JP4747264B2 - レーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法及びレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置 - Google Patents
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Description
このフレキソ印刷に用いられる印刷版は、一般的に感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、或いはシート状に成型された固体樹脂版があり、液状或いは固体版専用の製版装置を使用し、ネガフィルムを介してレリーフ画像が形成された感光性樹脂凸版印刷版が得られ、印刷機の版胴に直接貼り込むか、或いは一旦キャリアシートや印刷用スリーブに貼り込み、そのキャリアシートや印刷用スリーブを版胴に装着して印刷する。
グラビア版の製版は、銅シリンダへの感光液の塗布・露光・現像・エッチング・剥膜・クロムメッキなどの一連の複雑な工程を長時間かけて行うため、製版コストが非常に高く、更にセル深度の調整のためにエッチング条件では、非常に微妙なコントロールが要求されるため熟練者の勘に頼る操作に加え、製版工程ではエッチングやメッキなどの操作もあり、廃液公害の発生源となる恐れがある。
しかし、加硫されたゴムは浸蝕性が強い溶剤とともに使用でき、更に良好なインキ転写性、高い弾力性、高い圧縮性を併せ持つとされ、最近ではディジタル画像処理技術やレーザー彫刻技術の進歩により、手彫りに代わり、ディジタル画像信号に基づいて赤外線レーザーで直接ゴムロールを彫刻して凸版印刷版を得ることが可能となっている。
スリーブ上に印刷版を設ける方法として、溶剤で希釈した液状感光材樹脂を用いた継ぎ目なし(シームレス)の連続印刷パターンが印刷可能な版材を製造する方法が知られている(特許文献3)。この特許文献3では、エンドレス状の素材を回転させ、当該回転表面に液状感光性樹脂を供給し、ドクターで平滑化する製造方法を提示している。
また、液状感光性樹脂の代わりに、感光性樹脂固体版を応用した数多くのスリーブ印刷原版の製造方法及び装置も数多く提案されている。
また、特許文献6では、マンドレルで支持されたスリーブ外周面に、熱可塑性の感光性樹脂を加熱して溶融状態にしておき、カレンダーロール方式による圧延艶出しにてシームレススリーブを製造する方法及び装置を提示している。
この特許文献7では、シリンダを回転させながらシリンダ外周面に液状感光性樹脂を供給する塗布工程、当該塗布された液状樹脂層に活性光線を照射して樹脂硬化層を形成させる露光工程によりシームレス印刷用原版を製造する方法及び製造装置を提示している。
感光性樹脂固体版から継ぎ目なしの凸版印刷版材を得ようとした場合、一般的に、上記特許文献5及び6のようにシリンダ表面に感光性樹脂固体版を巻き付け、端縁部の突き合わせ接合箇所をカレンダーロール等により加圧・加熱して融着させた後に、前述のゴムの場合と同様に版厚均一化と表面平滑化のための研削や研磨工程が行われる。更に、ネガフィルムの代替として、例えば、上記特許文献1のように表層部にピンホールのない均一なカーボンブラックレイヤーを形成し、上記特許文献2のようなディジタル制御されたレーザー描画装置により選択的にカーボンブラックレイヤーを融蝕除去してマスクを制作し、公知の露光、溶剤現像、乾燥、後露光などの工程を経ることによって、継ぎ目のない凸版印刷版が得られる。
上記特許文献3及び4においては、何れも塗布前に感光性樹脂を溶剤で希釈し、塗布後に溶剤を蒸散させて感光性樹脂層を固化させているため臭気や公害の問題、或いは真空吸引を使わずネガフィルムを単に圧接させただけで露光しているため、ネガフィルムと感光性樹脂層との密着不良による画像の太りによる再現性の問題、或いは液状樹脂の宿命である気泡の巻き込み、シームレス印刷版としてのトータル精度が実用域に収まらないなど液状樹脂成型上の問題から実用化までには至っていない。
