JP4743024B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の挙動を制御する車両挙動制御装置に関する。
従来、車両挙動制御に関するものとして、車両の横加速度を常時検出し、その横加速度に基づいて車両のロール振動を予測することにより、車両の転倒の危険性を評価するものが知られている(例えば特許文献1参照)。この評価手法は、車両の制御介入操作の開始だけでなく、常時横加速度を監視することにより、車両の横転の危険をより確実に評価しようとするものである。
特表2004−509005号公報
このような車両挙動制御にあっては、ロール振動を検出した後、ロール振動を抑制するために車両における種々のパラメータ制御が検討されている。一般的には、制御するパラメータの数が増えれば、より確実なロール振動の抑制が可能となると考えられるが、多くの制御手段を車両に搭載せざるを得なくなり、コスト高の割にロール振動の抑制効果が期待できない場合がある。そこで、簡易な制御でロール振動を効果的に抑制できる技術が望まれている。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、簡易な制御でロール振動の発生を効果的に抑制できる車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る車両挙動制御装置は、少なくとも車両のロール角、ヨー角、上下変位、横力に基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段と、ロール振動発生判断手段によりロール振動が発生すると判断された場合に、車両の内輪の横力よりも外輪の横力を減少させてロール振動を抑制する振動抑制手段とを備えたことを特徴としている。
この車両挙動制御装置では、車両のロール角、ヨー角、横力、上下変位に基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断することにより、車両のロール方向、ヨー方向、横方向及び上下方向の4自由度運動の連成により生ずる旋回中のロール振動発散現象の発生を精度良く予測することができる。そして、この車両挙動制御装置では、ロール振動の発生を検出した場合、内輪の横力よりも外輪の横力を減少させる。これにより、車両と路面との横方向の摩擦係数が低下し、車両の横滑りが生じるため、ロール振動時に車両の外輪側で発生する上下方向の運動エネルギーを、車両が旋回外側にシフトする方向の運動エネルギーに変換することが可能となり、ロール振動が効果的に抑制される。また、制御するパラメータは車輪の横力のみであるため、多くの制御手段を車両に搭載する必要はなく、制御が複雑化することもない。このことは、車両の製造コスト低減を実現する。
また、振動抑制手段は、内輪の制動力よりも外輪の制動力を増大させることにより、内輪の横力よりも外輪の横力を減少させることが好ましい。この場合、車両のブレーキ制御によって内輪の横力よりも外輪の横力を減少させるので、高い応答性が得られる。また、ブレーキ制御として、例えば普及率の高まっているVSC(Vehicle Stability Control)システムを用いることで、制御手段の複雑化を回避できる。
また、振動抑制手段は、内輪の操舵角よりも外輪の操舵角を減少させることにより、内輪の横力よりも外輪の横力を減少させることが好ましい。この場合、外輪のスリップ角を減少させることでロール振動を抑制しつつ、内輪のスリップ角を確保することで車両の旋回性能の低下を抑制できる。
また、本発明に係る車両挙動制御装置は、少なくとも車両のロール角、ヨー角、上下変位、横力に基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段と、ロール振動発生判断手段によりロール振動が発生すると判断された場合に、車両の後輪の横力よりも前輪の横力を減少させてロール振動を抑制する振動抑制手段とを備えたことを特徴としている。
この車両挙動制御装置では、後輪の横力よりも前輪の横力を減少させることで、車両のアンダーステアリング特性を高め、車両と路面との横方向の摩擦係数を低下させることができる。これにより、ロール振動時に車両の外輪側で発生する上下方向の運動エネルギーを、車両が旋回外側にシフトする方向の運動エネルギーに変換することが可能となり、ロール振動の抑制が図られる。また、多くの制御手段を車両に搭載する必要はなく、簡易な制御によってロール振動の抑制効果が得られる。
また、本発明に係る車両挙動制御装置は、車両の重心高さ及び角速度によって算出されるパラメータに基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段と、ロール振動発生判断手段によりロール振動が発生すると判断された場合に、車両の内輪の横力よりも外輪の横力を減少させてロール振動を抑制する振動抑制手段とを備えたことを特徴としている。
この車両挙動制御装置では、車両の重心高さ及び角速度によって算出されるパラメータにより、簡易な振動モデルを用いてロール振動の発生の有無を判断するので、制御ロジックの簡易化を図ることができる。
