JP4739794B2 - ジェットエンジン用耐衝撃部材に用いるプリプレグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、均一性に優れたプリプレグの製造方法に関する。
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる強化繊維複合材料は種々の分野・用途に広く利用されるようになってきた。そして、高度の機械的特性や耐熱性等を要求される航空・宇宙分野や、一般産業分野では、従来、マトリックス樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されてきた。しかし、特に航空・宇宙分野では、これらのマトリックス樹脂は、脆く、耐衝撃性に劣るという欠点を有するため、その改善が求められてきた。また、熱硬化性樹脂の場合、これをプリプリグとしたとき、樹脂のライフ等によるプリプレグの保存管理上の問題点や、成形時間が長く生産性が低い等の問題もあった。
これに対して、熱可塑性樹脂プリプレグの場合は、複合材料としたときの耐衝撃性が優れ、プリプレグの保存管理が容易で、かつ成形時間が短く、成形コスト低減の可能性もある。熱可塑性樹脂プリプレグの製造法としては、従来、例えば、フイルム状の樹脂を加熱溶融して強化繊維材料に含浸させる方法(溶融含浸法)、粉末状の樹脂を流動床法や懸濁法によって強化繊維材料に塗布・融着させる方法(パウダー法)、樹脂を溶液化し、強化繊維材料に含浸後溶媒を除去する方法(溶液含浸法)が知られている。しかしながら、溶融含浸法は、樹脂の溶融粘度が高いため繊維材料の内部にまで均一に樹脂を含浸させるのが困難であり、パウダー法では、樹脂の付着量を調整するのが難しく、溶液含浸法では、使用できる樹脂や溶媒の種類が制限されるという問題点・欠点があった。
従来技術を改良したプリプレグの製造方法として、熱可塑性樹脂の粉末をアルコール等の有機溶媒又は有機溶媒と水との混合溶媒に分散させてサスペンジョンとし、かかるサスペンジョンに炭素繊維のストランド又はシートを浸漬し、樹脂粉末をストランド又はシートに付着させた後加熱して、樹脂を溶融させて熱可塑性樹脂と炭素繊維のストランド又はシートを一体化させる方法が提案されている。この方法によると、樹脂が比較的均一に含浸したプリプレグ(含浸樹脂量のバラツキ値が4.2〜5.0)が得られること、更にサスペンジョンに通電処理を行う方法を組合わせると、バラツキ値が2.8〜3.8のものも得られたことが例示されている。
特公平4−12894
しかしながら、最近の特に航空・宇宙分野の材料としては、より一層均一性に優れたプリプレグが求められるようになっており、しかもその製造方法も出来るだけシンプルなものである必要がある。
一方、ジェットエンジン、例えば、航空機用のジェットエンジンの動翼や静翼に用いられる部材としては、軽量で且つ品質的に均一なものであるのは当然として、更に高度の耐衝撃性が求められる。例えば、航空機の飛行条件下では、特に、ジェットエンジンの動翼や静翼に、鳥やその他の物体が衝突し強い衝撃を与える場合があり、安全上も特に高い耐衝撃性が求められている。
本発明は、ジェットエンジン用耐衝撃部材に用いる、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、長さ方向と幅方向の両方とも均一性に優れたプリプレグを提供することを目的とするものである。
お、ここで含浸とは、強化繊維材料に付着した樹脂粉末が、一旦溶融し、繊維間又は繊維表面に樹脂が実質的に連続層として存在する状態をいう。
かるジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグは、熱可塑性樹脂粉末をエタノールとイソプロピルアルコールの混合溶媒に分散させたサスペンジョンに、シート状の強化繊維材料を浸漬させ、樹脂粉末を強化繊維材料に付着せしめ、次いで該樹脂粉末が付着した強化繊維材料を加熱して樹脂粉末を溶融させ、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂を一体化させる方法で製造される。
本発明によれば、強化繊維材料に熱可塑性樹脂を均一に且つ内部にまで含浸させることが可能である。そして、得られたプリプレグは、均質性と耐衝撃性に優れているので、ジェットエンジン用耐衝撃部材、特に、ジェットエンジンの静翼や動翼に成形加工することができる。
本発明で得られるプリプレグは、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなるプリプレグであって、このプリプレグの長さ方向と幅方向の含浸樹脂量のバラツキ値が、共に3%以下であることを特徴とする均一性に優れたプリプレグであるが、より好ましくは、プリプレグの幅方向の含浸樹脂量のバラツキ値が、2%以下のものである。バラツキ値が本発明の範囲外の場合は、プリプレグを更に複合材料に成形した場合に、複合材料の機械的特性等が十分なものが得られない。
