JP4746827B2 - オークション方法及びサーバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オークションをネットワーク上で行うオークション方法及びサーバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオークション方法が例えば特許文献1〜3などに開示されている。これらのオークション方法はいずれも、最も値段の条件がよかった競りの参加者、つまり通常のオークションであれば売り手にとって最も高値をつけた参加者(買い手)、逆オークションであれば買い手にとって最も安値をつけた参加者(売り手)が落札する方式になっていた。通常、落札者は予め規則等で決められている期日までに取引、つまり商品の引渡しや代金の支払いを終えるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許5794207号
【特許文献2】
特開平10−78992号公報
【特許文献3】
特開平11−328271号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、オークションに商品の売買を依頼する依頼者(依頼主)にとって、種々の事情から、商品の引渡日や代金の支払日を自分の都合のよい期日に設定したいという要求があった。例えば資金調達のために緊急に、美術品や骨董品を売却したい依頼者にとっては、希望価格で売却できればたとえ高値がつかなくても、できるだけ早く資金を調達したい。また商品を早く手に入れたい者の中には、価格よりも早い取引を最優先に望む場合があった。また商品を仕入れる場合、商品を出荷するまでの保管場所がなく倉庫を借りなければならない場合は、その商品を出荷する直前に商品の入荷日を設定したい。また欲しい商品があるが、お金のできる期日がまだ先である場合は、支払いができるその期日以降でできるだけ早くに商品の入荷を希望するし、支払いより先に商品を引き渡してくれる自分にとって有利な条件を提示してくれる相手がいればその相手と取引をしたい。また現在仕事や遊びで使用している製品を他の購入資金を得るために売却したいと考える者にとっては、希望価格で購入してもらえるのであれば、なるべく遅くまでその製品を使用させてくれる相手と取引をしたかった。
【0005】
このように商品を売買する相手を探す売り手や買い手には、商品の引き渡し日や代金の支払日などの取引日について各人の事情に応じた種々の希望があったが、従来のオークション方法ではこのような取引日までは考慮されず落札者が決まっていた。このため、最高値でなくとも満足する取引日を提示してくれる取引相手を探したり、取引日を最優先に取引相手を探したり、最高値が複数人いれば最先の者ではなく取引日の面で最も有利な相手を落札者にすることができないという問題があった。なお、従来、航空券の予約やホテルの予約などに利用されている逆オークションでは、買い手が搭乗日や宿泊日などの時期に関する情報を提示し、売り手はその希望に合う搭乗日や宿泊日などの時期に関する情報を提示するが、これらの時期情報は取引時期ではなく、代金はあくまで落札相手が決める期日までに支払わなければならなかった。このように従来のオークションは価格で競るのが当然であったため、依頼者の要望に価格の面では沿うものの、価格以外の他の要望を必ずしも満たすものとはなっていなかった。従来のオークション方法は、価格よりも優先させたい要望があるときでも、その要望を最優先させることがし難いものとなっていた。
【0006】
ところで、例えば顧客がタクシーを依頼する場合に、逆オークション方式を採用して、複数のタクシー会社の間で最も料金の安いタクシーを選別する方式も考えられる。しかしこの方式では、最も安値のタクシーを選択できるものの、手配されるタクシーの位置は考慮されておらず、顧客(依頼人)の位置から非常に離れたタクシーを選択する問題が生じる。
【0007】
また、一般に実施されるタクシーの依頼方式では、顧客がタクシー会社に電話等で連絡し、そのタクシー会社の車の中で最も依頼人に近いタクシーが配車される。ところが、この方式は一社のタクシー会社との間の取り引きであるため、他のタクシー会社の車が依頼人に一層近い場所にいる場合もあり、必ずしも最も近いタクシーが配車されるわけではなかった。よって、最も近いタクシーを選定できない問題もあった。
【0008】
また、例えばオークションに商品の売買などを依頼する依頼者にとって、種々の事情から、例えば最も長い(短い)、最も重い(軽い)、最も多い(少ない)など希望に応じた値で商品を取引したいという要望があった。例えば、できるだけ長い長さの商品の購入を希望する依頼者は、オークション参加者のうち、価格は考慮せずに最も長い長さの商品を提示する売り手との取引を希望する場合もある。つまり、オークションに参加する依頼者の中には、落札条件として価格以外の数値を優先して取引したい依頼者がいる場合もあった。ところが、従来のオークション方式では、商品の価格のみを競りの対象としているので、価格以外の数値を競りの対象とする場合に適用できない問題があった。
【0009】
また、オークションに商品の売買を依頼する依頼者にとって、種々の事情から、商品についての要望を反映させたいという要求があった。例えば美術品や骨董品を購入したい依頼者にとっては、年代や保管の程度、傷などの諸条件も考慮したうえで自分にとって最も適正な価格である物を購入したい。またパーソナルコンピュータを購入する場合、表示装置の画質や本体の品質や性能、処理速度などの要望はあるものの、どの製品(品番等)がその要望を最も満たしているかなどが分からない場合があった。また家庭教師などを依頼する場合、要望はあるものの、何を評価基準に選んだらよいかが分からない場合もあった。このため、ある程度は勘で要望を満たす製品や人を絞り込んで、その製品や役務を価格で競り落とさざるを得なかった。なお、オークションに登録している者のみに取引相手が事実上限られていたという問題もあった。また、売り手にとっても、商品の価値を最も分かってくれる人に買ってほしいなどの要望があった。
【0010】
このように従来のオークションは価格で競るのが当然であったため、依頼者の要望に価格の面では沿うものの、価格以外の要望を必ずしも満たすものとはなっていなかった。従来のオークション方法は、価格よりも優先させたい要望があるときでも、その要望を最優先させることがし難いものとなっていた。なお、オークションに商品や役務を取引の対象して参加している、あるいは商品や役務の提供を希望している取引相手としか取引できないのが現状であった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、商又は役務を売買する相手を探す依頼主が、商品又は役務の代金支払日や商品引渡日について依頼主の事情に応じた希望にかなう取引相手を探し出すことができるオークション方法及びサーバを提供することにある
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を競り落とすネットワークを通じて行われるオークション方法であって、オークション仲介用のサーバが、依頼主の端末からのアクセスに応答してメモリに記憶された依頼画面用のデータを送信して該依頼主に取引の対象となる商品又は役務を特定するために必要なその属性情報と前記商品又は役務を取引する前記属性情報以外の取引時期で入札する場合の落札される優先順位を規定する取引時期条件として、基準時期の入力と、取引時期が前記基準時期に対して時間軸上のどの方向側に位置するほど落札時に優先されるかを定めるために設けられた複数の優先方向のうちから取引時期が落札時に優先される一つの優先方向の選択とを促す依頼画面を前記依頼主の端末に表示させると共に、前記依頼主の前記端末に入力された商品又は役務の属性情報と前記基準時期及び前記優先方向の組合せによって指定された優先規則を含む取引時期条件とを含む依頼情報を、該サーバが依頼主の端末からネットワークを通じて受信してメモリに記憶する依頼手順と、前記サーバが、入札者の端末からのアクセスに応じて、メモリに記憶された入札画面用のデータを送信して取引の対象となる商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を落札する際の前記優先順位を規定する前記取引時期条件を含むと共に、取引時期での入札を促す入札画面をネットワークを通じて入札者の端末に表示させて入札を募る募集手順と、前記サーバが、入札者の端末から取引時期を含む入札情報をネットワークを介した通信によって受信してメモリに記憶する入札手順と、前記サーバは、前記メモリから前記入札情報に含まれる取引時期と前記取引時期条件と競り処理用のプログラムとを読み出し、当該プログラムを実行して前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する競り処理を行って、前記基準時期に対して時間軸上で最も前記選択された優先方向側に位置する取引時期で入札した入札者を落札者として選定し、当該落札者の端末に落札の旨を送信する落札手順と、を備え、前記取引時期は、取引対象が商品である場合は代金支払時期又は商品引渡時期であり、取引対象が役務である場合は代金支払時期であることを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオークション方法において、前記取引対象は商品であり、前記取引時期は代金支払時期又は商品引渡時期であることを要旨とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオークション方法において、前記落札手順では、前記サーバは前記入札情報を基に前記取引時期での競り処理のみをすることで、該取引時期のみの競りによって落札者を選定することを要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオークション方法において、前記入札情報は、前記取引時期と価格とを少なくとも情報として含み、前記落札手順では、前記サーバは前記入札情報に含まれる前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する第1の競り処理を行い、該第1の競りにより所定落札数に絞り込みできない場合は、前記メモリから優先条件を読み出し、さらに価格を当該優先条件に照らし合わせて比較する第2の競り処理を行うことを要旨とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記落札手順では、前記サーバは、前記入札情報を基に前記取引時期条件を満たすように前記取引時期で競り処理を行うことで各入札者に優先順位をつけた後、前記入札情報中の前記取引時期を含む少なくとも一部の情報を、入札者全員分または優先順位上位一部の入札者人数分だけ前記優先順位に表示可能とした閲覧情報を、前記依頼主の端末に送信し、該端末に前記入札者ごとの前記閲覧情報を該入札者優先順に載せると共に前記依頼主による落札者の選択が可能な状態に閲覧画面を表示させ、その後、前記依頼主の端末から前記落札者が選択された落札情報を受信すると、前記サーバは該落札情報に示された入札者を落札者とすることを要旨とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記取引時期条件は、前記商品引渡時期が遅いほど優先されることを要旨とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記取引時期条件は、前記代金支払時期が早いほど優先されることを要旨とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記依頼画面では、前記取引時期条件と価条件とを含む複数の条件の入力が可能であると共に、該取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件うち優先順位の設定が可能となっており、前記依頼手順では、前記サーバは前記取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件と前記優先順位を含む前記依頼情報を受信し、前記競り処理では、前記サーバは、前記依頼情報中の前記取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件のうち優先順位の高い一方から順番に各競り処理を時系列で直列に行う方式を採ることで、落札者を2段階以上の多段階の条件で絞り込むことを要旨とする。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載のオークション方法において、前記入札画面は、前記取引時期として前記代金支払時期と商品引渡時期とのうち一方と、参考情報として他方の情報との入力を促す画面であり、前記入札手順では、前記サーバは、前記代金支払時期と前記商品引渡時期の各情報を含む前記入札情報を受信し、前記落札手順において前記サーバが前記依頼主の端末に表示させる前記閲覧画面には、落札者を選ぶときの決め手となる情報として前記代金支払時期と前記商品引渡時期の各情報が含まれることを要旨とする。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期よりなるべく早い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期前倒し方式を少なくとも含むことを要旨とする。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期よりなるべく遅い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期遅延方式を少なくとも含むことを要旨とする。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオークション方法において、前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期になるべく近い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期接近方式を少なくとも含むことを要旨とする。
【0037】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載のオークション方法に利用されるオークション仲介用のサーバであって、商品又は役務の取引相手を探す依頼主の端末からのアクセスに応じてメモリに記憶された依頼画面用のデータを送信して該依頼主に取引の対象となる商品又は役務を特定するために必要なその属性情報と前記商品又は役務を取引する前記属性情報以外の取引時期で入札する場合の落札される優先順位を規定する取引時期条件として、基準時期の入力と、取引時期が前記基準時期に対して時間軸上のどの方向側に位置するほど落札時に優先されるかを定めるために設けられた複数の優先方向のうちから取引時期が落札時に優先される一つの優先方向の選択とを促す依頼画面を前記依頼主の端末にネットワークを通じて表示させるとともに、前記依頼主の前記端末に入力された商品又は役務の属性情報と前記基準時期及び前記優先方向の組合せによって指定された優先規則を含む取引時期条件とを含む依頼情報を該端末からネットワークを通じて受信してメモリに記憶するとともに、入札者の端末からのアクセスに応じてメモリに記憶された入札画面用のデータを送信して前記属性情報及び取引時期条件を含む入札画面をネットワークを通じて入札者の端末に表示させる制御部と、入札者の端末から取引時期を含む入札情報をネットワークを通じて受信してメモリに記憶するとともに、前記メモリから前記入札情報と前記取引時期条件と競り処理用のプログラムとを読み出して、当該プログラムを実行して前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する競り処理を行って、前記基準時期に対して時間軸上で最も前記選択された優先方向側に位置する取引時期で入札した入札者を落札者として選定する演算手段とを備え、前記取引時期とは、取引対象が商品である場合は代金支払時期又は商品引渡時期であり、取引対象が役務である場合は代金支払時期であることを要旨とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図14に従って説明する。図1は、ネットワークを介して売り手と買い手が商品のオークションを行うための時間オークションシステムを示す。本例では要素としての時間を競りの対象としてオークションを行う。
【0042】
時間オークションシステム10は、オークション管理システム20と、ネットワーク(例えばインターネット)Nと、利用者(顧客)用の端末30とから構成される。オークション管理システム20は、サーバ(Webサーバ)21と、顧客管理データベース(DB)22、商品管理データベース(DB)23、競り管理データベース(DB)24とから構成される。なお、サーバ21は、Webサーバとアプリケーションサーバとに分けて構成もできる。
【0043】
図2は、オークション管理システム20の機能構成図である。オークション管理システム20は通信部41、制御部42、時間競り演算部43および落札絞込演算部44を備える。通信部41、制御部42、時間競り演算部43および落札絞込演算部44はサーバ21により構成される。通信部41は所定の通信手順(HTTP)で動く。また商品管理DB23は競り条件記憶部45を備え、競り条件記憶部45には時間競りデータ記憶部45Aと絞込データ記憶部45Bが用意されている。制御部42および各演算部43,44は、時間オークションで落札者を特定するための演算制御などに使用され、この演算に各記憶部45A,45Bに記憶された各種データが使用される。
【0044】
サーバ21には、時間オークションホームページ(HP)(サイト)が置かれ、ネットワークNを通じて利用者は端末30からブラウザソフトを用いて画面上に図3に示す時間オークションHPを表示させる。利用者は、このHPで必要なデータを入力することでオークションへの登録または参加が可能である。予め利用者登録手続きを済ませた利用者は、時間オークションへの商品の売買依頼またはオークションへの参加が可能である。
【0045】
時間オークションHPには、図4に示す利用者登録画面P、図5に示す商品登録画面Q、図6に示す時間競り方式選択画面R、希望条件設定画面S、図8に示すスライド価格設定画面Tなどの各種画面がリンクされている。サーバ21のハードディスクには、各種画面HP,P,Q,R,S,Tの画面データ、画面の表示等に用いるプログラム(例えばHTML記述プログラム)やオークションの演算処理に用いるプログラムが記憶されている。
【0046】
図3に示すように、時間オークションHPにはオークション用の商品別に分類された多数の選択ボタン51と、逆オークション用の商品別に分類された多数の選択ボタン52が用意されている。競りに参加を希望する者(入札者)は、希望する商品分類の選択ボタン51,52を選択する。ただし同図では商品分類は一部のみ示している。また利用者登録ボタン53と商品登録ボタン54が用意されており、各ボタン53,54を選択することで登録画面P(図4)と登録画面Q(図5)がそれぞれ表示される。
【0047】
図4に示すように利用者登録画面Pには、売り手・買い手のどちらを希望するかを選択する選択項目P1、住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢、備考などを入力するための各種入力欄P2が用意されている。利用者は端末30Aに表示された利用者登録画面Pでこれら全ての項目に必要事項を入力してOKボタン55を選択すると、この利用者登録データD1はネットワークNを通じてサーバ21に送信され、顧客管理DB22に格納される顧客管理データに追加される。サーバ21は所定の手数料の納付を確認すると登録者の端末30Aへ認証番号(IDとパスワード)を送信する。登録者は、時間オークションを利用するときには認証番号を使用する。なお、売り手・買い手のどちらで利用するかは利用者登録時に未定であれば後で登録することもできる。
【0048】
また図5に示すように商品登録画面Qには、商品分類、商品名、希望価格、数量、品質、保管場所、商品情報などの各種入力欄Q1〜Q7が用意されている。希望価格の入力欄Q3には値幅を設定することもできる。また希望価格については、固定価格、スライド価格、最低価格の3種類の中から選択する選択項目Q8が用意されている。ここで、固定価格とは、価格が固定であることを意味する。
【0049】
スライド価格とは、時間軸にスライドするように複数の取引時期を設定し、各取引時期に連動してスライドするように価格を設定することを意味し、例えば製造会社(メーカー)が、新製品の予約注文を受け付けるに当たり、発売日から月日が経過するに連れて価格を段階的に下げて設定し、購入希望者を募るときなどに使用される。また最低価格は、商品を競り落とす際の最低価格を意味し、この項目が選択されたときは競りの入札者は指値を提示する。入力欄Q6は、商品の現在の保管場所を入力(選択)する欄で、その入力項目にはオークション管理業者保管、民間保管機関、売り手側倉庫、製造予定等がある。入力欄Q7には、商品の詳細説明等を入力する。なお、この画面Qで入力する希望価格が、売値情報または買値情報に相当する。
【0050】
利用者は端末30Aに表示された商品登録画面Qで全項目に必要事項を入力してOKボタン56を選択すると、商品関連情報としての商品登録データD2はネットワークNを通じてサーバ21に送信されて商品管理DB23の商品管理データに追加される。また選択項目Q8で固定価格または最低価格が選択されたときは、次に図6の時間競り方式選択画面Rと希望条件設定画面Sが表示される。また選択項目Q8でスライド価格が選択されたときは、次に図8のスライド価格設定画面Tが表示される。
【0051】
図6に示すように、時間競り方式選択画面Rには、時間スライド方式を選択するための6つの選択項目R1〜R6が用意されている。選択項目R1〜R6には売り手側と買い手側について、それぞれ「期日前倒し方式」、「期日遅延方式」、「期日接近方式」が用意されており、「期日接近方式」にはさらに「期日前」と「期日後」のいずれかを選ぶ選択項目R7,R8が用意されている。
【0052】
図7は、売り手と買い手別に用意された4種類の時間スライド方式の競り内容を説明するものである。同図(a)の「期日前倒し方式」は、依頼者(依頼主)が指定した期日以前でできるだけ早い取引日を提示した者(入札者)が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も早い取引日を提示したCが落札する。
【0053】
同図(b)の「期日遅延方式」は、依頼者が指定した期日以後でできるだけ遅い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以後の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。
【0054】
同図(c)の「期日前接近方式」は、依頼者が指定した期日以前でできるだけ指定期日に近い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。
【0055】
同図(d)の「期日後接近方式」は、依頼者が指定した期日以後でできるだけ指定期日に近い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。なお、いずれの時間競り方式の場合も、最も優先される取引日に落札人数枠を超える人数の入札者が競合した場合(例えば図9に示すように落札枠一人のところに優先される取引日に2人の入札者C,Dが競合した場合)は、後述する所定のルールを基に落札者を絞り込むようになっている。
【0056】
また図6に示す希望条件設定画面Sには、指定期日(基準時)、支払、商品引渡および競り期間の各入力欄S1〜S4と、入札者側からの条件提示を可とするか不可とするかを選択する選択項目S5が用意されている。入力欄S1には時間スライド方式で基準時となる期日を指定する。
【0057】
取引が成立すると依頼者と落札者の双方で代金支払と商品引渡がなされるが、入力欄S2,S3は、落札者の提示した取引日を、支払や商品引渡の際における何の日付とするかの依頼者の具体的な希望を設定する欄である。「支払」の入力欄S2は依頼者が売り手のときに入力可能となり、「商品引渡」の入力欄S3は依頼者が買い手のときに入力可能となる。
【0058】
「支払」の入力欄S2では取引日を、入金日(口座)、銀行振込日、現金発送日、集金日、電子マネー支払日、分割初回支払日、頭金支払日などの複数の項目のうちのどれにするかを選択する。また「商品引渡」の入力欄S3では取引日を、入荷日、商品発送日、譲渡証発行日、権利証書移転日、契約日、入居日(住宅等の場合)、名義書替日などの複数の項目のうちのどれにするかを選択する。これら各項目については、図示はしないが取引日を基準とした時期、例えば取引日から何日目、取引日から何日以内(何週間以内)などの設定も可能である。依頼者である売り手または買い手は、支払や商品引渡について各人の事情に応じた希望する具体的内容や詳細期日(期間)を設定し、特に入金や入荷の希望期日があるときなどはこのような取引日を競りの対象とすることで依頼者にとって有利な取引日を提示してくれる取引相手を探し出す。これが時間オークションシステムの主要なメリットの1つである。この画面R,Sに必要事項を入力後に「OK」ボタン57を選択すると、各画面R,Sで入力されたデータ内容からなる競り条件データD3がサーバ21に送信される。
【0059】
また図8に示すようにスライド価格設定画面Tには、複数(この例では3つ)の期間を設定すための各入力欄T1と、それら複数の期間に対して価格を設定するための各入力欄T2と、競り期間の入力欄T3が用意されている。各入力欄T1には時間軸に対して段階的にスライドさせた期間(第1〜第3期間)を設定する。各入力欄T2には各期間に連動してスライドするように各期間に対応する価格を設定する。例えば製造会社(メーカ)が、新製品の予約注文をこの価格スライド設定型の時間オークションで受け付けて、発売初期の注文の集中を分散させたり、競り結果に基づく売れ行き予測による生産計画の見直しなどに利用される。
【0060】
また製造会社に限らず、多数の商品を売買したい依頼者が商品の売買を円滑に進めるため、または1つの商品(例えば発売日からの時間の経過とともに価値の薄れる商品(書籍や音楽CD等))を取引時期に合った適切な価格で売買したいときに価格スライド設定型を利用する。なお、価格スライド設定型でも、依頼者の希望を提示でき、例えば商品が1つしかない場合、期間・価格についての複数の組合せの全てに入札者がついても、依頼者が希望する1つの組合せについた入札者のみ優先的に落札させる優先規則や、各期間毎に落札者を決めるための優先規則の設定もできるようになっている。そして画面Tに必要事項を入力後に「OK」ボタン58を選択すると、画面Tで入力されたデータ内容からなる競り条件データD4がサーバ21に送信される。なお、図6の画面R,Sで設定する項目のうち競り期間以外の項目が取引時期条件に相当し、図8の画面Tで設定する項目のうち競り期間以外の項目が取引時期条件に相当する。また、商品登録データD2、競り条件データD3,D4により依頼情報としての競り依頼情報が構成され、画面R,S,Tが依頼画面に相当する。
【0061】
図10は時間オークションの登録処理手順、図11は期日スライド式時間オークションの処理手順、図12は価格スライド設定型時間オークションの処理手順をそれぞれ示すフローチャートである。
【0062】
はじめに図10に示す時間オークション登録処理手順について説明する。
まずステップ(以下単に「S」と記す)10において、利用者登録(顧客登録)をする(図4)。S20では、商品登録をする(図5)。
【0063】
S30では、時間スライド方式と価格スライド設定型のどちらが選択されたかを判断する。図5の商品登録画面Q中の選択項目Q8で、固定価格または最低価格が選択されたときは時間スライド方式が選択されたと認識し、図6の時間競り方式選択画面Rが表示される。また選択項目Q8でスライド価格が選択されたときは価格スライド設定型が選択されたと認識し、図8のスライド価格設定画面Tが表示される。
【0064】
S40では、時間スライド方式を選定する(図6)。売り手と買い手はそれぞれ図6の画面Rに表示される4種類の時間競り方式、つまり期日前倒し方式、期日遅延方式、期日前接近方式、期日後接近方式の4種類の中から一つを選択する。なお、この例では時間競りの基準時を期日としているが、基準時は、時間、分、秒、週、月、年の単位で設定する機能を採用することもできる。そしてこのとき4種類の中から選択した時間スライド方式の基準時となる期日を、図6の入力欄S1に設定する。
【0065】
S50では、支払または商品引渡について取引日の意味する具体的な内容を詳細設定する。例えば依頼者が売り手であり取引日を入金日としたいときは入力欄S2で「入金」を選択する。また依頼者が買い手であり取引日を入荷日としたいときは入力欄S3で「入荷」を選択する。
【0066】
S60では、選択項目S5で絞込み条件を設定する。例えば資金調達を早くしたい売り手にとっては、入金日さえ確保されれば希望価格よりもより高い値段で買ってくれる取引相手に落札されることが有利であるし、また商品をできるだけ長く手元に置いておきたい売り手にとっては支払日よりも遅い商品引渡日を提示してくれる取引相手に落札されることが有利である。そこで、取引日で落札枠人数を超える複数の入札者が競合した場合、依頼者にとってより有利な条件を提示してくれる入札者に絞り込むための情報を入札者に提示してもらうため、画面Sの「入札者からの条件提示」の項目で「可」を選ぶ。そして依頼者が売り手であれば入札者(買い手)に提示してもらう情報として例えば「価格」と「商品引渡日」の項目を選択し(図6参照)、また依頼者が買い手であれば入札者(売り手)に提示してもらう情報として例えば「価格」と「支払日」の項目を選択する。
なお、画面Rでの入力内容や画面Sで指定した期日が落札条件に相当する。
【0067】
一方、価格スライド設定型が選択された場合は、S70において、図8のスライド価格設定画面Tでスライド期間を設定する。例えば第1期間〜第3期間の3期間を設定する。なお、スライド期間の設定数は3期間以下に限らず、4期間以上の設定も可能である。またスライド期間は年、月、週、日、時、分、秒のうちの任意の時間単位で設定できる。なお、画面Tでの入力内容が落札条件に相当する。
【0068】
次のS80では、スライド価格を設定する。すなわち、先に設定した各期間に連動してスライドするように各期間に対応する価格を設定する。価格スライド設定型は、例えば製造会社(メーカ)が新製品の注文予約や売れ行き予測をするために時間オークションを利用するときに使用される。スライド期間としては、新製品の発売期と、製品の人気が落ち出す販売中期と、次期新製品が出る前の販売終期を設定し、各期間別のスライド価格としてそれぞれ標準価格、値引価格(例えば1割引)、処分価格(例えば3割引)を設定する。メーカーにとっては発売日から長期注文予約ができることで生産計画が立ち易く、また注文結果から売れ行き予測をして生産計画の見直しに役立てることが可能である。
【0069】
S90では、競り期間を設定する。時間スライド方式では図6の画面Sで競り期間が設定され、価格スライド設置型では図8の画面Tで競り期間が設定される。画面S,TでOKボタン57,58を選択し、ここまでのデータを送信する。
【0070】
S100では、手数料を納付する。また商品が高価で一定価格を超える場合は、手数料に加え証拠金を支払う。
S110では、手数料(証拠金含む)の納付が確認されれば、時間オークションを開始する。つまり時間オークションHPにアクセスすれば商品やその売買条件がネットワークNを介して端末30の画面で見られるようになり、売り手が提供した商品が競りにかけられ、あるいは商品の購入条件を提示した買い手が逆競りにかけられる。また、このとき受信した競り条件データD3,D4は時間スライド方式や価格スライド設定型に関するものが時間競りデータ記憶部45Aに記憶され、絞込みに使われる絞込条件データが絞込データ記憶部45Bに記憶される。なお、S20〜S100の手順が依頼手順に相当する。
【0071】
次に時間オークションに参加する方法を説明する。
図3に示す時間オークションHP(図3)には、有価証券、不動産、分譲マンション、チケット、新製品、骨董・美術品など商品毎に分類されており、競りに参加を希望する商品のボタン51,52をクリックすると、図9に示す商品一覧画面Uが表示される。なお、ボタン51はオークション用、ボタン52は逆オークション用である。
【0072】
商品一覧画面Uには、商品の写真U1,商品コード番号の他に、商品名,希望価格,数量などの商品関連情報と、時間オークション方式,希望取引日(期日),競り期間などの競り条件情報とが各商品毎に表示される。図9の商品一覧画面Uは逆競りの場合も同じ形式で表示される。商品一覧画面Uには商品毎に参加ボタン59が用意されているので、競りに参加する場合は参加ボタン59を選択する。ボタン59を選択すると競り参加画面Vが表示される。
【0073】
図9に示すように競り参加画面Vには、商品コード番号,商品名,希望価格,取引日の詳細定義(ここでは「入金」),時間オークション方式(ここでは「期日前倒し」)、期日などの商品競り条件情報V1が表示されるとともに、入力欄V2〜V5、取引数量の入力欄(図示省略)が用意されている。この画面Vは買い手用画面で、取引日に用意された支払の選択項目V3には、売り手が入金を希望する場合は「入金」のみ入力できる。また条件提示用の入力欄V4,V5は売り手が入札者からの条件提示を条件としている場合に表示され、条件提示をする場合は、条件提示の選択項目V6で「する」を選択した後、入力欄V4,V5に提示できる条件(価格と商品引渡日の少なくとも一方)を入力する。そしてこの画面VでOKボタン60を選択すると、競りデータD5がサーバ21に送信され、競り管理DB24に格納される。サーバ21は端末30Bから送信されてきた競りデータを基に落札候補を決める演算を逐次行う。なお、画面U,Vが入札画面に相当し、競りデータD5が入札情報に相当する。
【0074】
次に、期日スライド式時間オークションの処理手順について、図2,図11を用いて説明する。
まずS210においては、競りの応募があったか否かを判断し、応募があればS220で、新規に応募された競りデータを含む全ての競りデータD5を、期日スライド方式の時間条件を満たす優先順に配列する演算処理を行い、入札者を優先順に配列した優先リストを作成する。詳しくは制御部42は、新規の競りデータを受信すると、商品管理データベース23内の時間競りデータ記憶部45Aから時間条件データ(ここでは時間スライド方式の条件)を読込むとともに、競り管理データベース24からこの商品コード番号に関する全ての競りデータを読込み、これらのデータを用いて時間競り演算部43が各データ中の取引日を時間条件に照らし合わせて比較する演算を行い、優先順に入札者を配列した優先リストを作成する。そして時間条件を最も満たす取引日を提示した入札者を落札候補に選定する。なお、S210で入札者の端末30に画面U,Vを表示させ、競りの応募を受けたときにサーバ21が競りデータD5を受信する手順が入札手順に相当する。またS210〜S280で落札者を決める手順が落札手順に相当する。
【0075】
