JP4736354B2 - コントローラ、画像処理装置およびプログラムの実行を制御する方法 - Google Patents

コントローラ、画像処理装置およびプログラムの実行を制御する方法 Download PDF

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Description

本発明は、プログラムを実行するプロセッサに関し、特に、プリンタや複写機、あるいはプリント、コピー、ファクシミリの機能を備えた複合機に用いることができるプロセッサに関する。より詳細には、画像処理装置が省電力モードから通常動作モードへ復帰する際の制御に関する。
近年、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像処理装置では、使用しないときには消費する電力を低減する工夫が図られている。具体的には、印刷エンジン部の省電力化のみならず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのクロック周波数を低く設定したり又は完全に停止させる処理や、画像メモリやASICなど省電力時には必要とされない各部への電源供給を遮断するなどの手段がとられている。
装置の消費電力を低減することを目的とした発明として、特許文献1に開示された発明が知られている。特許文献1に開示された省電力モードを有する電子印刷装置では、通常動作モードから省電力モードに移行する際に、通常動作モードに復帰するためのプログラムやインターフェース制御プログラムを画像メモリに格納し、復帰に不要な部分を省電力モードにしている。また通常動作モードへの復帰時には、プログラムを格納するプログララムメモリが使用可能となるまでの間、CPUは画像メモリ内に格納された復帰プログラムを一時的に使用して装置を通常動作モードに復帰させる。
また、通常動作時のデータ処理を高速化する工夫も図られるようになっており、代表的な方法として、アクセスタイムの長いROM(Read Only Memory)からアクセスタイムの短いRAM(Random Access Memory)上にプログラムを展開して、コントローラ上のCPUは、RAMからプログラムをリードすることでより高速に動作する方法が取られている。
特開2000−326590号
しかしながら、ROMに書き込まれるデータ量は近年ますます増加する傾向にあり、上述したようなROMからRAM上にプログラムを展開して、CPUがこのRAMからプログラムをリードする方法では、ROMのプログラムをRAMに展開するまでに時間がかかってしまう。このため、通常動作モードに復帰するまでにかかる時間を短縮することは困難である。
特にプリンタや複写機といった画像処理装置においては、電源スイッチをONにしても上記のようにプログラムをROMからRAM上にコピーしている間は、コントロールパネル上には何も表示されないため、マシンを使用しようとするユーザに対しても好ましくない。
また、上述した特許文献1に記載の発明は、装置の省電力化を図ることを主たる目的としており、省電力モードから通常動作モードへの復帰、更には復帰に要する時間の短縮については何ら考慮していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、プログラムの実行に要する時間を短縮することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のコントローラは、制御プログラムを記憶する不揮発性の第1の記憶部と、前記制御プログラムに従った処理を実行するCPUと、前記CPUの実行する処理の作業領域を提供する第2の記憶部と、外部から入力される処理要求を受け付ける受付部と、を備え、前記CPUは、前記第1の記憶部から読み出され、前記第2の記憶部に記憶された前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第1のモードと、前記第1の記憶部の記憶する前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第2のモードとを備え、前記CPUは、前記受付部で処理要求を受け付けて、電力モードを省電力モードから電力の削減を行わない通常モードへ復帰させる場合、又は電源スイッチのオン操作によって電源からの電源供給が開始された場合に、前記第2のモードで動作を開始して前記第1の記憶部から前記制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに従って前記受付部で受け付けた処理要求の処理を行い、前記CPUは、当該処理を終了しても所定時間、前記受付部で別の処理要求を受け付けなかった場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させて動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、前記第2の記憶部から読み込んだ前記制御プログラムに従って前記受付部当該変更後に受け付けた処理要求の処理を行うことを特徴とする。