シート状の強化繊維材料とは、繊維材料を一方向にシート状に引き揃えたもの、これらを例えば直交に積層したもの、繊維材料を織物や不織布等の布帛に成形したもの、編組等のストランド状のものを全て含む。強化繊維材料としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維又はそれらの混合からなる繊維材料がある。具体的には、無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維を挙げることが出来る。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。好ましいのは、炭素繊維とアラミド繊維であり、軽量という点で炭素繊維が特に好ましい。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂は、融点又はガラス転移温度が、150℃以上の結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。好ましい樹脂の具体例は、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドである。これらの樹脂は、2種以上併用しても良い。特に高い耐衝撃性が求められるジッットエンジンの動翼や静翼のためには、特にポリエーテルイミド(PEI)又はポリイミド(PI)樹脂が好ましい。
プリプレグ中の熱可塑性樹脂の含浸樹脂量は10〜70重量%が良く、より好ましくは20〜50重量%である。
本発明のジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグは、以下に述べる方法によって製造される。即ち、熱可塑性樹脂粉末をアルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭素類から選ばれた1種若しくは2種以上の有機溶媒又はかかる有機溶媒と水との混合溶媒に分散させたサスペンジョンに、シート状の強化繊維材料を浸漬させ、樹脂粉末を強化繊維材料に付着せしめ、次いでこの樹脂粉末が付着した強化繊維材料を加熱して樹脂粉末を溶融させ、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂を一体化させる方法である。
本発明において、熱可塑性樹脂粉末は、特に限定はないが、強化繊維材料への良好な付着(繊維間あるいは繊維表面に樹脂粉末が保持された状態)を考慮すると、メジアン粒子径が11±3μmで、最大粒子径が100μm以下のものであるのが好ましい。また、取扱性の点からは最小粒子径は1μmを下回らないのが好ましい。なお、本発明において、メジアン粒子径は、実施例で説明する様に、レーザー回折散乱法により求めたものである。本発明の範囲の粒度分布を持っている熱可塑性樹脂粉末は、後述の分散媒に分散させたとき、その分散性(サスペンジョン浴内の樹脂粉末のバラツキ)が安定しており、長時間生産においても、繊維材料に樹脂粉末を安定的に付着できるという特徴がある。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂を分散させるための分散媒は、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭素類から選ばれた1種若しくは2種以上の有機溶媒又はかかる有機溶媒と水との混合溶媒である。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ等が、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が、ハロゲン化炭化水素類としては、塩化メチレン、ジクロロエタン等が挙げられる。中でも好ましいのは、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンあるいはそれらと水との混合溶媒である。かかる分散媒は、シート状の強化繊維材料を浸漬させたとき繊維材料を適度に開繊させるという作用もあるので、サスペンジョン中の樹脂粉末が繊維材料に均一に付着するのに効果的である。
熱可塑性樹脂とそれを分散させるための分散媒(溶媒)との組合わせは、樹脂が溶媒に溶解するものであってはならず、樹脂が溶媒に膨潤するかあるいは溶解しないものである必要がある。
サスペンジョン中の熱可塑性樹脂の濃度((熱可塑性樹脂重量/分散媒重量+熱可塑性樹脂重量)×100)は、1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜15重量%である。
シート状の強化繊維材料を浸漬させるときのサスペンジョンの温度は、樹脂の分散状態が良好に保たれる限り特に制限はなく、また、用いられる熱可塑性樹脂や分散媒の種類、濃度によって異なるが、通常は5〜50℃、好ましくは5〜30℃、さらに好ましくは15〜30℃である。浸漬時間は、熱可塑性樹脂の付着量にも依存するが、通常は5〜180秒間で十分である。
前記の様な条件の下で、シート状の強化繊維材料には10〜70重量%(繊維材料と熱可塑性樹脂の合計量に対して)の熱可塑性樹脂粉末が付着するが、プリプレグの製造上は20〜50重量%程度が適当である。
