熱時間)はコレステリック液晶構造が発現し、実質上溶媒が除去されればよく、例えば、15〜600秒が好ましく、さらに好ましくは30〜180秒である。
乾燥後に配向状態が不十分であることが分かった場合には、適宜加熱時間を延長するようにするとよい。なお、このような乾燥処理において減圧乾燥の手法を用いる場合には、配向処理のために別途加熱処理を行うことが好ましい。
(硬化処理工程)
上述した配向処理工程において、液晶層12中の液晶分子を配向させた後、硬化処理工程において、液晶層12を硬化させ、液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造を固定化する。
硬化処理工程で用いられる方法としては、(1)液晶性組成物中の溶媒を乾燥させる方法、(2)加熱により液晶性組成物中の液晶分子を重合させる方法、(3)放射線の照射により液晶性組成物中の液晶分子を重合させる方法、及び(4)それらの方法を組み合わせた方法を用いることができる。
このうち、上記(1)の方法は、液晶層12の材料である液晶性組成物に含有されるネマチック規則性を示す重合性の液晶材料として液晶ポリマーを用いた場合に適した方法である。この方法では、液晶ポリマーを有機溶媒等の溶媒に溶解させた状態で支持基材層13に塗布することとなるが、この場合には、乾燥処理により溶媒を除去するだけで、コレステリック規則性を有する固体化した液晶層12が形成される。なお、溶媒の種類や乾燥条件等については、上述した塗布工程及び配向処理工程で述べたものを用いることができる。
上記(2)の方法は、加熱により液晶性組成物中の液晶分子を熱重合させて液晶層12を硬化させる方法である。この方法では、加熱(焼成)温度によって液晶分子の結合状態が変化するので、加熱時に液晶層12の面内で温度ムラがあると、膜硬度等の物性や光学的な特性にムラが生じる。ここで、膜硬度の分布を±10%以内にするためには、加熱温度の分布も±5%以内に抑えることが好ましく、より好ましくは±2%以内に抑えることが好ましい。
なお、支持基材層13上に形成された液晶層12を加熱する方法としては、加熱温度の均一性が得られれば特に限定はなく、ホットプレート上に密着して保持したり、ホットプレートとの間にわずかな気層を設けてホットプレートと平行になるように保持する方法を用いることができる。また、オーブンのような特定の空間全体を加熱する装置内に静置したり当該装置内を通過させる方法でもよい。なお、フィルムコーター等を用いる場合には、乾燥ゾーンを長くして加熱時間を十分にとることができるようにすることが好ましい。
加熱温度としては一般に、100℃以上の高温が必要となるが、支持基材層13の耐熱性から150℃程度までとすることが好ましい。ただし、耐熱性に特化したフィルム等を支持基材層13の材料として用いれば、150℃以上の高温での加熱も可能である。
上記(3)の方法は、放射線の照射により液晶性組成物中の液晶分子を光重合させて液晶層12を硬化させる方法である。この方法では、放射線として、電子線や紫外線等を条件に応じて適宜用いることができる。通常は、装置の容易性等の観点から紫外線が好ましく用いられ、その波長は250〜400nmである。ここで、紫外線を用いる場合には、液晶性組成物に光重合開始剤が添加されていることが好ましい。
液晶性組成物中に添加される光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルともいう)や、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、液晶層12の必要な機能が損なわれない範囲で添加することも可能である。
液晶性組成物に添加される光重合開始剤の添加量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲であることが好ましい。
以上のような一連の工程(塗布工程、配向処理工程及び硬化処理工程)を行うことにより、支持基材層13上に液晶層12を積層(固着)させることができる。
本実施例の液晶層12は、入射光を散乱反射するものを用いて、見る角度によって色味が変化する角度依存性を小さくしたが、これに限らず、入射光を正反射するものを用いてもよい。
また、液晶層12は、右円偏光の光のみを反射するので、例えば、図2(b)に示すように、この液晶層12を、左円偏光のみを透過する円偏光板50等を通して目視した場合、液晶層12は、その反射色が見えなくなる。
リップマンホログラム層15は、反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層であり、層内に干渉縞が記録されている。
このリップマンホログラム層15は、上下方向と左右方向との2方向の視点移動での像の切り替えが可能であり、立体感や奥行きのある像の再生が可能である。
ホログラム用材料としては、従来公知の体積型ホログラム記録材料を使用できる。具体的には、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、光架橋型ポリマー、フォトポリマー等が例示される。特にフォトポリマーは、その他材料に比べて、乾式プロセスのみで体積型ホログラムを作製することができ、量産性に優れた材料である。
本実施例のホログラム用材料に使用されるフォトポリマーは、少なくとも1種の光重合性化合物と、光重合開始剤を有するものである。
以下、このような体積型ホログラム記録用フォトポリマーの各構成材料について説明する。
(1.光重合性化合物)
本実施例に用いられる光重合性化合物について説明する。本実施例における光重合性化合物としては、光ラジカル重合性化合物であってもよく、光カチオン重合性化合物であってもよい。以下、光ラジカル重合性化合物及び光カチオン重合性化合物に分けて説明する。
(a.光ラジカル重合性化合物)
本実施例に用いられる光ラジカル重合性化合物としては、本発明の体積型ホログラム用樹脂組成物を用いて体積型ホログラムを形成する際に、例えばレーザー照射等によって、後述する光ラジカル重合開始剤から発生した活性ラジカルの作用により重合する化合物であれば、特に限定されるものではないが、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ化合物を使用することができる。例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物等をあげることができる。上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーの具体例を以下に示す。
アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレート、9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジメチル)フルオレン等が例示される。
また、硫黄含有アクリル化合物を使用することもできる。例えば、4,4’−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4’−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルケトン、2,4−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン等が挙げられる。
さらに、メタクリル酸エステルとしては、上述したアクリル酸エステルに例示される化合物名のうち、「アクリレート」が「メタクリレート」に、「アクリロキシ」が「メタクリロキシ」に、及び「アクリロイル」が「メタクリロイル」に変換された化合物が例示される。