受付部で処理要求を受け付けて、電力モードを省電力モードから電力の削減を行わない通常モードへ復帰させる場合や、電源スイッチのオン操作によって電源からの電源供給が開始された場合など、ユーザが処理を早期に開始させたいと望むような状況においては、CPUが第2のモードで動作を開始して、第1の記憶部から制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに従って受付部で受け付けた処理要求の処理を行うことで、CPUによる処理を開始させることができる。
また、処理が終了し、所定時間、受付部で処理要求を受け付けなかった場合には、CPUは、第1の記憶部に記憶した制御プログラムを第2の記憶部に記憶させて動作モードを第2のモードから第1のモードに変更することで、当該変更後に受け付けた処理要求の処理を第1のモードで処理することができる。
上記コントローラにおいて、前記CPUは、動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更した場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理が終了すると、その後前記受付部で受け付けた処理要求を処理するために前記CPUが読み込む制御プログラムの開始アドレスを、前記第1の記憶部から前記第2の記憶部に変更することを特徴とする。
したがって、CPUに、第2の記憶部から制御プログラムを読み込ませることができ、CPUに、読み込んだ制御プログラムに従って処理を行わせることができる。
上記コントローラにおいて、前記第1のモードにより、前記CPUが前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理は、前記CPUから指示を受けたDMAコントローラが前記制御プログラムを前記第1記憶部から読み出して、前記第2記憶部に送って記憶させることを特徴とする。
したがって、CPUの処理負荷を軽減することができる。
上記コントローラにおいて、前記CPUに割込信号を送り、前記CPUの動作モードを前記第2モードから前記第1モードに変更させるパワーコントローラを備え、前記CPUは、前記パワーコントローラから前記割込信号を入力すると、動作モードを前記第1モードから前記第2モードへ移行する際に割り込みベクタに設定された前記第1記憶部のアドレスを参照して、前記第1記憶部から制御プログラムを読み込むことを特徴とする。
したがって、CPUに、第2の記憶部から制御プログラムを読み込ませることができ、CPUに、読み込んだ制御プログラムに従って処理を行わせることができる。
上記コントローラにおいて、前記パワーコントローラは、前記CPUの動作モードを前記第2モードから前記第1モードへ移行させる際に、外部へ画像データを出力する又は外部から画像データを入力するビデオインターフェースに、該ビデオインターフェースを動作させるクロックと電源を供給することを特徴とする。
したがって、ビデオインターフェースを省電力モードから復帰させることができる。
上記コントローラにおいて、前記第1の記憶部は、前記第1の記憶部に記憶された前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理が終了した後は、ディスエーブル状態とされることを特徴とする。
したがって、第1の記憶部から制御プログラムを読み出して第2の記憶部に記憶させた後は、第1の記憶部の消費電力を削減することができる。
本発明の画像処理装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載のコントローラを備えることを特徴とする
本発明の制御方法は、制御プログラムを記憶する不揮発性の第1の記憶部と、前記制御プログラムに従った処理を実行するCPUと、前記CPUの実行する処理の作業領域を提供する第2の記憶部と、外部から入力される処理要求を受け付ける受付部と、を備え、前記CPUは、前記第1の記憶部から読み出され、前記第2の記憶部に記憶された前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第1のモードと、前記第1の記憶部の記憶する前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第2のモードとを備えるコントローラの制御方法であって、前記CPUは、前記受付部で処理要求を受け付けて、電力モードを省電力モードから電力の削減を行わない通常モードへ復帰させる場合、又は電源スイッチのオン操作によって電源からの電源供給が開