本発明に係る車両挙動制御装置によれば、簡易な制御でロール振動の発生を効果的に抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る車両挙動制御装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両挙動制御装置の構成を示す図である。図1に示すように、車両挙動制御装置1は、搭載先の車両の挙動制御を行う装置であって、旋回走行時における車両のロール振動を抑制して車両挙動の安定性を図るものである。車両挙動制御装置1には、ECU(Electronic Control Unit)2が設けられている。ECU2は、装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。
ECU2は、車両のロール角、ヨー角、上下変位、横力に基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段として機能する。また、ECU2は、車両にロール振動が発生すると判断した場合に、車両の各車輪のブレーキ圧を調整してロール振動を抑制する振動抑制手段として機能する。
また、ECU2には、車速センサ3、操舵角センサ4、横加速度センサ5、ヨーレイトセンサ6、ロール角センサ7、及び上下加速度センサ8が接続されている。車速センサ3は、車両の走行速度を検出する車速検出手段として機能するものであり、例えば車輪速センサが用いられる。車速センサ3の検出信号は、ECU2に入力される。操舵角センサ4は、車両のハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段として機能するものであり、例えばハンドルに連結されるステアリングシャフトの回転状態を検出するものが用いられる。操舵角センサ4の検出信号は、ECU2に入力される。
横加速度センサ5は、車両の横方向、すなわち車幅方向に加わる加速度を検出する横加速度検出手段として機能するものである。横加速度センサ5の検出信号は、ECU2に入力される。ECU2には、ヨーレイトセンサ6が接続されている。ヨーレイトセンサ6は、車両のヨー角を検出するヨーレイト検出手段として機能するものである。ヨーレイトセンサ6の検出信号は、ECU2に入力される。
ロール角センサ7は、車両のロール角度を検出するロール検出手段として機能するものである。ロール角センサ7の検出信号は、ECU2に入力される。上下加速度センサ8は、車両の上下方向の加速度を検出する上下加速度検出手段として機能するものである。上下加速度センサ8の検出信号は、ECU2に入力される。この上下加速度センサ8の出力に基づいて車両重心の上下方向の変位量を算出することができる。
さらに、ECU2には、VSC制御部10が接続されている。VSC制御部10は、車両の各車輪におけるブレーキ圧を独立して制御可能な制御ユニットであり、例えばVSC制御用ECUが用いられる。VSC制御部10は、ECU2からの作動制御信号を受けて、各車輪に加わるブレーキ圧を調整する。
ここで、車両のロール運動・上下運動・横運動・ヨー運動について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2に示すように、車両は、旋回中にロール方向、上下方向に運動する。車両は、旋回外側が低くなるようにロールし、旋回の状態に応じて上下動する。このとき、車両は、重心を中心としてロール角φでロールし、外輪には横力Fout、内輪には横力Finが加わる。図2中のmは質量、hは車高、Iφはロール慣性モーメントである。
また、図3に示すように、車両は、旋回中にヨー方向、横方向に運動する。車両の前輪には横力Flが加わり、後輪には横力Frが加わる。また、車両は、その重心を中心にヨー運動する。図3中のLfはホイルベースにおける車体重心と後輪との距離、Lrはホイルベースにおける車体重心と前輪との距離である。Vは車速、βは車体スリップ角である。
次に、上述した車両挙動制御装置1の動作について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下に示す一連の制御処理は、ECU2によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、S100に示すように、センサ検出値の読み込み処理が行われる。この処理は、車両の状態を検出するセンサの検出値を読み込む処理であり、上述した車速センサ3、操舵角センサ4、横加速度センサ5、ヨーレイトセンサ6、ロール角センサ、7及び上下加速度センサ8の各センサの検出値が読み込まれる。
次に、S102に移行し、車両の旋回走行によって生ずる上下加速度(上下G)がGz以下であるか否かが判断される。Gzは、予めECU2に設定される設定値である。S102において、車両の旋回走行によって生ずる上下加速度がGz以下であると判断された場合には、続けて横加速度(横G)がLA以下であるか否かが判断される(S104)。LAは、予めECU2に設定される設定値である。また、車両が旋回走行しているか否かは、操舵角センサ4の検出値などに基づいて判断される。S104において、横加速度がLA以下であると判断された場合には、車両挙動安定処理(S112)の後、一連の制御処理を終了する。車両挙動安定化処理は、車両挙動が安定していることを記録する処理であり、例えば車両挙動安定フラグがセットされる。
