JP4741880B2 - Dcブラシレスモータ - Google Patents
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Description
図6はインナーロータ型のDCブラシレスモータであって、ステータ(固定子)1とロータ(回転子)5とにより構成され、そのステータ1は、内壁にスロット2を介して等間隔に歯部(ティース)3が配置されるとともに各歯部3にコイル4が巻装され、ロータ5は、ロータコア6の外周に複数の永久磁石7の磁極を取り付け、その磁極N,Sをステータ1の前記歯部3の内周に対面状に配置して回転可能に組み付けた構造である。
このブラシレスモータは、ロータ5の磁極N,Sの位置に対応して回転磁界が生ずるようにコイル4の通電を制御することにより運転、つまりロータ5を回転させるものである。
しかるに、回転するロータ5の磁極N,Sの境界部が前記磁束の高密度部分を横切るたびに磁束横切り音(コギング音又は電気音)が発生し、それがモータの運転中に連続して発生し続けるために、マンションの自動ドア用駆動モータとして使用する場合など設置場所によっては不快音の原因となる不具合があった。
また、本発明は、上記課題を解決するために講じる手段によって新たに生じる問題点、詳しくはモータの発熱および出力トルクの低下を解消することを目的とする。
それにより、ステータの各歯部のエッジ内面が薄肉円筒によって覆われるので、それら各エッジからロータ側へ向かう磁束密度が弱まり高密度化が抑制されて不快音の発生を防止できる。
そこで、上記薄肉円筒が、長さ方向へ複数に分割された短筒の集合であるとともにその短筒間に空隙を設けて配置されているようにすることが最適である。それによれば、空隙の介在により短筒間が絶縁されて、各短筒に発生する渦電流が分断されるので、全体として大きな渦電流の発生を防止することができる。
そこで、モータ出力の低下を最小とするために、上記各短筒には、対面するスロット入口部近傍を残して窓孔を開口する構成とすることが好ましい。すなわち、磁束の高密度部分となる歯部の各スロット入口部近傍は、その内面を薄肉円筒(短筒)により最大限に覆い、歯部の主面部は、その内面を窓孔により開放しておくようにする。それによれば、歯部の主面部からロータ側へ向かう磁束密度の弱まりを防止できる。
この螺旋筒とすることにより、歯部のエッジ内面を適度に覆うことができるとともにらせん溝が空隙となって大きな渦電流の発生を阻止して発熱の抑制が可能である。
そして、薄肉円筒を装着したことにより発生する渦電流の増大化を防ぐので、モータの発熱を抑制することができて耐久性を確保することができる。
また、薄肉円筒(短筒)に開口した窓孔によってステータの各歯部の主面部からロータ側へ向かう磁束密度の弱まりを防ぐので、モータ出力の低下を抑制して実用上の出力を確保することができる。
図1〜図3は第1実施例を示し、その図2から理解されるように、基本構造は背景技術で説明した従来モータの基本構造(図6参照)と同一であるので、それらと同一部材は同一の符号を付して詳細説明を省略する。つまり、第1実施例は、図6の基本構造に薄肉円筒である短筒10a,10b,10cを付設したものである。
なお、図1において、符号8はロータコア6に固着したモータ軸、符号9はモータハウジングであり、ロータ5の磁極N,Sの位置を検出するホール素子については図示を省略している。
この短筒10a,10b,10cは、それぞれをステータ1内に圧入することにより歯部3の内周面に嵌合し、必要に応じて接着剤を介して歯部3の内周面に接合一体的に取り付ける。そして、各短筒間は離間した状態に配置、すなわち短筒10aと短筒10bとの間および短筒10bと短筒10cとの間にそれぞれ空隙Cを設けて配置するようにする。
また、各短筒間に設けた空隙Cにより短筒10a,10b,10cが離間しており、それによって各短筒10a,10b,10cに発生する渦電流が分断されるので、大きな渦電流の発生を防止して鉄損による発熱を最小に抑制することができる。
短筒20a,20b,20cは、第1実施例の短筒10a,10b,10cと同質で、ステータ1への装着方法も同様であるが、各短筒10a,10b,10cには、それぞれに所定間隔をおいて窓孔21a,21b,21cを開口する。詳しくは、ステータ1の各歯部3の主面部3aに対向する部分に窓孔21a,21b,21cを開口し、隣り合う歯部3のエッジ3b,3b部分、換言すれば、スロット入口部2aの近傍に対向する部分は覆い部22a,22b,22cとして各窓孔21a,21b,21cの間に残した構造である。
螺旋筒30は、磁性材からなる細帯薄板を図5(b)に示すように螺旋状に形成したものであり、その螺旋部ごとにらせん溝31が介在する形態である。
この螺旋筒30は、図示しないガイド棒を使用して縮径方向に巻き込むことにより外径を細くした状態にし(図5(a)参照)、その状態を保持したままステータ1内の所定位置に差し込み、その後に螺旋筒30自体の復元力により拡径させることによりステータ1の歯部3の内周面に圧接させ、必要に応じ接着剤を塗布して歯部3の内周面に接合一体的に取り付ける。
3:歯部 3a:主面部 3b:エッジ
4:コイル 5:ロータ 7:永久磁石
10a,10b,10c:短筒
20a,20b,20c:短筒
21a,21b,21c:窓孔
22a,22b,22c:覆い部
30:螺旋筒 31:らせん溝 C:空隙
Claims (2)
- 内壁にスロットを介して等間隔に歯部が配置され各歯部にコイルが巻装されたステータと、前記歯部の内周に配置される複数の永久磁石の磁極を有するロータとを含むDCブラシレスモータにおいて、薄肉磁性材からなる薄肉円筒を前記歯部の内周面に接合して装着し、その薄肉円筒が、長さ方向へ複数に分割された短筒の集合であるとともにその短筒間に空隙を設けて配置されていることを特徴とする自動ドア駆動用DCブラシレスモータ。
- 上記各短筒には、対面するスロット入口部近傍を残して窓孔を開口したことを特徴とする請求項1記載の自動ドア駆動用DCブラシレスモータ。
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