JP2002291499A - 微生物の検出および計数方法 - Google Patents

微生物の検出および計数方法

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JP2002291499A
JP2002291499A JP2001099272A JP2001099272A JP2002291499A JP 2002291499 A JP2002291499 A JP 2002291499A JP 2001099272 A JP2001099272 A JP 2001099272A JP 2001099272 A JP2001099272 A JP 2001099272A JP 2002291499 A JP2002291499 A JP 2002291499A
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microorganism
spectrum
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JP2001099272A
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Michinari Sunamura
倫成 砂村
Akihiko Maruyama
明彦 丸山
Ryuichiro Kurane
隆一郎 倉根
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JAPAN BIOINDUSTRY ASS
Mitsubishi Chemical Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Japan Bioindustry Association
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JAPAN BIOINDUSTRY ASS
Mitsubishi Chemical Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Japan Bioindustry Association
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水環境、土壌環境、人為汚染環境、廃水処理
環境、生体由来の試料等中に含まれる微生物、とくに非
生物体粒子を多く含む土壌・堆積物中に生息する微生物
を選択的に検出及び自動計数する方法を提供すること。 【解決手段】 蛍光色素で染色した試料中の微生物を含
む顕微蛍光スペクトル画像を、媒体中の微生物の1細胞
が少なくとも1ピクセル以上を覆うような条件下で取得
し、各ピクセルについて蛍光スペクトルを取得し、取得
した試料蛍光スペクトルの波形成分と、対照微生物蛍光
スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及びバックグラウ
ンド蛍光スペクトルの波形成分とを比較することを特徴
とする、微生物の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物細胞から生
じる蛍光スペクトルを顕微鏡下で検出し、得られた蛍光
スペクトルを用いて、微生物を検出又は計数する方法に
関する。より詳細には、本発明は、土壌や堆積物等のよ
うな固相中の微生物を非生物体粒子と識別して検出する
方法、並びに土壌や堆積物等のような固相中の微生物粒
子を画像解析処理により自動的に検出および計数する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界には様々な微生物が生息し、自然
あるいは人為的な環境変動に呼応してその群集組成や群
集規模を変化させ、様々な元素のリサイクルや人為汚染
物質の無害化、無機化等、その環境の恒常性の維持に多
大な貢献を果たしている。従って、土着の微生物や特定
有用微生物を活用した環境修復技術を開発していくため
には、対象とする環境中の微生物群集組成や群集密度の
変化、特定有用微生物の消長等を簡単迅速かつ正確にモ
ニタリングする手法を確立することが不可欠である。従
来の培養法により検出可能な微生物の割合は全群集の1
%未満であり、自然界に生息する全微生物群集を対象と
した解析には限界があった。
【0003】近年、培養法を用いない、顕微鏡解析に基
づく直接細胞認識や解析手法が開発され、大きな注目を
集めている。しかし、これらの技術は、主に水処理系や
自然水界の微生物試料を対象としているため、非生物体
粒子等の夾雑物を大量に含む土壌や堆積物等の固相中の
微生物に適用することができる技術は確立されていな
い。
【0004】通常、顕微鏡下における微生物の検出は、
環境中の微生物を染色し、蛍光顕微鏡下で肉眼で観察す
ることにより行う。ある粒子が微生物であるかどうかの
判定は、染色による蛍光強度、微生物の形態、蛍光の色
調などの情報を元にした、観察者の主観にゆだねられ
る。観察される粒子のほとんどが微生物である水処理系
や自然水界においては、微生物の計数値に誤差は生じに
くいが、非生物体粒子等の夾雑物を大量に含む土壌や堆
積物などの固相中では、肉眼による微生物粒子と非生物
体粒子判別基準の曖昧さが大きな測定誤差の要因となっ
てしまう。
【0005】環境試料中の全微生物を検出し、計数する
手法としては、微生物のゲノムDNAを、DNA染色剤を用い
て可視化するHobbieら(Hobbie JE, Dalley RJ, Jasper
S(1977), Appl. Environ. Microbiol. 33: 1225-1228)
およびPorterら(Porter KG,Feig YS(1980), Limnol. Oc
eanogr. 25: 943-948)の方法があり、特に後者の方法は
現在世界中の環境微生物研究者に広く用いられている(K
epner RL, Pratt JR(1994), Microbiol. Rev. 58: 603-
615)。さらにこれらの微生物を自動計数する手法として
は、前述の方法によって可視化した微生物の顕微鏡画像
に対して蛍光輝度情報に依存した画像解析を行う手法(B
loem, J., M. Veninga, J. Shepherd (1995), Appl. En
viron. Microbiol. 61: 926-936)やフローサイトメトリ
ー装置を用いた方法(Marie, D., F. Partensky, S. Jac
quet, D. Vaulot, (1997) Appl. Environ. Microbiol.
