JP4739984B2 - 光波長選択型可変adm装置およびそれを用いた波長多重光通信システム - Google Patents
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Description
光ファイバーネットワークが広く導入されることにより利用者が増加し、これに伴うトラフィック量の増加が予想される。このため、波長分割多重方式を用いた時、多重されている波長によるトラフィックの偏りが生じることがある。このようなトラフィックの偏りを解消するために、一般には、光装置に対するコネクタの配置変更などの手動のつなぎ換えや光スイッチによる配線状態の変更や光クロスコネクト装置の使用により対処される。このような方法は、現在の家庭やオフィスなどのアクセスネットワークと比較して大量、かつ変動の少ないトラフィックを扱うため切り換え回数の頻度が少ない条件で使用される日本中を結ぶバックボーンネットワークのDWDM(Dense WDM)方式を採用しているネットワークで用いられる。
さらに、現状のトラフィック制御では、パケットの送出量の制御が行われているが、スター型の場合、必ず、上位システムを経由することになり、この端末と上位ルータの専用線によって情報量が制限されるという問題もある。
また、光波長選択型可変ADM装置を用いて、光リング型ネットワークの波長多重光通信システムを構成することにより、光リング型ネットワークに接続されたノード間の通信について上位システムを経由することなく、効率的に制御可能な波長多重光通信システムを提供する。
また、本発明にかかる光波長選択型可変ADM装置を用いた波長多重光通信システムでは、光リング型ネットワーク形態を採用していることからスター形態を採用しているシステムとは異なった制御を行う。すなわち、光リング型ネットワークは、情報が循環するような形態であるため、光リング型ネットワーク内の通信ではエッジノードとは関係なしに信号のやり取りができ、さらには、本発明にかかる光波長選択型可変ADM装置において使用する情報量に応じて、割り当てる波長数を変えることにより帯域の調整が可能である。
なお、上述の構成は、入力される波長の数を4とした例であるが、使用される波長数が増減しても同様に構成され、波長合波器14と波長分波器16の端子数、および、光スイッチ12の数を増減させることで対応することができる。また、光信号はIP伝送され、パケットのルーティングは、ルーティング処理手段の機能を有するレイヤ3スイッチが行う。
ここで、遠隔制御手段としてレイヤ3スイッチに接続されたコンピュータ(図示せず)により該光波長選択型可変ADM装置10,110,210を通過する波長毎のトラフィックを計測し、これにより、光波長選択型可変ADM装置10,110,210に関する波長数の割り当てを行うようにしてもよい。すなわち、たとえば、レイヤ3スイッチに接続されたコンピュータにより計測されたトラフィックの情報を遠隔のコンピュータ40に送信することにより、光波長選択型可変ADM装置10,110,210を遠隔操作するようにしてもよい。
上述の構成では、光波長選択型可変ADM装置10,110,210の入力波長の切り換えは、光波長選択型可変ADM筐体30に備えられたスイッチや外部から遠隔制御手段であるコンピュータ40を通じて制御信号を送信することで制御するとしたが、それらに限られず、本発明にかかる光波長選択型可変ADM装置10,110,210が、レイヤ3スイッチに内蔵され、レイヤ3スイッチの制御信号により光スイッチ12が制御されるようにしてもよい。
波長多重光通信システム50は、上位の通信システムである光リング型ネットワーク52と下位の通信システムとを接続するための複数のノード(一般ルータ、光波長選択型可変ADM装置、光トランシーバ等で構成)54a,54b,54c,54d,54e,54fにより構築される。また、光リング型ネットワーク52には、さらに上位の通信システムと接続するためのエッジノード(メインルータ、光波長選択型可変ADM装置、光トランシーバ等で構成)56が接続されている。ここで、各ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fの近傍に記載されているλ11等は、各ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fにおいて、使用される光信号波長を示している。
光リング型ネットワーク52に接続された複数のノード54a,54b,54c,54d,54e,54fは、上述した、たとえば、光波長選択型可変ADM装置10を含んで構成される。光波長選択型可変ADM装置10には、上位の通信システムから入力された波長分割多重光信号を複数の波長の光信号を分波する波長分波器16と、波長分波器16により分波された複数の波長の光信号を合成して波長分割多重光信号を生成して上位の通信システムに出力する波長合波器14とを含んでおり、該分波された波長の光信号について、分岐して下位の通信システムに出力し、下位の通信システムから入力された同一の波長の光信号を挿入して波長合波器14に供給するか、または下位の通信システムに分岐・挿入させることなく通過させて波長合波器14に供給するかを切り換える光スイッチ12を含んで構成されている。光スイッチ12を入力波長毎に独立に切り換えることにより、光波長選択型可変ADM装置10を含む各ノードにおける入力波長の状態を調整することが可能となり、光リング型ネットワーク52に接続されている各ノードにおけるデータのトラフィックの量を制御することができる。
また、光リング型ネットワーク52内のすべての光波長選択型可変ADM装置10における光スイッチ12等の制御によって共通の波長を1つ以上設定することで、光リング型ネットワーク52内に接続されたすべての光波長選択型可変ADM装置10間における通信が可能となる。