さらにまた、上記光ラジカル重合性化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
(b.光カチオン重合性化合物)
本実施例に用いられる光カチオン重合性化合物は、エネルギー照射を受け、後述する光カチオン重合開始剤の分解により発生したブレンステッド酸あるいはルイス酸によってカチオン重合する化合物である。例えば、エポキシ環やオキセタン環等の環状エーテル類、チオエーテル類、ビニルエーテル類等をあげることができる。
上記エポキシ環を含有する化合物としては、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド等が例示される。
また、上記光カチオン重合性化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
さらに、上記の光ラジカル重合性化合物及び光カチオン重合性化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
ここで、上述の体積型ホログラム用樹脂組成物を用いて体積型ホログラムを形成する際に、例えば目的とする像の形状にレーザーを照射して、光ラジカル重合性化合物を重合させた後、全面にエネルギーを照射することにより、光カチオン重合性化合物等の未硬化の物質を重合させることによって行われる。なお、像を形成する際のレーザー等と、全面にエネルギー照射されるエネルギーとは、通常異なる波長のものが用いられ、本実施例に用いられる光カチオン重合性化合物は、像を形成する例えばレーザー等によって重合しない化合物であることが好ましい。
また、このような光カチオン重合性化合物は、上記光ラジカル重合性化合物の重合が、比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、常温で液状であることが好ましい。
(c.その他)
本実施例に用いられる光重合性化合物は、後述するバインダー樹脂100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは10〜300重量部の割合で使用するとよい。
ここで、体積型ホログラムは、例えばレーザー光又はコヒーレンス性の優れた光等によって光重合性化合物を重合させて干渉縞を形成し、像を形成するものである。従って、体積型ホログラム用樹脂組成物に光ラジカル重合性化合物及び光カチオン重合性化合物が含有されている場合には、それぞれにおける屈折率が異なるものが選択されて用いられるものであり、どちらの屈折率が大きいものであってもよい。本実施例においては、中でも材料選択性の面から光ラジカル重合性化合物の平均の屈折率が光カチオン重合性化合物より大きいものであることが好ましく、具体的には、平均の屈折率が0.02以上大きいことが好ましい。
これは、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物との平均の屈折率の差が上記値より低い場合には、屈折率変調が不十分となり、高精細な像を形成することが困難となる可能性があるからである。ここでいう平均の屈折率とは、光カチオン重合性化合物又は光ラジカル重合性化合物を重合させた後の重合体について測定する屈折率の平均値をいう。なお、ここでの屈折率は、アッベ屈折率計により測定された値である。
(2.光重合開始剤)
次に、本実施例に用いられる光重合開始剤について説明する。本実施例における光重合開始剤としては、上述した光重合性化合物により種類が異なるものである。すなわち、光重合性化合物が光ラジカル重合性化合物である場合は、光重合開始剤は光ラジカル重合開始剤を選択し、光重合性化合物が光カチオン重合性化合物である場合は、光重合開始剤は光カチオン重合開始剤を選択する必要がある。以下、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤に分けて説明する。
(a.光ラジカル重合開始剤)
本実施例に用いられる光ラジカル重合開始剤としては、本実施例の体積型ホログラム用樹脂組成物を用いて体積型ホログラム層を形成する際に照射される例えばレーザー等によって、活性ラジカルを生成し、上記光ラジカル重合性化合物を重合させることが可能な開始剤であれば、特に限定されるものではない。例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等を使用することができる。具体的には、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(商品名イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
(b.光カチオン重合開始剤)
本実施例に用いられる光カチオン重合開始剤としては、エネルギー照射によりブレンステッド酸やルイス酸を発生し、上記光カチオン重合性化合物を重合させるものであれば、特に限定されるものではない。体積型ホログラム用樹脂組成物が光ラジカル重合性化合物及び光カチオン重合性化合物を含有する場合、光カチオン重合性化合物は、特に上記光ラジカル重合性化合物を重合させる例えばレーザーやコヒーレンス性の優れた光等に対しては反応せず、その後全面に照射されるエネルギーによって感光するものであることが好ましい。これにより、上記光ラジカル重合性化合物が重合する際、光カチオン重合性化合物がほとんど反応しないまま存在させることができ、体積型ホログラムにおける大きな屈折率変調が得られるからである。
具体的には、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示される。さらに、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等も使用することができる。
(c.その他)
本実施例において、光ラジカル重合開始剤としても、光カチオン重合開始剤としても用いられるものとしては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、鉄アレーン錯体等が例示される。具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、4−t−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム等のスルホニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のスルホニウム塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等の2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物等が挙げられる。
また、上記の光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
さらに、光重合開始剤は、後述するバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合で使用するとよい。
(3.添加剤)
次に、本実施例の体積型ホログラム用樹脂組成物に添加することができる添加剤について説明する。
(a.増感色素)
本実施例においては、体積型ホログラム用樹組成物が増感色素を含有することが好ましい。上記光重合性化合物及び光重合開始剤は、紫外線に活性であるものが多いが、増感色素を添加することにより可視光にも活性となり、可視レーザー光を用いて干渉縞を記録することが可能となるからである。