始された場合に、前記第2のモードで動作を開始して前記第1の記憶部から前記制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに従って前記受付部で受け付けた処理要求の処理を行い、前記CPUは、当該処理を終了しても所定時間、前記受付部で別の処理要求を受け付けなかった場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させて動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、前記第2の記憶部から読み込んだ前記制御プログラムに従って前記受付部当該変更後に受け付けた処理要求の処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、プロセッサは、第1の記憶部から読み出して第2の記憶部に格納したプログラムを読み出して実行する第1のモードと、処理部が第1の記憶部から直接プログラムを読み出して実行する第2のモードを備えているため、プログラムを第1の記憶部から第2の記憶部へ書き込む時間のロスをなくし、プログラムの実行に要する時間を短縮することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
図1には、プリンタや複写機、あるいはプリント、コピー、ファクシミリなどの機能を備える複合機等の画像処理装置に装着されるコントローラ1の構成が示されている。
図1に示されるように本実施例のコントローラ1は、CPU2、プログラムROM3、システムRAM4、バッファ5、バスブリッジ回路6、ユーザインターフェースコントローラ9、パワーコントローラ10、ホストインターフェースコントローラ11、ビデオインターフェースコントローラ12などを備えている。
メモリバス7上にはプログラムROM3と、システムRAM4と、バッファ5とが配置されている。制御プログラム(以下、プログラムという)を実行するCPU2と、プログラムROM3、システムRAM4とは、バスブリッジ回路6によるメモリバス7のコントロール機能により通信を行う。ここで、CPU2は処理部であり、プログラムROM3は不揮発性の第1の記憶部、システムRAM4はCPU2の作業領域を提供する第2の記憶部として機能する。
また、バスブリッジ回路6は、I/Oバス8にも接続されている。I/Oバス8には、外部の装置とのインターフェースとなるユーザインターフェースコントローラ9と、ホストマシンとのインターフェースとなるホストインターフェースコントローラ11と、エンジン制御ユニット15、スキャナ制御ユニット17とのインターフェースとなるビデオインターフェースコントローラ12とが接続されている。
CPU2は、プログラムROM3に格納されたプログラムを使用して、システムRAM4を作業領域として処理を行う。システムRAM4には処理中のデータやプログラムが書き込まれる。
バスブリッジ回路6は、CPU2とI/Oバス8との間のデータのやり取りの中継や、メモリバス7のコントロール機能(プログラムROM3に記録されたプログラムをシステムRAM4に書き込む際の転送制御機能)を持つ。
また、I/Oバス8に接続されたビデオインターフェースコントローラ12は、印刷エンジン16を制御するエンジン制御ユニット15と、スキャナ18を制御するスキャナ制御ユニット17とに接続されている。ビデオインターフェースコントローラ12は、エンジン制御ユニット15を介して印刷エンジン16へ画像データを出力する機能、スキャナ制御ユニット17を介してスキャナ18から読み取った画像データを入力する機能を有している。
ホストインターフェースコントローラ11は、USBやIEEE.1284によって接続されたPCなどの外部ホストマシンとのインターフェースを制御する。
ユーザインターフェースコントローラ9は、LCDやテンキーを持つコントロールパネルとのインターフェースを制御する。
パワーコントローラ10は、省電力モードから通常動作モードに復帰するための処理を行う。具体的には、コントロールパネル13のボタン操作をユーザインターフェースコントローラ9によって検知した場合、またはホストマシン14からの印刷指示等をホストインターフェースコントローラ11によって検知した場合、CPU2を省電力モードから通常動作モードに復帰させるための割り込み信号を発生し、CPU2に入力する。また、図1に示すようにパワーコントローラ10は、ビデオインターフェースコントローラ12、プログラムROM3、システムRAM4と接続し、ビデオインターフェースコントローラ12へのクロック及び電源の供給、プログラムROM3、システムRAM4への電源供給を通常動作モード時、省電力モード時に制御する。
