JP4743571B2 - カラーフィルタの作製方法およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックライト光と外光とを選択的に利用して画像表示を行う透過反射型液晶表示装置に係り、とりわけ、透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタの作製方法およびカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRT等の既存の表示装置の代替技術として、各種のフラットディスプレイが開発されている。その中でも、液晶表示装置は、ノート型およびデスクトップ型のパーソナルコンピュータの他、家庭用のテレビにもその適用範囲を広げつつある。また、通信インフラの発達とともに、持ち運びが可能な携帯情報端末(携帯電話やPDA(personal data assistant)等)にも、軽くて低消費電力という利点を生かして液晶表示装置が多く用いられている。なお、携帯情報端末用の液晶表示装置としては、電池の寿命を延ばすため、暗いところでは、バックライトから放射されるバックライト光を利用した透過表示モードで画像表示を行い、明るいところでは、外光を利用した反射表示モードで画像表示を行う、透過反射型液晶表示装置が広く用いられている。
【0003】
従来の透過反射型液晶表示装置は、アレイ基板と、アレイ基板に対向して配置された対向基板と、アレイ基板と対向基板との間に挟持された液晶層とを備えている。また、アレイ基板の各画素領域ごとに、バックライト光を透過する透過部と、外光を反射する反射部とを有し、透過表示モード時には、アレイ基板の透過部で透過されたバックライト光を利用して画像を表示させ、反射表示モード時には、アレイ基板の反射部で反射された外光を利用して画像を表示させるようになっている。
【0004】
ところで、上述したようなパーソナルコンピュータや携帯情報端末等では、情報量の増大に伴って、利用されるコンテンツがモノクロ表示のコンテンツからカラー表示のコンテンツへと変化してきており、上述した透過反射型液晶表示装置についても、そのカラー化も強く求められている。
【0005】
ここで、透過反射型液晶表示装置のカラー化は、上述した構成にカラーフィルタを加えることにより実現することができる。カラーフィルタは、各画素領域を構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する3色の着色層を含み、光を3原色に分解して利用することによりカラー表示を実現するものである。
【0006】
なお、このようなカラーの透過反射型液晶表示装置においては、各画素領域内の透過部と反射部との比率およびバックライト光の強度を調整することにより、透過表示モードおよび反射表示モードでの明るさ(輝度)のバランスをとるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の透過反射型液晶表示装置では、透過表示モード時に、バックライト光がカラーフィルタを1回だけ透過するのに対し、反射表示モード時には、外光がカラーフィルタを2回透過することとなる。このため、透過表示モード時の色を基準にしてカラーフィルタの色設計を行うと、透過表示モード時の明るさに比べて反射表示モード時の明るさが極端に暗くなり、また、透過表示モード時の色に比べて反射表示モード時の色が極端に濃くなる、という問題がある。
【0008】
ここで、反射表示モード時の明るさを上げるため、各着色画素領域における反射部の割合を増加させることも可能であるが、この場合には、透過表示モード時の明るさが暗くなり、バックライト光の強度を上げる必要がある、という問題がある。また、最初から反射表示モード時の色を基準にしてカラーフィルタの色設計を行うことも可能であるが、この場合には、透過表示モード時の色が極端に薄くなってしまって正しい色がでない、という問題がある。
【0009】
ところで、このような問題を解決するための一つの手法として、特開2000−267081号公報には、透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタにおいて、反射板等に対して観察者側に位置する反射表示用の部位の膜厚を、バックライト光が透過する透過表示用の部位の膜厚よりも薄くするものが記載されている。なお、上記特開2000−267081号公報に記載されたものでは、カラーフィルタが積層される画素電極のうち反射型電極の下層にバンプを形成することにより、反射表示用の部位の膜厚を透過表示用の部位の膜厚よりも薄くしている。
【0010】
しかしながら、上記特開2000−267081号公報に記載されたものでは、バンプ上に塗布されるレジストの粘度等を調整することにより、反射表示用の部位の膜厚および透過表示用の部位の膜厚を制御しており、カラーフィルタの幅が通常の各色の着色層で100μm程度あることを考えると、その全域にわたって反射表示用の部位の膜厚および透過表示用の部位の膜厚を均一に保つことは困難である、という問題がある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、反射表示用の部位の膜厚および透過表示用の部位の膜厚を簡易かつ確実に制御し、透過表示モード時におけるバックライトの消費電力を抑えつつ、反射表示モード時の明るさを上げて反射表示モード時の画面の見やすさを上げるとともに、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色の差を少なくすることができる、カラーフィルタの作製方法およびカラーフィルタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その第1の解決手段として、バックライト光と外光とを選択的に利用して画像表示を行う透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタの作製方法において、基材上に光感光性着色レジストを塗布する工程と、前記光感光性着色レジストをフォトマスクを介して露光および現像することにより、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層を含むカラーフィルタを形成する工程とを含み、前記カラーフィルタを形成する工程において、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることにより、前記各着色層に含まれる透過表示用の部位と反射表示用の部位とでその膜厚を異ならせることを特徴とする、カラーフィルタの作製方法である。
【0012】