本発明においては、特定の粒度範囲の熱可塑性樹脂粉末を用いるので、前記条件下で樹脂粉末が十分均一にシート状の強化繊維材料に付着するが、更にその均一性を上げるために、シート状の強化繊維材料の浸漬時に、強化繊維材料とサスペンジョン浴との間で直流電流による通電処理を行っても良い。例えば、強化繊維材料が接触する浴外の電極ローラーを陽極とし、サスペンジョン浴中に陰極を設け、浴中にある繊維材料の単位表面積当たり、電流密度が0.001〜5A/mとなるように通電すれば良い。
前記の様にして得られた熱可塑性樹脂粉末を付着せしめられたシート状の強化繊維材料は、通常、熱可塑性樹脂が分解又は反応しない温度下で乾燥される。一般的には、80〜200℃で1〜20分間乾燥される。
本発明においては、樹脂粉末が付着した強化繊維材料を加熱して樹脂粉末を溶融させ、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂を一体化させる。加熱は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度又は溶融温度より低くない温度に加熱されたローラー間、又はスリット間を通すか、あるいはかかる温度の雰囲気中を通すことによって行うことができる。かかる処理によって熱可塑性樹脂は溶融し、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂は一体化し、本発明のプリプレグが得られる。
本発明において、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂の接着力をより高めるためには、シート状の強化繊維材料に繊維の集束剤、油剤、糊剤等が付着している場合には、事前にこれらを除去しておく方が望ましい。また、必要な場合には、事前に繊維材料の開繊処理や、電解や薬品による表面処理を行っておいても良い。
本発明によると、繊維材料に熱可塑性樹脂を均一に付着させることができ、その結果、その後の加熱溶融によって、樹脂の含浸斑が少なく、熱可塑性樹脂と繊維材料の接着性に優れ、また均質性と耐衝撃性に優れたプリプレグが得られるのである。そして、本発明においては、かかるプリプレグを用いて、公知の方法・手段で、ジェットエンジン用の各種の部品を成形加工することができる。例えば、強化繊維材料として炭素繊維を用い、熱可塑性樹脂としてPEIを用いたプリプレグの場合には、340±10℃の熱処理で、揮発成分の重量分率が2%以下のものが好ましく、かかるプリプレグを用いて、300〜500℃で1分〜10時間かけて加熱し、そして固化させることによって、各種のジェットエンジン用耐衝撃部材に成形加工することができる。
以下、具体的な実施例により本発明を説明する。各実施例において、得られたプリプレグの均一性の評価は、シート状の強化繊維材料の、幅方向と長さ方向での含浸した樹脂のバラツキ値から評価した。即ち、幅方向のバラツキ値は、シート状の強化繊維材料の幅方向に(300〜330mm幅)100mm角のサンプルを、ほぼ等間隔で3個切り取り、樹脂成分のみを溶解あるいは分解除去して樹脂含量(RC)を求め(RC=(樹脂重量/切取った試験片の重量)×100)、その平均値からの偏差値(%)で示した。また、シート状の強化繊維材料の長さ方向に(50m長さ)10m間隔で同様な測定を行い、長さ方向の樹脂含有量のバラツキ値を求めた。
熱可塑性樹脂粉末のメジアン粒子径は、マイクロトラックFRA(日機装社製)を用いて、レーザー回折散乱法によって測定した。得られた粒度分布の累積グラフにおける50%の体積%での粒子径(μm)を求め、メジアン粒子径とした。
耐衝撃性は、衝撃後圧縮強度(CAI)の測定によって評価した。BSS 7260に準拠して、供試体(サンプル)は各試験片の寸法測定後、衝撃試験は落錘型衝撃試験機(Dynatup社製GRC-8250)を用いて、1500in.-lb./on.の衝撃エネルギーを与えた。衝撃後、供試体の損傷面積は、超音波探傷試験機(キャノン社製M610)にて測定した。 衝撃後、供試体の強度試験は、供試体の上から25.4mmでサイドから25.4mmの位置に、歪みゲージを左右各1本ずつ貼付し、同様に表裏に合計4本/体の歪みゲージを貼付た後、試験機(島津製作所社製オートグラフAG-100TB型)のクロスヘッド速度を1.3mm/minとし、供試体の破断まで荷重を負荷した。
[実施例1]
熱可塑性樹脂としてポリエーテルイミド樹脂(ウルテムPEI樹脂、日本ジーイープラスチックス社)を用い、その粉末(メジアン粒子径12μm)をエタノールとイソプロピルアルコールの混合溶媒(容積比10:1)に分散させ、5%濃度のサスペンジョンを調整した。サスペンジョン浴にシート状の炭素繊維材料(東邦テナックス社製炭素繊維UT500(単繊維直径6.9μm、12,000本)を60本平行に弾き揃えたもの)を、30秒間浸漬し、樹脂の付着量が32±3重量%になるように調整した。引続いて、150℃で1〜2分間乾燥させ、次いで、表面温度が320〜340℃のヒートローラー間を通し、樹脂を加熱溶融させ炭素繊維材料に含浸させることにより、一体化した強化炭素繊維のプリプレグを得た。得られたプリプレグの繊維目付は145g/m、樹脂の含有率は32±3重量%であった。得られたプリプレグの、幅方向と長さ方向の含浸樹脂量のバラツキ値を表1に示した。