63: 186-193)が開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水環境、土
壌環境、人為汚染環境、廃水処理環境、生体由来の試料
等中に含まれる微生物、とくに非生物体蛍光粒子を多く
含む土壌・堆積物中に生息する微生物を選択的に検出及
び自動計数する方法を提供することを解決すべき課題と
した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、微生物を含有する水
環境、土壌環境、人為汚染環境、廃水処理環境、生体由
来等の試料を微生物染色蛍光色素により染色し、取得し
た試料蛍光スペクトルの波形成分と、対照微生物蛍光ス
ペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及びバックグラウン
ド蛍光スペクトルの波形成分とを比較することにより微
生物を選択的に検出できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば以下の発明が提
供される。 (1) 蛍光色素で染色した試料中の微生物を含む顕微
蛍光スペクトル画像を、媒体中の微生物の1細胞が少な
くとも1ピクセル以上を覆うような条件下で取得し、各
ピクセルについて蛍光スペクトルを取得し、取得した試
料蛍光スペクトルの波形成分と、対照微生物蛍光スペク
トル、夾雑物蛍光スペクトル、及びバックグラウンド蛍
光スペクトルの波形成分とを比較することを特徴とす
る、微生物の検出方法。 (2) 試料が固体試料である、(1)に記載の方法。 (3) 蛍光色素がDNA結合性蛍光色素である、
(1)又は(2)に記載の方法。
【0009】(4) 蛍光色素が4',6-ジアミジノ-2-フ
ェニルインドール(DAPI)又はSYBR GreenIIである、
(1)から(3)の何れかに記載の方法。 (5) 取得した試料蛍光スペクトルの波形成分と、対
照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及び
バックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分との比較
を、各波長ごとに波形成分を比較することにより行う、
(1)から(4)の何れかに記載の方法。 (6) 取得した試料蛍光スペクトルの波形成分と、対
照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及び
バックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分との比較
を、強度と波形の両方の差異が反映するような計算式を
用いて行う、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
【0010】(7) 取得した試料蛍光スペクトルの波
形成分と、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペ
クトル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成
分との比較を、下記式(1):
【化2】 (式中、Dは標準偏差、Sxyはピクセル(x,y)に
おける試料蛍光スペクトル、Riは対照蛍光スペクト
ル、λは波長を示す。)により行う、(1)から(6)
の何れかに記載の方法。
【0011】(8) 蛍光スペクトルの波形成分の比較
を、少なくとも各蛍光スペクトルのピークが含まれる範
囲の波長における波形成分を比較することにより行う、
(1)から(7)の何れかに記載の方法。 (9) 対照微生物蛍光スペクトルとして2種類以上の
異なる微生物の蛍光スペクトルを使用することにより、
試料中の微生物の種類を同定する、(1)から(8)の
何れかに記載の方法。 (10) (1)から(8)の何れかに記載の方法によ
り検出された微生物の細胞数を顕微鏡画像上で計数する
ことを特徴とする、微生物の細胞数の計数方法。 (11) 少なくとも対照微生物蛍光スペクトル及び/
又は夾雑物蛍光スペクトルの波形成分の全部又は一部が
記録されている、コンピューター読み取り記録媒体。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。(1)蛍光色素で染色した微生物試料の調製 本発明の微生物の検出方法は、蛍光色素で染色した試料
中の微生物を含む顕微蛍光スペクトル画像を、媒体中の
微生物の1細胞が少なくとも1ピクセル以上を覆うよう
な条件下で取得し、各ピクセルについて蛍光スペクトル
を取得し、取得した試料蛍光スペクトルの波形成分と、
対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及
びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分とを比較
することを特徴とする。
【0013】本発明の方法では、微生物を含有する試料
中の微生物を検出する。本発明の方法は、自然界や人為
的な水環境、土壌環境、人為汚染環境、廃水処理環境、
生体由来等の水性試料における非培養法での微生物群集
の解析に適用することができ、特に土壌など固体試料中
での全微生物を自動的にモニタリングする手法に適用す
ることができる。従って、本発明の方法で用いる試料の
種類は、特に限定されず、上記した本発明の方法の適用
例に応じて、各種の試料を用いることができる。
【0014】本発明の好ましい実施態様では、微生物を
含有する固体試料を使用する。固体試料は、例えば最終
濃度3〜4%程度のパラホルムアルデヒドを用いて4℃
で一晩固定することが好ましいが、用いる蛍光試薬が、
細胞透過性にすぐれている場合や細胞膜上物質などに結
合する場合には、固定操作を行わなくてもよい。
【0015】微生物を含有する試料は、微生物が夾雑物
に埋もれない程度に、かつ、均一に分散される程度に希
釈して用いるのが好ましい。本発明の方法では、微生物
の蛍光スペクトルがブロックされるほど夾雑物に埋もれ
ると検出が困難な場合があるが、微生物と夾雑物が多少
重なっていても判別することができる。微生物と夾雑物
が重なることにより、何れかのメインスペクトルが他方
の影響を受けたとしても、ピークがずれることはなく、
テーリングが長引くなどの変化が生じる程度であるの
で、目的微生物を検出することは可能である。ただし、
微生物を含有する試料は、フィルターやスライドグラス
等の上に試料中の微生物が均一に分散されるように希釈
して用いるのが好ましい。適度な希釈を行って試料中の
微生物を均一に分散させることにより、検出した微生物
を計数して統計的な処理を行う場合に、得られる計数値
の信頼性を高めることができる。すなわち、微生物が面
積既知のフィルターやスライドグラス等の上に均一に分
散されたものを用いることにより、顕微鏡の一定視野内
に含まれる微生物を後述する方法により計数して、フィ
ルターやスライドグラス等の全微生物数を換算して求め
ることができる。
【0016】微生物を含有する固体試料を使用する場合
は、予め0.2μmのフィルターなどを用いて除粒子を行っ
た0.01Mピロリン酸ナトリウム溶液などで固体試料を希
釈し、微生物粒子を溶液中に均一に分散させた後、有効
ろ過面積が既知のろ過器を用いて、メンブレンフィルタ
ー上に緩やかに吸引ろ過することが好ましい。微生物を
吸引ろ過するメンブレンフィルターとしては、黒色ポリ
カーボネートフィルター等の市販のフィルターを使用で
きるが、その他、ろ過操作により微生物をフィルター上
に保持できるものであればどのようなフィルターを使用
してもよい。例えば、黒色ではないポリカーボネートフ
ィルター、ポリテトラフルオロエチレン製フィルター、