すなわち、上記目的は、光リング型ネットワーク52に接続される複数のノード54a,54b,54c,54d,54e,54fを流れるデータの量を計測することで、行われる。すなわち、特定のノード間、たとえば、ノード54aとノード54bとの間において、特にデータの通信量が増加していることが、計測された場合に、ノード54aとノード54bとの間に共通波長(たとえば、光信号波長λ11等)を割り振るように光波長選択型可変ADM装置10の光スイッチ12を制御することで達成され、結果、光リング型ネットワーク50におけるトラフィックを効率よく使用することが可能となる。
加えて、光リング型ネットワーク52に接続された複数のノード54a,54b,54c,54d,54e,54fに含まれる光波長選択型可変ADM装置10について、それぞれの下位の通信システムのトラフィックに応じた波長の光波長選択型可変ADM装置10を用いることより、より光リング型ネットワーク52の使用効率を高めることができる。
波長多重光通信システム60は、上位の通信システムである光リング型ネットワーク52と下位の通信システムとを接続するための複数のノード54a,54b,54c,54d,54e,54fにより構築される。また、光リング型ネットワーク52には、さらに、上位の通信システムと接続するためのエッジノード56が接続されている。
ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fには、ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fに設定された波長ごとのトラフィック量を監視・計測するためのトラフィック監視装置62a,62b,62c,62d,62e,62fが接続されている。また、エッジノード56には、トラフィック監視装置62a,62b,62c,62d,62e,62fにおいて監視・計測された波長ごとのトラフィック量の情報を収集し、それらの情報を表示する機能を有する主トラフィック監視装置64が接続されている。
トラフィック監視装置62a,62b,62c,62d,62e,62fおよび主トラフィック監視装置64には、各々監視・計測された波長ごとのトラフィック量の状況が、たとえば、表示モニタに表示されることで、各ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fにおけるトラフィック量の状況が視覚的に把握できるように構成されている。
以下、トラフィック制御として2つの制御方法の例を示す。第1の制御方法は、トラフィック量を計測し、その計測値に基づき光波長選択型可変ADM装置10,110,210の波長切り換え光スイッチのオンオフ、つまり、波長の使用不使用の制御を行うものである。第2の制御方法は、光リング型ネットワーク52内にパケットが入った時点で、パケットのあて先IPアドレスを調べ、そのあて先IPアドレスを持つ装置が光リング型ネットワーク52の内側にあるか光リング型ネットワーク52の外側にあるかを判断し、後に示す条件別のアルゴリズムにより波長切り換え光スイッチの制御を行うものである。
この制御方法は、定期的に波長毎のトラフィック量を計測し、トラフィック量が所定量を超えているかどうかの判断を行うものである。すなわち、すべてのノード54a,54b,54c,54d,54e,54fについて波長毎のトラフィック量を計測し、全ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fのすべての波長についてのトラフィック量の総計を算出する(S100)。そして、波長毎にトラフィック量が所定量を超えているかどうかを調べる(S102)。すべての波長で所定量を超えていない場合は、波長の使用不使用を決定するオンオフスイッチの切り換えをせず、そのまま終了する(S104)。
波長毎のトラフィック量の総量が所定量を超える波長が存在する場合は、以上の工程を繰り返し、トラフィック量が所定量を超える波長がなくなるようトラフィック制御を行う(S114)。
固定波長は、比較的、定められた帯域の範囲内において使用されるものであり、エッジノードとの情報の送受信を主としており、その波長を利用しているノードが少ない。
他方、共通波長は、光リング型ネットワーク52内での通信を主とすることから、使用するノード数も多く、共通波長しか使えない情報も存在し、所定量は、固定波長より低く設定される。よって、共通波長の所定量の設定値は、その波長を利用しているノード数にも影響される。
たとえば、1日での変化を見る場合、データ取得時間、スイッチの状態、トラフィック量をパラメータとし、強化学習、ニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムなどのアルゴリズムを利用することにより、切り換え発生時間と各光波長選択型可変ADM装置の波長スイッチの状態を学習させ、求められた切り換え時間を基にトラフィック制御を行うことができる。また、このアルゴリズムによる予測と同時にその時間におけるトラフィック量の情報を得ることにより、トラフィック量の変動と予測切り換え時間、もしくは、切り換え波長に相違が生じた場合には、これらの情報をフィードバックし、予測切り換えの時間を修正することが可能であり、加えて、予測量からある一定範囲以上の変動を検知した時点でフィードフォーワード制御を行い、波長の切り換えを行うことも可能である。また、このような状況が生じた時、ネットワーク管理者に通報する設定を行うことも可能である。なお、得られるトラフィック量のデータ計測間隔は、任意に設定を行うことが可能である。
この制御方法は、ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fを通過するパケットのあて先IPアドレスとその時点のトラフィック量に着目し、ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fに入ってきたパケットのあて先IPアドレスに基づいて光リング型ネットワーク52における内外いずれに送信されるものかを判別し、固定波長と共通波長の使い分けによりトラフィック制御を行うものである。