なお、上述したプログラムROM3とは、フラッシュメモリやワンタイムPROM(Programmable Read Only Memory)、マスクROMなどを指し、システムRAM4とは、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)などの高速アクセス可能なRAMを指すものとする。
ここで、アドレスマップの一例を図2を参照しながら説明する。なお、アドレスおよび各空間の配置(マッピング)は一例であるので必ずしもこの通りでなくてもよい。図2に示すように本実施例に用意されたメモリ空間は、システムRAM4のシステムRAM空間と、I/Oバス空間領域と、プログラムROM3のROM空間と、予約された予約領域とからなる。
システムRAM空間には、後述するRAM実行モードにより読み出すプログラムを展開したプログラム展開領域と、データを記録したデータ領域と、プログラムが使用する一般的な変数を置いておくスタック領域とがある。
またI/Oバス空間領域は、I/Oバスに接続されるデバイス、例えばビデオインターフェースコントローラ12のレジスタ群などがマッピングされる。
ROM空間には、ROM実行用プログラム領域とRAM実行用プログラム領域とがある。ROM実行用プログラム領域は、CPU2が直接リードして命令実行するためのプログラムが格納されており、RAM実行用プログラム領域は、システムRAM4に展開したのち、該当のシステムRAM4の領域をリードして命令実行するためのプログラムが格納されている。つまり、システムRAM4に展開して使用することを前提として、アドレス情報等が生成されたプログラムである。
ROM実行用プログラムの格納には、CPUが直接リードし命令を実行するため、ランダムアクセス可能な不揮発性メモリ、例えば、NOR型フラッシュメモリなどを使う。一方、RAM実行用のプログラムの格納には、その領域をCPUが直接リードして命令を実行するわけではなく、システムRAM4に展開したのちシステムRAM上のプログラムをリードして命令を実行するため、例えば、NAND型フラッシュメモリを使うことができる。NAND型フラッシュメモリは同容量のNOR型フラッシュメモリと比較して安価である。さらには、RAM実行用プログラムは圧縮してメモリに格納することができ、メモリ容量の削減も可能である。なお、図1の本実施例のコントローラ1には、プログラム格納用の不揮発性媒体として、上記のように厳密に区別することなくプログラムROM3としている。
上記構成を具備する本実施例のコントローラ(画像処理装置)1は、通常動作モードと省電力モードを有し、CPU2がプログラムをプログラムROM3からリードして実行するモード(以下、ROM実行モードという)と、よりアクセス時間の速いシステムRAM4からリードして実行するモード(以下、RAM実行モードという)を持つことを特徴としている。本明細書ではまた、RAM実行モード及びROM実行モードをそれぞれ第1及び第2のモードと呼ぶ。
通常動作モード時においては、CPU2が実行するプログラムは、アクセス時間の短いシステムRAM4、たとえばSDRAMに転送され、CPU2はRAM内のプログラムを実行することでより高速に処理を行う(RAM実行モード)。
CPU2が処理すべき画像処理データ、例えば、プリントデータやコピーデータが所定期間無い場合には、通常動作モードから省電力モードに移行する。コントローラ1の省電力モードでは、ビデオインターフェースコントローラやプログラムROM3、システムRAM4の電源をOFFにする。また、ビデオインターフェースコントローラ12の省電力モードでは、供給するクロックを停止したり、内部でクロックをディセーブルするなどしてもよい。CPU2自身も所定の省電力モードに移行し、消費する電力を低減させる。各ユニットの省電力モード時の状態を表1に示す。
Figure 0004736354
本実施例は、このような省電力モードからの立ち上がり時間(画像処理装置に対して印刷要求などの要求を行なってから画像処理装置が処理可能となるまでの時間)を短縮させる。このためコントロールパネル13からの操作入力、外部のホストマシン14からの印刷要求を受け付けた際に、図3に示されるようにパワーコントローラ10により割り込み信号を発生してCPU2に入力する。CPU2は、パワーコントローラ10からの割り込み信号により省電力モードから通常動作モードに移行し、プログラムROM3に処理を実行するためのプログラムを読み出しに行く。従来の省電力モードからの立ち上がり時にはプログラムROM3に書き込まれたプログラムをシステムRAM4上に展開してからCPU2がシステムRAM4にプログラムを読み出しに行くため、プログラムをプログラムROM3からシステムRAM4に展開してからでないとCPU2は処理を開始することができなかった。これに対し本実施例では、CPU2が直接プログラムROM3にプログラムを読み出しにいくため、処理開始までにかかる時間を短縮させることができる。