セラミック製フィルター等を使用してもよい。このよう
なメンブレンフィルターは、試料が安定的に保持される
ように、予めポリ−L−リシン等によりコーティングし
たもの(特開2000−333668)を用いてもよい。
また、ポリ−L−リシンやゼラチン等でコーティングを
行ったスライドグラス上に直接塗抹することにより保持
させて、微生物の検出、測定に供することもできる。
【0017】蛍光色素による試料の染色は、メンブレン
フィルターやスライドグラス等に保持する前に行っても
よいし、保持した後に行ってもよい。例えば、メンブレ
ンフィルターを用いる場合、予め試料に蛍光色素を添加
して染色したものをメンブレンフィルターでろ過しても
よいし、先にろ過を行ってメンブレンフィルター上に保
持された試料に蛍光色素を添加して染色を行ってもよ
い。特に試料に含まれる微生物数が少ない場合には、よ
り多量の試料をろ過する必要が生じるため、ろ過後に染
色を行う方法が好ましい。
【0018】蛍光色素としては、標的とする微生物細胞
内の物質に結合することによってスペクトルが変化する
ものであれば、夾雑物等への非特異的結合と区別可能な
ので、任意の蛍光色素を用いることができる。また、蛍
光色素は、操作性の点から、露光時間が短いものが好ま
しい。蛍光色素が結合する標的物質は任意であるが、例
えば、核酸結合性の蛍光色素を使用することができる。
本発明で好ましく用いることができる核酸結合性の蛍光
色素の具体例としては、SYBR Green II、4',6-ジアミジ
ノ-2-フェニルインドール(4',6-Diamidino-2-phenylin
dole;以下、これを「DAPI」と称することがある)など
が挙げられる。
【0019】染色方法としては、例えば、用いる蛍光色
素がDAPIの場合には、色素を予め50〜100μg/ml程度に
溶解した溶液を調製し、これを最終濃度が0.01〜100μg
/ml、好ましくは0.5〜10μg/mlになるように希釈して用
いる。反応は、例えば、室温で5〜10分程度行うことが
できる。また、用いる色素がSYBR Green II (Molecula
r Probes)の場合には、購入した×10000溶液を用い
て、これを最終濃度が×0.1〜100、好ましくは×1〜10
になるように希釈して用いるのが好ましい。反応は、例
えば、室温で10分程度行うことができる。染色終了後、
余剰の蛍光色素を除去することが好ましい。余剰の蛍光
色素の除去は、例えば、試料をメンブレンフィルターに
保持する場合には、上記0.01Mピロリン酸ナトリウム溶
液などをろ過する方法等により行うことができる。ま
た、スライドグラスに直接試料を塗抹した場合には、試
料が接着された後に上記0.01Mピロリン酸ナトリウム溶
液などに浸すことにより、余剰の蛍光色素を除去するこ
とができる。
【0020】試料をフィルターに保持した場合には、余
剰の蛍光色素を除去した後にスライドグラスに載せ、カ
バーグラスを載せて測定に供することができるが、フィ
ルター上に退色防止剤を添加してからカバーグラスを載
せることが好ましい。退色防止剤を使用することによ
り、蛍光の退色を防止して長時間安定的に測定すること
ができるだけでなく、フィルターとカバーグラスを密着
させ、空隙が生じないように調製することができ、顕微
鏡の焦点を合わせやすくすることができる。退色防止剤
を用いない場合にも、フィルターとカバーグラスの間の
空隙をなくすため、フィルター上にエマルジョンオイル
等を添加してからカバーグラスを載せることが好まし
い。試料をスライドグラス上に保持した場合にも、上記
のフィルターの場合と同様に退色防止剤を添加すること
が好ましい。また、退色防止剤を用いない場合には、エ
マルジョンオイル等を添加してからカバーグラスを載せ
ることが好ましい。退色防止剤としては、ProLong Anti
fade Kit(Molecular Probes)等の市販のキットを用いて
もよいし、DABCO(ジアゾビシクロオクタン)、p−フ
ェニレンジアミン等を用いることもできる。
【0021】(2)顕微蛍光スペクトル画像の取得 本発明の方法では、蛍光色素で染色した試料中の微生物
の顕微蛍光スペクトル画像を、媒体中の微生物の1細胞
が少なくとも1ピクセル以上を覆うような条件下で取得
する。顕微蛍光スペクトル画像とは、画像上の点(ピク
セル)内の蛍光スペクトル情報が得られるような画像を
意味する。このような画像は、例えば、蛍光顕微鏡に2
つの異なる光路長を作り、蛍光顕微鏡から干渉デジタル
画像を与えるように3枚の鏡を有する蛍光スペクトル取
得装置を取り付けることにより得ることができる。該装
置によれば、光路長を変化させ、複数の干渉デジタル画
像を取得してフーリエ変換し、顕微蛍光スペクトル画像
に合成することができる(Malik, Z. 他 J.Microsc. 18
2: 133-140)。顕微スペクトル取得装置としては、SD-20
0(イスラエル、Applied spectral Imaging社製)など
を用いることができるが、蛍光顕微鏡下で直径1μm程
度の粒子の蛍光スペクトル画像を取得できる装置であれ
ば、特に限定されない。
【0022】「1ピクセル以上を覆うような条件」と
は、具体的には、例えば、通常試料中の微生物の直径は
約1μm前後であるので、20倍以上の対物レンズを用いれ
ば、微生物の1細胞が少なくとも1ピクセル以上を覆うよ
うな画像を取得できることになる。例えば、20倍の対物
レンズを用いた場合には、取得した画像の1ピクセルの
長さは0.5μm、100倍の対物レンズを用いた場合には0.1
μmである。画像を取得する際に顕微鏡に取り付けて用
いる対物レンズとしては、20倍、100倍等の蛍光用対物
レンズを任意に選択して用いることができる。ここで、
レンズにおいて得られる画像の明るさを左右する因子と
して、開口数が挙げられる。一般に、鮮明な画像を取得
するためには開口数が大きいものを選択するのが好まし
いが、用いる試料が土壌等の夾雑物の多い固体試料であ
る場合は、開口数が可変のもの、あるいは、通常より低
めに設定されたものを選択することもできる。これによ
り、焦点深度が深く確保され、粒子の大きな夾雑物が存
在した場合に焦点が合わせやすくなるため、用いる試料
に応じて適宜選択して用いるのが好ましい。また、100
倍の対物レンズを用いる場合には、油浸レンズを用いる
ことが好ましく、この場合には、カバーグラスの上に用
いるレンズに適したエマルジョンオイルを滴下して測定
に供する。
【0023】蛍光スペクトル観察に供する蛍光フィルタ
ーとしては、ワイドパスフィルターを用いることが望ま
しい。すなわち、励起光よりも長い波長帯の蛍光をでき
るだけ多く通すフィルターが望ましい。具体的にはDAPI
を蛍光色素として用いる場合、励起光:360nm、蛍光側
フィルターには>430nmのものを用い、SYBR Green IIを
用いる場合には励起光470nm蛍光側フィルターには>520
nmを透過するフィルターを用いることが好ましい。用い
る蛍光色素の種類に応じて、他の蛍光フィルターを用い
ることができる。
【0024】(3)試料蛍光スペクトルの波形成分と、
対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及
びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分との比較 上記(2)で得られた試料の顕微蛍光スペクトル画像
は、培養菌株等の対照微生物を用いて予め取得した蛍光
スペクトル(対照微生物蛍光スペクトル)、堆積物粒子
のスペクトル(夾雑物蛍光スペクトル)、並びにバック
グラウンド蛍光スペクトルとコンピューター上での計算