まず、ノード54a,54b,54c,54d,54e,54fにおいてパケットを受信し(S200)、あて先IPアドレスを持つ装置が光リングネットワーク52内に接続されたノード54a,54b,54c,54d,54e,54f下に存在するか否かを判定する(S202)。あて先IPアドレスを持つ装置が光リング型ネットワーク52の外側の場合、つまり、エッジノード56を経由してパケットが光リング型ネットワーク52外側に送出される場合は、固定波長を割り当て、あて先IPアドレスを持つ装置が光リング型ネットワーク52内側に接続されたノード54a,54b,54c,54d,54e,54f下である場合は、共通波長を割り当てることを原則とする。
あて先IPアドレスを持つ装置がリングの外側に存在する場合には、使用されている固定波長のトラフィック量が所定量を超えているか否かを調べる(S204)。いずれかの固定波長のトラフィック量が所定量を超えていない場合は、その固定波長を割り当てる(S206)。
いずれの固定波長のトラフィック量も所定量を超えている場合は、共通波長のトラフィック量を所定量と比較する(S208)。いずれかの共通波長のトラフィック量が所定量より小さい場合は、その共通波長を割り当てる(S210)。一方、いずれの共通波長のトラフィック量も所定量よりも大きい場合は、使用されていない波長(すなわち、トラフィック量が0の波長)の有無を判断する(S212)。使用されていない波長がある場合は、新しい波長が割り当てられ(S214)、使用されていない波長がない場合には、共通波長が割り当てられる(S216)。
共通の固定波長がある場合は、使用されている固定波長のトラフィック量が所定量を超えているか否かを調べる(S222)。いずれかの固定波長のトラフィック量が所定量を超えていない場合は、その固定波長を割り当てる(S224)。
いずれの固定波長のトラフィック量も所定量を超えている場合は、共通波長のトラフィック量を所定量と比較する(S226)。いずれかの共通波長のトラフィック量が所定量より小さい場合は、その共通波長が割り当てられる(S228)。一方、いずれの共通波長のトラフィック量も所定量よりも大きい場合は、使用されていない波長(すなわち、トラフィック量が0の波長)の有無の判断がなされる(S230)。使用されていない波長がある場合は、新しい波長が割り当てられ(S232)、使用されていない波長がない場合には、共通波長が割り当てられる(S234)。
また、トラフィック量を意図して手動で制御したい時には、自動モードから手動モードに切り換え手動で波長スイッチの切り換えを可能にしてもよい。
12 光スイッチ
14 波長合波器
16 波長分波器
18 スイッチ信号
20 光結合器
22 波長選択フィルタ
30 光波長選択型可変ADM筐体
32 下位リング用入力光コネクタ
34 下位リング用出力光コネクタ
36 レイヤ3スイッチ側光入出力コネクタ
38 波長切り換えスイッチ
40 コンピュータ
42 接続ケーブル
50、60 波長多重光通信システム
52 光リング型ネットワーク
54a、54b、54c、54d、54e、54f ノード
56 エッジノード
62 トラフィック監視装置
64 主トラフィック監視装置
Claims (6)
- 上位の通信システムから入力された波長分割多重光信号から、特定の波長の光信号を通過させるための複数の波長選択フィルタと、
前記波長選択フィルタにより選択された各波長の光信号について、下位の通信システムから入力された光信号を混合して前記波長選択フィルタを介して上位の通信システムに出力する複数の光結合器と、
前記波長選択フィルタを通過した各波長の光信号について、下位の通信システムに出力するか、前記光結合器に供給するかを切り換える複数の光スイッチとを備え、
上位の通信システムの波長分割多重光信号に含まれる複数の波長の光信号から任意の波長の光信号を組み合わせて下位の通信システムに分岐・挿入させることができるようにしたことを特徴とする、光波長選択型可変ADM装置。 - 前記光スイッチは、筐体に備えられたスイッチにより制御されることを特徴とする、請求項1に記載の光波長選択型可変ADM装置。
- 請求項1または請求項2に記載の光波長選択型可変ADM装置を複数の下位の通信システムと接続する各ノードに用いた光リング型ネットワークにおける波長多重光通信システムであって、
前記光リング型ネットワーク内の波長分割多重光信号に含まれる各波長の光信号のトラフィックの偏在に応じて、下位の各通信システムに分岐・挿入する波長を選択する制御手段を備えたことを特徴とする、波長多重光通信システム。 - 無線回線もしくは公衆回線を介して前記光波長選択型可変ADM装置の光スイッチを遠隔制御する遠隔制御手段を備えたことを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光通信システム。
- 前記制御手段は、特定のノード間において共通の波長で通信できるように前記光波長選択型可変ADM装置の光スイッチを制御する機能を有することを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光通信システム。
- 前記各ノードには、上位または下位の通信システムとのルーティング処理手段が備えられ、
前記制御手段は、前記ルーティング処理手段により、前記各光波長選択型可変ADM装置の光スイッチを制御する機能を有することを特徴とする、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の波長多重光通信システム。
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