このような増感色素としては、干渉縞を記録する際に使用するレーザー光波長を考慮して選択されるものであるが、特に限定されるものではない。例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、シクロペンタノン系色素、シクロヘキサノン系色素等を使用することができる。
上記シアニン系色素、メロシアニン系色素としては、3,3’−ジカルボキシエチル−2,2’−チオシアニンブロミド、1−カルボキシメチル−1’−カルボキシエチル−2,2’−キノシアニンブロミド、1,3’−ジエチル−2,2’−キノチアシアニンヨージド、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジン等が挙げられる。
また、上記クマリン系色素、ケトクマリン系色素としては、3−(2’−ベンゾイミダゾール)7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
可視光領域に吸収波長を有する増感色素は、ホログラム層を液晶層よりも観察側に設けて用いる際には高透明性が要求されるため、このような場合には、干渉縞記録後の後工程、加熱や紫外線照射により分解される等して無色になるものが好ましい。このような増感色素としては、上述したシアニン系色素が好適に用いられる。
また、増感色素は、後述するバインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜2重量部の割合で使用するとよい。
(b.バインダー樹脂)
本実施例においては、体積型ホログラム用樹脂組成物がバインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂を含有することにより、成膜性、膜厚の均一性を向上させることができ、記録された干渉縞を安定に存在させることができるからである。
このようなバインダー樹脂としては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコール又はその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体又はその半エステル等をあげることができる。また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、及び酢酸ビニル等の共重合可能なモノマーからなる郡から選択される少なくとも1種のモノマーを重合させてなる共重合体を使用することもできる。さらに、側鎖に熱硬化又は光硬化可能な官能基を有するモノマーを重合させてなる共重合体も使用することができる。さらにまた、1種又は2種以上の混合物を用いることもできる。
また、バインダー樹脂としては、オリゴマータイプの硬化性樹脂を使用することもできる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物等が挙げられる。
さらに、バインダー樹脂としては、ゾルゲル反応を利用した有機−無機ハイブリッドポリマーを使用することもできる。例えば、下記一般式(6)で表される重合性基を有する有機金属化合物とビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
Rm M(OR’)n ・・・(6)
ここで、MはSi、Ti、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、Rは炭素数1〜10のビニル基又は(メタ)アクリロイル基、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは金属Mの価数である。
金属MとしてSiを使用する場合の有機金属化合物の例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアリルオキシシラン、ビニルテトラエトキシシラン、ビニルテトラメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記ビニルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等をあげることができる。
ここで、体積型ホログラムは、干渉縞が屈折率変調又は透過率変調として記録され形成されるものである。よって、バインダー樹脂と光重合性化合物との屈折率差が大きいことが好ましい。本実施例においては、バインダー樹脂と光重合性化合物との屈折率差を大きくするために、下記一般式(7)で表される有機金属化合物を体積型ホログラム用樹脂組成物中に添加することもできる。
M(OR”)k ・・・(7)
ここで、MはTi、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、R”は炭素数1〜10のアルキル基を表し、kは金属Mの価数である。
上記一般式(7)で表される化合物を体積型ホログラム用樹脂組成物中に添加すると、水、酸触媒の存在下でゾルゲル反応により、バインダー樹脂と網目構造を形成するため、バインダー樹脂の屈折率を高くするたけでなく、膜の強靭性、耐熱性を向上させる効果がある。よって、光重合性化合物との屈折率差を大きくするには、金属Mは高い屈折率を有するものを使用することが好ましい。
上記バインダー樹脂は、体積型ホログラム用組成物中に、通常15〜50重量%の範囲内、好ましくは20〜40重量%の範囲内で用いられる。
次に、体積型ホログラム層の形成について説明する。
体積型ホログラム層の形成は、まず上記体積型ホログラム用樹脂組成物を、例えば目的とする基材フィルム上に、一般的なコーティング手段により塗布し、必要に応じて乾燥し、体積型ホログラム形成用層とする。また、体積型ホログラム形成用層は、例えば2枚のガラス板等の基材の間に体積型ホログラム用樹脂組成物を注入することによって形成されたものであってもよい。次に、上記体積型ホログラム形成用層に、通常ホログラフィー露光装置に用いられるレーザー光(コヒーレンス性の優れた光(例えば波長300〜1200nmの光))による露光によって、上述した光重合性化合物を重合させて、目的とする像の干渉縞を記録する。これにより、体積型ホログラム層が形成される。
上記体積型ホログラム用樹脂組成物は、塗布の際、必要に応じて溶媒を用いてもよい。このような溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を使用することができる。また、これらの溶媒を1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
また、体積型ホログラム用樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコーター、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター等の方法を使用することができる。
上記体積型ホログラム用樹脂組成物の塗布量は、体積型ホログラム層の用途や種類によって適宜選択されるものであるが、通常1〜100g/m2の範囲内、好ましくは2〜40g/m2の範囲内とされ、体積型ホログラム形成用層の膜厚は、通常1〜100μm、中でも2〜40μmの範囲内とすることが好ましい。さらに、体積型ホログラム用樹脂組成物を硬化させて形成される体積型ホログラム層の膜厚としては、1〜100μm、中でも10〜40μmの範囲内とすることが好ましい。
上記体積型ホログラム形成用層に、通常ホログラフィー露光装置に用いられるレーザー光(コヒーレンス性の優れた光(例えば波長300〜1200nmの光))による露光によって、上述した光重合性化合物を重合させて、目的とする像の干渉縞を記録する。上記レーザー光としては、可視レーザー、例えばアルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
