JP4743090B2 - 多気筒エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置の噴射量制御をより精度よく行うことができる多気筒エンジンの燃料噴射装置に関するものである。
直噴エンジン、例えばコモンレールディーゼルエンジンは、燃料噴射ポンプにより燃料を高圧化し、その高圧燃料をコモンレールに送り、このコモンレールから各気筒に設けられた燃料噴射弁に導いている。各燃料噴射弁は、電磁式の噴射制御弁(ニードルバルブ)を備えており、燃料の噴射量、噴射時期、噴射回数に応じて噴射制御弁が開閉制御される。
ところで、エンジンの排気ガス性能を一層向上する、又は、エンジン駆動時に発生する騒音を一層抑制するためには、燃料噴射装置から噴射される燃料量が狙い通りの目標値となるように、噴射量精度を高めることが重要である。特に、通常噴射での主噴射に先駆けて行われているプレ噴射やパイロット噴射、あるいは主噴射後のアフタ噴射やポスト噴射などの小噴射量を一層的確に制御して、噴射量の精度を高めることが重要である。
ここで、パイロット噴射を例に採って、噴射量とスモーク及び騒音の発生との関係について説明する。
図10は、パイロット噴射量に対するスモーク、騒音の発生度合いの一例を表すグラフである。このグラフにおいては、上側の曲線がパイロット噴射量に対する騒音の発生特性を示し、下側の曲線がパイロット噴射量に対するスモークの発生特性を示している。
図10に示すように、パイロット噴射量が多いと騒音、スモーク共に悪化する傾向があり、逆に少なすぎる場合には騒音が極端に悪化する傾向がある。このため、スモークや騒音を抑制するためには、パイロット噴射やポスト噴射等の副噴射の噴射量制御をより精度よく行う必要がある。
ところが、パイロット噴射やポスト噴射等の副噴射は、主噴射に比べて噴射量が少なく、燃料噴射弁(インジェクタ)の個体差や経時劣化等の影響を受けやすく、気筒毎の噴射量のバラツキが生じやすい。そのため、従来より、気筒毎のバラツキを抑制すべく、通常噴射での燃料噴射量を修正することが行われている。
例えば、特開2002−89344号公報(特許文献1)に開示の燃料噴射装置では、気筒毎の回転上昇変動量情報を取得し、その回転上昇変動量情報から気筒毎の実噴射量を演算し、そのような実噴射量演算処理を経時的に異なる前後2時点で順次行い、更に、前後2時点で求めた各実噴射量の変化量の算出を行い、算出された変化量を反映させて以後の気筒毎の噴射量制御を適正化している。
特開2002−89344号公報
ところで、特許文献1に開示されるような燃料噴射装置では、経時的に異なる前後2時点での各通常噴射時の実噴射量の差である変化量を考慮して以後の気筒毎の噴射量を的確に制御できるとしている。しかし、ここで演算されている実噴射量は、気筒毎の回転変動情報に基づき算出されており、燃焼出力以外の要因である駆動系からの各種の回転負荷トルク変動、例えばフリクションロスやエアコンのオンオフ等の負荷変動が含まれている。そのため、特許文献1における実噴射量には、気筒毎の経時変化に直接かかわらない要因が含まれている。
このように、実噴射量の演算に燃焼出力以外の情報が含まれていると、実噴射量自体の推定値が不正確であり、したがって実噴射量に基づき推定される気筒毎の通常噴射制御での噴射量の適正化(修正)の精度が低い。
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、噴射量制御をより精度よく行うことができる多気筒エンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明は、多気筒エンジンの気筒毎に設けられた燃料噴射弁と、前記エンジンの排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記エンジンの運転状態に応じて設定される通常の目標噴射量を前記各燃料噴射弁から噴射させる通常噴射制御手段と、所定の基準噴射量を前記燃料噴射弁から噴射させる追加噴射制御手段と、前記エンジンが所定の運転域にあるときに、前記通常噴射制御手段の作動により噴射された燃料の実噴射量を前記空燃比及び前記吸入空気量に基づき推定する実噴射量推定手段と、前記所定の運転域にあるときに、前記通常噴射制御手段の作動と前記気筒のうち特定気筒に対する前記追加噴射制御手段の作動とにより噴射された燃料の追加時実噴射量を前記空燃比及び前記吸入空気量に基づき推定する追加時実噴射量推定手段と、前記エンジンの運転条件変動に伴う前記目標噴射量の前後2つの時点での変化分を、前記エンジンの運転条件変動に伴う実噴射量変動分と見做した上で、前記追加時実噴射量から、前記基準噴射量の噴射を行う前の実噴射量と前記エンジンの運転条件変動に伴う前記実噴射量変動分とを減算することで追加分噴射量を算出する追加分噴射量算出手段と、前記追加分噴射量に基づいて前記特定気筒に対する前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正する修正手段と、を備えたことを特徴とする。
なお、前記基準噴射量は、例えば、前記通常噴射制御手段により燃料噴射弁から噴射される燃料量以下の噴射量とすることができる。