依頼者(例えば売り手)は、自分の端末30Aで競り状況を画面で確認し、希望する取引日を提示する落札候補が現れれば、競り期間終了前であっても落札の指示をサーバ21に送信する。また依頼者が競り状況を画面で確認しても競り入札者がいなかったり、希望する条件を提示する入札者がなかなか現れなかった場合は、競り期間終了前でも競り条件(期日(期間),価格など)を変更する。
【0076】
S230において、依頼者から落札指示を受信した場合は、S270に進む。
またS240において、依頼者の端末30Aから競り条件変更の指示を受信した場合は、競り条件記憶部45に記憶する競り条件データを変更する。そして依頼者の端末30Aから落札指示がない限り、S260で競り期間の終了の判断をするまでS210〜S260の処理手順を繰り返し、入札者を募る。そしてS260において、競り期間の終了を確認すると、S270に進む。
【0077】
S270では、落札候補数が落札枠人数を超過したか否かを判断する。落札候補数の超過であると判断したときは、S280で絞込処理を行う。
S280の絞込処理は、制御部42が、商品管理DB23内の絞込データ記憶部45Bから絞込条件データを読込むとともに、競り管理DB24からこの商品コード番号に関する全ての競りデータを読込み、これらのデータを用いて落札絞込演算部44が演算を行い、落札候補の中から落札者を絞り込む。そしてS290において、落札結果を依頼者および落札者の各端末30に通知する。その後の取引契約は依頼者と落札者の二者の間で取り交わされる。なお、S210〜S290の手順が落札手順に相当する。
【0078】
次に、価格スライド設定型時間オークションの処理手順について、図2,図12を用いて説明する。
図9と同じ形式の競り参加画面V(但し入力項目は一部異なる)で、入力欄V2,V4に希望する期間と価格の組合せを選択するなど、必要な提示内容を入力してOKボタン60を選択すると、競りデータD5がサーバ21に送信される。
競りデータは競り管理DB24に格納される。
【0079】
まずS310においては、競りの応募があったか否かを判断し、応募があればS320で、新規に応募された競りデータを含む全ての競りデータを、各期間毎に落札優先順に配列する演算処理を行い、優先リストを作成する。詳しくは制御部42は、新規の競りデータを受信すると、商品管理DB23内の時間競りデータ記憶部45Aから時間競り条件データ(ここでは価格スライド設定型の条件)を読込むとともに、競り管理DB24からこの商品コード番号に関する全ての競りデータを読込み、これらのデータを用いて時間競り演算部43が各データ中に提示された取引日を比較演算し、各期間毎に入札者を優先順に配列する優先リストを作成する。そして時間条件を最も満たす取引日を提示した入札者を落札候補に選定する。但し、依頼者の指定した期間のみが時間条件である場合は、競り受け付けの早い順番で優先リストを作成する。この場合は入札者全員が落札することになる。なお、S310で入札者の端末30に入札画面を表示させ、競りの応募を受けたときに競りデータD5をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。またS310〜S400の手順も落札手順に相当する。
【0080】
依頼者(例えば売り手であるメーカー等)は、自分の端末30で競り状況を画面で確認し、予定数の落札候補数が確保されれば、競り期間終了前であっても落札の指示をサーバ21に送信する。また依頼者が競り状況を画面で確認しても入札者が少なかった場合は、競り期間終了前でも競り条件(期間,価格)を変更する。
【0081】
S330において、依頼者から落札指示を受信した場合は、S370に進む。
またS350で依頼者から競り条件変更指示を受信した場合は、競り条件記憶部45に記憶する競り条件データ(期間や価格)を変更する。そして依頼者から落札指示がない限り、S360で競り期間終了と判断するまで、S310〜S360の処理手順を繰り返し、入札者を募る。
【0082】
そしてS360において、競り期間の終了を確認すると、S370で集計データを使って例えば商品の売れ行き予測の分析をする。そしてS380で落札候補数が落札枠人数より多い超過であるか否かを判断する。落札候補数の超過であると判断したときはS390に進む。
【0083】
S390の絞込処理は、時間競り演算部43が演算して作成した優先リストを基に上位から落札枠人数を落札者として絞り込む。そしてS400において、落札結果を落札者の端末30Bに通知するとともに、依頼者の端末30Aには落札結果および必要に応じて集計データやその分析結果を通知する。その後、依頼者と落札者の間で取引契約が取り交わされる。
【0084】
また価格スライド設定型オークションのやり方として、売り手は段階的な期間のみを提示し、買い手が各期間から選んだ一つの期間と価格(買値)を提示する競り方式をとることもできる。さらに他のやり方として、売り手は段階的な価格のみを提示し、買い手が各価格から選んだ一つの価格と取引日を提示する競り方式をとることもできる。もちろん、買い手が価格スライド設定型時間オークションの依頼者になることもできる。
【0085】
また、例えば図13に示すように依頼者が落札を決める条件の要素の優先順位を設定する落札優先順位設定画面WAを用意してもよい。設定画面WAには複数の入力欄WA1〜WA4が用意されており、例えば図6の画面R,Sと共に用いる。依頼者は落札者を決めるうえで優先する要素の順位を登録しておき、例えば画面WAでOKボタン61を選択すると、サーバ21へ優先条件データDaが送信される。例えば入力欄WA1に「取引日」、入力欄WA2に「価格」を設定しておけば、取引日が最優先されてこのとき同じ取引日で複数人が競合したときに優先順位2番目以下の価格などの要素を基に絞込みが行われ、依頼者の希望する優先順位に応じた有利な取引相手が特定される。また例えば入力欄WA1に「価格」、入力欄WA2に「取引日」を設定した場合は、価格が最優先されてこのとき同じ価格で複数人が競合したときに優先順位2番目以下の取引日などの要素を基に絞込みが行われ、依頼者の希望する優先順位に応じた有利な取引相手が特定される。この場合も取引時期は考慮されるため、依頼者は取引日についても有利な条件を提示する取引相手を探すことができる。なお、優先順位に設定する要素としては、取引日や価格以外に数種の要素が用意されている。
【0086】
また、サーバ21が落札者を決定する方法に代えて以下のように取引相手を落札することもできる。例えばサーバ21は、入札者から提示された情報をそのままリストにして、あるいは入札者から提示された情報を基に落札候補上位者を例えば依頼者が指定した一定人数以内に絞り込んだ優先リストにして、依頼者側の端末30Aに送信する。そして依頼者側の端末30Aには図14に示すようなリスト画面XAが表示される。この画面XAにはリストXA1、落札者選択用の入力欄XA2、OKボタン62が用意されている。リストXA1には、優先順位番号、コード番号、取引日(入札者提示日)、入札者提示条件(価格,商品引渡日等)が示されている。
【0087】
依頼者はこの画面XAのリストXA1の中から取引日などの提示条件を検討して自分にとって有利な落札者を決定し、入力欄XA2に例えば落札者の優先順位番号を入力し、OKボタン62を選択する。すると、サーバ21は依頼者と落札者に落札の旨を通知をする。このように依頼者側の端末30AでリストXA1を見ることができれば、依頼者は入金提示日が同じであっても取引日以外の価格など他の要素で有利な条件を提示してくれる相手を選ぶことができ、また取引日が少し遅くても価格や商品引渡日の面で譲歩してくれる相手を選ぶことができる。
なお、リスト画面XAが閲覧画面に相当する。
【0088】
従って、この第1の実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)依頼者が取引時期条件を提示して取引時期を競りの対象として商品や買い手を競り落とす時間オークションを採用したので、依頼者が商品引渡日や代金支払日などの取引時期について依頼者各人の事情に応じた希望にかなう取引相手を探し出すことができる。
【0089】
(2)時間スライド方式を採用したので、依頼者にとってできるだけ有利な取引日を提示した入札者を取引相手とすることができる。また4種類の時間スライド方式を用意したので、期日に対して時間軸をスライドさせる方法を依頼者の事情に応じて4種類の中から選択できるので、依頼者にとって有利な取引日を提示した取引相手を探し出すことができる。
【0090】
(3)価格スライド設定型を採用したので、期間と価格の組合せからみて希望にかなう取引相手を探し出すことができる。例えば発売日から時間が経過するにつれて人気が薄れて価値が下がる商品(書籍や音楽CD等)を、時期に応じた適切な価格で売買することができる。また企業が新製品の注文予約を募るために価格スライド設定型を利用すれば、発売日の予約の集中を分散し易く、また競り結果の集計データやその分析結果の提供を受けることで売れ行き予測ができ、これを生産計画の見直しに役立てられる。
【0091】
(4)入札者側から条件を提示できるようにしたので、入札者が競合した場合でも、取引時期以外の価格などの他の要素を基に依頼者にとって有利な取引相手を絞り込むことができる。また入札者にとっても、他の入札者より有利に立てる条件を提示する機会が与えられることによって、欲しい商品や買い手を落札し易くできる。
【0092】
次に、第1実施形態で使用した以下の語句の定義を説明する。
(1) 「取引時期」:取引の契約が取り交わされる時期に限らず、支払日、商品受け渡し日などのように実際に取引が行われる日を含む広い概念である。
【0093】
(2) 取引時期の「時期」:年、月、週、日、時、分、秒の時間単位で特定される時期、また時間の幅をもつ期間を含む概念である。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図15〜図23に従って説明する。
【0094】
前記第1実施形態が競りの対象とする要素が取引時期である時間であったが、本実施形態は、位置、距離、時間を価格以外の要素として競りを行う。時間は取引時期ではなく所要時間である。所要時間は例えばタクシーが到着するまでの待ち時間が挙げられる。
【0095】
位置オークションには、タクシーなど有料で送迎をしてくれる乗り物を手配するための業務用オークションが用意されている。例えばタクシー会社はこの位置オークションに利用者登録し、この位置オークションを通じて効率よく顧客の提供を受ける。また顧客も利用者登録をして位置オークションを利用する。
【0096】
次に位置オークションについて具体的に説明する。
オークション管理システム(仲介管理サーバシステム)20は、サーバ21と、表示装置70、キーボードやマウスなどからなる入力装置71とを備え、サーバ21は3つのデータベース22,23,24と接続されている。サーバ21はインターネットNに接続されており、インターネットNを通じて第三者の端末30と通信可能に接続されている。例えば複数のタクシー会社のパーソナルコンピュータ(以下単にパソコンという)72がインターネットNに接続されており、サーバ21と通信可能となっている。例えばサーバ21による顧客提供サービスを受けられるのは、予め利用者登録を済ませたタクシー会社(個人タクシー含む)のみである。またインターネットNには接続された顧客用端末30はサーバ21と通信可能となっている。顧客用端末30にはパソコン73の他にインターネット通信可能(例えばiモード対応)な携帯電話74が挙げられる。各タクシー会社のパソコン72には送受信機75が接続されており、その会社に所属する各タクシー76に備えられた送受信機77との間で無線通信が可能となっている。
【0097】
図17(a)に示すように、各タクシー76には、GPS衛星の電波利用による位置測定を行うGPS(全地球測位システム)78が搭載されており、タクシー76はGPS78により自車の現在位置を正確に測定され、その位置情報は送受信機77,75間の無線通信を介してタクシー会社に送信されるようになっており、パソコン72は自社に所属する全てのタクシー76の現在位置を正確に認知する。また図17(b)に示すように、顧客が所有する携帯電話74はGPS79を内蔵する位置測定対応型のものとなっている。このため、携帯電話74を持ち歩く顧客の現在位置は、携帯電話74に内蔵されたGPS79により必要時に逐次測定されるようになっている。
【0098】
オークション仲介会社のサーバ21は、オークション用の各種プログラムをメモリに記憶している。その中にオークション用プログラムがある。このプログラムは、顧客の位置情報を各タクシー会社にインターネットNを通じて知らせ、その顧客を競り落とすオークションを行うもので、各タクシー会社は、自社のタクシー位置情報を提示してオークションに参加し、サーバ21はタクシー位置情報を基に顧客に落札条件として最も近い距離にいるタクシー76を割り出し、これに落札させるものである。
【0099】
タクシー会社のパソコン72は、自社に所属する各タクシー76の現在位置および現在状況を、各タクシー76からの情報を基に把握している。現在状況とは、自動車の状況(顧客乗車中,顧客まで移動中,洗車中,ガソリン不足,給油中等)、運転者の状況(休憩中,食事中等)、道路状況(工事中、渋滞中等)などで、たとえ近くにいても顧客までの到着時間が遅くなる要因については位置(距離)に加えて考慮する。状況情報は、各タクシー会社の管理人が無線通信で得た情報をパソコン72に入力するか、または送受信機75が受信したアナログデータをデジタル変換してパソコン72に取り込む。但し、運転者の手を煩わさずに自動でパソコン72に送信できるようにする方がよい。例えばタクシー76に各種センサを取付けるなどして所定状況を検出してプログラム等を利用して自動的に状況データをパソコン72に逐次送信する構成を採用する。状況自動検出方法の構成としては、例えばガソリン不足検出にはガソリン量検出センサ、顧客有無確認検出にはタクシーメータ作動検出センサや座席センサなどの各種センサを用いる。また運転手のスケジュール管理データを記憶しておき時計機能の時刻と照合させることで休憩時間か就業時間かを判別する仕組み(プログラム)を利用する。また道路に設置された交通量調査装置で検出した道路交通管理機関から提供される渋滞情報や工事情報を基に道路の混み具合などを把握する。
【0100】
図16は、オークション管理システム20の機能構成図である。オークション管理システム20は通信部81、制御部82、位置競り演算部83および落札絞込演算部84を備える。通信部81、制御部82、位置競り演算部83および落札絞込演算部84はサーバ21により構成される。通信部81は所定の通信手順(HTTP)で動く。また商品管理DB23は競り条件記憶部85を備え、競り条件記憶部85には位置競りデータ記憶部85Aと絞込データ記憶部85Bが用意されている。制御部82および各演算部83,84は、位置オークションで落札者を特定するための演算制御などに使用され、この演算に各記憶部85A,85Bに記憶された各種データが使用される。
【0101】
仲介会社のサーバ21には、オークションホームページ(HP)(サイト)が置かれ、ネットワークNを通じて利用者(顧客)は端末30からブラウザソフトを用いて画面上に図18に示すオークションHPを表示させて閲覧する。オークションHPには、前記第1実施形態では競りの対象が「時間」であった要素が「位置」に置き換わっただけで、図4に示す利用者登録画面P、図5に示す商品登録画面Qなど各種画面が同様にリンクされている。サーバ21のハードディスクには、各種画面HP,P,Q,F,G等の画面データ、画面の表示等に用いるプログラム(例えばHTML記述プログラム)やオークションの演算処理に用いるプログラムが記憶されている。
【0102】
図18に示すようにオークションHPにはオークション用の商品・役務別に分類された多数の選択ボタン51と、逆オークション用の商品別に分類された多数の選択ボタン52が同様に用意されている。競りに参加を希望する者(入札者)は、希望する商品分類の選択ボタン51,52を選択する。ただし同図では商品役務分類は一部のみ示している。また利用者登録ボタン53と商品登録ボタン54が用意されており、各ボタン53,54を選択することで登録画面P(図4)と登録画面Q(図5)がそれぞれ表示されて、各画面P,Qから入力したデータをサーバ21に送信することで利用者登録や商品・役務登録がなされる。商品には情報提供も含まれる。位置オークション中には、タクシーなど有料で送迎する乗り物を提供する業者などが登録する業務用位置オークション(逆オークション)が用意されている。例えばタクシー会社はこの位置オークションに利用者登録し、この位置オークションを通じて顧客の提供を受ける。この実施形態では、タクシーを例にしているが、集配車など顧客の元に、または顧客の近くの所定場所に来てくれてサービスをする移動体(車両等)であれば何にでも適用できる。
【0103】
オークションHPには「タクシー」ボタン88があるのでこれを顧客は選択する。そして次画面の図19に示すタクシー手配画面Fで、必要事項を入力する。すなわち、画面Fには、顧客の乗車位置を指定するためのGPSボタン91、電話番号入力欄F1、文字入力欄F2が用意されている。また顧客特徴連絡、希望乗車時刻(何分以内等)、乗車人数、行先の入力欄F3〜F6、タクシーランク(大型・中型・小型車、料金ランク等)を指定するランクボタン92、ID番号入力欄F7が用意されている。ここで、GPSボタン91は、GPS対応の携帯電話74を使用するときは、予めGPS79と対応付けさせておけば、このボタン91を操作するだけでGPS位置データが登録されるものである。その他の位置を特定する方法として自宅や建物等の電話番号を入力することもできる。サーバ21は電話番号から住所を特定するシステム(電話番号検索サービス会社)と接続されており、電話番号が分かれば位置が特定されるようになっている。また文字入力欄F2には、住所や地名、目印となる待ち合わせ場所などの文字情報を入力する。特徴連絡入力欄F3には、自分(顧客)の目印となる特徴を知らせる内容を記入する。なお、タクシー手配画面Fが依頼画面に相当する。
【0104】
これらの必要事項を入力後、送信ボタン93を選択して送信すると、競り依頼情報としてのこれらの顧客情報データはインターネットNを介してサーバ21に送信される。サーバ21は顧客情報を基にオークションプログラムを立ち上げて広くタクシー会社のパソコン72に対し位置オークションへの参加を呼びかける。
【0105】
タクシー会社のパソコン72は常時立ち上げられていて、新規のオークション情報を受信するとその旨を操作者(パソコン管理者)に音・表示等で知らせる。サーバ21からはこのとき図20に示すようなオークション参加画面Gが提供される。
【0106】
図20に示すオークション参加画面Gには、顧客位置(乗車場所)、人数、ランク、行先、乗車時刻など顧客情報を提示する表示欄G1〜G5が用意されている。また地図表示欄G6が用意されており、この中には顧客のいる位置の周辺の地図(地図情報)が表示され、その地図上に顧客位置(乗車場所)(同地図上における黒丸)が表示され、顧客の詳細位置が地図上で視覚的に確認できるようになっている。この画面Gには、「タクシー位置」、「状況」を入力するための入力欄G7,G8が用意されている。オークションに参加するには顧客を極力待たせないために時間制限があり、残り時間を知らせる表示欄G9も用意されている。オークションに参加する場合は、時間制限内に入力欄G7,G8に必要データを入力して参加ボタン94を選択する。なお、オークション参加画面Gが入札画面に相当する。
【0107】
タクシー会社のパソコン72は、全てのタクシー76の位置・状況を把握しており、これらのデータと顧客位置(または乗車位置)から最も短時間で顧客の元に到着できる最適なタクシー76を割り出し、そのタクシーのタクシー位置,状況を入力欄G7,G8に入力してそのタクシーを顧客を落札するためのタクシーとして競りに参加する。状況とは例えば「直行可能」「○○給油所で給油時間3分」「休憩時間中で5分後出発可能」「顧客乗車中」などである。例えばこの種の状況を数値化した状況データをサーバ21に送信し、サーバ21がタクシー位置と状況データを基に最も顧客の元に早く到着できるタクシーを割り出してそのタクシーに顧客を落札させる方法を採る。もちろん、状況判断はタクシー会社が全て行い、状況が悪く到着までに(制限時間)が過ぎるものについては不参加の判断をし、参加可能なタクシーのうち最適なものをオークションに参加させる方法を採用することもできる。この場合、状況判断はタクシー会社の責任下で行い、顧客を待たせた場合はペナルティが科せられるようにしてもよい。この構成だと純粋に位置のみで競り合う位置オークションとなる。
【0108】
タクシー状況も全てサーバ21が判断して顧客の元に最も早く到着できるタクシーを割り出す方法を採用することもできる。その方法としては、タクシー会社の管理人が予め決められた状況項目のうち該当する状況を文字情報で入力欄G8に入力してサーバ21に知らせる方法が比較的現実的である。しかし、この方法だと人手がかかり非効率的であるので、各タクシー76や各種施設から通信で得られる状況情報(自動車状況情報,運転者状況情報,道路状況情報)を基にパソコン72が状況判断する構成とすることが効率面から望ましい。この場合、この種の状況を距離換算して現実の位置にその補正分の距離を加えた位置でオークションに参加する構成をとることもできる。なお、状況情報が時間変動要因情報に相当する。
【0109】
サーバ21は、各タクシー会社のパソコン72(あるいは個人タクシーの携帯情報端末(例えばモバイル,携帯電話))から受信した情報(入札情報)を用いて、これらの情報に所定の処理を施して、顧客の指定する場所に最も短時間に到着できるタクシー76を特定する。サーバ21は各タクシー会社の料金体系データを記憶しており、所要時間が所定範囲内でほぼ一致する場合は、料金が安く済む方を自動的に割り出してそちらに落札させる。
【0110】
最も短時間に顧客の元に到着できるタクシーの特定方法を次に説明する。
サーバ21は、タクシー位置と顧客位置の各データを基に、地図上で2点間距離を割り出す。例えば図21(a)に示すように、Y地点でタクシー76を待つ顧客に対し、Z1,Z2,Z3,Z4計4台のタクシー76が入札に参加した場合、各タクシーZ1,Z2,Z3,Z4と顧客との間の距離a,b,c,dをそれぞれ演算する。この場合、直線距離を用いてもよいが、本実施形態では、より正確な距離を求めるために地図上の距離を使用する(但し、図21では模式的に直線で示している)。純粋な位置オークションの場合は、この距離を比較し一番短いものに顧客を落札させる。
【0111】
位置以外の状況情報をも考慮する場合、サーバ21は、位置から単純に決まる距離データに加え、一方通行などの交通情報や、交通調査機関からのデータを基に逐次取得した工事中情報・渋滞情報を考慮して、推定される所要時間を計算する。また、文字情報あるいは数値データなどからなる状況データに所要時間への換算処理を施し、その換算時間を先に求めた所要時間に反映させて推定所要時間を求める。
【0112】
図21(a)は、タクシーの現在位置と顧客位置との距離から見る方法であったが、図21(b)はタクシーの予定移動経路の途中位置と顧客との距離を見る方法であり、これを移動中の位置オークションと呼ぶことにする。移動中の位置オークションについては後述する。
【0113】
サーバ21は、競りに参加した複数台のタクシー76のうち推定所要時間が最も短かったタクシー76に顧客を落札させる。落札したタクシー76が決まると、タクシー会社のパソコン72(個人タクシーの場合は携帯電話等)に落札した旨と顧客の特徴(目印)などその他必要事項をインターネットN等を通じた通信により知らせる。落札の旨を受信したタクシー会社は、該当するタクシー76にその旨を伝え、そのタクシー76は顧客の指定した場所に急行する。
【0114】
次に位置オークションの手順フローを、図22に基づいて以下に説明する。なお、手順フローはサーバ21の処理手順を必ずしも示すものではなく、タクシー会社と仲介会社間のやり取りなど位置オークション全体の手順(流れ)を示すものである。
【0115】
S510では、顧客からの依頼があったか否かを判断する。顧客からの依頼が無ければ、依頼があるまで待機する。なお、S510で顧客の端末に依頼画面を表示させ、その顧客情報をサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0116】
S520では、顧客位置を確認する。
S530では、インターネットを通じて顧客情報を配信する。
S540では、位置オークションに参加する。なお、S530で顧客の端末に入札画面を表示させ、S540で位置オークションに参加した入札者から入札情報をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。またS540〜560の手順が落札手順に相当する。
【0117】
S550では、所定時間が経過したか否かを判断する。つまり位置オークション参加締め切りまでの残り時間がなくなったか否かを判断する。
S560では、一番距離の近い位置を提示した者に落札させる。現在(競り参加時)のタクシー位置が位置データとして採用され、各タクシー位置と顧客位置間の距離が最も近いタクシーが顧客を落札する。また状況データが考慮されるときは、位置に加え状況が考慮されてその位置から顧客位置までの移動に要する推定所要時間が最も短いタクシーが顧客を落札する。
【0118】
S570では、落札したタクシーにその旨を知らせる。すなわちタクシー会社のパソコン72に落札の旨を知らせ、パソコン72を介して落札したタクシー76に落札した旨の情報を提供する。落札の知らせを受けたタクシー76は、パソコン72から得た顧客位置情報等を基に顧客の指定する場所に急行する。よって、顧客は最も短時間でタクシー76を呼ぶことができる。
【0119】
S580では、顧客にタクシーの情報を知らせる。つまり、顧客はどのタクシーが迎えに来るのか分からないので、タクシーを確認できる情報(タクシー会社やタクシー色等)を顧客に知らせる。
【0120】
以下、移動中の位置オークションについて説明する。
タクシーが目的地に向かう経路の途中で顧客を拾えたり、集配車が予定集配経路上で余分に集配荷を得ることができれば、効率よく顧客や集配荷を獲得でき、しかも顧客にとっては早くタクシーを捕まえることができ、また早く荷物を集配してもらうことができる。このようなことを目的として、車両(タクシー等)の移動経路の途中で最も近くの位置から乗車する顧客を競り落とす、あるいは顧客にとって最も近くを移動中の車両を競り落とすのが移動中の位置オークションである。この場合、顧客はタクシーを利用したい場所(乗車位置)・時刻を指定してタクシーを手配できればそれでよく、オークション時にタクシーは遠くにいても構わない。
【0121】
サーバ21がメモリに記憶する移動中位置オークションのための各種プログラムは、基本的に位置オークションと同様であるが、画面G(図20)にはその他に移動中の移動経路を特定するための情報の入力欄と、移動経路をどのような時刻に通るかの情報(例えばある時刻の位置データ)の入力欄とが余分にある。サーバ21は移動経路データと移動時刻データとから、顧客が指定する場所・時刻に、どのタクシーが最も近い位置を通ることになるかを、位置オークションと同様の手法で特定し、最も近くを通ることになるタクシー(又は集配車)が顧客を落札することになる。逆に顧客が依頼者であれば最も近くを通るタクシー(又は集配車)を落札する。なおここでは、移動経路データと移動時刻データも被換算情報を構成する。
【0122】
詳しくは図21(b)に示すように、Z1,Z2,Z3の3台のタクシー76が同図に各々示す移動経路で移動する場合、それぞれ移動途中の各タクシー76が時刻tに通る場所(位置)を算出し、その時刻tにおいて顧客のY地点から最も近くの場所を通るタクシー76がその顧客を落札する。逆に顧客はその時刻に最も近くを通るタクシー76を落札する。図21(b)の例では、時刻tにおける位置(同図中の点線位置)が最も顧客に近いタクシーZ1が顧客を落札することになる(但し状況を考慮しない場合)。この場合も、単純に位置のみで判断する純粋な位置オークションとすることもできるし、本例のようにタクシー状況や交通状況等の状況判断をして推定所要時間を求めることもできる。
【0123】
次に移動中位置オークションの手順フローを、図23に基づいて以下に説明する。なお、手順フローはサーバ21の処理手順を必ずしも示すものではなく、位置オークション全体の手順(流れ)を示すものである。
【0124】
S610では、顧客からの依頼があったか否かを判断する。顧客からの依頼が無ければ、依頼があるまで待機する。なお、S610で顧客の端末に依頼画面を表示させ、その顧客情報をサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0125】
S620では、顧客位置を確認する。
S630では、インターネットを通じて顧客情報を配信する。
S640では、位置オークションに参加する。なお、S630で顧客情報を配信して入札者の端末に入札画面を表示させ、S640で位置オークションに参加した入札者から入札情報をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。またS640〜660の手順が落札手順に相当する。
【0126】
S650では、所定時間が経過したか否かを判断する。つまり位置オークション参加締め切りまでの残り時間がなくなったか否かを判断する。
S660では、一番距離の近い位置を提示した者に落札させる。この際、移動経路から推定される乗車時刻tにおけるタクシー位置が位置データとして採用される。各タクシー位置と顧客位置間の距離が最も近いタクシーが顧客を落札する。また状況データが考慮されるときは、位置に加え状況が考慮されてその位置から顧客位置までの移動に要する推定所要時間が最も短いタクシーが顧客を落札する。
【0127】
S670では、落札したタクシーにその旨を知らせる。すなわちタクシー会社のパソコン72に落札の旨を知らせ、パソコン72を介して落札したタクシー76に落札した旨の情報を提供する。落札の知らせを受けたタクシー76は、パソコン72から得た顧客位置情報等を基に顧客の指定する場所に急行する。よって、顧客は最も短時間でタクシー76を呼ぶことができる。
【0128】
S680では、顧客にタクシーの情報を知らせる。つまり、顧客はどのタクシーが迎えに来るのか分からないので、タクシーを確認できる情報(タクシー会社やタクシー色等)を顧客に知らせる。
【0129】
従って、この第2実施形態によれば以下の効果が得られる。
(5)顧客はタクシ−を呼ぶときに最も早く来てくれるタクシーを依頼することができる。またタクシー会社にとっては顧客の最も近くにいるタクシーを効率よく配車することができる。
【0130】
(6)移動中位置オークションでは、タクシーや集配車などの車両の移動経路の途中に顧客がある場合にはその移動途中に顧客を拾うことができるので、効率よく顧客を獲得できる。しかも顧客にとっても待ち時間が少なくて済む。
【0131】
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図4,図15〜図17,図19〜図21,図24〜図31に従って説明する。本実施形態では、競りの対象が要素としての位置である点が前記各実施形態と異なっている。
【0132】
位置オークションを実施するオークションシステムは図15に示す構成と基本的に同様である。位置オークションとは、依頼人が提示した位置の要望をネットワークを通じて第三者の端末に送信して広く入札を募り、応募のあった入札情報を基に位置で競りをし、依頼人の要望を最も満たす位置を提示した入札者が落札する競り方式である。依頼人の要望には、依頼人自らが提示する要望と、依頼人の依頼内容(依頼目的)から当然のこととして競り仲介業者が予め用意した要望とがある。
【0133】
位置オークションは、買い手と売り手など互いに取引相手となる双方を引き合わせる位置の競りであり、取引対象として商品及び役務(サービス)などあらゆるものを対象とする。位置オークションには、タクシーなど有料で送迎をしてくれる乗り物や、荷物等を取りに来てくれる集配車などを手配するための業務用のオークションが用意されている。例えばタクシー会社はこの位置オークションに利用者登録し、位置オークションを通じて効率良く顧客の提供を受ける。
【0134】
次に、位置オークションについて具体的に説明する。図15は、顧客またはタクシー会社のうち一方が他方をネットワーク(本例ではインターネット)を介して所定の位置条件を最も満たす取引相手を選ぶための位置オークションシステムを示す。
【0135】
図15に示すように、オークション管理システム(仲介管理サーバシステム)20は、サーバ21と、表示装置70と、キーボードやマウス等からなる入力装置71とを備え、サーバ21は3つのデータベース22,23,24と接続されている。サーバ21は、インターネットNに接続されており、インターネットNを通じて第三者の端末30と通信可能に接続されている。例えば、複数のタクシー会社のパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)72がインターネットNに接続されており、サーバ21と通信可能となっている。例えば、サーバ21による顧客提供サービスを受けられるのは、予め利用者登録を済ませたタクシー会社(個人タクシー含む)のみである。
【0136】
また、インターネットNに接続された顧客用の端末30は、サーバ21と通信可能となっている。顧客用の端末30には、パソコン73の他にインターネット通信可能な携帯電話74が挙げられる。各タクシー会社のパソコン72には、送受信機75が接続されており、その会社に所属する各タクシー76が備える送受信機77との間で無線通信が可能となっている。
【0137】
タクシー76に搭載される送受信装置や、携帯電話74の構造は図17に示す構成とほぼ同様である。図17(a)に示すように、各タクシー76には、複数の衛星から送信される電波(信号)により位置測定を行うGPS(全地球側位システム)78が搭載されており、タクシー76はGPS78により自車の現在位置を正確に測定し、その位置情報は送受信機75,77間の無線で各タクシー会社に送信されるようになっている。タクシー会社のパソコン72は、GPS78から出力される位置情報を基に自社に所属するすべてのタクシー76の現在位置を正確に認知する。また図17(b)に示すように、顧客が所有する携帯電話74はGPS79を内蔵する位置測定対応型のものとなっている。このため、携帯電話74を持ち歩く顧客の現在位置は、携帯電話74に内蔵されたGPS79により必要時に逐次測定される。
【0138】
図15に示すサーバ21は、オークション用の各種プログラムをメモリに記憶している。その中にオークション用プログラムがある。このプログラムは、顧客の位置情報を各タクシー会社にインターネットNを通じて知らせ、その顧客を競り落とすオークションを行うもので、各タクシー会社は、自社のタクシー位置情報を提示してオークションに参加し、サーバ21はタクシー位置情報を基に顧客に最も近い位置にいるタクシー76を割出し、これに落札させるものである。
【0139】
タクシー会社のパソコン72は、自社に所属する各タクシー76の現在位置および現在状況を、各タクシー76からの情報等を基に把握している。現在状況とは、自動車の状況(顧客乗車中、顧客位置まで移動中、洗車中、ガソリン不足、給油中等)、運転者の状況(休憩中、食事中等)、道路状況(工事中、渋滞中、事故等)などで、たとえ近くにいても顧客までの到着時間が遅くなる要因については現在状況を加えて考慮する。
【0140】
