JP4739620B2 - 流体放出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体放出器および流体放出方法に基づく、マイクロマシンまたはマイクロ電子機械システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
流体放出器は、インクジェット記録または印刷用に開発されている。インクジェット記録装置は、記録時の極めて静かな動作、高速印刷、インク選択の高い自由度、および低コストの普通紙を使用可能といった多くの利点を提供する。記録する必要があるときだけインクを出力する、いわゆる「ドロップオンデマンド」駆動方法は現在では平凡な方法となっている。ドロップオンデマンド駆動方法では、記録に用いられないインクを回収する必要がない。
【0003】
インクジェット印刷用の流体放出器には一つ以上のノズルがあり、小さなインクの液滴を形成および制御し高解像度を実現して、色分解能を向上させながらよりシャープな文字を印刷できる。特に、ドロップオンデマンド・インクジェット印刷ヘッドは一般に高解像度プリンタ用に用いられる。
【0004】
ドロップオンデマンド技術は一般に、いくつかの種類のパルス発生器を用いて液滴を形成し放出する。例えば、ある種類の印刷ヘッドでは、電圧を印加したときに変形する圧電壁にインクノズルを備えたチャンバを取り付けることができる。その変形の結果、流体は液滴としてノズルの開口部から強制的に放出される。次に、その液滴は対応する印刷面に直接衝突する。駆動部として圧電デバイス等を用いる方法は、JP B−1990−51734に記載されている。
【0005】
別の種類の印刷ヘッドは、ヒートパルスによって形成した気泡を用いて、流体をノズルから強制的に放出する。その液滴は、気泡が壊れたときにインク供給部から分離する。気泡を生成するためにインクを加熱することで生じた圧力を用いる方法が、JP B−1986−59911に記載されている。
【0006】
さらに別の種類のドロップオンデマンド印刷ヘッドは、静電アクチュエータを組み込んでいる。この種の印刷ヘッドは、静電力を利用してインクを放出する。このような静電印刷ヘッドの例は、クロール(Kroll)等の米国特許第4,520,375号と、日本特許出願公開番号289351/90に開示されている。米国特許第4,520,375号に開示されているインクジェットのヘッドは、インク放出チャンバの一部を構成するダイアフラムを有する静電アクチュエータを用い、ベース板は、そのダイアフラムと対向するインク放出チャンバの外側に配置されている。そのインクジェットのヘッドは、ダイアフラムとベース板の間に時間的に変化する電圧を印加することによって、インク放出チャンバのノズル通路を介してインクの液滴を放出する。従って、そのダイアフラムとベース板はキャパシタとして機能し、ダイアフラムを機械的な動きに設定し、流体をダイアフラムの動きに応じて放出する。一方、日本特許出願公開番号289351/90に記載されているインクジェットのヘッドは、ダイアフラム上に固定した静電アクチュエータに電圧を印加することによって、そのダイアフラムを変形させる。この結果、インク放出チャンバ内にインクを吸い込む。電圧を取り除くと、ダイアフラムはその変形前の状態に戻りインク放出チャンバからインクを放出する。
【0007】
液滴放出器は、印刷だけでなく、半導体や平板表示装置産業におけるフォトレジスト等の液体の塗布、薬品や生体サンプルの配送、化学反応用の複数の化学物質の配送、DNA塩基配列の処理、相互作用の研究や分析用の薬品や生体物質の配送、マイクロマシン内の固定または着脱型ガスケットとして使用可能なプラスチックの、薄く細い層の成膜にも用いることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題及び課題が解決するための手段】
この発明のシステムと方法は、静電流体放出器内の流体放出用の静電ポテンシャルを増大させる。
【0009】
この発明のシステムと方法は別個に、静電流体放出器により大きな流体放出速度を実現する。
【0010】
この発明のシステムと方法は別個に、流体放出の双方向モードを実現する。
【0011】
この発明のシステムと方法は別個に、非圧縮性流体の密閉型チャンバ内に補償作用を実現する。
【0012】
この発明のシステムと方法は別個に、流体放出器からの流体の放出用の能動的に駆動した放出サイクルを実現する。
【0013】
この発明のシステムと方法は別個に、流体放出器にサイクルの間、流体に加える力を増大させる。
【0014】
この発明のシステムと方法は別個に、より高い周波数性能を実現する。
【0015】
この発明のシステムと方法は別個に、高性能の誘電体を利用する。