また、プログラムROM3から読み込んだプログラムによるCPU2の処理が、一定時間を経過しても実行されない場合に、図3に示されるようにプログラムROM3に書き込まれたプログラムをシステムRAM4に書き込み、CPU2は以降このシステムRAM4からプログラムを読み込み処理を行なう。
従って、電源供給開始時、省電力モードから通常動作モードへの復帰時のように装置の素早い対応が要求される時には、プログラムROM3からプログラムを読み込んで要求された処理を開始できる状態になると共に、処理が一定時間実行されない時には、CPU2による高速アクセスが可能なシステムRAM4にプログラムROM3のプログラムを書き込むことで、CPUの処理能力、及び処理性能を向上させることができる。
次に、省電力モードにある画像処理装置がコントロールパネル13の操作により通常動作モードに復帰する際の手順について図4に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
ユーザによりコントロールパネル13上にある省電力モードから通常動作モードへの復帰ボタンが押されたとき(ステップS1/YES)、パワーコントローラ10は、このボタン入力を検知する。パワーコントローラ10は、復帰ボタン入力の検知により省電力モードから通常動作モードに復帰させるための処理を行う。
まず、パワーコントローラ10は、ビデオインターフェースコントローラ12へのクロック供給を停止していた場合には、このビデオインターフェースコントローラ12へのクロック供給を開始し、また電源供給を停止していた場合には、ビデオインターフェースコントローラ12への電源供給を行う。通常、一部回路の電源ON/OFFは、FETにより制御されることが多く、本実施例でも電源ONのためFETをONする制御をパワーコントローラ10が行う(ステップS2)。同時に、プログラムROM3やシステムRAM4の省電力解除のため、プログラムROM3やシステムRAM4への電源供給も指示する(ステップS2)。
さらにパワーコントローラ10は、CPU2を省電力モードから復帰させるために割り込み信号を発生して、CPU2に入力する(ステップS3)。CPUは割り込み信号が入力されると、所定のアドレス(一般に割り込みベクタという)にジャンプする。割り込みベクタは、CPU内のレジスタ設定によってROM空間にもRAM空間にも配置することができる。本例では、省電力モードに移行するときに、割り込みベクタをROM空間に配置するように設定しておく。
省電力モードから通常動作モードに復帰するときに(ステップS4)、CPU2は、最初にメモリバス7上に配置されたプログラムROM3にアクセスし、プログラムROM3に格納されているプログラムを読み出し実行する(ROM実行モード)(ステップS5)。
通常動作モードに復帰すると(ステップS6)、CPU2はROM実行モードでは、タイマを初期化して(ステップS7)タイマ計測を開始し(ステップS8)、所定時間中にユーザからジョブ指示があるかを監視する(ステップS9)。ユーザよりジョブ指示があれば(ステップS9/YES)、CPU2はプログラムROM3から読み込んだプログラムにより処理を開始する(ステップS10)。ユーザから指示された画像処理、例えばコピー画像処理を実行し、印刷エンジン16へビデオクロックに同期して画像データを出力し、印刷エンジン16は入力された画像データを印字し、コピー処理を終了する。所定時間内に処理が引き続き入力されれば(ステップS11/NOかつステップS9/YES)、入力された処理を実行し(ステップS10)、入力処理がなくなるまで(ステップS9/NOかつステップS11/YES)これを繰り返す。このとき、一連の処理でCPU2によって実行される関数で必要とされる戻りアドレスは、システムRAM空間のスタック領域にプッシュ(配置)されるようになっている。プログラムROM3から読み込んだプログラムにより処理が実行される場合には、戻りアドレスはROM空間上のアドレスがスタック領域にプッシュ(配置)される。
処理終了後、所定時間内に次の画像処理が入力されていない場合(ステップS9/NOかつステップS11/YES)、プログラムROM3内のRAM実行用プログラムデータをシステムRAM4にコピーする(ステップS12)。プログラムROM3からシステムRAM4へのプログラムの転送制御は、CPU2がリードしシステムRAM4にライトしても、バスブリッジ回路6内のDMA機能を使ってもよい。ただし、RAM実行用プログラムが圧縮されて格納されている場合には、伸張したのちにシステムRAM4にライトする必要がある。プログラムデータのシステムRAM4へのコピーが終了した時点で、割り込みをマスクし(ステップS13)、タスク切り換えを行なわないようにセットする(ステップS14)。通常、OSの機能として、タスク切り換えディセーブルコマンドが用意されている。