JP4745959B2 - 微生物の自動特徴づけおよび分類 - Google Patents

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Description

本発明は、関心のあるサンプル中の微生物に関する情報を獲得するための計器および方法に関する。とくに、本発明は、振動分光技術を使用して関心のある微生物に関する情報の獲得に関する。
バクテリア、菌類およびウィルスのような微生物は、それらが食糧、病院、スイミングプール、台所、給水システム、空調システムにおいて、あるいはバイオテロで使用されたときに制御されずに拡散した場合に多くの傷害を発生させる可能性が高い。このような状況において、適切な処置をとることによって微生物の拡散を可能な限り迅速に阻止することが最も重要である。ほとんどの場合、さらに進んだ即時の処置を必要とする定まったパターンを感染が示すことが認識された場合にのみ、これらの処置がとられることができる。
伝統的に、識別は形態学的、生化学的および栄養特性に基づいていた。それは、公衆の健康が危険にさらされている状況ではあまり信用できない。何故なら、実験室において繰返し変形されてきた生物体はしばしばそれらの典型的な形態学的、生化学的および栄養特性を保持しないからである。
微生物を識別する多くの高度な方法は、数十年前から著されている。
米国特許第 6,130,057号明細書には、微生物を成長させて識別する血液またはヘミンを含む色を生じる指示薬培養媒体を使用してサンプル中の微生物を区別する方法が開示されている。
米国特許第 4,847,198号明細書には、UV励起されるラマン分光技術を使用してサンプル中の微生物を識別する方法が開示されている。
米国特許第 6,177,266号明細書には、細胞の蛋白質抽出物または細胞全体のいずれかのマトリックス支援レーザ脱イオン化飛行時間質量分光法(MALDI-TOF-MS)解析により生成された属、種および系統特有バイオマーカでバクテリアを化学分類学的に分類する方法が開示されている。
国際特許第 02/20827号明細書には、速すぎもせず遅すぎもせずに突然変異することが知られているDNA領域の配列に基づいた実時間感染制御を行なうためのシステムおよび方法が開示されている。
上述の方法およびその他の技術的方法にはいくつかの欠点がある。たとえば、それらの方法は概して面倒で困難であり、高価な設備と、実験を行なう人物の高いレベルの専門的技術を必要とする。また、識別システムから適切な情報が得られるまでに何日または何週間かの非常に長い時間を要する。識別および感染制御システムのほとんどは明確な分類学に依存しており、そのような分類学なしでは識別および、したがって感染制御が不可能である。これは、最後に述べたが重要さはこれまで述べたことに劣らない。
これらの欠点の大部分は、たとえば、米国特許第 5,112,745号明細書(発明者Maquelin氏他、2003年)に記載されている方法にも該当する。この米国特許第 5,112,745号明細書には、赤外線分光学に基づいて微生物を識別する方法が記載されている。既知の微生物の赤外線スペクトル技術は、同じ既知の生物体に適用された別の確立した遺伝子型、表現型または別の分析評価の結果と相関される。これには、既知の微生物のスペクトルおよび確立した遺伝子型、表現型または別の分析評価の結果のデータベースを生成する必要がある。その後、統計学的解析ルーチンを使用して、いわゆる“特徴づけデータ”がスペクトルシグナチャから決定される。未知の微生物のこのような特徴づけデータと既知の微生物の特徴づけデータの既存のデータベース中の微生物の特徴づけデータとの間に一致が見出されたとき、識別が確定する。これらの特徴づけデータは微生物を識別するように機能し、あるいは微生物から別のデータを抽出するように機能し、すなわち、赤外線スペクトルからの特徴づけデータを使用して、他の場合には微生物を識別するために使用され、あるいは他の場合には微生物を特徴づける別の分析評価の結果を予測する。
Maquelin氏他による文献[“Prospective Study of the performance of vibrational spectroscopies for rapid identification of bacterial and fungal pathogens recovered from blood cultures”Journal of Clinical Microbiology vol.41,pp.324-329(2003)]においては、血流感染における原因となる微生物を識別するために同じ方法が本質的に使用されている。血流感染において非常に有力である病原体の振動スペクトルの最初の参考文献集が作成された。これに基づいて、多変量統計的解析方法および人工神経ネットワークを使用して種レベルの識別モデルが発達された。その後、結果的に得られたモデルは、新しく分離された微生物のスペクトルおよび通常の確立された識別分析によりチェックされた結果によりテストされた。
分光学的特徴が別の分析の結果と相関されるこの方法は、ゴールドスタンダードとして機能し、このような相関によりスペクトル特徴から直接的に微生物に関する情報の獲得するために試みられるものであるが、この方法にはいくつかの重大な欠点がある。これらの欠点の4つを以下に簡単に説明する:
第1に、この方法の適用の発達には、ユーザ側において高価な専門的技術と労力とが必要とされる。
第2に、特徴づけデータの一致がデータベース中において見出されない未知の微生物のスペクトルは、そのスペクトルが識別子として機能するのに十分に別の微生物のスペクトルと異なっているにもかかわらず、後続的に測定されたスペクトルの解析におけるその使用を自動的に可能にするやり方でデータベースを拡張するために使用されることができない。既存のデータベース中において一致が見出されない微生物の大発生は認識されず、既存のデータベースにおいて表されない微生物の地理的範囲または移動は監視されることができない。これは、たとえば、生物兵器または生物戦によるテロの可能性のある行為および抗菌物質に対する抵抗力に関する問題の増加を考慮すると、深刻な欠点である。
第3に、スペクトルが相関されたデータが任意の時点で改訂された場合、ゴールドスタンダードとして使用されるスペクトルと分析結果との間の相関の再計算が必要になり、これは、スペクトルから抽出される特徴づけデータに影響を与える可能性がある。これは、たとえば、微生物の伝統的な分類学的分類において変更がなされ、それによってそれが以前とは別の種として分類される場合であり、これは頻繁に発生する。
第4に、一般に、微生物は特定の分析により情報が得られる特性に関してだけでなく、多くの点において互いに異なっている。すなわち、スペクトル特徴の違いは微生物の分子組成全体に影響を与える多くの異なったファクタのために生じる。たとえば、振動スペクトルは遺伝子型または表現型分析と常に高度の相関を示すというのは一般的に間違いである。密接に関係した種または系統は全く異なったスペクトルを有している可能性が高く、実際、いくつかの場合では別の種からの系統のほうによく似ている可能性が高い。これは、その方法が確立された分析の結果との高度の相関を示す振動スペクトルからの特徴づけデータの抽出に制限されることを意味する。
さらに、これは従来の分類学的分類および高レベルの専門的技術を必要としない方法の必要性を強調する。
第1の特徴において、本発明は、振動分光計と、コンピュータのような処理手段と、第1のスペクトルデータベースと、および第1の情報データベースとを備え、関心のあるサンプル中の微生物と第1のスペクトルデータベース中に記憶されている振動スペクトルとの振動分光学的類似性を確立することにより関心のあるサンプル中の微生物に関する情報を獲得するための計器に関する。分光計は、関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルを決定するために使用され、コンピュータにリンクされている。処理手段は、動作において、分光計から得られた信号の解析および関心のあるサンプル中の微生物の分類のためのコンピュータにより実行可能なソフトウェアコードを含むコンピュータプログラムを実行し、分光計およびデータベースにリンクされている。第1のスペクトルデータベースは、関心のあるサンプル中の微生物のスペクトルと第1のスペクトルデータベース中にそのスペクトルが存在する微生物のスペクトルとの類似性を確立する微生物の振動スペクトルを含んでおり、コンピュータおよび随意的に別のデータベースにリンクされている。この第1のスペクトルデータベースは最初は空であり、スクラッチから都合よく形成されることができる。第1の情報データベースは、第1のスペクトルデータベース中にそのスペクトルが存在する微生物に関する追加情報を含んでおり、コンピュータおよび随意的に別のデータベースにリンクされている。計器は、分光学的類似性自身が関心のある微生物の分類を決定し、関心のあるサンプル中の微生物のスペクトルが後続するスペクトルの分類において使用されることを特徴とする。