【0016】
この発明のシステムと方法の様々な典型的実施例によると、密閉型二連ダイアフラムを用いて、流体放出器から流体を放出する。
【0017】
この発明のシステムと方法の様々な典型的実施例によると、密閉型二連ダイアフラム構造を用いて、双方向モードで流体放出器を動かす。この発明のシステムと方法の他の様々な典型的実施例によると、二連電極構造を用いて流体放出器から流体の放出を実現する。この発明のシステムと方法のさらに別の様々な典型的実施例によると、二連ノズル構造を用いて流体放出器から流体の放出を実現する。
【0018】
この発明のシステムと方法の様々な典型的実施例によると、流体放出器は、放出する流体用の収容構造、密閉型二連ダイアフラムおよび二連電極を有する。この発明のシステムと方法の他の様々な典型的実施例では、誘電性流体を二連ダイアフラムの背後に密閉する。この発明のシステムと方法の他の様々な典型的実施例では、その誘電性流体は高性能誘電性流体であってもよい。
【0019】
この発明のこれらのおよび他の特徴と利点は、この発明による様々な典型的実施例についての以降の詳細な説明に記載され、またはそれから明らかになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明のシステムと方法による双方向流体放出器は、静電引力の原理に基づいて動作する。その流体放出器の基本的な形状は、密閉型二連ダイアフラム構造、その密閉型二連ダイアフラムに平行に対向する電極構造、および放出する流体を収容する構造を含む。比較的非圧縮性の流体を収容するダイアフラム・チャンバは、ダイアフラムの後方に配置しダイアフラムにより密閉される。ダイアフラムの一つは、放出器の前面板に形成したノズル孔に対向して配置される。二連電極構造が好ましいが、選択自由である。駆動信号は、その電極構造の少なくとも一つの電極に印加し、少なくとも一つの電極と第一ダイアフラムの間に静電界を生成する。その第一ダイアフラムは、生成された静電界の静電力によって少なくとも一つの電極に向かって引っぱられて変形する。変形時には、圧力は密閉型ダイアフラムの第二ダイアフラムに送られる。送られた圧力と、密閉型ダイアフラム・チャンバ内に収容されている高性能誘電性流体等の比較的非圧縮性の流体は、第二ダイアフラムを反対方向に変形させ、ノズル孔を介して流体を強制的に放出する。液滴が放出された後、ダイアフラムは、変形したダイアフラムの通常の弾性復元動作、または力を加えることによって逆方向に動かされる。
【0021】
この発明のシステムと方法では、二連ノズル双方向流体放出器も考えられる。その密閉型二連ダイアフラム構造は、密閉型ダイアフラムと平行に対向する二連電極構造、および放出する流体を収容する構造に加えて、二連ノズル設計と組になっている。これらの典型的実施例では、静電力は第一電極と第一ダイアフラムの間に生成され、第一ダイアフラムを変形させる。変形時には、圧力は第二ダイアフラムに送られる。送られた圧力と、密閉型ダイアフラム・チャンバ内に収容されている高性能誘電性流体等の比較的非圧縮性の流体は、第二ダイアフラムを反対方向に変形させ、ノズル孔を介して流体を強制的に放出する。液滴が放出された後、ダイアフラムは、変形したダイアフラムの通常の弾性復元動作、または力を加えることによって逆方向に動かされる。例えば、静電界の弛緩を制御することで、第一ダイアフラムをその未変形の位置に低速で戻すと、流体は対応するノズル孔を介して放出されない。力を加えることなどで、第一ダイアフラムをその未変形の位置に高速で戻すと、流体は対応するノズル孔を介して放出される。両方のノズル孔を用いて、そのサイクルの交互のストロークの両方で放出できるので、より高い周波数の動作が可能になる。
【0022】
この発明の双方向流体放出器は、シリコンベース面のマイクロマシンの共通の製造技術に基づいて、モノリシックバッチ製造によって容易に製造され、非常に低コストの製造、高信頼性および「オンデマンド」液滴サイズ調節の可能性がある。しかし、この発明のシステムと方法の以降の説明では、シリコンベースの表面マイクロマシンに特定した形態に言及しているが、実際には、この発明の双方向流体放出器用の他の材料や製造技術も可能である。さらに、この発明のシステムと方法は、このような放出器のどんな機械的構成(例えば「ルーフシュータ」や「エッジシュータ」など)においても、放出器のどんな大きさのアレイにおいても利用できる。
【0023】
図1〜3は、「ルーフシュータ」構成の単一の放出器の概略図を示している。図1に示したように、放出器100はベース板110、電極120、ダイアフラム130およびノズル孔142を備えた前面板140を有する。ダイアフラム・チャンバ132は、ダイアフラム130によって放出する流体から密閉されている。この例では、ダイアフラム・チャンバ132内には空気を有する。