その後、スタック領域内にプッシュ(配置)された関数の戻りアドレス情報をROM空間からシステムRAM空間に変換する(ステップS15)。ROM実行用プログラム領域における実行プログラムとシステムRAM空間のプログラム実行領域に展開されたRAM実行プログラムとの下位ビットアドレスが同じになるように設計しておけば、戻りアドレス情報をROM空間からシステムRAM空間へ変換するのは、戻りアドレス情報の所定のアドレス上位ビットを変更することでできる。その後、ジャンプ命令によって、プログラムカウンタをシステムRAM空間にジャンプさせる(ステップS16)。タスク切り換えを有効にすると共に(ステップS17)割り込みを有効にし(ステップS18)、RAM実行モードに至る。なお、プログラムのシステムRAM4への書き込み後、プログラムROM3への不要な電源の供給は遮断される。これにより、装置の消費電力を低減させる。
次に、省電力モードにある画像処理装置が外部ホストからの印刷指示によって通常動作モードに復帰する際の手順について図5に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
パソコン等の外部のホストマシン14からUSBインターフェース等を介して印刷指示が入力された時(ステップS21/YES)、ホストインターフェースコントローラ11は、この印刷指示を検知し、パワーコントローラ10に通知する。パワーコントローラ10は、ホストインターフェースコントローラ11からの通知により省電力モードから通常動作モードに復帰させるための処理を行う。
ここでのパワーコントローラ10の処理は、上述したコントロールパネル13上の復帰ボタンが押された際の手順と同一であるため、簡単に説明するが、ビデオインターフェースコントローラ12へのクロック供給や電源供給と、プログラムROM3、システムRAM4への電源供給と(ステップS22)、CPU2に対して省電力モードからの復帰イベント、例えば割り込みを入力する(ステップS23)。この動作手順では、ホストインターフェースコントローラ11も印刷データ受信の割り込み信号をCPU2に入力する。ホストインターフェースコントローラ11内には印刷指示されたデータを一時的に格納するFIFO(First In First Out)等のメモリ、および受信したデータをメモリバス上のシステムRAM4へ転送するためのDMA(Direct Memory Access)コントローラを備える。
省電力モードから通常動作モードに復帰するときに(ステップS24)、CPU2は、最初にメモリバス7上に配置されたプログラムROM3にアクセスし、プログラムROM3に格納されているプログラムを読み出し実行する(ROM実行モード)(ステップS25)。
通常動作モードに復帰すると(ステップS26)、CPU2はプログラムROM3から読み込んだプログラムにより処理を開始する(ステップS27)。まず、CPU2は、ホストインターフェースコントローラ11からの印刷データ受信割り込み信号を認知し、ホストインターフェースコントローラ11内のDMAコントローラの制御レジスタに転送先システムRAM4のアドレスを設定し、DMAを起動させる(ステップS28)。
次に、CPU2は、システムRAM4に転送された印刷指示データを画像データに変換し、変換した画像データをシステムRAM4に格納する。また、ビデオインターフェースコントローラ12内のDMAコントローラによって、システムRAM4からビデオインターフェースコントローラ12へ画像データを転送させる(ステップS29)。ビデオインターフェースコントローラ12は印刷エンジン16へビデオクロックに同期して画像データを出力し、印刷エンジン16は入力された画像データを印字し、印刷処理を終了する。
次にCPU2は、タイマを初期化して(ステップS30)タイマ計測を開始し(ステップS31)、所定時間中にユーザからジョブ指示があるかを監視する(ステップS32)。ユーザよりジョブ指示があれば(ステップS32/YES)、CPU2はプログラムROM3から読み込んだプログラムにより処理を開始する(ステップS33)。これをタイマが所定時間を計時しタイムアウトとなるまで繰り返す(ステップS34)。
処理が終了し、タイマにより所定時間を計時すると(ステップS34/YES)、上述した手順(ステップS12〜ステップS18)と同様の手順を実行し、プログラム実行モードをROM実行モードからRAM実行モードに変更する(ステップS35〜41)。なお、プログラムのシステムRAM4への書き込み後、プログラムROM3への不要な電源の供給は遮断される。これにより、装置の消費電力を低減させる。
通常、RAMへのアクセス時間は、ROMへのアクセス時間に比べて速いため、ROM実行モードからRAM実行モードに変更した後は、プログラム命令実行を大幅に短縮することができる。
