JP2004153307A - 光分岐挿入装置 - Google Patents

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Kazuhiro Noguchi
一博 野口
Takashi Go
隆司 郷
Tetsuo Takahashi
哲夫 高橋
Masabumi Koga
正文 古賀
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Abstract

【課題】従来構成の光分岐挿入装置では挿入側インタフェース部の波長が固定されているため、光パスを自由に移設することができない。本発明は、このような問題を解決するために、光レベルでパスの変更が可能な光分岐挿入装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、入力ポート及び挿入ポートからの信号光を任意の出力ポート又は分岐ポートに方路変更できる光分岐挿入スイッチと、第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、方路を設定する光マトリクススイッチと、ネットワークに対してどの波長の信号光で出力するかを設定する波長変換部と、を利用して光レベルでパスの変更を行う。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重ネットワークにおいて信号光を挿抜する光分岐挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光分岐挿入装置の適用される光分岐挿入型リングネットワークの構成を図1に示す。図1において、81は光分岐挿入装置、82は各光分岐挿入装置を接続する光伝送路、83はネットワークの外から各光分岐挿入装置にアクセスする光又は電気の挿入側信号、84は各光分岐挿入装置からネットワークの外に送出される光又は電気の分岐側信号である。複数の光分岐挿入装置81は光伝送路82で接続され、リングネットワークを構成している。
【0003】
光分岐挿入装置81に入力された光又は電気の挿入側信号は、当該光分岐挿入装置81においてネットワーク内を伝達するのに適切な信号光に変換された後、波長多重された信号光として光伝送路82に送出される。当該波長多重された信号光は光伝送路82を伝達して隣接する光分岐挿入装置に入力する。当該隣接する光分岐挿入装置では、当該波長多重された信号光から目的の信号光が分波され、分岐側信号83として出力される。図1では、光伝送路の向きは反時計回りだけが記載されているが、信頼性向上のために、時計回りの光伝送路も用いたネットワークもある。
【0004】
従来の光分岐挿入装置の構成(例えば、特許文献1参照。)を図2に示す。図2は片方向回りの光伝送路を使用する場合の装置構成を示している。図2において、83はネットワークの外から各光分岐挿入装置にアクセスする光又は電気の挿入側信号、84は各光分岐挿入装置からネットワークの外に送出される光又は電気の分岐側信号、91は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光を伝達する光伝送路、92は波長多重された信号光を分離する光分波器、93は光信号を挿入したり分岐したりする光分岐挿入スイッチ、94は異なる波長の信号光を波長多重する光合波器、95は隣接する光分岐挿入装置に波長多重された信号光を伝達する光伝送路、96はネットワークの外から入力される信号を、ネットワークを伝達する光信号に変換する挿入側インタフェース部、97はネットワーク内を伝達する信号光をネットワークの外に出力する分岐側インタフェース部である。
【0005】
光分岐挿入スイッチ93−1乃至93−4は2×2の光分岐挿入スイッチである。その構成を図3に示す。図3において、93は光分岐挿入スイッチ、98−1は入力ポート、98−2は挿入ポート、98−3は出力ポート、98−4は分岐ポートである。この光分岐挿入スイッチは2つの結合状態を持つ。即ち、through結合とadd & drop結合である。through結合では入力ポート98−1と出力ポート98−3が結合され、add & drop結合では挿入ポート98−2と出力ポート98−3とが結合され、入力ポート98−1と分岐ポート98−4とが結合される。
【0006】
図2において、各光分岐挿入スイッチ93の入力ポートには、光分波器92の出力線が接続され、挿入ポートには挿入側インタフェース部96が接続される。挿入側インタフェース部96には挿入側信号83が入力される。各光分岐挿入スイッチ93の出力ポートは、光合波器94の入力線に接続され、分岐ポートは、分岐側インタフェース部97に接続される。分岐側インタフェース部97からは分岐側信号84が出力される。
【0007】
波長多重された信号光が第一の光伝送路91を介して、光分岐挿入装置に入力されると、必要な場合は前置増幅器によって増幅される。ここでは、前置増幅器は図示していない。増幅された信号光は光分波器92によって個々の波長の信号光に分離される。分離された信号光は、その波長に従って光分岐挿入スイッチ93の1つに入力される。光分岐挿入スイッチ93がthrough結合のときは、入力された信号光は光合波器94に出力され、他の光分岐挿入スイッチからの信号光と多重されて、第二の光伝送路95に送信される。必要であれば、後置光増幅器で増幅される。ここでは、後置増幅器は図示していない。光分岐挿入スイッチ93がadd & drop結合のときは、光分波器92から光分岐挿入スイッチ93に入力された信号光は分岐側インタフェース部97に出力され、ネットワークの外に伝達される。また、挿入側インタフェース部96から光分岐挿入スイッチ93に入力された信号光は、光合波器94に出力され、他の光分岐挿入スイッチからの信号光と多重されて、第二の光伝送路95に送信される。
【0008】
光分波器92の各出力線から出力される信号光の波長、及び光合波器94の各入力線に入力される信号光の波長は固定されており、固定された波長以外の波長を持つ信号光は伝達することができない。例えば、図2において光分岐挿入スイッチ93−1に接続する光分波器92の出力線からの信号光の波長をλ1とすれば、光分岐挿入スイッチ93−1が接続する光合波器94の入力線に入力できる信号光の波長はλ1でなければならないため、光分岐挿入スイッチ93−1を介して分岐挿入できる信号光の波長はλ1に限定され、他の波長は分岐挿入することができない。λ1と異なる波長の信号光は該当する光分岐挿入スイッチ93を介して分岐挿入されなければならない。従って、それぞれの挿入側インタフェース部96から光分岐挿入スイッチ93に出力する信号光の波長は、接続する光分岐挿入スイッチによって決定され、それ以外の波長に変更することは不可能である。
【0009】