自動車の状況や運転者の状況等のコンディション情報や、道路状況などの道路情報は、各タクシー会社の管理人が無線通信で得た情報をパソコン72に入力するか、あるいは送受信機75で受信したアナログデータをデジタル変換してパソコン72に取り込む。但し、運転者の手を煩わさずに自動でパソコン72に送信されるようにしている。例えば、タクシー76に各種センサを取付けるなどして所定状況を検出し、その検出値を基にプログラム等を利用して自動的に状況データをパソコン72に逐次送信する構成を採用する。なお、この例では被換算情報は、コンディション情報と道路情報により構成される。
【0141】
この自動車状況や運転者状況等のコンディション情報および道路情報を自動で検出する状況自動検出方法の構成としては、例えばガソリン不足検出にはガソリン量検出センサ、顧客有無確認検出にはタクシーメータ作動検出センサや座席(着座)センサ等の各種センサを用いる。また、運転手のスケジュール管理データを記憶しておき、時計機能の時刻と照合させることで休憩時間か就業時間かを判別する仕組み(プログラム)を利用してもよい。また、道路に設置された交通量調査装置で検出した道路交通管理機関から提供される渋滞情報や工事情報を基に道路状況を把握する。各タクシー76からの位置・状況データはデジタルデータとしてタクシー会社のパソコン72に取り込まれるようにする。また道路交通管理機関からの道路情報についてはサーバ21が管理する構成としている。
【0142】
位置オークションに用いられるオークション管理システムは、図16に示す構成とほぼ同様である。図16に示すように、オークション管理システム20は、通信部81、制御部82、位置競り演算部83および落札絞込演算部84とを備える。通信部81、制御部82、位置競り演算部83および落札絞込演算部84は、サーバ21により構成される。通信部81は所定の通信手順(HTTP)で動く。また、3つのデータベース21〜23のうち商品管理DB23は競り条件記憶部85を備え、競り条件記憶部85には位置競りデータ記憶部85Aと絞込データ記憶部85Bが用意されている。制御部82および各演算部83,84は、位置オークションで落札者を特定するための演算制御等に使用され、この演算に各記憶部85A,85Bに記憶された各種データが使用される。
【0143】
サーバ21には、図24に示す位置オークションホームページ(HP)が置かれ、インターネットNを通じて利用者(顧客)は端末30からブラウザソフトを用いて画面上に図24に示す位置オークションHPを表示させて閲覧する。位置オークションHPには、前述した図4と同様の利用者登録画面P、同じく図19と同様のタクシー手配画面R、図20のオークション参加画面Gや、図25に示す商品役務登録画面Hなど各種画面がリンクされている。サーバ21のハードディスクには、各種画面P,R,S,H等の画面データ、画面の表示等に用いるプログラム(例えばHTML記述プログラム)、位置オークションの演算処理に用いるプログラムが記憶されている。
【0144】
位置オークションHPには、取引の対象となる商品・役務別に分類された多数の選択ボタン100,101,102が用意されている。競りに参加を希望する者(入札者)は、希望する商品・役務分類の選択ボタン100,101,102を選択する。またHPには、「利用者登録」ボタン103と、「依頼登録」ボタン104が用意されており、各ボタン103,104を選択することで登録画面P(図4)と登録画面H(図25)がそれぞれ表示されて、各画面P,Hから入力したデータをサーバ21に送信することで商品・役務登録がなされる。
【0145】
図4に示す利用者登録画面Pには、選択項目P1、各種入力欄P2の他に、個人用あるいは業務用を選択する選択項目が用意されており、例えばタクシー76を依頼する依頼者は個人用の選択項目を選択し、タクシー会社は業務用の選択項目を選択してから他の登録を行う。また利用者登録画面Pには、クレジットカード番号などを入力するための入力欄も用意されている。
【0146】
利用者が利用者登録画面Pでこれら全ての項目に必要事項を入力してOKボタン55を選択すると、これら項目および項目P1、入力欄P2に入力された情報からなる利用者登録データD1は、ネットワークNを通じてサーバ21に送信され、3つのデータベース21〜23のうち顧客管理DB21に格納される。サーバ21は所定の手数料(登録料)の納付を確認すると、登録者の端末へ認証番号(IDとパスワード)を送信する。登録者は、位置オークションを利用するときにはこの認証番号を使用する。
【0147】
図25に示すように、商品役務登録画面Hには、商品・役務分類、商品・役務名、希望価格、数量、品質、サービス内容、保管・提供場所(位置)、商品役務情報等の各種入力欄H1〜H8が用意されている。利用者が端末30に表示された商品役務登録画面Hでこれら全ての項目に必要事項を入力して送信ボタン105を選択すると、各種入力欄H1〜H8に入力された情報からなる入札情報としての商品役務登録データD8は、インターネットNを通じてサーバ21に送信され、競り管理DB24に格納される。例えばガソリン、古品、食品等の商品の場合、予約入札を受け付けて予め登録される商品登録時の商品役務登録データD8を入札情報としてオークションが行われる場合もある。このとき、商品役務登録画面Hが入札画面に相当する。
【0148】
図24に示す位置オークションHPには、「直接取引」ボタン106と「情報取引」ボタン107が用意されている。直接取引ボタン106は、商品・役務、あるいは商品・役務の買い手を直接オークションで選ぶときに使用するもので、例えばタクシーや集配車による役務(乗車サービス、集配サービス等)や商品などを直接的に競り落とす取引に用いられる。また情報取引ボタン107は、商品や役務またはその提供者(製造会社,サービス会社等)についての有益な情報を入手したいときに使用されるもので、例えば第三者から情報の提供のみを受ける場合に選択される。
【0149】
位置オークションに参加を希望する者は、直接取引ボタン106か情報取引ボタン107かのうち一方を選択後、希望する商品または役務(例えばタクシーや集配業等)のうち参加を希望する選択ボタン100〜102を選択する。選択ボタン102は「情報取引」にのみ有効なものである。またHPには、依頼者が商品・役務を競り落とす通常オークションか、依頼者が商品・役務の買い手を競り落とす逆オークションかを選択する選択項目108が用意されている。例えばタクシーや集配車を手配することを希望する顧客は「オークション」を選択し、タクシー会社や集配会社は顧客を確保するための「逆オークション」を選択する。そしてこのHPで全ての選択を実行した後、「確定」ボタン130が選択される。
【0150】
なお、顧客の元に、または顧客の近くの所定場所に来てくれるサービスをする移動体は、タクシーや集配車などの車両に限定されず、ヘリコプターや飛行機など何であってもよい。
【0151】
以下、位置オークションについて、HPで「タクシー」のボタン101を選択した場合を例にし、オークションのために用意された画面や処理手順などについて説明する。例えば依頼者(顧客)は、「タクシー」のボタン101を選択し、図19に示すタクシー手配画面Fを端末30の画面に表示して、この画面Fに必要事項を入力する。即ち、画面Fには、顧客の乗車位置を指定するためのGPSボタン91、電話番号入力欄F1、文字入力欄F2が用意されている。また、顧客特徴連絡、希望乗車時刻(何分以内等可)、乗車人数、行先の入力欄F3〜F6、タクシーランク(大型・中型・小型車、料金ランク等)を指定するランクボタン92、ID番号入力欄F7も用意されている。なお、タクシー手配画面Fが依頼画面に相当する。
【0152】
また、画面Fには、顧客がタクシーに希望する位置についての範囲や位置条件を指定するための図26に示す設定枠109も用意されている。この設定枠109には、「範囲なし」ボタン110と「範囲あり」ボタン111が用意されており、乗車位置から希望する範囲内にいるタクシーに限定したい場合は、「範囲あり」ボタン111を選択する。各ボタン110,111の直下には、それぞれ「最も近い」または「最も遠い」を選択する各選択項目112が用意されている。そして「最も近い」を選択すると乗車位置に対して最も近いタクシーが落札され、一方、「最も遠い」を選択すると最も遠いタクシーが落札される。顧客がタクシーを呼ぶときには待ち時間が少ない方がよく「最も近い」を選択するのが当然であるので、その役務の特性から位置条件が当然に限られる場合は、選択項目112を廃止してもよい。なお、ここでは顧客が指定する乗車位置が希望値に相当する。
【0153】
顧客が自分の位置や乗車位置を知らせるために、例えばGPS対応の携帯電話74を使用するとき、画面FのGPSボタン91が予めGPSと対応付けされていれば、このボタン91を操作するだけでGPS位置データが登録(入力)されサーバ21に送信される。その他の位置を特定する方法としては、電話番号入力欄F1に自宅や建物等の電話番号を入力することも可能である。例えばサーバ21は、電話番号から住所を特定するシステム(電話番号検索サービス会社)と接続されており、電話番号から顧客の位置を特定することも可能である。また、文字入力欄F2には、住所や地名、目印となる待ち合わせ場所などの文字情報が入力される。特徴連絡入力欄F3には、自分(顧客)の目印となる特徴を知らせる内容が記入される。
【0154】
ここで、顧客側の希望で設定される範囲の有無や位置条件に応じて図27に示す5種類の競り方式(競り条件(落札優先規則))が決まるようになっている。この5種類の競り方式について図27に従って以下に説明する。但し、依頼者にとって便利な競り方式を広く用意しており、タクシー依頼の例で説明はするものの、中にはタクシー依頼に適さないものがあることを断っておく。
【0155】
まず同図(a)は「範囲なし」かつ「最も近い」を設定した場合で、依頼主(顧客)が指定した乗車位置に対してできるだけ近い位置を提示した者(入札者)ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち最も近い位置を提示したCが落札する。また、同図(b)は「範囲なし」かつ「最も遠い」を設定した場合で、乗車位置に対してできるだけ遠い位置を提示した者(入札者)ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち最も遠い位置を提示したCが落札する。
【0156】
また、同図(c)は「範囲あり」かつ「最も近い」を設定した場合で、顧客が指定したある範囲内において、できるだけ近い位置を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち所定範囲内で最も近い位置を提示したCが落札する。また、同図(d)は「範囲あり」かつ「最も遠い」を設定した場合で、依頼主が指定したある範囲内において、できるだけ遠い位置を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち所定範囲内で最も遠い位置を提示したCが落札する。また、同図(e)は、指定された乗車位置に対し小さい方からか大きい方からかに拘わらず、とにかく近いほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,C,Dのうち最も近い位置を提示したDが落札する。
【0157】
なお、図27(a)〜(d)の競り方式の場合、落札者(各図に示す入札者C,D)が競合したときには、後述する所定のルールを基に落札者を絞り込むようになっている。本例では、顧客は図26に示す設定枠109の「範囲なし」ボタン110を選択し、かつ項目112で「最も近い」を選択したとし、顧客の乗車位置から最も近くに位置するタクシー76を選ぶことにする。
【0158】
タクシー手配画面Fで必要事項を入力後、送信ボタン93を選択して送信すると、その必要事項をデータ内容とする競り依頼情報としての競り情報データD9が、インターネットNを介してサーバ21に送信される。また、オークション管理システム20に備え付けられた入力装置71を利用して、電話80(図15参照)から受け取ったタクシー手配の諸条件を手入力することもできる。サーバ21が受信した競り情報データD9は商品管理DB23に格納される。すなわち競り情報データD9のうち顧客側が指定した乗車位置などの基準位置データ及び位置条件データ(範囲,位置条件等)等が位置競りデータ記憶部85Aに記憶される。
【0159】
また、位置条件を最も満たすタクシーが複数台競合して1台に絞り切れない場合があるので、顧客にとってサービス面等で有利なタクシーが最終的に落札されるような絞り込み条件データが絞込データ記憶部85Bに予め記憶されている。この例では、顧客の乗車位置とタクシーとの間の距離が一定の許容範囲(この範囲を顧客が設定することも可能)内で一致して複数台のタクシーが競合すれば、絞込み条件を加えて1台のタクシーに絞り込む設定としている。サーバ21は、データベース22に各タクシー会社の料金体系やサービスに関する各種データを記憶しており、乗車位置までの距離が許容範囲内で一致する場合は、データベース23から絞込条件を読出してサービスがよく料金が安く済むその絞込条件に適ったタクシーを自動的に割出してそちらに落札させる。
【0160】
サーバ21は、稼動中は常にオークションプログラムを実行しており、依頼者から受信した競り情報データD9を基にそのうちの必要事項をインターネットNを通じて広くタクシー会社のパソコン72に提示して位置オークションへの参加を呼びかける。一方、タクシー会社のパソコン72は、常時、立ち上げられていて、新規のオークション情報を受信すると、その旨を操作者(パソコン管理者)に音や表示等で知らせる。このときパソコン72には、サーバ21から提供された図20と同様のオークション参加画面Gが表示される。なお、このオークション参加画面Gが入札画面に相当する。
【0161】
図20に示すオークション参加画面Gには、希望値(基準位置)としての顧客位置(乗車位置)、人数、ランク、行先、乗車時刻など顧客情報を提示する表示欄G1〜G5が用意されている。また地図表示欄G6が用意されており、この中には顧客のいる位置の周辺の地図が表示され、その地図上に顧客位置(乗車位置)(同地図上における黒丸)が表示され、顧客の詳細位置が地図上で視覚的に確認可能となっている。この画面Gには、「タクシー位置」、「状況」を入力するための入力欄G7,G8が用意されている。またオークション参加時に、顧客を極力待たせないようにするために時間制限があり、残り時間を知らせる時間表示欄G9も用意されている。オークションに参加するタクシー会社(オークション参加者)は、時間制限内に入力欄G7,G8に必要データを入力して、参加ボタン94を選択する。参加ボタン94を選択することによって、この画面Gで入力された情報からなる入札情報としての入札データD10はサーバ21に送信される。この入札データD10はデータベース24に格納される。
【0162】
タクシー会社のパソコン72は、全てのタクシー76の位置・状況を把握しており、これらのデータと顧客位置(乗車位置)からこのタクシー会社内で最も近くに位置するタクシー76を割出し、そのタクシー76の所在位置、状況を入力欄G7,G8に入力してそのタクシー76を顧客を落札するためのタクシー76として競りに参加する。状況とは、先に述べた自動車の状況(顧客乗車中、顧客位置まで移動中、洗車中、ガソリン不足、給油中等)、運転者の状況(休憩中、食事中等)などで、たとえ近くにいても顧客までの到着時間が遅くなる場合はその事情を説明する状況を知らせる。この状況は文字入力することも可能ではあるが、この例では、オークション処理の迅速化を図るため、予め各種状況毎にコードが付してあり、タクシー会社がコードデータを入力欄G8に入力するようにしている。コードデータには状況種類とそのための所要時間が例えば分単位で示される。
【0163】
この実施形態では、運転者やタクシー会社管理人の手を煩わさずに自動でパソコン72に状況データが取り込まれる自動化が図られている。各タクシー会社のパソコン72は、各タクシー76から無線通信で送受信機75,77を介して得たデジタル変換後の状況データを取り込む。タクシー76に取り付けられた各種センサ等を使って検出された状況データはプログラム等を利用して位置データと共に自動的にパソコン72に逐次送信される。パソコン72は、各タクシー76から取得した位置・状況データから最適なタクシー76を割り出し、管理人はパソコン72の画面で例えば最適順に配列されたリストを見て位置オークションに参加させるタクシー76を決める。この場合、リスト上でタクシーを選択するとその位置・状況データが各入力欄F7,F8に自動入力されるようにしてもよい。
【0164】
またパソコン72により割り出された最適なタクシー76が自動で入力欄F7,F8に登録される方法を採用してもよい。この場合、入力欄F8にはコードに対応する状況内容を示す文字情報が表示され、管理人が状況を確認し易いようにし、サーバ21にはコードデータが送信される方法を採用してもよい。もちろん状況データは各タクシー会社の管理人が無線通信で各タクシーから得た情報をパソコン72に手入力する方法を採っても構わない。またサーバ21に状況データが文字情報(テキストデータ等)で提示されてもよい。
【0165】
またこの例では、タクシー会社に求める状況データは、タクシー会社にしか把握できない自動車状況や運転者状況に留め、道路状況(工事中、渋滞中、事故等)についてはサーバ21側で把握するようにしている。サーバ21は、道路交通管理機関からの道路情報を逐次受信して管理しており、入札情報の中のタクシー位置から顧客の乗車位置までの経路における交通量や工事情報を把握する。
【0166】
またサーバ21は、状況データをその状況の解消に要する所要時間に換算し、その状況の解消に要する所要時間を距離に換算した補正距離をタクシーの現実の位置に反映させてタクシー位置を補正する。すなわち、状況が原因で遅れる所要時間分を距離に換算した補正分の距離だけ現実の位置から遠ざけた位置をそのタクシーがオークションに参加する際の位置として計算し直す。サーバ21は、状況を考慮した各タクシーの位置データを基にタクシー位置と乗車位置との間の地図経路上の距離を計算する。
【0167】
そして、サーバ21は、各タクシー会社のパソコン72(または個人タクシーの携帯情報端末(例えばモバイル、携帯電話等))から受信した入札データを用いて、これらの入札データに含まれる位置と状況を考慮し、顧客の乗車位置から最も近くに位置するタクシー76を特定する。なお、参加画面Gの入力欄G7,G8に入力される入力データが位置(要素)に換算される位置換算情報に相当する。
【0168】
顧客の乗車位置から最も近くに位置するタクシー76の特定方法を以下に説明する。サーバ21は、タクシー76の所在位置(状況考慮後の位置)と顧客の乗車位置の各データを基に、地図上で二点間距離を割出す。例えば図21(a)に示すように、Y地点でタクシー76を待つ顧客に対し、Z1,Z2,Z3,Z4の計4台のタクシー76が入札に参加した場合、各タクシーZ1,Z2,Z3,Z4と顧客との間の距離a,b,c,dをそれぞれ演算する。この場合、本例ではより正確な距離を求めるために地図上の距離を利用するが、直線距離を用いていも構わない。但し、図21(a)では模式的に直線で図示している。そして、位置オークションでは、この距離を比較して最も距離の短いものに顧客を落札させる。乗車位置までの距離が一定の許容範囲内で一致して複数台のタクシーが競合する場合は、サーバ21は、各タクシー会社の料金体系やサービス面を考慮する絞込条件の下で1台のタクシーに絞り込み、サービスがよく料金が安く済む1台が自動的に割出されてそちらに落札される。
【0169】
サーバ21は、顧客の乗車位置に最も近い位置にあるタクシー76が顧客を落札すると、そのタクシー会社のパソコン72に落札した旨と顧客の特徴(目印)などその他必要時効をインターネットN等を通じた通信により知らせる。落札の旨を受信したタクシー会社は、該当するタクシーにその旨を伝え、そのタクシーは顧客の指定した場所に急行する顧客には、インターネットNを通じて、急行するタクシーの会社名や、到着時間等を知らせる。
【0170】
また、タクシー会社が依頼人となって位置オークションに顧客募集の依頼をし、顧客側が入札する通常のオークションをすることもできる。つまり利用者登録を済ませたタクシー会社が、空車であるタクシー76の所在位置から最も近くにいる顧客を位置オークションで選ぶ。またタクシー会社が、最も遠い行先まで乗車する顧客を位置オークションで選ぶこともできる。この場合は、図19の画面Fに相当する業者側の依頼手続画面があって、その画面で位置条件として「最も遠い」を選択する。
【0171】
オークションの結果は、落札者一人だけの情報が依頼者に送信されるのが基本であるが、依頼者の希望によって複数人の候補者に絞り込んで提示することも可能であり、それが図28に示すリスト画面XBである。すなわちサーバ21は、入札者から提示された情報をそのままリストにして、あるいは入札者から提示された情報を基に落札候補上位者を例えば依頼者が指定した一定人数以内に絞り込んだ優先リストにして、依頼者側の端末30に送信する。そして依頼者側の端末30には、図28に示すリスト画面XBが表示される。この画面XBには、リストXB1、落札者選択用の入力欄XB2、確定ボタン113が用意されている。
【0172】
リストXB1には、優先順位番号、コード番号、位置、参考情報(入札者提示情報(料金体系(価格)、サービス(付帯品等)が示されている。依頼者はこの画面XBのリストXB1の中からタクシーの位置や参考情報を検討して自分にとって有利なタクシーを落札し、入力欄XB2に例えば落札したタクシーの優先順位番号(又はコード番号)を入力し、確定ボタン113を選択する。すると、サーバ21は依頼者と落札者に落札の旨を通知する。このように依頼者側の端末30でリストXB1を見ることができれば、依頼者は位置が許容範囲内で同じであっても位置以外の料金体系やサービスなど他の参考条件で有利なタクシーを選ぶことができ、また位置が少し遠くても料金体系やサービス面で有利なタクシーを選ぶことができる。
【0173】
次に、位置オークションのフローを図31に従って説明する。なお、同図の手順フローはサーバ21の処理手順を必ずしも示すものではなく、タクシー会社と仲介会社間のやり取りなど位置オークション全体の手順(流れ)を示すものである。
【0174】
まずステップ(以下、単にSと記す)701では、顧客乗車位置を入力する。
S702では、顧客の乗車位置に対する位置条件を入力する。なおS701,S702において、顧客の端末に依頼画面を表示させ、その画面に入力されたデータをサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0175】
S703では、顧客依頼があったか否かを判断する。依頼があればS704に進む。
S704では、位置オークションが開始される。つまり、各端末30に顧客の位置データ等のデータを配信する。
【0176】
S705では、タクシー位置を入力する。
S706では、コンディション情報を入力する。つまり、顧客乗車中、洗車中、ガソリン不足、給油中などの自動車状況や、休憩中、食事中などの運転者状況を入力する。なお、S704でオークションを開始して顧客側の端末に依頼画面を表示させ、S705,S706で入力されたデータをサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。
【0177】
S707では、位置オークションの応募があったか否かを判断する。すなわち入札者からの入札の有無を判断する。入札が無ければ待機し、入札があればS708に進む。なお、以下に示すS707〜S715の手順が落札手順に相当する。
【0178】
S708では、道路情報を入力する。つまり、道路交通管理機関から道路情報(渋滞中、工事中、事故等の情報)を入力する。なお、このS708の道路情報の入力は、依頼手順としてタクシー会社のパソコン72から入力してもよい。
【0179】
S709では、位置補正処理を実行する。つまり状況データを基に、各状況の解消に要する所要時間を距離に換算することによってタクシー位置を補正する。
S710では、位置で競り処理を実行する。つまり、S702で入力された乗車位置条件(図27の優先規則)に従って、取引相手としての優先順を入札者の間で決める。
【0180】
S711では、時間制限が満了したか否かを判断する。時間制限内であればS707に戻り、時間制限が満了するまでS707〜S710の処理を繰り返して新規入札者がある度に競り処理を行う。時間制限が満了すればS712に進む。
【0181】
S712では、落札自己選択が設定されているか否かを判断する。落札自己選択の設定がなされていなければS713に進み、落札自己選択の設定がなされていればS714に進む。
【0182】
S713では、絞込処理が行われる。つまり、利用者(依頼主)にとって最も希望に沿う価格を提示した入札者が取引相手として落札される。
一方、S712において落札自己選択の設定がなされていると判断されれば、S714で所定人数分の入札情報をリストにした図28に示すリスト画面Lを表示する。利用者は端末30の画面でパスワードを入力した後に画面表示を選択するとリスト画面XBを見ることができる。リスト画面XBには位置の優先順に候補者(コード番号表示)がリストアップされており、入札者が提示した他の情報を参考にしながら取引相手を決める。取引相手が決まると、落札者選択入力欄XB2に該当するコード番号を入力した後、確定ボタン113を選択する。利用者が選択した落札者情報はインターネットNを通じてサーバ21に送信される。
【0183】
S715では、落札者が決定したか否かを判断する。落札者が決定されるまではリスト表示(S714)が継続され、落札者が決定されればS716に進む。
S716では、取引成約の旨を双方に通知する。
【0184】
次に、移動体(タクシー)が移動中の位置オークションについて説明する。
タクシーが目的地に向かう経路の途中で顧客を拾えたり、集配車が予定集配経路上で余分に集配荷を得ることができれば、顧客や集配荷を確保する効率が良くなり、しかも顧客にとっては短時間でタクシーが確保可能となる。この目的を為し得るために、顧客にとって最も近くを移動中の車両を競り落とす形式(図21(b))、あるいは車両(タクシー等)の移動経路の途中で最も近くの位置から乗車する顧客を競り落とす形式(図29)のものが移動中の位置オークションである。この移動中位置オークションでは、顧客はタクシーを利用したい場所(乗車位置)・時刻を指定してタクシーを手配できればよく、オークション時にタクシーは遠くにいても構わない。
【0185】
ここで、移動中のタクシー76が移動経路途中で最も近くから乗車する顧客を競り落とす図29に示す形式の場合について説明する。サーバ21がメモリに記憶する移動中位置オークションのための各種プログラムは、基本的に位置オークションと同様であるが、移動中位置オークションでは顧客手配画面Mは図30に示すものが表示される。ここでは顧客からタクシー乗車の予約入札がなされているものとする。
【0186】
この顧客手配画面Mには、希望値(基準位置)としての顧客位置(乗車位置)、人数、ランク、行先、乗車時刻など顧客情報を提示する表示欄M1〜M5が用意されている。また地図表示欄M6も用意されており、この中には顧客のいる位置の周辺の地図が表示され、その地図上に顧客位置(乗車位置)(同地図上における黒丸)が表示され、顧客の詳細位置が地図上で視覚的に確認可能となっている。この画面Mには、「タクシー位置」、「状況」を入力するための入力欄M7,M8が用意されている。またオークション参加時に、顧客を極力待たせないようにするために時間制限があり、残り時間を知らせる時間表示欄M9も用意されている。なお、顧客手配画面Mが依頼画面に相当する。
【0187】
また画面Mには、その他に移動中の移動経路を特定するための情報の入力欄M10と、移動経路をどのような時刻に通るのかの情報(例えばある時刻の位置データ)の入力欄M11とが用意されている。オークションに参加するタクシー会社(オークション参加者)は、時間制限内にこの画面M上で必要データを入力して、参加ボタン114を選択する。するとこの画面Mで入力されたデータ内容からなる競り依頼情報としての競りデータDbがサーバ21に送信される。
【0188】
サーバ21は、顧客の乗車位置データ、タクシー76の移動経路をデータ化した移動経路データ、時刻位置データとから、顧客が指定する場所・時刻に、どのタクシー76が最も近い位置を通るかを、位置オークションと同様の手法で特定する。そして、タクシー会社が顧客を落札する場合は、所定時間後に最も近くに位置する顧客をタクシー(または集配車等)が落札する。一方、顧客がタクシーを落札する場合は、所定時間後に最も近くを通るタクシーを顧客が落札する。なお、移動中の移動経路を特定するための情報や、移動経路をどのような時刻に通るのかの情報も被換算情報を構成する。
【0189】
詳しくはタクシー76が顧客を落札する場合、その特定方法は以下の通りである。図29に示すように、Z5,Z6,Z7,Z8の4点に顧客がいるとし、タクシー76が同図に示す経路を通るとする。このとき、タクシー76はその時刻tのときのY地点に最も近くに位置する顧客を落札する。この時刻tの値は、タクシー会社側または顧客側に拘わらず任意に設定できるものとする。
【0190】
また、顧客がタクシー76を落札する場合は、以下の通りである。図21(b)に示すように、Z1,Z2,Z3の3台のタクシー76が同図に示す各経路を各々移動する場合、それぞれ移動中の各タクシー76が時刻tに通る位置(同図中の破線位置)を算出し、その時刻tにおいて顧客のY地点から最も近くの場所を通るタクシー76をその顧客が落札する。図29または図21(b)に示す例では、時刻tにおいて、顧客およびタクシー76のうち一方が他方に対して最も近いものがその他方を落札することになる。ここで、時刻tにおけるタクシー位置は、タクシー76の状況などを考慮した補正後の位置である。よってこの場合も、交通状況やタクシー状況などの状況を距離に換算することで補正したタクシー位置で競りをする。なお、単純に顧客との位置のみで比較判断する純粋な位置オークションとしてもよい。
【0191】
この移動中位置オークションの手順フローは、基本的に図31に示す位置オークションのフローとほぼ同様である。但し、タクシー位置は時刻tのときの位置を採用するため、移動中の移動経路を特定するための情報や、移動経路上のある点をどの時刻に通るかの情報を基に時刻tのときのタクシー位置を求めて、その位置でオークションを行う点が異なっている。つまり、タクシーが顧客を落札する場合は、S704で位置オークションを開始する前に予約入札を募るとともに、タクシー位置や、コンディション情報、移動中の移動経路を特定するための情報、移動経路上のある点(例えば始点)をどのような時刻に通るかの情報などを入力し、各データを基にして時刻tのときのタクシー位置を求める。そして、それ以降のステップで入札者である顧客の情報を基に競りを行って落札者を決定する。
【0192】
一方、顧客がタクシーを落札する場合は、例えば図31のS706でタクシー移動中の移動経路の情報や、移動経路をどの時刻に通るかの情報等も入力する。そして移動経路から推定される時刻tにおけるタクシー位置補正後の位置が位置データとして採用される。そしてS710の競り処理で、競りに参加した複数のタクシー76の間で顧客の最も近くを通る順に優先順位が決まる。よって、位置に加え状況も考慮されてその補正後の位置から顧客位置まで最も近いタクシー76を顧客が落札する。
【0193】
従って、第3実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(7)依頼者が取引位置条件を提示して、取引位置を競りの対象として取引相手を競り落とす位置オークションを採用したので、依頼者が取引位置について依頼者各人の事情に応じた希望にかなう取引相手を探し出すことができる。
【0194】
(8)依頼者が取引位置条件を提示して、移動体(タクシー等)の移動距離を考慮にいれた取引位置を競りの対象として取引相手を競り落とす移動中位置オークションを採用したので、移動体が移動中であっても、依頼者各人の事情に応じた希望にかなう取引相手を探し出すことができる。
【0195】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図24,図32〜図36に従って説明する。本例では、位置オークションにおける取引の対象が「情報」であるという点が前記各実施形態とは異なっている。
【0196】
本例の位置オークションは情報を取引の対象とするもので、その情報の中に示された位置で競りをするものである。ここで、その一例として図24に示す位置オークションHPの「魚群」のボタン102を選択した場合について説明する。
【0197】
この魚群の位置オークションは、釣り船の位置から最も近い魚群位置の情報を落札する形式のものである。つまり、例えば魚の漁をしている船が自分が捕獲している魚以外で例えば釣り舟にとっては釣りの対象としている魚の魚影の情報を、釣り人や釣り船に提供する。この場合、情報を受ける船等にとっては最も近くの魚群の情報を入手したい。
【0198】
すなわち、魚影の情報を持つ船は、その情報をインターネットNを通じて仲介会社のサーバ21に提供する。例えば釣り人や漁船は、近くの船からの漁に有効な何か情報がないかを位置オークションを利用して探す。そしてサーバ21は何に関する情報であるかが分かる程度の概要を広く第三者の端末30に提供し、その概要を見た第三者は端末を通じてその情報を買い取る取引方法が実施される。
【0199】
例えば依頼者(依頼主)が「魚群」のボタン102を選択すると、図32に示す魚群手配画面FAが表示される。即ち、画面FAには、依頼者(例えば釣り船)の位置を指定するためのGPSボタン99、電話番号入力欄FA1、文字入力欄FA2等が用意されている。また、釣り船の特徴連絡の入力欄FA3、釣る魚の種類(魚種)の入力欄FA4、ID番号入力欄FA5等も用意されている。また図示はしないが、範囲の有無や、釣り船の位置に対して最も近いまたは最も遠いかを選択するための図26に示す設定枠109も同様に用意されている。そして送信ボタン115を選択すると、画面FAで入力された競り依頼情報としての競り情報データD11がサーバ21に送信されて、商品管理DB23に格納される。なお、魚群手配画面FAが依頼画面に相当する。
【0200】
サーバ21は、新規のオークション情報を受信すると、その旨を利用者登録している第三者の端末(パソコンや携帯電話等)30に音や表示等で知らせる。そして、魚群位置の情報を提供することでこの位置オークションに参加するときには、端末30にサーバ21から提供された図33に示すオークション参加画面GAが表示される。なお、オークション参加画面GAが入札画面に相当する。
【0201】
図33に示すオークション参加画面GAには、釣り船位置など顧客情報を提示する表示欄GA1や、依頼者の希望する魚の種類を表示する表示欄GA2が用意されている。また海図表示欄GA3が用意されており、この中には釣り船のいる位置の周辺の海図が表示され、その海図上に釣り船位置が表示され、釣り船の詳細位置が海図上で視覚的に確認可能となっている。この画面GAには、「魚群位置」を入力するための入力欄GA4が用意されている。そして表示欄GA5に表示された時間制限内に入力欄GA4に必要データを入力して、参加ボタン116を選択することによって、入札情報としての魚群の位置データD12はサーバ21に送信され、競り管理DB24に格納される。
【0202】