一方、S102において、上下加速度がGz以下でないと判断された場合、或いは、S104において、横加速度がLA以下でないと判断された場合には、ロール振動判定式の演算処理が行われる(S106)。このロール振動判定式演算処理は、車両に所定以上のロール振動が生ずるか否かを判定するロール振動判定式を演算して生成する処理である。
このロール振動判定式は、車両の上下変位、ロール角、ヨー角、横力に基づいて設定される式であり、例えば、次の式(1)が用いられる。
・s+A・s+A・s+A・s+A・s+A・s+A=0 …(1)
式(1)は、次の式(2)に示す4自由度運動方程式における6次の特性方程式として導き出されるものである。この運動方程式の特性方程式を解くことにより、車体のロール振動が発生するか否かを判断することができる。式(1)において、A〜Aは、車両の上下変位、ロール角、ヨー角、横力に基づいて決定される係数である。sは、ラプラス演算子である。
Figure 0004743024
式(2)は、車両の上下変位、ロール変位、ヨー変位、横変位の4自由度系の連成運動についての運動方程式である。式(2)において、mは車体の質量、Cはサスペンションの減衰係数、klはサスペンションの左車輪側の剛性、krはサスペンションの右車輪側の剛性、Lは車両の前後トレッドの平均値の1/2の値、Uzは車体の上下変位量、Iφは車体のロール慣性モーメント、Cφはロール減衰係数、φ(s)はロール角、Foutは旋回外輪に加わる横力、Finは旋回内輪に加わる横力、hはバネ下位置から車体重心までの高さ、Iは車体のヨー慣性モーメント、r(s)はヨー角、Ffは前輪に加わる横力、Frは後輪に加わる横力、Lfはホイルベースにおける車体重心と後輪との距離、Lrはホイルベースにおける車体重心と前輪との距離、β(s)は車体スリップ角である。
式(2)においては、以下の式(100)及び式(101)を用いて車体スリップ角β(s)を算出できる。
mV(dβ/dt+r)=Fl+Fr …(100)
Idr/dt=Lf・FL−Lr・Fr …(101)
また、タイヤ特性の横力モデルFyとして以下の式(102)を用いる。
Fy=Cp・β+μW …(102)
式(102)において、Cpはタイヤのコーナーリングパワー、Wは荷重、μは路面との横方向の摩擦係数である。
式(1)のA〜Aは、次の式(3)〜(9)を演算することにより求めることができる。
=I・m2・Iφ・V …(3)
=(I・m2・Cφ・V2+2・I・m・Iφ・V・Kf+2・I・m・Iφ・V・Kr+2・m2・Iφ・Kr・Lr2・V+2・I・Cφ・Iφ・V2・m+2・m2・Iφ・Kf・Lf2・V)/V …(4)
=(A2a+A2b+A2c+A2d)/V …(5)
=(A3a+A3b+A3c+A3d+A3e+A3f+A3g+A3h+A3i+A3j)/V …(6)
=(A4a+A4b+A4c+A4d+A4e+A4f+A4g+A4h+A4i+A4j+A4k+A4l+A4m+A4n)/V …(7)
=(A5a+A5b+A5c+A5d+A5e+A5f+A5g+A5h+A5i+A5j+A5k+A5l+A5m)/V …(8)
=(A6a+A6b+A6c+A6d+A6e+A6f)/V …(9)
式(3)、(4)において、Vは車速、Iφは車両のロール慣性モーメント、Cφは車両のロール減衰係数、Krは後輪タイヤのコーナーリングパワー、Kfは前輪タイヤのコーナーリングパワーである。
式(5)におけるA2a、A2b、A2c、A2dは、次の式(10)〜(13)により演算される。
2a=2・I・m・Cφ・V・Kr-2・m2・Iφ・Kf・Lf・V2+4・I・Cφ・Iφ・V・Kf+4・I・Cφ・Iφ・V・Kr+4・m・Iφ・Kr・Lr2・Kf+4・Cφ・Iφ・Kf・Lf2・m・V …(10)
2b=2・I・m・Cφ・V・Kf+2・I・m2・L2・kin・V2+2・I・Cφ2・V2・m+8・m・Iφ・Kf・Lf・Kr・Lr+2・m2・Iφ・Kr・Lr・V2+2・m2・Cφ・Kf・Lf2・V …(11)
2c=2・m2・Cφ・Kf・Lf2・V+2・I・m2・L・h・pr・kin・V2-2・I・m2・L・h・pl・kout・V2+2・I・kout・Iφ・V2・m+2・I・m2・L2・kout・V2 …(12)
2d=4・Cφ・Iφ・Kr・Lr2・m・V+2・m2・Cφ・Kr・Lr2・V+2・I・kin・Iφ・V2・m+4・m・Iφ・Kf・Lf2・Kr …(13)
これらの式(10)〜(13)において、 kinはサスペンションの旋回内輪側の剛性、koutはサスペンションの旋回外輪側の剛性、prは旋回右輪の横方向μ(路面との摩擦係数)、plは旋回左輪の横方向μである。
式(6)におけるA3a、A3b、A3c、A3d、A3e、A3f、A3g、A3h、A3i、A3jは、次の式(14)〜(23)により演算される。
3a=4・I・Cφ2・V・Kf+4・I・Cφ2・V・Kr+4・m・Cφ・Kf・Lf2・Kr-2・m2・Cφ・Kf・Lf・V2+8・m・Cφ・Kf・Lf・Kr・Lr+4・m・Cφ・Kr・Lr2・Kf …(14)