本発明は、その第2の解決手段として、前記カラーフィルタを形成する工程において、透明部分、遮光部分および半透明部分を含むフォトマスクにより、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることを特徴とする、カラーフィルタの作製方法である。
【0013】
本発明は、その第3の解決手段として、前記フォトマスクの前記半透明部分は、前記光感光性着色レジストの解像度以下の大きさを有する複数の微小透明部分から成ることを特徴とする、カラーフィルタの作製方法である。
【0014】
本発明は、その第4の解決手段として、前記カラーフィルタを形成する工程において、透明部分および遮光部分を含むフォトマスクをずらしながら前記光感光性着色レジストに対して複数回の露光を行うことにより、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることを特徴とする、カラーフィルタの作製方法である。
【0015】
本発明は、その第5の解決手段として、バックライト光と外光とを選択的に利用して画像表示を行う透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタの作製方法において、基材上に、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層を含むカラーフィルタを形成する工程を含み、前記カラーフィルタを形成する工程において、透過表示用の部位の膜厚と反射表示用の部位の膜厚との差に対応する膜厚で透過表示用の部位に第1の着色膜を形成するとともに、反射表示用の部位の膜厚で透過表示用の部位および反射表示用の部位に第2の着色膜を形成することにより、前記各色の着色層に含まれる透過表示用の部位と反射表示用の部位とでその膜厚を異ならせることを特徴とする、カラーフィルタの作製方法である。
【0016】
本発明は、その第6の解決手段として、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域ごとに、バックライト光を透過する透過部と、外光を反射する反射部とを含む、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶層とを備えた透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタにおいて、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層ごとに、前記アレイ基板の前記透過部に対応して設けられ、当該透過部で透過されたバックライト光を透過させて画像を表示させる透過表示用の部位と、前記アレイ基板の前記反射部に対応して設けられ、当該反射部で反射された外光を透過させて画像を表示させる反射表示用の部位とを含み、前記各着色層に含まれる反射表示用の部位の膜厚は、当該各着色層に含まれる透過表示用の部位の膜厚よりも薄いことを特徴とするカラーフィルタである。
【0017】
本発明はその第7の解決手段として、赤色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.55〜0.69の範囲にあることを特徴とする、カラーフィルタである。
【0018】
本発明はその第8の解決手段として、緑色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.55〜0.78の範囲にあることを特徴とする、カラーフィルタである。
【0019】
本発明は、その第9の解決手段として、青色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.34〜0.56の範囲にあることを特徴とする、カラーフィルタである。
【0020】
本発明は、その第10の解決手段として、赤色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率と、緑色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率とが、青色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率よりも大きいことを特徴とする、カラーフィルタである。
【0021】
本発明は、その第11の解決手段として、上記記載のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2(a)(b)(c)(d)(e)(f)は本発明によるカラーフィルタの作製方法の一実施の形態を説明するための図である。
【0023】
まず、図1により、本実施の形態に係るカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置の全体構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、透過反射型液晶表示装置1は、アレイ基板11と、アレイ基板11に対向して配置された対向基板12と、アレイ基板11と対向基板12との間に挟持された液晶層13とを備えている。
【0025】
このうち、アレイ基板11は、スイッチング素子が走査線および信号線とともにアレイ状に形成されたガラス基板14と、ガラス基板14に形成されたスイッチング素子に接続された画素電極15とを有している。なお、画素電極15は、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の着色画素領域1R,1G,1Bごとに、バックライト光LBを透過するITO膜等からなる透明電極(透過部)15aと、外光LEを反射する金属膜等からなる反射電極(反射部)15bとを有し、透過表示モード時には、アレイ基板11の透明電極15aで透過されたバックライト光LBを利用して画像を表示させ、反射表示モード時には、アレイ基板11の反射電極15bで反射された外光を利用して画像を表示させるようになっている。また、画素電極15上には、配向膜(図示せず)が形成されている。
【0026】
一方、対向基板12は、ガラス基板17と、ガラス基板17上に形成されたカラーフィルタ18と、カラーフィルタ18上に形成されたITO膜等からなる透明な対向電極19とを有している。なお、カラーフィルタ18は、各色の着色画素領域1R,1G,1Bごとに着色層18R,18G,18Bを含んでおり、着色層18R,18G,18Bのうちアレイ基板11の透明電極15aの上方に位置する部分により、アレイ基板11の透明電極15aで透過されたバックライト光LBを透過させて画像を表示させる透過表示用の部位18aが構成されている。また、着色層18R,18G,18Bのうちアレイ基板11の反射電極15bの上方に位置する部分により、アレイ基板11の反射電極15bで反射された外光LEを透過させて画像を表示させる反射表示用の部位18bが構成されている。