なお、図24のHP上の「情報登録」ボタン117を選択して、図34に示す情報登録画面NNを表示させて、その画面NNに予め魚群位置の情報を入力することもできる。この画面NNには、欲しい情報の表示欄N1、情報料の表示欄N2等が用意されている。また画面NNには、情報入力欄N3、ID番号入力欄N4も用意されている。このような情報提供者は、情報の信頼性を確保するために予め利用者登録は済ませた者に限る。これら入力欄N3,N4に必要事項を入力して送信ボタン118を選択することで、画面NNの入力欄N3で入力される入札情報としての情報登録データD13はサーバ21に送信され、競り管理DB24に格納される。また、情報提供者は、位置オークションを利用するときには認証番号を使用する。
【0203】
そして、サーバ21は、各端末30から受信した情報を用いて、これらの情報に所定の処理を施して、船の位置から最も近くに位置する魚群位置の情報を特定する。一方、釣り船等の顧客船が最も近くにある魚群位置の情報を落札する通常のオークションに代えて、逆オークションの形式をとって、魚群位置から最も近い位置にある釣り船に、魚群位置の情報(漁の権利等を含めてもよい)を与えるようにすることもできる。
【0204】
次に、位置オークションの手順フローを図35に従って説明する。なお、同図の手順フローはサーバ21の処理手順を必ずしも示すものではなく、漁船と仲介会社間のやり取りなど位置オークション全体の手順(流れ)を示すものである。
【0205】
まずS801では、釣り船位置を入力する。
S802では、その釣り船の位置に対する位置条件を入力する。なお、S801,S802で依頼者の端末30に依頼画面を表示させ、その画面に入力されたデータをサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0206】
S803では、顧客依頼があったか否かを判断する。依頼があればS204に進む。
S804では、位置オークションが開始される。つまり、各端末30に釣り舟の位置データ等のデータを配信する。
【0207】
S805では、入札者(競りの参加者)が魚群位置の情報を入力する。なお、S804でオークションを開始して入札者の端末30に入札画面を表示させ、S805で入力されたデータをサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。
【0208】
S806では、位置オークションの応募があったか否かを判断する。すなわち入札者からの入札の有無を判断する。入札が無ければ待機し、入札があればS807に進む。なお、S806〜S812で示す手順が落札手順に相当する。
【0209】
S807では、位置で競り処理を実行する。つまり、S802で入力された乗車位置条件(図27の優先規則)に照らして、入札者の間で取引相手としての優先順を決める。
【0210】
S808では、時間制限が満了したか否かを判断する。時間制限内であればS806に戻り、時間制限が満了するまでS807,S808の処理を繰り返して新規入札者がある度に競り処理を行う。時間制限が満了すればS809に進む。
【0211】
S809では、落札自己選択が設定されているか否かを判断する。落札自己選択の設定がなされていなければS810に進み、落札自己選択の設定がなされていればS811に進む。
【0212】
S810では、絞込処理が行われる。例えば、複数の魚群位置情報が競合した場合に、魚種、魚影濃さ、情報価格を参考にして落札者を絞り込む。
一方、S809において落札自己選択の設定がなされていると判断されれば、S811で所定落札人数分の入札情報をリストにした図28に示すリスト画面XBと同様のリスト画面を表示する。利用者は端末30の画面でパスワードを入力した後に画面表示を選択するとリスト画面を見ることができる。リスト画面には位置の優先順に候補者(コード番号表示)がリストアップされており、入札者が提示した他の情報を参考にしながら取引相手を決める。
【0213】
S812では、落札者が決定したか否かを判断する。落札者が決定されるまではリスト表示(S811)が継続され、落札者が決定されればS213に進む。
S813では、取引成約の旨を双方に通知する。よって、釣り船は、最も最短距離に位置する魚群の情報を得ることが可能になる。
【0214】
なお、本例の位置オークションの採用対象はタクシー(集配車等)および魚群に限らず、図24に示す位置オークションHP上で選択するボタン100の種類の商品・役務でもよい。つまりHP上にある所定のボタン100を選択して、依頼者が位置や位置に関する希望情報等を入力するための入力画面を開く。そして、オークションに参加した入札者のうち、依頼者が指定した位置から最も近い(または遠い)取引相手を、もしくは取引相手に関する情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0215】
このとき図36に示す手順フローに従ってオークションが実施される。つまりS901では依頼者の位置が入力され、S902では依頼主が希望する位置条件が入力される。そしてS903では依頼主からの依頼があるか否かを判断し、依頼があればS904で位置オークションを開始する。S905では入札者の位置を入力し、S906で競り参加の応募があったか否かを判断する。応募があればS907で位置で競り処理を実行する。S908では時間制限か否かを判断する。S908で時間制限になっていなければS906,S907を繰り返す。
【0216】
そしてS909で落札自己選択か否かを判断する。落札自己選択でないならばS910で絞込処理を実行することで、入札者の間で依頼主の希望を最も満たす順に優先順を決めて取引相手としての落札者を決定する。またS909で落札自己選択ならば、S911で図28と同様のリスト画面が表示される。そしてS912で依頼主はリスト画面を見ながら希望条件を満たす入札者を取引相手として落札する。S913で取引成約通知が依頼主、落札者の双方に通知される。なお、図36に示す手順フローが使用される他の具体例を以下に列挙する。
【0217】
・ 集配業社側が積荷を募集する逆オークション形式をとってもよい。つまり依頼主は、集配人、集配車、集配船、集配飛行機等の位置から最も近くにある積荷を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0218】
・ 図24に示す位置オークションHP上にある「トイレ」、「ガソリン」、「食品」、「古品」の各ボタンを選択して、それら要求物を購入あるいは希望する人がいる場所、またはそれらの人が指定した場所から、最も近くの場所にある要求物(ガソリン、農作物、トイレ、浮世絵等)の販売人、販売所、提供人、提供所等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また、上記した要求物の販売人、販売所、提供人、提供所等が、その要求物の購買人または希望者を募集する逆オークション形式をとってもよい。つまり依頼主は、物品販売人やその物品の提供人がいる場所から最も近い購買人や希望者を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0219】
・ 図24に示すHP上にある「サービス」のボタンを選択して、サービス等の希望者等がいる場所、または指定した地点から、最も近くにいるサービス提供者(サービス等の利用権利)等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また、サービス提供者が、サービス希望者等を募集する逆オークション形式をとってもよい。つまり、サービス希望者等が、最も近くにいるサービス希望者等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0220】
・ HP上の「宿泊所」、「レストラン」、「商店」、「サービス所」の各ボタンを選択して、上記の施設を探している人が、最も近くにある営業所(サービス等の利用権利)を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また逆オークション形式をとって、依頼主は宿泊所、レストラン、商店、サービス所等から最も近くにいる客を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0221】
・ HP上の「病院」、「歯科医院」、「医療」、「美容院」の各ボタンを選択して、上記の施設を探している病人患者、事故人、希望客等が、最も近くにある病院、歯科医院、はり、きゅう、マッサージ所、整体院、美容院(つまり、サービスの利用権利)等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また逆オークション形式をとって、医師、歯科医師、はり師、きゅう師、マッサージ師、整体師、美容師等が、最も近くにいる患者や希望者等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0222】
・ HP上の「衛星通信」のボタンを選択して、依頼主は衛星受信施設や受信機等から最も近い位置にある宇宙衛星を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また逆オークション形式をとって、依頼主は宇宙衛星から送信される情報(信号)を受信可能な最も近くにある衛星受信施設や受信機等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0223】
・ HP上の「調査」のボタンを選択して、依頼主は調査地点に最も近い位置にいる宇宙衛星、ヘリコプター、調査車、調査人等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また、逆オークション形式をとって、依頼主は宇宙衛星、ヘリコプター、調査車、調査人等から最も近くにある調査地点を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0224】
・ HP上の「修理業」、「除雪」、「ボランティア」の各ボタンを選択して、依頼主は修理、除雪、ボランティア(手伝い人)等を要求する人から最も近くにいる応じ人を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。また逆オークション形式をとって、依頼主は修理車、除雪車、何でも屋等から最も近くにいる要求人を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0225】
・ HP上の「不動産」のボタンを選択して、不動産購入希望者が希望場所から最も近い位置にある不動産物件を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。この場合、不動産購入希望者からの依頼を受けた後に、入札者の募集を募る形式をとれば、より効果的に不動産物件を選ぶことができる。
【0226】
・ HP上の「警備」、「防災」の各ボタンを選択して、異常警告が通知されたり、火災装置や防犯装置等が作動したり、監視人が異常を認知したときに、その現場から最も近い警備会社、防災保障会社、警備人、防災人等への通知、その警備や防災の発注、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0227】
・ HP上の「動物関連」のボタンを選択して、ペットや動物のいる場所から最も近い場所にある動物病院、動物ホテル、動物病院等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0228】
・ 要求人(例えば依頼主)がいる位置に最も近い位置にいる応じ人(取引相手)を、もしくはその情報をオークションで選ぶことに限定されず、依頼主がいる位置や指定する位置から、最も遠い位置にいる取引相手を、もしくはその情報をオークションで選ぶこともできる。例えば、図24に示すHP上にある「農産物」、「食品」の各ボタンを選択して、放射能や公害汚染の場所から最も遠くにある農産物や食品(商品)を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0229】
・ HP上の「タクシー」を選択して、タクシー会社等の依頼主は最も遠くまで乗車する客を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
・ HP上の「タクシー」、「バス」、「電車」、「航空会社」の各ボタンを選択して、依頼主は提示した金額に対して最も遠くまで乗せることが可能なタクシー、バス、電車、飛行機等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。なお、従来のオークションは乗車料金の単価を変動する形式であるが、本例の位置オークションでは、乗車料金の単価は一定であって、その乗車距離を変動させる点が異なっている。
【0230】
・ HP上の「電話会社」や「通信施設」の各ボタンを選択して、依頼主は提示した金額に対して最も遠くまで通話することが可能な電話会社や、最も遠方まで送信可能な通信施設を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。この例でも、支払料金の単価が一定であって、その通話・通信距離が変動する点が従来のオークションとは異なっている。
【0231】
・ 本例の位置オークションで応じ人(取引相手)を選ぶとき、要求人(例えば依頼主)がいる位置から、ただ単に最も近いあるいは最も遠い位置にいることを選定要素とすることに限定されない。例えば、その依頼主がいる位置や指定する位置から、指定された所定の範囲内で最も近くにいる取引相手を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。例えば、図24に示すHP上にある「タクシー」のボタンを選択するとともに、依頼主がある所定の範囲を指定して、その範囲内で最も近くにいるタクシーを、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0232】
・ 依頼主の位置に対してある範囲を指定して位置オークションを行うとき、その範囲内で最も近い応じ人(取引相手)を選ぶことに限らず、その指定された範囲内で最も遠い場所にいる応じ人を選ぶこともできる。例えば、図24に示すHP上にある「施設」のボタンを選択して、発注者が指定した場所から定まった範囲内で、最も遠い場所に処理場、墓地、火葬場、工場、原子力発電所、危険物保管所等を設置する業者を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0233】
・ HP上の「不動産」を選択して、発注者が指定した場所から定まった範囲内で、最も遠い場所の不動産物件を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0234】
・ HP上のボタンのうち所定のものを選択して、依頼主がある範囲を指定して、その範囲内で最も近くにある物件、商店、宿泊所、サービス所、病院、設備、施設、荷物(積荷)、収穫物(農作物等)、回収物を位置オークションで選ぶこともできる。また、上記した物件、施設、物品がその範囲内において最も遠くにあるものを、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0235】
・ HP上の「車」、「船舶」、「航空会社」、「運搬」の各ボタンを選択して、依頼主に関係なく指定された所定の範囲内で最も近くの場所にいる、あるいは最も遠くの場所にいる車、船舶、飛行機、運搬機械等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶことができる。
【0236】
・ 所定距離移動した後のタクシー等の移動体の位置に基づいてオークションする移動中位置オークションを行う場合、その移動体はタクシーに限定されない。例えば、図24に示すHP上にある「魚群」のボタンを選択して、魚群追跡者によって予想された魚群の予想移動先の位置に最も近い場所にいる船へ、漁業権利の許可を、もしくはその情報の提供を位置オークションで選ぶこともできる。
【0237】
・ 移動体はタクシー等に限定されず、ゴミやし尿等の運搬車等でもよい。例えば図24に示すHP上の「運搬」のボタンを選択して、移動中であるゴミやし尿等の運搬車や運搬人の予定移動先の位置から最も近くの場所にある運搬物の積荷や荷降ろし場所を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0238】
・ HP上の「集配業」のボタンを選択して、移動中である集配人、集荷船、集荷車、集荷飛行機の予定移動先の位置から最も近い位置にある積荷場所や荷降ろし場所を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0239】
・ HP上の例えば「その他」のボタンを選択して、移動中である販売人や提供人の予定移動先の位置から最も近くの場所にいる購買者や希望者を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0240】
・ HP上の「交際」のボタンを選択して、移動中である交際人やサービス提供者の予定移動先の位置から最も近くの場所にいる交際希望人やサービス希望人を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0241】
・ HP上の「宿泊」、「レストラン」、「商店」、「ガソリン」の各ボタンを選択して、宿泊所、レストラン、商店、ガソリンスタンド等を探す移動中の依頼主が予定移動先の位置から最も近い場所にある営業所を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0242】
・ HP上の「ガソリン」、「食品」、「日常品」の各ボタンを選択して、ガソリン、食品、日常品等の個々の物品を探す移動中の依頼主が予定移動先の位置から最も近くの場所にある要求物の提供所を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0243】
・ HP上の「病院」のボタンを選択して、移動中である病気、けが等の緊急患者の予定移動先の位置から最も近くの場所にある病院を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0244】
・ HP上の「衛星通信」のボタンを選択して、移動中の宇宙衛星において、予定移動先の位置にある宇宙衛星から送信される情報(信号)を受信可能な最も近くに位置する衛星受信施設や受信機を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0245】
・ HP上の「警備」のボタンを選択して、移動中である捕らえたい人や探していた人の予定移動先の位置から最も近くの場所にいる警備人や追跡人を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0246】
・ HP上の「追跡」のボタンを選択して、移動中である物体(例えば車両)の予定移動先の位置から最も近い場所にある宇宙衛星、ヘリコプター、追跡車、追跡人等を、もしくはその情報を位置オークションで選ぶこともできる。
【0247】
従って、第4実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(9)依頼者が取引位置条件を提示して、第三者の取引相手から情報を競り落とす位置オークションを採用したので、依頼者が取引位置について依頼者各人の事情に応じた希望にかなう情報を得ることができる。
【0248】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図1,図4,図13,図24,図37〜図45に従って説明する。本実施形態では、オークションにおける競りの対象が要素としての数値である点が異なっており、その数値としては物品の取引対象となる長さ、高さ、面積、体積、容積、重量、数量等がある。
【0249】
数値オークションを実施するオークションシステムは図1に示す構成と基本的に同様である。数値オークションとは、依頼主(依頼人)が提示した数値の要望をネットワークを通じて第三者の端末に送信して広く入札を募り、応募のあった入札情報を基にその数値で競りをし、依頼人の要望を最も満たす数値を提示した入札者が落札される競り方式である。依頼人の要望には、依頼人自らが提示する要望と、依頼人の依頼内容(依頼目的)から当然のこととして競り仲介業者が予め用意した要望とがある。
【0250】
数値オークションは、買い手と売り手など互いに取引相手となる双方を引き合わせる数値の競りであり、取引対象として商品及び役務(サービス)などあらゆるものを対象とする。数値オークションには、後述するが廃棄物等を有料で処理する処理施設や、荷物等を取りに来てくれる集配車などを手配するための業務用のオークションが用意されている。例えば処理業者や集配業社はこの数値オークションに利用者登録し、数値オークションを通じて最も希望に適う取引相手の提供を受ける。
【0251】
次に、数値オークションについて具体的に説明する。図1は、依頼主および取引相手のうち一方が他方をネットワーク(本例ではインターネット)を介して所定の数値条件を最も満たす取引相手を選ぶための数値オークションシステムを示す。
【0252】
図1に示すように、オークション管理システム(仲介管理サーバシステム)20はサーバ21を備え、サーバ21は3つのデータベース22,23,24と接続されている。サーバ21は、インターネットNに接続されており、インターネットNを通じて第三者の端末30と通信可能に接続されている。また、インターネットNに接続された端末30は、サーバ21と通信可能となっている。端末30には、パソコン31の他にインターネット通信可能な携帯電話32が挙げられる。この端末30には、個人が所有する個人用のものと、各会社等に設置された業務用のものとがある。
【0253】
図1に示すサーバ21は、数値オークション用の各種プログラムをメモリに記憶している。その中にオークション用プログラムがある。このプログラムでは、依頼主の希望する情報がインターネットNを通じて入札者に通知され、入札者は提供できる数値に関する情報を提示してオークションに参加する。そして、サーバ21は入札者が提供する情報を基に依頼主の要望に最も適う入札者を割出し、これを取引相手として落札するものである。
【0254】
図37は、オークション管理システム20の機能構成図である。オークション管理システム20は通信部121、制御部122、数値競り演算部123および落札絞込演算部124を備える。通信部121、制御部122、数値競り演算部123および落札絞込演算部124はサーバ21により構成される。通信部121は所定の通信手順(HTTP)で動く。また3つのデータベース22〜24のうち商品管理DB23は競り条件記憶部125を備え、競り条件記憶部125には時間競りデータ記憶部125Aと絞込データ記憶部125Bが用意されている。制御部122および各演算部123,124は、数値オークションで落札者を特定するための演算制御などに使用され、この演算に各記憶部125A,125Bに記憶された各種データが使用される。
【0255】
サーバ21には、図24のオークションホームページ(HP)とほぼ同様の構成の数値オークションホームページが置かれ、インターネットNを通じて利用者(依頼主)は端末30からブラウザソフトを用いて画面上に数値オークションHPを表示させて閲覧する。数値オークションHPには、図4と同様の利用者登録画面P、図39に示す商品役務登録画面HA、図39に示す競り形式選択画面I、図40に示すオークション参加画面GBなど各種画面がリンクされている。また、このHPには、後述する図38に示す数値内容選択画面Jや図42に示す情報提供画面NAもリンクされている。サーバ21のハードディスクには、各種画面P,HA,I,GB,J,NA等の画面データ、画面の表示等に用いるプログラム(例えばHTML記述プログラム)、数値オークションの演算処理に用いるプログラムが記憶されている。
【0256】
図24に示すように、数値オークションHPには、取引の対象となる商品・役務別に分類された多数の選択ボタン100〜102が用意されている。競りに参加を希望する者(依頼主または入札者)は、希望する商品・役務分類の選択ボタン100〜102を選択する。またHPには、「利用者登録」ボタン103と、「依頼登録」ボタン104が用意されており、各ボタン103,104を選択することで登録画面P(図4)と登録画面HA(図39)がそれぞれ表示されて、各画面P,Hから入力したデータをサーバ21に送信することで利用者、商品・役務登録がなされる。
【0257】
図4に示すように、利用者登録画面Pには住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢、備考、クレジットカード番号などを入力するための項目P1、各種入力欄P2が用意されている。またその他に、個人用あるいは業務用を選択する選択項目が用意されており、例えば廃棄業者や集配業社を依頼する依頼者は個人用の選択項目を選択し、一方、業社等は業務用の選択項目を選択してから他の登録を行う。利用者が利用者登録画面Pでこれら全ての項目に必要事項を入力してOKボタン55を選択すると、これら項目および項目P1、入力欄P2に入力された情報からなる利用者登録データD1は、ネットワークNを通じてサーバ21に送信され、3つのデータベース22〜24のうち顧客管理DB22に格納される。サーバ21は所定の手数料(登録料)の納付を確認すると、登録者の端末へ認証番号(IDとパスワード)を送信する。登録者は、数値オークションを利用するときにはこの認証番号を使用する。
【0258】
図39に示すように、商品役務登録画面HAには、商品・役務分類、商品・役務名、希望価格、数値内容、数値、品質、サービス内容、保管・提供場所、商品役務情報等の各種入力欄HA1〜HA9が用意されている。数値内容入力欄HA4には、長さ、面積、重量、数量等の内容が入力される。また、数値入力欄HA5には、選択した数値内容の具体的な値が入力される。利用者が端末30に表示された商品役務登録画面HAでこれら全ての項目に必要事項を入力して送信ボタン126を選択すると、各種入力欄HA1〜HA9に入力された情報からなる入札情報としての商品役務登録データD14は、インターネットNを通じてサーバ21に送信され、競り情報管理DB24に格納される。例えばガソリン、古品、食品等の商品の場合、予約入札を受け付けて商品登録時の商品役務登録データD14を入札情報としてオークションが行われる場合もある。このとき、商品役務登録画面HAが入札画面に相当する。
【0259】
図24に示す数値オークションHPには、「直接取引」ボタン106と「情報取引」ボタン107が用意されている。直接取引ボタン106は、商品・役務、あるいは商品・役務の買い手や売り手を、直接、オークションで選ぶときに使用するもので、例えば集配車等による役務(集配サービス等)や商品などを直接的に競り落とす取引に用いられる。また情報取引ボタン107は、商品や役務またはその提供者(製造会社,サービス会社等)についての有益な情報を入手したいときに使用されるもので、例えば第三者から情報の提供のみを受ける場合に選択される。
【0260】
オークションに参加を希望する者は、直接取引ボタン106か情報取引ボタン107かのうち一方を選択後、希望する商品または役務のうち参加を希望する選択ボタン100〜102を選択する。またHPには、依頼者が商品・役務を競り落とす通常オークションか、依頼者が商品・役務の買い手を競り落とす逆オークションかを選択する選択項目108が用意されている。例えば集配車等を手配することを希望する顧客は「オークション」を選択し、集配会社等は顧客を確保するための「逆オークション」を選択する。そして依頼主は、所望するオークション形式、取引態様、取引対象をそれぞれ選択した後、確定ボタン130を選択する。
【0261】
本例では競りの対象とする数値として、長さ、高さ、面積、体積、容積、重量、数量等があるが、その具体例は後述する。図24に示すHP画面で、商品・役務の分野を選択してその下位階層画面等で商品・役務を具体的に選択すると、図38に示す数値内容選択画面Jが表示される。数値内容選択画面Jには、「長さ」、「高さ」、「面積」、「体積」、「容積」、「重量」、「数量」の数値選択ボタン131〜137と、確定ボタン138が用意されている。
【0262】
このオークションプログラムは、利用者が取引の対象とする商品または役務に応じて適した数値を選択できるように作成され、サーバ21のメモリに記憶されている。そのプログラムは、図46に示すフローチャートに示すもので、利用者が選択した数値が競りの対象とされる。数値内容選択画面Jで数値を選択すると、図40に示す競り形式を選択するための競り形式選択画面Iが表示される。なお、数値内容選択画面Jおよび競り形式選択画面Iが依頼画面に相当する。
【0263】
図40に示すように、競り形式選択画面Iには、商品・役務表示欄I1、数値内容表示欄I2が用意されている。また、売り手と買い手のうちどちらを選択するかを設定する選択項目I3、競り形式選択項目I4、基準値入力欄I5、接近方向選択項目I6、範囲入力欄I7、送信ボタン139が用意されている。競り形式選択項目I4では、小さいほど優先させることを指定する選択項目、大きいほど優先させることを指定する選択項目、基準値を指定して基準値に接近するほど優先させることを指定する選択項目の3つのうちから1つを選択する。
【0264】
接近方向選択項目I6は、基準値が指定されたときにその基準値に対してどちらの方向から接近するかを指定するためのもので、小さい方から基準値に接近することを指定する項目と、大きい方から基準値に接近することを指定する項目と、両方向から基準値に接近することを指定する項目との3つうちから1つを選択する。範囲入力欄I7は範囲を指定するためのものであり、上限・下限の一方だけを指定したり範囲を指定しないことを選択することもできる。この画面Rの各項目および入力欄I3〜I7に入力された情報からなる競り依頼情報としての競り情報データD15はサーバ21に送信され、競り情報管理DB24に格納される。なお、基準値が希望値に相当する。また、各入力欄I4〜I7で入力される情報が希望情報に相当する。
【0265】
サーバ21は、依頼主から新規のオークション情報を受信すると、その旨の通知を第三者(入札者)の端末30に送信する。このとき、各端末30は音や表示等の通知がなされる。そして入札者側の端末30には、サーバ21から提供された図41に示すオークション参加画面GBが表示される。なお、オークション参加画面GBが入札画面に相当する。
【0266】
図41に示すように、オークション参加画面GBには、商品・役務、数値内容、形式、基準値、接近方式、範囲の各表示欄GB1〜GB6が用意されている。これら表示欄GB1〜GB6に表示される内容は、図40の競り形式設定画面Iの各入力欄I3〜I7に入力した内容と対応している。また画面GBには、入札者が提示できる数値を入力するための数値の入力欄GB7が用意されている。この入力欄GB7に所定の数値を入力した後に送信ボタン140を選択すると、画面GBで入力された情報からなる入札情報としての入札データD16がサーバ21に送信されて競り情報管理DB24に格納される。
【0267】
また、競り形式は、図44に示すように5種類設定されている。つまり数値は、長さ、面積、重量、数量等のうちどの数値も座標軸上で表すことができるので、その座標軸に基準値を設定し、その基準値に対して近いほど優先される競り形式か、遠いほど優先される競り形式かなど落札の決め方のルールが決められている。
【0268】
図44は競り形式を説明するための線図である。各数値に応じてその数値の内容を数値的に表す場合に、その数値が大きくなる概念と、その数値が小さくなる概念とに分かれる。例えば遠い、大きい、広い、長い、重い、多いなどの概念は数値が大きくなる概念で、近い、小さい、狭い、短い、軽い、少ないなどの概念は数値が小さくなる概念である。競り形式は、提示される数値等の最も大きいものが落札するのか、最も小さいものが落札するのか、さらに顧客が提示した基準値に一致するもしくは一番近い数値等を提示したものが落札するなどのルールである。競り形式には以下の5種類がある。
【0269】
ここで、依頼者側の希望で設定される範囲の有無や位置条件に応じて図44に示す5種類の競り方式(競り条件(落札優先規則))が決まるようになっている。この5種類の競り方式について図44に従って以下に説明する。まず同図(a)は所定範囲の内で最も小さな数値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち所定範囲内で最も近い数値を提示したCが落札する。また、同図(b)は所定範囲内で最も遠い数値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち最も遠い数値を提示したCが落札する。
【0270】
また、同図(c)は指定された数値(基準値)に対して大きい方から最も接近する値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは競り入札者A,B,Cのうち所定範囲内で最も近い位置を提示したCが落札する。また、同図(d)は指定された数値(基準値)に対して小さい方から最も離れた位置を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,Cのうち所定範囲内で最も遠い位置を提示したCが落札する。また、同図(e)は、指定された数値に対し小さい方からか大きい方からかに拘わらず、とにかく近い数値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。ここでは入札者A,B,C,Dのうち最も近い位置を提示したDが落札する。なお、図44(a)〜(d)の競り方式の場合、落札者(各図に示す入札者C,D)が競合したときには、後述する所定のルールを基に落札者を絞り込むようになっている。
【0271】
また図38の数値内容選択画面Jで、複数の数値を選択することもできる。複数の数値選択ボタン131〜137のうち2つ以上を選択した場合は、図13に示すものと同様の落札優先順位設定画面WAが表示されるようになっている。落札優先順位設定画面WAには、第1優先,第2優先,…,第n優先(この例ではn=4)の最大n個の数値を指定するための入力欄WA1〜WA4と、OKボタン61とが用意されている。第1優先,第2優先,…,第n優先の数値まで指定でき、その順番は利用者が自由に設定することができる。第2優先以降の数値には価格も設定することができる。
【0272】
このように複数の数値設定を可能としているのは、例えば数値が一つだけでは落札者が希望する所定人数(通常一人)に絞りきれない場合があるためで、希望人数に絞り切るために使用される。そして、この画面WAで設定した落札順位からなる落札順位データD5がサーバ21に送信される。複数の数値が選択された場合には、例えばサーバ21は、第1優先の数値で入札者を所定の人数まで絞り込み、次に第2優先の数値で所定人数に絞り込んでいくように、優先された数値順に入札者を絞り込んで落札者を決めることもできる。
【0273】
また、図24のHP上で情報取引ボタン107を選択して、情報を取引することもできる。すなわち、ある商品やサービス(役務)を希望する場合、その商品の所有者、商品を売る会社、サービスの提供者・提供会社について知っている者から、必要な情報を買い取る取引にもオークションは利用される。情報の取引は、あらゆる分野・ジャンルのものが対象となる。そこで一例を示すと、数値に長さを選択した場合、例えば最も長い商品を提示している提供者がいるという情報を、第三者からオークションで選び出す方式である。