この方法によれば、スリーブの外周面にシームレス態様にてコーティング厚みが均一で平滑な感光性樹脂硬化層を形成することができる。
また、この方法によれば、キャリアシリンダに設けられたジャーナルを挟持することにより、スリーブの搬送及び回転が自在となり、スリーブ外周面にコーティングされた感光性樹脂層と接触しないで簡単にスリーブを引取ことが可能となる。また、コーティングされた液状の感光性樹脂層を冷却することにより、感光性樹脂層が固化或いは流動抵抗が増えるため、重力や遠心力による感光性樹脂層の変形や樹脂液が滴り落ちる現象を防止することができる。
この方法によれば、スリーブの材質や厚みに無関係に任意のスリーブの外周面に感光性樹脂硬化層を形成することができる。
この方法によれば、感光性樹脂硬化層の表面を整形するので、高精度な厚みと印刷に好適な表面平滑性を有し、1本のスリーブ印刷原版から複数本のスリーブ印刷原版が容易に製造可能となる。
この方法によれば、整形工程及び切断工程で感光性樹脂硬化表層に発生する整形屑、切断屑及びゴミを容易に洗い流し、洗浄液が付着した感光性樹脂硬化層を乾燥させることが可能となる。特に、粘着性の強い感光性樹脂表層の場合には、温水洗浄或いはスチーム洗浄が効果的である。
この方法によれば、感光性樹脂硬化層の印刷版としての物性向上及び表面粘着性除去を行うことができる。
この方法によれば、異なる硬化物性を有する多層の感光性樹脂硬化層を形成することが可能となり、多様な印刷環境及び品質要求に対応できる。
この方法によれば、多様な印刷環境及び品質要求に対応できる。
また、この構成によれば、前記スリーブの内周面にキャリアシリンダを挿入してキャリアシリンダと一体となったスリーブを搬送することが可能となるため、前記引取機構がコーティングされた感光性樹脂層と接触してダメージを与えることもなく安全に露光工程へ搬送することが可能となる。また、コーティングされた液状の感光性樹脂層を強制冷却することが可能となるため、感光性樹脂層を固化或いは粘性流動を低下させ、感光性樹脂硬化層が形成するまでの重力や回転遠心力による変形作用や滴下作用を防止することが可能となる。
この構成によれば、ブリッジシリンダと圧気供給機構を連結させ、該圧気供給機構から供給された圧気が中空状のブリッジシリンダ外周面に点在する圧気吹き出し口より吹き出し、前記スリーブを膨らませながら挿入することにより該ブリッジシリンダに装着され、圧気を遮断すれば該スリーブが締まってブリッジシリンダとの一体化が可能となるため、スリーブが変形しやすい薄肉タイプの場合でも、外力に対して容易に変形しない構成体となる。
この構成によれば、感光性樹脂硬化層の表面を整形することができるので、より高精度の表面厚みと印刷に好適な表面平滑性が得られるし、切断することで、1本のスリーブ印刷原版から複数のスリーブ印刷原版を製造することが可能となり生産効率が向上する。
この構成によれば、前記整形工程及び前記切断工程において発生する粉体状の研削屑、研磨屑や切断屑に洗浄液を吹き付けて感光性樹脂硬化層から洗い流すため、表面が綺麗で乾いた感光性樹脂硬化層を得ることが可能となる。
この構成によれば、レリーフ画像の印刷版としての十分な物性向上及び表面粘着性除去効果を得ることができる。
この構成によれば、物性の異なる複数の感光性樹脂層を形成することが可能となるので、多様な印刷環境や印刷品質要求に応えることが可能となる。
この構成によれば、押出機に注入された感光性樹脂を加熱することにより、固体感光性樹脂の液状化或いは高粘度液状感光性樹脂の押出が容易となり、感光性樹脂組成選択の幅が広がり、感光性樹脂を脱気して供給することが可能となるため、感光性樹脂硬化層に気泡による空隙欠損部がない品質良好なスリーブ印刷原版の製造が可能となる。
また、感光性樹脂硬化層の表面を整形するので、高精度な厚みと、印刷に好適な表面平滑性を有するスリーブ印刷原版(シームレス印刷用原版ともいう)が容易に製造可能となり、更に、高強度の紫外線露光によって感光性樹脂硬化層の印刷適正の改善を図ることができる。
従って、高精度な厚みと印刷に好適な表面平滑性による印刷適正が高く且つ完全に継ぎ目のないスリーブ印刷原版を製造することができ、従来のネガフィルム作製工程や溶液現像液工程を不要とすることによる作業性の向上、省資源化及び環境保全を図ることができるという効果がある。