【0027】
図1に示す透過反射型液晶表示装置1において、透過表示モード時には、アレイ基板11の透明電極15aを透過したバックライト光LBが、カラーフィルタ18の透過表示用の部位18aを1回だけ透過する。これに対し、反射表示モード時には、外部から入射された外光LEが、カラーフィルタ18の反射表示用の部位18bを1回透過した後、アレイ基板11の反射電極15bによって反射され、再度同一の反射表示用の部位18bを透過する。
【0028】
ここで、透過表示モード時と反射表示モード時との間での色の差を小さくし、違和感のない表示を行うためには、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、カラーフィルタ18の各色の着色画素領域1R,1G,1Bに含まれる透過表示用の部位18aの色度座標値(tx,ty)と、外光としてD65光源を用いて測定したときの、カラーフィルタ18の各色の着色画素領域1R,1G,1Bに含まれる反射表示用の部位18bの色度座標値(rx,ry)との差が0.05以内、より好ましくは0.02以内であることが好ましい。より具体的には、赤色の着色画素領域18Rに対応する色度座標値については、そのx値の差が0.05以内(より好ましくは0.02以内)であることが好ましい。また、緑色の着色画素領域18Gに対応する色度座標値については、そのy値の差が0.05以内(より好ましくは0.02以内)であることが好ましい。さらに、青色の着色画素領域18Bに対応する色度座標値については、そのy値の差が0.05以内(より好ましくは0.02以内)であることが好ましい。
【0029】
本実施の形態では、透過表示モード時と反射表示モード時との間での色の差が上述したような範囲にあるようにするため、各色の着色層18R,18G,18Bに含まれる反射表示用の部位18bの膜厚を、当該各色の着色層18R,18G,18Bに含まれる透過表示用の部位18aの膜厚よりも薄くしている。
【0030】
ここで、各色の着色層18R,18G,18Bにおける反射表示用の部位18bの透過表示用の部位18aに対する膜厚比は、各色で条件が異なっている。具体的には、赤色の着色層18Rに関しては、赤色の着色層18Rのうち透過表示用の部位18aの膜厚を1としたとき、反射表示用の部位18bの膜厚が0.55〜0.69の範囲にある場合に、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色が近く、違和感なく表示が行われる。また、緑色の着色層18Gに関しては、緑色の着色層18Gのうち透過表示用の部位18aの膜厚を1としたとき、反射表示用の部位18bの膜厚が0.55〜0.78の範囲にある場合に、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色が近く、違和感なく表示が行われる。さらに、青色の着色層18Bに関しては、青色の着色層18Bのうち透過表示用の部位18aの膜厚を1としたとき、反射表示用の部位18bの膜厚が0.34〜0.56の範囲にある場合に、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色が近く、違和感なく表示が行われる。
【0031】
また、赤色の着色層18Rにおける反射表示用の部位18bの透過表示用の部位18aに対する面積比率と、緑色の着色層18Gにおける反射表示用の部位18bの透過表示用の部位18aに対する面積比率とは、青色の着色層18Bにおける反射表示用の部位18bの透過表示用の部位18aに対する面積比率よりも大きいことが好ましい。
【0032】
次に、このような構成からなる透過反射型液晶表示装置1で用いられるカラーフィルタ18の作製方法について説明する。
【0033】
図2(a)(b)(c)(d)(e)(f)に示すように、まず、ガラス基板(基材)17上に赤色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18R′を塗布し(図2(a))、次いで、赤色用の光感光性着色レジスト18R′をフォトマスク20を介して露光および現像することにより、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色の着色画素領域に対応する赤色の着色層18Rを形成する(図2(b))。
【0034】
同様にして、赤色の着色層18Rが形成されたガラス基板17上に、緑色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18G′を塗布し(図2(c))、次いで、緑色用の光感光性着色レジスト18G′をフォトマスク20を介して露光および現像することにより、複数の画素領域のそれぞれを構成する緑色の着色画素領域に対応する緑色の着色層18Gを形成する(図2(d))。
【0035】
同様にして、赤色の着色層18Rおよび緑色の着色層18Gが形成されたガラス基板17上に、青色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18B′を塗布し(図2(e))、次いで、青色用の光感光性着色レジスト18B′をフォトマスク20を介して露光および現像することにより、複数の画素領域のそれぞれを構成する青色の着色画素領域に対応する青色の着色層18Bを形成する(図2(f))。
【0036】
これにより、ガラス基板17上に各色の着色層18R,18G,18Bを含むカラーフィルタ18が形成される。
【0037】
なお、カラーフィルタ18を形成する工程で用いられるフォトマスク20は、完全な透光性を有する透明部分20a、完全な遮光性を有する遮光部分20b、および中間的な透過率を有する半透明部分20cを含んでおり、各色の光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′に対する露光量を部位に応じて変えることにより、各色の着色層18R,18G,18Bに含まれる透過表示用の部位18aと反射表示用の部位18bとでその膜厚を異ならせることができるようになっている。ここで、図2(b)(d)(e)に示すように、フォトマスク20の透明部分20aおよび半透明部分20cは各色の着色層18R,18G,18Bに含まれる透過表示用の部位18aおよび反射表示用の部位18bに対応している。
【0038】
