JP4739310B2 - ゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法 - Google Patents
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Description
従来、このゲート絶縁膜としてSiO2膜が使用されているが、界面特性からみて最も優れたものであった。そして、このゲート絶縁膜として使用されているSiO2膜が薄いほどキャリヤ(すなわち電子又は正孔)の数が増えてドレイン電流を増やすことができるという特性を有している。
一方で、トランジスタをより微細化しようとしているが、前記のようにゲート絶縁膜であるSiO2膜の膜厚に制限がある以上、トランジスタの微細化が意味をなさず、性能が改善されないという問題を生じた。
また、LSIの電源電圧を下げ消費電力を下げるためには、ゲート絶縁膜をより一層薄くする必要があるが、SiO2膜を3nm以下にすると上記のようにゲート絶縁破壊の問題があるので、薄膜化それ自体に限界があった。
この高誘電体ゲート絶縁膜は比較的厚い膜でSiO2膜と同等の容量を得ることができ、トンネル漏れ電流を抑制できるという特徴を有している。また、SiO2にHfを添加したものとみなすことができるため、界面特性もSiO2に近いものとなると予想される。
このため、良質のHfO2・SiO2高誘電体ゲート絶縁膜を、容易かつ安定して形成できるスパッタリングターゲットが求められている。
1.HfSi0.05−0.37からなる組成の粉末を合成し、これを1700°C〜1830°Cでホットプレスすることにより、Hf 2 Si相及びHf相を主とする混相を備え、相対密度が95%以上であることを特徴とするHfSi 0.05−0.37 からなるゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法
2.酸素含有量が500〜10000ppmであることを特徴とする上記1記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法
3.ジルコニウムの含有量が2.5wt%以下であることを特徴とする上記1又は2記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法
4.不純物であるC:300ppm以下、Ti:100ppm以下、Mo:100ppm以下、W:10ppm以下、Nb:10ppm以下、Fe:10ppm以下、Ni:10ppm以下、Cr:10ppm以下、Na:0.1ppm以下、K:0.1ppm以下、U:0.01ppm以下、Th:0.01ppm以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれか一項に記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法
5.平均結晶粒径が5〜200μmであることを特徴とする上記1〜4のいずれか一項に記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法、を提供する。
また、本発明によって製造された高密度化されたシリサイドターゲットは、スパッタリング中にポアに起因するパーティクルの発生や脆性組織の破壊飛散に起因するパーティクルの発生を防止でき、ターゲットの加工や製造工程中に発火することがないという著しい効果を有する。
このため、ハフニウムに対するシリコンの量を減少させて焼結する方法を試みた。このようにシリコンの量を減少させて焼結した場合、Hf5Si4(HfSi0.8)やHf3Si2(HfSi0.67)、Hf2Si(HfSi 0.5 )などの混晶となるが、これらの間化合物ハフニウムシリサイドは、その融点が高いことに起因して焼結時に十分な密度上昇が得られず、ポーラスな組織の焼結体となり、パーティクル発生の多いターゲットとなる問題があった。
本発明は、密度向上を目途としてさらに改良を重ね、ゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットとして好適なターゲットを得ることに成功した。
相対密度を95%未満になると、密度不足で脆性が低くなり加工性も悪くなる。さらに脆性結晶の破壊飛散によるパーティクル増を引き起こす。したがって、上記の範囲であることが望ましい。
ゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲット中の酸素含有量は、500〜10000ppmとすることが望ましい。酸素が500ppm未満では、ターゲット製造中に発火の危険性がり、逆に10000ppmを超えるとターゲット中の酸素が酸化物として析出してスパッタ中の異常放電の原因となり、パーティクルが増え製品歩留まりが低下するからである。