本発明の計器の第1の利点は、システムがスペクトルの比較に基づいており、また、この比較を行なう方法が伝統的な微生物分類学に依存しないために、ユーザが明確に規定された分類学に依存しないことである。関心のあるサンプル中の微生物に関する情報は、測定されたスペクトルを伝統的な分類学に関連させる試みなしに、スペクトルを比較するだけで獲得できる。微生物は単に分光学的クラスタ1,2,3,…またはNに属するものとして分類されることができる。それはまた、微生物の分類学的区分における何等かの変更が本発明の計器に対して何等影響を与えないことを意味する。これは、最新式の指紋技術と対照をなしている。何故ならば、それらが微生物系統の分類学的分類に関するアプリオリ知識に依存しているからである。当然ながら、本発明の計器を使用して種および亜種レベルでの識別をすることは可能であるが、しかしそれは微生物に関する有用な情報を獲得するための必要条件ではない。
別の利点は、比較を行なう方法が測定された新しいスペクトルを含むように自動的に更新されることができることである。スペクトルが獲得された系統に関して利用可能な情報がそれ以上ない場合でも、そのスペクトルは同じ系統の後続的な発生を検出するために使用されることができる。
さらに別の利点は、未知の微生物系統に関する情報を獲得するための振動分光法の使用が通常の微生物特徴づけ手順に迅速で、簡単かつ容易に統合されることである。遺伝子型とは対照的に、振動分光法は、たとえば、臨床微生物学の実験室の日常的な作業にほぼ一体となって適合する。さらに、サンプルの取り扱いがごく限られているか、あるいは事実上ないことと、自動化された信号予備処理および信号解析とにより、標準的な微生物学的方法を越えた専門技術を必要とせずに、ユーザ特定の亜種指紋データベースの生成が可能になる。
別の利点は、新しいスペクトルとデータベース中のスペクトルとを比較する方法がローカルデータベース中のスペクトルとの比較に制限されないことである。スペクトルがデジタル的に測定されて記憶されているために、それらは別のデータベース中のものとの比較のためにすぐに利用可能である。
本発明の計器を使用する微生物の識別は、新しい分離物の種および亜種の識別またはそのデータベース中に履歴のある分離物への亜種関連づけが全てサンプル単位で済むために、また、サンプル準備処理およびサンプル取り扱いステップに対して消耗品を必要としない迅速な測定のために、時間的に非常に効率的である。それはまた、日常的な適用に対して計器を魅力のないものにするサンプル中の微生物の環境の操作を必要としない。
本発明の分光計計器は、任意のタイプの振動分光計、すなわち、技術的に知られている赤外線(IR)分光計またはラマン分光計であることができる。
関心のあるサンプルおよびその準備
関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルは一般に、関心のあるサンプル中の微生物を適切な伝播条件下で培養した後に得られる。便宜上または必要とされた場合に、その後関心のあるサンプルは、たとえば、アルミ箔または石英ガラスウインドウ等のキャリア材料に移される。使用される振動技術に応じて、懸濁液が標準化された、接種原濃度が均一な薄膜および再生可能な結果を得るために調節されてもよい。しかしながら、1実施形態においては、培養はサンプル処理なしに分光法を適用され、それらの培養媒体上で直接測定される。
典型的に、関心のあるサンプル中の微生物は、適切な培養媒体中で関心のあるサンプルを培養される。培養媒体は、結果的にバイオマスのコロニーを生じさせる固体であってもよい。このコロニーは、関心のあるサンプルが採取された場所の状況によく似た温度で、少なくともマイクロコロニーを得るために十分に長い期間中成長させられ、前記温度は多くの人の病原体に関して典型的に約37℃であり、前記期間は典型的に約4乃至8時間である。マイクロコロニーは約10乃至100マイクロメートルの直径を有するコロニーであり、マイクロコロニーの振動スペクトルは、それらが依然として固体培養媒体上にある期間中に本発明の計器において得られてもよい。たとえば、約16乃至24時間等、長い時間培養することにより、得られるコロニーは大きくなる。大きいコロニーからの振動スペクトルは、キャリア材料上にコロニーバイオマスの一部を塗りつけ(steak out)、“塗沫標本(smear)”を生成することにより得られる。細胞は、それが1つの単細胞に満たないものでも振動スペクトルを得るために使用可能である。
その代り、培養媒体は液体の培養媒体であってもよい。微生物は、たとえば、遠心分離等の技術的に知られている方法によってこのような液体培養媒体から採収されることができる。その後、濃縮された微生物は、随意に乾燥後に、振動スペクトルを得るためにキャリア材料に移される。
関心のあるサンプルは、血液、尿、便、静脈内へのカテーテル等のような患者の物質、工業生産ライン、給水システム、食糧品、化粧品、医薬品および法廷サンプルを含む材料の任意の種類のものであることができるが、それに限定されない。患者の物質は典型的に患者から採取され、その患者へは戻されない。それは生きている患者から採取されることもあるし、あるいは死後に採取されることもある。関心のあるサンプル中の微生物は任意の微生物であってもよいが、しかしウィルス、寄生虫、細菌、酵母または菌類であることが好ましい。関心のあるサンプル中の微生物は細菌、酵母または菌類であることが最も好ましい。このグループには、アシネトバクター属、桿菌属、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属、エンテロバクター属、エシェリヒア属、乳酸桿菌族、ラクトコッカス(Lactococcus)、リジョネラ(legionella)、リステリア属、ニトロバクター属、プロピオニバクテリウム属(Propionobacterium)、シュードモナス属、ロドバクテリア、サルモネラ属、赤痢菌属、葡萄球菌、連鎖状球菌、ストレプトミセス属、カンジダ属、酵母菌属、アスペルギルス属およびトリコデルマ菌(trichoderma)のようなよく知られている微生物が含まれるが、しかし新しいおよびまだ分類されていない微生物もまた含まれる。
1実施形態において、微生物は、葡萄球菌、腸球菌、ミコバクテリウム属、アシネトバクター属、連鎖状球菌、シュードモナス属、サルモネラ属、エシェリヒア属の任意のもののメンバーである。
分光技術
吸収/透過、吸収/反射、拡散反射および減衰全反射IR分光技術のような任意のタイプのIR分光技術を使用して、振動スペクトルを得ることができる。1実施形態においては、フーリエ変換IRマイクロ分光技術が使用される。IRマイクロ分光技術に関して、少量の微生物の懸濁液は典型的に、たとえば、約37℃で約16乃至24時間のあいだ適切な栄養になる寒天プレート上で培養される。少量の微生物は寒天プレートから除去され、蒸留水中で懸濁され、その後、この懸濁液の小滴はキャリアに移される。スペクトルは、適切なキャリア上に落とされた溶液、懸濁液あるいは粘性または固体の薄膜から得られてもよい。適切なキャリアはIR透過プレートであり、このIR透過プレートは水に溶けず、CaF2、BaF2、ZNSe、ZnSおよびゲルマニウムのような材料を含んでいる。スペクトルが薄膜から得られた場合、その小滴はデシケータ中において適度の真空下でシリカゲルのような乾燥剤の上方において脱水され、透過性薄膜を形成する。その後、微生物プレパラートを含む光学プレートが気密キュベットカートリッジ中に密封され、分光計中に位置される。微生物からスペクトルが得られたとき、希釈されたバイオマス懸濁液が栄養になる寒天プレートから適当なIR透過ウインドウに移される前に、それらは典型的に約37℃で約6乃至10時間のあいだ培養される。コロニーおよびマイクロコロニーの両者に関するIR分光法に対して、均一な薄膜および再生可能な結果を得るために懸濁液は典型的に標準化され、接種原濃度が調節される。もっとも、これは厳密に言えば常に必要とは限らない。計器のパラメータは、比較される必要のある全ての測定値に対して一定に維持されることが好ましい。適切なパラメータのセットは、1乃至15cm-1の公称物理解像度、および1000:1乃至10000:1の信号対雑音比を得るために十分な走査数である。1実施形態において、公称の物理解像度は6cm-1であり、信号対雑音比は3000:1よりよいものである。
紫外(UV)共振ラマン分光法、フーリエ変換(FT)ラマン分光法および近赤外(NIR)マルチチャンネルラマン分光法のような任意のタイプのラマン分光法を使用して、振動スペクトルを得ることができる。1実施形態において、コンフォーカルなマイクロ分光技術が使用される。一般に、ラマンサンプルはIRサンプルよりも準備の処理が少なくてよい。たとえば、較正または接種原濃度の調節は必要ない。典型的に、マイクロコロニー(37℃において6乃至10時間)から、またはコロニー(37℃において15乃至20時間)からのあるバイオマスは、CaF2のような光学基板上に塗りつけられ、顕微鏡下に置かれる。その代りに、サンプルはデシケータ中において空気乾燥または乾燥され、その後顕微鏡下に置かれてもよい。好ましい実施形態においては、サンプルは培養プレートの表面上において直接測定される。
サンプルは典型的に、十分なスペクトル解像度によりサンプルの所望のラマン信号の測定を可能にするように十分に狭いライン幅を有する単色光源、たとえば、レーザにより照射される。適切なレーザは、信号収集時間を制限するために50mWより大きい励起パワーを有している。高いレーザパワーに対して、サンプルは測定中にレーザの焦点を通って走査されてもよいし、あるいはレーザビームはレーザパワーを広いサンプル表面にわたって供給し、それによってサンプルの劣化を防止するためにサンプル上で走査されてもよい。1実施形態においては、100mWのレーザパワーを供給するチタニウムサファイアレーザが使用された。