なお、フォトマスク20の半透明部分20cは例えば、ハーフトーンもしくはハッチングパターンとして構成することができる。ハッチングパターンの場合、このような半透明部分20cは、光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′の解像度以下の大きさを有する複数の微小透明部分を含むことが好ましい。具体的には例えば、光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′の解像度が通常10μm程度であるので、半透明部分20cの微小透明部分の大きさが例えば5μm角以内であれば、個々の微小透明部分による露光量の変動が直接感知されることがなく、最終的な積分された露光量として感知される。
【0039】
ここで、ネガ型レジストである光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′は、露光量に応じて現像後の膜厚が図3に示すように変化し、また、膜厚に応じて透過率が図4に示すように変化する。このため、図3および図4に示すような特性に基づいて、所望の膜厚または透過率を実現するよう、現像後の残膜量を変化させることにより、色を調整することができる。
【0040】
その後、カラーフィルタ18が形成されたガラス基板17上に必要によっては透明平坦化膜を形成し、その後ITO膜等からなる透明な対向電極19を形成する。さらに、対向電極19の表面に配向膜(図示せず)を形成し、この配向膜の表面をラビングすることにより配向処理を施す。
【0041】
これにより、対向基板12が作製される。
【0042】
一方、対向基板12に対向するアレイ基板11を作製するため、ガラス基板14上にスパッタリング法によりアルミニウム膜等の金属膜を成膜し、フォトリソグラフィ法により走査線およびゲート電極等をパターニングする。次に、その上にCVD法により窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成する。そして、その上にスパッタリング法によりアルミニウム膜等の金属膜を成膜し、フォトリソグラフィ法により信号線、ソース電極およびドレイン電極をパターニングする。これにより、ガラス基板14上に信号線および走査線が互いに直交するように形成されるとともに、信号線と走査線との交差部にスイッチング素子がアレイ状に形成される。
【0043】
次いで、このようにして信号線、走査線およびスイッチング素子が形成されたガラス基板14上にスパッタリング法によりアルミニウム膜等の金属膜を成膜し、フォトリソグラフィ法により図1の符号15bに示すような形状にパターニングすることにより、画素電極15(反射電極15b)を形成する。
【0044】
さらに、ガラス基板14上にスパッタリング法によりITO膜を成膜し、フォトリソグラフィ法により図1の符号15aに示すような形状にパターニングすることにより、画素電極15(透明電極15a)を形成する。
【0045】
その後、アレイ基板11の表面に配向膜(図示せず)を形成し、この配向膜の表面をラビングすることにより配向処理を施す。
【0046】
これにより、アレイ基板11が作製される。
【0047】
その後、スペーサ等を介して対向基板12およびアレイ基板11を対向させた後、対向基板12およびアレイ基板11間に液晶材料を注入して液晶層13を形成する。そして、必要に応じて、対向基板12の表面に位相差板(図示せず)や偏光板(図示せず)等を取り付けることにより、最終的に、図1に示すような透過反射型液晶表示装置1が製造される。
【0048】
このように本実施の形態によれば、各色の光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′に対する露光量を部位に応じて変えることにより、各色の着色層18R,18G,18Bに含まれる透過表示用の部位18aと反射表示用の部位18bとでその膜厚を異ならせているので、透過表示用の部位18aの膜厚および反射表示用の部位18bの膜厚を簡易かつ確実に制御することができ、このため、透過表示モード時におけるバックライトの消費電力を抑えつつ、反射表示モード時の明るさを上げて反射表示モード時の画面の見やすさを上げるとともに、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色の差を少なくすることができる。
【0049】
なお、上述した実施の形態においては、カラーフィルタ18を形成する工程において、透明部分20a、遮光部分20bおよび半透明部分20cを含むフォトマスク20により、各色の光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′に対する露光量を部位に応じて変えるようにしているが、これに限らず、図5(a)(b)(c)(d)に示すように、個々の着色層を形成する際に、透明部分および遮光部分を含むフォトマスクをずらしながら光感光性着色レジストに対して複数回の露光を行うことにより、光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えるようにしてもよい。
【0050】
具体的には例えば、赤色の着色層18Rを形成する場合を例に挙げて説明すれば、図5(a)(b)(c)(d)に示すように、まず、ガラス基板(基材)17上に赤色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18R′を塗布した後(図5(a))、赤色用の光感光性着色レジスト18R′に対して、透明部分21aおよび遮光部分21bを含むフォトマスク21を介して全体の露光量の50%の露光量で1回目の露光を行う。なお、フォトマスク21は、形成される着色層18Rの透過表示用の部位18aおよび片側の反射表示用の部位18bに相当する大きさを有している。
【0051】
次に、フォトマスク21を、片側の反射表示用の部位18bに相当する分だけ、形成される着色層18Rの延在方向(ストライプ方向)に直交する方向(紙面右側方向)にずらした上で、赤色用の光感光性着色レジスト18R′に対して、全体の露光量の50%の露光量で2回目の露光を行う。
【0052】
これにより、形成される着色層18Rの透過表示用の部位で2回の露光(100%の露光量)が重ねて行われる一方で、反射表示用の部位では1回の露光(50%の露光量)が行われ、透過表示用の部位18aおよび反射表示用の部位18bを有する赤色の着色層18Rが形成される。
【0053】
なおこのとき、透過表示用の部位18aの露光量の50%の露光量で所望の膜厚比の反射表示用の部位18bが形成されるよう各色の光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′の感度を調整しておくことが好ましい。
【0054】
