JP4742465B2 - 撮像レンズ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、主にデジタルスチルカメラに使用される単焦点撮像レンズにおいて、高画質と、偏芯を含む製造誤差が結像性能に及ぼす影響を少なくすることとを両立させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の静止画ビデオカメラ、所謂デジタルスチルカメラにおいては、画素ピッチが細かくなり、より高周波のMTF(Modulation Transfer Function)に高いコントラストが要求されるようになってきている。このような、デジタルスチルカメラの高い目標性能を満足させるためには、単焦点の撮像レンズにおいては、設計の自由度を増やすという手段が効果的である。従って、従来の単焦点の撮像レンズは、接合レンズを使用しないで、単レンズを組みあわせた4枚乃至6枚で構成する傾向があった。
【0003】
上記単レンズを組みあわせた4枚乃至6枚構成の単焦点撮像レンズにおいては、隣接する2つのレンズ面で球面収差の打ち消し合いが強い部分が存在すると、その部分で更にコマ収差及び非点収差の打ち消し合いが激しくなることが多い。従って、このような収差の打ち消し合いが激しい2面間においては、面間隔、偏芯、倒れ等が結像性能に及ぼす影響に対する敏感度が高くなってしまう。
【0004】
デジタルスチルカメラは、記録媒体として銀塩フィルムを使用するカメラに比べて一般的に画面寸法が小さいので、画面寸法に比例して構成部品の公差を小さくしなければ、各製品間のバラツキを同じにすることができない。しかし、各構成部品の精度は、製造工程の能力によって決定されてしまうため変えることはできない。従って、上記各製品間のバラツキを抑制するために、各構成部品を、光軸を合わせるように調整しながら組立て、接着等によって固定する、所謂調芯組立法が導入されるようになった。
【0005】
しかしながら、調芯組立法を用いて各構成部品間の調芯を行っても誤差は必ず残るので、部品公差が結像性能に及ぼす影響を緩くすることが、レンズ構成の基本として求められている。
【0006】
また、球面収差の打ち消し合いが強い隣接する2つのレンズ面を接合すると、結像性能への影響を及ぼす要因をなくすことができ、しかも、接合行程が調芯も兼ねているので、結像性能への影響に対する敏感度を緩くするためには効果的である。しかし、2つのレンズ面を接合した接合レンズを使用することは、設計の自由度を減少させることになるので、高画質を達成することが困難になるという新たな問題があった。
【0007】
上記問題点に鑑み考案された撮像レンズとしては、本出願人による特開2001−21800号公報に記載されたものがある。
【0008】
上記公報に記載された撮像レンズは、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた凹レンズの第1レンズと凸レンズの第2レンズとによって前レンズ群を構成すると共に、該前レンズ群との間に絞りを挟んで物体側に強い凸面を向けた凸レンズの第3レンズと像側に強い凹面を向けた凹レンズの第4レンズとの接合レンズ及び凸レンズの第5レンズによって後レンズ群を構成し、第3レンズの物体側の面と第5レンズの各面のうち少なくとも1の面を非球面によって構成したことを特徴とするものである。
【0009】
しかしながら、上記公報に記載された撮像レンズにおいては、構成レンズが全てガラス製であり、高価な非球面ガラスモールドレンズも2枚使用しなければならなかったので、製造コストが高かった。
【0010】
また、上記公報に記載された撮像レンズは、画角が60°以下であるが、デジタルスチルカメラの用途として、より広い画角が求められているということがあって、従来技術のままでは広角化も困難であった。即ち、具体的には、画角を広げると、像面の曲がりが大きくなるという問題や、接合レンズの厚みにおける部品のバラツキにより像面が倒れてしまい設計性能が量産で再現できないという問題等が発生するからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、65°以上の画角とF2.8程度の明るさを有すると共に収差が良好に補正された撮像レンズを、極めて低コストで提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明撮像レンズは、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた凹レンズの第1レンズと凸レンズの第2レンズとによって前レンズ群を構成すると共に、前レンズ群との間に絞りを挟んで凸レンズの第3レンズと凹レンズの第4レンズとの接合レンズ及び凸レンズの第5レンズとによって後レンズ群を構成し、第5レンズは少なくとも1の面を非球面によって構成し、fをレンズ全系の焦点距離、f2を第2レンズの焦点距離、n1を第1レンズの媒質のd線における屈折率、n3を第3レンズの媒質のd線における屈折率、n4を第4レンズの媒質のd線における屈折率、r6を第3レンズの物体側の面の曲率半径、r7を第3レンズと第4レンズとの接合面の曲率半径、r8を第4レンズの像側の面の曲率半径とすると、2.2<f2/f<3、1.58<ん1<1.73、0.04<n3−n4<0.15、0.8<|r6/r7|<1.25、0.7<r8/f<0.9の各条件を満足するようにしたものである。