適切な励起波長は、サンプルへのレーザ光により誘導される損傷を避けると共にサンプル中での蛍光散乱を最小にするために少なくとも630nmである。1実施形態においては、830nmの励起波長が使用される。
どのラマン分光計でも使用可能であるが、好ましいオプションは、たとえば、英国の Renishaw plc社製のモデル1000等の分散性マルチチャンネル分光計である。検出器は、たとえば、電磁スペクトルの近赤外領域に対して、とくに、700乃至1000nmの波長領域に対して最適化された光検出効率により最適化された電荷結合素子(CCD)カメラのようなマルチチャンネル検出器であることが好ましい。
当業者は、たとえば、遠UV中の波長、電磁スペクトルの可視領域の波長、または電磁スペクトルの近赤外領域中のさらに外側の波長のような別のレーザ励起波長が使用された場合には別の検出器もまた使用可能であり、たとえば、CCDカメラが使用されることのできる領域を超えた近赤外領域中において感度を有するマルチチャンネル検出器、たとえば、冷却されたInGaAs(インジウム・ガリウム・砒化物)マルチチャンネル検出器が使用可能であることを認識するであろう。その代り、場合によっては、分散性マルチチャンネル分光計ではなくフーリエ変換ラマン分光計を使用して近赤外線において放射されたラマン信号を解析することが有効である可能性がある。マルチチャンネル検出器の検出器素子は、検出器素子上に入射したラマン信号の波数シフトに対して較正されることができる。1実施形態において、この較正は0.3波数内で反復可能であり、またこれに再生可能である。
典型的に、存在する生化学的変化の全てをカバーするためにサンプル中の異なった位置からの複数のスペクトルが採取される。適切なスペクトル範囲は、250cm-1から2150cm-1までの波数シフトをカバーする範囲である。当業者は、このスペクトル範囲の一部または複数の部分あるいは別のスペクトル領域もまた使用可能であることを認識するであろう。
サンプルに入射した単色光の波長に関するラマン信号の波数シフトと波長シフトΔcm-1との間の関係は、以下の式によって与えられる:
Δcm-1=100/レーザ波長(m)−100/信号波長(m)
当業者は、光学基板および、または培養媒体からの信号を含むがそれに限定されない非サンプル導出信号からの信号の影響に対して補正がなされなければならないことを認識するであろう。スペクトル解像度は典型的に5cm-1より良好であり、8cm-1または波数より良好であることが好ましい。
スペクトル信号の品質は、雑音の影響の結果としての信号分散が、区別される微生物系統の分子組成の相違から生じた信号分散より小さいようなものであることが好ましい。たとえば、400乃至1800波数のスペクトル領域に対する統合信号強度として規定された3200の信号対雑音比は、これらのポイント間の直線基線の減算後にこの信号強度の平方根によって除算されたものであり、それはアシネトバクター系統による感染の5つの異なった大発生時に分離された微生物系統を区別するのに十分であることが認められた。この数が種依存性である可能性があり、したがって3200より高い信号対雑音比に関する標準的なものとしてスペクトルを測定することが望ましい可能性があることは当業者に明らかであろう。信号対雑音比を評価する別の方法が適用されてもよい。
微生物への別の振動分光学的技術の適用は、たとえば、K.Maquelin 氏他による文献[pag-3308 In:Handbook of vibrational spectroscopy (2002) Eds.Chalmers & Griffiths]等に記載されている。
スペクトルが獲得された後、スペクトルは典型的には予備処理され、これには検出チャンネルの波数較正と、計器独立性波長依存性信号の検出効率を得るための計器の波長依存性信号検出効率の補正とが含まれる。適切な方法は、たとえば、R.Wolthuis 氏他による文献[1999,p431. In W.T.Mason(ed.),Fluorescent and luminescent probes for biological activity,2nd ed.Academic press,London]等に記載されている。
ラマンマイクロ分光法を使用する1実施形態においては、これは、レーザ光伝播路中の光学素子から生じた一定の背景信号の影響を全てのスペクトルから減算することによって行なわれる。カメラ上に投影された波数の範囲は、絶対ピーク位置が知られている2つの較正ランプ(たとえば、ネオンランプまたはネオン・アルゴンランプ)のスペクトルと、ラマンピークの相対位置が正確に決定されている1以上のラマン規格(たとえば、シクロヘキサン、4-アセトアミドフェノール)とを測定することによって決定された。最初に、3次の多項式が絶対較正ポイント(画素数の関数としての、ナノメートルでのピーク位置)を通るように適合され、絶対波長軸が得られた。その後、正確なレーザ波長を計算するためにラマンピークの相対位置が使用された。絶対波長軸およびレーザ波長から、相対波数軸が決定された。この結果、波数軸の正確さは波数中の画素幅の約1/10、すなわち約0.3波数となった。
ラマン装置の波長依存性信号の検出効率を補正するために、既知の温度のタングステン帯域ランプの基準スペクトルが使用された。帯域ランプのスペクトルは、プランクの放射公式とタングステンの放射率から計算された。測定されたスペクトルと計算されたスペクトルの比から計器応答プロフィールが得られ、これを使用して全ての測定されたスペクトルを補正した。その後、全てのスペクトルは9ポイントサビツキー(Savitsky)・ゴレイ(Golay)フィルタを使用して濾波され、ここで、そのスペクトルの第1の導関数が計算された。データ解析のために400乃至1800波数のスペクトル領域が使用された。最後に、各スペクトルは、スペクトルの全体的な平均(すなわち、全てのスペクトル測定チャンネルの平均信号)を減算し、その全体的な標準偏差によってスペクトルを除算することによってスケールされた(一般に、標準正規変量スケーリングと呼ばれる方法)。それに続いて、予備処理されたスペクトルが本発明の計器のコンピュータ中に入力されてもよい。
処理手段および分類モデル
処理手段は、典型的に、動作においてコンピュータプログラムを実行するコンピュータであり、この処理手段もまた本発明の一部である。コンピュータはパーソナルコンピュータであってもよいし、あるいは単一のプロセッサまたはマルチプロセッサシステムのような任意の他のタイプの処理装置であってもよい。プログラムは、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスクまたはCD ROMのような記憶媒体中に記憶されていてもよく、たとえば、フロッピーディスクドライブまたはCD ROMドライブのような媒体ドライブ装置により読取られる。その代りに、プログラムは、たとえば、ハードドライブまたは別のメモリ装置のようなコンピュータの一部を形成する記憶媒体中に記憶される。
動作において、コンピュータプログラムは、分光計から得られた信号の解析および微生物の分類を行なうためにコンピュータにより実行可能なソフトウェアコードを実行する。解析は、データベースの迅速なサーチを可能にして、そのデータベース中のどのスペクトルが未知の微生物系統の測定された新しいスペクトルと最も高い類似性を示すかを決定するアルゴリズムを開発するためよく知られている方法に基づいていてもよい。このようなアルゴリズムは、最初に、たとえば、主構成要素解析を適用し、それに続いて線形判別解析または階層的クラスタ解析をデータベース中のスペクトルに対して行なうことにより開発される。これはデータベース中のスペクトルをスペクトル間の類似性の尺度に基づいたクラスタに組織化する。このような尺度は、たとえば、スペクトル間の2乗されたユークリッドの距離であってもよい。1つのクラスタ中のスペクトルは、データベース中の他のどのスペクトルに対するよりも互いに類似している。非常に強力なコンピュータを使用したとき、データベース中の全てのスペクトルと新しく計算された1つまたは複数の微生物系統のスペクトルにより新しいクラスタ解析を行なうことが可能であり、その後、データベースからの既知の微生物系統のどのスペクトルが新しいスペクトルに最も類似しているかが知られる。
その代りとしては、微生物系統のスペクトルの既存のデータベースのクラスタ解析に基づいて、分類モデルが最初に開発される。たとえば、分類モデルは、クラスタ解析の結果得られた系統樹の中のばらばらの分岐ポイントに対して人工ニューラルネットワークを訓練することにより形成される。当然ながら、人工ニューラルネットワークの代りに、あるいはそれと組合せて線形判別解析のような別の分類方法が使用できるが、それに限定されない。
1実施形態において、分類モデルは誘導された分光法である。これは、スペクトル自身の間の分光学的類似性が分類モデルを発達させるための入力であることを意味している。
この方法には、たとえば、属、種および、または系統レベルでの同一性が分類モデルを発達させる誘導原理である方法よりも優れた重要な利点がある。それは、この方法が分類学的関連性とスペクトル類似性との間に相関が存在することを仮定しないためである。これは常にそうとは限らない。たとえば、腸球菌のいくつかの種はカロチノイドを含み、一方その他の種のほとんどがカロチノイドを含まない。カロチノイドは普通以上に強く異なった影響をラマンスペクトルに与え、その結果、このようなスペクトルは、クラスタ解析において別の腸球菌のスペクトルとは全く似ていないものとして現れ、実際に別の関連性のないカロチノイド含有系統のスペクトルのほうに類似している可能性がある。