請求項2の発明は、請求項1記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、前記修正手段が、前記気筒間の前記実噴射量の偏差が小さくなるように前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、前記通常噴射制御手段が、主噴射及びこれよりも少量の副噴射を噴射させるよう作動し、前記修正手段が、前記気筒間の前記副噴射の偏差が小さくなるように前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1、2又は3記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、前記追加噴射制御手段が、前記通常の目標噴射量に影響を与えない噴射時期に作動することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一つに記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、前記所定の運転域は、アイドル運転域であることを特徴とする。
請求項1の発明は、追加分噴射量に基づき特定気筒に対する噴射制御量を修正することで、エンジンの個体差や外乱負荷変動に影響されずに少量の噴射量のバラツキをより正確に把握して修正することができる。これによって、燃料噴射制御をより細かく正確に行うことができ、スモークや騒音の発生を抑制できる。特に、エンジン負荷変動などに応じて通常の目標噴射量が変動したとしても、エンジンの運転条件変動に伴う目標噴射量の前後2つの時点での変化分を、エンジンの運転条件変動に伴う実噴射量変動分と見做し設定する。即ち、通常の目標噴射量の変化量に基づき実噴射量変動分を推定するので、目標噴射量の変動による実際の噴射量の変動が追加分噴射量の推定精度に悪影響を与えることがなく、噴射制御をより正確に行うことができる。
請求項2の発明は、追加分噴射量に基づき気筒間の実噴射量の偏差が小さくなるように修正することで、実噴射量の気筒間バラツキを抑制でき、よってスモークや騒音の発生を抑制できる。
請求項の発明は、副噴射の噴射量の偏差が小さくなるように修正することで、副噴射量の気筒間バラツキを抑制でき、よってスモークや騒音の発生を抑制できる。
請求項の発明は、追加噴射制御手段の作動が通常の目標噴射量に影響を与えないので、基準噴射量の噴射が出力トルクの発生に寄与せず、基準噴射量の噴射をエンジンの燃料噴射制御に干渉することなく行える。
請求項の発明は、アイドル運転域において追加分噴射量の算出を行うことで、追加分噴射量の算出精度やそれを用いた燃料噴射制御をより正確に行うことができる。
図1には本発明の一実施形態としての燃料噴射装置Aを備えたコモンレールディーゼルエンジン(以後、単にエンジン1と記す)を模式的に示した。
エンジン1は多気筒直噴式(本実施例では4気筒の例を説明しており、図1では4気筒のうち1気筒のみ示している)であり、各気筒の燃料噴射弁2を装備するシリンダヘッド3とシリンダブロック4とピストン5のキャビティ6とにより燃焼室7を形成する。エンジン1には各気筒に連通する吸気通路8及び排気通路9がそれぞれ設けられている。吸気通路8には過給機11のコンプレッサ12(図1で紙面裏側)が設けられ、排気通路9には過給機11のタービン13が設けられている。なお、本実施例の過給機11は可変容量式ターボ(VGT)である。過給機11は排気ガスのエネルギーを利用してタービン13を回転させ、その同軸上にあるコンプレッサ12を回転させて吸入空気を昇圧させるものである。そして、吸入空気が昇圧されることにより、高密度の空気が燃焼室7へと送り込まれると共に燃料噴射弁2を介して噴射された燃料が混合燃焼され、エンジン1の出力が増大される。
吸気通路8のコンプレッサ12の上流にはエアクリーナー14が配備され、エアクリーナー14のケーシング内には吸入空気量検出手段であるエアーフローセンサ15が配備される。コンプレッサ12の下流にはインタクーラ16、吸気絞り弁20が設けられる。インタクーラ16は吸気冷却を行うことで、エンジン1の吸気の体積効率を向上させ、これにより出力アップを図ることができる。吸気絞り弁20は常開弁であり、後述するコントローラ18により制御されることで吸気流量を適時に調整でき、EGR増量のための負圧発生等に使用される。
一方、排気通路9には過給機11のタービン13が配備され、その下流に排ガス浄化装置17が配備される。なお、排気通路9の排ガス浄化装置17の上流側には排ガス中の空燃比A/F情報を大小連続的に出力するリニア空燃比センサ34が配備されている。
エンジン1の燃料噴射装置Aは燃料供給装置19と、燃焼室7に燃料噴射を行う燃料噴射弁2と、これらの噴射制御手段であるコントローラ(エンジンECU)18とを備える。
シリンダヘッド3に取り付けられた燃料噴射弁2は、その本体内に励磁コイル21と、同励磁コイル21の励磁時に開弁作動する針弁22と、同針弁22により開閉されてコモンレール23から送り込まれている高圧燃料を燃焼室7に噴射可能なノズル24とを備える。
なお、シリンダヘッド3には燃料噴射弁2の近傍にグロープラグ30が取り付けられる。これはコントローラ18にリレー281を介して接続され、エンジンの冷態運転時の燃焼改善を図るように駆動される。
燃料供給装置19は、コモンレール23と同コモンレール23に接続される燃料噴射ポンプ25と、燃料タンク26と、コモンレール圧Prを出力する燃圧センサ27とを備える。