3b=2・m2・Cφ・Kr・Lr・V2+4・m2・L2・kout・Kf・Lf2・V+4・m2・L2・kout・Kr・Lr2・V+8・Cφ*Iφ・Kf・Lf2・Kr+4・m2・L2・kin・Kf・Lf2・V …(15)
3c=4・m2・L2・kin・Kr・Lr2・V-2・m2・L・h・V・pl・kout・Lf・Kr・Lr-2・m2・L・h・pl・kout・Kf・Lf2・V-2・m2・L・h・pl・kout・Kr・Lr2・V …(16)
3d=2・m2・L・h・pr・kin・Kf・Lf2・V+2・m2・L・h・pr・kin・Kr・Lr2・V+Cφ2・Kf・Lf2・m・V+4・Cφ2・Kr・Lr2・m・V …(17)
3e=-2・m2・L・h・V・pl・kout・Lr・Kf・Lf+2・m2・L・h・V・pr・kin・Lf・Kr・Lr+2・m2・L・h・V・pr・kin・Lr・Kf・Lf+8・Cφ・Iφ・Kr・Lr2・Kf …(18)
3f=-4・Cφ・Iφ・Kf・Lf・m・V2+16・Cφ・Iφ・Kf・Lf・Kr・Lr+4・Cφ・Iφ・Kr・Lr・m・V2+4・kout・Iφ・ kf・Lf2・m・V+4・kout・Iφ・Kr・Lr2・m・V …(19)
3g=4・kin・Iφ・Kf・Lf2・m・V+4・kin・Iφ・Kr・Lr2・m・V+4・I・m・L2・kout・V・Kf+4・I・m・L2・kout・V・Kr+4・I・m・L2・kin・V・Kf …(20)
3h=4・I・m・L2・kin・V・Kr+4・I・Cφ・L2・kout・V2・m-4・I・Cφ・L・h・pl・kout・V2・m+4・I・Cφ・L・h・pr・kin・V2・m …(21)
3i=4・I・Cφ・L2・kin・V2・m+4・I・kout・Iφ・V・Kf+4・I・kout・Iφ・V・Kr+2・I・kout・Kr・V2・m …(22)
3j=4・I・kin・Iφ・V・Kf+4・I・kin・Iφ・V・Kr+2・I・kin・Cφ・V2・m …(23)
式(7)におけるA4a、A4b、A4c、A4d、A4e、A4f、A4g、A4h、A4i、A4j、A4k、A4l、A4m、A4nは、次の式(24)〜(37)により演算される。
4a=8・Cφ2・Kf・Lf2・Kr+8・Cφ2・Kr・Lr2・Kf+8・m・L2・kout・Kf・Lf2・Kr+8・m・L2・kout・Kr・Lr2・Kf-4・m2・L2・kin・Kf・Lf・V2 …(24)
4b=4・m2・L2・kout・Kf・Lf・V2+16・m・L2・kout・Kf・Lf・Kr・Lr+4・m2・L2・kout・Kr・Lr・V2+8・m・L2・kin・Kf・Lf2・Kr …(25)
4c=8・m・L2・kin・Kr・Lr2・Kf-2・m2・L・h・pr・kin・Kf・Lf・V2+2・m2・L・h・pr・ Kin・Kr・Lr・V2-2・m2・L・h・V2・pl・kout・Lf・Kr …(26)
4d=2・m2・L・h・V2・pl・kout・Lr・Kf+16・m・L2・kin・Kf・Lf・Kr・Lr+4・m2・L2・kin・Kr・Lr・V2+2・m2・L・h・pl・kout・Kf・Lf・V2 …(27)
4e=-2・m2・L・h・pl・kout・Kr・Lr・V2-4・Cφ2・Kf・Lf・m・V2+16・Cφ2・Kf・Lf・Kr・Lr+4・Cφ2・Kr・Lr・m・V2+8・Cφ・L2・kout・Kf・Lf2・m・V …(28)
4f=8・Cφ・L2・kout・Kr・Lr2・m・V+2・m2・L・h・V2・pr・kin・Lf・Kr-2・m2・L・h・V2・pr・kin・Lr・Kf-4・Cφ・L・h・pl・kout・Kf・Lf2・m・V …(29)
4g=-4・Cφ・L・h・pl・kout・Kr・Lr2・m・V+4・Cφ・L・h・pr・kin・Kf・Lf2・m・V+4・Cφ・L・h・pr・kin・Kr・Lr2・m・V+8・Cφ・L2・Kin・Kf・Lf2・m・V …(30)
4h=8・Cφ・L2・kin・Kr・Lr2・m・V+8・kout・Iφ・Kf・Lf2・Kr+8・kout・Iφ・Kr・Lr2・Kf-4・kout・Iφ・Kf・Lf・m・V2+16・kout・Iφ・Kf・Lf・Kr・Lr …(31)
4i=4・kout・Iφ・Kr・Lr・m・V2+4・kout・Cφ・Kf・Lf2・m・V+4・kout・Cφ・Kr・Lr2・m・V-4・Cφ・L・h・m・V・pl・kout・Lf・Kr・Lr …(32)
4j=-4・Cφ・L・h・m・V・pl・kout・Lr・Kf・Lf+4・Cφ・L・h・m・V・pr・kin・Lf・Kr・Lr+4・Cφ・L・h・m・V・pr・kin・Lr・Kf・Lf+8・kin・Iφ・Kf・Lf2・Kr …(33)
4k=8・kin・Iφ・Kr・Lr2・Kf-4・kin・Iφ・Kf・Lf・m・V2+16・kin・Iφ・Kf・Lf・Kr・Lr+4・kin・Iφ・Kr・Lr・m・V2+4・kin・Cφ・Kf・Lf2・m・V …(34)
4l=4・kin・Cφ・Kr・Lr2・m・V+8・I・Cφ・L2・kout・V・Kf+8・I・Cφ・L2・kout・V・Kr+8・I・Cφ・L2・kin・V・Kf+8・I・Cφ・L2・kin・V・Kr …(35)
4m=4・I・kout・Cφ・V・Kf+4・I・kout・Cφ・V・Kr+4・I・L2・kout2・V2・m+4・I・L2・kin2・V2・m+4・I・kin・Cφ・V・Kf+4・I・kin・Cφ・V・Kr …(36)