また、上述した実施の形態においては、カラーフィルタ18を形成する工程において、透明部分20a、遮光部分20bおよび半透明部分20cを含むフォトマスク20により、各色の光感光性着色レジスト18R′,18G′,18B′に対する露光量を部位に応じて変えるようにしているが、これに限らず、図6(a)(b)(c)(d)に示すように、透過表示用の部位の膜厚と反射表示用の部位の膜厚との差に対応する膜厚で透過表示用の部位に第1の着色膜を形成するとともに、反射表示用の部位の膜厚で透過表示用の部位および反射表示用の部位に第2の着色膜を形成することにより、各色の着色層に含まれる透過表示用の部位と反射表示用の部位とでその膜厚を異ならせるようにしてもよい。
【0055】
具体的には例えば、赤色の着色層18Rを形成する場合を例に挙げて説明すれば、図6(a)(b)(c)(d)に示すように、まず、ガラス基板(基材)17上に1層目の赤色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18R′を塗布した後(図6(a))、赤色用の光感光性着色レジスト18R′に対して、透明部分22aおよび遮光部分22bを含むフォトマスク22を介して露光および現像することにより、透過表示用の部位18aに第1の着色膜18R′を形成する(図6(b))。なお、フォトマスク22は、形成される着色層18Rの透過表示用の部位18aに相当する大きさを有している。
【0056】
次に、ガラス基板(基材)17および第1の着色膜18R′上に2層目の赤色用の光感光性着色レジスト(ネガ型レジスト)18R″を塗布した後(図6(c))、赤色用の光感光性着色レジスト18R′に対して、透明部分23aおよび遮光部分23bを含むフォトマスク23を介して露光および現像することにより、反射表示用の部位18bの膜厚で透過表示用の部位18aおよび反射表示用の部位18bに第2の着色膜18R″を形成する。なお、フォトマスク23は、形成される着色層18Rの透過表示用の部位18aおよび両方の反射表示用の部位18bに相当する大きさを有している。
【0057】
これにより、透過表示用の部位18aおよび反射表示用の部位18bを有する赤色の着色層18Rが形成される。
【0058】
なお、上述した実施の形態においては、カラーフィルタ18を対向基板12側に設けているが、これに限らず、図7に示すように、アレイ基板11側に設けるようにしてもよい。
【0059】
また、上述した実施の形態においては、画素電極15の透明電極15aによりアレイ基板11の透過部を形成し、反射電極15bによりアレイ基板11の反射部を形成しているが、これに限らず、画素電極15の全体を透明電極として形成し、反射部に対応する部分に反射板を形成するようにしてもよい。
【0060】
さらに、上述した実施の形態においては、バックライト光を照射する光源としてF10光源を用いているが、透過反射型液晶表示装置に実際に組み込まれるバックライト光源としてはこれ以外の任意の光源を用いることが可能である。
【0061】
【実施例】
次に、上述した実施の形態の具体的実施例について述べる。
【0062】
(実施例1)
カラーフィルタ付きの対向基板を作製するため、基材として300×400×0.7tmmのNA35(NHテクノガラス製)を準備し、その上に、1000オングストロームの膜厚のクロム膜をスパッタリング法により成膜した。その上に、レジストとしてOFPR−800(東京応化製)を塗布し、フォトマスクを介して露光および現像することにより、ブラックマトリクス用のレジスト層を形成した。そして、クロム膜およびレジスト層が形成された基板をエッチングし、レジスト層を剥離することにより、クロムのブラックマトリクス付きの基板を形成した。
【0063】
その後、基板上に赤色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて50%の透過率を持つハーフトーンの半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.61倍の膜厚0.82μm)を有する赤色の着色層を形成した。
【0064】
同様の工程で、基板上に緑色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて50%の透過率を持つハーフトーンの半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.66倍の膜厚0.89μm)を有する緑色の着色層を形成した。
【0065】
同様の工程で、基板上に青色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて40%の透過率を持つハーフトーンの半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.44倍の膜厚0.59μm)を有する青色の着色層を形成した。
【0066】
さらに、その上に、ITOを1500オングストロームの膜厚で成膜して対向電極を形成し、カラーフィルタ付きの対向基板を作製した。
【0067】
そして、このようにして作製されたカラーフィルタ付きの対向基板を用いて透過反射型液晶表示装置を製造した。
【0068】
その結果、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の各色の色度座標値は、次表1のとおりであった。
【0069】
【表1】
また、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の各色の色度座標値は、次表2のとおりであった。
【0070】
【表2】
この場合、目視により、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色および明るさを比較したところ、違和感がなかった。
【0071】
比較例として、透過表示用の部位と反射表示用の部位とで膜厚が同一のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置を用いて、同様の条件で、反射表示モード時の各色の色度座標値を測定した。その結果は、次表3のとおりであった。
【0072】
【表3】
この場合、透過表示モード時に比べて、反射表示モード時の色が濃く、また明るさも足りず、全体として非常に見にくい画面となった。
【0073】
(実施例2)
上述した実施例1と同様の工程により、クロムのブラックマトリクス付きの基板を形成した。
【0074】
その後、基板上に赤色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて50%の透過率を持つ市松模様パターン(2μm角の微小透明部分を複数持つパターン)の半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.61倍の膜厚0.82μm)を有する赤色の着色層を形成した。