コモンレール23に蓄えられる燃料は、エンジン1の回転力を受けて駆動する燃料噴射ポンプ25から高圧管29を経由して供給される。このコモンレール23に蓄えられる燃料の圧力(コモンレール圧Pr)信号は燃圧センサ27によりコントローラ18に入力されている。
コントローラ18は、燃料噴射ポンプ25、即ち、エンジン1の運転条件に応じて、複数の設定レール圧Pr1〜Pr3(図5参照)の一つを選択的に設定する。その上で、燃圧センサ27により求めたコモンレール圧Prが設定レール圧となるように、制御信号をコントローラ18から直接燃圧調整器251に伝達する。これにより、コモンレール23内の圧力Prが、図5に示すような所定レール圧Prの一つとなるよう燃圧調整可能である。
なお、図1中で符号31は燃料戻り管を示し、燃料噴射弁2からの低圧油を燃料タンク26に戻す。
噴射制御手段であるコントローラ(エンジンECU)18は燃料噴射装置A内の各気筒(例えば、ここでは4気筒とする)の各燃料噴射弁2、燃圧調整器251、グロープラグ30を駆動制御する。
ここでコントローラ18は、上述のセンサ類からの検出情報に基づいて、通常の目標噴射量を算出し、各燃料噴射弁2に、エンジンが要求出力を発生するためのメイン噴射(主噴射)と、このメイン噴射(主噴射)に対して副次的に噴射されるパイロット噴射(副噴射)と、を通常噴射作動として噴射させる。しかも、本実施例では、この通常噴射作動に加えて、4気筒のうちの1の気筒を順次特定気筒とし、同特定気筒に対して所定の基準噴射量の追加噴射作動を行うよう、コントローラ18が各燃料噴射弁2を制御する。
具体的には、図2(a)、(b)に示すように、コントローラ18が通常噴射制御手段A1として通常噴射モード(主噴射とこれに先駆けて行う副噴射であるパイロット噴射からなるモード)(符号M1)で噴射行程を行う場合には、コモンレール圧Pr等を決定し、これらに基づいて燃料噴射ポンプ25の燃圧調整器251を制御する。その上で、燃料噴射弁2がメイン噴射(駆動パルス間隔Tm、噴射時期tm、噴射量Qfm)と、パイロット噴射(駆動パルス間隔Tp、噴射時期tp、噴射量Qfp)とを順次行うよう制御する。この通常噴射モード(符号M1)は、エンジンが低中高の各負荷運転域や、アイドル回転数N1を保持するアイドル運転域(所定の運転域)でのフィードバック制御時に使用される。
このように1噴射行程を通常噴射モード(符号M1)で行う際の、即ち、メイン噴射に先駆けて副噴射であるパイロット噴射を順次行ったときの実際の実噴射量QFM1が後述の式(1)(図6、図7参照)で算出される。
さらに、図3(a)、(b)に示すように、コントローラ18が追加噴射制御手段A2として追加噴射モード(通常噴射モードでの主噴射とパイロット噴射に加えて、特定気筒に基準噴射量の追加噴射を行うモード)(符号M2)で噴射行程を行う場合には、コモンレール圧Pr等を決定し、これらに基づいて燃料噴射ポンプ25の燃圧調整器251を制御する。その上で、燃料噴射弁2がメイン噴射と、これに先駆けて行うパイロット噴射(副噴射)と、メイン噴射後のエンジンの膨張行程中の追加噴射(駆動パルス間隔Ta、噴射時期ta、噴射量Qfa)とを行うよう制御した際の実際の追加時実噴射量QFM2が後述の式(2)(図6、図7参照)で算出される。
なお、この追加噴射モード(符号M2)は、アイドル回転数N1を保持するアイドル運転域(所定の運転域)でのフィードバック制御時において行われる。ここでは通常噴射モードM1での駆動に加え、膨張行程内で所定遅角状態(リタード量δθ)、例えば遅角量TDCA40〜50°で基準噴射量Qfaの追加噴射(駆動パルス間隔Ta)を特定気筒に対して行う。この追加噴射は、まず、全気筒のうちの1の気筒を特定気筒と見做し、特定気筒にのみ噴射された後、他の気筒についても順次基準噴射量Qfa分の追加噴射(駆動パルス間隔Ta)が行われる。このようにリタード状態で行われる基準噴射量Qfaの追加噴射はアイドル回転数N1を保持するフィードバック制御に影響するような出力トルクの発生が生じないよう、通常の目標噴射量に影響を与えない噴射時期taが選択される。
図1に示すように、コントローラ18は図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM、RAM、DRAM等)、中央処理装置(CPU)、図示しないタイマカウンタ等を備える。コントローラ18の入力端側には、アクセル操作量θaを検出するアクセルセンサ32、吸気量Qaを検出するエアーフローセンサ15、クランク角情報Δθを検出するクランク角センサ21、コモンレール圧Prを検出する燃圧センサ27、水温wtを検出する水温センサ28、車速信号Vcを検出する車速センサ33、空燃比A/Fを検出する空燃比センサ34、エアコン駆動信号Saを検出するエアコンスイッチ40、ニュートラルSonを検出するニュートラル検知スイッチ50、気圧APを検出する大気圧センサ60、等の各種センサ類が接続される。なお、ここでのクランク角情報Δθはコントローラ18においてエンジン回転数Neの導出に用いられる。
出力側には燃料噴射弁2、燃料噴射ポンプ25、グロープラグ30、吸気絞り弁20、等の各種デバイス類が接続されている。