4n=-8・I・kin・L・h・pl・kout・V2・m+8・I・kout・L2・kin・V2・m+8・I・kout・L・h・pr・kin・V2・m …(37)
式(8)におけるA5a、A5b、A5c、A5d、A5e、A5f、A5g、A5h、A5i、A5j、A5k、A5l、A5mは、次の式(38)〜(50)により演算される。
5a=16・Cφ・L2・kout・Kf・Lf2・Kr+16・Cφ・L2・kout・Kr・Lr2・Kf+32・Cφ・L2・kin・Kf・Lf・Kr・Lr+8・Cφ・L2・kin・Kr・Lr・m・V2 …(38)
5b=4・Cφ・L・h・pl・kout・Kf・Lf・m・V2-4・Cφ・L・h・pl・kout・Kr・Lr・m・V2-8・Cφ・L2・kout・Kf・Lf・m・V2+32・Cφ・L2・kout・Kf・Lf・Kr・Lr …(39)
5c=8・Cφ・L2・kout・Kr・Lr・m・V2+16・Cφ・L2・kin・Kf・Lf2・Kr+16・Cφ・L2・kin・Kr・Lr2・Kf-8・Cφ・L2・kin・Kf・Lf・m・V2 …(40)
5d=8・kout・Cφ・Kf・Lf2・Kr+8・kout・Cφ・Kr・Lr2・Kf-4・kout・Cφ・Kf・Lf・m・V2+16・kout・Cφ・Kf・Lf・Kr・Lr+4・kout・Cφ・Kr・Lr・m・V2 …(41)
5e=-4・Cφ・L・h・pr・kin・Kf・Lf・m・V2+4・Cφ・L・h・pr・kin・Kr・Lr・V2-4・Cφ・L・h・m・V2・pl・kout・Lf・Kr …(42)
5f=4・Cφ・L・h・m・V2・pl・kout・Lr・Kf+4・Cφ・L・h・m・V2・pr・kin・Lf・Kr-4・Cφ・L・h・m・V2・pr・kin・Lr・Kf …(43)
5g=8・L2・kout2・Kf・Lf2・m・V+8・L2・kout2・Kr・Lr2・m・V+8・L2・kin2・Kf・Lf2・m・V+8・L2・kin2・Kr・Lr2・m・V …(44)
5h=-4・kin・Cφ・Kf・Lf・m・V2+16・kin・Cφ・Kf・Lf・Kr・Lr+4・kin・Cφ・Kr・Lr・m・V2-8・kin・L・h・pl・kout・Kf・Lf2・m・V …(45)
5i=-8・kin・L・h・pl・kout・Kr・Lr2・m・V-8・kin・L・h・m・V・pl・kout・Lf・Kr・Lr-8・kin・L・h・m・V・pl・kout・Lr・Kf・Lf …(46)
5j=16・kout・L2・kin・Kf・Lf2・m・V+16・kout・L2・kin・Kr・Lr2・m・V+8・kout・L・h・pr・kin・Kf・Lf2・m・V …(47)
5k=8・kout・L・h・pr・kin・Kr・Lr2・m・V+8・kout・L・h・m・V・pr・kin・Lf・Kr・Lr+8・kout・L・h・m・V・pr・kin・Lr・Kf・Lf …(48)
5l=8・kin・Cφ・Kf・Lf2・Kr+8・kin・Cφ・Kr・Lr2・Kf+8・I・L2・kout2・V・Kf+8・I・L2・kout2・V・Kr …(49)
5m=8・I・L2・kin2・V・Kf+8・I・L2・kin2・V・Kr+16・I・kout・L2・kin・V・Kf+16・I・kout・L2・kin・V・Kr …(50)
式(9)におけるA6a、A6b、A6c、A6d、A6e、A6fは、次の式(51)〜(56)により演算される。
6a=32・L2・kin2・Kf・Lf・Kr・Lr+8・kin・L・h・m・V2・pl・kout・Lr・Kf-8・L2・kout2・Kf・Lf・m・V2+32・L2・kout2・Kf・Lf・Kr・Lr …(51)
6b=8・L2・kout2・Kr・Lr・m・V2+16・kout・L2・kin・Kr・Lr・m・V2+16・L2・kin2・Kf・Lf2・Kr+8・kin・L・h・pl・kout・Kf・Lf・m・V2 …(52)
6c=16・L2・kin2・Kr・Lr2・Kf+8・kout・L・h・pr・kin・Kr・Lr・m・V2+8・kout・L・h・m・V2・pr・kin・Lf・Kr+32・kout・L2・kin・Kf・Lf2・Kr …(53)
6d=-8・L2・kin2・Kf・Lf・m・V2-8・kin・L・h・m・V2・pl・kout・Lf・Kr+8・L2・kin2・Kr・Lr・m・V2+16・L2・kout2・Kr・Lr2・Kf …(54)
6e=-16・kout・L2・kin・Kf・Lf・m・V2+64・kout・L2・kin・Kf・Lf・Kr・Lr-8・kout・L・h・pr・kin・Kf・Lf・m・V2 …(55)
6f=-8・kin・L・h・pl・kout・Kr・Lr・m・V2+32・kout・L2・kin・Kr・Lr2・Kf-8・kout・L・h・m・V2・pr・kin・Lr・Kf+16・L2・kout2・Kf・Lf2・Kr …(56)
式(3)〜(56)において、Iは、車両のヨー慣性モーメントとしてECU2に予め設定されるものが用いられる。mは、車両の質量としてECU2に予め設定されるものが用いられる。hは、車両の高さとしてECU2に予め設定されるものが用いられる。L、Lr及びLfは、車両のホイルベースとしてECU2に予め設定されるものが用いられる。また、Vは、車速センサ3の検出値を読み込んだ車速値が用いられる。