【0075】
同様の工程で、基板上に緑色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて50%の透過率を持つ市松模様パターン(2μm角の微小透明部分を複数持つパターン)の半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.66倍の膜厚0.89μm)を有する緑色の着色層を形成した。
【0076】
同様の工程で、基板上に青色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して露光した。なお、フォトマスクとしては、反射表示用の部位に対応する部分に、透過表示用の部位に対応する部分に比べて40%の透過率を持つ市松模様パターン(2μm角の微小透明部分を複数持つパターン)の半透明部分を含むものを用いた。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.44倍の膜厚0.59μm)を有する青色の着色層を形成した。
【0077】
さらに、その上に、ITOを1500オングストロームの膜厚で成膜して対向電極を形成し、カラーフィルタ付きの対向基板を作製した。
【0078】
そして、このようにして作製されたカラーフィルタ付きの対向基板を用いて透過反射型液晶表示装置を製造した。
【0079】
その結果、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の各色の色度座標値は、次表4のとおりであった。
【0080】
【表4】
また、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の各色の色度座標値は、次表5のとおりであった。
【0081】
【表5】
この場合、目視により、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色および明るさを比較したところ、違和感がなかった。
【0082】
比較例として、透過表示用の部位と反射表示用の部位とで膜厚が同一のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置を用いて、同様の条件で、反射表示モード時の各色の色度座標値を測定した。その結果は、次表6のとおりであった。
【表6】
この場合、透過表示モード時に比べて、反射表示モード時の色が濃く、また明るさも足りず、全体として非常に見にくい画面となった。
(実施例3)
上述した実施例1と同様の工程により、クロムのブラックマトリクス付きの基板を形成した。
【0083】
その後、基板上に赤色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して、透過表示用の部位および片側の反射表示用の部位を露光した後、フォトマスクをずらし、透過表示用の部位および反対側の反射表示用の部位を露光した。これにより、透過表示用の部位に対して反射表示用の部位の露光量が50%となった。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.61倍の膜厚0.82μm)を有する赤色の着色層を形成した。
【0084】
同様の工程で、基板上に緑色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して、透過表示用の部位および片側の反射表示用の部位を露光した後、フォトマスクをずらし、透過表示用の部位および反対側の反射表示用の部位を露光した。これにより、透過表示用の部位に対して反射表示用の部位の露光量が50%となった。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.66倍の膜厚0.89μm)を有する緑色の着色層を形成した。
【0085】
同様の工程で、基板上に青色の光感光性着色レジストを1.5μmの膜厚でスピンコートし、フォトマスクを介して、透過表示用の部位および片側の反射表示用の部位を露光した後、フォトマスクをずらし、透過表示用の部位および反対側の反射表示用の部位を露光した。これにより、透過表示用の部位に対して反射表示用の部位の露光量が40%となった。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.44倍の膜厚0.59μm)を有する青色の着色層を形成した。
【0086】
さらに、その上に、ITOを1500オングストロームの膜厚で成膜して対向電極を形成し、カラーフィルタ付きの対向基板を作製した。
【0087】
そして、このようにして作製されたカラーフィルタ付きの対向基板を用いて透過反射型液晶表示装置を製造した。
【0088】
その結果、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の各色の色度座標値は、次表7のとおりであった。
【0089】
【表7】
また、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の各色の色度座標値は、次表8のとおりであった。
【0090】
【表8】
この場合、目視により、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色および明るさを比較したところ、違和感がなかった。
【0091】
比較例として、透過表示用の部位と反射表示用の部位とで膜厚が同一のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置を用いて、同様の条件で、反射表示モード時の各色の色度座標値を測定した。その結果は、次表9のとおりであった。
【0092】
【表9】
この場合、透過表示モード時に比べて、反射表示モード時の色が濃く、また明るさも足りず、全体として非常に見にくい画面となった。
【0093】
(実施例4)
上述した実施例1と同様の工程により、クロムのブラックマトリクス付きの基板を形成した。
【0094】
その後、基板上に赤色の光感光性着色レジストを0.585μmの膜厚でスピンコートし、透過表示用の部位にのみ対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位に膜厚が0.53μmの赤色の着色膜を形成した。その後、再度、赤色の光感光性着色レジストを0.92μmの膜厚で塗布し、透過表示用の部位および反射表示用の部位に対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像および露光することにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.61倍の膜厚0.82μm)を有する赤色の着色層を形成した。