【0013】
従って、65°以上の画角とF2.8程度の明るさを有する高性能な撮像レンズを低コストで実現することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明撮像レンズの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
撮像レンズ1は、図1に示すように、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた凹レンズの第1レンズL1と凸レンズの第2レンズL2とによって前レンズ群FGを構成し、該前群FGとの間に絞りIRを挟んで、凸レンズの第3レンズL3と凹レンズの第4レンズL4との接合レンズ及び凸レンズの第5レンズL5によって後レンズ群RGを構成したものである。
【0016】
また、撮像レンズ1は、前レンズ群FGと絞りIRとは位置が固定とされ、後レンズ群RGを一体的に移動させることによってフォーカシング調整を行うようにされている。尚、第5レンズL5と像面IMGとの間には、ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ等から成るフィルタFLが配設されている。
【0017】
撮像レンズ1は、上記したように、前レンズ群FGがアフォーカルに近い構成になっており、後レンズ群RGだけを繰り出してフォーカシング調整を行っても、球面収差の変動が少ないように考慮されている。尚、上記のように後レンズ群RGだけを可動にして前レンズ群FGを固定にすると、レンズ鏡筒を繰り出す必要がないので、使用者によって撮像レンズ1に外力が加えられた時でも、壊れにくくなるという利点がある。
【0018】
更に、撮像レンズ1は、
f:レンズ全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
n1:第1レンズの媒質のd線における屈折率、
n3:第3レンズの媒質のd線における屈折率、
n4:第4レンズの媒質のd線における屈折率、
r6:第3レンズの物体側の面の曲率半径、
r7:第3レンズと第4レンズとの接合面の曲率半径、
r8:第4レンズの像側の面の曲率半径
とすると、
2.2<f2/f<3(条件式1)
1.58<n1<1.73(条件式2)
0.04<n3−n4<0.15(条件式3)
0.8<|r6/r7|<1.25(条件式4)
0.7<r8/f<0.9(条件式5)
の各条件式を満足するようにされたものである。
【0019】
尚、撮像レンズ1は、上記第5レンズL5を、物体側と像側の両面が非球面によって構成されたプラスチック製レンズとし、
A1:第5レンズの物体側の面の4次の非球面係数、
A2:第5レンズの像側の面の4次の非球面係数、
B1:第5レンズの物体側の面の6次の非球面係数、
B2:第5レンズの像側の面の6次の非球面係数
とすると、
A1/A2<0(条件式6)
B1/B2<0(条件式7)
の各条件を満足するように構成することが望ましい。
【0020】
条件式1は、広角化に伴うメリディオナル像面の曲がりを補正するための条件を規定するものである。即ち、f2/fの値が下限を越えると、周辺部でメリディオナル像面がアンダー側に倒れてしまい、その補正が困難になる。また、f2/fの値が上限を越えると、歪曲収差と倍率色収差の補正が困難になる。
【0021】
ところで、前記従来の技術の欄で述べた、特開2001−21800号公報に記載された撮像レンズにおいては、第2レンズL2の媒質のアッベ数を40以上の低分散ガラス製として、条件式1の下限を越えた領域で使用してメリディオナル像面、歪曲収差及び倍率色収差のバランスを取るようにしていた。
【0022】
しかし、撮像レンズ1においては、第2レンズL2のアッベ数を40以下にし、第2レンズL2の屈折力を比較的弱く設定することによって、広角化を達成しながらメリディオナル像面、歪曲収差及び倍率色収差とのバランスをとることが可能になった。
【0023】