Iφは、設計値として予め読み込んでおいた値が用いられる。Cφは、アブソーバ減衰マップ(ストローク速度−減衰力)の傾きが用いられる。ストローク速度は、車両のロール角速度に前後トレッド平均値の1/2の値を乗じて算出される。Kfは、単体特性値としてマップや式により予め組み込んでおいたものが用いられる。Krは、単体特性値としてマップや式により予め組み込んでおいたものが用いられる。koutは、ストローク−剛性マップにより読み取った値が用いられる。ストロークは、車両のロール角に前後トレッド平均値の1/2の値を乗じて算出される。kinは、ストローク−剛性マップにより読み取った値が用いられる。
plは、横方向μ−接地荷重タイヤ単体マップから読み取った値が用いられる。外輪時の接地荷重Woutは、koutにストロークを乗じた値に対し静止時一輪荷重W0を加えて算出される。また、内輪時の接地荷重Winは、kinにストロークを乗じた値から静止時一輪荷重W0を減じて算出される。prは、横方向μ−接地荷重タイヤ単体マップから読み取った値が用いられる。
S106にてロール振動判定式を演算し終えたら、ロール振動判定式の根の算出処理が行われる(S108)。例えば、式(1)がsについて解かれ、六つの根が算出される。そして、S110に移行し、ロール振動判定式の根における実部が全て負であるか否かが判断される。ロール振動判定式の根における実部が全て負である場合には、ロール振動が発散(増大化)するおそれがないと判断され、車両挙動安定処理の後、一連の制御処理を終了する。(S112)。
一方、S110にてロール振動判定式の根における実部に正のものがある場合には、ロール振動が発散するおそれがあると判断され、ロール振動抑制制御処理が行われる(S112)。このロール振動抑制制御処理は、車両のロール振動を抑制するように、車輪に加えるブレーキ圧を調整する処理である。図5は、ブレーキ圧の調整の一例を示す図である。この図5において、横軸は式(1)で算出した根の実部の絶対値であり、縦軸はブレーキ圧である。また、Poutは車両の外輪に加えるブレーキ圧、Pinは車両の内輪に加えるブレーキ圧である。
図5に示すように、ロール振動抑制制御処理において、VSC制御部10は、Pinを一定値に保ちつつ、根の実部の絶対値に比例するようにPoutを一定の傾きで増大させ、内輪の横力Finよりも外輪の横力Foutを減少させる。これにより、車両と路面との横方向μが低下し、車両の横滑りが生じるため、ロール振動時に車両の外輪側で発生する上下方向の運動エネルギーを、車両が旋回外側にシフトする方向の運動エネルギーに変換することが可能となり、ロール振動が効果的に抑制される。なお、図5に示す例では、横方向μが一定値以上残るように、Poutの上限値が定められている。ロール振動抑制制御処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
以上のように、車両挙動制御装置1では、車両のロール角、ヨー角、横力、上下変位に基づいて車両におけるロール振動の発生の有無を判断することにより、車両のロール方向、ヨー方向、横方向及び上下方向の4自由度運動の連成により生ずる旋回中のロール振動発散現象の発生を精度良く予測することができる。そして、この車両挙動制御装置1では、ロール振動の発生を検出した場合、内輪のブレーキ圧Pinよりも外輪のブレーキ圧Poutを増大させることにより、外輪の横力Foutを内輪の横力Finよりも減少させる。
これにより、車両と路面との横方向μが低下し、車両の横滑りが生じるため、ロール振動時に車両の外輪側で発生する上下方向の運動エネルギーを、車両が旋回外側にシフトする方向の運動エネルギーに変換することが可能となり、ロール振動が効果的に抑制される。また、横力の制御にあたり、普及率の高まっているVSC制御部10による各車輪のブレーキ圧制御を用いることで、高い応答性を確保しつつ、制御手段の複雑化を回避し、車両の製造コスト低減を実現できる。
上述した実施形態では、ロール振動抑制制御処理において、内輪のブレーキ圧Pinよりも外輪のブレーキ圧Poutを増大させることで、内輪の横力Finよりも外輪の横力Foutを減少させているが、これに代えて、後輪のブレーキ圧Prよりも前輪のブレーキ圧Plを増大させることで、後輪の横力Frよりも前輪の横力Flの横力を減少させるようにしてもよい。この場合、車両のアンダーステアリング特性が高められ、車両と路面との横方向μを低下させることができるので、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、外輪・内輪のブレーキ圧制御と、前輪・後輪のブレーキ圧制御とを併用することも可能であるが、この場合には、外輪・内輪の横方向μ比と前輪・後輪の横方向μ比とが最適化されるように、各車輪のブレーキ圧を適宜調整することが好ましい。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係る車両挙動制御装置について説明する。本実施形態に係る車両挙動制御装置1aは、第1実施形態に係る車両挙動制御装置1と同様なハード構成を有し、同様な制御処理を実行するものであるが、ロール振動抑制制御処理及び車両挙動安定処理において車輪の操舵角を制御する点で、車輪のブレーキ圧を制御する第1実施形態と異なっている。