分光法誘導分類モデルの別の利点は、それが、振動分光法以外によってまだ識別または特徴づけされていない系統をモデル中に含むことを可能にすることである。分光法誘導分類を使用すると、分類モデルの構成にはスペクトルの選択された一部分だけで十分である。スペクトルの異なった部分は、異なったステップで使用されることができる。
全ての分類モデルは、都合よく階層的クラスタ解析と組合せられることができる。たとえば、分類モデルを使用して、新しいスペクトルに最も類似しているスペクトルに対するスペクトルの数を制限することができ、その後、最終ステップとして、データベースからのこの制限された数のスペクトルと新しいスペクトルのクラスタ解析を行って、データベース中のどのスペクトルが新しいスペクトルに最も類似しているかを決定することができる。新しい系統として見出されたスペクトル類似性と、新しい系統への最も高いスペクトル類似性を示すデータベース中の系統とは異なっていることが知られている微生物系統のスペクトル間の既知のスペクトル類似性とに基づいて、新しい系統はデータベース中にすでに存在する系統と同じであって最も高いスペクトル類似性を示していることが決定されることもあるし、あるいは新しい系統はまだ表現されていなかったことが決定されることもある。付加的な基準は、新しいスペクトルをある系統のスペクトルの既存のクラスタに追加することによりそのクラスタ内におけるスペクトル分散が著しく増加するか否かを計算することであってもよい。そうである場合、新しいスペクトルは、データベースにおいてまだ表現されていない系統に属していることがさらに決定されることができる。その系統がデータベース中においてすでに表現されたことが決定された場合、この系統に関する適切な情報が情報データベースにおいて検索されることができる。たとえば、MATLABプログラミングソフトウェア(The Mathworks社製、Natick,MA,USA)の統計ツールボックス中の標準機能である不一致係数のような別の基準もまた適用可能である。
図1に示されている別の好ましい実施形態において、振動分光技術で測定され、上述したように予備処理されたスペクトルのデータセット10は、主構成要素解析(PCA)20によって解析された。主構成要素解析は、スペクトルデータセットの共分散マトリックスの固有ベクトル分解である。この解析およびそれに続く全ての解析のためのソフトウェアは、PLSツールボックスのバージョン2.0(Eigenvector Research社製、Manson,WA,USA)を使用してMatlab 6.5 Release 13(The Mathworks社製、Natick,MA,USA)中にプログラムされた。
この解析の結果30はM-1主構成要素の集りであり(ここで、Mは、サンプルの数または振動スペクトルの測定ポイントの数の少ないほうである)、また、各主構成要素に関して、全ての固有値の和で除算されたときにそのデータセット中に存在する信号分散の一部である1つの固有値がその主構成要素によって表現された。固有値にしたがってランクづけされた最初のNPC主構成要素は、さらに進んだデータ解析において使用された。この数NPCは、データセット10における1%以上の信号分散を個々に表現する全ての主構成要素を含む選択基準40を適用することにより決定された。このとき、主構成要素の数は最大で10である。これらNPC個の主構成要素に関する個々のスペクトルのスコア50は、NPC個の各主構成要素のスペクトルの内積として計算された。これらのスコアは階層的クラスタ解析アルゴリズム60に対する入力として使用された。そのクラスタ解析は、スペクトルおよび、またはスペクトルのクラスタ間の非類似性を決定し、そのスペクトルデータセットを類似したスペクトルのクラスタ70に区分される。スペクトル非類似性の種々の尺度が適用されることができる。たとえば、1つのクラスタ中のスペクトル間の非類似性の値を計算するためにウォード(Ward)のアルゴリズムが使用されてもよい。1つのクラスタの非類似性の値は、そのクラスタに属する全てのスペクトルから、そのクラスタに属する全てのスペクトルを平均することにより得られたスペクトルまでのユークリッドの距離の2乗の平均として規定される。非類似性のある定まったしきい値より下では、データベース中の各スペクトルは個別のクラスタであると考えることができる。このしきい値を増加させることよって、非類似性に対する値は、同じクラスタと似ていないとはもはや考えられないがそれに属しているスペクトルの中の2つより上で見出される。このようにして、NSP個のスペクトルのデータベースに対して、NSP−1個の非類似性値(DV)が見出され、それらは、非類似性の値DV(X)とDV(X+1)との間では、データベースが1からNSP−2までの範囲のXの値に対してX+1個のクラスタに分けられ、また、非類似性の値DV(NSP−1)より下では、データベースがNSP個のクラスタに分けられるように規定されることができる。このようにして、行が分割レベルを示し、列が個々のスペクトルを示し、マトリックス要素が特定の分割レベルにおける特定のスペクトルのクラスタメンバーシップを示す分割マトリックスが構成されることができる。この分割は、スペクトルをクラスタメンバーシップにしたがって分類する線形判別解析(LDA)モデル90の発達80に対する基礎として使用された。LDAモデルの発達に対する入力として使用されたクラスタ解析における分割のレベルは、最も小さいクラスタ中のスペクトルの数がこのクラスタ解析において使用される主構成要素の数NPCの2倍以上であるという基準を課すことにより制限された。これは、LDAモデルの発達時におけるスペクトルデータセットのオーバーフィティング(overfitting)を避けるためのよい方法であることが認められた。クラスタ解析の結果、1以上のクラスタが有するスペクトルがこの基準により必要とされる数より少ない場合、最低の分割レベル(すなわち、データセットが2つにしか分割されないか、あるいは少ないスペクトルグループにしか分割されない分割レベル)であっても、これらのスペクトルはアウトライアー72としてラベルづけされ、アウトライアースペクトルのリスト74に追加され、LDAモデルの発達のためにそれ以上使用されなかった。このような場合、符号76で示されているように、全てのものが最少数のスペクトルに対する上述の基準を満たすクラスタが見出される分割レベルを求めてサーチが繰返された。これは、アウトライアースペクトルが除去されるスペクトルデータセット10から開始された。別の方法は、使用されている主構成要素の数の2倍のスペクトル数を有する最も小さいクラスタの基準を満たすことを試みるために数を減られた主構成要素に関してクラスタ解析を繰返すことである。LDAモデルの正当度テスト100が行なわれた。これは、LDAモデルを生成するために使用された各スペクトルがLDAモデルにより分類されることを意味するLDAモデルの内部整合性をテストするものである。モデルの正当度に対する基準とは、クラスタメンバーシップに関するスペクトルの100%正しい分類が得られることであった。
有効なLDAモデル110が得られた場合、符号130で示されているように、各クラスタに対して上述した全体的な手順が個々に繰返された。ここで、クラスタ中のスペクトルはスペクトルデータセット10として機能する。
有効でないLDAモデル120が得られた場合、符号140で示されているように、クラスタ解析結果の中の2番目に高い分割レベル(すなわち、スペクトルが分類されるクラスタの数が1つだけ減少される)で、スペクトルのクラスタメンバーシップに基づいて有効なLDAモデルの発達が試みられた。この手順は、有効なLDAモデルをそれ以上発達させることができなくなるまで続けられ、それによって初期スペクトルデータセット10はさらに細かく分割される。また、100個より少ないスペクトルを含んでいた初期データセット10の細区分のために発達させられるLDAモデルはない。
有効なLDAモデルが得られる初期データセット10の細区分は、スペクトルサブスペースと呼ばれた。階層的クラスタ解析によるスペクトルサブスペースのさらに細かい分割はクラスタと呼ばれた。
この自動手順の最終結果はLDAモデルのツリー150であり、このツリー150では、各LDAモデルに対してそのLDAモデルを生成するために主構成要素が使用され、開始スペクトルデータベース10中に存在するスペクトルの再分割が有効なLDAモデルを発達させることのできるスペクトルサブスペース1501…150Nに再分される。
さらに、スペクトルサブスペース1501…150N中における各スペクトルに対して、基準となる非類似性の値が決定された。スペクトルサブスペース150iのスペクトルに対してこの値を決定するために、そのスペクトルサブスペース150iのスペクトルに関して行なわれた階層的クラスタ解析の結果が使用された。基準非類似性値は、クラスタが同じ系統のスペクトルだけを含むという条件でスペクトルが属しているクラスタの最高の非類似性値として規定された。スペクトルが同じ系統に属するスペクトルまたはスペクトルのグループにリンクされない場合、スペクトルサブスペース150iにおいて遭遇される最大の非類似性レベルがそのスペクトルに対する基準非類似性値として採用された。