上記の像の干渉縞を記録する方法としては、従来の公知の方法を使用することができる。例えば、上記体積型ホログラム形成用層に原版を密着させ、基材フィルム側から可視光、あるいは紫外線や電子線等の電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより像の干渉縞が記録される。
また、屈折率変調の促進、光重合性化合物等の重合反応完結のために干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
上述のように形成された体積型ホログラム層であるリップマンホログラム層15は、特定の波長領域の光を回折する。本実施例では、リップマンホログラム層15の選択波長領域は、半値幅に対応する波長領域で523〜543nmである。そのため、リップマンホログラム層15が再生する像は、緑色に見える。
ここで、リップマンホログラム層15が反射する光の波長領域と、先に示した液晶層12が反射する光の波長領域との関係について説明する。
図4は、リップマンホログラム層及び液晶層が反射する光の波長領域について説明する図である。
図4中の曲線Hは、リップマンホログラム層15が反射する反射光量の波長分布を示し、曲線Cは、液晶層12が反射する反射光量の波長分布を示している。
先に示した半値幅とは、リップマンホログラム層15の場合を例にして説明すると、反射光量のピーク値Aの半分(A/2)となる波長領域の幅であり、領域Dに示した範囲(半値幅20nm)である。従って、この半値幅に対応した波長領域523〜543nmの範囲の反射光量が多くなり、緑色以外の波長領域の反射光が含まれていたとしても、全体としては緑色に見える。
一方、液晶層12では、反射光量のピーク値Bの半分(B/2)となる領域Eに示した半値幅は70nmであり、波長領域605〜675nmの範囲の反射光量が多くなり、赤色に見えている。
従って、液晶層12が反射する光の波長領域と、リップマンホログラム層15が反射する光の波長領域とは、半値幅に対応する波長領域が全く重なっていない。これにより、液晶層12の反射光とリップマンホログラム層15の反射光が異なる色(本実施例では、赤色と緑色)で観察され、両者を鮮明に区別して視認できる。
なお、半値幅に対応する領域以外の領域において、液晶層12が反射する光の波長領域と、リップマンホログラム層15が反射する光の波長領域とが重なっていたとしても、半値幅に対応する領域が重なっていなければ、両者の反射光が異なる色として観察できる。
(液晶層及びリップマンホログラム層からの反射光について)
図5は、液晶層及びリップマンホログラム層からの反射光を説明する図である。
なお、図5では、説明を簡潔にするため、液晶層12、リップマンホログラム層15、位相差調整層P1、保護層11以外の層は省略して示している。
液晶層12とリップマンホログラム層15との選択波長領域が同じであるか、又は、ずれがある場合でも、選択波長領域の重なりが多い場合、リップマンホログラム層15が反射可能な波長領域の光は、観察側に設けられた液晶層12によって、その光量の約半分が反射される。そのため、リップマンホログラム層15に入射する光は半減し、リップマンホログラム層15の像は、暗くなる。また、この再生像について、液晶層12により反射されて観察される色と、リップマンホログラム層15が再生する像の色とが似ているので、リップマンホログラム層15の像は、非常に不鮮明なものになる。
しかし、液晶層12とリップマンホログラム層15との選択波長領域が異なる本実施例の場合、図5に示すように、まず、入射する光(光線A)は、位相差調整層P1を通過し(光線B)、保護層11を通過して液晶層12へ入射し(光線C)、液晶層12が反射可能な波長領域の光が、液晶層12により反射する(光線D)。液晶層12により反射した光(光線D)は、保護層11を通過し(光線E)、位相差調整層P1を通過し(光線F)、観察者Oによってその反射光の色が観察される。
液晶層12を透過した光(光線G)のうち、リップマンホログラム層15が反射可能な波長領域の光は、リップマンホログラム層15により反射されて(光線H)、再び液晶層12を通過し(光線I)、保護層11を通過し(光線J)、位相差調整層P1を通過し(光線K)、再生された像が観察者Oによって目視される。
そのため、図2(d)に示すように、液晶層12による赤色の反射光(図5では光線F)とリップマンホログラム層15の緑色の像(図5では光線K)との双方が目視可能となる。また、2つの層の選択波長領域が異なることから、液晶層12による反射光とリップマンホログラム層15による像とを鮮明に目視できる。
さらに、2つの層の選択波長領域が一部重なっている場合でも、半値幅に対応する領域が重なっていなければ、液晶層12の反射光とリップマンホログラム層15の像とが鮮明に得られる。
ここで、位相差調整層P1について説明する。
本実施例の具体例1に示す真正性表示体101において、液晶層12よりも観察側には、図5に示すように、保護層11と位相差調整層P1が積層されている。
保護層11は、真正性表示体101の表面を保護する層であり、最も観察側に積層されている。この、保護層11は、略透明であるので、保護層11を介して、液晶層12の反射光及びリップマンホログラム層15の像を目視し、真正性の判定が行える。
本実施例では、保護層11として、ポリエチレンテレフタレート(PET)により形成されたフィルム状の部材を用いている。また、保護層11としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等から、1種又は2種以上を混合した樹脂や、紫外線、電子線等に反応する電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化系樹脂を一般的に知られている方法で塗布したものを用いてもよい。
ここで、本実施例の保護層11は、PETにより形成されているが、その製造過程において延伸等の工程を経ているため、光に対して異方性を有する異方性層である。よって、この保護層11を通過する光には、位相差が生じる。
液晶層12は、上述のように、ある一方向の円偏光(本実施例では、右円偏光)の光のみを反射する。保護層11が、光に対して異方性を有する場合、保護層11を通過して液晶層12に入射する光(図5、光線C)と液晶層12から反射して保護層11を通過した光(図5、光線E)は、保護層11の異方性による複屈折によって位相差が生じ、それぞれ、保護層11を通過する前の光(図5、光線Bと光線D)とは、偏光状態が変化している。
従って、保護層11が光に対する異方性を有しており、位相差調整層P1を設けない場合には、液晶層12からの反射光が弱く不鮮明なものとなったり、反射光の偏光状態が変わることから、真正性を判定するために円偏光板(本実施例では、左円偏光板)を通して見たときに、その反射光の色(赤色)が完全に消えず、判定が困難になったりする。
そこで、保護層11の異方性が、液晶層12へ入射する光及び液晶層12から反射する光に与える影響を相殺するか、又は、許容できる範囲まで低減する位相差調整層P1を、液晶層12よりも観察側に積層した。
(位相差調整層について)
位相差調整層P1は、液晶層12よりも観察側に積層され、異方性層である保護層11が、保護層11を通過する光に対して与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する層である。
位相差調整層P1としては、以下に示す2つの形態が挙げられる。
(形態1)