また、ターゲット中のジルコニウムの含有量は2.5wt%以下に抑えることが望ましい。ジルコニウム量が2.5wt%を超えた場合、酸化膜形成のための反応性スパッタ時の電圧、電流、基板温度などのプロセス条件が大きく変動し、好ましくないからである。
さらに、ゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲット中の不純物であるC:300ppm以下、Ti:100ppm以下、Mo:100ppm以下、W:10ppm以下、Nb:10ppm以下、Fe:10ppm以下、Ni:10ppm以下、Cr:10ppm以下、Na:0.1ppm以下、K:0.1ppm以下、U:0.01ppm以下、Th:0.01ppm以下であることが望ましい。これらは、ゲート電極及び下部Si基板部への汚染源となるからである。
Hf粉を使用することも考えられるが、Hf粉は酸化力が強く、微粉化すると発火するという問題を生ずるので好ましくない。
したがって、このような発火防止のために水素化ハフニウムを使用する。水素化ハフニウム粉は平均粒径20μm以下に微粉砕して用いる。この微粉を用いることにより焼結時の高密度化が可能となる。
上記焼成の際の加熱により脱水素とシリサイド化を行う。脱水素は約600°Cから起こる。焼結は真空中(1×10−4〜1×10−2Torr)で行うが、脱水素のために若干水素雰囲気になっている。
また、800°Cまで加熱することで、脱水素は完了し、かつHfメタルで発火のおそれのある部分は、シリサイド化もしくは発火のおそれのない程度(およそ3μm以上)まで焼結が進む。
このように、低温で焼成するため結晶粒の成長を抑制できる大きな特徴を有しており、ゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの平均結晶粒径を5〜200μmにすることができる。そして、焼結する際に高密度化が達成できる。
平均結晶粒径が5μmに満たないターゲットは、酸素量を10000ppm以下とすることが難しく、また製造工程中で発火の虞があり、また200μmを超える場合には、パーティクルが増加し、製品歩留まりが低下するので、上記のように平均結晶粒径を5〜200μmにすることが望ましい。
上記のHfSi0.05−0.37からなる組成の粉末の合成と、これを1700°C〜1830°Cでホットプレスすることによって、焼結時の高密度化が可能となった。
上記のホットプレスの温度は、合成粉の液相生成直下の温度であり、この温度域での焼結は重要である。これによって相対密度を95%以上に高密度化したハフニウムシリサイドターゲットが得られる。
高密度化された本発明のハフニウムシリサイドターゲットは、スパッタリング中にポアに起因するパーティクルの発生などを防止できる効果を有する。
HfH2粉とSi粉とを混合し、真空中、800°Cで加熱することにより、脱水素反応とシリサイド合成反応を一挙に行い、HfSi0.32の合成粉を得た。このハフニウムシリサイド粉を粉砕し、−200メッシュのハフニウムシリサイド粉末を得た。このハフニウムシリサイド粉は、XRDによりHf2Si相及びHf相を主とする混相からなっていることを確認した。
このシリサイド粉末を用いて、1800°Cで300kg/cm2×2時間の条件でホットプレス法により密度99.7%の焼結体を得た。これをさらに、機械加工によりφ300mm×6.35mmtのターゲットを作製した。ポアが殆どない組織が得られた。
このようにして作製したターゲットを用いてスパッタリングを行い、6インチ型ウエハー上のパーティクルを測定したところ、0.2μm以上の寸法のパーティクルが合計24ケであり、パーティクル発生が著しく低減した。
以上により、加工性、耐脆化性等に富むハフニウムシリサイドターゲットが得られた。さらに湿式加工で適用できるため加工中に発火する危険は全くなかった。
HfH2粉とSi粉とを混合し、真空中、800°Cで加熱することにより、脱水素反応とシリサイド合成反応を一挙に行い、HfSi0.25の合成粉を得た。このシリサイド粉を粉砕し、−200メッシュのハフニウムシリサイド粉末を得た。このハフニウムシリサイド粉は、XRDによりHf2Si相及びHf相を主とする混相からなっていることを確認した。
このハフニウムシリサイド粉末を用いて、1800°Cで300kg/cm2×2時間の条件でホットプレス法により密度99.8%の焼結体を得た。機械加工によりφ300mm×6.35mmtのターゲットを作製した。
このようにして作製したハフニウムシリサイドターゲットを用いてスパッタリングを行い、6インチ型ウエハー上のパーティクルを測定したところ、0.2μm以上の寸法のパーティクルが合計30ケであり、パーティクル発生が著しく低減した。