ネットワーク内の光分岐挿入装置間に新規に光パスを設定する場合に、当該光分岐挿入装置間を結ぶ経路の途中にある既設の光パスの波長を変更することが必要な場合がある。光パスの変更例を図4に示す。図4はλ1乃至λ4の波長を収容可能なリングネットワークの一部を示している。図4において、81−1乃至81−4は光分岐挿入装置、白丸は光パスの始点、黒丸は光パスの終点である。図4(1)では、光分岐挿入装置81−1から81−3までλ1の光パス、光分岐挿入装置81−2から81−3までλ2の光パス、光分岐挿入装置81−2から81−4までλ3の光パス、光分岐挿入装置81−3から81−4までλ4の光パスが設定さている。この状態では光分岐挿入装置81−1から81−4まで新規に光パスを設定する余裕がない。そこで、図4(2)に示すように、光分岐挿入装置81−3と81−4を接続している波長λ4の光パスを、当該区間で未使用となっている波長λ2の光パスに移設することにより、光分岐挿入装置81−1から81−4までの光パスを確保できる。その結果、図4(3)に示すように、光分岐挿入装置81−1から81−4まで波長λ4の光パスを設定することができる。
【0010】
しかし、既設の光パスを異なる波長に移設する必要が生じた場合に、従来構成の光分岐挿入装置では挿入側インタフェース部の波長が固定されているため、光パスを移設することができない。実効的に信号の流れを変更するためには、挿入側インタフェース部の前段と分岐側インタフェース部の後段に、電気信号で行うクロスコネクト機能を新設して、電気信号でパスの入れ替えを行わなければならない。しかし、近年は信号光の速度が高速であり、高速の時間スイッチや空間スイッチの実現が困難であるため、高速の電気信号でクロスコネクト機能を実現することができない。電気信号でクロスコネクトを行う替わりに、手動で接続線を変更することも考えられる。しかし、手動変更では遠隔制御もできず、また、ネットワークの制御保守に多大の稼動を要する。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−354006号公報 (第(7)頁〜第(8)頁、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、光レベルでパスの変更が可能な光分岐挿入装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本願第一発明は、入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第一の光マトリクススイッチと、前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光に変換して前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートに出力する挿入側インタフェース部と、前記第一の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換して前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートに出力する波長変換部と、前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置である。
【0014】
本願第二発明は、入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートの接続した任意の出力ポートに入力ポートを結合させる第一の光マトリクススイッチと、前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光に変換して出力する挿入側インタフェース部と、該挿入側インタフェース部からの信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換して前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートに出力する波長変換部と、前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置である。
【0015】
本願第三発明は、入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートの接続した任意の出力ポートに入力ポートを結合させる第一の光マトリクススイッチと、前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光であって任意の波長で前記第一のマトリクススイッチの入力ポートに出力する挿入側信号変換部と、前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置である。
【0016】
本願第四発明は、本願第一乃至第三発明の光分岐挿入装置において、前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートの数が出力ポートの数よりも少なく、且つ前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートの数が入力ポートの数よりも少ないことを特徴とする光分岐挿入装置である。
【0017】
本願第五発明は、本願第一乃至第四発明の光分岐挿入装置において、前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、2次元MEMS又は3次元MEMSで構成されていることを特徴とする光分岐挿入装置である。
【0018】
本願第六発明は、本願第一乃至第四発明の光分岐挿入装置において、前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、石英導波路型光スイッチで構成されていることを特徴とする光分岐挿入装置である。
【0019】
本願第七発明は、本願第一乃至第四発明の光分岐挿入装置において、前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、導波路がクロス状に交叉された叉点であって、信号光を通過させるか、又は交叉する導波路に結合させるかを切り替える叉点を有することを特徴とする光分岐挿入装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図5に示す。図5は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図5において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd & drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、16はネットワークの外から入力される信号を光伝送路で伝達される信号光に変換する挿入側インタフェース部、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、20は信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換する波長変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのn×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。波長変換部20の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0021】