コントローラ18は周知のエンジン制御機能を発揮すると共に、本発明の特徴を成す燃料噴射装置Aの制御部として機能する。即ち、図4に示すように、コントローラ18は通常噴射制御手段A1と追加噴射制御手段A2と、目標噴射量設定手段A3と、実噴射量推定手段A4と、追加時実噴射量推定手段A5と、追加分噴射量算出手段A6と、修正手段A7とを備えている。なお、ここでの通常噴射制御手段A1と追加噴射制御手段A2とは相互に関連させて制御機能を発揮するもので、これら両手段が燃料噴射制御手段A0を成している。
ここで、コントローラ18の目標噴射量設定手段A3は、エンジン1の各気筒に対してエンジン運転情報であるアクセル開度θa、エンジン回転速度Ne等を取り込み、これらに基づき基本燃料噴射量INJbを求める。そして、これに気圧AP、水温wt等の補正値Qwtを加えて各噴射モードでの目標噴射量QFMT(=INJb+Qwt)を演算する。更に、コモンレール圧Prを選択(設定)し、次いで、予め設定されている運転モードに応じた燃料噴射量マップ(不図示)を用い、パイロット噴射、メイン噴射の各駆動パルス間隔Tp、Tmと、噴射時期tp、tmと、噴射量(パルス幅相当)Qfp、Qfm等を目標噴射量QFMTに応じて順次演算する。
更に、燃料噴射制御手段A0のうちの通常噴射制御手段A1は、供給データに基づきエンジンの運転情報に応じた通常噴射モードM1で、目標噴射量設定手段A3から入力された目標噴射量QFMT1,2に応じ、各気筒の燃料噴射弁2を駆動制御する。同時に、指定されたコモンレール圧Prを維持するよう燃圧調整器251がフィードバック制御される。
ここで、通常噴射制御手段A1は、通常噴射モード(符号M1)で噴射行程を行う場合、メイン噴射(駆動パルス間隔Tm、噴射時期tm、噴射量Qfm)と、これに先駆けて行う副噴射であるパイロット噴射(駆動パルス間隔Tp、噴射時期tp、噴射量Qfp)のデータを目標噴射量QFMTに応じ設定し、同データに沿って、燃料噴射弁2を駆動制御する。
次に、燃料噴射制御手段A0のうちの追加噴射制御手段A2は追加噴射モードM2で噴射行程を行う場合には、燃料噴射弁2がメイン噴射と、これに先駆けて行うパイロット噴射(副噴射)と、メイン噴射後のエンジンの膨張行程中になされ、基準噴射量Qfaで行われる追加噴射(駆動パルス間隔Ta、噴射時期ta)のデータを目標噴射量QFMTに応じて設定し、同データに沿って、燃料噴射弁2を駆動制御する。
次に、実噴射量推定手段A4は、エンジンがアイドル運転域(所定の運転域)に達しているときに、通常噴射モード(符号M1)で噴射が行われ、即ち、メイン噴射(駆動パルス間隔Tm、噴射時期tm、噴射量Qfm)と、これに先駆けて行う副噴射であるパイロット噴射(駆動パルス間隔Tp、噴射時期tp、噴射量Qfp)のデータに沿って、燃料噴射弁2が駆動制御されることを確認する。更に、その通常噴射モードM2(図2参照)で駆動時の燃料噴射量を実噴射量QFM1として推定する。
ここでは、コントローラ18は、エアーフローセンサ15で検出された吸入空気量Qfair1と、空燃比センサ34で検出された空燃比AF1とを用いて実噴射量QFM1を下記の式(1)で演算する。
QFM1=Qfair1/AF1・・・・・・・(1)
なお、この1の気筒(例えば4気筒のうちのNo1の気筒)の実噴射量QFM1をQFM1♯1として記憶すると、続いて、同様に他の1の気筒(例えばNo2の気筒)の実噴射量QFM1♯2として記憶し、順次、No3、4の気筒においても、実噴射量QFM1をQFM1♯3、QFM1♯4として演算して記憶する。
次に、追加時実噴射量推定手段A5は、エンジンがアイドル運転域(所定の運転域)に達していると判定した制御中であって、実噴射量QFM1の演算後において、1の気筒(例えば4気筒エンジンのうちのNo1の気筒)を特定気筒とし、その燃料噴射弁2をパイロット噴射(副噴射)Tp、主噴射Tmに加え、追加噴射Ta(基準噴射量Qfa相当の噴射パルス幅)を行う追加噴射モード(パイロット噴射Tp+主噴射Tm+追加噴射Ta)M2(図3参照)で駆動させた際の燃料噴射量を推定する。
この追加時実噴射量推定手段A5は、追加噴射モードM2による噴射における実際に噴射された追加時実噴射量QFM2を下記の式(2)で演算する。
ここでは、エアーフローセンサ15で検出された吸入空気量Qfair2と、空燃比センサ34で検出された空燃比AF2とを用いて、基準噴射量Qfa(追加噴射Ta相当の噴射量)の噴射を行った1の特定気筒のみの追加時実噴射量QFM2を演算する。
QFM2=Qfair2/AF2・・・・・・・(2)
この特定気筒のみに追加噴射Taを行った場合の追加時実噴射量QFM2をQFM2♯1として記憶すると、続いて、同様にNo1の次に追加噴射Taを行った他の1の気筒(例えばNo2の気筒)を特定気筒と見做し、その追加時実噴射量QFM2をQFM2♯2として記憶し、順次、追加噴射Taを行った順に他の気筒(No3、4の気筒)も特定気筒と順次見做し、追加時実噴射量QFM2をQFM2♯3、QFM2♯4として演算して記憶する。
次に、追加分噴射量算出手段A6は、追加噴射Taでの追加分噴射量Qaddを目標噴射量QFMT、実噴射量QFM1及び追加時実噴射量QFM2に基づき気筒毎に推定する。以下、この推定方法について、図6及び図7を参照して説明する。
最初に、図6を参照して、アイドル回転フィードバック制御に伴う目標噴射量QFMT1(全気筒平均の目標噴射量)が、経時的に異なる前後2つの制御周期において変動がない場合(QFMT1=QFMT2)の推定方法について説明する。