【0095】
同様の工程で、基板上に緑色の光感光性着色レジストを0.51μmの膜厚でスピンコートし、透過表示用の部位にのみ対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位に膜厚が0.46μmの緑色の着色膜を形成した。その後、再度、緑色の光感光性着色レジストを0.89μmの膜厚で塗布し、透過表示用の部位および反射表示用の部位に対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像および露光することにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.66倍の膜厚0.89μm)を有する緑色の着色層を形成した。
【0096】
同様の工程で、基板上に青色の光感光性着色レジストを1.13μmの膜厚でスピンコートし、透過表示用の部位にのみ対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像およびポストベークすることにより、透過表示用の部位に膜厚が0.76μmの青色の着色膜を形成した。その後、再度、青色の光感光性着色レジストを0.66μmの膜厚で塗布し、透過表示用の部位および反射表示用の部位に対応する透明部分を含むフォトマスクを介して露光した。この基板を現像および露光することにより、透過表示用の部位(膜厚1.35μm)および反射表示用の部位(透過表示用の部位に対して0.44倍の膜厚0.59μm)を有する青色の着色層を形成した。
【0097】
さらに、その上に、ITOを1500オングストロームの膜厚で成膜して対向電極を形成し、カラーフィルタ付きの対向基板を作製した。
【0098】
そして、このようにして作製されたカラーフィルタ付きの対向基板を用いて透過反射型液晶表示装置を製造した。
【0099】
その結果、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の各色の色度座標値は、次表10のとおりであった。
【0100】
【表10】
また、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の各色の色度座標値は、次表11のとおりであった。
【0101】
【表11】
この場合、目視により、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色および明るさを比較したところ、違和感がなかった。
【0102】
比較例として、透過表示用の部位と反射表示用の部位とで膜厚が同一のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置を用いて、同様の条件で、反射表示モード時の各色の色度座標値を測定した。その結果は、次表12のとおりであった。
【0103】
【表12】
この場合、透過表示モード時に比べて、反射表示モード時の色が濃く、また明るさも足りず、全体として非常に見にくい画面となった。
【0104】
(実施例5)
上述した実施例1において、カラーフィルタの各色の着色層の透過表示用の部位に対する反射表示用の部位の膜厚比を適宜変えながら、反射表示モード時の各色の色度座標値を測定した。
【0105】
その結果、赤色の着色層については、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の色度座標値(x値)は次表13のとおりとなった。なお、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の赤色の色度座標値は、(x,y)=(0.539,0.303)であった。
【0106】
【表13】
上記表13から分かるように、反射表示モード時における色度座標値(x値)は、透過表示用の部位に対する反射表示用の部位の膜厚比が0.61のときに0.539となり、見た目での色変化をなくすことができた。また、膜厚を変化させたときの色の変化の認知度は上記表13の「色の差」の項目に示したとおりとなり、x値が0.55〜0.69の範囲内で色の同一性を保つことができた。
【0107】
また、緑色の着色層については、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の色度座標値(y値)は次表14のとおりとなった。なお、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の赤色の色度座標値は、(x,y)=(0.340,0.466)であった。
【0108】
【表14】
上記表14から分かるように、反射表示モード時における色度座標値(y値)は、透過表示用の部位に対する反射表示用の部位の膜厚比が0.66のときに0.466となり、見た目での色変化をなくすことができた。また、膜厚を変化させたときの色の変化の認知度は上記表14の「色の差」の項目に示したとおりとなり、y値が0.55〜0.78の範囲内で色の同一性を保つことができた。
【0109】
さらに、青色の着色層については、外光としてD65光源を用いて測定したときの、反射表示モード時の色度座標値(y値)は次表15のとおりとなった。なお、バックライト光としてF10光源を用いて測定したときの、透過表示モード時の赤色の色度座標値は、(x,y)=(0.180,0.226)であった。
【0110】
【表15】
上記表15から分かるように、反射表示モード時における色度座標値(y値)は、透過表示用の部位に対する反射表示用の部位の膜厚比が0.44のときに0.226となり、見た目での色変化をなくすことができた。また、膜厚を変化させたときの色の変化の認知度は上記表15の「色の差」の項目に示したとおりとなり、0.34〜0.56の範囲内で色の同一性を保つことができた。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、反射表示用の部位の膜厚および透過表示用の部位の膜厚を簡易かつ確実に制御し、透過表示モード時におけるバックライトの消費電力を抑えつつ、反射表示モード時の明るさを上げて反射表示モード時の画面の見やすさを上げるとともに、透過表示モード時と反射表示モード時との間で色の差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置を示す断面図。
【図2】本発明によるカラーフィルタの作製方法の一実施の形態を説明するための図。
【図3】光感光性着色レジストの残膜量と露光量との関係を示す図。