条件式2は、広角化に伴うサジタル像面の曲がりを補正するための条件を規定したものである。即ち、撮像レンズ1においては、適度なバックフォーカスとペッツバール和とを確保するために、第1レンズL1の屈折力が採り得る範囲にはあまり自由度がなく、特定の範囲内のもので決まってしまうということがあった。しかし、第1レンズL1の形状は、サジタル像面の曲がりと歪曲収差に大きな影響を及ぼすものである。従って、撮像レンズ1では、第1レンズL1の屈折率を条件式2の範囲内になるように規定して、広角化に伴うサジタル像面の曲がりを補正するようにした。
【0024】
尚、条件式2においては、第1レンズL1の屈折率n1が下限を越えると凹面の曲率が強くなって画面周辺部におけるサジタル像面の曲がりが大きくなって補正が困難になり、また、屈折率n1が上限を越えると、ペッツバール和を小さく抑えることが困難になってしまう。
【0025】
また、条件式5もサジタル像面の曲がりを補正する上で重要な要件を規定したものである。即ち、r8/fの値が下限を越えるとサジタル像面の曲がりが大きくなり、また、r8/fの値が上限を越えるとメリディオナル像面がアンダー側に倒れるのを補正できなくなってしまう。
【0026】
条件式3と条件式4は、撮像レンズ1の性能のバラツキを抑えるための条件を規定したものである。即ち、レンズ系の各構成要素が行程能力内でばらついた時、これが収差に及ぼす影響を調べると、第3レンズL3と第4レンズL4との接合レンズの合成厚みの変化によるメリディオナル像面の倒れが大きく、これによる周辺画質の変化により量産品の性能のバラツキが無視できない範囲になることが分かった。
【0027】
特開2001−21800号公報に記載された撮像レンズは、上記バラツキの要素を抱えていたが、画角が60°以下で使用する場合には顕著にならなかった。しかし、これは、撮像レンズ1のように画角を広げる上では致命的な欠点となる。
【0028】
そこで、第3レンズL3と第4レンズL4との接合レンズの接合面に、正の屈折力を持たせるために、屈折率の段差を付け(第3レンズL3と第4レンズL4の屈折率にある程度の差を持たせる)、接合面の曲率も強くすることによって、接合厚みのバラツキの影響が軽減されることが後述する撮像レンズ1の数値例によって確認できた。
【0029】
尚、条件式3においては、n3−n4の値が上限を超えると、既存の光学ガラスでは軸上色収差の補正が困難になる。また、条件式4において、|r6/r7|の値が上限を越えると、接合面から発生する球面収差とコマ収差大きくなって補正が困難になってしまう。
【0030】
次に、非球面を効果的に使用して、撮像レンズを高性能化することと、コストを低減することとを両立させる手段について説明する。
【0031】
特開2001−21800号公報に記載された撮像レンズにおいては、絞りに近い面と、絞りから遠くて主光線の光線高が高い面に非球面を導入して諸収差を補正するように構成されているので、高価なガラス製非球面モールドレンズを2枚使用しなければならず、製造コストが高くなるという欠点があった。
【0032】
しかし、撮像レンズ1においては、上記条件式1乃至5に規定された各条件を満たして諸収差を補正するようにして、第5レンズL5のみを非球面にするだけで十分な収差補正効果が得られるようにしたものである。従って、第5レンズL5をガラス製のモールドレンズとしても、第3レンズL3が非球面レンズでなくなった分だけコスト低減効果があるが、第5レンズL5をプラスチック製にすることで、更に大きなコスト低減効果を得ることができるようになる。
【0033】
尚、レンズをプラスチック製にした場合、プラスチックは屈折率がガラスに比べて比較的低いので収差補正には不利になるが、物体側及び像側の両面を非球面によって構成して設計の自由度を多くすることによって、高性能化と大幅なコスト低減を両立可能とした。尚、屈折率が低いプラスチック製レンズでガラス製モールドレンズ並の収差補正効果を得るためには、非球面形状は両面共、光軸から離れるに従って近軸球面の曲率よりも曲率が緩くなるような形状とすることが望ましい。
【0034】
また、成形によって非球面レンズを製造する際には、両面の光軸がずれたり倒れたりする製造誤差が避けられない。特に、両面が非球面によって構成されるレンズでは、両面の光軸のずれが収差の変化として大きな影響を与える場合がある。従って、第5レンズL5の製造に際しては、上記製造誤差に鈍感になるように、非球面形状を決定する際に注意することが必要である。
【0035】
非球面形状を近軸球面からのずれとして定義したとき、条件式6と条件式7を満足するように第5レンズL5を構成することによって、成型時の偏芯の影響を小さく抑えることが可能になる。
【0036】