によって比較する。また、取得した顕微蛍光スペクトル
画像において、目視により明らかに微生物、又は夾雑物
であると判別可能な点(ピクセル)があれば、取得した
顕微蛍光スペクトル画像上から任意に選択して対照蛍光
スペクトルとして用いることも可能である。しかし、ピ
クセルの選び方により結果が左右される可能性が生じる
ため、前述のように予め取得した対照蛍光スペクトルを
用いて比較を行うことが好ましい。画像の各々の点(ピ
クセル)に対して、どの蛍光スペクトルに類似している
のかの分類を行い、それぞれのピクセルを分類する。分
類されたピクセルは、それぞれ分類された対照蛍光スペ
クトルに従い、色分け等を行うこともできる。培養菌株
を用いて得られる蛍光スペクトル(対照微生物蛍光スペ
クトル)に類似した点を顕微蛍光スペクトル画像上で検
出することによって、試料中の微生物を選択的に検出す
ることができる。
【0025】本発明の方法では、試料蛍光スペクトル
を、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクト
ル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの3つの対照
蛍光スペクトルと比較して、3つの対照蛍光スペクトル
のうちのどれに一番近いかを判別することにより、微生
物を検出する。試料の蛍光スペクトルからバックグラウ
ンド減算した後に、対照微生物蛍光スペクトルおよび夾
雑物蛍光スペクトルと比較して、どちらとより近いかに
より選択する方法も考えられるが、この方法では、全体
にバックグラウンドを減算するので、微生物や粒子の蛍
光スペクトルの形が崩れて判別に誤差が生じることがあ
る。また、バックグラウンドの選び方によって結果が左
右され、普遍性を得るのが困難である。これに対して、
本発明の方法では、微生物や夾雑物粒子のスペクトルの
形が崩れることがないので判断の誤差が減り、また、バ
ックグラウンドの選び方により結果が左右されないので
普遍性が達成される。また、本発明の方法では1サンプ
ルごとに設定を調整する必要がなく、半自動化を達成で
きる。
【0026】本発明の方法では、対照蛍光スペクトルと
して、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクト
ル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの3つのスペ
クトルを用いる。これらはそれぞれ、以下に詳述するよ
うな方法により取得することができる。しかし、得られ
るスペクトルは染色に用いる蛍光色素に依存して変化す
るため、いずれも、少なくとも試料蛍光スペクトルを取
得する際に染色に用いた蛍光色素と同じ蛍光色素を用い
て染色し、取得したスペクトルを用いることが好まし
い。対照微生物(標準菌株)蛍光スペクトルとしては、
培養した1種類以上の微生物について取得した蛍光スペ
クトルを使用する。蛍光色素の種類によっては、微生物
の種類によりスペクトルが相違する場合がある。例え
ば、DAPIを使用することにより、グラム陽性細菌のう
ち、High G+C contents細菌とLow G+C contents細菌の
判別を行うことができる可能性がある。即ち、本発明の
方法では、好適な蛍光色素を選択し、対照微生物蛍光ス
ペクトルとして2種類以上の異なる微生物の蛍光スペク
トルを使用することにより、試料中の微生物の種類を同
定することもできる。
【0027】夾雑物蛍光スペクトルとは、微生物蛍光ス
ペクトルまたはバックグラウンド蛍光スペクトル以外の
蛍光スペクトルを意味する。種々の試料(例えば、固相
媒体など)中に含まれる夾雑物について、蛍光を発する
鉱物、植物、非特異的に色素が結合した夾雑物等の蛍光
スペクトルを取得して、カテゴリー別にライブラリー化
して用いることができる。また、具体的にその物質の種
類は特定しないままでも、主にピーク位置等に着目して
近いものをまとめて平均化して用いることもできる。全
く新しい蛍光スペクトルを有するものがあると判別でき
ないことがあるので、そのたびにライブラリーを増設し
て精度を上げていくことが好ましい。
【0028】バックグラウンド蛍光スペクトルとして
は、微生物、夾雑物等の蛍光を発するものが存在せず、
かつ散乱等の影響を受けていないと思われる部分を選ん
で取得した蛍光スペクトルを使用する。微生物等を濃縮
・濾過して保持しているフィルターに依存するところが
大きいので、違う種類のフィルターを用いれば値が変化
する可能性があるが、同じフィルターを用いている限り
ではほぼ一定である。
【0029】試料蛍光スペクトルの波形成分と、対照微
生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及びバッ
クグラウンド蛍光スペクトルの波形成分との比較は、好
ましくは、各波長ごとに波形成分を比較することにより
行い、さらに好ましくは、各蛍光スペクトルの強度と波
形の両方の差異が反映するような計算式を用いて行う。
【0030】蛍光スペクトルの比較は、例えば、PC Spe
ctrum Cube software中の複数の式から選択して実行す
ることができる。以下の実施例で用いている式はThe mi
nimum square error algorithmから導かれたもので、ス
ペクトル間の偏差(D)を下記式(1):
【0031】
【化3】
【0032】(式中、Dは標準偏差、Sxyはピクセル
(x,y)における試料蛍光スペクトル、Riは対照蛍
光スペクトル、λは波長を示す。)により計算してい
る。この式は、測定する試料のスペクトルSに対して対
照スペクトルR(即ち、対照微生物蛍光スペクトル(例
えば、緑色に設定)、夾雑物蛍光スペクトル(例えば、
ピンク色に設定)、及びバックグラウンド蛍光スペクト
ル(例えば、赤色に設定))の波長λの位置での離れ具
合を取得するものである。さらに波長λを例えば、50
0から600nmに変化させ、それらの合計を、試料蛍
光スペクトルと対照微生物蛍光スペクトル、試料蛍光ス
ペクトルと夾雑物蛍光スペクトル、及び試料蛍光スペク
トルとバックグラウンド蛍光スペクトルのそれぞれにつ
いて取得する。ここで、Dが最小の値を示す対照スペク
トルとして設定された色に色分けを行う等の方法で分類
する。この方法では、各波長におけるスペクトルの値を
比較し、差を取って二乗し積算しているので、蛍光スペ
クトルの強度および波形の両方の要素が強く反映される
ため、微生物と同じくらい強い蛍光を発していても色調
(蛍光スペクトルの波形)が異なる夾雑物を明確に分別
することが可能である。
【0033】あるいは、linear combination と称され
る計算式を用いることもできる。linear combinationで
は、ピクセルのスペクトルは所定の対照スペクトルの重
みをつけた和として表される。重みは、ピクセルのスペ
クトルに合致するように組み合わせたスペクトル係数で
ある。linear combinationの目的は、ピクセルのスペク
トルに合致するために各対照スペクトルをどれだけ加え
るべきかを見出すことである。最大の成分であることが
判明した対照に従い分類を行う。ピクセル(x,y)の
スペクトルSを考えた場合、linear combination algor
ithmは、係数R kを用いて以下の式を使用する。
【0034】
【化4】
【0035】εはできるだけ最小とする。各対照スペク
トルにはこの合計において重みWkが付与されて、ピク
セルのスペクトルSxyにできるだけ近づけるようにす
る。最大の重みWkを有する対照スペクトルRkをピクセ
ル(x,y)の分類として選択する。上記したような計
算式を用いた波形成分の比較は、例えば、PC Spectrum