図5において、第一の光伝送路11を伝達してきた波長多重信号光は、光分波器12で波長毎に分波して出力線から出力される。一方、挿入側インタフェース部16に入力された挿入側信号は光伝送路で伝達される信号光に変換される。変換された信号光は第一のマトリクススイッチ21で所定の波長変換部20に方路設定される。波長変換部20は接続される光分岐挿入スイッチ13に応じて変換する波長が設定されている。つまり、挿入側インタフェース部16からの信号光をどの波長に変換するかによって、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。光分波器12から出力された信号光は、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の入力ポートに入力され、波長変換部20から出力された信号光も、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の挿入ポートに出力される。光分岐挿入スイッチ13がthrough結合のときは、入力ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光分岐挿入スイッチ13がadd & drop結合のときは、入力ポートからの信号光は分岐ポートを経て第二の光マトリクススイッチ22に出力され、挿入ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光合波器14に入力された光分岐挿入スイッチ13の出力ポートからの信号光はそれぞれ異なる波長のため、これらの信号光は合波されて第二の光伝送路15に送出される。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。分岐側インタフェース部17では分岐側信号に変換して出力する。
【0022】
このような構成とすることにより、第一の光マトリクススイッチ21と波長変換部20によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0023】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、挿入側インタフェース部16の数、分岐側インタフェース部17の数、波長変換部20の数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ同じ4としている。この結果、光分波器12の総ての出力線からの信号光を光合波器14の入力線に出力することが可能であり、さらに、総ての挿入側インタフェース部16からの信号光を波長変換して光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の総ての出力線からの信号光を分岐側インタフェース部17から出力することが可能となる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。
【0024】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルで自由にパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。
【0025】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図6に示す。図6は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図6において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd & drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、16はネットワークの外から入力される信号を光伝送路で伝達される信号光に変換する挿入側インタフェース部、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、20は信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換する波長変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのn×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。波長変換部20の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0026】
図6において、第一の光伝送路11を伝達してきた波長多重信号光は、光分波器12で波長毎に分波して出力線から出力される。一方、挿入側インタフェース部16に入力された挿入側信号は光伝送路で伝達される信号光に変換されて出力される。出力された信号光は波長変換部20で所定の波長に変換されて第一の光マトリクススイッチ21に出力される。第一のマトリクススイッチ21で波長に応じて所定の出力ポートに方路設定され、光分岐挿入スイッチ13に出力される。つまり、挿入側インタフェース部16からの信号光をどの波長に変換するかによって、波長変換部20の変換する波長を制御し、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。光分波器12から出力された信号光は、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の入力ポートに入力され、波長変換部20から出力された信号光も、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の挿入ポートに出力される。光分岐挿入スイッチ13がthrough結合のときは、入力ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光分岐挿入スイッチ13がadd & drop結合のときは、入力ポートからの信号光は分岐ポートを経て第二の光マトリクススイッチ22に出力され、挿入ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光合波器14に入力された光分岐挿入スイッチ13の出力ポートからの信号光はそれぞれ異なる波長のため、これらの信号光は合波されて第二の光伝送路15に送出される。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。分岐側インタフェース部17では分岐側信号に変換して出力する。