条件式6は、球面収差、コマ収差及び非点収差の補正作用を第5レンズL5の両面に分担させるための条件を規定したものである。そして、第5レンズL5においては、屈折率の低いプラスチックでガラス並の効果を得るためには、物体側の面の4次の非球面係数A1と像側の面の4次の非球面係数A2とが異符号であることが必要である。また、物体側の面の6次の非球面係数B1と像側の面の6次の非球面係数B2とは同符号であっても第5レンズL5の設計は可能であるが、これらが同符号の場合、両面で発生する球面収差、コマ収差及び非点収差が打ち消し合って、レンズ全系としてしてバランスがとれる場合がある。このような設計においては、2つの非球面が相対的に偏芯したときに打ち消し合いのバランスが崩れて、レンズ全系の収差補正が破綻し易くなる。
【0037】
そこで、撮像レンズ1では、第5レンズL5の物体側の面の6次の非球面係数B1と像側の面の6次の非球面係数B2とを異符号にするという制約の中で、全レンズ系を最適化することで、両面非球面レンズである第5レンズL5の偏芯誤差に対して性能変化が鈍感な設計が容易にできるようにしたものである。
【0038】
次に、上記撮像レンズ1を具体化した数値実施例を示す。
【0039】
尚、以下の説明において、「ri」は物体側から数えてi番目の面及びその曲率半径であり、「di」は面riと面ri+1との間の面間隔であり、「ni」は物体側から数えてi番目の第iレンズLiを構成する材質のd線における屈折率であり、「νi」は第iレンズLiを構成する材質のアッベ数である。また、同様に、「nFL」及び「νFL」はフィルタFLを構成する材質のd線における屈折率及びアッベ数である。
【0040】
また、第5レンズL5の物体側の面r9及び像側の面r10は非球面によって構成されている。従って、第5レンズL5の物体側の面r9を「j=1」、像側の面r10を「j=2」とし、j面の非球面の深さを「xj」、光軸からの高さを「H」とすると、非球面の定義は、
xj=H2/rj{1+(1−H2/rj2)1/2}+AjH4+BjH6+CjH8+DjH10
で表されるものとする。
【0041】
表1に撮像レンズ1の各数値を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
また、表2に撮像レンズ1の焦点距離f、Fナンバー、画角(2ω)及び条件式に関連する第2レンズL2の焦点距離f2を示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表3に非球面によって構成される第5レンズL5の物体側の面r9及び像側の面r10の4次及び6次の非球面係数A1、A2、B1、B2を示す。
【0046】
【表3】
【0047】
図2に撮像レンズ1の球面収差図及び歪曲収差図をそれぞれ示す。尚、球面収差図においては、実線はd線(波長587.6nm)、破線はg線(波長435.8nm)、一点鎖線はC線(波長656.3nm)での値をそれぞれ示すものである。
【0048】
図3に撮像レンズ1の第3レンズL3及び第4レンズL4との接合レンズの合成厚みが変化した場合の非点収差図を示す。尚、各非点収差図において、実線はサジタル像面湾曲を、破線はメリディオナル像面湾曲をそれぞれ示すものである。
【0049】
即ち、図3(a)は表1に示す数値例(設計値)における値を示し、図3(b)は表1に示す数値例において面間隔d6及びd7を0.006fだけ厚くした場合での値、同様に、(c)は面間隔d6及びd7を0.006fだけ薄くした場合での値を示ものである。これらは、撮像レンズ1において、製造誤差によって第3レンズL3及び第4レンズL4との接合レンズの合成厚みが変化した時のメリディオナル像面の倒れの影響を表したものである。
【0050】
図2の球面収差図及び歪曲収差図からも明らかなように、撮像レンズ1は、球面収差及び歪曲収差がバランス良く補正され、また、図3(a)乃至図(c)の比較からも明らかなように、撮像レンズ1においては、製造誤差によって第3レンズL3及び第4レンズL4との接合レンズの合成厚みが変化してしまった場合でも、メリディオナル像面の倒れが軽減されるため、その周辺画質への影響は十分無視できる範囲内となることが判る。
【0051】
以上に記載したように、撮像レンズ1は、4群5枚の少ない枚数のレンズで構成すると共に、高価に成りがちな非球面が1枚のプラスチック製レンズに集約して構成したものである。従って、撮像レンズ1は、極めて安価に製造可能で、70°以上の広い画角をカバーし、F2.8と明るく、製造誤差が画質に与える影響が極めて小さいので、高画質なデジタルスチルカメラの高い要求性能を満たすことが可能であり、しかも、後レンズ群RGを移動させるリアフォーカシング方式の採用によって外力にも強いものである。
【0052】