これに続いて、LDAモデル150のツリーは、リスト74中に載せられたアウトライアースペクトル72に適用された。この分類で使用された各LDAモデルに対して、LDAモデルを生成するために使用された主構成要素に関するアウトライアースペクトル72のスコアが計算され、その後そのLDAモデルがスコアに適用された。LDAモデルは、これらのクラスタ150iのいずれがアウトライアースペクトル72に分光学的に最も類似しているかの迅速な決定170を可能にし、その後このアウトライアースペクトルはそのクラスタに追加された。アウトライアースペクトルに割当てられた基準非類似性値は、クラスタ150iの最大基準非類似性レベルであった。
同様に、LDAモデル150のツリーは、新しいスペクトル160に分光学的に最も類似しているクラスタ150iの迅速な決定170を可能にし、その後その新しいスペクトルがそのクラスタに追加された。
これが決定されたとき、このクラスタ中のスペクトルは新しいスペクトルと一緒に、主構成要素解析およびそれに続く階層的クラスタ解析(再びウォードの方法を使用して)を行なわれ、このとき全ての主構成要素が使用された(180)。分離物の新しいスペクトル160が最終的にデータベース中にすでに存在しているスペクトルのクラスタに入ったとき、分光学的類似性によって微生物の同一性190が確立される。その後、この同一性を使用してその系統に関する有用な情報を求めて情報データベース200中を検索し、このような情報がその後ユーザ220に与えられた(210)。データベース200は、スペクトルデータベース10中にスペクトルが存在する系統に関する情報、たとえば、抗菌物質の効きめ、毒性、既知の合併症等、を含んでいる。新しいスペクトルのクラスタメンバーシップを決定するために使用された方法は階層的クラスタ解析により生成された分割マトリックスを使用し、それは、全てのスペクトルが分離したクラスタに属している最高の分割レベルで開始された。ここから、分割レベルは段階的に下げられた。各段階において、新しいスペクトルが別のスペクトルまたはスペクトルのクラスタにクラスタ化されるか否かがチェックされた。新しいスペクトルが異なる系統に属するスペクトルのクラスタにクラスタ化された場合、それは未知の系統として分類された。その系統は特有のコード名を受取り、ユーザは、この系統に関する利用可能な情報を情報データベース200中に入力する(240)ように、たとえば、視覚的および、または聴覚的に、および、または電子メッセージによって促された(230)。この情報には、たとえば、任意の分類学的レベルでの表現型または遺伝子型のものであってもよい別の微生物識別技術の結果、アルゴリズム、隔離日、その微生物が分離された患者の物質、および感染により引起された臨床の合併症が含まれることができる。ユーザはいつでも、系統に関する新しい情報が利用できるようになったときに、どのようなソースからの情報データベースでも更新することができる。これには、規則的なインターバルで情報データベースを電子的にリンクして比較することにより得られた情報が含まれることができる。新しいスペクトルが系統Sの1つのスペクトルまたは同じ系統Sから全て得られたスペクトルのグループとクラスタ化された場合、新しいスペクトルの最も近隣のものの基準非類似性値を使用して、新しいスペクトルが得られた分離物が系統Sとして識別されるか否かが決定された。新しいスペクトルを含むこのクラスタの非類似性値がこの基準非類似性値の2倍より小さい場合、新しいスペクトルが得られた分離物は系統Sとして識別され、情報データベース200中に記憶されている系統Sに関する情報の全てが利用可能になり、新しいスペクトルが得られた分離物に関する情報はその情報データベースに追加された。新しいスペクトルを含むサブクラスタの非類似性値が基準非類似性値の2倍より大きい場合、新しいスペクトルが得られた系統は未知のものとして分類され、特有のコード名を受取った(195)。この系統に関する情報はこのコード名のもとに情報データベース200中に記憶されることができる。ユーザは、この系統に関する有用な情報を情報データベース200中に入力する(240)ように促された(230)。スペクトルまたはスペクトルのクラスタとの新しいスペクトルの分光学的類似性が確立された場合、この単一または複数のスペクトルの基準非類似性値が新しいスペクトルに割当てられ、そうでなければ、それは、LDAモデルによって決定されるように、それが分光学的に最も類似しているスペクトルサブスペース150iの最大基準非類似性値を割当てられた。
しかしながら、全ての新しいスペクトル160はすぐに、それらが最大の分光学的類似性を共有しているスペクトルのクラスタ150 iに追加された。このようにして、それらは後続する新しい分離物の識別を助けるためにすぐに利用可能であった。それ故、1つの微生物の任意の大発生は、たとえ微生物識別がまだ確定していなくても、分光学的類似性に基づいて決定されることができる。
新しく測定されたスペクトルに対する基準として利用できるスペクトルのデータセットは、別の測定されたスペクトルにより連続的および自動的に拡張されることができる。規則的なインターバルで、あるいは、たとえば、予め定められた数の新しいスペクトルがデータベースに追加された後等に、上述した手順全体が繰返され、それによって既存のLDAツリーの生成後にデータセットに追加されたスペクトルによってスペクトルデータセットに追加されたスペクトル分散を含む新しいLDAツリーを生成することができる。
データベースの自動生成および自動更新ならびに新しいスペクトルの解析におけるその使用に対する上記の実施形態は単なる例示に過ぎないことを認識すべきである。適用される基準および使用される信号解析方法の選択されたものは、別のものによって置換可能であることが当業者に明らかになるであろう。
したがって本発明の計器のスペクトルデータベースは、既知のまたは新しい分類モデルにしたがって分類された分光計からの予備処理されたスペクトルを含んでいる。分光法誘導分類モデルを使用してデータベースを構成することが好ましい。そのデータベースは、新しいスペクトルを含むことにより自動的に適応され、あるいは拡張される。それは亜種特異性の微生物スペクトルを含んでいてもよい。
動作において、コンピュータは、第1のスペクトルデータベースにリンクされる代りに、第1のスペクトルデーダースに基づいたアルゴリズムを実行してもよい。これは、関心を払われたサンプル中の微生物のスペクトルと第1のスペクトルデータベース中にスペクトルが存在する微生物のスペクトルとの類似性を確立する別の方法である。
情報データベース
スペクトルデータベース中のスペクトルに関するさらに多くの情報は、そのスペクトルデータベースが随意に接続されることのできる情報データベースから得られてもよい。
第1のスペクトルデータベースと別のデータベースとの間の接続は、無線データ転送、イントラネットシステム、インターネット、コンピュータディスケットおよびコンパクトディスクのような可搬データ記憶装置の使用を含む任意のデータ転送手段および適切なデータ転送プロトコルによって行なわれることができる。本発明の計器の情報データベースは罹患率、毒性、臨床の合併症、抗菌物質の効きめを含む特定系統情報を含んでいるが、それに限定されず、また、すぐに利用可能になる。さらに、このような情報は、スペクトルが得られた新しいサンプルのサンプルおよび、または患者情報により更新されることができる。このような情報は、患者の物質が得られた時刻および日付、使用された患者の物質のタイプ、患者の臨床的病状および、または患者の臨床的病状の変化、感染病の治療とその効果を含む治療、患者が受けた診断手順、患者が病院に入ることを許された後にその感染病が生じたか否か、その微生物系統の抗菌物質の効きめプロフィール、その微生物系統が大発生に関与している、あるいは関与していたか否か、その微生物系統の毒性、分離されたその微生物系統が地方病性のもの(持続性の汚染源を示す)か否か、患者が入院している、あるいは検査された病室および診療科、たとえば、16S RNAシーケンシング等のような別の方法による分類学的分類(属、種および、または亜種レベルでの分類を含む)、およびその他の方法含んでいるが、それに限定されない。
第1の情報データベースは、スペクトルデータベースのような別のデータベースに結合されてもよい。
したがって、本発明の計器は、微生物系統から特定亜種レベル情報が得られることを可能にする。それはまた、最良の治療過程、特定の系統による感染病の既知の合併症、および微生物の、たとえば、毒性のような有用な臨床データへの迅速なアクセスを提供する。同時に、それはその同じ系統による感染の初期の病状に関する情報を提供する。これによってその同じ系統により患者が再感染したことを迅速に決定することが可能になり、これは、付加的な処置をとる必要のある抗菌治療、たとえば、留置医療装置によって除去されない感染源の存在を示すために重要である。これは、このような再感染の事前の疑いを必要とせずに、また、さらに別のテストを必要とせずに自動的に検出される。
別の好ましい実施形態においては、スペクトルデータベースまたはこのスペクトルデータベースに基づいたアルゴリズムならびに情報データベースは単一のデータベースに結合される。
別の特徴においては、本発明の計器はさらに、第2のスペクトルデータベースおよび第2の情報データベースを含んでいる。この第2のスペクトルデータベースは、第1のスペクトルデータベース中には存在しないスペクトルを含んでいてもよく、第2の情報データベースは、第2のスペクトルデータベース中の微生物に関する付加的な情報を含んでいてもよい。