【0024】
図3は、未変形状態のダイアフラム130で初期状態の動作を示している。図1に示したように、電界が電極120とダイアフラム130の間の空隙に生成されると、ダイアフラム130が変形状態に変形する。ダイアフラム130が変形すると、流体が変形したダイアフラム130によって生成された空間に液ためから引っぱられる。この液だめは、放出器100の周辺のいずれかの部分に配置できる。
【0025】
ダイアフラム130に均一な静電力が印加されるとすると、その関係は(式1)のように近似できる。
【数1】
ここで、
κは流体の誘電率とも呼ばれる非誘電率、
ε0は自由空間(つまり真空)の誘電率、
Aは電極の断面積、
Eは静電界の強度である。
これを式変形すると、加えられる圧力は(式2)となる。
【数2】
直径「d」(半径「r」)の円形のダイアフラムの場合、そのダイアフラムの中心に生じる最大の変形は、ほぼ(式3)となる。
【数3】
ここで、
【数4】
Eはヤング率、
tはダイアフラムの厚さ、
uはポアッソン比である。
【0026】
実際には、ダイアフラム130が変形すると、ダイアフラム130の中心は、ダイアフラム130の周辺が受けるものとは異なる静電界、つまり力を受ける。しかし、これらの関係は、基本的な方法を説明するために役立つ。
【0027】
流体が放出されると静電界が除去され、ダイアフラム130の弾性復元力によって、ダイアフラム130は図3に示したその未変形状態に戻る。図2は、図1と3に各々示した変形状態と未変形状態の間の中間非静止状態を示している。この弾性復元力は流体に送られ、流体の一部を液だめに強制的に戻し、図3に示すように、流体の一部をノズル孔142から放出する。この動作は、「縁反り」スプリングにやや似ている。ダイアフラム130によって動かされる流体の量に対する、液滴として放出する流体の割り合いは、放出器100の所定の設計パラメータによって制御できる。このようなパラメータには、ダイアフラム130の大きさ、加える力、ダイアフラム130と前面板140の間の距離、および例えば放出器100にバルブを組み込む等の、流れの制御に役立つ他の固有の機能が含まれる。図4は、所定の面積と所定の電界強度に対して、流体に加える力とダイアフラム130の変形の間のおおよその定性的関係を示している。
【0028】
ダイアフラム130の変形を制御する方程式からわかるように、放出中に流体に加わる有効な力を制限する主要なパラメータは、ダイアフラム・チャンバ132内の圧縮性流体の誘電率である。この場合、空気はほぼ1の誘電率を有する。動作誘電体として空気を用いることは製造を簡単にするが、そうすることは実現可能な液滴の大きさと速度を制限し、インクジェットヘッドの場合は印刷品質に影響し、放出器100の全体の性能に影響する。
【0029】
この発明のシステムと方法の様々な典型的実施例は、このような欠点を克服する。図5〜7に示したこの発明による双方向流体放出器の第一の典型的実施例において、流体放出器200は、第一ダイアフラム210、第二ダイアフラム212、および第一および第二区分216、218を含むダイアフラム・チャンバ214を備えた密閉型二連ダイアフラム構成を有する。ダイアフラム・チャンバ214は、非圧縮性流体215を収容している。ダイアフラム・チャンバ214は、ダイアフラム210、212の両方の変形に支持点を提供する一つ以上の支柱202を有することができる。
【0030】
様々な典型的実施例において、放出器200は、第一電極220と第二電極222を含む二連電極構成を有することもできる。各電極220、222は、ダイアフラム210、212の対応する一つと平行に対向している。
【0031】
放出する流体230は、放出器200に供給される。放出器200は、流体230を放出するノズル孔242を備えた前面板240を有する。
【0032】
放出器200は、図5〜7に示したような双方向モードで、静電引力の原理に基づいて動作する。図5は初期状態を示し、図6、7は放出する液滴を示している。駆動信号は第二電極222に印加し、第二電極222と第二ダイアフラム212の間に静電界を生成する。図6に示したように、静電引力によって、第二ダイアフラム212は第二電極222に向かって変形し変形状態になる。変形時には、圧力はダイアフラム・チャンバ214の第二区分218から、第一区分216と第一ダイアフラム210に送られる。ダイアフラム・チャンバ214内に収容されている比較的非圧縮性の流体215によって、送られた圧力は第一ダイアフラム210を反対方向に変形させ、ノズル孔242を介して液滴を放出する力を提供する。液滴が放出された後、変形したダイアフラム210、212の弾性復元動作や力を加えることによって逆方向に動く。