【図4】着色層の透過率と波長との関係を膜厚ごとに示す図。
【図5】本発明によるカラーフィルタの作製方法の他の実施の形態を説明するための図。
【図6】本発明によるカラーフィルタの作製方法のさらに他の実施の形態を説明するための図。
【図7】図1に示す透過反射型液晶表示装置の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1 透過反射型液晶表示装置
1R,1G,1B 着色画素領域
11 アレイ基板
12 対向基板
13 液晶層
14,17 ガラス基板
15 画素電極
15a 反射電極(反射部)
15b 透明電極(透過部)
18 カラーフィルタ
18R′,18G′,18B′,18R″ 光感光性着色レジスト
18R,18G,18B 着色層
18a 透過表示用の部位
18b 反射表示用の部位
19 対向電極
20,21,22,23 フォトマスク
20a,21a,22a,23a 透明部分
20b,21b,22b,23b 遮光部分
20c 半透明部分
Claims (7)
- バックライト光と外光とを選択的に利用して画像表示を行う透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタの作製方法において、
基材上に光感光性着色レジストを塗布する工程と、
前記光感光性着色レジストをフォトマスクを介して露光および現像することにより、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層を含むカラーフィルタを形成する工程と、
を含み、
前記カラーフィルタを形成する工程において、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることにより、前記各着色層に含まれる透過表示用の部位と反射表示用の部位とでその膜厚を異ならせることを特徴とし、
赤色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.55〜0.69の範囲とし、
緑色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.55〜0.78の範囲とし、
青色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.34〜0.56の範囲とする
ことを特徴とするカラーフィルタの作製方法。 - 前記カラーフィルタを形成する工程において、透明部分、遮光部分および半透明部分を含むフォトマスクにより、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることを特徴とする、請求項1記載のカラーフィルタの作製方法。
- 前記カラーフィルタを形成する工程において、透明部分および遮光部分を含むフォトマスクをずらしながら前記光感光性着色レジストに対して複数回の露光を行うことにより、前記光感光性着色レジストに対する露光量を部位に応じて変えることを特徴とする、請求項1記載のカラーフィルタの作製方法。
- バックライト光と外光とを選択的に利用して画像表示を行う透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタの作製方法において、
基材上に、複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層を含むカラーフィルタを形成する工程を含み、
前記カラーフィルタを形成する工程において、透過表示用の部位の膜厚と反射表示用の部位の膜厚との差に対応する膜厚で透過表示用の部位に第1の着色膜を形成するとともに、反射表示用の部位の膜厚で透過表示用の部位および反射表示用の部位に第2の着色膜を形成することにより、前記各色の着色層に含まれる透過表示用の部位と反射表示用の部位とでその膜厚を異ならせることを特徴とし、
赤色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.55〜0.69の範囲とし、
緑色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.55〜0.78の範囲とし、
青色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚を0.34〜0.56の範囲とする
ことを特徴とするカラーフィルタの作製方法。 - 複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域ごとに、バックライト光を透過する透過部と、外光を反射する反射部とを含む、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向して配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶層とを備えた透過反射型液晶表示装置で用いられるカラーフィルタにおいて、
複数の画素領域のそれぞれを構成する赤色、緑色および青色の各色の着色画素領域に対応する各色の着色層ごとに、
前記アレイ基板の前記透過部に対応して設けられ、当該透過部で透過されたバックライト光を透過させて画像を表示させる透過表示用の部位と、
前記アレイ基板の前記反射部に対応して設けられ、当該反射部で反射された外光を透過させて画像を表示させる反射表示用の部位と、
を含み、
前記各着色層に含まれる反射表示用の部位の膜厚は、当該各着色層に含まれる透過表示用の部位の膜厚よりも薄く、
赤色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.55〜0.69の範囲にあり、
緑色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.55〜0.78の範囲にあり、
青色の着色層のうち透過表示用の部位の膜厚を1としたとき、反射表示用の部位の膜厚が0.34〜0.56の範囲にある
ことを特徴とするカラーフィルタ。 - 赤色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率と、緑色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率とが、青色の着色層における反射表示用の部位の透過表示用の部位に対する面積比率よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のカラーフィルタ。
- 請求項5または6に記載のカラーフィルタを備えた透過反射型液晶表示装置。
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