【0274】
情報を提供する場合には、HP上の情報入力ボタン117を選択して、図42に示す情報提供画面NAを表示する。この画面NAには、募集情報表示欄NA1、情報料(情報提供報酬額)表示欄NA2、情報入力欄NA3、情報添付ボタンNA4、残り時間表示欄NA5、ID番号入力欄NA6、送信ボタン141が用意されている。この情報提供画面NAは、HP画面の情報入力ボタン117を選択してジャンル・分野毎に表示される情報募集リストの中から見たい部分を選択すると表示される画面である。この情報提供画面NAでは、募集情報表示欄NA1に依頼者が探している情報内容が表示されるとともに、情報料表示欄NA2に情報料が表示されるので、その募集情報を提供できる情報を持つ閲覧者は情報入力欄NA3にその提供情報を入力(記入)をし、または添付ボタンNA4を選択すると表示される次画面で添付操作をしてデータを添付し、ID番号入力後に送信する。この画面NAで入力された情報からなる入札情報としての情報データD17は、サーバ21に送信されて競り管理DB24に格納される。
【0275】
例えば利用者が所望する情報をサーバ21に送信してくると、サーバ21は競り管理DB23の管理データの中から該当する情報を探す処理をするとともに、緊急に必要な情報でなく募集時間をとっても、ある程度許される場合は情報を直ちに募集する。そして残り時間が無くなった制限時間終了後、得られた情報を分析し、依頼者のニーズに最も適合した情報を依頼者側の端末30に送信する。この際、依頼者は前記競り形式を選択指定することができ、その指定された形式のルールに則って落札者が決定される。希望情報を得た依頼者は情報料に手数料を加えた金額を支払う。落札者には情報料が支払われる。なお、情報提供の入力は、サーバ21が依頼を受け取った前後で受け付けることもできる。
【0276】
オークションの結果は、落札者一人だけの情報が依頼者には送信されるのが基本であるが、依頼者の希望によって複数人の候補者を絞り込んで提示することもできるようになっており、それが図43に示すリスト画面XCである。すなわちサーバ21は、入札者から提示された情報をそのままリストにして、あるいは入札者から提示された情報を基に落札候補上位者を例えば依頼者が指定した一定人数以内に絞り込んだ優先リストにして、依頼者(依頼主)側の端末30に送信する。そして依頼者側の端末30には図43に示すリスト画面XCが表示される。
【0277】
この画面XCにはリストXC1、落札者選択用の入力欄XC2、確定ボタン142が用意されている。リストXC1には、優先順位番号、コード番号、数値(長さ、高さ、面積、体積、容積、重量、数量等)、価格、入札者提示条件(付帯品(おまけ)等)が示されている。
【0278】
依頼者はこの画面XCのリストXC1の中から取引日などの提示条件を検討して自分にとって有利な落札者を決定し、入力欄XC2に例えば落札者の優先順位番号を入力し、確定ボタン142を選択する。すると、サーバ21は依頼者と落札者に落札の旨を通知をする。このように依頼者側の端末30でリストXC1を見ることができれば、依頼者は数値が同じであっても指定した数値以外の価格など他の数値で有利な条件を提示してくれる相手を選ぶことができ、また数値が一番の人より少し悪くても価格や付帯品などの面で譲歩してくれる相手を選ぶことができる。
【0279】
次に本例の数値オークションの手順フローを、図45に従って以下に説明する。なお、この手順フローはサーバ21の処理手順を必ずしも示すものではなく、オークション全体の手順(流れ)を示すものである。
【0280】
まずステップ(以下、単にSと記す)1010では、依頼主はHP上で商品・役務を選択する。つまり、HP上の各選択ボタンのうち、依頼者が希望する商品又は役務のボタンを選択する。
【0281】
S1020では、依頼者は競り実行時の数値(長さ、高さ、面積、体積、容積、重量、数量等)を選択する。
S1030では、依頼者は数値に対する落札条件(競り形式、範囲、競り期間などの必要事項)を選択する。なお、S1020,S1030で依頼者の端末30に依頼画面を表示させ、その画面に入力されたデータ(競り情報データD15)をサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0282】
S1040では、数値オークションが開始される。つまり、第三者に入札者募集の旨の通知を行い、数値に関するデータが第三者の端末30に配信される。
S1050では、数値の入力をする。つまり、数値オークションに参加する入札者から数値に関する入札情報が入力される。なお、S1040でオークションを開始して入札者の端末30に入札画面を表示させ、S1050で入力されたデータ(商品役務登録データD14,入札データD16,情報データD17)をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。
【0283】
S1060では、オークションの応募があったか否かを判断する。すなわち入札者からの入札の有無を判断する。入札が無ければ待機し、入札があればS1070に進む。この入札には、情報提供も含まれる。なお、S1060〜S1170の手順が落札手順に相当する。
【0284】
S1070では、入札情報を取得し、入札情報の中の一情報として提示された数値で競る競り処理を行う。この際、複数の数値が選択設定されているときは、第1優先の数値で競りを行う。そして、入札情報中の数値について希望条件(図44の優先規則)に照らすことで、入札者の間で取引相手としての優先順を決める。
【0285】
S1080では、時間制限が満了したか否かを判断する。時間制限内であればS1050に戻り、時間制限が満了するまでS1050〜S1080の処理を繰り返して新規入札者がある度に競り処理を行う。時間制限が満了すればS1090に進む。
【0286】
S1090では、落札自己選択が設定されているか否かを判断する。落札自己選択の設定がなされていなければS1100に進み、落札自己選択の設定がなされていればS1140に進む。
【0287】
S1100では、落札者が決定したか否かを判断する。すなわち所定落札数に絞り込まれたか否かを判断する。所定落札者数に絞り込まれていない場合は、S1110に進み、所定落札者数に絞り込まれた場合はS1160に進む。
【0288】
S1110では、数値が複数設定された場合であって、まだ競り処理されていない他の数値が残っているか否かを判断する。他の数値がまだあればS1120に進み、そうでなければS1160に進む。
【0289】
S1120では、数値を変更する。
S1130では、変更後の他の数値で競り処理を行い、所定落札人数にまで絞込みを行う。入札情報中の他(第2優先)の数値について希望条件(図44の優先規則)に照らして優先順から所定落札人数に絞り込む。これでも絞り込まれない場合は、まだ競り処理の対象となっていない他の数値があれば次優先の他の数値に変更し(S1110)、その変更後の他の数値で競り処理をして絞り込みを行う。こうして所定落札数に絞り込まれるまで、あるいは設定された数値の全てについて競り処理を終えるまで段階的に異なる数値で順次競りを行う。
【0290】
S1160では、絞込処理を行う。すなわち次段階の競りをするための数値が無い場合で、この場合は、利用者にとって最も希望に沿う価格を提示した者が落札し、一方、価格が固定であったり価格自体が取り扱われない競り形式である場合は、予め決められた所定ルールに従って落札者を所定落札人数に絞り込む。
【0291】
一方、S1090において落札自己選択の設定がなされていると判断されれば、S1140で所定落札人数分の入札情報をリストにした図43に示すリスト画面XCを表示する。利用者は端末30の画面でパスワードを入力した後に画面表示を選択するとリスト画面XCを見ることができる。リスト画面XCには数値の値の優先順に候補者(コード番号表示)がリストアップされており、入札者が提示した他の情報を参考にしながら取引相手を決める。取引相手が決まると、落札者選択入力欄XC2に該当するコード番号を入力した後、確定ボタン142を選択する。利用者が選択した落札者情報はインターネットNを通じてサーバ21に送信される。
【0292】
S1150では、落札者が決定したか否かを判断する。落札者が決定されるまではリスト表示(S1140)が継続され、落札者が決定されればS1170に進む。
【0293】
S1170では、取引成約の旨を双方に通知する。
次にこの数値オークションについて、その数値である「長さ・空間」、「重量」、「数・数量」の具体例を、以下に列挙する。
【0294】
(1) まず数値が「長さ・空間」の例で、買い手が最も高い高さ、長い長さ、広い面積、大きい体積、大きな容積を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0295】
・ 買い手が最も高い高さまで飛ぶヘリコプター、飛行機、気球、ロケット、衛星等を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
・ 買い手が最も高い高さの、もしくは長い長さの建物、看板、はしご、クレーン、人間、標本、立木等や海抜の高い土地、鋼区、鉄塔、気球、衛星等を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0296】
・ 買い手が最も広い土地、建物、看板、プール、商品売場、競技場、駐車場、部屋、倉庫、用途施設場、車、家具、敷物、電器製品を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0297】
・ 買い手が最も大きなスベースを提供する新聞、雑誌、書籍、パンフレット、チラシ、ホームページ、看板、広告媒体物等を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0298】
・ 買い手が最も大きな積載容積を持つ又は体積の車、船、飛行機、列車、気球、衛星等や大きな容積を持つ地上タンク、貯蔵設備、倉庫、電器製品、容器、収納庫、風呂、廃物、処理設備、商品等を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0299】
(2) 次は、買い手が最も少ない高さ、もしくは短い長さ、狭い範囲、少ない体積、少ない容積を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0300】
・ 買い手が最も低い高さで飛ぶヘリコプター、飛行機、気球、ロケット、衛星等を提供する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
・ 買い手が目的地まで最も短い距離を走る運搬車、バス、タクシー、列車、飛行機、ヘリコプター等を提供する売り手を、もしくは道路、バス、列車、飛行機等の情報をオークションで選ぶ。
【0301】
(3) 次も数値は同じで、逆に売り手が最も高い高さ、長い長さ、広い面積、大きい体積、大きな容積を希望する買い手を、またはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0302】
・ 売り手が最も高い高さまで飛ぶヘリコプター、飛行機、気球、ロケット、衛星等の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
・ 売り手が最も高い高さの、もしくは長い長さの建物、看板、はしご、クレーン、人間、標本、立木等や、海抜の高い土地、鋼区、鉄塔、気球、衛星等を希望する買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0303】
・ 売り手が最も広い土地、建物、看板、プール、商品売場、競技場、駐車場、部屋、倉庫、用途施設場、車、家具、敷物、電器製品等を希望する買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0304】
・ 売り手が最も大きなスペースを提供する新聞、雑誌、書籍、パンフレット、チラシ、ホームページ、看板、広告媒体物等の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0305】
・ 売り手が最も大きな積載容積を持つまたは体積の車、船、飛行機、列車、気球、衛星等や、最も大きな容積を持つ地上タンク、貯蔵施設、倉庫、電器製品、容器、収容庫、風呂、廃物、処理設備、商品等の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0306】
(4) 次は、売り手が最も少ない高さ、もしくは短い長さ、狭い面積、少ない体積、少ない容積を希望する買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0307】
・ 売り手が最も低い高さで飛ぶヘリコプター、飛行機、気球、ロケット、衛星等の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
・ 売り手が、目的地まで最も短い距離を走る運搬車、バス、タクシー、列車、飛行機、ヘリコプター等の買い手を、もしくは道路、バス、列車、飛行機等の情報をオークションで選ぶ。
【0308】
(5) 次は数値が「重量」の例で、買い手が運搬や処理、購入等で最も多い重量を示した売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 石油、石炭、ガス等の燃料や、鉱石、陶土、砂利土石、水、木材等の原料や、自然物、農産物、水産物、海産物、飲食物、商品、化学原料、薬品、肥料、機械、製品、半加工製品等を、最も多くの重量を販売する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら荷物を最も多い重量を運ぶ運搬者、運搬会社、運搬可能な船、鉄道、自動車、飛行機、気球、ロケット、運搬装置等を、もしくはその情報を提供する提供者や機関をオークションで選ぶ。
【0309】
・ 廃棄物、汚泥物、し尿等の処理物を、最も多くの重量を処理する請負人、請負会社・機関等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら処理物を、最も多い重量を処理可能な設備、機械等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら処理物の最も多い重量を運搬可能な運搬者、運搬会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0310】
・ 古紙、空容器、廃材、廃品、廃金属、プラスチック、油、電気製品、家財、衣料等の廃棄物を、最も多い重量をリサイクルする請負人、請負会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら廃棄物の最も多い重量をリサイクル可能な設備、機械、システム、特許等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら廃棄物の最も多い重量を運搬可能な運搬者、運搬会社を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0311】
・ 買い手が、最も多い重量のCO2ガス、SO2ガス、または買い手が指定した最も多い重量の物質の排出権利の売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0312】
・ 買い手が、最も多い重量のガス、液体物、固体物を保存する倉庫、設備装置、システム、会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、最も多い重量のこれら物質を処理するためのシステム、設計図、特許、機械、設備、装置、工場、会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0313】
(6) 次は、売り手が運搬や処理、販売等で最も多い重量を示した買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 石油、石炭、ガス等の燃料や、鉱石、陶土、砂利土石、水、木材等の原料や、農産物、林産物、飲食物等や化学原料、薬品、肥料、製品、半加工製品等を、最も多くの重量を購入する買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、これら処理物の最も多い重量を運ぶ運搬車、運搬会社、あるいは運搬可能な車、鉄道、船、飛行機、気球、ロケット、運搬機械、装置等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0314】
・ 電気、水、ガス、燃料等を、最も多くの量を消費する消費人を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、電気、水、ガス、燃料等の最も多くの量を送る送電、送水、送気、輸送装置、システム、事業者等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0315】
・ 売り手が、処分品、在庫品、価値的廃棄物、中古品を、最も多くの重量を購入する買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
・ 売り手が、最も多い重量のCO2ガス、SO2ガス、あるいは売り手が指定した物質の排出権利の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0316】
(7) 次は、逆に買い手が運搬、処理、購入等で最も少ない重量を示した売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 買い手が、燃焼させたとき最も少ない重量のCO2、有毒ガス、排出規制物質、または買い手が指定した物質等を発生する燃料、原料、ビニール、プラスチック、包装製品、容器、日常品、電器、家具、衣服、中間製品、商品等の売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0317】
・ 買い手が、最も少ない重量の放射線、気体ガス、水、溶剤、洗剤、発泡材、酸化還元剤、腐食剤、発色剤、消毒剤、農薬、油、混合剤、または買い手が指定した物質等を混入、あるいは使用する電器製品、機械、装置、中間製品、商品、農水、林産物、種子、加工食品、システム、設計図、特許等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0318】
・ 買い手が、最も少ない重量の放射線や、CO2ガス、窒素、リン酸化合物等の排気ガス、排出規制物質等や、買い手が指定する物質等を排出、あるいは発生する車、船、飛行機、列車、ロケット、機械、設備、原子力発電機関等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0319】
・ 買い手が、最も少ない重量の放射線や、CO2ガス、窒素、リン酸化合物等の排気ガス、排出規制物質等や、買い手が指定する物質を排出、あるいは発生する土地、建物、製品、商品、工場、会社、装置、設備、原子力発電装置、設計図、システム、特許等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0320】
・ 買い手が、最も少ない重量の放射線、気体ガス、液体物、固体物を排出、あるいは発生するシステム、設計図、特許、機械、設備、工場、会社、製品等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0321】
・ 買い手が、最も少ない重量のCO2ガス、SO2ガス、あるいは買い手が指定した物質等の排出権利の売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0322】
(8) 次は、売り手が運搬、処理、販売等で最も少ない重量を示した買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 売り手が、産業廃棄物、処理物、回収物、中古製品、原料、中間製品等を販売する、あるいは処理を依頼するときに、買い手側がそれらの処理、修理、加工等の段階で、最も少ない重量の放射線、CO2ガス、排出規制ガス、有毒ガス、汚染水、排水、汚染物質、排出規制物質、最終廃棄物、売り手の指定した物質等を発生させる、あるいは排出する工場、機械、設備、技術等を所有する購買人、処理人、購買または処理する法人、機関を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0323】
・ 売り手が、最も少ない重量のCO2ガス、SO2ガス、売り手が指定した物質の排出権利の買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
(9) 次は、数値が「数・数量」の例で、買い手が運搬、処理、購入等で最も多い数・数量を示した売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0324】
・ 容器や梱包になった、燃料、原料や、食品、商品、薬品、製品、半加工製品等を、最も多くの数量を販売する売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、それらの荷物を、最も多くの数量を運ぶ運搬車、運搬会社等を、または運搬可能な車、船、列車、飛行機、気球、ロケット、運搬機械、装置等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0325】
・ 容器や梱包になった燃料、原料や、食品、商品、製品、半加工品、電器製品、家財、衣料、機械等を、最も多くの数量をリサイクルする請負人、請負会社等、あるいは最も多くの数量をリサイクルする設備、機械、システム、特許等、または最も多くの数量をは込む運搬車、運搬会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0326】
・ 買い手が、最も多くの数量の容器入りガスや液体物、梱包された固体物等を保存するシステム、倉庫、設備、装置、会社等を、または処理するシステム、設計、特許、機械、設備、装置、工場、会社等を、もしくはそれらの情報をオークションで選ぶ。
【0327】
・ 買い手や借り手が、最も多くの数の分割支払、分割購入、分割運搬・配布、分割処理、分割作業、分解作業・方法、等に応じる販売会社、金融会社、運搬・配布会社、請負会社、システム、設計、特許、機械、設備、装置等を、もしくはそれらの情報をオークションで選ぶ。
【0328】
・ 買い手が、テレビ、ブラウン管、表示装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、半導体、メモリーチップ、コンピュータ、インターネット端末機、電話機、サーバ、フロッピーディスク、映写機、望遠鏡等を選ぶときに、走査線数、画素数、記憶容量数、伝達速度数、実行速度数、解像度数、倍率等で最も多くの数を示した売り手、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0329】
・買い手が、企画広告の出稿量、新聞・テレビ・ラジオ・出版・インターネットの広告・記事の出稿量、ビデオ・レコード・CD・MD・DVDの製作・販売数、会員クラブの年間利用券数、宿泊所の部屋数等を、最も多くの数・数量を提示する、あるいは製作・販売する売り手を、もしくはそれらの情報をオークションで選ぶ。
【0330】
(10) 次は、売り手が運搬、処理、販売等で最も多い数・数量を示した買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 容器や梱包になった燃料、原料や、食品、商品、薬品、製品、半加工品等を、最も多くの数量を購入する買い手を、もしくは買い手の情報をオークションで選ぶ。また、それらの荷物の最も多くの数量を運ぶ運搬車、運搬会社等や、または運搬可能な車、船、列車、飛行機、気球、ロケット、運搬機械、装置等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0331】
・容器に入った、水、ガス、燃料等を最も多くの数量を消費する消費人を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。また、それらの荷物を最も多くの数量を運ぷ運搬者、運搬会社等や、あるいは運搬可能な、車、船、列車、飛行機、気球、ロケット、運搬機械、装置、または輸送する装置、システム、事業者等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0332】
・売り手が、処分品や在庫品、価値的廃棄物、中古品を、最も多くの数量を購入する買い手を、もしくはその買い手の情報をオークションで選ぶ。またh、それらの荷物を最も多くの数量を運ぶ、運搬者、運搬会社等や、または運搬可能な、車、船、列車、飛行機、気球、ロケット、運搬機械、装置を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0333】
・ 売り手や貸し手が、最も多くの数の分割支払、分割購入、分割運搬、配布販売等に応じる買い手、借り手、機関、システム会社・配布販売会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0334】
(11) 次は、買い手が最も少ない数・数量を示した売り手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 買い手や借り手が、最も少ない数の分割支払、分割購入、分割運搬、分割処理、分割作業、分解作業・方法等に応じる、販売会社、金融会社、運搬会社、処理会社、請負会社、システム、設計、特許、機械、設備、装置等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0335】
・ 買い手が、建造物、機械、製品、商品・作品を、組み立てや製造する時に最も少ない数の、部品、工程、作業等で出来る、システム、設計、特許、機械、設備、装置、請負会社等を、もしくはそれらの情報をオークションで選ぶ。
【0336】
(12) 次は、売り手が最も少ない数・数量を示した買い手を、もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
・ 売り手や貸し手が、最も少ない数の分割支払、分割購入、分割運搬、分割処理、分割作業、分解作業・方法等に応じる、買い手、借り手、機関、システム会社等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0337】
従って、この第5実施形態によれば以下の効果が得られる。
(10)依頼主(依頼者)が数値に関して希望する取引条件を提示して、その数値を競りの対象として取引相手を競り落とすオークション形式を採用したので、依頼主は価格以外の競り対象として数値でオークションができ、その数値について各人の事情に応じた希望に適う取引相手を探し出すことができる。
【0338】
(11)本例のオークションでは長さ、面積、重量等の数値のうち複数を選択可能であるので、依頼主は競りの対象である数値において、より一層、依頼主の要望に適う取引相手をオークションで選び出すことができる。
【0339】
(12)情報の入手の要望を受け付けて、その要望された情報の提供を広くインターネットNを通じて第三者に募り、提供された情報の内容中にある数値について競りをし、依頼者の要望に対して最も適った内容の情報を提示した情報提供者(入札者)に落札させる情報のオークションを採用した。よって、商品や役務の提供者や提供会社などがオークションシステムに参加していなくても、どうすれば所望する商品や役務の提供を受けることができるかなどの最も適切な情報を入手することができる。このような第三者が持つ情報を取引することで、第三者から見た他人にとって価値のある情報を有効に活用することができる。
【0340】
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態を図1,図4,図46〜図58に従って説明する。この実施形態では、競りの対象が要素としての評価数値である点が前記各実施形態と異なっている。
【0341】
評価数値オークションを実施するオークションシステムは図1に示す構成と基本的に同様である。図1は、売り手と買い手が商品又は役務のオークションをネットワークを介して行うためのオークションシステムを示す。オークションシステムは、オークション管理システム20と、ネットワーク(この例ではインターネット)Nと、利用者(顧客)用の端末30とから構成される。
【0342】
オークション管理システム(仲介管理サーバシステム)20は、サーバ(Webサーバ)21と、顧客・商品管理データベース(DB)145、競り管理データベース(DB)146、評価データ管理データベース(DB)147とから構成される。なお、サーバ21は、Webサーバとアプリケーションサーバとに分けるなど複数機でも構成できる。
【0343】
サーバ21はインターネットNに接続されており、インターネットNを通じて第三者の端末30と通信可能に接続されている。端末30には、例えばメーカ(製造会社)や個人のパーソナルコンピュータ(以下単にパソコンという)31、インターネット通信対応(例えばiモード対応)の携帯電話32などが挙げられる。サーバ21による顧客提供サービスを受けられるのは、予め利用者登録を済ませた個人や業者(メーカや販売店等)のみである。この実施形態におけるオークションシステムでは、依頼者の依頼を受けてその要望に適う商品や役務(サービス)を募り、あるいは依頼者が商品や役務の提供者であるときはその買い手を募り、応募(入札)された商品や役務、あるいは商品や役務の提供を受ける者(買い手)を、依頼者の要望の観点から数値評価する。そして依頼者の要望に最も適う評価数値を出したものが落札するオークション方式を採用する。以下、このオークションのことを、評価オークションと呼ぶことにする。つまり評価オークションとは、依頼者が希望する商品・役務について、依頼者の要望を満たすか否かを数値評価し、予め登録された又は依頼があったその都度募集して集まった多数の入札情報(商品・役務など)の中から、その商品又は役務、役務に供される物や者についての評価点(数値)が依頼者の要望に一番適うものを落札するオークション取引きである。
【0344】
図46は、オークション管理システム20の機能構成図である。オークション管理システム20は、通信部148、制御部149、競り演算部150、落札絞込演算部151および評価演算部152を備える。通信部148、制御部149、競り演算部150、落札絞込演算部151および評価演算部152はサーバ21により構成される。通信部148は所定の通信手順(例えばHTTP)で動く。競り管理DB146は競りに必要なデータ等を記憶するもので、その中に備えられた競り条件記憶部153には競りデータ記憶部154と絞込データ記憶部155を有する。評価データ管理DB147は、商品や役務の数値評価に必要なデータ等を記憶するもので、その中に評価データ記憶部156と換算データ記憶部157を有している。制御部149および各演算部150〜152は、評価オークションで数値評価やその数値で競る競り処理のための演算制御などに使用され、この演算に各記憶部153,156,157に記憶された各種データが使用される。また競る対象である評価数値は、純粋に数値であることに限定されず、例えばA,B,Cなどの評価ランクであっても構わず、コンピュータ処理により比較できる数値類であれば足りる。
【0345】
仲介会社のサーバ21には、オークションホームページ(HP)(サイト)が置かれ、ネットワークNを通じて利用者(顧客)は端末30からブラウザソフトを用いて画面上に図47に示すオークションHPを表示させて閲覧する。オークションHPには、図4と同様の利用者登録画面P、図48に示す依頼登録画面E、図52に示す入札登録画面K、図53に示す情報提供画面NBなどの各種画面がリンクされている。サーバ21のハードディスクには、各種画面HP,P,E,K,NB等の画面データ、画面の表示等に用いるプログラム(例えばHTML記述プログラム)やオークションの演算処理に用いるプログラムが記憶されている。
【0346】
図47に示すように、オークションHPには、利用者登録ボタン103、依頼登録ボタン104、情報入力ボタン117、直接取引ボタン106、情報取引ボタン107、食品、就職、教室、不動産、融資、ベンチャー(起業)、古品など商品又は役務の各種分野別に分類された多数の選択ボタン100、通常のオークションか逆オークションかを選択する選択項目108、確定ボタン130が用意されている。但し、同図では商品・役務分類は一部のみ示している。利用者登録ボタン103を選択することで利用者登録画面P(図4)が表示される。
【0347】
図4に示すように利用者登録画面Pには、売り手・買い手のどちらを希望するかを選択する選択項目P1、住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢、備考などを入力するための各種入力欄P2が用意されている。利用者は端末30Aに表示された利用者登録画面Pでこれら全ての項目に必要事項を入力してOKボタン55を選択すると、この利用者登録データD1はネットワークNを通じてサーバ21に送信され、顧客・商品管理DB145に格納される。サーバ21は所定の手数料の納付を確認すると登録者の端末30Aへ認証番号(IDとパスワード)を送信する。登録者は、オークションを利用するときには認証番号を使用する。
【0348】
依頼者が評価オークションに依頼をする仕方には、取引対象(取引相手又は商品・役務)を直接探す「直接取引」と、取引対象(取引相手又は商品・役務)についての情報を探す「情報取引」との2通りがある。依頼者が「直接取引」をするときは依頼登録ボタン104を選択し、「情報取引」をするときは情報入力ボタン117を選択する。「直接取引」と「情報取引」のどちらでも、商品・役務を競り落とす通常のオークションか、商品・役務の買い手を競り落とす逆オークションかを選択項目108で指定すると共に、希望する商品・役務の属する分類の選択ボタン100を選択する。直接取引ボタン106と情報取引ボタン107は、入札用でそれぞれ入札時に「直接取引」と「情報取引」のどちらであるかを選ぶためのものである。
【0349】
希望のボタン100と、依頼登録ボタン104又は情報入力ボタン117を選択した状態で、確定ボタン130を選択すると、図48に示す依頼登録画面Eが表示される。依頼登録画面Eは、取引対象である商品・役務の特定と、商品・役務に関する依頼者の要望を入力するためのものである。この画面Eには、「直接取引」と「情報取引」のどちらであるかの種別を示す取引種表示部160と、商品又は役務名(詳細指定)、商品品番、サービス内容など商品・役務を特定するための各種入力欄E1〜E3が用意されている。取引種表示部160は「直接取引」と「情報取引」の両表示部のうち該当する方がアクティブ状態(同図は「直接取引」の例)になる。
【0350】