【0033】
例えば、駆動信号を第一電極220に送り、第一電極220と第一ダイアフラム210の間に電界を生成することができる。従って、第一ダイアフラム210は事実上双方向に駆動できる。第二電極を備えることで流体230の補充を手助けし、最大動作周波数を増大させる。液滴が放出された後、第二電極222への静電界は除去し、第一電極220と第一ダイアフラム210の間に静電界を生成して、補充サイクルを能動的に強化する。
【0034】
図8は、能動的に強化した放出サイクルを有することによって生成した、放出する流体230に加わる力を定性的に示している。そのサイクルの間に力を有意に増大させることで、図1〜3に示した典型的実施例に対して、図4と図8を比較することでわかるように、図5〜7に示した双方向流体放出器の典型的実施例を実現する。
【0035】
図1〜3に示した放出器100について既に説明したように、ダイアフラム210、212によって動かされる流体の量に対する、液滴として放出する流体230の割り合いは、放出器200の所定の設計パラメータによって制御できる。このパラメータには、ダイアフラム210、212の大きさ、加える力、ダイアフラム210、212と前面板240の間の距離、および例えば放出器200にバルブを組み込む等の、流れの制御に役立つ他の固有の機能が含まれる。設計パラメータとして用いることができる別の変数は、第一および第二ダイアフラム210、212の相対的な大きさである。
【0036】
既に開示して説明した一方向デバイスでは空気を用いるが、この発明による双方向流体放出器の様々な典型的実施例では、高性能非圧縮性誘電流体を用いて、有意に大きな力を流体に加えることができる。例えば、蒸留水は約78の誘電率κを有する。これは、誘電性流体として空気を用いる方法に比べて、放出する流体に加える「スプリング」力を約78倍にできるダイアフラム構造を設計できることを意味する。蒸留水はさらに、約10-6S/mの非常に低い導電率を有し、エネルギ使用量を低減できる。S−流体、T−流体、オイル、有機溶液等の他の誘電性流体を用いることもできる。S−流体とT−流体は、例えば、染料ベースの水性インク、マイクロエマルジョンインク、液晶インク、ホットメルトインク、リポソームインク、顔料インクなど、様々なインクと同じく、顔料や染料を含まない組成を有するテスト流体である。
【0037】
図9〜14は、流体放出器300の第二の典型的実施例を示しており、流体放出器300の異なる動作段階を説明する。放出器300は、第一および第二ノズル孔342、344を有する。
【0038】
流体放出器300は、第一ダイアフラム310、第二ダイアフラム312、および第一および第二区分316、318を含むダイアフラム・チャンバ314を備えた密閉型二連ダイアフラム構成を有する。ダイアフラム・チャンバ314は、非圧縮性流体315を収容している。ダイアフラム・チャンバ314は、ダイアフラム310、312の両方の変形に支持点を提供する一つ以上の支柱302を有することができる。
【0039】
様々な典型的実施例において、放出器300は、第一電極320と第二電極322を含む二連電極構成を有することもできる。各電極320、322は、ダイアフラム310、312の対応する一つと平行に対向している。
【0040】
放出する流体330は、放出器300に供給される。放出器300は、流体330を放出する第一および第二ノズル孔342、344を備えた前面板340を有する。
【0041】
放出器300は、図9〜14に示したような双方向モードで、静電引力の原理に基づいて動作する。図9は初期状態を示し、図10、11は放出する液滴を示している。図12〜14は、第二ノズル孔344を介して液滴を放出する戻り状態を示している。
【0042】
動作中、駆動信号は第二電極322に印加し、第二電極322と第二ダイアフラム312の間に静電界を生成する。静電引力によって、第二ダイアフラム312は第二電極322に向かって変形し変形状態になる。変形時には、圧力はダイアフラム・チャンバ314の第二区分318から、第一区分316と第一ダイアフラム310に送られる。ダイアフラム・チャンバ314内に収容されている比較的非圧縮性の流体によって、送られた圧力は第一ダイアフラム310を反対方向に変形させ、ノズル孔342を介して液滴を放出する力を提供する。液滴が放出された後、ダイアフラム310、312は、変形したダイアフラム310、312の弾性復元動作や力を加えることによって逆方向に動く。この結果、第二ノズル孔344から液滴が放出される。印加した静電界を次第に低減することで、第一ダイアフラム310をその未変形の位置に低速で戻すと、第二ノズル孔344からは液滴は放出されない。このような構成は、単一ノズル構成より高い周波数性能を提供する。