【0027】
このような構成とすることにより、第一の光マトリクススイッチ21と波長変換部20によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0028】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、挿入側インタフェース部16の数、分岐側インタフェース部17の数、波長変換部20の数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ同じ4としている。この結果、光分波器12の総ての出力線からの信号光を光合波器14の入力線に出力することが可能であり、さらに、総ての挿入側インタフェース部16からの信号光を波長変換して光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の総ての出力線からの信号光を分岐側インタフェース部17から出力することが可能となる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。また、挿入側インタフェース部16と波長変換部20を一体化してもよい。
【0029】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルで自由にパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。
【0030】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図7に示す。図7は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図7において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd & drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、18は光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光であって任意の波長で出力する挿入側信号変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのn×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。挿入側信号変換部18の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0031】
図7において、第一の光伝送路11を伝達してきた波長多重信号光は、光分波器12で波長毎に分波して出力線から出力される。一方、挿入側信号変換部18に入力された挿入側信号は光伝送路で伝達される信号光であって、所定の波長で第一の光マトリクススイッチ21に出力される。第一のマトリクススイッチ21で波長に応じて所定の出力ポートに方路設定され、光分岐挿入スイッチ13に出力される。つまり、挿入側信号をどの波長で送信するかによって、挿入側信号変換部18の出力する波長を制御し、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。光分波器12から出力された信号光は、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の入力ポートに入力され、挿入側信号変換部18から出力された信号光も、第一の光マトリクススイッチ21を経て、波長に応じて光分岐挿入スイッチ13の挿入ポートに出力される。光分岐挿入スイッチ13がthrough結合のときは、入力ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光分岐挿入スイッチ13がadd & drop結合のときは、入力ポートからの信号光は分岐ポートを経て第二の光マトリクススイッチ22に出力され、挿入ポートからの信号光は出力ポートを経て光合波器14の入力線に出力される。光合波器14に入力された光分岐挿入スイッチ13の出力ポートからの信号光はそれぞれ異なる波長のため、これらの信号光は合波されて第二の光伝送路15に送出される。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。分岐側インタフェース部17では分岐側信号に変換して出力する。
【0032】
このような構成とすることにより、挿入側信号変換部18と第一の光マトリクススイッチ21によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0033】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、分岐側インタフェース部17の数、挿入側信号変換部18の数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ同じ4としている。この結果、光分波器12の出力線からの総ての信号光を光合波器14の入力線に出力することが可能であり、さらに、総ての挿入側信号変換部18からの信号光を光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の出力線からの総ての信号光を分岐側インタフェース部17から出力することが可能となる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。
【0034】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルで自由にパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。また、実施の形態1、2に比較して、波長変換部を不要とすることができた。