要望は複数種の方法で入力できるようになっており、画面Eには、文章で要望を入力するための文章入力欄E4、キーワードで要望を特定するためのキーワード登録ボタン161,162,163、評価項目(スペック等)毎の数値等を指定して要望を特定するための評価登録リストボタン164が用意されている。また要望のレベルを「最高」「高」「中」「低」「最低」の5段階で指定できる選択項目E5が用意されている。例えば文章で「よい」「低い」などのレベルを示す用語を入力したときにそのレベルを明確に特定する必要があるためである。後述するキーワードで要望を特定する場合も要望のレベルを同様に特定する必要が生じる場合があるため、選択項目E5が必要に応じて使用される。また、依頼登録後に入札募集をするか否かを選択する選択項目E6、制限時間の入力欄E7が用意されている。選択項目で入札募集「する」を選択した場合は、この依頼登録後にサーバ21は依頼者の要望を配信して入札者を募る募集をすることになるので、制限時間の入力欄E7に依頼者が希望する入札期間を入力する。
【0351】
サーバ21は、文章入力欄E4に入力された要望の文章を解析して、その要望に合った適切なキーワードを内部処理で自動に付す機能を採用する。サーバ21のマイコンは、文章を解析して評価項目となりそうなキーワードを抽出し、文章から適切な評価項目を見つけ出す。また文章の解析結果から把握される要望内容からどの評価項目に重点をおくべきかを評価率指定用データに従って割り出し、各評価項目(キーワード)毎の評価率を割り振る。DB147には文章中の単語から適正なキーワード(評価項目)を抽出するためのデータベースデータと、文章解析結果から把握される要望の意図(例えばキーワード組合列から特定される要望の意図)から各キーワードの評価率を割り出す評価率指定用データが記憶されている。
【0352】
文章の入力例としては、例えば「おいしくて冷たく健康によい食品」などである。この場合、「おいしい」とは主観的な事柄であるので、サーバ21のマイコンは、「おいしさを具体的に入力して下さい。」と応答をする。依頼者はその詳しい説明として例えば「甘くておいしい」と入力する。文章が適切であれば例えば単語毎に「甘い」「おいしい」「冷たい」「健康」「食品」に分解され、「健康」「食品」の2単語列の組合せから例えばキーワード「健康」が抽出される。
【0353】
キーワード「健康」では食品の成分で健康に欠かせないビタミンやミネラル等の成分の高い食品ほど評価得点が高くなるように所定の計算式が特定されて設定される。例えば食品のビタミンやミネラルなどの成分データをはじめ、各種商品・役務やその提供者についての品質、特性、成分、性能、資格、専門等に関するデータベースデータである評価データが、依頼者の提出データや既存データ等を基に作成されてDB147に記憶されており、キーワードの評価得点は、そのキーワードに応じた所定の計算式に従って評価データを用いて算出される。
【0354】
また「健康」を具体化し、文章の入力例が「甘く冷たくておいしく糖尿病にもよい食品」であるすると、単語毎に「甘い」「冷たい」「おいしい」「糖尿病」「食品」が選ばれる。例えば「甘い」「食品」「糖尿病」の3つの単語組合列があると、例えばキーワード「糖尿病」が抽出され、その他キーワードとして「甘い」が抽出される。キーワード「糖尿病」では食品成分中の糖質が少ないほど評価点が高くなり、しかもその評価率が高く(高数値%)なるような所定の計算式が特定されて設定される。このように単語組合列からキーワードの特定や評価率、評価点の傾向を決めるためのデータベースデータがDB147には保存されている。このデータベースデータは専門家の知識を集結し、もしくは経験則に基づき作られたものである。キーワード(評価項目)として「甘さ」が抽出され、食品のうち甘味成分の多い、また「糖尿病」がキーワードにあれば砂糖を使用しない砂糖以外の甘味料を使って甘度の高い食品の評価点が高くなる。
【0355】
依頼者は、所望する商品・役務を提示し、その中で特に要望があればその要望をキーワードの登録で特定する。キーワード登録には、「優先順登録」「評価率登録」「既定登録」の3種類があり、それぞれ3つのボタン161,162,163で選択する。図49,図50,図51は、依頼者が要望を入力するために用意された3種類の顧客登録画面である。画面Eで、各ボタン161,162,163を選択すると、図49,図50,図51に示す3種類の依頼登録画面LA,LB,LCがそれぞれ表示される。図49の依頼登録画面LAは、キーワードの優先順位を指定できる「優先順登録」のキーワード登録用のものである。この画面LAには、商品役務表示欄166と、評価の際に重視する優先順に第1優先〜第n優先までの最大n個のキーワードを入力可能な各入力欄LA1〜LAnと、OKボタン167が用意されている。
【0356】
図50の依頼登録画面LBは、各キーワードの重要度に応じた比率を評価率(%)の形で指定できる「優先順登録」のキーワード登録用のものである。この画面Tには、図49と同様の商品役務表示欄166と、第1優先〜第n優先までの入力欄LB1〜LBnと、これらのための評価率入力欄168と、OKボタン167が用意されている。
【0357】
図51の依頼登録画面LCは、キーワードに優先順位を特につけないか、予めプログラムで初期設定された既定の優先順位が適用される「既定登録」のキーワード登録用のものである。この画面LCには、商品役務表示欄166と、評価項目として最大n個までのキーワードの入力が可能な入力欄LC1〜LCnと、OKボタン167が用意されている。
【0358】
各依頼登録画面LA,LB,LCの入力欄LA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnには、予め用意されたキーワードの中から選択するか、又は自由にキーワードを入力することができる。
【0359】
また評価登録リストボタン164を選択すると、登録リストEAが表示される。登録リストEAには、依頼者が指定した商品・役務を評価するうえで必要と推察される予め用意された複数の評価項目などが列挙されており、依頼者は必要と思われる、または指定された評価項目に希望の数値や範囲などの必要事項を入力する。なお、画面E,LA,LB,LCや登録リストEAが依頼画面に相当する。
【0360】
依頼者は端末30Aに表示された依頼登録画面E,LA,LB,LC、登録リストEAで必要事項を入力後、画面Eで送信ボタン165を選択すると、商品・役務関連情報と要望情報を含む競り依頼情報としての依頼登録データD18はネットワークNを通じてサーバ21に送信される。依頼登録データD18はDB145,147に各種データベースデータに必要に応じて分割されて取引種別毎・分野等毎に分類されて格納される。ここでは商品・役務関連情報が属性情報に相当する。
【0361】
一方、評価オークションの入札に参加する仕方には、「直接取引」と「情報取引」の2通りがある。「直接取引」で入札に参加するときは、オークションHP画面で直接取引ボタン106を選択する。また「情報取引」で入札に参加するときは、オークションHP画面で情報取引ボタン107を選択する。「直接取引」と「情報取引」のどちらでも、通常のオークションか逆オークションかを選択項目108で指定すると共に、希望する商品・役務の属する分類の選択ボタン100を選択後、確定ボタン130を選択する。すると、「直接取引」が選択されたときは図52に示す入札登録画面Kが表示され、「情報取引」が選択されたときは図53に示す情報提供画面NBが表示される。なお、入札登録画面Kおよび情報提供画面NBが入札画面に相当する。
【0362】
図52に示すように入札登録画面Kには、商品又は役務名(詳細指定)、商品品番、サービス内容、価格(料金)、場所、参考情報などの各種入力欄K1〜K6、数値評価に使用する評価データを登録するときに選択する評価データ登録ボタン169、依頼者の要望が表示される要望表示欄K7、要望参照ボタン170が用意されている。依頼者の要望の仕方が文章以外(キーワード登録または評価項目登録(スペック等))のときは、要望参照ボタン170を選択すると、依頼者のしたキーワード登録または評価項目登録の要望内容が補助画面に表示される。
【0363】
また評価データ登録ボタン169を選択すると登録リストKAが表示される。入札登録者は登録リストKAに列挙されている評価項目等に必要事項(評価データ)を入力する。依頼者は端末30Aに表示された入札登録画面Kで全項目に必要事項を入力して送信ボタン171を選択すると、入札情報としての入札登録データD19はネットワークNを通じてサーバ21に送信される。入札登録データD19のうち商品役務管理に該当するデータは顧客・商品管理DB145に追加され、評価管理に該当するデータは評価データ管理DB147の評価データ記憶部156に分野等毎に分類されて格納される。
【0364】
評価オークションでは、依頼者の要望を分析して評価項目に置き換え、その評価項目(例えばキーワード等で表される)について商品又は役務をその評価項目毎に数値評価し、その評価項目毎の評価数値を個々に評価したり、各評価項目全ての各評価点を合算した総合評価点で評価する。
【0365】
入札の仕方には、依頼がある前に予め入札内容を登録しておく予約入札方式と、依頼があってから入札者を募る通常入札方式との2通りがある。予約入札方式は、依頼がある前に予め入札情報をオークション管理システム20に登録しておき、その後、依頼者から依頼があると既に登録されている入札データの中で競りを行う方式である。通常入札方式は、依頼者から依頼を受けてからその要望をネットワークNを通じて広く第三者の端末30に提示して入札者を募る方式である。予約入札方式の場合は、提示できる商品や役務の内容が固定である場合に適しており、依頼があれば待ち時間が少なくすぐに要望に適う商品・役務や買い手、あるいはその情報を探し出すことができる。一方、通常入札方式は、入札者が依頼者の依頼内容を見て判断してから、提示できる商品や役務の内容を決めて競りに参加でき、依頼者は要望に対して有利な条件を提示した入札者を落札できる。
【0366】
入札登録データD19と入札情報データD20(図53参照)は、予約入札方式の場合は顧客・商品管理DB145及び評価データ管理DB147に格納され、通常入札方式の場合は競りデータ管理DB146に格納される。予約入札方式で各DB145,147に格納された入札データは依頼者からの依頼があると各DB145,147から読出され、競りに供される。
【0367】
商品は情報であってもよい。すなわち、ある商品やサービスを希望する場合、その商品の所有者、商品を売る会社、サービスの提供者・提供会社について知っている者から、必要な情報を買い取る取引にもオークションは利用される。
【0368】
あらゆる分野・ジャンルの情報が取引の対象とされる。ほんの一例を示すと、魚群情報(何時何分頃に場所は○○で魚種は○○魚で魚影の濃さは…。)、資源情報(希少金属や石油などの埋蔵情報等)などが挙げられる。
【0369】
「…(場所、区域)で○○という魚の魚群の情報を募集」と入力すると、またはキーワードの入力欄で「…(場所、区域)」、「○○(魚種)」「魚影」と入力すると、前者の場合は文章をそのまま情報としてインターネットNを通じてその情報に関する情報を広く募る。この情報を見た者のうち知っている情報があれば、画面で情報提供ボタン○○を選択する。すると、図○○に示す情報提供画面が表示されるので、自分の持っている価値のある情報を情報提供入力欄○○に入力して入札する。
【0370】
オークションで魚群情報を取り扱う例を説明する。例えば魚の漁をしている船が自分が捕獲している魚以外で例えば釣り舟にとっては釣りの対象としている魚の魚影の情報を、釣り人や釣り船に提供する。この場合、情報を受ける船等にとっては最も近くの船からの情報を入手したい。そこで、オークションに参加し、最も近くの船からの情報を入手する。すなわち、魚群の情報を持つ船は、その情報をインターネットNを通じて仲介会社のサーバ21に提供する。例えば釣り人や漁船は、近くの船からの漁に有効な何か情報がないかをオークションを利用して探す。この場合、優先入力欄に魚の種類等を入力して情報を絞ることもできる。また位置範囲を絞ることもできる。
【0371】
サーバ21は何に関する情報であるかが分かる程度の概要を広く第三者の端末30に提供し、その概要を見た第三者は端末を通じてその情報を買い取る取引方法を実施することもできる。
【0372】
例えば図47に示すようにオークションHP画面で情報入力ボタン117を選択すると図53に示す情報提供画面NBが表示される。図53に示すように、「情報取引」の入札画面である情報提供画面NBには、募集情報表示欄NB1、情報料(情報提供報酬額)表示欄NB2、残り時間表示欄NB3、情報入力欄NB4、ID番号入力欄NB5、要望参照ボタン172、情報添付ボタン173、送信ボタン174が用意されている。募集情報表示欄NB1には依頼者が探している情報の内容が文章で表示されるとともに、依頼者の要望の仕方が文章以外(キーワード登録または評価項目登録(スペック等))のときは、要望参照ボタン172を選択することで、依頼者のしたキーワード登録または評価項目登録の要望内容が補助画面に表示される。情報料表示欄NB2に情報料が表示されるので、その募集された情報を提供できる閲覧者は情報入力欄NB4にその提供情報を入力(記入)し、または添付ボタン173を選択すると表示される登録リストNBBに評価データ等の必要事項を入力して詳細データを添付する。そしてID番号入力後に送信ボタン174を選択すると、入札情報としての入札情報データD20はネットワークNを通じてサーバ21に送信される。
【0373】
この情報提供画面NBでは、募集情報表示欄NB1に依頼者が探している情報内容が表示されるとともに、情報料表示欄NB2に情報料が表示されるので、その募集情報を提供できる情報を持つ閲覧者は情報入力欄NB4にその提供情報を入力(記入)をし、または添付ボタン173を選択すると表示される登録リストNBBで評価項目(スペック等)のデータを入力し、添付操作をしてデータを添付し、ID番号入力後に送信する。これらの情報をサーバ21はデータベース147に管理する。例えば依頼者が要望に関する情報をサーバ21に送信してくると、サーバ21はデータベース147の管理データの中から該当する情報を探す処理をするとともに、緊急に必要な情報でなく募集時間をとってもある程度許される場合は、情報を直ちに募集する。そして残り時間が無くなった制限時間終了後、得られた情報を分析し、顧客のニーズに最も適合した情報を顧客用端末30に送信する。この際、依頼者の指定した要望のレベルに応じて落札する評価点の基準が指定され、その指定された評価レベルに則って落札者が決定される。希望情報を得た依頼者は情報料に手数料を加えた金額を支払う。落札者には情報料が支払われる。
【0374】
また、依頼者は欲しい商品又は役務を提示するだけでもよく、その場合、サーバ21は予め登録された商品又は役務を適正に評価するための評価データを記憶し、予め決められた複数の評価項目を数値評価して総評価点の高いものに落札させる。
【0375】
次に、依頼者の要望に適うか否かを数値評価する方法について説明する。
要望を分析して評価項目に置き換え、その評価項目(例えばキーワード等で表される)について商品をその評価項目毎に数値化し、その評価項目毎の数値を個々に評価したり、全ての数値を合算した総合評価点で評価する。この評価点が競りの対象とされ、評価点が競り形式の条件を満たすものであるほど優先的に落札する。このようにその要望を満たす評価点を得た数値で競りをする。また、依頼者や入札者は、商品又は役務を提示するだけでもよく、その場合、サーバ21は予め登録された商品又は役務を適正に評価するための評価データを記憶し、予め決められた複数の評価項目を数値評価して総評価点の高いものに落札させる。
【0376】
図55は、商品や役務について評価項目毎に評価点が記録された評価データD21で、登録等された商品A,B,C,…,について各評価項目毎の評価点が記録されている。この例では評価点は100点満点評価としている。
【0377】
図56は、キーワードを数値に変換するために使用する計算式が記録された計算式データD22で、各キーワード毎に対応する計算式が記録されている。この計算式の変数が評価項目に相当し、計算式の各変数に対応する評価項目の評価点を代入して計算することで、キーワードに関する評価点が算出される。
【0378】
例えば食品を数値オークションで探す場合、評価項目が例えば「安全」「健康」「○○病」等のキーワードであれば、これらの要望をトータル的に適正に評価し評価点に換算する。各キーワードには正しく評価されるように予め考えられた計算式が設定されている。例えば「安全」であれば、計算式の変数として使用する評価項目に、自然野菜使用率、合成調味料使用率、糖使用率、農薬肥料、ミネラルなどが挙げられており人体にやさしいほど評価点が高得点となっている。例えば計算式「Σkn (=k1 2+ … n )」(但し、knは評価項目nの評価点)が与えられる。このように評価データD21と計算式データD22に基づいてキーワードに応じた評価点が求められる。また「○○病」であれば、その病気の治癒に効能のある評価項目(例えばビタミン等の成分)が強く重み付けされるような計算式が採用され、その効能のある評価項目で高得点がついた食品は、基本的にキーワード「○○病」についての評価点が高くなる適正評価がなされる。例えば糖尿病であれば糖質割合の評価点については強く重み付けされるような計算式が用いられ、糖質割合の低い食品はこのキーワードについては顕著に高評価される。各データD21,D22は例えばデータベース147に記憶されている。
【0379】
例えば依頼者が複数のキーワードを設定したいために図49の画面LAを使用するときは、第1優先〜第n優先の各キーワードの評価点が、その優先順に重み付けされて総合評価され、例えば第1優先100%、第2優先80%、…、第n優先10%などその既定評価率に応じた総合評価点が算出される。図50の画面LBを使用するときは、第1優先〜第n優先の各キーワードの評価点が、対応する評価率%に応じて重み付けされて総合評価点が算出される。また図51の画面LCを使用するときは、各キーワードは等しい評価率で均等評価される。なお、個々の項目についての評価点や総合評価点などの数値に換算する基となる情報である、依頼者からの要望データ(例えばキーワード等)が被評価情報に相当する。
【0380】
図54は、評価結果表示画面Oである。例えば依頼者が複数のキーワードを設定した場合、図54に示すように、要望に適う候補の商品(又は役務)が総合評価点の高い順序で表示される。この画面Oでは、候補に挙がった各商品(又は役務)について、各評価項目(キーワード)毎の個別の評価点と、総合評価点とが表示される。評価結果表示画面Oのリストに挙がる入札者数はサーバ21が判断し、全入札者数の一定割合、または依頼者が指定した一定人数以内に絞り込まれる。このように依頼者側の端末30で評価結果表示画面Oを見ることができれば、依頼者は単に総合評価点だけでなく各評価項目毎の個々の評価点を参考にしながら落札者や落札商品を自分で選ぶことができる。
【0381】
この画面Oでは、落札候補順位第1位の商品(又は役務)と対応する右端位置に落札ボタン175が選択状態で表示される。各キーワードの評価点を個々に見て落札する商品を候補順位下位の商品に変更したいときはその商品と対応する右端位置を選択し、落札ボタン175が選択状態にある位置を該当商品の位置に切り換える。落札ボタン175が選択された状態でOKボタン176を選択する。
【0382】
一方、やり直しや取り消しのときはやり直しボタン177を選択する。落札する商品が決まりOKボタン176が選択されると、その落札データがサーバ21に送信され、この落札データを受信したサーバ21は売り手と買い手の双方に取引成立の旨を通知する。もちろんオークションの結果は、落札者の情報だけが依頼者に送信されるものとすることもできる。つまりサーバ21は、総合評価点の最高得点の入札者を落札者として決定してその旨を評価内容と共に依頼者に通知する。
【0383】
次にオークション手順について図57のフローチャートに従って説明する。
まずS2010では、商品・役務を選択する。すなわちオークションHPで、取引の種別(直接取引,情報取引)をボタン106,107で選択すると共に、商品・役務の分野を選択ボタン100を選択して特定した後、確定ボタン130を操作し、その次画面(依頼登録画面)Eでその特定した分野の中の希望する商品又は役務を具体的に特定する(但し、分野によっては依頼登録画面Eの前に既に商品等が特定される場合もある)。なお、S2010〜2040で入力されたデータをサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0384】
S2020では、商品又は役務に関する要望を入力する。すなわち文章入力する場合は依頼登録画面Eの文章入力欄E4に、要望を文章で入力する。またキーワードで要望を特定したい場合は、依頼登録画面Eで3種類のボタン161,162,163の中から1つを選択操作し、その次画面LA,LB,LCでキーワードを入力し、画面LBについては各キーワード毎の評価率を評価率入力欄168に入力する。また評価項目(スペック等)の数値等を具体的に入力する場合は、評価登録リストボタン164を選択すると表示されるリストEAで評価項目(スペック等)の数値等を入力する。
【0385】
S2030では、要望入力方法が、文章かキーワードかを判断する。文章であればS2040に進み、キーワードであればS2050に進む。
S2040では、文章解析処理をし、文章からキーワードを抽出する。ここで、文章解析処理は、文章を単語(名詞、形容詞等)ごとに区切る処理をして文章を単語毎に分け、各単語についてデータベース中の登録単語の中に一致するものがあるか否かを判定し、一致すればその登録単語と関連付けられたキーワードを選ぶ。また単語の中にはその一語のみでは評価の基準となり得ない抽象的で漠然とした意味しか持たないものもあるので(例えば「おいしい」)、その前後にある単語など他の単語との関連性(組合せ)を考慮して意味を見出し、その意味に合ったキーワードを選ぶこともする。また一致した登録単語と関連するキーワードが複数ある場合は単語同士の関連性から見出された意味からキーワードの絞り込みをする。この場合、商品や役務は既に決まっているので、それらの性質や特質も考慮されてキーワードは抽出される。また単語の意味が漠然と広すぎてキーワードが絞りきれない場合は、具体的な単語の再入力を要求する。
【0386】
S2050では、評価オークションを開始する。すなわちサーバ21は依頼者から受信した依頼内容を反映させた入札登録画面Kを作成して配信し、アクセスしてきた者が見られる状態にして依頼者が提示した商品又は役務への入札を募る。インターネットNを通じて広く第三者の端末30に入札の募集をする。この場合、特定の業者商品又は役務についてのオークションである場合は、特定業者のみに入札を募集する旨の入札募集情報を送信する。
【0387】
S2060では、入札募集の指定がなされているか否かを判断する。すなわち依頼登録画面Eで、選択項目E6に入札募集「する」が設定されると共に入力欄E7に競り期間が設定されている場合は、その競り期間中は入札者を募集する。商品又は役務によっては、依頼内容を見たその内容によって入札内容を変更する競りに適さないものもあるので、この種の商品又は役務が取引対象である場合は、予め登録されたデータの中から最も要望に適う商品又は役務を絞り込む。一方、依頼内容を見てから検討して入札内容を決める競りに適している場合は、競り期間の間は、要望に適う条件等を提示してくれる入札者を募集する。なお、S2050でオークションを開始して入札者側の端末30に入札登録画面Kを表示させ、S2060で募集があったときに入札情報をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。
【0388】
S2070では、応募があったか否かを判断する。すなわち入札の有無を判断する。この際、依頼者が「直接取引」を指定していれば入札登録データD19の有無を判断し、依頼者が「情報取引」を指定していれば入札情報データD20の有無を判断する。入札が無ければ待機し、入札があればS2080に進む。なお、S2070〜S2170の手順が落札手順に相当する。
【0389】
S2080では、入札情報を取得し、入札情報の中の一情報として提示された評価用の各種データを基に評価項目毎に数値評価し、各々を合算した総合の評価数値で競る競り処理を行う。入札者の提示内容を評価項目毎に個々に数値評価した総合評価点が依頼者の要望に最も適う順に優先順を決めてゆく。
【0390】
S2090では、時間制限が満了したか否かを判断する。時間制限内であればS2070に戻り、時間制限が満了するまでS2070〜S2090の処理を繰り返して新規入札者がある度に競り処理を行う。時間制限が満了すればS2120に進む。
【0391】
一方、S2060で入札募集「しない」が指定されていると判断された場合は、S2100において、入札情報収集処理を実行する。すなわち、DB145,147に既にデータベースとして管理されている入札登録データD19又は入札情報データD20を検索して指定された商品又は役務に該当するものを既に登録済みのものの中から抽出する。
【0392】
そして次のS2110では、抽出した商品又は役務について評価数値での競り処理を実行する。すなわち依頼者の要望から特定される評価項目(キーワード等)について各入札者の提示した商品又は役務について数値評価し、各評価項目毎の評価数値の合算である総合評価点が最も依頼者の要望に適したものに絞り込む。
【0393】
S2120では、落札自己選択が設定されているか否かを判断する。落札自己選択の設定がなされていなければS2150に進み、落札自己選択の設定がなされていればS2130に進む。
【0394】
S2150では、落札者が決定したか否かを判断する。すなわち所定落札数に絞り込まれたか否かを判断する。所定落札者数に絞り込まれていない場合は、S2160に進み、所定落札者数に絞り込まれた場合はS2170に進む。
【0395】
S2160では、絞込処理を行う。評価数値以外の他の参考情報などを考慮して所定落札人数にまで絞込みを行う。依頼者にとって最も要望に沿う条件等を提示した者が落札し、一方、価格が固定であったり価格自体が取り扱われない競り形式である場合は、予め決められた所定ルールに従って落札者を所定落札人数に絞り込む。
【0396】
一方、S2120において落札自己選択の設定がなされていると判断されれば、所定落札人数分の入札情報をリストにした図54に示す評価結果表示画面Oが作成される。利用者は端末30の画面でパスワードを入力した後に画面表示を選択すると評価結果表示画面Oを見ることができる。評価結果表示画面Oには総合評価点の高い順番の優先順に候補物(商品・役務)又は候補者がリストアップされる。
【0397】
S2140では、落札者が決定したか否かを判断する。落札者が決定されるまでは評価結果表示画面のリスト表示(S2120)が継続され、落札者が決定されればS2170に進む。依頼者は総合評価点だけでなく各評価項目個々の評価点を参考にしながら、さらに入札者が提示した他の情報を参考にしながら取引相手を決める。この画面Oでは、候補順位の第1位の商品(又は役務)と対応する位置に落札ボタン175が選択状態で表示される。各キーワードの評価点を個々に見て落札する商品を候補順位下位の商品に変更したいときはその商品と対応する右端位置を選択し、落札ボタン175が選択状態にある位置を該当商品の位置に切り換える。また、やり直しや取り消しのときはやり直しボタン177を選択する。このように画面Oで、落札ボタン175の選択を必要に応じて変更し、取引対象(取引相手、商品や役務)が決まればOKボタン176を選択する。すると、その落札データがインターネットNを通じてサーバ21に送信され、サーバ21は落札者が決定したと判断し、S2170に進む。
【0398】
S2170では、取引成約の旨を双方に通知する。
次に評価オークションの手順について図58のフローチャートに従って説明する。この手順は、図57のフローチャートにおいて評価数値で競り処理をするときに用いられる。なお、S3010〜S3070に示す手順も落札手順を構成する。
【0399】
S3010では、該当する商品又は役務(提供者含む)の評価データD21(図55)を収集する処理をする。
S3020では、キーワードの計算式を取得する。すなわちサーバ21は計算式データD22についてキーワードで検索し、そのキーワードに対応する計算式を取得する。
【0400】
S3030では、キーワードの計算式に使われている変数に相当する評価項目を検索し、各評価項目の評価点を取得する。
S3040では、キーワードの計算式の変数に評価項目の評価点を代入し、キーワードについての評価点を算出する。
【0401】
S3050では、各キーワードの評価率を取得する。要望がキーワード登録である場合は、「優先順登録」では優先順位から決まる評価率が採用され、「評価率登録」では依頼者によって指定された評価率が採用され、さらに「既定登録」では予め初期設定された既定の評価率(例えば均等評価率)が採用される。また要望が文章入力である場合は、文章解析結果から各キーワードに特定された評価率が採用される。
【0402】
S3060では、各キーワードの評価点に各評価率を乗じた値を累計して総合評価点を算出する。
S3070では、評価結果を画面表示する。この際、各入札者の提示したものの総合評価点の大小を比較して各入札者(又は入札された商品・役務)に順位を付す。このとき依頼者が依頼登録画面Eで登録した要望のレベルに応じた点数範囲が決まり、その点数範囲内で例えば総合評価点で最高得点のものを落札者として決定する。
【0403】
次にこの評価オークションについて幾つかの例を、以下に列挙する。
(A)買い手の希望条件や満足度を数値化して、最も多い数値となる条件・内容を提示した売り手もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
【0404】
(1) 採点者や買い手が、商品や製品、機械、設備、システム、設計図、意匠、特許等の、新規性や進歩性、性能、使いや易さや機能、知名度や好感度、価格、デザイン等を、もしくは採点者や買い手の希望条件や満足度等を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で最も高い数値の得点を出したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0405】
(2) 採点者や買い手が、燃料や原料、農産物、海産物、林産物、加工品、製品、商品等の、産地、特質性、貴重価値性、流通性、知名度、品質、数量、価格、保存度、色や形状等を、もしくは採点者や買い手が指定した希望条件や満足度を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で最も高い数値の得点を出したもの、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0406】
(3) 採点者や買い手が、最も多い数値の得点を出した、解答者、受験者、演技者、能力者等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
(4) 採点者や買い手が、容姿、センス、スタイル、ファッション、歌唱力、演奏カ、踊りの能力、腕力、体力、技能力、会話力、知的能力、知名度等を、もしくは採点者や買い手が指定した希望条件や満足度、能力の評価度等を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値を出した、応募人、売り手人もしくは評価対象人を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0407】
(5) 融資人や投資家や採点者が個人や法人の売り上げ、利益、決算内容、資本力、技術力、開発能力、将来性、採用人数、経費、資産、信用力等を、もしくは融資人や投資家や採点者が指定した条件を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値の得点を出したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0408】
(6) 採点者や情報提供者、会社、個人、組合、団体、非営利法人、クレジット会社、インターネット会社、公共機関、サービス会社等の買い手が、一般客や顧客、会員、社員等の、支払い能力や実績、購買力や実績、信用力、財産、学歴、職業、職業歴、年齢、趣味、技能、資格、出身地や住所、会員歴等を、もしくは採点者や買い手が指定した条件を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値の得点をだしたものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0409】
(7) 採点者や買い手が、学校や自動車教習所、資格取得講習所、スポーツ・音楽・絵画・語学・技能・文化教室、家庭教師等で学ぼうとする時に、料金、資格、取得日時数、教室まで通う時間と交通、進学・就職実績、学習生徒の体験談や評価、教室の環境・設備・施設等を、もしくは採点者や買い手の条件や満足度等を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値の得点を出したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0410】
(8) 採点者や買い手が、大工や建築・建設・設備、会社、住宅リフォーム会社、車や機械等の板金・塗装・修理会社、事務機・日常品等の、修理会社、引っ越しや、配送等の、運送会社、受注制作会社等に注文依頼する時に、価格・料金や支払い方法、制作・修理・修繕にかかる日数や、アフターサービスのサービス期間と保障範囲、請負人の住居・事務所までの時間ど距離、顧客達の売り手の評価や仕事実績、請負人の技能や人物評価等を、もしくは採点者や買い手が指定した条件や満足度等を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値の得点を出したものを、もしくは情報をオークションで選ぶ。
【0411】
(B)売り手が希望する条件を数値化して最も多い数値を出した買い手もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
(1) 情報提供者や売り手が、車、船、飛行機、ロケット等の、輸送機関や、商品、製品、機械、設備、システム、建物、土地、設計、意匠、著作権、特許等の、販売や貸し付け、又はその情報を売る時に、又は、燃料や原料、農産物、海産物、林産物、加工品等を販売する時、あるいはその情報を売る時に、販売価格やリース料、数量、重量、発注や納期期日、使用期間、発注日や発注場所、使用日や使用場所、使用回数、配送場所、距離、方法等を、もしくは売り手や情報提供者の条件を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0412】
(2) 応募人や就職希望者が、給料、待遇、週休日、年間休日数、会社の設立年数、資本金、従業員数、男女別構成、厚生施設、環境、立地条件、設備、職種、決算、取引会社等、もしくは実績、採用方法、講習内容、講習料、期間、システム等を、あるいは応募人や就職希望者が希望する条件、もしくは情報提供者の条件を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値を出したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0413】
(3) 投資や融資や情報を受ける者が、銀行やクレジット会社、金融業者、投資家、投資会社の示した融資金額や融資実行日、金利、返済期間、回数や手数料の金額、担保率、保証人の有無、融資会社、個人の知名度や信用度等を、あるいは投資や融資を受ける者が希望する条件、もしくは情報提供者の条件を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も高い数値を出したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0414】