以上により、加工性、耐脆化性等に富むハフニウムシリサイドターゲットが得られた。さらに加工中に発火する危険は全くなかった。
HfH2粉とSi粉とを混合し、真空中、800°Cで加熱することにより、脱水素反応とシリサイド合成反応を一挙に行い、HfSi0.42の合成粉を得た。このシリサイド粉を粉砕し、−200メッシュのハフニウムシリサイド粉末を得た。このハフニウムシリサイド粉は、XRDによりHf2Si相及びHf相を主とする混相からなっていることを確認した。
このシリサイド粉末を用いて、1800°Cで300kg/cm2×2時間の条件でホットプレス法により焼結体を得た。このホットプレスの条件は、実施例1と同一であるにもかかわらず、87.0%の低密度の焼結体であった。これを機械加工によりφ300mm×6.35mmtのターゲットを作製した。
このようにして作製したターゲットを用いてスパッタリングを行い、6インチ型ウエハー上のパーティクルを測定したところ、0.2μm以上の寸法のパーティクルが合計310ケであった。さらに、ターゲット面外周部にノジュールと呼ばれる突起が多数発生していた。
また、湿式加工を適用すると加工液による汚染がおき、後工程でこの汚染を除去できないことから、実用に適した純度のターゲットは得ることができないという問題がある。
HfH2粉とSi粉とを混合し、真空中、800°Cで加熱することにより、脱水素反応とシリサイド合成反応を一挙に行い、HfSi0.7の合成粉を得た。このシリサイド粉を粉砕し、−200メッシュのハフニウムシリサイド粉末を得た。このハフニウムシリサイド粉は、XRDによりHf2Si3相及び若干のHf5Si3相を主とする混相からなっていることを確認した。
このハフニウムシリサイド粉末を用いて、1800°Cで300kg/cm2×2時間の条件でホットプレス法により焼結体を得た。このホットプレスの条件は、実施例1と同一であるにもかかわらず、80.0%の低密度の焼結体であった。これを、機械加工によりφ300mm×6.35mmtのターゲットを作製した。
このようにして作製したターゲットを用いてスパッタリングを行い、6インチ型ウエハー上のパーティクルを測定したところ、0.2μm以上の寸法のパーティクルが合計510ケであった。また、ノジュールが多数発生していた。
また、比較例1と同様に、湿式加工を適用すると、加工液による汚染がおき、また後工程でこの汚染を除去できないことから、実用に適した純度のターゲットは得ることができないという問題がある。
これに対し、比較例1は相対密度が87.0%と低かった。この結果、パーティクル数は310ケであり、ノジュールが発生し悪い結果となった。
また、比較例2では相対密度が80.0%と低かった。この結果、パーティクル数は510ケであり、同様にノジュールが発生し悪い結果となった。
以上から、本発明の実施例の優位性は明らかであり、優れた特性を有することが分かる。
本発明によって製造されたハフニウムシリサイドターゲットは相対密度95%以上であり、優れた強度をもつ。また、高密度化された本発明のシリサイドターゲットは、スパッタリング中にポアに起因するパーティクルの発生や脆性組織の破壊飛散に起因するパーティクルの発生を防止でき、ターゲットの加工や製造工程中に発火することがないという著しい効果を有するので、高誘電体ゲート絶縁膜用ハフニウムシリサイドターゲットとして有用である。
Claims (4)
- HfSi0.05−0.37からなる組成の粉末を合成し、これを1700°C〜1830°Cでホットプレスすることにより、Hf2Si相及びHf相を主とする混相を備え、相対密度が95%以上であり、酸素含有量が500〜10000ppmであることを特徴とするHfSi0.05−0.37からなるゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法。
- ジルコニウムの含有量が2.5wt%以下であることを特徴とする請求項1記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法。
- 不純物であるC:300ppm以下、Ti:100ppm以下、Mo:100ppm以下、W:10ppm以下、Nb:10ppm以下、Fe:10ppm以下、Ni:10ppm以下、Cr:10ppm以下、Na:0.1ppm以下、K:0.1ppm以下、U:0.01ppm以下、Th:0.01ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法。
- 平均結晶粒径が5〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲート酸化膜形成用ハフニウムシリサイドターゲットの製造方法。
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