ネットワーク
本発明の計器は、ローカル、地域的または広域ネットワークのようなネットワークの一部であってもよい。“ネットワーク”という用語は、コンピュータ間でメッセージおよび情報が伝送されるように接続された2以上のコンピュータまたは処理システムを示している。このようなコンピュータネットワークにおいて、典型的に1以上のコンピュータは“サーバ”として動作し、1つのコンピュータはハードディスクドライブのような大型記憶装置と、プリンタおよびモデムのような周辺装置を動作させるための通信ハードウェアとを有している。“ワークステーション”または“クライアント”と呼ばれる別のコンピュータは、コンピュータネットワークのユーザが共用データファイル、共通周辺装置およびワークステーション間通信のようなネットワークリソースにアクセスできるようにユーザインターフェースを提供する。ユーザはコンピュータプログラムまたはネットワークリソースを起動して、コンピュータプログラムの一般的な動作と、入力変数およびその環境によって決定される特定の動作特性とを含んでいる“プロセス”を生成する。ネットワークは、1以上のサーバおよび1以上の、典型的には、数台のワークステーションとを含んでいる。サーバおよびワークステーションは、イーサネット(登録商標)ケーブルまたは無線接続のような別の適切な装置であることのできる通信ラインにより接続されている。ネットワークはまたいくつかの共有周辺装置を備えていることができる。本発明の1実施形態において、本発明の分光計は、サーバによってコンピュータに接続された遠隔機構である。
計器のローカル、地域的または広域ネットワークは、微生物系統の地理的存在およびその変化を監視するために適切に使用されることができる。それは、地理的存在の異常な変化が検出された場合に警告を自動的に発生することができる。異常な変化には、新しい系統の流行が含まれるが、それに限定されない。このようなネットワークはまた、付加的なテストをする要求なしに疫学的データを回顧的に得ることができるようになっている。さらに、疫学的データをあらかじめ組立てることができる。どのサンプルのどの振動スペクトルが後で関心を払われるものかを予め知る必要はない。
計器はさらに、以下のカテゴリーの1以上において可視的または可聴的な出力、あるいは可視的または可聴的な出力にされることのできる信号を含んでいる。
関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルが第1のスペクトルデータベース中にすでに存在していることを示すプロンプトをユーザに与え、
別の特徴づけ手段を使用するようにユーザを促し、
第2の情報データベース中に情報を入力するようにユーザを促し、
適切な抗菌性治療を示唆し、
抗菌剤の効きめ(susceptibility)のプロフィールの変化についてユーザに警告し、
大発生の存在についてユーザに警告し、
持続する汚染をユーザに警告し、
地理的存在の異常な変化が発生したことをユーザに警告する。
本波対の適用
別の特徴において、本発明は、関心のあるサンプル中の微生物に関する情報を得る方法を提供し、この方法は、
(a)関心のあるサンプル中の微生物の亜種特異性の振動スペクトルを得るために本発明による振動分光計を使用し、
(b)関心のあるサンプル中の微生物のスペクトルを、スペクトルを含まないか、あるいは1以上のスペクトルを含んでいる微生物のスペクトルの第1のデータベースに追加し、この第1のデータベースはコンピュータのような処理手段によりアクセスされることのできる記憶媒体中に位置しており、
(c)関心のあるサンプル中の微生物に関する情報を第1の情報データベースに追加するステップを含んでいる。追加される可能性のある情報のタイプは分離の時間および場所と、および関心のあるサンプルが分離された患者に関する情報とを含んでいる。第1の情報データベースは、そのスペクトルが第1のスペクトルデータベース中にすでに存在している微生物に関する情報を含んでいる。第1のスペクトルデータベースがスクラッチから形成されるためにこのデータベース中にまだスペクトルが存在しない場合には、当然ながら、何の情報も第1の情報データベース中に存在しない。この方法はさらに、
(d)自己生成アルゴリズムを実行し、第1のスペクトルデータベース中への新しいエントリに自己適合するコンピュータのような処理手段を使用して、未知の微生物のスペクトルが最も高いスペクトル類似性を示す第1のスペクトルデータベース中のスペクトルを決定し、
(e)関心のあるサンプル中の微生物が、第1のスペクトルデータベース中にそのスペクトルがすでに存在する微生物と同じ系統であると推断するのにこのスペクトル類似性が十分であるか否かを決定するための基準を与え、
(f)ステップ(e)において関心のあるサンプル中の微生物と第1のデータベース中のスペクトルとの間のスペクトル類似性が十分であると推断された場合には、第1の情報データベース中の関心のあるサンプル中の微生物系統に関する情報を検索するステップを含んでいる。第1の情報データベースは、第1のスペクトルデータベース中にそのスペクトルが含まれている微生物系統に関する情報を含んでおり、このような情報は、別の手段によって決定される微生物系統の同一性に関する情報、ある抗菌物質に対するその微生物系統の敏感度、その微生物系統が前に分離された時間および場所、その微生物系統により引起された感染の最中またはその後に観察された臨床的合併症、ならびにその微生物系統が分離された患者に関する情報を含んでいる。この方法はまた、
(g)第1のスペクトルデータベース中にすでに存在しているスペクトルとの間に十分なスペクトル類似性が見出されなかった場合には、関心のあるサンプル中の微生物に関して利用できる情報がないことを報告するステップを含み、それによってステップ(e)の前または後にステップ(b)および(c)が行なわれてもよい。
さらに別の特徴において、本発明は、対象物の表面または溶液を消毒する方法を提供する。この方法においては、たとえば、病院または生産施設全体だけでなく、家具または衣類のような狭い面積もまた消毒されることができる。この方法は、人間または動物の身体の部分を消毒するために使用されることもできる。この方法は、関心のあるサンプルの振動スペクトルを本発明の計器上で動作させ、この計器からの情報に基づいて消毒処置を行なうステップを含んでいる。サンプルは、異なった箇所および異なった時間に採取されてもよい。その場合、サンプルが同じ系統を含んでいるならば、汚染経路が決定されることができる。消毒措置の効果は、将来参照とするために情報データベース中に供給されてもよい。消毒前に関与していた微生物の分類学的分類は必要ない。
さらに別の特徴において、本発明は、院内(病院で罹った)感染の事前の疑いを必要とせずに、関心のあるサンプル中の微生物の事前の分類学的分類を必要とせずに院内感染を決定する方法を提供する。この方法は、本発明の計器を使用して関心のあるサンプル中の微生物を分類し、感染を検出した日付に関する情報を本発明の計器で検索するステップを含んでおり、病院に入ることを許された日より後の日付および現時点での入院期間より短い潜伏期は院内感染を示す。
さらに別の特徴において、本発明は、関心のあるサンプル中の微生物の事前の分類学的分類を必要とせずに個体または環境内の感染を制御する方法を提供する。この方法は、本発明の計器を使用して関心のあるサンプル中の微生物を分類し、その微生物に関する情報を本発明の計器で検索し、感染を制御するために適切な処置を行なうステップを含んでいる。
本発明の方法は迅速で簡単な比較的行い易いものであるため、それは、病院での大発生を自動検出するために、すなわち、大発生の事前の疑いがなくても、また、追加の測定またはテスト、すなわち、その分離物が得られた個々の患者に対する最良の治療過程を決定するためにすでに行われたもの以外を必要とせずに、著しい(異常に多い)数の患者が短い時間の期間内に感染病に罹ったときに、適切に使用されることができる。大発生は、大発生の事前の疑いなしに、また、本発明による計器を使用して関心のあるサンプル中の微生物の分類によって関係づけられた微生物の事前の分類学的分類を必要とせずに検出されることができる。その後、ある定まった期間にわたって特定の感染病を有する異なった個体からのサンプルの数が決定され、それによって特有の感染病の予想を超えたサンプル数が見出されたときに大発生が示される。
本発明の方法はまた、それが同じ系統により患者が再感染したことを迅速に決定することを可能にするので、微生物感染病または汚染のソースの追跡を可能にしている。他方において、それはまた、たとえば、同じ系統によっては生じない2つのメチシリン耐性の葡萄球菌(MRSA)感染病に同じ日に遭遇した場合等に、高価な衛生的処置が行われないようにすることができる。
本発明の方法はまた、系統流行の監視を可能にする。それは、そうすることによって同じ系統による感染の初期症状に関する情報が得られるためである。このような感染の異常な流行は、ある系統が病院にコロニーをつくったことを示す。これはさらに別のテストを必要とせずに自動的に検出される。同時に、それは同じ系統による感染の初期症状に関する情報を提供し、定まった(ユーザにより規定される)事前の時間フレーム内にこのような感染病が見出された場合に警告を出すことができる。このようなものを確定するためにそれ以上の別の/特定のテストは必要ない。本発明の方法はまた、アンチバイオグラム(antibiogram)の変化を任意の地理的スケールで監視するために有効に使用されることができる。