Cubeソフトウエア(Applied Spectral Imaging)等によ
って行うことができる。
【0036】蛍光スペクトルの波形成分の比較は、精度
を上げるためにはスペクトル波形全体を解析するのが好
ましいが、操作の便宜上、各蛍光スペクトルのピークが
含まれる範の波長における波形成分を比較することに
より行ってもよい。
【0037】(4)微生物の細胞数の計数 本発明はさらに、上記(1)〜(3)に記載した方法に
より検出された微生物の細胞数を顕微鏡画像上で計数す
ることを特徴とする、微生物の細胞数の計数方法にも関
する。細胞数の計数方法の具体例を以下に説明する。具
体的には、例えば、先ず、スペクトル解析を行って、各
ピクセルごとにどの対照スペクトルに一番近いかによっ
て分類及び色分けを行う。微生物と認識された(対照微
生物(標準菌株)蛍光スペクトルに一番近いと判定され
た)ピクセルの色のみを残して他のピクセルの色を消去
する(0か1かの二値化を行う)。次に、解析処理を行
った画像上の微生物スペクトルであると判別されたピク
セルを、IP Lab等の画像上で一般的な粒子解析や計数処
理を行えるソフトを用いて計数する。このとき、上記画
像は用いるソフトに適した形式によって保存する。例え
ば、ソフトとしてIP Labを用いる場合には、TIFF形式等
により保存する。ピクセルの計数方法としては、顕微蛍
光スペクトル画像を取得する際の対物レンズの倍率に応
じて、1ピクセル以上のものを微生物として計数するこ
とができるが、精度をより高めるためには、5ピクセル
以上を覆う倍率で顕微蛍光スペクトル画像を取得し、上
記処理画像において5ピクセル以上の粒子を計数するの
が好ましい。また、この時、元の干渉画像のずれを除去
する設定を加えて調整することが好ましい。また、微生
物の計数を行う際には、統計上の信頼性を確保するため
に、一般的には、20視野以上かつ400細胞以上の測
定を行うことが好ましい。
【0038】(5)対照蛍光スペクトルファイル又は記
録媒体 本発明はさらに、少なくとも対照微生物蛍光スペクトル
及び/又は夾雑物蛍光スペクトルの波形成分の全部又は
一部が記録されている、コンピューター読み取り記録媒
体にも関する。本発明では、上記した3つの対照蛍光ス
ペクトルを、それぞれライブラリー化してファイルを作
成し、用いる試料に適したものを選択して用いることが
できる。これらのファイルとしては、例えば、色素によ
り取得されるスペクトルが大きく異なるので、色素ごと
に対照スペクトルのファイルを作成すれば、適宜それら
から選択して解析に用いることも可能である。ファイル
または記録媒体は、コードNo.、微生物名、カテゴリー
名、蛍光色素名、波形成分等を含むもので、さらに、試
料に関する情報(試料名、試料採取場所等)や、測定条
件(測定装置名、露光時間、用いた対物レンズや蛍光フ
ィルター等)等のデータを含んでいてもよい。また、夾
雑物蛍光スペクトルは試料によって含まれる夾雑物が異
なり、通常は同一試料中でも多種類の夾雑物が含まれる
ため、試料の種類等のカテゴリー別にグループ化した
り、あるいは、夾雑物の種類は特定しないままでも主に
ピーク位置等に着目して近いものをまとめ、それぞれの
グループに含まれる夾雑物蛍光スペクトルを平均化した
ものをファイルとして用いることもできる。
【0039】また、上記ファイルをデータベース化して
検索可能なシステムを組んで利用することも可能であ
る。具体的には、例えば、取得した試料の種類、蛍光色
素名、夾雑物カテゴリー名等を用いて検索を行うことに
より、適切な対照蛍光スペクトルのファイルを選択する
ことができる。さらには、取得した試料の顕微蛍光スペ
クトル画像において、目視により明らかに微生物、夾雑
物、又はバックグラウンドと判別できる部分の蛍光スペ
クトルを取得し、該蛍光スペクトルを用いて上記データ
ベースの中の類似の蛍光スペクトルを検索して、対照蛍
光スペクトルを選択することもできる。以下に実施例を
挙げて、本発明をより具体的に説明するが、これらの実
施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の
技術的範囲を制限するものではない。
【0040】
【実施例】(1)培養微生物(標準菌株)の調製 Psychrobacter immobilis (ATCC 43116T)、Bacillus ma
rinus (ATCC 29841T)、及びMethanococcoides methylut
ens (DSM 2657)を、培養微生物(標準菌株)として調製し
た。Psychrobacter immobilis (ATCC 43116T)及びBacil
lus marinus(ATCC 29841T)は、1/2TZ培地(Maruya
ma, A. 他 J Oceanogr. 49: 353-367)中で20℃で培
養し、Methanococcoides methylutens (DSM 2657)はD
SM M.methylutens培地中で30℃で培養した。細胞を
対数増殖期の初期から中期に回収し、38%ホルマリン
(最終濃度3%、pH=7.2;和光純薬)で4℃で一
晩固定化した。固定化した細胞を、遠心分離(12,0
00×g、5℃)及びリン酸緩衝食塩水(3×PBS;
(1リットル当たり)24gのNaCl、0.6gのK
Cl、4.32gのNa2HPO4、0.72gのKH2
PO4(pH7.2))で希釈することにより洗浄し、
使用するまで−30℃で3×PBSを含む70%エタノ
ール中で保存した。
【0041】(2)海洋堆積物試料の調製 不撹乱柱状採泥器(離合社)を用いて東京湾の湾奥部
(深さ17m)から海洋堆積物を回収した。堆積物の中
心部は研究室までの移送中4℃に保ち、1cmの切片に
裁断し、各切片の1mlを、3×PBS中の4%パラホ
ルムアルデヒド4mlを用いて4℃で一晩固定化した。
固定化した試料は、等量のエタノールを添加した後、使
用するまで−30℃で保存した。
【0042】(3)蛍光色素 スペクトル微生物分析に適した色素を選択するために、
7種の核酸蛍光色素(Molecular Probes)、即ち、DAP
I、アクリジンオレンジ、エチジウムブロミド、Yo-Pro
1、Po-Pro 1、SYBR Green I、及びSYBR Green IIのスペ
クトルを分析した。各色素のスペクトル及びサケ精子D
NA(Sigma)への結合性を蛍光分光光度計(RF20
0;島津製作所)により分析した。アクリジンオレン
ジ、エチジウムブロミド、及びSYBR Green Iは、単独の
場合とDNA結合状態でスペクトルの差異を示さなかっ
た。DAPI、Yo-Pro 1、Po-Pro 1、及びSYBR Green II
は、単独の場合とDNA結合状態で、強度とスペクトル
について著しい差異を示した。Yo-Pro 1及びPo-Pro 1は
急速に消光することから、本実施例では、DAPI及びSYBR
Green IIを使用して、顕微蛍光スペクトル画像解析を行
うこととした。
【0043】(4)試料の調製 20μlの固定化した堆積物試料を1mlの0.01M
ピロリン酸ナトリウムで希釈し、ソニケーター(UT−
53,55W;シャープ)で30秒間分散した。次い
で、10〜50μlの希釈試料を1mlの0.01Mピ
ロリン酸ナトリウムと混合した。培養微生物もピロリン
酸ナトリウムで希釈した(1つの顕微蛍光スペクトル画
像あたり20〜40細胞)。これらの試料を室温で10
分間DAPI(最終濃度:5μg/ml)又はSYBR Green I
I(最終濃度:10×)で染色した。次いで、1mlの
染色試料をポリ−L−リシンでコートしたヌクレポアフ
ィルターで濾過した(Maruyama, A. 他 Appl. Environ.