【0035】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図8に示す。図8は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図8において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd & drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、16はネットワークの外から入力される信号を光伝送路で伝達される信号光に変換する挿入側インタフェース部、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、20は信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換する波長変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのm×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。波長変換部20の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0036】
図8で説明する光分岐挿入装置は実施の形態1で説明した光分岐挿入装置と同じ動作をする。即ち、第一の光伝送路11を伝達してきた信号光と挿入側インタフェース部16から出力された信号光とのいずれかが光分岐挿入回路13で選択されて第二の光伝送路15に送出される。挿入側インタフェース部16からの信号光が選択されて第二の光伝送路15に送出されると、第一の光伝送路11からの信号光は第二の光マトリクススイッチ22に出力される。波長変換部20は接続される光分岐挿入スイッチ13に応じて変換する波長が設定されているため、挿入側インタフェース部16からの信号光をどの波長に変換するかによって、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。
【0037】
このような構成とすることにより、第一の光マトリクススイッチ21と波長変換部20によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0038】
実施の形態1における光分岐挿入装置と本実施の形態における光分岐挿入装置との差は、挿入側インタフェース部16の数及び分岐側インタフェース部17の数である。つまり、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートの数は出力ポートの数よりも少なく、また、第二の光マトリクススイッチ22の出力ポートの数は入力ポートの数よりも少なく構成されている。ネットワークに挿入する信号の数と、ネットワークから分岐する信号の数に制限ができるが、2つの光マトリクススイッチの入力ポートや出力ポートを少なくして規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できる。
【0039】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、波長変換部20の数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ4とし、挿入側インタフェース部16の数、分岐側インタフェース部17の数はそれぞれ3としている。この結果、光分波器12の出力線からの信号光の総てを光合波器14の入力線に出力することが可能になり、挿入側インタフェース部16からの信号光のうち3つを波長変換して光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の出力線からの信号光のうち3つを分岐側インタフェース部17に出力することが可能になる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。
【0040】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルでパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。また、2つの光マトリクススイッチの規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できた。
【0041】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図9に示す。図9は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図9において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd & drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、16はネットワークの外から入力される信号を光伝送路で伝達される信号光に変換する挿入側インタフェース部、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、20は信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換する波長変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのm×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。波長変換部20の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0042】
図9で説明する光分岐挿入装置は実施の形態2で説明した光分岐挿入装置と同じ動作をする。即ち、第一の光伝送路11を伝達してきた信号光と挿入側インタフェース部16から出力された信号光とのいずれかが光分岐挿入回路13で選択されて第二の光伝送路15に送出される。挿入側インタフェース部16からの信号光が選択されて第二の光伝送路15に送出されると、第一の光伝送路11からの信号光は第二の光マトリクススイッチ22に出力される。挿入側インタフェース部16からの信号光をどの波長に変換するかによって、波長変換部20の変換する波長を制御し、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。
【0043】
このような構成とすることにより、波長変換部20と第一の光マトリクススイッチ21によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0044】
実施の形態2における光分岐挿入装置と本実施の形態における光分岐挿入装置との差は、挿入側インタフェース部16の数及び分岐側インタフェース部17の数である。つまり、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートの数は出力ポートの数よりも少なく、また、第二の光マトリクススイッチ22の出力ポートの数は入力ポートの数よりも少なく構成されている。ネットワークに挿入する信号の数と、ネットワークから分岐する信号の数に制限ができるが、2つの光マトリクススイッチの入力ポートや出力ポートを少なくして規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できる。