ひとつは、位相差調整層P1として、異方性を有する異方性層(本実施例では、保護層11)と同一の層を用い、位相差調整層P1のシート面内の遅相軸が、異方性層のシート面内の遅相軸に対して直交するように配置して積層する形態である。
図6は、保護層と位相差調整層の異方性について説明する図である。
ここで、説明のために、保護層11及び位相差調整層P1のシート面に対する垂直方向をz軸とし、シート面に対する垂直方向(z軸方向)と直交するとともに、シート面内において直交する2方向をそれぞれx軸、y軸とする。なお、保護層11において、x軸方向は、保護層11に用いたPETフィルムがその製造工程において延伸された方向である。
保護層11のシート面に対する垂直方向の屈折率はn11zであり、シート面に対する垂直方向と直交するとともに、シート面内において直交する2方向の屈折率はn11x、n11yであり、n11x>n11yである。
位相差調整層P1のシート面に対する垂直方向の屈折率はnP1zであり、シート面に対する垂直方向と直交するとともに、シート面内において直交する2方向の屈折率はnP1x、nP1yであり、nP1x<nP1yである。
(遅相軸の説明)
ここで、遅相軸について説明する。位相差は、異方性を有する物質中を光が通過するとき、光の振動面の向き(方向)によって速度が異なるために生じることが知られている。この光の速度が異なる2つの方向のうち、速度が速い方向(位相が進む方向)をその物質の進相軸といい、速度が遅い方向(位相が遅れる方向)をその物質の遅相軸と呼ぶ。また、進相軸と遅相軸とは、総称して複屈折の主軸とも呼ばれる。
本実施例に示す保護層11では、n11x>n11yであり、保護層11の遅相軸はx軸である。
保護層11の異方性によって生じる位相差を相殺するためには、保護層11によって生じる位相差と等しい量の位相差を生じさせる位相差調整層P1を、保護層11の進相軸と位相差調整層P1の進相軸とが直交し、保護層11の遅相軸と位相差調整層P1の遅相軸とが直交するように積層すればよい。
よって、本明細書中及び特許請求の範囲においては、説明を簡潔にするために、保護層11の遅相軸と位相差調整層P1の遅相軸とを直交させる、として説明する。
この位相差調整層P1は、保護層11と同一の層を、z軸を中心として90度回転させて積層している。そのため、n11x=nP1y、n11y=nP1x、n11z=nP1zであり、位相差調整P1と保護層11とは、シート面において互いの遅相軸の方向が直交する関係となっている。よって、保護層11と位相差調整層P1とを合わせた層として考えた場合に、シート面内の2方向(x軸方向、y軸方向)における屈折率は、n11x+nP1x=n11y+nP1yとなり、シート面内の異方性はないものと考えることができる。
上述のように、保護層11のシート面内の遅相軸の方向と位相差調整層P1のシート面内の遅相軸の方向とが直交するように積層することにより、入射する光(図5、光線A)は、位相差調整層P1を通過する(図5、光線B)と、そのシート面内の異方性による位相差が生じるが、保護層11を通過することにより、位相差調整層P1のシート面内の異方性による位相差が相殺される(図5、光線C)。また、液晶層12から反射した光(図5、光線D)は、保護層11を通過することによりシート面内の異方性による位相差が生じるが(図5、光線E)、位相差調整層P1を通過することにより、同様にそのシート面内の位相差が相殺される(図5、光線F)。従って、図5において、光線Aと光線Cの偏光状態、及び光線Dと光線Fの偏光の状態は同じである。
よって、本実施例によれば、液晶層12に入射する光、液晶層12から反射する光が、保護層11の異方性により、そのシート面内での偏光状態が変化することがない。
なお、位相差調整層P1は、シート面内の2方向における異方性が保護層11と同等の層であれば、保護層11と同一の層でなくともよい。また、位相差調整層P1は、シート面内の2方向における異方性を許容範囲まで低減する層でもよい。
(形態2)
もうひとつは、位相差調整層P1として、重合性のディスコティック液晶や、ネマチック液晶、コレステリック液晶、カイラルネマチック液晶を形成された層を用いる形態である。このような液晶によって形成された層は、液晶を配向させることにより、シート面内の位相差もしくは厚み方向の位相差を発現させることが可能である。位相差の値は、形成された液晶層の膜厚と屈折率の異方性で制御可能なことから、この層の遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、膜厚をdとし、シート面内方向の位相差をRe、厚み方向の位相差をRthとすると、それぞれ、
シート面内位相差:Re=(nx−ny)d
厚み方向位相差:Rth=((nx+ny)/2−nz)d
という式で表され、これらの式を用いて、保護層11の異方性を相殺するような位相差を有する層となるように、設計すればよい。
また、液晶を塗布する以外にも、基材を延伸することでシート面内、もしくは厚み方向に位相差値を発現することは可能である。
よって、このようにして形成された位相差調整層P1を用いることにより、液晶層12に入射する光、液晶層12から反射する光が、保護層11の異方性によって生じる位相差によって、その偏光状態が変化することはない。
なお、簡潔に説明するために、図5及び図6では異方性を有する異方性層は保護層11の1層だけである場合を例に挙げて説明した。しかし、液晶層12よりも観察側に設けられ、異方性を有する層が複数ある場合、異方性を有するそれぞれの層に対して、位相差調整層P1のように、異方性を有する層と互いの遅相軸が直交する関係にある層を設けて、少なくともシート面内での異方性を相殺、又は、低減してもよい。これにより、液晶層12へ入射する光及び液晶層12から反射する光が、保護層11によって受ける影響を相殺、又は、許容範囲内に低減できる。
(真正性の判定方法等)
本実施例によれば、液晶層12とリップマンホログラム層15とは、反射する光の波長領域が異なる。従って、本実施例のように液晶層12とリップマンホログラム層15とを積層した場合に、図2(d)に示すように、それぞれの層からの反射光を鮮明に目視できる。
また、液晶層12は、右円偏光の光を反射するので、例えば、左円偏光の光を透過する円偏光板50を通して見た場合には、図2(e)に示すように、リップマンホログラム層15の再生する像は目視できるが、液晶層12からの赤色の反射色が見えなくなる。この特徴により、例えば、本実施例の液晶層12の反射する光と同様な色の光を反射するフィルム等を用いて真正性表示体が偽造された場合にも、円偏光板50を用いることによりその真正性を判定することができる。
さらに、レリーフホログラムは、左右方向の視点の移動での画像の切り替えが可能であるのに対して、リップマンホログラム層15は、左右方向と上下方向の2方向の視点の移動での像の切り替えが可能であり、立体感や奥行きのある像の再生が可能である。また、リップマンホログラム層15は、その製造、複製に高度な技術と特殊な設備を必要とし、使用する材料も特殊であり、その流通が管理されている。そのため、リップマンホログラム層15は、偽造が困難である。
さらにまた、液晶層12とリップマンホログラム層15とを積層して一体とした真正性表示体101とすることにより、貼付作業が容易である。加えて、真正性を判定する際に、液晶層12とリップマンホログラム層15との双方を用いた真正性の判定が可能であり、偽造防止効果をさらに高めることができる。
本発明による真正性表示体の実施例の層構成を、以下に具体例として示す。
(具体例1の層構成)
本発明による真正性表示体の実施例の具体例1の層構成について、図1を用いて説明する。