本発明のスリーブ印刷原版の製造方法が容易に実施可能な製造装置を、図面に基づいて言及しながら、本発明のスリーブ印刷原版の製造装置の一実施の形態を説明する。
但し、本発明は、以下の説明及び図1〜図4により理解されるものであるが、本発明の実施の形態が、それらに限定されるものではない。
これら図1及び図2に示す本製造装置は、ブリッジシリンダに装着され一体化した印刷用薄肉スリーブの外周面に、リングダイ押出方式にて均一な厚みで、且つ気泡などの欠陥が生じないように液状の感光性樹脂をエンドレス態様でコーティングした後に、コーティングされた液状の感光性樹脂層を強制冷却装置で冷却して樹脂の粘度を上げ、露光硬化工程までの間に重力や遠心力などの作用により感光性樹脂層が変形或いは樹脂液が滴下することを防止する。次に、高強度の紫外線露光により、コーティングされた感光性樹脂層を光硬化させ印刷適正が向上した樹脂硬化層を形成する。次に、整形及び切断の一連の機械加工を行うが、このような機械加工の後には洗浄処理を行うことにより、機械加工で発生する加工屑やゴミを樹脂硬化層から洗い流し、更に樹脂硬化層表面の水分を乾燥させることによって印刷に好適なスリーブ印刷原版を製造するものである。
図4は上記のブリッジスリーブ400が、キャリアシリンダ300に挿入されてキャリアシリンダと一体化した構成体500(以降ワークと呼ぶ)の説明図である。
ブリッジシリンダ本体210とキャリアシリンダ本体310の外周面には圧気吹き出し孔230・350備えているため、挿入する物体を圧気で膨張させて容易に挿入することが可能となる。また、外部コンプレッサ(図示なし)から供給される圧気をシリンダの内部に導く圧気供給口220・340を備えている。また、キャリアシリンダ本体310には、両端にハンドリング用のジャーナル320及び330が設けられた構造となっている。
感光性樹脂の供給手段としては、液状感光性樹脂を収容する樹脂タンク2000と、樹脂タンク2000から液状感光性樹脂を押出機2200に定量注入する圧送ポンプ2100と、注入された液状感光性樹脂をリングダイ2300に定量押し出す押出機2200とを備えている。また、上記の押出機2200は、液状感光性樹脂の粘度を下げて負荷を小さくする或いはペレット状の感光性樹脂を液状化するための温度制御機構(図示なし)と、液状の感光性樹脂が気泡を含まないように真空脱気方式のベント機構(図示なし)とを装備してあることが好ましい。また、上記の樹脂タンク2000には、レベルセンサにより収容している液状感光性樹脂の容量計測が可能であり、樹脂タンク2000から押出機2200までの液状感光性樹脂の注入経路には、液状感光性樹脂の温度を安定(最終目的は樹脂粘度を安定させて圧送ポンプ2100の定量供給性能を上げる)させるための温度制御機構(図示なし)が装備してあることが好ましい。
このような構成の本製造装置を用いたスリーブ印刷原版の製造方法を説明する。
プレポリマー:ポリカーボネート系ポリウレタン末端メタクリレート。
モノマー:ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールモノメタクリレート。
フィラー:珪酸系無機質充填材(球状、多孔質)。
添加剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン。
光重合開始剤:ベンゾフェノン。
印刷用スリーブ100は、厚みが0.1〜数十mmのFRP(Fiber Reinforced Plastic)製或いはプラスチック製或いは金属製であり、本製造装置においては、ワーク幅1000mm、外径200〜500mmまで対応可能となっている。
図1及び図2で示すように、印刷用スリーブ100は予めブリッジシリンダ200に挿入され一体化したブリッジスリーブ400としてブリッジスリーブストック装置1000に、キャリアシリンダ300はキャリアシリンダストック装置3000に載置しておく。