【0045】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ4とし、挿入側インタフェース部16の数、分岐側インタフェース部17の数、波長変換部20の数はそれぞれ3としている。この結果、光分波器12の出力線からの信号光の総てを光合波器14の入力線に出力することが可能になり、挿入側インタフェース部16からの信号光のうち3つを波長変換して光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の出力線からの信号光のうち3つを分岐側インタフェース部17に出力することが可能になる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。また、挿入側インタフェース部16と波長変換部20を一体化してもよい。
【0046】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルでパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。また、2つの光マトリクススイッチの規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できた。さらに、実施の形態4に比較して波長変換部の数を削減することができた。
【0047】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を図10に示す。図10は、信号光伝達の片方向分の光分岐挿入装置の構成である。図10において、11は隣接する光分岐挿入装置からの波長多重された信号光が伝達される第一の光伝送路、12は波長多重された信号光を分離する光分波器、13はthrough結合かadd& drop結合かを選択できる図3に示す光分岐挿入スイッチ、14は波長の異なる信号光を波長多重する光合波器、15は隣接する光分岐挿入装置に向かって波長多重された信号光を伝達する第二の光伝送路、17はネットワークからの信号光をネットワークの外に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部、18は光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光であって任意の波長で出力する挿入側信号変換部、21は第一の光マトリクススイッチ、22は第二の光マトリクススイッチである。第一の光マトリクススイッチ21と第二の光マトリクススイッチ22はノンブロッキングのm×nマトリクス構成あるいはこれと等価な構成であり、そのクロスポイントの切替は外部の制御装置から制御できる。挿入側信号変換部18の変換する波長も外部の制御装置から制御できる。
【0048】
図10で説明する光分岐挿入装置は実施の形態3で説明した光分岐挿入装置と同じ動作をする。即ち、第一の光伝送路11を伝達してきた信号光と挿入側信号変換部18から出力された信号光とのいずれかが光分岐挿入回路13で選択されて第二の光伝送路15に送出される。挿入側信号変換部18からの信号光が選択されて第二の光伝送路15に送出されると、第一の光伝送路11からの信号光は第二の光マトリクススイッチ22に出力される。挿入側信号をどの波長で送信するかによって、挿入側信号変換部18の出力する波長を制御し、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートと出力ポートの結合を制御する。第二の光マトリクススイッチ22に入力された光分岐挿入スイッチ13からの信号光は、光マトリクススイッチ22で入力ポートから出力ポートへの結合が制御されて所定の分岐側インタフェース部17に出力される。
【0049】
このような構成とすることにより、挿入側信号変換部18と第一の光マトリクススイッチ21によって、挿入側信号を任意の波長で挿入して送信することができ、又、第二の光マトリクススイッチ22によって、伝送路を伝達してきた信号光を任意の分岐側インタフェース部17から分岐側信号として出力することができる。
【0050】
実施の形態3における光分岐挿入装置と本実施の形態における光分岐挿入装置との差は、挿入側信号変換部18の数及び分岐側インタフェース部17の数である。つまり、第一の光マトリクススイッチ21の入力ポートの数は出力ポートの数よりも少なく、また、第二の光マトリクススイッチ22の出力ポートの数は入力ポートの数よりも少なく構成されている。ネットワークに挿入する信号の数と、ネットワークから分岐する信号の数に制限ができるが、2つの光マトリクススイッチの入力ポートや出力ポートを少なくして規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できる。
【0051】
ここでは、光分波器12の出力線数、光合波器14の入力線数、光分岐挿入スイッチ13の数はそれぞれ4とし、分岐側インタフェース部17の数、挿入側信号変換部18の数をそれぞれ3としている。この結果、光分波器12の出力線からの総ての信号光を光合波器14の入力線に出力することが可能になり、挿入側信号変換部18からの信号光のうち3つを光合波器14の入力線に出力し、光分波器12の総ての出力線からの信号光のうち3つを分岐側インタフェース部17に出力することが可能になる。なお、発明の実施は、この数に限定されるものではない。
【0052】
従って、本実施の形態の光分岐挿入装置では、光レベルでパスの設定を行うことができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能となり、ネットワークの制御保守稼動を軽減することができた。また、2つの光マトリクススイッチの規模を小さくすることにより、光マトリクススイッチの低価格化、高信頼化が実現できた。さらに、実施の形態4、5に比較して波長変換部を不要とすることができた。
【0053】
(実施の形態7)
本願発明の実施の形態における光マトリクススイッチは、ノンブロキングでかつ信号光のまま方路設定ができる構成であれば適用が可能である。このような光マトリクススイッチとしては、2次元MEMS(Micro Electro−Mechanical Switch)、3次元MEMS、石英導波路上に熱光学効果型光スイッチ(TO−SW)を集積した構成がある。またoliveスイッチ(参考文献:佐藤誠他、“熱毛細管現象を用いた交差導波路型マイクロ光スイッチの開発”、NTT R&D、Vol.48、1月号、pp.9−14)、跳ね橋型スイッチ(参考文献:Takeshi Saito他、”Mechanical optical switch using flexible polymeric waveguide”, Technical Digest, OFC2002, TuC2, pp.14−15)等のクロス状に配置された導波路の各叉点において、信号光をそのまま通過させるか、又は交叉する導波路に結合させるかを切り替える構造の光マトリクススイッチであれば、本発明に適用することができる。