Microbiol. 66: 2211-2215)。風乾後、ProLong antif
adeキット(Molecular Probes)を用いて各フィルター
をガラススライド上に載せ、カバーグラスで覆い、顕微
蛍光スペクトル解析に供した。
【0044】(5)顕微鏡の調整 微生物細胞の顕微鏡画像を、蛍光顕微鏡(Axioplan II;
Zeiss, ドイツ)を用いて取得した。100倍の対物レ
ンズ(開口数:可変:0.7−1.3;Zeiss)を使用
して培養微生物を観察し、焦点合わせを行った。堆積物
試料は立体構造を有しているため、レンズ焦点深度によ
る微生物数の過小評価を防ぐために、20倍の対物レン
ズ(開口数:0.5;Zeiss)を使用した。DAPIの場合
はワイドバンドパスUVフィルター(Set No.11000, e
x.: 360nm, em.: >430nm; Chroma,VT)を使用し、SYBR
Green IIの場合はワイドバンドパスグリーンフィルター
(Set No.41012, ex.: 470nm, em.: >520nm; Chroma)
を使用した。
【0045】(6)顕微蛍光スペクトル画像解析 2つの異なる光経長を作り、蛍光顕微鏡から干渉デジタ
ル画像を与えるように3枚の鏡を有するSD−200を
用いてスペクトル画像を取得した。光路長を変化させ、
384画像取得した干渉デジタル画像を、フーリエ変換
によって顕微蛍光スペクトル画像に合成した(Malik,
Z. 他 J. Microsc. 182: 133-140)。このシステムによ
り、各ピクセル内の蛍光スペクトル情報が得られる。ス
ペクトルの解像度は500nmの波長では5nmであ
り、650nmでは10nmである。顕微蛍光スペクト
ル画像は256×226ピクセルであり、これは20倍
及び100倍の対物レンズについて127×112μm
及び26×23μmに対応する。干渉デジタル画像は、
DAPI染色の場合は1秒で取得し、SYBR Green II染色の
場合は50ミリ秒で取得した。顕微蛍光スペクトル画像
は、DAPIの場合は730秒の露出で取得し、SYBR Green
IIの場合は45秒で取得した。
【0046】取得したスペクトル画像をウインドウズN
T4.0上で、PC Spectrum Cubeソフトウエア(Applie
d Spectral Imaging)により解析した。Minimal square
error(最小平方誤差)アルゴリズムを用いて、以下の
平方差(D)に基づいた蛍光スペクトル情報により各ピ
クセルを分類し、色づけした。
【0047】
【化5】
【0048】式中、Sxyはピクセル(x,y)におけ
る蛍光スペクトルであり、Riは各々の対照スペクトル
であり、λはDAPI染色については400から600nm
の、SYBR Green II染色については500から650n
mの波長である。対照微生物蛍光スペクトルは、培養微
生物のスペクトル画像のピクセルから得られる蛍光スペ
クトルを選択した。夾雑物蛍光スペクトルは、堆積物試
料のスペクトル画像における非生物体粒子を示すピクセ
ルから得られる蛍光スペクトルを事前に選んだ。バック
グラウンド蛍光スペクトルとしては、蛍光を発するもの
が存在せず、かつ、散乱等の影響を受けていないと思わ
れるピクセルから得られる蛍光スペクトルを事前に選ん
だ。各ピクセルを、そのD値に従って最も近い対照スペ
クトルに分類し、色分けした。次に、夾雑物及びバック
グラウンド蛍光スペクトルの色を色分けした画像から除
去し、微生物蛍光スペクトルとして分類されたピクセル
のみを選択した。この画像中で検出されたピクセルのセ
グメント(ノイズ減少のため1×1ピクセルを除く)
を、アップルマッキントッシュG3でIP-Lab Spectrum
ソフトウエア(ver.3.1.2;Scanalytics, VA)を用
いることによって微生物として計数した。このような方
法を用いて、以下の(a)〜(d)の解析を行った。
【0049】(a)培養微生物(標準菌株)の解析 先ず、顕微蛍光スペクトル画像解析法を用いて培養微生
物の解析を行った。染色した培養微生物は、DAPI染色で
は470nmにスペクトル蛍光強度ピーク(図1Bの太
線)を有し、SYBR Green II染色では540nmにピーク
(図1Dの太線)を有していた。バックグラウンドは、
DAPI染色では520nmにスペクトル蛍光強度ピーク(図
1Bの点線)を有し、SYBR Green II染色では660nm
にピーク(図1Dの点線)を有し、これらはヌクレポア
フィルター及び未反応の蛍光色素から生じたものであ
る。SD−200により取得した培養微生物の蛍光スペ
クトルは、上記(3)の蛍光分光分析で得たサケ精子D
NAに結合する蛍光色素のスペクトルとほぼ同一であっ
た。また、対照微生物蛍光スペクトルはバックグラウン
ド蛍光スペクトルと著しく相違する。微生物とバックグ
ラウンドの蛍光スペクトルの相違は明白であるので、こ
れらはコンピューター化した画像解析で簡単に識別でき
た。培養微生物試料では、微生物以外のバックグラウン
ド粒子は存在しないため、DAPI及びSYBR Green IIで染
色した微生物は、蛍光強度を利用することによってバッ
クグラウンドから検出できた(Moller, S. 他 Appl. En
viron. Microbiol. 61: 741-748)。全体の蛍光強度の
情報がない場合でも、本発明の顕微蛍光スペクトル画像
解析によれば、培養微生物をスペクトル情報を利用して
バックグラウンドから容易に検出することができた。
【0050】(b)グラム陽性細菌の解析 B.marinusのスペクトル(図1Aの矢印)はDAPI染色で
460nmに鋭いスペクトル蛍光強度ピークを有していた
(図1Cの破線)。DAPI染色は、3以上の連続するA−
T結合で強く染色する(Williamson, D. H. 他 Method.