上述した手順は、省電力モードから通常動作モードに復帰する場合の手順について説明したが、画像処理装置の電源ON時も同様のシーケンスをとることができる。この手順を図6に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
本画像処理装置の電源をONすると(ステップS51)、CPU2はプログラムROM3にアクセスし、プログラムROM3内に格納されているブートプログラムを実行し(ステップS52)、通常動作モードに至る(ステップ53)。
次にCPU2は、タイマを初期化して(ステップS54)タイマ計測を開始し(ステップS55)、所定時間中にユーザからジョブ指示があるかを監視する(ステップS56)。コピー処理、印刷処理、あるいはスキャン処理等のジョブ指示が入力されれば(ステップS56/YES)、CPU2はプログラムROM3から読み込んだプログラムにより画像処理を開始する(ステップS57)。これをタイマが所定時間を計時しタイムアウトとなるまで繰り返す(ステップS58)。
処理が終了し、タイマにより所定時間を計時すると(ステップS58/YES)、上述した手順(ステップS12〜ステップS18)と同様の手順を実行し、プログラム実行モードをROM実行モードからRAM実行モードに変更する(ステップS59〜65)。なお、プログラムのシステムRAM4への書き込み後、プログラムROM3への不要な電源の供給は遮断される。これにより、装置の消費電力を低減させる。
このように本実施例は、省電力モードから通常動作モードに移行する際に、CPU2がプログラムROM3からプログラムを読み出して装置を制御する。従って、CPU2が直接プログラムROM3からプログラムを読み込むため、プログラムをプログラムROM3からシステムRAM4へ書き込む時間のロスをなくし、所望のデータ処理を開始するまでの時間を短縮することができる。電源供給開始時、省電力モードから通常動作モードへの復帰時のように装置の素早い対応が要求される時にはプログラムROM3からプログラムを読み込んで要求された処理を直ぐに開始できる状態とすることが可能となる。
また、CPU2がプログラムROM3から読み出したプログラムに従って行なう処理が一定時間実行されない時に、プログラムROM3からシステムRAM4へプログラムを書き込み、CPU2は、システムRAM4からプログラムを読み出して処理を実行する。従って、電源供給開始時、省電力モードから通常動作モードへの復帰時のように装置の素早い対応が要求される時にはプログラムROM3からプログラムを読み込んで要求された処理を開始できる状態になると共に、処理が一定時間実行されない時に、CPU2による高速アクセスが可能なシステムRAM4にプログラムROM3のプログラムを書き込むことで、CPUの処理能力、及び処理性能を向上させることができる。
なお、上述した実施例は本発明の好適な実施の形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
本発明に係る実施形態としてのコントローラの構成を示すブロック構成図である。 メモリのアドレスマップを示す図である。 コントローラの主要部の動作手順を示すシーケンス図である。 コントロールパネルからのボタンにより動作モードを省電力モードから通常動作モードへの復帰させる際の動作手順を示すフローチャートである。 外部のホストマシンからの印刷要求により動作モードを省電力モードから通常動作モードへの復帰させる際の動作手順を示すフローチャートである。 電源ON時の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1コントローラ 2 CPU
3 プログラムROM 4 システムRAM
5 バッファ 6 バスブリッジ回路
7 メモリバス 8 I/Oバス
9 ユーザインターフェースコントローラ
10 パワーコントローラ
11 ホストインターフェースコントローラ
12 ビデオインターフェースコントローラ

Claims (8)

  1. 制御プログラムを記憶する不揮発性の第1の記憶部と、
    前記制御プログラムに従った処理を実行するCPUと、
    前記CPUの実行する処理の作業領域を提供する第2の記憶部と、
    外部から入力される処理要求を受け付ける受付部と、を備え、
    前記CPUは、前記第1の記憶部から読み出され、前記第2の記憶部に記憶された前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第1のモードと、前記第1の記憶部の記憶する前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第2のモードとを備え、
    前記CPUは、前記受付部で処理要求を受け付けて、電力モードを省電力モードから電力の削減を行わない通常モードへ復帰させる場合、又は電源スイッチのオン操作によって電源からの電源供給が開始された場合に、前記第2のモードで動作を開始して前記第1の記憶部から前記制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに従って前記受付部で受け付けた処理要求の処理を行い、