【0043】
必要であれば、駆動信号を変調して、誘電性流体の絶縁破壊許容度を増大させることができる。この方法の本質は、ダイアフラムの「縁反り」動作全体で実質的に一定の静電界を用いることである。臨界絶縁破壊寸法が変化すると絶縁破壊強度も変化する流体の場合、入力駆動信号を適切に調整して、最大可能電界強度を得ることができる。より詳細には、誘電性流体内で発生する電気的絶縁破壊または他の電気化学的反応を最小にするために、駆動信号を調整して、所定の特性を有することができる。例えば、システムを適切な高周波数で駆動できる。またあるいはさらに、所望の周波数の両極性パルス列を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 密閉型ダイアフラムを用いる単一の流体放出器の、ダイアフラムが歪んだ状態での典型的実施例の断面図である。
【図2】 図1の単一の流体放出器の、ダイアフラムが流体の液滴を放出している状態での断面図である。
【図3】 図1の単一の流体放出器の、ダイアフラムが弛緩している状態での断面図である。
【図4】 図1〜3に示した単一の流体放出器の力対距離の関係を示すグラフである。
【図5】 この発明による双方向流体放出器の、異なる状態における第一の典型的実施例の断面図である。
【図6】 この発明による双方向流体放出器の、異なる状態における第一の典型的実施例の断面図である。
【図7】 この発明による双方向流体放出器の、異なる状態における第一の典型的実施例の断面図である。
【図8】 図5〜7に示した双方向流体放出器の典型的実施例の力対距離の関係を示すグラフである。
【図9】 この発明による双方向流体放出器の、前方半サイクルの異なる状態における第二の典型的実施例の断面図である。
【図10】 この発明による双方向流体放出器の、前方半サイクルの異なる状態における第二の典型的実施例の断面図である。
【図11】 この発明による双方向流体放出器の、前方半サイクルの異なる状態における第二の典型的実施例の断面図である。
【図12】 図9〜11に示した双方向流体放出器の、後方半サイクルの異なる状態における典型的実施例の断面図である。
【図13】 図9〜11に示した双方向流体放出器の、後方半サイクルの異なる状態における典型的実施例の断面図である。
【図14】 図9〜11に示した双方向流体放出器の、後方半サイクルの異なる状態における典型的実施例の断面図である。
【符号の説明】
100,200,300 放出器、110 ベース板、120,220,222,320,322 電極、130,210,212,310,312 ダイアフラム、140,240,340 前面板、142,242,342,344 ノズル孔。
Claims (4)
- 基板と、
ノズル孔を備えた前面板と、
前記基板と前記前面板との間であって前記基板上に配設された密閉型のダイアフラム・チャンバと、
を有し、
前記ダイアフラム・チャンバは、
前記ダイアフラム・チャンバの中の同一空間内に設けられる第一ダイアフラム及び第二ダイアフラムと、
前記第一ダイアフラム及び前記第二ダイアフラムの両方の変形に支持点を提供する支柱と、
前記第一ダイアフラム及び前記第二ダイアフラムと対向して配置される電極と、
を有し、
前記電極に印加することにより一方の前記ダイアフラムを前記電極の方向に動かす静電力を生成し、
この生成した静電力による前記電極方向への動きに応じて、他方の前記ダイアフラムを前記電極方向とは反対の方向に動かすことで前記基板と前記前面板との間にある流体を当該他方の前記ダイアフラムに対向した位置の前記ノズル孔から放出することを特徴とする流体放出器。 - 請求項1記載の流体放出器において、
前記ノズル孔は、前記前面板の前記ダイアフラムそれぞれに対向した位置に形成されることを特徴とする流体放出器。 - 請求項1記載の流体放出器において、
流体を当該他方の前記ダイアフラムに対向した位置の前記ノズル孔から放出した後、当該他方の前記ダイアフラムを前記電極の方向に動かす静電力を生成し、
この生成した静電力による前記電極方向への動きに応じて、前記一方の前記ダイアフラムを前記電極方向とは反対の方向に動かすことで前記基板と前記前面板との間にある流体を当該一方の前記ダイアフラムに対向した位置の前記ノズル孔から放出することを特徴とする流体放出器。 - 請求項1記載の流体放出器において、
前記ダイアフラム・チャンバの中の同一空間内には、前記流体として非圧縮性流体が収容されることを特徴とする流体放出器。
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