また、露光ユニット4000は昇降機構4100にてワーク500の外径に応じて適宜所定高さまで移動し、ワーク500の回転と共に、既に点灯しているメタルハライドランプ4200の紫外線出力を待機状態から露光状態へと約2〜4倍増加させ、メカニカルシャッター(図示なし)が開の状態に移行して紫外線露光工程がスタートし、印刷用スリーブ100の外周面にコーティングされた液状感光性樹脂層は光硬化して樹脂硬化層へと遷移する。
また、露光工程終了後の感光性樹脂硬化層の厚み精度はコーティング厚みの約10%以下に収めることが可能であるが、中級或いは高級な印刷品質を要求されるスリーブ印刷原版の厚み精度としては今一歩であるため、整形工程が必要となる。
整形工程に移送されたワーク500は、ワーク回転装置5000Aに装備してあるチャック機構と芯押し台(図示なし)を有するワーク回転連結機構5100Aにてジャーナル320及び330を挟持されて連続回転が可能な状態となる。次に、ワーク回転装置5000Aが時計方向へ90度の位置まで回転した後に、ワーク回転連結機構5100Aにてワーク500を回転させながら、砥石荒研削装置5200に備えた砥石が回転を初め、砥石荒研削装置5200は所定速度でワーク500軸心方向に線形移動しながら荒研削加工がスタートする。荒研削加工が終了すると、ワーク500の回転及び砥石の回転が停止して、砥石荒研削装置5200は待機位置へと復帰する。また、荒研削加工中は、真空吸引機構及びエアーブラスト機構(図示なし)を作動させて研削屑を集塵している。
上記の研削工程では、先ずワーク500を所定回転速度(標準的なゴム研削と殆ど同じ条件:ワーク外径が250mmφの場合で600〜1300rpm)で回転させ、次に待機位置にある砥石研削装置5200及び5600がワーク500先端から所定距離にある研削開始位置に移動して砥石研削装置5200及び5600に備えた砥石を回転させて研削加工がスタートする。最初の研削加工は荒研削で、次研削は仕上げ研削と呼んでいる。荒研削で使用する砥石はGC60〜120HH或いはGC60〜120GG(テイケン社製)の粒度の粗いものを使用しており、仕上げ研削ではGC150〜250HH或いはGC150〜250GG(テイケン社製)の粒度の細かいものを使用している。
研削完了後の樹脂硬化層表面のRa(平均表面粗さ)は、0.1〜0.2μm前後と紙印刷などには殆ど影響を与えない表面平滑度を得ることが可能である。
また、所望のRaに応じて砥石仕上げ研削装置5600には、研削液注入機構(図示なし)にて研削液を砥石に供給することが好ましい。また、砥石と樹脂硬化層加工表面に冷風を高速で吹き付けることにより、加工面の冷却効果に加え、研削屑の樹脂硬化層への再溶着を防止することが好ましい。
次に、回転装置5000Bが時計方向へ更に90度の位置まで回転した後に、ワーク外径計測装置5300がワーク外径計測装置移送機構5400にて待機位置からワーク外径測定位置まで移動して、所定位置まで降下したら研磨工程終了後のワーク500の外径をレーザー測長方式にて測定する。
次に、ワーク回転装置5000Bが時計方向へ更に90度の位置まで回転した後に、ワーク500はワーク回転連結機構5100Bから外されて搬送コンベア7100にセットされる。この後、搬送コンベア7100にてワーク500が移送されながら、強制乾燥装置7000にてワーク500は乾燥される。
かくして単一の液状感光性樹脂を使用した均一な厚みの感光性樹脂硬化層がワーク500の外周面に形成でき、レーザー彫刻用のスリーブ印刷原版が得られる。
更に、少なくとも1種類以上の異なる液状感光性樹脂を使用して、相当する樹脂タンク2000と、圧送ポンプ2100と、押出機2200とを装備して、上記の単色リングダイ2300を多色リングダイ(図示なし)に代えることにより、複数の液状感光性樹脂層を印刷用スリーブ100の外周面に積層させた後、露光ユニット4000にて一括露光することによって、特性の異なる複層の感光性樹脂硬化層を形成させることが好ましい。
また、上記と同様に2種類の異なった液状感光性樹脂を使用するが、特にインクの受理及び転移性の均質化やバウンシング現象を解消するため、感光性樹脂硬化層の下層には厚みが約0.5mmで気泡を多量に含有した液状感光性樹脂を使用してクッション性を与え、上層のレリーフ画像が形成される領域は気泡無し感光性樹脂を使用して、特性の異なる2層を有する感光性樹脂硬化層を形成させるのが良い。