図6に示すように、車両挙動制御装置1aのECU2には、VSC制御部10に代えて、四輪操舵制御部20が接続されている。四輪操舵制御部20は、車両の四輪を独立して操舵制御可能とした制御ユニットであり、例えば四輪操舵制御用ECUが用いられる。四輪操舵制御部20は、ECU2からの作動制御信号を受けて、各車輪の操舵角を調整する。
次に、車両挙動制御装置1aの動作について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7における一連の制御処理は、ECU2によって所定の周期で繰り返し実行される。
図7に示すように、車両挙動制御装置1aでは、第1実施形態のS100〜S110と同様の手順で、センサ検出値の読み込み(S200)、旋回上下GがGz以下であるか否かの判断(S202)、旋回横GがLA以下であるか否かの判断(S204)、ロール振動判定式の演算(S206)、ロール振動判定式の根の演算(S208)、全ての根の実部が負であるか否かの判断(S210)がなされる。
S210において、ロール振動判定式の根における実部に正のものがある場合には、ロール振動抑制制御処理が行われる(S212)。ここでのロール振動抑制制御処理は、車両のロール振動を抑制するように、車輪の操舵角を調整する処理である。図8は、ロール量と操舵角の調整量との関係の一例を示す図である。図8(a)及び図8(b)において、横軸はいずれも時間である。また、図8(a)の縦軸はロール量であり、図8(b)の縦軸は操舵角である。θoutは、車両の外輪の操舵角、θinは、車両の内輪の操舵角である。
図8(a)及び図8(b)に示すように、ロール振動抑制制御処理において、四輪操舵制御部20は、時刻Tでロール振動の発生が判定されると、この時刻Tからロール振動が抑制されたと判断された時刻Tに至るまでの間、θout=θ−θとし、外輪の操舵角θoutを内輪の操舵角θinよりも減少させることによって車両と路面との横方向μを低下させる。
一方、車両挙動安定処理においては、上記の一連の制御処理が繰り返される中で、ロール振動が抑制されたと判断された時刻Tからの経過時刻がTro以下であるか否かの判断がなされる(S214)。Troは、予めECU2に設定される設定値である。S214において、経過時刻がTroを超えていると判断された場合、車両挙動が安定していることを記録する処理の後、一連の処理を終了する。S214において、経過時刻がTro以下であると判断された場合、四輪操舵制御部20は、図8(b)に示すように、ロール振動が抑制されたと判断された時刻Tから時刻Troに至るまでの間、θout=θ−θ(1−T/Tro)とし、内輪の操舵角θinと同じ角度になるまで外輪の操舵角θoutを緩やかに増大させる。
このような車両挙動制御装置1aにおいても、上述した第1実施形態に係る車両挙動制御装置1と同様の作用効果を得ることができる。また、車両挙動制御装置1aでは、ロール振動を抑制する処理を行った後、外輪の操舵角θoutを急激に元の値に戻すのではなく、時刻Troが経過するまでの間、外輪の操舵角θoutが緩やかに元の値に復帰するように制御するので、ロール振動の再発を抑止することが可能となる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係る車両挙動制御装置について説明する。本実施形態に係る車両挙動制御装置は、第1実施形態に係る車両挙動制御装置1と同様なハード構成を有し、同様な制御処理を実行するものであるが、ロール振動の発生の有無の判断に関し、上下とロールの練成運動を係数励振する振り子運動として擬制した2自由度モデルを用いる点で、車両の上下変位、ロール角、ヨー角、横力に基づく4自由度モデルを用いる第1実施形態と異なっている。
本実施形態に係る車両挙動制御装置の動作について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。図9における一連の制御処理は、ECU2により所定の周期で繰り返し実行される。
図9に示すように、この車両挙動制御装置では、第1実施形態のS100〜S110と同様の手順で、センサ検出値の読み込み(S300)、旋回上下GがGz以下であるか否かの判断(S302)、旋回横GがLA以下であるか否かの判断(S304)がなされる。S304において、横加速度がLA以下であると判断された場合には、車両挙動安定処理(S312)の後、一連の制御処理を終了する。
S302において上下加速度がGzを超えていると判断された場合、或いは、S304において横加速度がLAを超えていると判断された場合には、2自由度の係数励振運動の式の演算処理により、(A,Q)座標値の算出が行われる(S306)。この係数励振運動の式は、車両の重心高さと角速度に基づいて設定される式であり、以下の式(200)が用いられる。
Figure 0004743024
式(200)において、hは車両の重心高さであり、ωは上下加速度の時系列波形から演算される角速度である。また、φはロール角である。