【0054】
5×5の2次元MEMSの構成を図11に示す。図11において、30はMEMSミラー素子、31、33は入出力ポートである。これらの入出力ポートはいずれも光ファイバコリメータを備える。光ファイバコリメータは光ファイバからの光線を平行光線として出射したり、平行光線を光ファイバに収束させたりする機能を持つ。光ファイバコリメータにより、各入出力ポートからの信号光は平行光線で出射し、平行光線が光ファイバコリメータに入射すると、接続する光ファイバに集光されるように調整されている。MEMSミラー素子30は各入出力ポートの交点に配置され、外部からの制御でOn状態にしたり、Off状態にしたりすることができる。ここでは、5×5の2次元MEMSの構成を示したが、MEMSの構成はこの例に限定されるものではない。3次元MEMSは立体的に構成されたものである。例えば、壷井修他、“低電圧動作を特長とした3次元型光スイッチ用2軸櫛歯駆動型MEMSミラーアレイ”、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−12−3、p.443、または竹内真一他、“小型・組立簡易3次元MEMS光スイッチングファブリックの開発”、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−12−4、p.444に開示されている3次元MEMSの構成もノンブロッキングなマトリクス光スイッチであり、本発明に適用することができる。
【0055】
MEMSミラー素子30がOn状態の場合、ミラーが露出し、信号光を交差する入出力ポートに反射する。MEMSミラー素子30がOff状態の場合、ミラーは隠蔽されて信号を通過させる。例えば、図11におけるMEMSミラー30をマトリクス(m、n)で表現する。(1、2)MEMSミラーがOn状態とすると、入出力ポート31−1から出射した信号光はMEMSミラーで反射されて、入出力ポート33−2に入射する。反対に、入出力ポート33−2から出射した信号光はMEMSミラーで反射されて、入出力ポート31−1に入射する。このように、n×nの2次元MEMSでは、入出力ポート31からの信号光は総ていずれかの入出力ポート33に出力することができ、入出力ポート33からの信号光は総ていずれかの入出力ポート31に出力することができる。
【0056】
3×5の2次元MEMSの構成を図12に示す。図12において、30はMEMSミラー素子、31、33は入出力ポートである。これらの入出力ポートはいずれも光ファイバコリメータを備える。MEMSミラー素子30は各入出力ポートの交点に配置され、外部からの制御でOn状態にしたり、Off状態にしたりすることができる。3×5の2時元MEMSでは、入出力ポート31からの信号光は総ていずれかの入出力ポート33に出力することができるが、入出力ポート33からの信号光を入出力ポート31に出力する場合には数に制限が生じる。しかし、MEMSミラーの数は5分の3に削減することができ、MEMSの低価格化、高信頼化が実現できた。
【0057】
ここでは、3×5の2次元MEMSの構成を示したが、MEMSの構成はこの例に限定されるものではない。3次元MEMSは立体的に構成されたものである。例えば、壷井修他、“低電圧動作を特長とした3次元型光スイッチ用2軸櫛歯駆動型MEMSミラーアレイ”、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−12−3、p.443、または竹内真一他、“小型・組立簡易3次元MEMS光スイッチングファブリックの開発”、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−12−4、p.444に開示されている3次元MEMSの構成もノンブロッキングなマトリクス光スイッチであり、本発明に適用することができる。
【0058】
従って、MEMSを光マトリクススイッチとして使用すると、先の実施の形態で説明した光分岐挿入装置を構成することができる。
【0059】
(実施の形態8)
2次元MEMSと同等の機能を有する光マトリクススイッチを石英導波路型光スイッチで構成することができる。石英導波路型光スイッチの構成要素となる2×2光スイッチの切替動作を図13で説明する。図13において、38−1、38−2は入力端子、38−3、38−4は出力端子である。図13において、バー状態では入力端子38−1は出力端子38−3に結合され、入力端子38−2は出力端子38−4に結合される。クロス状態では、入力端子38−1は出力端子38−4に結合され、入力端子38−2は出力端子38−3に結合される。
【0060】
図13の2×2光スイッチを構成要素とする石英導波路型光スイッチの構成を図14に示す。図14において、35、37は入出力ポート、39は石英導波路型光スイッチの構成要素である2×2光スイッチである。入出力ポート35、37はいずれも光ファイバコリメータを備える。2×2光スイッチ39は熱によって石英導波路の光学定数が変化して切替動作をする熱光学効果型光スイッチである。切替動作は2×2光スイッチ39がバー状態とクロス状態のいずれかによって決定される。
【0061】
図14において、それぞれの2×2光スイッチの切替動作を制御することにより、入出力ポート35は任意の入出力ポート37と結合できる。この光マトリクススイッチの動作は、2×2光スイッチのバー状態とクロス状態をそれぞれ、図11におけるMEMSミラー素子のOn状態、Off状態と対応させれば、図11の2次元MEMSの動作と全く等価となる。従って、前述した光分岐挿入装置に石英導波路型光スイッチを適用することができた。ここでは、5×5の光マトリクススイッチで説明したが、5×5に限定されるものではない。
【0062】
図12のMEMSに対応する3×5の石英導波路型光スイッチの構成を図15に示す。図15に示す石英導波路型光スイッチの動作は図12のMEMSと全く等価である。
【0063】
また、前記oliveスイッチ、跳ね橋型スイッチ等のクロス状に配置された導波路の各叉点において、信号光を通過させるか、交叉する導波路に結合させるかを切り替える構造の光マトリクススイッチも、図11のMEMS等と同等の機能を持つ光マトリクススイッチを構成することができる。従って、このような構成の光マトリクススイッチを前述の光分岐挿入装置に適用すると、MEMSを適用した光分岐挿入装置と同等の機能を実現することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光分岐挿入装置において光レベルで自由にパスの設定ができるため、制御装置からの遠隔制御により光パスの設定、変更が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光分岐挿入型リングネットワークの構成を説明する図である。