(C)買い手が希望する条件や満足度を数価化して最も少ない数値を出した売り手もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
(1) 採点者や買い手が、商品や製品、車、船、飛行機、ロケット、機械、設備、特許等を選ぶ時に、使用年数、製造年数、価格、修理度、摩耗、腐食、変形、変色、騒音環境汚染度等を、あるいは採点者や買い手が指定した条件や検査の結果を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0415】
(2) 採点者や買い手が、農産物、海産物、林産物、加工品、製品、商品等を選ぶ時に、数量、重量、価格、傷み、鮮度落ち等の欠点や難易度を、あるいは採点者や買い手が指定した条件や検査の結果を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、もっとも低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0416】
(3) 採点者や買い手が、誤答、失点、欠点等で最も少ない数値を出した、解答者、受験者、演技者、能力者等を、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
(4) 採点者や融資人、投資家、サービス会社等が、個人や法人の従業員の年齢、パート率、借金率、財産率、人件費率、手形発行率や支払い延滞回数、事故回数等を、もしくは採点者等が指定した条件や調査の結果を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0417】
(5) 採点者や買い手が、燃料、ビニール、プラスチック、包装製品、容器、日常品、電器、家具、衣服、原料、中間製品、商品等を選ぶ時に、それらを燃焼させて発生する、C02 や有毒ガス、排出規制物質等の、あるいは買い手や採点者が指定した物質の燃焼発生量を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0418】
(6) 採点者や買い手が、機械、装置、中間製品、商品、農産、水産、林産物、加工食品等やシステム、設計図、特許等を選ぶ時に、ガスや水、溶剤、洗剤、発泡剤、酸化還元剤、腐食剤、発色剤、消毒剤、農薬、油、混合剤等の、あるいは採点者や買い手が指定した物質の、混入量、もしくは使用量を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0419】
(7) 採点者や買い手が、車、船、飛行機、列車、ロケット、機械、設備、原子カ発電機関等を選ぶ時に、放射線やC02 ガス、あるいは窒素、リン酸化合物等の排気ガスや排出規制物質等の、もしくは買い手や採点者が指定した物質の、排出量を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくは情報をオークションで選ぶ。
【0420】
(8) 採点者や買い手が、工場、会社、装置、設備、原子力発電装置や設計図、システム、特許等を選ぶ時に、放射線やC02 ガス、有害物質あるいは排出規制物質等の、もしくは採点者や買い手が指定した物質の排出する量を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくは情報をオークションで選ぶ。
【0421】
(9) 採点者や買い手が、システム、設計図、特許、機械、設備、工場、会社、製品等を選ぶ時に、排出される、放射線やガス、液体物、固体物等の量を、それぞれ数値化して、もしくは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくは情報をオークションで選ぶ。
【0422】
(10) 採点者や買い手が、学校や自動車教習所、資格取得教室、技能・語学・スポーツ・音楽・絵画・文化教室、家庭教師等で学ぼうとする時に、料金や資格取得日時数、教室や教習所までの距離等の問題点を、もしくは採点者や買い手が指定した条件を、それぞれ数値化して、あるいは数値化された、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。
【0423】
(11) 採点者や買い手が、大工、建築・建設会社、住宅リフォーム会社、車や機械等の板金・塗装・修理会社、設備・施設・会社、事務機・日常品等の修理会社、引越しや運送の会社、注文受け製作会社等に注文依頼する時に、価格・料金や制作・修理・修繕の日数、講負人の住居・事務所までの時間と距離等の問題点を、もしくは採点者や買い手が指定した条件を、それぞれ数値化して、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も少ない数値を示したものを、もしくは情報をオークションで選ぶ。
【0424】
(D)売り手が希望する条件を数値化して最も少ない数値を出した買い手もしくはその情報をオークションで選ぶ場合である。
(1) 売り手が、産業廃棄物や処理物、回収物や中古製品、原料、中間製品等を販売する、あるいは処理を依頼する時に、買い手側がそれらの、処理や修理、加工の段階で、工場や機械、設備から発生、あるいは排出する、C02 ガス、排出規制ガス、有毒ガス、汚染水、汚染物質、排出規制物質や排水等、もしくは売り手の指定した物質の発生・排出量を、それぞれ数値化して、更に販売価格、修理、加工、処理価格、その期間や技術等を、もしくは採点者や売り手の希望する条件を、それぞれ数値化して、個々の、あるいは合算した数値の中で、最も低い数値を示したものを、もしくはその情報をオークションで選ぶ。なお、個々の数値で評価するときは価格や料金は含まないものとする。
【0425】
従って、この第6実施形態によれば以下の効果が得られる。
(13)依頼者が要望を数値化した評価点を競りの対象とし、商品、役務や買い手を競り落とすオークション方法を採用したので、依頼者が依頼者各人の要望に適う取引相手を探し出すことができる。
【0426】
(14)競り形式を複数の中から選択できるので、依頼者にとってできるだけ要望に沿う取引相手を探し出すことができる。
(15)依頼者の要望を数値評価してその評価された数値を要素としてオークションをするので、物理量に置き換えられない抽象的な要望(満足度、将来性、成長性、使い易さ、キーワード等)でもオークションをすることができ、オークションによって最も要望に適う商品や役務の提供を受ける取引を行うことができる。
【0427】
(16)情報の入手の要望を受け付けて、その要望された情報の提供を広くインターネットNを通じて第三者に募り、提供された情報の内容中にある要素について競りをし、依頼者の要望に対して最も適った内容の情報を提示した情報提供者(入札者)に落札させる情報のオークションを採用した。よって、商品や役務の提供者や提供会社などがオークションシステムに参加していなくても、どうすれば所要する商品や役務の提供を受けることができるかなどの最も適切な情報を入手することができる。特に漁船が入手した自分の漁の対象ではないが釣り船等が対象とする魚の魚影情報を、近くの釣り船等に提供することで、他人にとって価値のある情報を有効に活用することができる。
【0428】
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態を図1〜図3,図15,図16,図18,図59〜図66に従って説明する。前記各実施形態では競りの対象とする要素が取引時期である時間、位置、数値、評価数値等であったが、本実施形態は、価格以外の要素として時間や位置だけでなく、時間や位置を含め複数の要素の中から選択できるようにした構成である。詳しくは競りの対象となる要素としては、時間、位置(移動中含む)、空間(長さ等)、数量、重量、数値などが挙げられる。
【0429】
オークションシステムの全体構成は前記各実施形態において示した図1や図15と基本的に同様である。また機能構成についても、図2や図16に示す機能ブロック図とほとんど同様で、時間や位置だけでなく多数の要素に対応できるようにしただけで、個々の要素に応じたデータベースの量などが増えている。
【0430】
競りの対象とする要素としては、時間、位置、空間、数量、重量、数値などがある。図3や図18に相当するメニュー全体を示すオークションホームページ画面が同様に用意され、HP画面で商品・役務の分野を選択してその下位階層画面などで商品・役務を具体的に選択すると、図59に示す要素選択画面JAが表示される。要素選択画面JAには、オークションか逆オークションかを選択する選択項目JA1(前画面で選択される場合は無くすことが可能)と、「時間」、「位置」、「移動中」、「長さ・空間」、「数・数量」、「重量」、「数値」の要素選択ボタン180〜186と、確定ボタン187とが用意されている。
【0431】
利用者は、取引の対象とする商品又は役務に応じて適した要素を選択できるようにプログラムが作成され、サーバ21のメモリに記憶されている。そのプログラムは図65,66にフローチャートに示すもので、基本的に第1実施形態で示したプログラム中の時間に限らず、利用者が選択した要素が競りの対象とされる。もちろん、図59に示す要素に加え「価格」を競りの要素として含むこともできる。なお、図59の画面JAおよび後述する図60に示す競り形式選択画面IAが依頼画面に相当し、これら依頼画面で入力されたデータ内容が競り依頼情報に相当する。
【0432】
また、競り形式も、第1実施形態と同様にスライド方式が用意されている。すなわち、要素は、時間、位置、空間、数量、重量、数値などのうちどの要素も、座標軸上で数値として表すことができるので、その座標軸に基準値を指定し、その基準値に対して近いほど優先される競り形式か、遠いほど優先される競り形式かなど落札の決め方のルールが、競り形式として5種類設定している。
【0433】
図60は競り形式を選択する競り形式選択画面IAである。競り形式選択画面IAには、商品・役務表示欄IA1、要素表示欄IA2、競り形式選択項目IA3、基準値入力欄IA4、接近方向選択項目IA5、範囲入力欄IA6、送信ボタン188が用意されている。競り形式選択項目IA3では、小さいほど優先させることを指定する選択項目、大きいほど優先させることを指定する選択項目、基準値を指定して基準値に接近するほど優先させることを指定する選択項目の3つのうちから1つを選択する。接近方向選択項目IA5は、基準値が指定されたときにその基準値に対してどちらの方向から接近するかを指定するためのもので、小さい方から基準値に接近することを指定する項目と、大きい方から基準値に接近することを指定する項目と、両方向から基準値に接近することを指定する項目との3つうちから1つを選択する。範囲入力欄IA6は範囲を指定するためのものであり、上限・下限の一方だけを指定したり範囲を指定しないことを選択することもできる。なお、基準値が希望値に相当する。
【0434】
図62は競り形式を説明するための線図であり、5種類の競り形式のうち4種類のみ示している。各要素に応じてその要素の内容を数値的に表す場合に、その数値が大きくなる概念と、その数値が小さくなる概念とに分かれる。例えば遠い、大きい、広い、長い、重いなどの概念は数値が大きくなる概念で、近い、小さい、狭い、短い、軽いなどの概念は数値が小さくなる概念である。競り形式は、提示される数値等の最も大きいものが落札するのか、最も小さいものが落札するのか、さらに顧客が提示した基準値に一致するもしくは一番近い数値等を提示したものが落札するなどのルールである。競り形式には以下の5種類がある。但し、これらの形式は後述する数値オークションには設定されない。
【0435】
(1) 所定範囲の中で最も小さな値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である(図62(a))。
(2) 所定範囲の中で最も大きな値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である(図62(b))。
【0436】
(3) 指定された要素の基準値に対し小さい方から最も接近する値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である(図62(c))。
(4) 指定された要素の基準値に対し大きい方から最も接近する値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である(図62(d))。
【0437】
(5) 指定された要素の基準値に対し小さい方からか大きい方からかに拘わらずとにかく近い値を提示した者ほど落札者として優先される優先規則である。なお(3) 〜(5) では基準値に一致した場合が最も優先されるが、基準値を含まず最も近い場合が優先される設定でも構わない。
【0438】
また図59の要素選択画面JAで、複数の要素を選択することもできる。複数の要素選択ボタン180〜186のうち2つ以上を選択した場合は、図63に示す要素優先順位設定画面WBが表示されるようになっている。要素優先順位設定画面WBには、第1優先,第2優先,…,第n優先(この例ではn=4)の最大n個の要素を指定するための入力欄WB1〜WB4と、確定ボタン191とが用意されている。第1優先,第2優先,…,第n優先の要素まで指定でき、その順番は利用者が自由に設定することができる。第2優先以降の要素には価格も設定することができる。このように複数要素の設定を可能としているのは、例えば要素が位置だけでは落札者が希望する所定人数(通常一人)に絞りきれない場合があるためで、希望人数に絞り切るために使用される。依頼者は落札者を決めるうえで優先する要素の順位を登録しておき、例えば画面WBで確定ボタン191を選択すると、サーバ21へ優先条件データDbが送信される。
【0439】
商品は情報であってもよい。すなわち、ある商品やサービスを希望する場合、その商品の所有者、商品を売る会社、サービスの提供者・提供会社について知っている者から、必要な情報を買い取る取引にもオークションは利用される。
【0440】
あらゆる分野・ジャンルの情報が取引の対象とされる。ほんの一例を示すと、魚影情報(何時何分頃に場所は○○で魚種は○○魚で魚影の濃さは…。)、資源情報(希少金属や石油などの埋蔵情報など)などが挙げられる。
【0441】
位置オークションで魚影情報を取り扱う例を説明する。例えば魚の漁をしている船が自分が捕獲している魚以外で例えば釣り舟にとっては釣りの対象としている魚の魚影の情報を、釣り人や釣り船に提供する。この場合、情報を受ける船等にとっては最も近くの船からの情報を入手したい。そこで、位置オークションに参加し、最も近くの船からの情報を入手する。すなわち、魚影の情報を持つ船は、その情報をインターネットNを通じて仲介会社のサーバ21に提供する。例えば釣り人や漁船は、近くの船からの漁に有効な何か情報がないかを位置オークションを利用して探す。この場合、優先入力欄に魚の種類等を入力して情報を絞ることもできる。また位置範囲を絞ることもできる。
【0442】
サーバ21は何に関する情報であるかが分かる程度の概要を広く第三者の端末30に提供し、その概要を見た第三者は端末を通じてその情報を買い取る取引方法を実施することもできる。
【0443】
例えば図18に示すようにオークションHP画面には、情報入力ボタン89および情報取引ボタン90が用意されている。このHP画面で情報入力ボタン89を選択すると図61に示す情報提供画面NCが表示される。画面NCには、募集情報表示欄NC1、情報料(情報提供報酬額)表示欄NC2、情報入力欄NC3、情報添付ボタン189、残り時間表示欄NC4、ID番号入力欄NC5、送信ボタン190が用意されている。この情報提供画面NCは、ホームページ画面の情報入力ボタン89を選択してジャンル・分野毎に表示される情報募集リストの中から見たい部分を選択すると表示される画面である。この情報提供画面NCでは、募集情報表示欄NC1に依頼者が探している情報内容が表示されるとともに、情報料表示欄NC2に情報料が表示されるので、その募集情報を提供できる情報を持つ閲覧者は情報入力欄NC3にその提供情報を入力(記入)をし、または添付ボタン189を選択すると表示される次画面で添付操作をしてデータを添付し、ID番号入力後に送信する。これらの情報をサーバ21はデータベース24に管理する。なお、情報提供画面NCが入札画面を構成する。
【0444】
例えば利用者が所望する情報をサーバ21に送信してくると、サーバ21はデータベース24の管理データの中から該当する情報を探す処理をするとともに、緊急に必要な情報でなく募集時間をとってもある程度許される場合は、情報を直ちに募集する。そして残り時間が無くなった制限時間終了後、得られた情報を分析し、顧客のニーズに最も適合した情報を顧客用端末30に送信する。この際、顧客は前記競り形式を選択指定することができ、その指定された形式のルールに則って落札者が決定される。希望情報を得た依頼者は情報料に手数料を加えた金額を支払う。落札者には情報料が支払われる。なお、本実施形態では図18のHP画面中のボタン51,52の選択別によりオークション方式を選択するのではなく、図59に示す画面JAの選択項目JA1でオークションと逆オークションの別を選択する構成としている。また本例でも、前記第6実施形態の図52に示す入札登録画面Kとほぼ同様の画面が用意され、入札者はこの画面Kに必要事項を入力し、ここで入力された入札情報がサーバ21に送信される。
【0445】
オークションの結果は、落札者一人だけの情報が依頼者には送信されるのが基本であるが、依頼者の希望によって複数人の候補者を絞り込んで提示することもできるようになっており、それが図64のリスト画面XDである。すなわちサーバ21は、入札者から提示された情報をそのままリストにして、あるいは入札者から提示された情報を基に落札候補上位者を例えば依頼者が指定した一定人数以内に絞り込んだ優先リストにして、依頼者側の端末30に送信する。そして依頼者側の端末30には図64に示すリスト画面XDが表示される。この画面XDにはリストXD1、落札者選択用の入力欄XD2、確定ボタン192が用意されている。リストXD1には、優先順位番号、コード番号、要素数値(時間、位置、空間、重量、評価等の数値)、入札者提示条件(価格,付帯品(おまけ)等)が示されている。依頼者はこの画面XDのリストXD1の中から取引日などの提示条件を検討して自分にとって有利な落札者を決定し、入力欄XD2に例えば落札者の優先順位番号を入力し、確定ボタン192を選択する。すると、サーバ21は依頼者と落札者に落札の旨を通知をする。このように依頼者側の端末30でリストXD1を見ることができれば、依頼者は要素数値が同じであっても指定した要素以外の価格など他の要素で有利な条件を提示してくれる相手を選ぶことができ、また要素数値が一番の人より少し悪くても価格や付帯品などの面で譲歩してくれる相手を選ぶことができる。
【0446】
また図59の画面JAで「数値」の要素選択ボタン186を選択したときは数値オークションが行われる。数値オークションとは、顧客が希望する商品・役務(サービス)について、顧客の要望に応じて数値評価をし、予め登録された又はその都度募集して集まった多数の商品・役務の中から、その商品又は役務に供される物や者についての評価結果の評価点が一番高いものを落札するオークション取引きである。
【0447】
顧客は、所望する商品・役務を提示し、その中で特に要望があればその要望を予め用意されたキーワードの中から選択する。本例でも、図49,図50,図51に示す画面LA〜LCが用意され、これらは顧客が要望を入力するために用意された3種類の顧客登録画面である。これらの画面データはサーバ21のメモリに記憶されている。なお、画面LA〜LCも依頼画面を構成する。
【0448】
図49の依頼登録画面LAは、商品役務表示欄166と、顧客が商品・役務を要望するときに重視する点を、その重要度の優先順に第1優先〜第n優先までの最大n個のキーワードを入力可能な各入力欄LA1〜LAnが用意されている。
【0449】
図50の依頼登録画面LBは、図49と同様に商品役務表示欄166と、第1優先〜第n優先の入力欄LB1〜LBnが用意されており、さらに各キーワードについてその重要度の比率に応じた評価率(%)を指定するための評価率入力欄168が用意されている。
【0450】
図51の依頼登録画面LCは、キーワードについて優先順位は特につけないか、予めプログラムに初期設定された優先順位が適用されるもので、最大n個までのキーワードの入力が可能な評価項目入力欄LC1〜LCnが用意されている。
【0451】
また、商品又は役務を提示するだけでもよく、その場合、サーバ21は予め登録された商品又は役務を適正に評価するための評価データを記憶し、予め決められた複数の評価項目を数値評価して総評価点の高いものに落札させる。
【0452】
また、本例でも図55,図56に示すデータ21,22を備えている。図55は、商品や役務について評価項目毎に評価点が記録された評価データ21で、登録等された商品A,B,C,…,について各評価項目毎の評価点が記録されている。この例では評価点は100点満点評価としている。
【0453】
図56は、キーワードを数値に変換するために使用する計算式が記録された計算式データ22で、各キーワード毎に対応する計算式が記録されている。この計算式の変数が評価項目に相当し、計算式の各変数に対応する評価項目の評価点を代入して計算することで、キーワードに関する評価点が算出される。
【0454】
例えば食品を数値オークションで探す場合、評価項目が例えば「安全」「健康」「○○病」等のキーワードであれば、これらの要望をトータル的に適正に評価し評価点に換算する。各キーワードには正しく評価されるように予め考えられた計算式が設定されている。例えば「安全」であれば、計算式の変数として使用する評価項目に、自然野菜使用率、合成調味料使用率、糖使用率、農薬肥料、ミネラルなどが挙げられており人体にやさしいほど評価点が高得点となっている。例えば計算式「Σkn (=k1+k2+…+kn )」(但し、knは評価項目nの評価点)が与えられる。このように評価データ21と計算式データ22に基づいてキーワードに応じた評価点が求められる。また「○○病」であれば、その病気の治癒に効能のある評価項目(例えばビタミン等の成分)が強く重み付けされるような計算式が採用され、その効能のある評価項目で高得点がついた食品は、基本的にキーワード「○○病」についての評価点が高くなる適正評価がなされる。例えば糖尿病であれば糖質割合の評価点については強く重み付けされるような計算式が用いられ、糖質割合の低い食品はこのキーワードについては顕著に高評価される。各データ21,22は例えばデータベース24に記憶されている。
【0455】
例えば依頼者が複数のキーワードを設定した場合、図49の依頼登録画面LAを使用するときは、第1優先〜第n優先の各キーワードの評価点が、その優先順に重み付けされて総合評価され、例えば第1優先100%、第2優先80%、…、第n優先10%などその既定値に応じた総合評価点が算出される。図50の依頼登録画面LBを使用するときは、第1優先〜第n優先の各キーワードの評価点が、対応する評価率%に応じて重み付けされて総合評価点が算出される。また図51の依頼登録画面LCを使用するときは、均等評価、あるいは既定値比率通りの重み付け評価とされる。なお、顧客登録画面は上記に限らず、例えば入力欄に要望を文章で入力し、その文章を解析してその要望に合った適切なキーワードを自動で付す機能を採用することもできる。なお、個々の項目についての評価点や総合評価点などの数値に換算する基となる情報である、依頼者からの要望データ(例えばキーワード等)が被換算情報に相当する。
【0456】
また本例でも、図54に示す評価結果表示画面Oを備えている。例えば依頼者が複数のキーワードを設定した場合、図54に示すように、要望に適う候補の商品(又は役務)が総合評価点の高い順序で表示される。この画面Oでは、候補に挙がった各商品(又は役務)について、各キーワード毎の個別の評価点と、総合評価点とが表示される。
【0457】
この画面Oでは、候補順位の第1位の商品(又は役務)と対応する位置に落札ボタン175が選択状態で表示される。各キーワードの評価点を個々に見て落札する商品を候補順位下位の商品に変更したいときはその商品と対応する右端位置を選択し、落札ボタン175が選択状態にある位置を該当商品の位置に切り換える。また、やり直しや取り消しのときはやり直しボタン177を選択する。落札する商品が決まればOKボタン176を選択する。すると、その落札データがサーバ21に送信され、サーバ21は売り手と買い手の双方に取引成立の旨を通知する。
【0458】
次にオークション手順について図65のフローチャートに従って説明する。
まずS4010では、商品・役務を選択する。
S4020では、競りを行うときの要素(時間、位置、空間、数値等)を選択する。なお、S4020,S4030で入力された競り依頼情報をサーバ21が受信する手順が依頼手順に相当する。
【0459】
S4030では、希望条件(競り形式、範囲、競り期間などの必要事項)を選択する。
S4040では、要素オークションを開始する。ここで、複数の端末に入札者募集の通知を行って入札者を募る。
【0460】
S4050では、応募があったか否かを判断する。すなわち入札の有無を判断する。入札が無ければ待機し、入札があればS4060に進む。なお、S4040でオークションを開始して入札者側の端末に入札用の画面を表示させ、S4050で応募があったときに入力する入札情報をサーバ21が受信する手順が入札手順に相当する。また、S4050〜S4160に示す手順が落札手順に相当する。
【0461】
S4060では、入札者が提示する入札情報を取得し、入札情報の中の一情報として提示された要素で競る競り処理を行う。この際、複数の要素が選択設定されているときは、第1優先の要素で競りを行う。入札情報中の要素について希望条件(図62の優先規則)に照らして優先順を決めてゆく。
【0462】
S4070では、時間制限が満了したか否かを判断する。時間制限内であればS4050に戻り、時間制限が満了するまでS4050〜S4070の処理を繰り返して新規入札者がある度に競り処理を行う。時間制限が満了すればS4080に進む。
【0463】
S4080では、落札自己選択が設定されているか否かを判断する。落札自己選択の設定がなされていなければS4090に進み、落札自己選択の設定がなされていればS4140に進む。
【0464】
S4090では、落札者が決定したか否かを判断する。すなわち所定落札数に絞り込まれたか否かを判断する。所定落札者数に絞り込まれていない場合は、S4100に進み、所定落札者数に絞り込まれた場合はS4160に進む。
【0465】
S4100では、要素が複数設定された場合であって、まだ競り処理されていない他の要素が残っているか否かを判断する。他の要素がまだあればS4110に進み、そうでなければS4130に進む。
【0466】
S4110では、要素を変更する。
S4120では、変更後の他の要素で競り処理を行い、所定落札人数にまで絞込みを行う。入札情報中の他(第2優先)の要素について希望条件(図62の優先規則)に照らして優先順から所定落札人数に絞り込む。これでも絞り込まれない場合は、まだ競り処理の対象となっていない他の要素があれば次優先の他の要素に変更し(S4110)、その変更後の他の要素で競り処理をして絞り込みを行う。こうして所定落札数に絞り込まれるまで、あるいは設定された要素の全てについて競り処理を終えるまで段階的に異なる要素で順次競りを行う。
【0467】
S4130では、絞込処理を行う。すなわち次段階の競りをするための要素が無い場合で、この場合は、利用者にとって最も希望に沿う価格を提示した者が落札し、一方、価格が固定であったり価格自体が取り扱われない競り形式である場合は、予め決められた所定ルールに従って落札者を所定落札人数に絞り込む。
【0468】
一方、S4080において落札自己選択の設定がなされていると判断されれば、所定落札人数分の入札情報をリストにした図64に示すリスト画面XDが作成される。利用者は端末30の画面でパスワードを入力した後に画面表示を選択するとリスト画面XDを見ることができる。リスト画面XDには要素の値の優先順に候補者(コード番号表示)がリストアップされており、入札者が提示した他の情報を参考にしながら取引相手を決める。取引相手が決まると、落札者選択入力欄XD2に該当するコード番号を入力した後、確定ボタン192を選択する。利用者が選択した落札者情報はインターネットNを通じてサーバ21に送信される。
【0469】
S4150では、落札者が決定したか否かを判断する。落札者が決定されるまではリスト表示(S4140)が継続され、落札者が決定されればS4160に進む。S4160では、取引成約の旨を双方に通知する。
【0470】
次に数値評価オークションの手順について図66のフローチャートに従って説明する。この手順は、図59の要素オークションの中で要素として「数値」が選択されているときに要素(数値)で競りをする処理等に用いられる。なお、S5010〜S5070に示す手順も落札手順を構成する。
【0471】
S5010では、該当する商品又は役務の評価データ21を収集する処理をする。
S5020では、キーワードの計算式を取得する。
【0472】
S5030では、キーワードの計算式に使われている変数に相当する評価項目の評価点を取得する。
S5040では、キーワードの計算式の変数に評価点を代入し、キーワードについての評価点を算出する。
【0473】
S5050では、評価率を取得する。
S5060では、各キーワードの評価点に各評価率を乗じて累計して総合評価点を算出する。
【0474】
S5070では、評価結果を画面表示する。
従って、この第7実施形態によれば以下の効果が得られる。
(17)価格以外の要素で競りをするので、価格以外の要望を満たすオークションをすることができる。
【0475】
(18)複数の要素を選択できるので、より一層、依頼書の要望に適うオークションを行うことができる。
(19)依頼者の要望を数値評価してその評価された数値を要素としてオークションをするので、物理量に置き換えられない抽象的な要望(満足度、将来性、成長性、使い易さ、キーワード等)でもオークションをすることができ、オークションによって最も要望に適う商品や役務の提供を受ける取引を行うことができる。
【0476】
(20)情報の入手の要望を受け付けて、その要望された情報の提供を広くインターネットNを通じて第三者に募り、提供された情報の内容中にある要素について競りをし、依頼者の要望に対して最も適った内容の情報を提示した情報提供者(入札者)に落札させる情報のオークションを採用した。よって、商品や役務の提供者や提供会社などがオークションシステムに参加していなくても、どうすれば所要する商品や役務の提供を受けることができるかなどの最も適切な情報を入手することができる。特に漁船が入手した自分の漁の対象ではないが釣り船等が対象とする魚の魚影情報を、近くの釣り船等に提供することで、他人にとって価値のある情報を有効に活用することができる。
【0477】
なお、前記各実施形態は前記に限定されず例えば次の態様に変更してもよい。
・ 取引成約後、売り手側の商品引渡又は役務提供と、買い手側の代金決済とが必要であるが、決済をネットバンキングを利用して行うことができる。図67は、この種の取引システムの一例を示す。この取引システムは、オークション管理システム20と、バンキングシステム300と、流通システム310とからなり、各々が所有する各サーバ21,301,311はネットワーク(インターネットや専用回線等)Nを通じて互いに通信可能に接続されている。バンキングシステム300は、決済用のネットバンキングホームページを置き、買い手は自宅のパソコンや携帯電話等の端末30でネットバンキングHPから入金手続をすることができる。もちろんネットバンキングシステム300は、全国各地にある多数の店舗(例えばコンビニエンスストアや銀行またはその出先店)302と通信可能に接続されており、買い手は最寄りの店舗で入金することもできる。また流通システム310は、集配ホームページを置き、買い手は自宅のパソコンや携帯電話等の端末30で集配HPから商品の配達など配達依頼をすることができる。もちろん流通システム310は、全国各地にある多数の店舗(例えばコンビニエンスストアや宅配出先店)312と通信可能に接続されており、買い手は最寄りの店舗で宅配依頼をすることもできる。
【0478】
オークション管理システム20は、取引成約時に双方にパスワードを教え、ホームページ上でパスワードを入力することで成約した双方は期限付きで互いに連絡を取り合うことができる。また成約時には取引コード番号が双方に付与され、買い手は取引コード番号を指定してネットバンキングシステム300に入金をし、売り手は取引コード番号を指定して流通システム310に配達依頼をする。ネットバンキングシステム300への買い手の入金確認と、流通システム310への売り手の商品引渡し確認がなされた後、振替処理および配達作業に着手する。この取引システムによれば、取引相手に自分の素性が知られることなく、しかもシステムへの入金と商品引渡し確認後に振替及び配達作業が着手されるので、安全な取引を行うことができる。
【0479】
・ オークション形態には図68に示す3種類が挙げられるが、どの形態で実施しても構わない。すなわち図68(a)は販売支援型で、仲介者は買い手に無償の付加価値サービスを行って広く買い手を集め、買い手を紹介するなど売り手に対して販売支援サービスを行うことで売り手から対価を得る。図68(b)は購買支援型で、仲介者は売り手に無償の付加価値サービスを行って売り手を集め、売り手を紹介するなど買い手に購買支援サービスを行うことで買い手から対価を得る。図68(c)は販売・購買支援型で、仲介者は売り手に対して販売支援サービスを行うとともに、買い手に対しては購買支援サービスを行って、売り手と買い手の両者から対価を得る。もちろん、売り手からも買い手からも対価をもらわず、第三者から広告料等を得る方法でもよい。
【0480】
・ 前記各実施形態において、複数の要素を設定する場合に次のようなオークション方法を採用することができる。落札手順では、各要素間で優劣を決めるために指標が予め設定され、複数の要素毎に競りが並行に同時進行され、各要素間で指標が最も高かった入札情報を提示した入札者が落札する方法とする。例えば位置と時間を指定した場合に、位置では1kmが50点、時間では10分が50点として指定されると、位置で一番近い40点を獲得した者よりも、時間で一番短い60点を獲得した者を落札者とする。
【0481】
・ 前記各実施形態において、「複数の端末に提供して」の複数の端末は、不特定でも特定でもよい。
・ 前記各実施形態において、「入札」とは、競りに参加することであり、入札の対象は価格以外の要素でもよい意味である。
【0482】
・ 前記各実施形態において、依頼者から要望があってから競りを開始して入札を待つのではなく、予め入札者から取得した入札情報をデータベースに保管しておき、依頼があった場合に、データベース中から依頼者の要望に最も適った入札情報を提示していた者を割り出す競り方法でもよい。つまり、依頼者から要望があってから競りを開始して入札を待つ方法と、予め入札者から取得した入札情報をデータベースに保管しておき、依頼があった場合に、データベース中から依頼者の要望に最も適った入札情報を提示していた者を割出す方法とを採用したが、前者だけを採用してもよい。前者の方法では、例えば入札状況が画面で見ることができれば、入札者は他の入札者の動向を見てさらに依頼者の要望に適う条件を提示して複数回答することもできる。