また、(A,Q)座標値の算出には、以下の式(201)及び式(202)が用いられる。
A=ω =sqrt(g/h) …(201)
Q=a/2h・ω …(202)
式(201)及び式(202)において、aは上下加速度の振幅であり、gは重力加速度である。
S306において、(A,Q)座標値の算出を終えたら、この(A,Q)座標値に基づいて、安定判別マップの参照がなされる(S308)。ここで、図10は、安定判別マップの一例を示す図である。図10において、安定判別マップは、横軸がQ値として設定され、縦軸がA値として設定された座標系として構築されている。そして、この安定判別マップには、振幅aをΔa刻みとし、角速度ωをΔω刻みとして(A,Q)座標値をプロットすることにより、ロール振動が発散するおそれがないと判断される安定領域、及びロール振動が発散するおそれがあると判断される不安定領域の2つの領域が予め設定されている。
そして、S306で算出された(A,Q)座標値が安定領域に存在するが否かが判断され(S310)、(A,Q)座標値が安定領域に存在すると判断された場合には、車両挙動安定処理の後、一連の制御処理を終了する(S312)。一方、(A,Q)座標値が安定領域に存在しないと判断された場合には、ロール振動抑制制御処理がなされる(S314)。すなわち、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、車両の内輪の横力Finよりも外輪の横力Foutが減少するように車輪のブレーキ圧又は操舵角が調整され、ロール振動の発生が抑制される。ロール振動制御処理(S314)の後、一連の制御処理を終了する。
このように、本実施形態に係る車両挙動制御装置では、車両の重心高さ及び角速度によって算出される(A,Q)座標値に基づく安定判別マップの参照により、簡易な振動モデルでロール振動の発生の有無を判断する。このため、4自由度運動方程式における6次の特性方程式を解く場合と比較して制御ロジックの簡易化を図ることができ、車両の製造コストの更なる低減を実現する。
上述した実施形態は、本発明に係る車両挙動制御装置の一例を示すものである。本発明に係る車両挙動制御装置は、このようなものに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しないものであれば、実施形態に係る車両挙動制御装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。また、上述した各実施形態において、各車輪へのブレーキ圧、操舵角といったパラメータの制御量は、ロール振動の程度に応じて適宜変更してもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両挙動制御装置の構成を示す図である。 車両のロール運動及び上下運動の説明図である。 車両の横運動及びヨー運動の説明図である。 図1に示した車両挙動制御装置の動作を示すフローチャートである。 ロール振動抑制制御処理における各車輪のブレーキ圧の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る車両挙動制御装置の構成を示す図である。 図6に示した車両挙動制御装置の動作を示すフローチャートである。 ロール振動抑制制御処理における各車輪の操舵角の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る車両挙動制御装置の動作を示すフローチャートである。 安定判別マップの一例を示す図である。
符号の説明
1,1a…車両挙動制御装置、2…ECU、3…車速センサ、4…操舵角センサ、5…横加速度センサ、6…ヨーレイトセンサ、7…ロール角センサ、8…上下加速度センサ、10…VSC制御部、20…四輪操舵制御部。

Claims (4)

  1. 少なくとも車両のロール角、ヨー角、上下変位及び横力をパラメータとする運動方程式における特性方程式に基づいて前記車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段と、
    前記ロール振動発生判断手段によりロール振動が発生すると判断された場合に、前記車両の内輪の横力よりも外輪の横力を減少させて前記ロール振動を抑制する振動抑制手段とを備えた車両挙動制御装置。
  2. 前記振動抑制手段は、前記内輪の制動力よりも前記外輪の制動力を増大させることにより、前記内輪の横力よりも前記外輪の横力を減少させる請求項1記載の車両挙動制御装置。
  3. 前記振動抑制手段は、前記内輪の操舵角よりも前記外輪の操舵角を減少させることにより、前記内輪の横力よりも前記外輪の横力を減少させる請求項1記載の車両挙動制御装置。
  4. 少なくとも車両のロール角、ヨー角、上下変位及び横力をパラメータとする運動方程式における特性方程式に基づいて前記車両におけるロール振動の発生の有無を判断するロール振動発生判断手段と、
    前記ロール振動発生判断手段によりロール振動が発生すると判断された場合に、前記車両の後輪の横力よりも前輪の横力を減少させて前記ロール振動を抑制する振動抑制手段とを備えた車両挙動制御装置。
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