    前記CPUは、当該処理を終了しても所定時間、前記受付部で別の処理要求を受け付けなかった場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させて動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、前記第2の記憶部から読み込んだ前記制御プログラムに従って前記受付部当該変更後に受け付けた処理要求の処理を行うことを特徴とするコントローラ。
  2. 前記CPUは、動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更した場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理が終了すると、その後前記受付部で受け付けた処理要求を処理するために前記CPUが読み込む制御プログラムの開始アドレスを、前記第1の記憶部から前記第2の記憶部に変更することを特徴とする請求項1記載のコントローラ。
  3. 前記第1のモードにより、前記CPUが前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理は、前記CPUから指示を受けたDMAコントローラが前記制御プログラムを前記第1記憶部から読み出して、前記第2記憶部に送って記憶させることを特徴とする請求項1又は2記載のコントローラ。
  4. 前記CPUに割込信号を送り、前記CPUの動作モードを前記第2モードから前記第1モードに変更させるパワーコントローラを備え、
    前記CPUは、前記パワーコントローラから前記割込信号を入力すると、動作モードを前記第1モードから前記第2モードへ移行する際に割り込みベクタに設定された前記第1記憶部のアドレスを参照して、前記第1記憶部から制御プログラムを読み込むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコントローラ。
  5. 前記パワーコントローラは、前記CPUの動作モードを前記第2モードから前記第1モードへ移行させる際に、外部へ画像データを出力する又は外部から画像データを入力するビデオインターフェースに、該ビデオインターフェースを動作させるクロックと電源を供給することを特徴とする請求項4記載のコントローラ。
  6. 前記第1の記憶部は、前記第1の記憶部に記憶された前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させる処理が終了した後は、ディスエーブル状態とされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のコントローラ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のコントローラを備えることを特徴とする画像処理装置。
  8. 制御プログラムを記憶する不揮発性の第1の記憶部と、前記制御プログラムに従った処理を実行するCPUと、前記CPUの実行する処理の作業領域を提供する第2の記憶部と、外部から入力される処理要求を受け付ける受付部と、を備え、前記CPUは、前記第1の記憶部から読み出され、前記第2の記憶部に記憶された前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第1のモードと、前記第1の記憶部の記憶する前記制御プログラムを読み出して処理を実行する第2のモードとを備えるコントローラの制御方法であって、
    前記CPUは、前記受付部で処理要求を受け付けて、電力モードを省電力モードから電力の削減を行わない通常モードへ復帰させる場合、又は電源スイッチのオン操作によって電源からの電源供給が開始された場合に、前記第2のモードで動作を開始して前記第1の記憶部から前記制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに従って前記受付部で受け付けた処理要求の処理を行い、
    前記CPUは、当該処理を終了しても所定時間、前記受付部で別の処理要求を受け付けなかった場合に、前記第1の記憶部に記憶した前記制御プログラムを前記第2の記憶部に記憶させて動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、前記第2の記憶部から読み込んだ前記制御プログラムに従って前記受付部当該変更後に受け付けた処理要求の処理を行うことを特徴とする制御方法。
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