当業者は、本発明の方法により、多くのタイプの工場、とくに、食品工場、化粧品工場および医薬品工場の中の汚染源の追跡が可能になることを認識するであろう。本発明の計器および方法はまた、微生物が意図的に生成される状況、たとえば、微生物を使用する発行プロセスおよびプロバイオティック(probiotic)栄養学治療等において使用できることが認識される。これらの状況において、微生物は除去されない可能性が高く、反対に、計器を使用して、微生物が存在しており、存在しつづけていることを確認し、その微生物が失われたこと、あるいはその微生物のスペクトル特性が変化したことを示すために適切な警告が与えられなければならない。

例1 サンプル準備処理
実験において使用された微生物系統は表1に示されている。10%のグリセリンを含む脳−心臓浸出液(infusion broth)中に−80℃で蓄積された系統(Becton Dickinson,Franklin Lakes,New Jersey,USA)が解凍され、一晩中Mueller−Hinton(MH)培養媒体上において培養された(37℃で約16乃至20時間)[Merck,Darmstadt,Germany]。その後、その培養媒体上で成長したコロニーからのバイオマスが1mmのプラチナループで収集され、厚さが1mmの25×40mmのCaF2ウインドウ上に移された。長さほぼ5mm、幅2mmの25の塗沫標本が5×5のマトリックスにロードされた。
例2 ラマン測定
ラマンスペクトルは、Renishawシステム1000のラマンマイクロ分光計を使用して得られた(Renishaw plc,Gloucestershire,UK)。Renishawシステムの顕微鏡部分を形成するライカDM−LM顕微鏡は80x近赤外線対物レンズ(MIR Plan80x/0.75、オリンパス)をつけられた。分光計の入射スリット幅は30μmに設定された。分光計は300個のレンズ/mmの格子を備えていた。ラマン信号は250cm-1から2150cm-1までのスペクトルインターバルで約8cm-1のスペクトル解像度により収集された。ラマン測定は、100mWのレーザパワーをサンプル上に供給するアルゴンイオンレーザ(モデル2000、Spectra Physics,Mountain View,CA,US)によってポンプされたチタニウムサファイアレーザ(モデル3900、Spectra Physics,Mountain View,CA,US)からの830nmの励起を使用して行われた。
細菌塗沫標本は、レーザの焦点で顕微鏡の対物レンズの下方に配置された。各塗沫標本中のランダムな位置において、10のスペクトルがそれぞれ30秒の信号積分時間により収集された。このようにして得られた10のスペクトルは、さらに解析において個別に使用された。
スペクトルデータベースは、3つの属に分けられた11の細菌種のスペクトルから構成されている(表1参照)。Dijkshoorn氏他により以前に論文[(1993)J Clin Microbiol 31:702]において記載されたように、アシネトバクター属の大発生の系統に対して、病院内の5つの大発生から分離されたものを系統識別するために4つの方法、すなわち、生物型、細胞エンベロープ蛋白質電気泳動、リボ型(ribotyping)、およびアンチバイオグラムの比較が使用されたことが記載されている。各系統に関して、CaF2上の塗沫標本中の10の異なった箇所から収集された10のスペクトルが含まれていた(微生物学およびサンプル処理を参照)。腸球菌属に属する全ての系統について、2つの繰返しクラスタが-80℃のストック培養から準備された。さらに、各培養から、2つの独立した塗沫標本が準備され、系統当り合計40のスペクトルが得られた。
Figure 0004745959
例3 解析前のスペクトル予備処理
測定されたスペクトルを系統識別用のアルゴリズムにかける前に、スペクトルは以下のように予備処理される。レーザ光伝播路中の光学素子から生じた一定の背景信号の影響が全てのスペクトルから減算して除去された。スペクトルの波数および強度軸が共に較正された。CCDカメラ上に投影される波数の範囲は、絶対ピーク位置が知られている2つの較正ランプ(ネオンランプおよびネオン・アルゴンランプ)のスペクトルと、ラマンピークの相対位置が正確に決定されている1以上のラマン規格(たとえば、シクロヘキサン、4-アセトアミドフェノール)とを測定することによって決定された。最初に、3次の多項式が絶対較正ポイント(画素数の関数としての、ナノメートルでのピーク位置)を通るように適合され、絶対波長軸が得られた。その後、正確なレーザ波長を計算するためにラマンピークの相対位置が使用された。絶対波長軸およびレーザ波長から、相対波数軸が決定された。この結果、波数軸の正確さは波数中の画素幅の約1/10、すなわち約0.3波数となった。
ラマン装置の波長依存性信号の検出効率を補正するために、既知の温度のタングステン帯域ランプの基準スペクトルが使用された。帯域ランプのスペクトルは、プランクの放射公式とタングステンの放射率から計算された。測定されたスペクトルと計算されたスペクトルの比から計器応答プロフィールが得られ、これを使用して全ての測定されたスペクトルを補正した。
その後、全てのスペクトルは9ポイントサビツキー(Savitsky)・ゴレイ(Golay)フィルタを使用して濾波され、ここで、そのスペクトルの第1の導関数が計算された。データ解析のために400乃至1800波数のスペクトル領域が使用された。最後に、各スペクトルは、スペクトルの全体的な平均(すなわち、全てのスペクトル測定チャンネルの平均信号)を減算し、その全体的な標準偏差によってスペクトルを除算することによってスケールされた(一般に、標準正規変量スケーリングと呼ばれる方法)。
例4 信号解析
管理されていない分類方法によりデータベース中のスペクトルをスペクトルサブスペースに区分することは、データベースを18のサブスペースに分割する2つの階層レベルでの4つの自動生成LDAモデルによって行われる。最大のサブスペースは240のスペクトルから構成され、最小のサブスペースは20のスペクトルから成る。
本発明が微生物系統により引起される感染病の大発生を自動的に検出する能力をチェックするために3つのテストが行われた。最初の分類モデルは、散発性のA.baumannii系統の1つのスペクトル、DNAグループ3の大発生から分離されたものの1つのスペクトルおよびニューカッスルでの大発生から分離された全てのもののスペクトルが省かれた表1に記載されているデータベースに基づいて生成された。
実際の状況をシミュレートする3つのテストが行われた:
(a)A.baumanniiの単一の散発性系統のスペクトルがモデルに与えられた。この例は、これまで遭遇されたことのない系統のスペクトルが解析されたときに得られた結果を解析するように機能する。
(b)次に、スペクトルデータベースから省かれたDNAグループ3の大発生からのA.baumannii分離物のスペクトルが分類モデルに与えられた。ここで、4つの疫学的に関連づけられた別のA.baumannii分離物はスペクトルデータベース中にすでに含まれていた。これは、新しい大発生分離物に遭遇したときの大発生中の状況をシミュレートしている。
(c)最後に、ニューカッスルの大発生からのA.baumannii分離物のスペクトルがモデルに与えられた。5つの分離物のスペクトルは1つもスペクトルデータベースに含まれなかった。その後、これらの5つの各分離物のスペクトルは分類モデルに与えられた。したがって、大発生が始まるときの状況がシミュレートされる。
例4a
第1のテストにおいて、データベース中にスペクトルが存在しない散発性のA.baumannii系統のスペクトルが分類モデルに与えられた。それは、A.baumannii系統のみを有するスペクトルサブスペースに属するものとしてLDAモデルにより認識された。しかしながら、このクラスタ内のスペクトルとデータベース中にすでに存在しているスペクトルの任意のものとの類似性は、その分離物の分光学的識別を可能にするには不十分であった。分類モデルはその分離物を未知のものとして分類し、この系統に関する情報を供給するようにユーザを促した。その後、スペクトルはデータベースに自動的に追加された。それに続いて、分離された同じものから得られた残りの9つのスペクトルが分類モデルに与えられ、全て正しく分光学的に新しく追加された系統として識別され、ユーザにより供給されたその情報が利用可能になった。
例4b
第2のテストにおいて、A.baumanniiの分離物のスペクトルが解析され、それはバジルドンの大発生に属するものであった。異なった患者から得られたこの大発生の系統の別の4つの独立した分離物のスペクトルは、データベース中にすでに存在していた。この解析の第1のLDAモデルは、これらのスペクトルを、アシネトバクター系統だけを含むサブグループに割当てた。第2のLDAモデルは、これらのスペクトルを、バジルドンおよびヴェンロー大発生からのA.baumannii系統だけにより占有されているスペクトルサブスペースに属するものとして分類した。このスペクトルサブスペースに関するクラスタ解析は、分離物のスペクトルの全てがデータベース中にすでに存在するバジルドン大発生の分離物のスペクトルに類似しており、その類似の程度は、新しい分離物をバジルドン大発生系統のものとして識別するのに十分であることを示した。
例4c