【0483】
・ 第2の実施形態における位置オークションにおいて、例えばタクシー会社が顧客を落札する場合、ある一定範囲内に顧客が複数人いる場合は、行先の遠い方の顧客を優先して競り落とされる仕組みを採用することもできる。すなわち、顧客の乗車地点と行先地点との距離を地図データ上で計測し、乗車距離がより遠い方の顧客が落札される。この場合、タクシー会社が複数社競合するときは顧客の乗車地点により近いタクシーがいる方とかサービス面で顧客に有利な方が行先のより遠い顧客を落札する。
【0484】
・ 前記各実施形態において、価格以外の要素とは、価格を単純に変換したに過ぎず、実質上、価格の競りに過ぎない形で要素で競りをするものまで含む意味ではないとすることに限定してもよい。例えば位置オークションで、価格を単に距離に変換したに過ぎず、実質上、価格の競りであるようなものは含まないとする。例えば価格と比例関係にある要素で競りをするなど、単なる価格の代用に過ぎない形で要素を競りに使用するものまでは含まない。但し、要素が単なる価格の代用に過ぎるとは言えず、価格以外の要素で競りをしてはじめて価格面以外の特有の効果が得られるなど、価格以外の要素を用いることに意義があるオークション方法は含まれる。例えばタクシーで顧客を迎えに行くまでの距離に応じて料金がかかる場合、一番近いタクシーを落札したから料金が安く済むなどの理由を根拠に、顧客の待ち時間を短くできる効果を無視して発明に含まれないとするのは論外である。このような方法を採れば、価格以外の要望をより一層満たすことができる。
【0485】
・ 前記各実施形態において、落札条件は、適宜設定でき、入札者数(参加者数)のうち予め決めた優先規則に従って例えば所定方向から何番目の値とか、入札値の平均値に最も近い値とかを提示した者に落札させるものであってもよい。
【0486】
・ 前記各実施形態において、商品の関連情報には、価格情報は必須ではない。例えば商品のみ、あるいは商品とその品質のみで、商品関連情報が商品についての価格以外の情報のみであってもよい。例えば美術品や骨董品などは、売り手自身が商品の価値が分からず競りで価格を見極めたい場合があり、また買い手自身は商品の値段よりも商品を手に入れたいという欲求が高く、価格そのものは副次的な価値しかもたずこのように取引上において価格を競り条件の一つに入れる場合は、競り合い相手の力によって成り行き的な状態によって変動して必ずしも適切な評価や取引ができない場合には、むしろ価格を競り条件として提示しない方がよいからである。
【0487】
・ 前記各実施形態において、商品関連情報が売値情報または買値情報を含む場合、その売値情報または買値情報は、売値(または買値)のみだけでなく、売値(または買値)の条件、例えば最低価格(または最高価格)や価格範囲(価格幅)、さらに条件別に段階的に設定された複数の売値や買値の範囲などであっても構わない。
【0488】
・ 前記第1実施形態において、取引時期条件は、期日スライド方式などのような優先規則に限らず、例えば取引時期(例えば希望取引日)そのものの指定が条件であってもよい。
【0489】
・ 前記第1実施形態において、価格スライド設定型のように依頼者が取引時期と価格の両方を提示する方法に限定されない。例えば依頼者が複数の取引時期(期間)を提示し、入札者がその複数の取引時期の中から1つを選んでそれに価格を設定して競りに参加する方法でもよい。また、例えば依頼者が複数の価格を提示し、入札者がその複数の価格の中から1つを選んでそれに取引時期を設定して競りに参加する方法でもよい。この場合、依頼者は入札者が取引時期を設定することができる許容期間(例えば製造会社であれば発売日以降、商品を手元に置いておきたい期間以後など)を提示し、この許容期間が取引時期条件となる。例えば売れ行き予測目的で製造会社が競りを依頼する場合、例えば許容期間は発売日以降とする。
【0490】
・ 前記各実施形態において、リスト画面を用いる方法を採用する場合、取引時期条件は予めサーバ側のホームページにおいて依頼者の依頼内容を入力するために用意された画面に、取引時期(取引日等)の提示を入札者に求めるか否かを選択するのみの選択項目であってもよく、依頼主は入札者が提示した取引期日を端末30Aの画面上で見て落札者を決める。さらに依頼主は取引時期条件を必ずしも提示する必要はなく、サーバが入札者を募るときにの入札者に提供する画面に予め入札者に取引時期についての情報の提示を求める設定になっていて、取引時期の提示の要求は依頼者が設定するのではなく、サーバ側の設定によりなされる方法でもよい。この場合も、依頼主は入札者が提示した取引時期を比較して落札者を決めることができる。
【0491】
・ 前記各実施形態において、入札者の提示情報を基に行う調査は売れ行き予測に限定されない。入札者が提示した競り参加情報を基に商品に関して調査する調査内容は、商品の稀少調査、商品の相場(値打ち)調査または商品流通調査などであってもよい。
【0492】
・ 前記第3実施形態において、自動車や運転者のコンディション情報や、道路状況などの道路情報を考慮に入れずに、顧客からの依頼があって直ちに配車可能なタクシーのみでオークションを行う形式をとってもよい。
【0493】
・ 前記第5実施形態において、オークションで競りの対象となる数値は、長さ、高さ、面積、体積、容積、重量、数量などに代えて、例えば枚数、厚さ、硬さなど、物品の取引の単位として用いられる物理量単位であればよい。
【0494】
・ 前記各実施形態において、オークションによる取引は有償・無償を問わない。例えば無償で取引に売買がなくてもよい。例えば廃品や古品は、捨てたいが処分に困っているときに取りにきて引き取ってくれる人になら無料であげてもよい場合に、その引き取り相手を探すときにオークションを利用することもできる。この場合、売買取引でなくなるため売り手と買い手の関係が事実上成立しなくなるが、このような取引形態のケースまで含むものと解釈する。例えば依頼者の要望に最も適うと評価された、無料の商品や役務、あるいは商品や役務の提供を受ける受け手が落札する。その他、メーカ等が無料で提供する商品、役務を競るオークションに適用することもできる。
【0495】
・ 前記各実施形態において、商品・役務は、取引の対象となるものであれば何でもよい。有形・無形に拘わらない。その一例のカテゴリーとしては、例えば(1) 商品・サービス分野、(2) 情報・コンテンツ分野、(3) アイデア・知的財産権分野などが挙げられる。(1) 商品・サービス分野には、チケット、旅券、ホテル、ローン、金融、保険、証券、住宅、不動産、自動車、二輪車、書籍、音楽、生活雑貨、食料品、化粧品、コンピュータ、ゲーム、オークション、中古品、電話、ビジネスサプライ、バイオ、医薬品、エネルギー、資源、無形なもの(熱、光、波動、色彩、色調、光度、電磁場等)の発生装置または評価装置などの小カテゴリーが挙げられる。(2) 情報・コンテンツ分野には、就職、転職、業務の外部委託、在庫処分、リサイクル、情報コンテンツ、出会い、交際情報、教育、セミナー、広告、取引業者紹介、人的ネットワーク、クレーム処理、リスク管理などの小カテゴリーが挙げられる。(3) アイデア・知的財産権分野には、アイデア、ビジネス企画、著作物、知的財産権などの小カテゴリーが挙げられる。
【0496】
・ サーバ、ネットワーク及び端末は、双方向通信可能なデジタルテレビで実現することもできる。この場合、サーバはデジタルデータを発信するテレビ局などのコンピュータ、端末はデジタル放送を受信するデジタル放送受信可能なテレビが該当する。
【0497】
・ 依頼手順は必ずしも必須ではない。例えば電話や面会で依頼はもらい、募集手順以降の手順(募集手順、入札手順、落札手順)をサーバがネットワークを通じたオークションで実現する方法でも構わない。
【0498】
・ 端末での画面表示は必ずしも必須ではない。依頼手順、募集手順、入札手順で使用していた依頼画面や入札画面を無くしてもよい。例えば依頼情報を依頼主の端末から音声データでサーバが受信したり、入札情報を入札者の端末から音声データでサーバが受信する構成とする。そして、サーバが依頼主の端末に対し依頼情報を音声で発することを案内する機械音声を流し、また入札者の端末に対し入札情報を音声で発することを案内する機械音声を流す。
【0499】
本明細書における各請求項で使用される語句は以下のように定義する。
・ 商品とは、取引の対象となる物で、有償か無償かは問わない。
・ 役務とは、サービスであり、有償か無償かは問わない。ボランティアで無償で行われるサービスを含む。また物を使用しないサービスも含む。さらに救助者が被害者を助ける救助(有償でも無償でもよい)もサービスに含まれる。
【0500】
・ 依頼画面,入札画面などの各種画面は、1画面に限らず複数の画面群で構成されてもよい。
・ 依頼画面と入札画面は、互いにリンクされているなどして共に一連の手順の流れの中に属するものであれば、同一のサーバ(狭義)から提供されていることは必須ではない。つまり依頼手順で依頼主からデータを受信するサーバ(狭義)と、募集手順及び入札手順でデータの送受信をするサーバ(狭義)とが異なる実施をも各請求項は含む。このような狭義なサーバの群も、各請求項でいうサーバ(広義)に該当する。
【0501】
・ 募集手順とは、入札を募るための募集情報を端末で見られる状態にするための送信手順である。サーバが一方的に募集情報を端末に送信する場合と、端末からのアクセスなどの要求に応答する形で、募集情報を端末に送信する場合とが含まれる。前者には双方向テレビを端末とする例が挙げられ、後者にはインターネット通信接続可能なパソコンなどを端末とする例が挙げられる。以下の請求項について同様である。
【0502】
上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を競り落とすネットワークを通じて行われるオークション方法であって、取引の対象となる商品又は役務を、入札者によって提示された価格以外の要素で競る要素オークションをする際に、オークション仲介用のサーバがネットワークを通じた通信により端末を介して、該要素オークションで用いられる優先条件の下で自分が提示できる前記要素の入力を促して入札者を募る募集手順と、入札者によって提示された前記要素を含む入札情報を、該入札者の端末からネットワークを通じて前記サーバが受信する入札手順と、前記サーバは、前記入札情報を基に、前記優先条件に従って最も優先される要素を提示した入札者を特定する競り処理をし、該競り処理結果を基に落札者を選定する落札手順とを備えたことを特徴とするオークション方法。
【0503】
(2)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記要素は、前記商品又は役務の取引の仕方を決める取引要素であることを特徴とするオークション方法。
【0504】
(3)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記要素は、前記商品又は役務の取引をする際に前記入札者によってその取引相手である依頼主に課せられる制約の程度を決める要素であることを特徴とするオークション方法。
【0505】
(4)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を競り落とすネットワークを通じて行われるオークション方法であって、オークション仲介用のサーバがネットワークを通じた通信により端末を介して、取引の対象となる商品又は役務の属性に関する要望を提示すると共に該要望に対し自分が提示できる属性の提示を促して入札を募る募集手順と、入札者によって提示された前記属性を含む入札情報を、該入札者の端末からネットワークを通じて前記サーバが受信する入札手順と、前記サーバは、前記入札情報を基に、前記要望から決まる優先条件に従って最も優先される属性を提示した入札者を特定する競り処理をし、該競り処理結果を基に落札者を選定する落札手順とを備えたことを特徴とするオークション方法。
【0506】
(6)請求項1〜23及び前記技術的思想(5)のいずれか一つにおいて、前記要望は、前記商品又は役務の属性を間接的に特定する希望を述べた希望条件であり、前記落札手順では、前記サーバは、前記希望条件から該当する属性を割り出し、前記入札情報に含まれる複数の前記属性のうち前記希望条件から割り出した前記属性に該当する属性について前記希望条件に適うかどうかを評価する評価処理をして該評価処理の結果を基に評価の高い入札者を絞り込む競り処理をし、前記希望条件に最も適う属性を含む入札情報を提示した入札者を落札者として選定する落札手順とを備えたことを特徴とするオークション方法。
【0507】
(7)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記価格以外の要素は、前記商品又は役務の単価の競りとは等価とならない要素であることを特徴とするオークション方法。なお、単価の競りと等価となるような要素は、単に価格の変換に過ぎないので、このような要素は除外される。数量売り(例えば○○円/100 g,○○円/m,○○円/個など)される商品を、その単価を示す単位のうち分母の単位(g,m,個等)(以下、単に単位という)を要素として競る場合、固定価格であればその要素は単に価格の変換に過ぎず、要素(g,m,個等)で競りをしても単価で競りをするに実質等しいので、このようなものは除外される。また役務の例では、30分3000円のマッサージを、固定価格で「時間」で競る場合は、役務「マッサージ」についての要素「時間」は、時間の競りが実質上単価の競りに等しいので要素として排除される。但し、固定価格ではなく単価は変わらない競りが成り立つ要素の場合、例えば1個100円のりんごを1個でも多く買う人に落札させる場合の要素「個数」は、単価の置き換えとは言えないので、要素に該当する。
【0508】
(8)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、価格以外の要素とは、価格に換算できない要素であることを特徴とするオークション方法。なお、価格へ換算できる「単価」(例えば○○円/100 g,○○円/m,○○円/個など)の単位(g,m,個等)は、要素から除外される。この場合、固定価格で実質単価の競りに当たるものは要素に含まれないのは勿論だが、1個100円のりんごを1個でも多く買う人に落札させるような単価は変わらない競りであっても、単価の単位であることをもって要素から除外される。
【0509】
(9)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記要素は、商品又は役務の属性であることを特徴とするオークション方法。ここで、属性とは、商品又は役務を特定することができる情報であって、商品又は役務を特徴付けているその性質や内容である。また役務の属性には、役務を提供する者の属性や、役務の提供の用に供する物の属性、役務の提供を受ける者の利用に供される物の属性も含まれる。属性によって他の商品や役務との差別化を図ることができる。属性には、例えばデザイン、サービス内容、スペック、品番、性能、効能、品質、材質、強度、信頼度、味、匂い,香り、色、明度、照度、音量、音質、温度、圧力、サイズ、成分、履歴、経歴、資格、能力、速度、長さ、重量、体積、容量、面積、性質、点数、形状、模様、色彩、種類、方式、製品名、商品名などが挙げられる。但し、これらは一例に過ぎない。この中には、適用される商品や役務によっては、価格に換算できるものもあるが、例えば数量売りされる商品の単価の単位は属性には当たらない。但し、例えば規格長のワイヤを2mに切って売る場合は、その「2m」は買い手の選択に他ならずなんらワイヤ自体を特徴付けるものではないのでワイヤの属性には当たらない。しかし、規格にない長さ例えば1000kmのワイヤの「1000km」はそのワイヤを十分特徴付けているので属性に当たる。属性であるかどうかの判断の目安は、要素(単位等)で表される数値が規格値でなく、かつ特定の企業や職人しか作れない、所有していない、技を持たないなど、その数値によって特徴付けがなされ得るかどうかで判断される。なお、依頼手順で依頼主が提示する商品又は役務の属性情報については、要素ではないので、もちろん価格を含んでも構わない。
【0510】
(10)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記要素は、商品又は役務の価格に換算できない属性であることを特徴とするオークション方法。なお、ワイヤが1000kmであって長さが属性に当たるとしても、その単位kmがワイヤを売るときの単価の単位である以上、この要素はその商品「ワイヤ」については除外される。例えば○○円/リットルで取引されるガソリンにとっては単価の単位であるリットルは属性に当たらないが、冷蔵庫の容量を指すときのリットルは冷蔵庫を特徴付けるものなので属性に当たる。このようにある商品にとって単位が属性に当たらないからといって、その単位が全ての商品について要素に当たらない訳ではない。
【0511】
(11)請求項1〜23及び前記技術的思想(1),(7)〜(10)のいずれか一つにおいて、価格以外の要素とは、価格以外の要素であって、その要素の値が価格に直接的に影響しない要素であることを特徴とするオークション方法。この方法によれば、価格の競りでは得られない要素に関する要望を満たすことができるという特有の効果を得ることができる。なお、この技術的思想において、「価格に直接的に影響しない要素」とは、要素の単位当たりの価格(単価)の概念が一般商取引界で普通に取り扱われる要素ではなく、その単価と要素の値との積がすなわち価格とはならない要素を指す。価格に直接的に影響するかしないかは商品に依存する。例えば数量(個数)や、体積、重量でそれらの値の違いが価格に直接的に影響するものは除かれる。1個100円のものを個数で競りをしたり、1リットル当たり100円のもの(例えばガソリン)を体積(容積)で競りをしたり、さらに1kg当たり100円のものを重量で競りをしたりするもの(単価とその要素(個数、リットル、kg)の値との積がそのまま価格となるもの)は、除外される。従って、例えば電化製品を重量又は体積で競りをしたり、テレビの走査線(数量)(通常走査線は価格に直接的に影響しない)で競りをする価格に直接的に影響しない要素で競りをすることはこの技術的思想に含まれる。
【0512】
(12)請求項1〜23及び前記技術的思想(1)のいずれか一つにおいて、前記要素は、時間、位置、距離、長さ、面積、体積、数量、重量、評価数値のうち少なくとも一つであることを特徴とするオークション方法。ここで、位置には移動経路上の位置も含まれる。長さとは、物の性質に関する長さに限られ、幅、高さ、厚みなどを含む(商品そのものの取扱単位(針金の長さなど)は除外される)。距離とは、二点間の長さで、道のりや高低差をも含む。体積とは、容積なども含む(但し、物の性質に関する体積に限り、気体、液体などの商品そのものの体積は「量」に属する)。重量とは、物の性質に関する重量に限り、商品そのものの重量は「量」に属する。数量とは数(商品の個数など)又は量(但し、物の性質を示す前記空間、重量は除外され、商品そのものの量(体積、重量、長さ(針金の長さなど))に限る)である。評価数値とは、商品や役務で用いられる物の性能や品質を示す数値(スペックなど含む)である。
【0513】
(14)請求項1〜23及び前記技術的思想(1), (11)のいずれか一つにおいて、前記要素は、時間又は位置であることを特徴とするオークション方法。
【0514】
(15)請求項1〜23に記載のオークション方法において、前記入札手順で前記入札者の端末から受信する前記入札情報中の前記要素は、時間であって、前記落札手順では、前記サーバは前記入札情報を基に前記時間で競り処理を行うことを特徴とするオークション方法。
【0515】
(16)請求項1〜23のいずれか一項において、前記入札者に提示させる前記入札情報は、前記待ち時間又は移動時間を求めるために必要な前記入札者側の位置データを含み、前記落札手順では、前記サーバは、前記依頼主の指定した位置データと、前記入札者が提示した位置データとを用いて前記待ち時間又は移動時間を求め、該待ち時間又は移動時間の短いほど優先させる落札時間条件の下で、該待ち時間又は移動時間で前記競り処理をすることを特徴とするオークション方法。
【0516】
(17)依頼主が提示した希望位置に対し入札者が位置を提示し、入札者が位置で競りをするネットワークを通じて行われる位置オークション方法であって、オークション仲介用のサーバは、依頼主の端末に依頼画面を表示させて希望位置を含む依頼情報の入力を促すと共に、依頼主の端末から該依頼情報を受信する依頼手順と、前記サーバは、入札者の端末に入札画面を表示させて位置を含む入札情報の入力を促すと共に、入札者の端末から該入札情報を受信する入札手順と、前記サーバが、希望位置に対する入札位置の位置関係を調べて該位置関係データを基に落札条件に従って入札者に優先順位をつける競り処理をし、落札条件に最も適う入札者を落札者として選定する落札手順とを備えたことを特徴とするオークション方法。なお、位置関係とは、希望位置と入札位置の間の距離、両位置間の移動経路上の道のり、両位置間の高低差、両位置間の移動に要する時間を考慮した位置関係などを含む概念である。
【0517】
(18)請求項5において、前記第1の競り処理では、価格以外の要素で競り処理をすることを特徴とするオークション方法。
(19)請求項1〜23のいずれか一項の発明において、前記入札者が提示した入札情報を基に商品に関する調査をしてその調査情報を、前記依頼主に提供することを特徴とするオークション方法。
(20)前記(19)の技術的思想において、前記入札者が提示した入札情報を基に商品に関して調査する調査内容は、商品の売れ行き予測であることを特徴とするオークション方法。
【0518】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、商品又は役務を売買する相手を探す依頼主が、商品又は役務の代金支払日や商品引渡日について依頼主の事情に応じた希望にかなう取引相手を探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態における時間オークションシステムの概略構成図。
【図2】 オークション管理システムの機能構成図。
【図3】 時間オークションのホームページ図。
【図4】 利用者登録についての説明図。
【図5】 商品登録についての説明図。
【図6】 依頼者側の希望条件設定についての説明図。
【図7】 時間スライド方式の説明図で、(a)は期日前倒し方式、(b)は期日遅延方式、(c)は期日前接近方式、(d)は期日後接近方式である。
【図8】 価格スライド設定型の設定についての説明図。
【図9】 入札者側の設定についての説明図。
【図10】 登録処理手順のフローチャート。
【図11】 期日スライド式時間オークションのフローチャート。
【図12】 価格スライド設定型時間オークションのフローチャート。
【図13】 落札優先順位設定についての説明図。
【図14】 リスト画面図。
【図15】 第2の実施形態におけるオークションシステムの概略構成図。
【図16】 オークション管理システムの機能構成図。
【図17】 GPSを備える(a)タクシーと(b)携帯電話の模式図。
【図18】 オークションのホームページ図。
【図19】 タクシー手配画面図。
【図20】 オークション参加画面図。
【図21】 (a),(b)は位置オークションの説明図。
【図22】 位置オークションのフローチャート。
【図23】 移動中位置オークションのフローチャート。
【図24】 他の実施形態におけるオークションのホームページ図。
【図25】 第3実施形態における商品・役務登録についての説明図。
【図26】 範囲選択画面図。
【図27】 (a)〜(e)は位置オークションの優先規則の説明図。
【図28】 移動中位置オークションの説明図。
【図29】 リスト画面図。
【図30】 移動中位置オークション時の顧客手配画面図。
【図31】 位置オークションのフローチャート。
【図32】 第4実施形態における魚群情報手配画面図。
【図33】 オークション参加画面図。
【図34】 情報登録についての説明図。
【図35】 位置オークションのフローチャート。
【図36】 汎用位置オークションのフローチャート。
【図37】 第5実施形態におけるオークション管理システムの機能構成図。
【図38】 数値内容選択時に表示される数値内容選択画面図。
【図39】 商品役務登録についての説明図。
【図40】 競り形式選択についての説明図。
【図41】 オークション参加についての説明図。
【図42】 情報提供についての説明図。
【図43】 リスト画面図。
【図44】 (a)〜(e)は数値オークションの優先規則の説明図。
【図45】 数値オークションのフローチャート。
【図46】 第6実施形態における取引システムを示す摸式構成図。
【図47】 オークションのホームページ図。
【図48】 依頼登録手順を説明する説明図。
【図49】 キーワード登録用の依頼登録画面図。
【図50】 図49と異なるキーワード登録用の依頼登録画面図。
【図51】 図50と異なるキーワード登録用の依頼登録画面図。
【図52】 入札登録手順を説明する説明図。
【図53】 情報提供による入札手順を説明する説明図。
【図54】 評価結果表示画面図。
【図55】 評価データ図。
【図56】 計算式データ図。
【図57】 オークションのフローチャート。
【図58】 評価オークションのフローチャート。
【図59】 第7実施形態における要素選択画面図。
【図60】 競り形式選択画面図。
【図61】 情報提供画面図。
【図62】 競り形式の説明図。
【図63】 要素優先順位設定画面図。
【図64】 リスト画面図。
【図65】 要素オークションのフローチャート。
【図66】 数値評価オークションのフローチャート。
【図67】 取引システムを示す模式構成図。
【図68】 オークション形態を示す模式図。
【符号の説明】
10…オークションシステム、20…オークション管理システム、21…落札決定手段としてのサーバ、22,23,24,146,147…データベース、30〜32…端末、72…端末としてのパソコン、73…端末としてのパソコン、74…端末としての携帯端末(携帯電話)、76…移動体としてのタクシー、300…ネットバンキングシステム、310…流通ネットシステムとしての流通システム、N…ネットワーク。

Claims (13)

  1. 商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を競り落とすネットワークを通じて行われるオークション方法であって、
    オークション仲介用のサーバが、依頼主の端末からのアクセスに応答してメモリに記憶された依頼画面用のデータを送信して該依頼主に取引の対象となる商品又は役務を特定するために必要なその属性情報と前記商品又は役務を取引する前記属性情報以外の取引時期で入札する場合の落札される優先順位を規定する取引時期条件として、基準時期の入力と、取引時期が前記基準時期に対して時間軸上のどの方向側に位置するほど落札時に優先されるかを定めるために設けられた複数の優先方向のうちから取引時期が落札時に優先される一つの優先方向の選択とを促す依頼画面を前記依頼主の端末に表示させると共に、前記依頼主の前記端末に入力された商品又は役務の属性情報と前記基準時期及び前記優先方向の組合せによって指定された優先規則を含む取引時期条件とを含む依頼情報を、該サーバが依頼主の端末からネットワークを通じて受信してメモリに記憶する依頼手順と、
    前記サーバが、入札者の端末からのアクセスに応じて、メモリに記憶された入札画面用のデータを送信して取引の対象となる商品又は役務、あるいは商品又は役務の提供を受ける者を落札する際の前記優先順位を規定する前記取引時期条件を含むと共に、取引時期での入札を促す入札画面をネットワークを通じて入札者の端末に表示させて入札を募る募集手順と、
    前記サーバが、入札者の端末から取引時期を含む入札情報をネットワークを介した通信によって受信してメモリに記憶する入札手順と、
    前記サーバは、前記メモリから前記入札情報に含まれる取引時期と前記取引時期条件と競り処理用のプログラムとを読み出し、当該プログラムを実行して前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する競り処理を行って、前記基準時期に対して時間軸上で最も前記選択された優先方向側に位置する取引時期で入札した入札者を落札者として選定し、当該落札者の端末に落札の旨を送信する落札手順と、を備え、
    前記取引時期は、取引対象が商品である場合は代金支払時期又は商品引渡時期であり、取引対象が役務である場合は代金支払時期であることを特徴とするオークション方法。
  2. 前記取引対象は商品であり、前記取引時期は代金支払時期又は商品引渡時期であることを特徴とする請求項1に記載のオークション方法。
  3. 請求項1又は2に記載のオークション方法において、
    前記落札手順では、前記サーバは前記入札情報を基に前記取引時期での競り処理のみをすることで、該取引時期のみの競りによって落札者を選定することを特徴とするオークション方法。
  4. 請求項1又は2に記載のオークション方法において、
    前記入札情報は、前記取引時期と価格とを少なくとも情報として含み、
    前記落札手順では、前記サーバは前記入札情報に含まれる前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する第1の競り処理を行い、該第1の競りにより所定落札数に絞り込みできない場合は、前記メモリから優先条件を読み出し、さらに価格を当該優先条件に照らし合わせて比較する第2の競り処理を行うことを特徴とするオークション方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオークション方法において、 前記落札手順では、前記サーバは、前記入札情報を基に前記取引時期条件を満たすように前記取引時期で競り処理を行うことで各入札者に優先順位をつけた後、前記入札情報中の前記取引時期を含む少なくとも一部の情報を、入札者全員分または優先順位上位一部の入札者人数分だけ前記優先順位に表示可能とした閲覧情報を、前記依頼主の端末に送信し、該端末に前記入札者ごとの前記閲覧情報を該入札者優先順に載せると共に前記依頼主による落札者の選択が可能な状態に閲覧画面を表示させ、その後、前記依頼主の端末から前記落札者が選択された落札情報を受信すると、前記サーバは該落札情報に示された入札者を落札者とすることを特徴とするオークション方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記取引時期条件は、前記商品引渡時期が遅いほど優先されることを特徴とするオークション方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記取引時期条件は、前記代金支払時期が早いほど優先されることを特徴とするオークション方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記依頼画面では、前記取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件の入力が可能であると共に、該取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件のうち優先順位の設定が可能となっており、
    前記依頼手順では、前記サーバは前記取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件と前記優先順位とを含む前記依頼情報を受信し、
    前記競り処理では、前記サーバは、前記依頼情報中の前記取引時期条件と価格条件とを含む複数の条件のうち優先順位の高い一方から順番に各競り処理を時系列で直列に行う方式を採ることで、落札者を2段階以上の多段階の条件で絞り込むことを特徴とするオークション方法。
  9. 請求項5に記載のオークション方法において、
    前記入札画面は、前記取引時期として前記代金支払時期と商品引渡時期とのうち一方と、参考情報として他方の情報との入力を促す画面であり、
    前記入札手順では、前記サーバは、前記代金支払時期と前記商品引渡時期の各情報を含む前記入札情報を受信し、
    前記落札手順において前記サーバが前記依頼主の端末に表示させる前記閲覧画面には、落札者を選ぶときの決め手となる情報として前記代金支払時期と前記商品引渡時期の各情報が含まれることを特徴とするオークション方法
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期よりなるべく早い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期前倒し方式を少なくとも含むことを特徴とするオークション方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期よりなるべく遅い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期遅延方式を少なくとも含むことを特徴とするオークション方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のオークション方法において、
    前記優先規則の一つとして、前記依頼主が指定した基準時期になるべく近い取引時期を提示した入札者ほど優先する時期接近方式を少なくとも含むことを特徴とするオークション方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のオークション方法に利用されるオークション仲介用のサーバであって、
    商品又は役務の取引相手を探す依頼主の端末からのアクセスに応じてメモリに記憶された依頼画面用のデータを送信して該依頼主に取引の対象となる商品又は役務を特定するために必要なその属性情報と前記商品又は役務を取引する前記属性情報以外の取引時期で入札する場合の落札される優先順位を規定する取引時期条件として、基準時期の入力と、取引時期が前記基準時期に対して時間軸上のどの方向側に位置するほど落札時に優先されるかを定めるために設けられた複数の優先方向のうちから取引時期が落札時に優先される一つの優先方向の選択とを促す依頼画面を前記依頼主の端末にネットワークを通じて表示させるとともに、前記依頼主の前記端末に入力された商品又は役務の属性情報と前記基準時期及び前記優先方向の組合せによって指定された優先規則を含む取引時期条件とを含む依頼情報を該端末からネットワークを通じて受信してメモリに記憶するとともに、入札者の端末からのアクセスに応じてメモリに記憶された入札画面用のデータを送信して前記属性情報及び取引時期条件を含む入札画面をネットワークを通じて入札者の端末に表示させる制御部と、
    入札者の端末から取引時期を含む入札情報をネットワークを通じて受信してメモリに記憶するとともに、前記メモリから前記入札情報と前記取引時期条件と競り処理用のプログラムとを読み出して、当該プログラムを実行して前記取引時期を前記取引時期条件に照らし合わせて比較する競り処理を行って、前記基準時期に対して時間軸上で最も前記選択された優先方向側に位置する取引時期で入札した入札者を落札者として選定する演算手段とを備え、
    前記取引時期とは、取引対象が商品である場合は代金支払時期又は商品引渡時期であり、取引対象が役務である場合は代金支払時期であることを特徴とするオークション用のサーバ。
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