この場合は、まず、追加分噴射量算出手段A6は、1の気筒(No1の気筒)について、追加時実噴射量推定手段A5で推定された追加時実噴射量QFM2と、実噴射量推定手段A4で推定された実噴射量QFM1の差分より、追加分噴射量Qadd♯1を演算して記憶する。同様に各気筒No2〜4においても、追加分噴射量Qadd♯2〜Qadd♯4を順次演算する(下記式(3)参照)。
Qadd♯1〜Qadd♯4=QFM2−QFM1・・・・・・・(3)
次に、図7を参照して、エンジン1に負荷変動があり、これに応じて目標噴射量が、経時的に異なる前後2つの制御周期において変動した場合(QFMT2≠QFMT1)を説明する。
この場合は、エンジン負荷変動に応じた目標噴射量QFMTの変動を考慮するため、追加分噴射量の推定にあたって目標噴射量の変動分α(=QFMT2−QFMT1)が演算される。この目標噴射量変動分α(=QFMT2−QFMT1)は、実際には目標噴射量設定手段A3で設定される追加時目標噴射量QFMT2と通常目標噴射量QFMT1との差であるが、この値αがエンジン負荷変動に応じた実噴射量変動分βにほぼ正比例すると見做し、α=βと見做す。そして、次式(3a)に示すように、追加時実噴射量QFM2より基準噴射量Qfa(追加噴射Ta相当の噴射量)の噴射が行われる前の実噴射量QFM1と、噴射量変動分βを減算することで1の気筒の追加分噴射量Qaddを算出する。この処理は、追加噴射Taが行われる順に従って、全ての気筒(♯1〜♯4)につき、順次行う。
Qadd♯1〜Qadd♯4=QFM2−QFM1−β・・・・・・・(3a)
このように、目標噴射量の差分(目標噴射量変動分)αに基づき実際の噴射量変動分βを推定するので、目標噴射量の変動による実際の噴射量の変動が追加分噴射量の推定精度に悪影響を与えることがなく、噴射制御をより正確に行うことができる。
次に、修正手段A7は追加分噴射量算出手段A6で推定された各気筒毎の追加分噴射量Qadd♯1〜Qadd♯4に基づいて、修正後の各気筒の目標噴射量QFMT♯1〜QFMT♯4を、これ以後に燃料噴射装置Aのメインルーチンで行う燃料噴射駆動制御に反映させ、各燃料噴射弁2の噴射制御(例えば各燃料噴射弁2の駆動時間制御)を行う。
次に、図1のコントローラ18の各制御処理を、図8のアイドル制御ルーチン、図9の追加噴射量サンプリングルーチンに沿って説明する。なお、これらルーチンはコントローラ18内のCPUにより所定の演算周期で実施される。
図8に示すように、コントローラ18の制御処理がアイドル制御ルーチンへ移行すると、先ずステップs1において、吸気量センサ15、クランク角センサ21、燃圧センサ27、大気圧センサ60、水温センサ28、アクセル開度センサ32、空燃比センサ34、車速センサ33、ニュートラル検知スイッチ50、エアコンスイッチ40、等からの各種信号に基づき、吸気量Qa、エンジン回転数Ne、燃圧Pr、気圧AP、冷却水温wt、アクセル開度θa、空燃比A/F、車速Vc、ニュートラル信号Son、エアコン信号Sa、等の各運転情報をそれぞれ読み込む。続いて、ステップs2において、エンジン1が予め設定された所定の運転域であるアイドル状態であるか否かを判断する。この判断は、エンジン回転数Neが所定のアイドル回転数N1で、アクセル開度θaが全閉で、車速Vcが停車判定値以下で、ニュートラル信号Son等に基づいて行われる。そして、アイドル状態でない場合には、ステップs4へ移行し、非アイドル運転時(発進、走行時)の燃料噴射量制御処理へ移行して、不図示のメインルーチンに戻る。又、アイドル状態である場合にはステップs3へ進む。
ステップs3においては、今回読み込まれた冷却水温wtが暖気判定値wt1を上回るか否か判断し、下回るとステップs5に移行する。ステップs5では、暖気促進用の暖気回転数Nehを目標値として設定し、同暖気目標回転数Nehにエンジン回転数Neが一致するように現目標暖気噴射量QFMTwに対して単位燃料修正量Δqwを増減修正して演算し、ステップs6に移行する。ステップs6では、同目標暖気噴射量QFMTwを用い、各気筒の燃料噴射弁2を図2の通常噴射モードM1で駆動し、不図示のメインルーチンに戻る。
一方、ステップs3で冷却水温wtが暖気判定値wt1を上回ると判断すると、ステップs7に進み、目標アイドル回転数N1を保持すべくエンジン回転数Neを修正するフィードバック制御(ISC)に入る。なお、ここでの目標アイドル回転数N1はエンジン負荷、例えばエアコン駆動の場合での運転に対処できる値があらかじめ設定されている。
ステップs8では実際のエンジン回転数Neと目標アイドル回転数N1との差の絶対値|δn|を求める。次いで、ステップs9では絶対値|δn|が予め定められた基準値δn1よりも大きいか否かを判断する。ここで、大きい場合にはステップs10で前回求められた目標噴射量QFMT(n−1)の一定量δqの増減修正をして、新たな目標噴射量QFMT(n)として設定する。なお、このデータは燃料噴射駆動制御の際に採用されて、燃料噴射処理が順次実行され、目標アイドル回転数N1のフィードバック制御が成される。
この後、ステップs11に達すると、基準時サンプリングフラグがオン(FLG1=1)か否か判断する。アイドル制御ルーチンに入った直後においては、基準時サンプリングフラグはオフであるため、ステップs12に進む。