真正性表示体101は、観察側から裏面側へ、位相差調整層P1、保護層11、液晶層12、支持基材層(易接着PET層)13、粘着層14、リップマンホログラム層15、粘着層16、基材層(黒色PET層)17、粘着層(貼付層)18、セパレータ19の順に積層されている。
位相差調整層P1、保護層11、液晶層12、リップマンホログラム層15に関しては上述の通りである。
支持基材層13は、ポリエチレンテレフタレート(PET)により形成された易接着性を有する易接着PET層であり、液晶層12の支持基材となる層である。この支持基材層13は、略透明である。
支持基材層13としては、ポリカーボネート系高分子、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリアクリレート系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマー等からなるフィルムを用いることができる。
なお、支持基材層13上に液晶層12を積層する場合には、前述のように、コレステリック規則性を示す液晶性組成物を塗布した後、配向処理及び硬化処理を行うのが一般的である。
この場合、液晶層12に拡散性を持たせるならば、コレステリック液晶構造がプラーナー配向状態とならないように制御する必要がある。よって、支持基材層13としては、液晶性組成物が塗布される側の表面に配向能を有していないものを用いることが好ましい。
ただし、支持基材層13のうち液晶性組成物が塗布される側の表面の材料が、延伸フィルム等のように表面に配向能を有しているものであっても、支持基材層13としての延伸フィルムの表面に表面処理を施したり、液晶性組成物の材料や、液晶性組成物を配向処理する際のプロセス条件等を制御したりすることにより、液晶層12のコレステリック液晶構造がプラーナー配向状態とならないように制御することが可能である。
また、支持基材層13の液晶性組成物が塗布される側の表面が配向能を有している場合には、液晶層12と支持基材層13との間に易接着層等の中間層を設けることにより、コレステリック液晶構造の配向状態を制御し、コレステリック液晶構造のうち中間層との界面近傍の液晶分子のダイレクターが複数の方向に向くようにすることも可能である。
なお、易接着層等の中間層を設ける場合には、液晶層12と支持基材層13との間の密着性を高めることもできる。なお、このような中間層としては、液晶層12の材質及び支持基材層13の材質の両方に対して高い密着性が得られるものであればよく、一般に市販されているものを用いることができる。具体的には、例えば、東洋紡績(株)製の易接着層付PETフィルムA4100や、パナック社製の易接着材料AC−X、AC−L、AC−W等が挙げられる。
粘着層14は、略透明であり、粘着剤を塗布して形成された層である。本具体例では、粘着剤を用いた粘着層としたが、加熱され加圧されることにより、接着性を発揮するヒートシールを用いたヒートシール層としてもよい。
粘着層16は、粘着剤を塗布して形成される層である。
基材層17は、その観察側に粘着層16を介してリップマンホログラム層15が形成されている。本実施例では、黒色のポリエチレンテレフタレート(PET)により形成されており、対象物の表面反射を除去するとともに、見た目のコントラストを向上させて、画像をより見やすくしている。
粘着層18は、粘着剤を塗布して形成される層であり、真正性表示体101を対象物に容易に貼付可能とする貼付層である。
セパレータ19は、粘着層18の裏面側に積層された剥離可能な剥離部材である。
ここで、位相差調整層P1の具体的な例として、その位相差等の数値を具体的に挙げて説明する。なお、位相差調整層P1,保護層11によって生じる位相差について、シート面内位相差をRe、厚み方向位相差をRthとする。
(例1)
Re=100nm,Rth=0nmである保護層11を用いた場合、その位相差を補償する位相差調整層P1として、次の2つが考えられる。
(例1−1)Re=100nm,Rth=0nmとなるように1軸延伸した位相差を有するフィルム(以下、位相差を有するフィルムを単に位相差フィルムと呼ぶ)、又は、保護層11と同一の部材を、そのシート面内の遅相軸が、保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置し、位相差調整層P1とする。
(例1−2)Re=0nm,Rth=0nmである部材を基材とし、その基材上に液晶をコーティングしてRe=100nmとなるような位相差フィルムを作成する。その位相差フィルムのシート面内の遅相軸が、保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置し、位相差調整層P1とする。
(例2)
Re=60nm,Rth=230nmであり、2方向に位相差が生じるような二軸性の保護層11を用いた場合、その位相差を補償する位相差調整P1として、次の2つが考えられる。
(例2−1)Re=60nm,Rth=230nmに二軸延伸した位相差フィルム、又は、保護層11と同一の部材を、そのシート面内の遅相軸が保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置し、位相差調整層P1とする。
(例2−2)Re=0nm,Rth=50nmである部材を基材とし、その基材上に、R=60nm,Rth=180nmとなるように液晶をコーティングして、全体としてRe=60nm,Rth=230nmとなるような位相差フィルムを作製する。その移位相差フィルムのシート面内の遅相軸が、保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置し、位相差調整層P1とする。
(例3)Re=60nm,Rth=230nmの二軸性の保護層11を用いた場合、その位相差を補償する位相差調整層P1として、次の例が考えられる。
Re=0nm,Rth=50nmである部材を基材とし、その基材上に、R=100nm,Rth=100nmとなるように液晶をコーティングして、全体としてR=100nm,Rth=150nmとなるような第1位相差フィルムを作製する。次に、Re=0nm,Rth=50nmである部材を基材とし、その基材上に、R=0nm,Rth=50nmとなるように液晶をコーティングして、全体としてR=0nm,Rth=100nmとなるような第2位相差フィルムを作製する。第1位相差フィルムと第2位相差フィルムを一体となるように積層し、位相差調整層P1とする。
このように形成された位相差調整層P1を、保護層11のシート面内の遅相軸と第1位相差フィルムのシート面内の遅相軸が直交するように配置した。
上述のような位相差調整層P1を用いることにより、保護層11によって生じる位相差は相殺、低減できる。
具体例1によれば、真正性表示体101は、液晶層12による真正性を表示する機能と、リップマンホログラム層15による真正性を表示する機能とを有するラベルとして使用することができる。
また、真正性表示体101は、ラベルとして提供できるので、様々な対象物に貼付して利用することができる。
液晶層12は、リップマンホログラム層15よりも観察側に設けられているので、リップマンホログラム層15の複製条件に一致したレーザー光源及び入射角度において複製を妨げるように設けることができる。
例えば、リップマンホログラム層15が、入射角度が30°にて複製できるホログラム(緑色)の場合、入射角度30°での光を反射する液晶層12を設けると、液晶層12の反射光も記録されてしまうので、リップマンホログラム層15を複製できない。