Cell. Biol. 12335-351: 335-351)。B.marinusは、グ
ラム陽性低G+Cサブグループに属し、G−C結合より
もA−T結合を有しているため、B.marinusにおける3
連続のA−T結合の頻度は高い。このことは、B.marinu
sが強い蛍光と鋭いスペクトル蛍光ピークを有すること
を示している。
【0051】(c)蛍光色素の選択 表面及び深さ30から31cmの堆積物由来の試料にお
いて、SD−200を用いてDAPI染色により微生物を検
出した。DAPI染色では、通常の直接計数において(表
1)、SYBR Green IIと比較した場合、表面においては少
数の微生物が検出されたが、深さ30から31cmでは
微生物は検出されなかった。DAPI染色は、SYBR Green I
Iよりも核酸への親和性が低いため(Weinbauer, M. G.
他 Appl. Environ. Microbiol. 64: 5000-5003)、通常
の直接計数では堆積物中の微生物細胞を過小評価してい
る。SD−200を用いて顕微蛍光スペクトル画像を取
得するためには、DAPI染色は長時間(スペクトル画像の
ために740秒)の露出を必要とするが、染色した微生
物中の蛍光は消光し、迅速な計数はできなくなる。SYBR
Green II染色は、核酸に結合する際に強い蛍光強度を
有するので、必要な露出時間(45秒)はDAPI染色より
も短い。従って、以後、海洋堆積物等の固体試料中の微
生物細胞検出の顕微蛍光スペクトル画像解析には、SYBR
Green IIを用いることとした。
【0052】
【表1】
【0053】(d)海洋堆積物試料の解析 図2A及びDは、SYBR Green IIで染色した表面及び深
さ30〜31cmの海洋堆積物の黒白デジタル画像を示
す。表面堆積物から捕獲した黒白デジタル画像(図2
A)を用いて、微生物を他の粒子から強度により識別し
た。表面では、微生物/有機堆積物粒子の比率は高く、
染色した微生物の強度は、微生物活性が高いために有機
堆積物粒子のものより強かった。対照的に、強度情報の
みでは深さ30〜31cmの試料中の微生物を他の粒子
と識別することは困難であった(図2D)。微生物様粒
子(MP)、夾雑物粒子(BP)、及びフィルター上の
バックグラウンドシグナル(BK)の蛍光スペクトル
(図2B及びE)は、深さ30〜31cmでも互いに明
確に識別できた(図2E)。スペクトルの相違に基づい
て、顕微蛍光スペクトル画像解析を用いて海洋堆積物中
の微生物を選択的に検出した(図2C及びF)。画像解
析及び色情報の直接検出の両方において、全ての色は
赤、緑及び青の組み合わせで表されるので、通常の色分
析では、スペクトル情報の一部のみを分析できるにすぎ
ない。例えば、黄色は純粋な黄色スペクトルから構成さ
れているのか、緑色及び赤色スペクトルの混合から構成
されているのかを決定できないので、黄色粒子は色情報
だけでは微生物として識別できない。本発明の顕微蛍光
スペクトル解析はこれらを明白に区別し、堆積物試料中
の微生物を簡単に検出することができる。
【0054】目視及びSD−200による顕微蛍光スペ
クトル画像解析法それぞれにより、海洋堆積物中の微生
物を計数したところ、微生物の垂直分布パターンではほ
ぼ同様の結果が得られた(図3)。半自動スペクトル分
析により、東京湾堆積物中に微生物は堆積物1ml当た
り1〜6×109細胞が検出および計数された。スペク
トル/目視計数の比率は0.65〜1.06(平均:
0.88)の範囲であった。本発明の方法では、形態情
報を使用することなく微生物のスペクトル画像解析を用
いて微生物を検出することが示され、自動化した堆積物
微生物の分析を改良できる。
【0055】RNAハイブリダイゼーション(Devereu
x, R. 他 FEMS Microb. Ecol. 20: 23-31)、生化学的
分析(Sunamura, M. 他 Mar. Biotech. 1: 562-568)、
及び全細胞ハイブリダイゼーション(Llobet-Brossa,
E. 他 Appl. Environ. Microbiol. 64: 2691-2696)を
使用して、海洋堆積物中の特異的微生物を定量的に分析
することは知られている。また、全細胞ハイブリダイゼ
ーションは環境微生物生態学において広く使用されてい
る(Amann, R. I. 他 Microbiol. Rev. 59: 143-16
9)。全細胞ハイブリダイゼーションを介した特異的に
微生物を決定するための因子は、蛍光強度、微生物形
態、及びDNA蛍光色素の結果の比較であり、これは直
接計数法と同じである。地中堆積物(深さ10cm以
深、Whitman, W. B.他 Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 9
5: 6578-6583)中の微生物は、活性が低く、無数の粒子
が存在するため、全細胞ハイブリダイゼーションにより
検出できない。活性が低い微生物を検出するために、蛍
光細胞強度を増加させるための幾つかの方法が水中環境
のために開発されているが(Tani, K. 他 Appl. Enviro
n. Microbiol. 64: 1536-1540;及びYamaguchi, N. 他
Appl. Environ. Microbiol. 62: 275-278)、何れも全
細胞ハイブリダイゼーションを使用して他の粒子から微
生物を識別することはできない。他の蛍光粒子から微生
物を識別するためには、本発明の顕微蛍光スペクトル画
像解析は、夾雑物粒子からハイブリダイズした細胞中の
蛍光シグナルを識別する点で有効である。
【0056】
【発明の効果】本発明の顕微蛍光スペクトル画像解析法
によって、従来蛍光輝度のみで分別が成されていた堆積
物等固相試料中全微生物の画像化が可能となった。一般
に蛍光物質の蛍光スペクトルはレーザーなどのスペクト
ルと比べ、その波形はなめらかで、ブロードである。す
なわち、目的とする蛍光物質のスペクトルに最適な励起
波長を限定しても、目的とする蛍光物質以外の無機粒子
等の自家蛍光に由来する蛍光を検出してしまう。従っ
て、従来の蛍光輝度のみに依存する画像解析手法では、
これらの無機粒子なども微生物粒子として認識してしま
うため、微生物のみの画像化は難しかった。本発明の顕
微蛍光スペクトル画像解析法は目的物質と結合した蛍光
物質の蛍光スペクトル検出を行うことで、無機粒子等の
自家蛍光などに由来する蛍光スペクトルと微生物の蛍光
スペクトルを明確に検出することを可能とし、スペクト
ル画像解析手法によって、全微生物を画像化することが
可能である。すなわち、本発明の顕微蛍光スペクトル画
像解析法を使用する方法により、比較的簡単に、個人に
よる誤差も少なく、半自動的に固相中の微生物の検出お
よび計数を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、培養微生物の顕微蛍光スペクトル画像