基準時サンプリングフラグがオフでステップs12に進むと、ここではメインルーチン側より全気筒平均の通常目標噴射量QFMT1を読み取り、記憶処理する。ここでの全気筒平均の通常目標噴射量QFMT1は、予め、メインルーチン側で、目標アイドル回転数N1、空燃比AF1、現在の吸気量Qfair1に応じて通常目標噴射量QFMT1を算出し、順次更新される複数回のデータを平均化して演算されているものが用いられる。
ステップs13では、基準時サンプリングフラグをオン(FLG1=1)処理し、ステップs14に進む。
ステップs14に達すると、ここでは追加噴射時サンプリングフラグが(FLG2=1)オンか否か判断し、オン(FLG2=1)でない間はステップs15に、オンした後はステップs17に進む。
追加噴射時サンプリングフラグがオフ(FLG2=0)でステップs15に達すると、ここでは、追加噴射量サンプリング処理(図9参照)に入る。
図9に示す追加噴射量サンプリング処理では、まず、ステップa1において、予め設定されている全筒中の1の特定気筒(例えばNo1の気筒(♯1)とする)に対し追加噴射処理完了前(FLGR1=0)であるとステップa2に進み、完了後であるとステップa3に進む。
ステップa2においては、1の特定気筒以外の気筒(♯2〜♯4)を全て同一の通常噴射モード(符号M1)で駆動する噴射制御信号{パイロット噴射(副噴射)Tp+主噴射Tm}を設定する。なお、ここでの実噴射量QFM1を上述の式(1)で演算する。
次いで、ステップa4においては、1の特定気筒(No1の気筒(♯1))についてのみ、図3に示すように、追加噴射Taを行う追加噴射モード(符号M2)で駆動する噴射制御信号{パイロット噴射(副噴射)Tp+主噴射Tm+追加噴射Ta}を設定する(燃料噴射制御手段A0としての機能)。これらの噴射処理信号は、メインルーチン側の不図示の燃料噴射駆動ルーチンにおいて読み込まれてセットされる。そして、コントローラ18は、同噴射処理信号に応じた時点に達すると、各燃料噴射弁2を駆動するという1の特定気筒(♯1)および特定気筒以外の気筒(♯2〜♯4)への噴射追加処制御を行う。
なお、ステップa4において、1の特定気筒(♯1)に対し、燃料噴射弁2から実際に噴射された追加時実噴射量QFM2を上述の式(2)で演算する。ここでは、エアーフローセンサ15で検出された吸入空気量Qfair2と、空燃比センサ34で検出された空燃比AF2とを用いて、1の気筒(♯1)のみ追加噴射Taを行う場合の追加時実噴射量QFM2♯1を演算し、記憶する。
次いでステップa5に達すると、ここでは追加噴射時の目標噴射量QFMT2と通常目標噴射量QFMT1を取り込み、これら演算値に基づき、目標噴射量変動分α(=QFMT2―QFMT1)が演算される。更に、この目標噴射量変動分αを実際の噴射量変動分である実噴射量変動分βと見做処理する。更に、特定気筒(♯1)における最新の追加時実噴射量QFM2と実噴射量QFM1及び実噴射量変動分βの差分より特定気筒(♯1)の追加分噴射量Qadd♯1を上述の式(3a)を用いて演算して記憶する。
なお、アイドル回転フィードバック制御に伴う目標噴射量QFMT1に経時的に異なる2時点において変動がない場合(QFMT1=QFMT2)は、図6に示す2時点の黒丸位置に運転域が保持されると見做される。目標噴射量QFMT1に変動がある場合は、図7に示すように黒丸位置D1よりD2への変動がなされ、D2の運転域が保持されると見做される。なお、ここでの1の気筒(No1の気筒)の追加分噴射量Qadd♯1は「g/sec」で示されるが、この値を1噴射行程毎の値に修正するには、1回転周期をNcy1として用いると、追加分噴射量Qadd(=Qadd♯1×Ncy1)「mm/st」として算出できる。
次いで、ステップa6に達すると、1の特定気筒(♯1)の追加噴射処理完了フラグをオン(FLGR1=1)に設定して、ステップa7に進む。
ステップa7、a8に達し、アイドル運転域(所定運転域)離脱でない間(ステップa7でNo)で、追加噴射処理完了フラグ(FLGR1=1)が全筒においてオンに達成されていない(ステップa8でNo)限り、全学習データ取得を行うまで、ステップa1に戻る。
ステップa1でNo1の気筒の追加噴射処理完了後(FLGR1=1)と判断されると、ステップa3に進む。ステップa3ではNo2の気筒(♯2)について、追加噴射処理完了フラグFLGR2のオン前(FLGR2=0)であればステップa9に進み、完了後(FLGR2=1)であればステップa10に進む。
ステップa9ではステップa2と同様に、1の特定気筒(ここではNo2の気筒)以外の気筒(♯1、3、4)は同一の通常噴射モードM1(図2参照)で、1の特定気筒(♯2)のみは、図3に示すように、追加噴射Taを行う追加噴射モードM2で噴射駆動させる指令を発する。ステップa11ではステップa4と同様に、♯2の特定気筒についてのみ、追加噴射モードM2での追加時実噴射量QFM2♯2を式(2)で演算する。
この後、ステップa12ではステップa5と同様に、♯2の特定気筒についての追加噴射Taによる追加分噴射量をQadd♯2として式(3a)で演算して記憶する。
次いで、ステップa13に達すると、♯2の特定気筒について追加噴射処理完了(フラグFLGR2=1)に設定して、前述したステップa7、a8に進む。
以下同様に、ステップa10、a14、a16、a17、a18では♯3の気筒を特定気筒とした処理を行い、ステップa15、a19、a20、a21、a22では、♯4の気筒を特定気筒とした処理を行う。