第3のテストにおいて、ニューカッスルの大発生の5つの分離物から得られたスペクトルが分類モデルにより解析され、データベースに1つづつ追加された。第1のLDAモデルは、それに与えられた第1のニューカッスルの大発生スペクトルを、アシネトバクター系統だけを有するグループに属するものとして分類した。このグループをさらに再分するLDAモデルは、これらのスペクトルを、2つの別の独立した大発生(すなわち、バジルドン大発生およびヴェンロー大発生)の分離物のスペクトルを含むスペクトルサブスペースに属するものとして分類した。しかしながら、その新しいスペクトルを含むこのスペクトルサブスペースに関して行われたクラスタ解析の結果は、新しいスペクトルとすでに存在するスペクトルの任意のものとの間のスペクトル類似性が識別に対して十分ではないことを示した。スペクトルは、それがLDAモデルにより割当てられたスペクトルサブスペースでスペクトルデータベースに追加され、ユーザはこの分離物に関する情報を情報データベースに提供するように促された。それに続いて、この分離物およびこの大発生系統から得られた他の4つの分離物の他のスペクトルが直ぐにこの新しいエントリとして識別された。これは、依然として知られていない系統により引起された感染病の大発生を自動的に検出するために本発明がどのようにして使用されることができるかを示している。情報データベース中に入力された情報は、原則的に、未知の系統に対するコード名に限定される可能性が高い。それにもかかわらず、本発明の分光学的分類法システムは、別の分離物が同じ系統を含んでいるときにその大発生をユーザに自動的に知らせるものである。
関心のあるサンプルとデータベース中のサンプルからのスペクトルの間の類似性を確立するアルゴリズムを計器自身が生成する本発明の1実施形態を示す概略図。

Claims (13)

  1. 微生物の発生の事前の疑いなしに、および関係のある微生物の事前の分類学的分類を必要とせずに微生物の発生を検出する方法において、
    (a)関心のあるサンプル中の微生物についての情報を得るために、振動分光計と、コンピュータと、第1のスペクトルデータベースと、第1の情報データベースとを具備している装置を使用して関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルを獲得し、
    (b)前記第1のスペクトルデータベースは1以上の振動スペクトルを含んでおり、前記第1のスペクトルデータベース中に存在している微生物の振動スペクトルに対する関心のあるサンプル中の微生物の獲得した振動スペクトルの類似性を確立することによって、獲得した振動スペクトルに基づいて関心のあるサンプル中の微生物を分類し、
    (c)関心のあるサンプル中の後続する微生物を分類するために第1のスペクトルデータベースに獲得した振動スペクトルを追加し、
    (d)前記ステップbにしたがって同じ微生物が分類されている異なる対象物の表面または個人から得られたサンプルの数を決定し、微生物の発生を示している期間にわたってサンプル中に特定の微生物を含んでいるサンプルの数が正常の場合のその特定の微生物を含んでいるサンプルの数よりも大きい状態が発生したことを発見するステップを含み、
    前記振動分光計は前記コンピュータに結合され、前記サンプル中の微生物の振動スペクトルを決定し、
    前記コンピュータは、前記振動分光計および前記第1のスペクトルデータベースならびに前記第1の情報データベースに結合されて、前記振動分光計から得られた信号の解析および関心のあるサンプル中の微生物を分類のための実行可能なソフトウエアコードを含むコンピュータプログラムを実行し、
    前記第1のスペクトルデータベースは前記コンピュータに結合され、振動スペクトルが第1のスペクトルデータベース中に存在している微生物の振動スペクトルの類似性を確立するための1以上の振動スペクトルを含んでおり、
    前記第1の情報データベースは前記コンピュータに結合され、関心のあるサンプルの分離された時間と場所についての情報と、他のサンプルから分離された、振動スペクトルが前記第1のスペクトルデータベース中に存在しているサンプルの対象物または個人についての情報とを含んでいる微生物の発生を検出する方法。
  2. 前記関心のあるサンプルは、(i)固体培養媒体上で成長させたバイオマスのコロニー、または(ii)処理せずにキャリア材料に移された液体培養媒体からの濃縮されたペレットの一部である請求項1記載の方法。
  3. 前記コンピュータは、ローカルまたはグローバルネットワーク中の別のコンピュータにリンクされている請求項1または2記載の方法。
  4. さらに、前記装置は、第1のスペクトルデータベース中に存在しない振動スペクトルを含んでいる第2のスペクトルデータベースと、
    関心のあるサンプルが分離された時間と場所についての情報と、他のサンプルから分離された、振動スペクトルが前記第のスペクトルデータベース中に存在しているサンプルの対象物または個人についての情報とを含んでいる第2の情報データベースとを備えている請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
  5. さらに、第2の情報データベース中に情報を入力するようにユーザを促す場合および微生物の発生をユーザに警告する場合の少なくとも一方の場合において可視または可聴の信号を発生する請求項4記載の方法。
  6. 前記コンピュータは、関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルと第1のスペクトルデータベース中に存在する微生物の振動スペクトルとの類似性を確立するアルゴリズムを自身で生成する請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
  7. コンピュータは、第1のスペクトルデータベースに基づいたアルゴリズムを実行する請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
  8. 第1のスペクトルデータベースまたは第2のスペクトルデータベースをそれぞれ第1の情報データベースまたは第2の情報データベースと組合せて1つのデータベースとしている請求項1乃至7のいずれか1項記載の方法。
  9. 振動分光計はラマン分光計であり、振動分光計から出力される振動スペクトルはラマンスペクトルである請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法。
  10. 関心のあるサンプルは、個人の患者から得られた物質または医療器具、工場生産ライン、給水システム、食品、化粧品または医薬品である請求項1乃至9のいずれか1項記載の方法。
  11. 関心のあるサンプル中の微生物は、葡萄球菌、腸球菌、ミコバクテリウム属、アシネトバクター属、連鎖状球菌、シュードモナス属、サルモネラ属、エシェリヒア属の任意のもののメンバーである請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
  12. 微生物の分類は、種または系統レベルのものである請求項1乃至11のいずれか1項記載の方法。
  13. 院内感染の事前の疑いを必要とせずに、関係のある微生物の事前の分類学的分類を必要とせずに院内感染を決定する方法において、
    (a)サンプル中の微生物についての情報を得るために、振動分光計と、コンピュータと、第1のスペクトルデータベースと、第1の情報データベースとを具備している装置を使用して個人から関心のあるサンプル中の微生物の振動スペクトルを獲得し、
    (b)前記第1のスペクトルデータベースは1以上の振動スペクトルを含んでおり、前記第1のスペクトルデータベース中に存在している微生物の振動スペクトルに対する関心のあるサンプル中の微生物の獲得した振動スペクトルの類似性を確立することによって、獲得した振動スペクトルに基づいて関心のあるサンプル中の微生物を分類し、
    (c)関心のあるサンプル中の後続する微生物を分類するために第1のスペクトルデータベースに獲得した振動スペクトルを追加し、
    (d)前記ステップbにしたがった微生物の分類により特定された微生物が存在することを検出した日付を決定し、検出した日付が病院に入院した日付よりも後であり、潜伏期間が現時点までの入院期間よりも短い場合には院内感染であることが示され、
    前記振動分光計は前記コンピュータに結合され、前記サンプル中の微生物の振動スペクトルを決定し、
    前記コンピュータは、前記振動分光計および前記第1のスペクトルデータベースならびに前記第1の情報データベースに結合され、前記振動分光計から得られた信号の解析および関心のあるサンプル中の微生物の分類のための実行可能なソフトウエアコードを含むコンピュータプログラムを実行し、
    前記第1のスペクトルデータベースは前記コンピュータに結合され、前記第1のスペクトルデータベース中に存在している微生物の振動スペクトルとの類似性を比較するための1以上の振動スペクトルを含んでおり、
    前記第1の情報データベースは前記コンピュータに結合され、関心のあるサンプルの分離された時間と場所についての情報と、他のサンプルから分離された、振動スペクトルが前記第1のスペクトルデータベース中に存在しているサンプルの個人についての情報とを含んでいる院内感染を決定する方法。
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