及びスペクトルを示す。(A)はDAPI染色、(B)はSY
BR Green II染色を示す。画像は、全蛍光スペクトル画
像から、DAPIについては400〜500nm、SYBR Gre
en IIについては530〜550nmの各範囲で抽出し
て積分した蛍光強度で構築した。(C)は、DAPI染色し
た微生物スペクトル(実線;P.immobilis及び破線;B.m
arinus)及びバックグラウンドスペクトル(点線)を示
す。(D)は、SYBR Green II染色した微生物スペクト
ル(実線)及びバックグラウンドスペクトル(点線)を示
す。
【図2】図2は、SYBR Green IIで染色した海洋堆積物
中の微生物の顕微蛍光スペクトル画像及びスペクトルを
示す。(A)は表面で、(B)は深さ30〜31cmで
ある。画像は、全蛍光スペクトル画像から抽出した53
0〜550nmの積分した蛍光強度で構築した。MPは
微生物様粒子を示し、BPは夾雑物粒子を示し、BKは
フィルターバックグラウンドを示す。(C)は、表面試
料中のスペクトル(MP:実線、BK:点線)を示す。
(D)は、深さ30〜31cmのスペクトル(MP:実
線、BP:太い点線、BK:点線)を示す。(E)は、
表面で検出された微生物を示す。(F)は、深さ30〜
31cmで検出された微生物を示す。スペクトル分析は
最小平方誤差により計算した。
【図3】図3は、SYBR Green II染色による東京湾堆積
物中の微生物の垂直分布を示す。白丸(○)は、目視に
よる直接計数による微生物数を示し、黒丸(●)は、ス
ペクトル分析による微生物数を示す。微生物の全体の数
及び誤差の棒は3枚のフィルターの分析から計算した。
各フィルターにおいて、30視野及び500細胞以上を
目視及びスペクトル画像の両方で計数した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂村 倫成 東京都町田市南大谷11号 株式会社三菱化 学生命科学研究所内 (72)発明者 丸山 明彦 茨城県つくば市東1丁目1番3 経済産業 省産業技術総合研究所 生命工学工業技術 研究所内 (72)発明者 倉根 隆一郎 茨城県つくば市東1丁目1番3 経済産業 省産業技術総合研究所 生命工学工業技術 研究所内 Fターム(参考) 2G043 AA01 AA04 BA17 CA05 DA02 EA01 FA02 GA07 GB21 JA01 MA01 NA01 4B029 AA07 AA27 BB20 FA01 4B063 QA18 QQ05 QQ15 QQ18 QQ43 QR08 QR33 QR42 QR55 QR66 QS25 QS34 QS39 QX02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光色素で染色した試料中の微生物を含
    む顕微蛍光スペクトル画像を、媒体中の微生物の1細胞
    が少なくとも1ピクセル以上を覆うような条件下で取得
    し、各ピクセルについて蛍光スペクトルを取得し、取得
    した試料蛍光スペクトルの波形成分と、対照微生物蛍光
    スペクトル、夾雑物蛍光スペクトル、及びバックグラウ
    ンド蛍光スペクトルの波形成分とを比較することを特徴
    とする、微生物の検出方法。
  2. 【請求項2】 試料が固体試料である、請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 蛍光色素がDNA結合性蛍光色素であ
    る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 蛍光色素が4',6-ジアミジノ-2-フェニル
    インドール(DAPI)又はSYBR GreenIIである、請求項1
    から3の何れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 取得した試料蛍光スペクトルの波形成分
    と、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクト
    ル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分と
    の比較を、各波長ごとに波形成分を比較することにより
    行う、請求項1から4の何れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 取得した試料蛍光スペクトルの波形成分
    と、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクト
    ル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分と
    の比較を、強度と波形の両方の差異が反映するような計
    算式を用いて行う、請求項1から5の何れかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 取得した試料蛍光スペクトルの波形成分
    と、対照微生物蛍光スペクトル、夾雑物蛍光スペクト
    ル、及びバックグラウンド蛍光スペクトルの波形成分と
    の比較を、下記式(1): 【化1】 (式中、Dは標準偏差、Sxyはピクセル(x,y)に
    おける試料蛍光スペクトル、Riは対照蛍光スペクト
    ル、λは波長を示す。)により行う、請求項1から6の
    何れかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 蛍光スペクトルの波形成分の比較を、少
    なくとも各蛍光スペクトルのピークが含まれる範囲の波
    長における波形成分を比較することにより行う、請求項
    1から7の何れかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 対照微生物蛍光スペクトルとして2種類
    以上の異なる微生物の蛍光スペクトルを使用することに
    より、試料中の微生物の種類を同定する、請求項1から
    8の何れかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から8の何れかに記載の方法
    により検出された微生物の細胞数を顕微鏡画像上で計数
    することを特徴とする、微生物の細胞数の計数方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも対照微生物蛍光スペクトル
    及び/又は夾雑物蛍光スペクトルの波形成分の全部又は
    一部が記録されている、コンピューター読み取り記録媒
    体。
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