そして、ステップa1、a3、a10、a15で全てYesと判定され、全気筒のサンプリングが完了すると、ステップa8でYesと判定されてステップa23に進む。ステップa23では、上述した追加噴射量サンプリングルーチンにおけるステップa1〜a22が全てのレール圧Pr1、Pr2、Pr3(図5参照)についてサンプリングされているか否かが判定される。そして、全レール圧についてサンプリングが完了している場合(Yes)はアイドル制御ルーチンステップs16へと進む。
一方、他のレール圧についてサンプリングがなされていない場合(No)はステップa24へと進み、追加噴射処理完了フラグFLGR1〜FLGR4を全てリセット(FLGR1〜FLGR4=0)した後にステップa25へと進む。そして、ステップa25でレール圧の変更を行った後にアイドル制御ルーチンのステップs12へと進む。
図8のアイドル制御ルーチンにおけるステップs16では追加分噴射量による噴射量修正(修正手段A7としての機能)の処理に入る。
ステップs16では、図9の追加噴射量サンプリングルーチンで得られた全気筒#1〜#4及び全レール圧Pr1〜Pr3のサンプリングデータの学習結果に基づき、修正後の各気筒の目標噴射量QFMT♯1〜QFMT♯4を、これ以後に燃料噴射装置Aのメインルーチンで行う燃料噴射駆動制御に反映させ、各燃料噴射弁2の噴射制御を行う。このように、追加分噴射量による噴射量学習結果を燃料噴射駆動制御に反映させることで、エンジンの個体差や外乱負荷変動に影響されずに少量の噴射量のバラツキをより正確に把握して修正することができ、燃料噴射制御をより細かく正確に行うことができるので、スモークや騒音の発生を抑制できる。
なお、上述のルーチンでは、まず各気筒#1〜#4についてのデータ取得を行った後、各レール圧Pr1〜Pr3についてのデータ取得を行うものとして説明したが、先に各レール圧Pr1〜Pr3についてのデータ取得を行ってから各気筒#1〜#4についてのデータ取得を行うことも可能である。
次に、本実施の形態のエンジンの燃料噴射装置における具体的な演算の一例を説明する。
図1のコントローラ18の各制御処理において、CPUにより所定の時間周期・運転条件で以下の演算が実施された。
ここでの通常アイドル運転条件は、全筒同一での通常噴射モードM1で噴射制御するものとして設定してある。
アイドル回転数は、N1=700rpmであった。
空燃比は、A/F=17(リニア空燃比センサ34で計測)であった。
吸気量は、Q=2.3g/sec(エアーフローセンサ34で計測)であった。
この際の目標噴射量はQFMT=135.3mg/secとして算出された。
さらに、ここでの追加噴射条件は、全筒同一での通常噴射モードに加え、順次1の気筒のみ追加噴射Taを行うものとして設定してある。
ここでのアイドル回転数は、N1=700rpm(変化なしに保持)であった。
空燃比は、A/F=16(に変化)であった。
吸気量は、Q=2.3g/sec(変化なしに保持)であった。
この運転条件下での目標噴射量はQFMT=143.75mg/secとして算出された。
この後、ここでは1の気筒の目標噴射量QFMTがアイドル運転域に入った初期の基準時(S1)と、その後の追加時(S2)である2つの時点間において変化していない運転状態にあるとする(図6参照)。すると、追加パルスによる追加噴射Taの値は:1.45mg/secとなる。
なお、燃料比重が0.83とすると、追加分噴射量Qadd(1の気筒の1噴射周期あたりの噴射量)は1.745mm/stとなった。
上述のように、図1に示した燃料噴射装置Aによれば、所定の運転域であるアイドル運転域に達すると、全気筒中の1の特定気筒に追加噴射Taが行われる。そして、予め求めた追加時実噴射量QFM2のうちの追加噴射Taの追加分噴射量Qaddが、予め求めた目標噴射量QFMT、実噴射量QFM1及び追加時実噴射量QFM2に基づき気筒毎に推定される。そして、これに基づく噴射量学習結果を燃料噴射駆動制御に反映させることで、各気筒毎の追加噴射の燃料噴射制御をより正確に行うことができ、気筒毎の噴射量のバラツキを抑制できる。
特に、実噴射量QFM1と追加時実噴射量QFM2およびこれらより演算される追加分噴射量Qaddを燃焼反応に直接的にかかわる空燃比A/Fと吸入空気量Qfaとを用いて特定気筒毎に演算するので、特定気筒毎の噴射量をより正確に把握することができ、燃料噴射制御をより正確に行うことができる。
特に、アイドル運転域を保持するようエンジンが運転されている際に、エンジン負荷に変動があり、図7に示すように、アイドル運転域を保持すべく目標噴射量QFMT1、QFMT2に変動があった場合でも、その際の追加時目標噴射量QFMT2より通常目標噴射量QFMT1を減算して求めた差分αを運転条件変動に伴う実噴射量変動分βと見做し設定する。即ち、目標噴射量の差分に基づき実際の噴射量変動分を推定するので、目標噴射量と実際の噴射量との差異が追加分噴射量Qaddの推定精度に悪影響を与えることがない。そのため、噴射制御をより正確に行うことができる。
特に、追加分燃料の追加噴射Taが目標噴射量に影響を与えない膨張行程の後期、例えばTDCA+40°〜+50°で行うことで、各気筒の噴射量変化(αに相当する)の学習をエンジンの燃料噴射量制御に干渉することなく容易に行える。