尚、前記実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したところから明らかなように本発明撮像レンズは、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた凹レンズの第1レンズと凸レンズの第2レンズとによって前レンズ群を構成すると共に、前レンズ群との間に絞りを挟んで凸レンズの第3レンズと凹レンズの第4レンズとの接合レンズ及び凸レンズの第5レンズとによって後レンズ群を構成し、第5レンズの少なくとも1の面を非球面によって構成し、fをレンズ全系の焦点距離、f2を第2レンズの焦点距離、n1を第1レンズの媒質のd線における屈折率、n3を第3レンズの媒質のd線における屈折率、n4を第4レンズの媒質のd線における屈折率、r6を第3レンズの物体側の面の曲率半径、r7を第3レンズと第4レンズとの接合面の曲率半径、r8を第4レンズの像側の面の曲率半径とすると、2.2<f2/f<3、1.58<n1<1.73、0.04<n3−n4<0.15、0.8<|r6/r7|<1.25、0.7<r8/f<0.9の各条件を満足するようにしたことを特徴とするものである。
【0054】
従って、本発明撮像レンズにあっては、広画角を有し、明るく、しかも、製造誤差が画質に与える影響を小さくした高性能な撮像レンズを極めて安価に提供することができる。
【0055】
請求項2に記載された発明にあっては、前レンズ群と絞りとは位置を固定とし、後レンズ群を一体的に移動させることによってフォーカシング調整を行うようにしたので、外力に強い撮像レンズとすることができる。
【0056】
請求項3に記載した発明にあっては、第5レンズを、両面が非球面のプラスチック製レンズによって構成し、A1を第5レンズの物体側の面の4次の非球面係数、A2を第5レンズの像側の面の4次の非球面係数、B1を第5レンズの物体側の面の6次の非球面係数、B2を第5レンズの像側の面の6次の非球面係数とすると、A1/A2<0、B1/B2<0の各条件を満足するようにしたので、製造誤差が画質に与える影響を更に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態における撮像レンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図2】球面収差及び歪曲収差を示す図である。
【図3】接合レンズの厚みの変化に伴う非点収差の変化を示す図である。
【符号の説明】
1…撮像レンズ、FG…前レンズ群、RG…後レンズ群、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L4…第4レンズ、L5…第5レンズ、IR…絞り
Claims (3)
- 物体側より順に、像側に強い凹面を向けた凹レンズの第1レンズと凸レンズの第2レンズとによって前レンズ群が構成されると共に、該前レンズ群との間に絞りを挟んで凸レンズの第3レンズと凹レンズの第4レンズとの接合レンズ及び凸レンズの第5レンズとによって後レンズ群が構成され、
上記第5レンズは少なくとも1の面が非球面によって構成され、
以下の各条件を満足するようにされた
ことを特徴とする撮像レンズ。
2.2<f2/f<3
1.58<n1<1.73
0.04<n3−n4<0.15
0.8<|r6/r7|<1.25
0.7<r8/f<0.9
但し、
f:レンズ全系の焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
n1:第1レンズの媒質のd線における屈折率、
n3:第3レンズの媒質のd線における屈折率、
n4:第4レンズの媒質のd線における屈折率、
r6:第3レンズの物体側の面の曲率半径、
r7:第3レンズと第4レンズとの接合面の曲率半径、
r8:第4レンズの像側の面の曲率半径
とする。 - 前レンズ群と絞りとは位置が固定とされ、
後レンズ群を一体的に移動させることによってフォーカシング調整を行うようにされた
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。 - 第5レンズは、両面が非球面のプラスチック製レンズによって構成され、
以下の各条件を満足するようにされた
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
A1/A2<0
B1/B2<0
但し、
A1:第5レンズの物体側の面の4次の非球面係数、
A2:第5レンズの像側の面の4次の非球面係数、
B1:第5レンズの物体側の面の6次の非球面係数、
B2:第5レンズの像側の面の6次の非球面係数
とする。
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