また、液晶層12は、再生波長にかかわらず、斜め入射では位相差を持ち、液晶層12の厚みを厚くすることにより、リップマンホログラム層15へ入射する光とリップマンホログラム層15から反射する光の間に生じる位相差を大きくすることができる。これは特定角度からの再生入射光を液晶層12が反射しない場合でも、位相差を生じるため、複製しにくくする効果をもたらす。
さらに、直線偏光で複製を試みた場合、法線から角度がついた入射光では液晶層12が位相子として働き、入射光の位相がずれる。さらにまた、リップマンホログラム層15で回折された光は、液晶層12を透過する際に再度位相がずれる。例えば、位相がλ/10以上ずれた場合には、複製は困難になり、λ/2となった場合には位相が反転するので干渉しない。従って複製できない。
その上、そもそもコレステリック反射面に入射する入射光の一部が反射するため、液晶層12の像が記録されてしまう。よって、複製されたホログラムには、所望画像以外に液晶層12による反射成分が記録されるため、同一ではなくなる。そのため、より偽造が困難な真正性表示体とすることができる。
その上さらに、液晶層12とリップマン液晶層15とが反射する光の波長領域が異なっているため双方の反射光の視認性がよく、また、円偏光板50を通して見た場合と円偏光板50を通さずに見た場合とで、液晶層12の反射光の見え方が明確に異なることから、真正性の判定が容易かつ確実に行える。
加えて、位相差調整層P1を液晶層12よりも観察側に積層したので、保護層11の異方性によって液晶層12に入射する光及び液晶層12から反射する光が与えられる位相差を相殺することができる。従って、液晶層12へ入射する光及び液晶層12からの反射する光が保護層11の異方性によって受ける偏光状態の変化を、位相差調整層P1によって相殺することができる。よって、液晶層12からの反射光が鮮明となり、また、液晶層12からの反射光を用いた真正性の判定を、確実、かつ、容易に行うことができる。
(具体例2の層構成)
図7は、本発明による真正性表示体の実施例の具体例2の層構成を示す図である。
具体例2の真正性表示体102は、観察側から裏面側へ、位相差調整層P1、保護層11、液晶層12、支持基材層(両面易接着PET層)20、リップマンホログラム層15、粘着層16、基材層(黒色PET層)17、粘着層(貼付層)18、セパレータ19の順に積層されている。
具体例2では、支持基材層20として両面易接着PETフィルムを用い、支持基材層20の裏面側に、直にリップマンホログラム層15を設ける例を示したが、これに限らず、支持基材層20として易接着PETフィルムを用い、この易接着PETフィルムとリップマンホログラム層15との間に、略透明である粘着剤を塗布して粘着層を形成し、リップマンホログラム層15を設けてもよい。
このような層構成とした場合にも、保護層11の異方性によって、液晶層12に入射する光及び液晶層12から反射する光の偏光状態が変化することを防止できる。よって、液晶層12の反射光の色が鮮明になり、真正性の判定が容易、かつ、確実に行える。
(具体例3の層構成)
次に、液晶層12とリップマンホログラム層15のうち、リップマンホログラム層15を観察側に積層した場合の層構成を、具体例3に示す。
ここで、リップマンホログラム層15の選択波長領域と、液晶層12の選択波長領域とは重なっていない。
従って、リップマンホログラム層15を観察側に設けた具体例3についても、リップマンホログラム層15が反射光により再生する像と液晶層12の反射光とは、ともに鮮明に目視することができ、偽造が困難であり、意匠性や識別性の高い真正性表示体として用いることができる。
図8は、本発明による真正性表示体の実施例の具体例3の層構成を示す図である。
具体例3の真正性表示体103は、観察側から裏面側へ、位相差調整層P2、保護層11、リップマンホログラム層15、支持基材層(易接着PET層)13a、液晶層12、支持基材層(易接着PET層)13b、粘着層(貼付層)18、セパレータ19の順に積層されている。
具体例3の真正性表示体103において、液晶層12よりも観察側に積層され、異方性を有する異方性層は、保護層11と支持基材層13aである。
位相差調整層P2は、保護層11のシート面内での異方性と支持基材層13aとのシート面内での異方性とを相殺する層である。具体的には、位相差調整層P2としては、保護層11と同一の層と支持基材層13aと同一の層との2層を、それぞれ、保護層11、支持基材層13aのシート面内での遅相軸の方向と直交する方向に積層している。このとき、支持基材層13aと同一の層は、支持基材層13aの観察側に積層、つまり、支持機材層13aを2枚重ねる形で積層してもよい。
ここで、位相差調整層P2の具体的な例を、位相差等の数値を具体的に挙げて説明する。保護層11,支持基材層13a,位相差調整層P2について、それぞれのシート面内位相差をRe、厚み方向位相差をRthとする。
Re=100nm,Rth=0nmである保護層11と、Re=150nm,Rth=0nmの支持基材層13aを使用した場合、保護層11,支持基材層13aの位相差を補償する位相差調整層P2として、次の2つの例が挙げられる。
(例1)
Re=100nm,Rth=0nmとなるように1軸延伸した位相差フィルム、又は、保護層11と同一の部材を、保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置する。次に、Re=150nm,Rth=0nmとなるように1軸延伸した位相差フィルムを、支持基材層13aの遅相軸と直交するように配置する。
このような2つの部材を用いて1つの位相差調整層P2とすることにより、保護層11,支持基材層13aの位相差を相殺することができる。
(例2)
Re=0nm,Rth=0nmである部材を基材とし、その基材上に液晶をコーティングして、Re=100nmとなるような位相差フィルムを作製し、保護層11のシート面内の遅相軸と直交するように配置する。次に、同様に、基材上に液晶をコーティングして、Re=150nmとなるような位相差フィルムを作製し、支持基材層13aの遅相軸と直交するように配置する。この際、液晶をコーティングして作製された2つの部材は、液晶をコーティングした位相差を有する層が、互いに交差しているため、液晶配向層として光配向層を用いて直接積層可能とし、位相差調整層P2とする。
このようにして形成された位相差調整層P2により、保護層11,支持基材層13aの位相差を相殺することができる。
具体例3によれば、液晶層12とリップマン液晶層15とが反射する光の波長領域が異なっているため双方の反射光の視認性がよい。
また、保護層11及び位相差調整層P2の異方性によって、液晶層12の偏光機能が乱れることが無いので、液晶層12の反射光の色が鮮明になり、真正性表示体103は、円偏光板50を通して見た場合と円偏光板50を通さずに見た場合とで、液晶層12の反射光の色の見え方が明確に異なる。従って、真正性の判定が容易、かつ、確実に行える。
さらに、リップマンホログラム層15は、液晶層12よりも観察側(光の入射側)に設けられているので、リップマンホログラム層15が複製される可能性はあるが、液晶層12による偏光機能は複製が困難である。従って、円偏光板50を通して見た場合に、液晶層12からの反射光の見え方が変化することは無く、液晶層12の機能は失われたものしか複製できないので、偽造された場合にもその真贋は容易に判定可能である。
また、リップマンホログラム層15は、その回折効率が100%でないので、リップマンホログラム層15を透過した光が液晶層12で反射し、液晶層12の像が記録されてしまう。よって、複製されたホログラムには所望画像以外に液晶層12による反射成分が記録されるため、同一ではなくなる。従って、より偽造が困難な真正性表示体とすることができる。