【図2】従来の光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図3】従来の光分岐挿入スイッチを説明する図である。
【図4】光分岐挿入装置間を結ぶ経路の途中にある既設の光パスの波長を変更する例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図9】本発明の他の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施の形態である光分岐挿入装置の構成を説明する図である。
【図11】2次元MEMSの構成を説明する図である。
【図12】2次元MEMSの構成を説明する図である。
【図13】石英導波路の2×2光スイッチの動作を説明する図である。
【図14】石英導波路型光スイッチで光マトリクススイッチを構成した例を説明する図である。
【図15】石英導波路型光スイッチで光マトリクススイッチを構成した例を説明する図である。
【符号の説明】
11:第一の光伝送路
12:光分波器
13:光分岐挿入スイッチ
14:光合波器
15:第二の光伝送路
16:挿入側インタフェース部
17:分岐側インタフェース部
18:挿入側信号変換部
20:波長変換部
30:MEMSミラー素子
31、33:入出力ポート
35、37:入出力ポート
38:入力端子、出力端子
39:2×2光スイッチ
81:光分岐挿入装置
82:光伝送路
83:挿入側信号
84:分岐側信号
91:第一の光伝送路
92:光分波器
93:光分岐挿入スイッチ
94:光合波器
95:第二の光伝送路
96:挿入側インタフェース部
97:分岐側インタフェース部

Claims (7)

  1. 入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第一の光マトリクススイッチと、
    前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、
    第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、
    前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、
    光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光に変換して前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートに出力する挿入側インタフェース部と、
    前記第一の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換して前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートに出力する波長変換部と、
    前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置。
  2. 入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートの接続した任意の出力ポートに入力ポートを結合させる第一の光マトリクススイッチと、
    前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、
    第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、
    前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、
    光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光に変換して出力する挿入側インタフェース部と、
    該挿入側インタフェース部からの信号光を光伝送路で伝達される任意の波長の信号光に波長変換して前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートに出力する波長変換部と、
    前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置。
  3. 入力ポートを出力ポートに結合させるか、又は入力ポートを分岐ポートに、且つ挿入ポートを出力ポートに結合させる光分岐挿入スイッチと、前記光分岐挿入スイッチの挿入ポートの接続した任意の出力ポートに入力ポートを結合させる第一の光マトリクススイッチと、
    前記光分岐挿入スイッチの分岐ポートの接続した入力ポートを任意の出力ポートに結合させる第二の光マトリクススイッチと、
    第一の光伝送路からの波長多重された信号光を波長毎の信号光に分波して前記光分岐挿入スイッチの入力ポートに出力する光分波器と、
    前記光分岐挿入スイッチの出力ポートからの信号光を合波して第二の光伝送路に送出する光合波器と、
    光伝送路に送出する信号を光伝送路で伝達される信号光であって任意の波長で前記第一のマトリクススイッチの入力ポートに出力する挿入側信号変換部と、
    前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートからの信号光を外部に出力する信号に変換する分岐側インタフェース部と、を備える光分岐挿入装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の光分岐挿入装置において、
    前記第一の光マトリクススイッチの入力ポートの数が出力ポートの数よりも少なく、且つ前記第二の光マトリクススイッチの出力ポートの数が入力ポートの数よりも少ないことを特徴とする光分岐挿入装置。
  5. 請求項1乃至4に記載の光分岐挿入装置において、
    前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、2次元MEMS又は3次元MEMSで構成されていることを特徴とする光分岐挿入装置。
  6. 請求項1乃至4に記載の光分岐挿入装置において、
    前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、石英導波路型光スイッチで構成されていることを特徴とする光分岐挿入装置。
  7. 請求項1乃至4に記載の光分岐挿入装置において、
    前記第一の光マトリクススイッチ又は/及び第二の光マトリクススイッチが、導波路がクロス状に交叉された叉点であって、信号光を通過させるか、又は交叉する導波路に結合させるかを切り替える叉点を有することを特徴とする光分岐挿入装置。
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