上述のところにおいて、基準噴射を、図2に示したように、主噴射(駆動パルス間隔Tm、噴射時期tm、噴射量Qfm)に対して副噴射としてパイロット噴射(駆動パルス間隔Tp、噴射時期tp、噴射量Qfp)を行う場合について説明した。しかし、これに代えて、基準噴射が主噴射に対する副噴射として主噴射後のアフタ噴射やポスト噴射などの小噴射量の噴射を行う場合であっても、これら噴射モードに対し、前述のパイロット噴射の場合と同様に追加噴射を加えて、小噴射量の噴射をより正確に把握し、燃料噴射制御をより正確に行うことができる等の同様の作用効果が得られる。
本発明の一実施形態としての多気筒エンジンの燃料噴射装置を備えたエンジンの概略構成図である。 図1の燃料噴射装置が行う主噴射モードの特性説明線図である。 図1の燃料噴射装置が行う追加噴射を行う追加噴射モードの特性説明線図である。 図1の燃料噴射装置の機能ブロック図である。 図1の燃料噴射装置のレール圧特性線図である。 図1の燃料噴射装置の追加噴射運転時における目標噴射量に変動がない場合の運転位置説明図である。 図1の燃料噴射装置の学習運転時における目標噴射量に変動がある場合の運転位置説明図である。 図1の燃料噴射装置のアイドル制御ルーチンのフローチャートである。 図1の燃料噴射装置のアイドル制御ルーチン内で行う追加噴射量サンプリングルーチンのフローチャートである。 従来燃料噴射装置におけるパイロット噴射量に対する騒音、スモーク特性線図である。
符号の説明
1 エンジン
2 燃料噴射弁
15 エアーフローセンサ
18 コントローラ(噴射制御手段)
19 燃料供給装置
21 クランク角センサ
34 リニア空燃比センサ
A 燃料噴射装置
A0 燃料噴射制御手段
A1 通常噴射制御手段
A2 追加噴射制御手段
A3 目標噴射量設定手段
A4 実噴射量推定手段
A5 追加時実噴射量推定手段
A6 追加分噴射量算出手段
A7 修正手段
Qfair 吸入空気量
A/F 空燃比
M1 通常噴射モード
M2 追加噴射モード
Ta 追加噴射(駆動パルス間隔)
Qadd♯1〜Qadd♯4 追加分噴射量
Qfa 基準噴射量(追加噴射Ta相当の噴射量)
QFM1 実噴射量
QFM2 追加時実噴射量
QFMT1 目標噴射量
QFMT2 追加時目標噴射量

Claims (5)

  1. 多気筒エンジンの気筒毎に設けられた燃料噴射弁と、
    前記エンジンの排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記エンジンの運転状態に応じて設定される通常の目標噴射量を前記各燃料噴射弁から噴射させる通常噴射制御手段と、
    所定の基準噴射量を前記燃料噴射弁から噴射させる追加噴射制御手段と、
    前記エンジンが所定の運転域にあるときに、前記通常噴射制御手段の作動により噴射された燃料の実噴射量を前記空燃比及び前記吸入空気量に基づき推定する実噴射量推定手段と、
    前記所定の運転域にあるときに、前記通常噴射制御手段の作動と前記気筒のうち特定気筒に対する前記追加噴射制御手段の作動とにより噴射された燃料の追加時実噴射量を前記空燃比及び前記吸入空気量に基づき推定する追加時実噴射量推定手段と、
    前記エンジンの運転条件変動に伴う前後2つの時点での目標噴射量変動分を、前記エンジンの運転条件変動に伴う実噴射量変動分と見做した上で、前記追加時実噴射量から、前記基準噴射量の噴射を行う前の実噴射量と前記エンジンの運転条件変動に伴う前記実噴射量変動分とを減算することで追加分噴射量を算出する追加分噴射量算出手段と、
    前記追加分噴射量に基づいて前記特定気筒に対する前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正する修正手段と、
    を備えたことを特徴とする多気筒エンジンの燃料噴射装置。
  2. 請求項1記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、
    前記修正手段が、前記気筒間の前記実噴射量の偏差が小さくなるように前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正することを特徴とする多気筒エンジンの燃料噴射装置。
  3. 請求項1又は2記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、
    前記通常噴射制御手段が、主噴射及びこれよりも少量の副噴射を噴射させるよう作動し、
    前記修正手段が、前記気筒間の前記副噴射の偏差が小さくなるように前記燃料噴射弁の噴射制御量を修正することを特徴とする多気筒エンジンの燃料噴射装置。
  4. 請求項1、2又は3記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、
    前記追加噴射制御手段が、前記通常の目標噴射量に影響を与えない噴射時期に作動することを特徴とする多気筒エンジンの燃料噴射装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の多気筒エンジンの燃料噴射装置において、
    前記所定の運転域は、アイドル運転域であることを特徴とする多気筒エンジンの燃料噴射装置。
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