なお、具体例3において、位相性調整層P2として、保護層11、支持基材層13と同一である2つの層を用いる例を示したが、シート面内における異方性が保護層11、支持基材層13aと同等の異方性を有する2つの層を用い、その遅相軸の方向が、それぞれ保護層11、支持基材層13aの遅相軸の方向と直交するように配置して積層してものを用いてもよい。
また、位相差調整層P2は、ディスコティック液晶等を用いた層等を、保護層11の異方性を相殺するように、その液晶の配向を設計して、積層してもよい。
さらに、位相差調整層P2ではなく、位相差調整層P1を積層して、保護層11の異方性が光に与える位相差を相殺し、支持基材層13aは、膜厚が薄いものを用いて、その異方性が光に与える位相差を許容できる範囲まで低減してもよい。
さらにまた、真正性表示体を保護する保護層としての機能と、支持基材層13aの異方性に対する位相差調整層としての機能との双方を有する層を用いてもよい。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、位相差調整層P1,P2は、保護層11よりも観察側に積層される例を示したが、これに限らず、例えば、保護層11が最も観察面側に積層され、保護層11よりも裏面側であり、液晶層12よりも観察側に位相差調整層P1,P2を積層してもよい。
(2)本実施例では、液晶層12が反射する光の波長領域とリップマンホログラム層15が反射する光の波長領域とは異なる例を示したが、これに限らず、液晶層12とリップマンホログラム層15とが反射する光の波長領域が重なっていてもよい。
(3)本実施例において、液晶層12は、支持基材となる層の全面に均一に塗布される例を示したが、これに限らず、文字や模様等のパターンを形成して塗布して、意匠性を高めてもよい。液晶層12にパターンを形成する方法としては、例えば、特開2004−133179号公報に開示された手法を用いることができる。
また、この液晶層12のパターンは、目視によりパターンとして確認できる程度に大きなものでもよいし、目視ではパターンとして確認できない程度に小さなものでもよい。
(4)本実施例において、体積型ホログラムとしてリップマンホログラム層15を用いる例を示したが、これに限らず、例えば透過型の体積型ホログラム等を用いてもよい。
(5)本実施例において、真正性表示体は、各層間の密着性を上げるために、プライマーを塗布してプライマー層を設け、密着性を向上させても良い。
(6)本実施例の具体例1及び具体例2において、リップマンホログラム層15の裏面側に粘着層16と基材層17とを設ける例を示したが、これに限らず、易接着PET層を設けてもよい。
(7)本実施例において、リップマンホログラム層15よりも裏面側(観察側とは反対側)にバリア層を設けてもよい。リップマンホログラム層15を形成する樹脂組成物やセパレータ、ならびにヒートシール層等の組み合わせによっては、経時的にリップマンホログラム層15から他の層への低分子量成分の移行が起こり、これに起因して記録されたホログラムのピーク波長が青側(短波長側)に移行したり、セパレータ等にこれが移行した場合にはその剥離性を変化させたりする場合がある。そこで、バリア層を設けることにより、これらの阻害要因を解消し、真正性表示体としての耐久性を向上させてもよい。
このようなバリア層として用いる材料としては、そのバリア性を発現する材料であれば、特に制限はないが、通常、透明性有機樹脂材料を用いることによってその目的を達成することができる。中でも、無溶剤系の3官能以上、好ましくは6官能以上の、紫外線や電子線等の電離放射線に反応する電離放射線硬化性エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を用いることができる。特に、その中でもウレタン変性アクリレート樹脂がそのバリア性の高さから好ましく用いられる。
また、これらの電離放射線硬化性樹脂としては、そのコーティング適性、最終的に得られるバリア層の硬度等を考慮すると、その分子量は500〜2000の範囲のものが好ましく用いられる。また、バリア層のコーティングは基本的に無溶剤系であるため、リップマンホログラム層15、セパレータのどの層にも積層形成できる。
また、各層の密着性が弱い場合には、密着性を向上させる機能を有する層等が形成されたものであってもよい。
本発明による真正性表示体の実施例の具体例1の層構成を示す図である。 液晶層とリップマンホログラム層とを観察側から見た図である。 コレステリック液晶構造を説明する図である。 リップマンホログラム層及び液晶層が反射する光の波長領域について説明する図である。 液晶層及びリップマンホログラム層からの反射光を説明する図である。 保護層と位相差調整層の異方性について説明する図である。 本発明による真正性表示体の実施例の具体例2の層構成を示す図である。 本発明による真正性表示体の実施例の具体例3の層構成を示す図である。
符号の説明
11 保護層
12 液晶層
13 支持基材層
14,16,18 粘着層
15 リップマンホログラム層
17 基材層
19 セパレータ
101,102,103 真正性表示体
P1,P2 位相差調整層

Claims (4)

  1. 反射光を用いた第1の真正性判定機能を有するコレステリック規則性を有する液晶層と、
    反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層と、
    を積層したシート状の真正性表示体であって、
    前記液晶層よりも観察側に積層される層は、通過する光に対して少なくともシート面内方向の異方性を示す少なくとも1層の異方性層と、
    前記異方性層を通過する光に対して前記異方性層が与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層と、
    を備え、
    前記位相差調整層は、前記異方性層と同一の層であって、
    前記異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されていること、
    を特徴とする真正性表示体。
  2. 反射光を用いた第1の真正性判定機能を有するコレステリック規則性を有する液晶層と、
    反射光を用いた第2の真正性判定機能を有する体積型ホログラム層と、
    を積層したシート状の真正性表示体であって、
    前記液晶層よりも観察側に積層される層は、通過する光に対して少なくともシート面内方向の異方性を示す少なくとも1層の異方性層と、
    前記異方性層を通過する光に対して前記異方性層が与える位相差の変化の内、少なくともシート面内方向の位相差の変化を相殺又は低減する位相差調整層と、
    を備え、
    前記位相差調整層は、前記異方性層とシート面内方向の異方性が同等な層であって、
    前記異方性層とシート面において互いの遅相軸が直交するように配置されていること、
    を特徴とする真正性表示体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の真正性表示体において、
    対象物に対して貼付可能とする貼付層が、前記液晶層及び前記体積型ホログラム層の観察側とは反対側である裏面側に形成されていること、
    を特徴とする真正性表示体。
  4. 請求項に記載の真正性表示体において、
    前記貼付層よりも裏面側に、剥離可能な剥離部材が積層されていること、
    を特徴とする真正性表示体。
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