[比較例1]
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂(ビクトレックス・エムシー社)粉末をアセトンに分散させ、5%濃度のサスペンジョンを調整した。実施例1と同じシート状の炭素繊維材料を用い、実施例1の場合と同様に処理してプリプレグを得た。得られたプリプレグの繊維目付は、全て145g/m2、樹脂の含有率は32±3重量%であった。得られたプリプレグの、幅方向と長さ方向の含浸樹脂量のバラツキ値を表1に示した。
[比較例2]
ポリイミド(PI)樹脂(三井化学社製PIXA−M)粉末(メジアン粒子径10μm)をアセトンに分散させ、7%濃度のサスペンジョンを調整した。サスペンジョン浴に炭素繊維IM600(東邦テナックス社製IM600、単繊維直径5.0μm、12,000本)を平行に80本引き揃え、CF目付を145g/m2に調整したものを30〜60秒間浸漬し、樹脂の付着量が35±3wt%になるように調整した。引き続いて、150℃で1〜5分間乾燥させ、表面温度が380〜390℃のローラーに通し樹脂を溶融する程度に加熱した。次いで、表面温度が250℃の上下一対のローラー間を5kgf/cmの圧力で通し、樹脂を炭素繊維材料に十分に含浸させることにより、一体化した強化炭素繊維のプリプレグを得た。得られたプリプレグの、幅方向と長さ方向の含浸樹脂量のバラツキ値を表1に示した。
[比較例3]
熱可塑性樹脂としてPPS(ポリフェニレンサルファイド、大日本インキ社製)の粉末(メジアン粒子径10μm)を用い、これをアセトンに分散させ、7%濃度のサスペンジョンを調整した。サスペンジョン浴に、実施例3と同じ炭素繊維IM600のシート状の強化繊維材料を30〜60秒間浸漬し、樹脂の付着量が40±3wt%になるように調整した。引き続いて、150℃で1〜5分間乾燥させ、表面温度が300〜320℃のローラーに通し樹脂を溶融する程度に加熱した。次いで、表面温度が130℃の上下一対のローラー間を5kgf/cmの圧力で通し、樹脂を炭素繊維材料に完全に含浸させることにより、一体化した強化炭素繊維のプリプレグを得た。得られたプリプレグの、幅方向と長さ方向の含浸樹脂量のバラツキ値を表1に示した。
得られたプリプレグを用いたジェットエンジン用耐衝撃部材の評価は次の様にして行った。プリプレグを32枚擬似等方に積層し、ホットプレスで340±10℃で30分〜1時間加熱して樹脂を加熱し、そして固化させた。それぞれのサンプルの耐衝撃性を測定し、また成形状態を観察し結果を表1に示した。いずれも対応するアルミ合金の場合よりも、耐衝撃性は良好であった。成形状態は、目視(光沢及び平滑具合)と超音波探傷(内部欠陥の有無を判定)で評価したが、実施例1のものは仕上がりが最も良く、内部欠陥も無い良好なものであった。
Figure 0004739794
本発明の均一性に優れたプリプレグは、目的に応じて、積層し、再度加熱・加圧して、実質的に均一構造の複合部材に成形することが出来る。かかる複合部材は、優れた耐衝撃性を有するので、ジェットエンジン用耐衝撃部材、例えば、航空・宇宙分野のジェットエンジン用の静翼や動翼に使用することができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂粉末をエタノールとイソプロピルアルコールの混合溶媒に分散させたサスペンジョンに、シート状の強化繊維材料を浸漬させ、樹脂粉末を強化繊維材料に付着せしめ、次いで該樹脂粉末が付着した強化繊維材料を加熱して樹脂粉末を溶融させ、シート状の強化繊維材料と熱可塑性樹脂を一体化させることを特徴とする、ジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグの製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂粉末が、メジアン粒子径が11±3μmで、最大粒子径100μm以下ものである、請求項1に記載のジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグの製造方法。
  3. サスペンジョン中の熱可塑性樹脂の濃度が1〜50重量%である、請求項1又は2に記載のジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグの製造方法。
  4. 強化繊維材料が炭素繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグの製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂がポリエーテルイミド又はポリイミド樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のジェットエンジン用耐衝撃部材として用いられる均一性に優れたプリプレグの製造方法。
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