また、液状感光性樹脂は、光硬化後の赤外線レーザーによる直接彫刻性に秀でた樹脂が用いられているので、本発明の一実施の形態により製造されたシームレス印刷用原版は、乾式手法であるレーザー直接彫刻によるレリーフ画像形成が簡便に可能である。
100 印刷用スリーブ
200 ブリッジシリンダ
210 ブリッジシリンダ本体
220 圧気供給口
230 圧気吹き出し孔
300 キャリアシリンダ
310 キャリアシリンダ本体
320 ジャーナル
330 ジャーナル
340 圧気供給口
350 圧気吹き出し孔
400 ブリッジスリーブ
500 ワーク
1000 ブリッジスリーブストック装置
1100 スリーブ供給機構
1200 コンベア機構
2000 樹脂タンク
2100 圧送ポンプ
2200 押出機
2300 リングダイ
2500 強制冷却装置
3000 キャリアシリンダストック装置
3100 引取機構
3200 搬送コンベア
4000 露光ユニット
4100 昇降機構
4200 メタルハライドランプ
4300 回転連結機構
4400 ワークストック装置
4500AB ワーク搬送装置
5000AB ワーク回転装置
5100AB ワーク回転連結機構
5200 砥石荒研削装置
5300 ワーク外径計測装置
5400 ワーク外径計測装置移送機構
5500 ブラシ洗浄装置
5600 砥石仕上げ研削装置
6000 研磨装置
6100 切削装置(洗浄水噴射及び圧気噴射機能付き)
7000 強制乾燥装置
7100 搬送コンベア
Claims (15)
- 感光性樹脂を用いたレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法において、
押出機に注入された感光性樹脂をリングダイから円形状に定量供給する樹脂供給工程と、スリーブを前記リングダイの内部を通過させながら当該スリーブの外周面に一様な厚みに感光性樹脂をコーティングする塗布工程と、ハンドリング用のジャーナルが端部に設けられたキャリアシリンダを前記リングダイの内部を通過する前記スリーブの内周面にその先端側から挿入してキャリアシリンダと一体となったスリーブを搬送する引取工程と、冷却手段によりコーティングされた液状の感光性樹脂層を固化或いは粘性流動を低下させる冷却工程と、この冷却工程よりも後で前記コーティングされた感光性樹脂層に紫外線を照射することにより赤外線レーザーにて彫刻可能なように光硬化させてシームレス態様の感光性樹脂硬化層を形成する露光工程と、を含むことを特徴とするレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。 - 前記スリーブは、ブリッジシリンダの外周面に装着して一体化させ、円筒形状を保持するための強度補強されたスリーブであり、前記引取工程は、前記キャリアシリンダを前記リングダイの内部を通過する前記スリーブ付きブリッジシリンダの内周面にその先端側から挿入してキャリアシリンダと一体となったスリーブ付きブリッジシリンダを搬送することを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記感光性樹脂硬化層の表面を整形する整形工程及び前記スリーブ印刷原版を輪切り態様で複数版に分割する切断工程の少なくとも1つを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記整形工程及び前記切断工程の何れかの後に、洗浄手段により前記感光性樹脂硬化層を洗浄する洗浄工程と、乾燥手段により前記感光性樹脂硬化層を乾燥させる乾燥工程とを更に含むことを特徴とする請求項3に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記洗浄工程及び前記乾燥工程の何れかの後に、感光性樹脂硬化層に再度紫外線を照射する後露光工程を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記樹脂供給工程が、異なる感光性樹脂を複数の押出機に注入して、多色リングダイから前記スリーブの外周面にエンドレス態様で異なる感光性樹脂を積層コーティングする樹脂複層供給工程であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記スリーブの外周面には、感光性樹脂硬化層を強固に固定するための接着剤層の形成、或いは柔弾性を有するクッションテープが貼り込まれ該テープ最外周面が感光性樹脂硬化層を強固に固定するための表面特性を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 前記樹脂供給工程において、注入される感光性樹脂が液状感光性樹脂であり、樹脂粘度は、20℃において6Pa・s以上で50kPa・s以下であり、前記露光工程の紫外線は、波長域200〜400nmで且つ紫外線強度が10mW/cm2以上であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造方法。
- 感光性樹脂を用いたレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置において、
押出機に注入された感光性樹脂をリングダイに定量の押出し、該リングダイから円形状に感光性樹脂を供給する樹脂供給機構と、前記リングダイの内部を通過するスリーブの外周面に一様な厚みに感光性樹脂をコーティングするスリーブ供給機構と、ハンドリング用のジャーナルが端部に設けられたキャリアシリンダを前記リングダイの内部を通過する前記スリーブの内周面にその先端側から挿入してキャリアシリンダと一体となったスリーブを搬送する引取機構と、冷却手段によりコーティングされた液状の感光性樹脂層を固化或いは粘性流動を低下させる冷却機構と、この冷却機構により冷却工程よりも後でそのコーティングされた感光性樹脂層に紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備えたことを特徴とするレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。 - ブリッジシリンダと連結及び分離が可能であり、前記連結時に前記スリーブを当該ブリッジシリンダと一体化する圧気供給機構を更に備え、前記引取機構は、前記キャリアシリンダを前記リングダイの内部を通過する前記スリーブ付きブリッジシリンダの内周面にその先端側から挿入してキャリアシリンダと一体となったスリーブ付きブリッジシリンダを搬送することを特徴とする請求項9に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
- 前記感光性樹脂硬化層の研削機構、研磨機構及び切断機構の少なくとも1つを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
- 前記感光性樹脂硬化層を洗浄する洗浄機構と、その洗浄された感光性樹脂硬化層を乾燥させる乾燥機構とを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
- 前記感光性樹脂硬化層の洗浄或いは乾燥後に、当該感光性樹脂硬化層に再度紫外線を照射する後露光用紫外線照射機構を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
- 前記樹脂供給機構は、リングダイを多色リングダイに代え、この多色リングダイから複数の感光性樹脂を積層状態に供給する樹脂複層供給機構であることを特徴とする請求項9に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
- 前記押出機は、感光性樹脂を温度制御する温調機構及び脱気するベント機構を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のレーザー彫刻用スリーブ印刷原版の製造装置。
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