JP4735813B2 - 熱処理装置と蒸着処理装置の複合装置 - Google Patents

熱処理装置と蒸着処理装置の複合装置 Download PDF

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Description

この出願の発明は鋼材の耐酸化、耐食、耐磨耗、耐熱、熱遮断、熱反射等の機能を改善するための処理装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は鋼材に時効処理や拡散処理等を行うための熱処理装置と鋼材の表面に同種または異種の部材を蒸着させる蒸着装置を一体化した複合装置に関するものである。
鋼材を時効処理や拡散処理等の熱処理(特許文献1および2)をしたり、鋼材の表面に蒸着処理(特許文献3〜6)をすることは従来から行われている。ただ従来は、熱処理と蒸着処理は別々の装置で行われていた。もちろん、従来からも熱処理と蒸着処理の複合装置が存在したが、従来から知られている熱処理と蒸着処理の複合装置は処理チャンバーを複数連結するものであったり、たとえ熱処理と蒸着処理を同時に行える複合装置であっても熱処理の温度が500℃程度の低い温度領域の熱処理装置(特許文献6)であった。
また、従来の熱処理装置における加熱雰囲気としては、大気、真空あるいは不活性ガス雰囲気のいずれかの環境下での処理が通常であり、圧力制御を行うための機構は殆ど具備されておらず、また熱処理装置は蒸着処理を行う装置ではないため基材は炉床に置かれていた。他方、専用の蒸着装置では片持ち支持の軸に基材を取り付けて処理を行うことが多く、片持ち支持荷重以上の重い基材の保持は困難であった。また、固定ルツボやターゲット自体を昇降させていたので寸法精精度の厳しいターゲットを製作する必要があった。
: 特開2004−211180号公報 : 特開2004−143486号公報 : 特開平09−255791号公報 : 特開2004−281525号公報 : 特許公表2003−522295号公報 : 特開平09−256142号公報
しかしながら、一般に熱処理は1000℃以上の温度で実施される場合が多く、しかも雰囲気、温度、熱処理時間、冷却速度等を精密に制御することが要求されているが、従来の装置では、このような熱処理や蒸着処理の要求を満たすことができないとされていた。
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、この出願の発明は1200℃の高温で連続加熱できる精密な温度や時間の制御と真空あるいは不活性ガスによる雰囲気および冷却の制御が可能である熱処理と蒸着を同一チャンバー内で連続的に行うことができる熱処理・蒸着複合装置を提供するものである。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、二重構造の水冷ジャケット式チャンバー内に基材加熱用ヒータ、基材駆動装置、ガス供給装置、ルツボ、電子銃、と真空排気装置が具備されているとともに、ヒータエレメントと反射板からなる前後方向に導入電極に沿って移動可能な基材加熱用ヒータと温度制御装置が具備されている熱処理・蒸着複合装置を提供する。
第2には、ガスを噴出する配管とチャンバー内の絶対圧力を測定する測定管とチャンバー内の絶対圧力でガス流量を制御するガス供給装置が具備されている上記の熱処理・蒸着
複合装置を提供する。
第3には、水冷構造で水平進と回転と旋回が可能で、中心部に基材温度測定用熱電対を通す孔が設けられている駆動装置の主軸と主軸端部には回転式熱電対接続部と主軸先端には主軸と同方向の自公転軸または主軸と直角方向の自公転軸を有する回転冶具が具備され、基材駆動装置が設置された対面のチャンバー側壁には基材を支持する可動軸を具備した水冷式基材観察窓が取り付けられている上記の熱処理・蒸着複合装置を提供する。
第4には、外側ルツボと内側ルツボのそれぞれが水冷構造のルツボ、外側ルツボは電子銃と近接するように組み合わされ、蒸着用ターゲットを設置する内側ルツボは昇降および左右それぞれに連続回転が可能である上記の熱処理・蒸着複合装置を提供する。
第5には、チャンバーと電子銃それぞれに排気量を調整できる開閉弁を備えた高真空排気装置が具備されている上記の熱処理・蒸着複合装置を提供する。
第6には、蒸着用シャッターが水冷中空型磁気シール構造となっており、シャッターの開閉開始時間および開保持時間と閉保持時間を任意に設定できる制御装置が具備されている上記の熱処理・蒸着複合装置を提供する。
第7には、チャンバー壁に防熱用シャッターあるいは巻取り式耐熱用高分子フィルムを設置したターゲット観察窓が具備されている上記の熱処理・蒸着複合装置を提供する。
上記第1の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、雰囲気、温度、熱処理時間、冷却速度等を精密に制御することができるとともに、同一の二重構造の水冷ジャケット式チャンバーを用いて1200℃の高温で連続加熱と真空あるいは不活性ガスによる雰囲気および冷却制御の下に蒸着処理をすることが可能となる。
上記第2の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、上記効果に加えて、さらにチャンバー内の圧力を精密に制御することが可能となる。
上記第3の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、上記効果に加えて、さらに基材を均等に処理することができる。
上記第4の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、チャンバー内のルツボを任意に移動することができる。
上記第5の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、チャンバー内の真空度を精密に制御することができる。
上記第6の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、蒸着中のシャッターの開閉を可能にすることにより蒸着の環境を制御することができる。
上記第7の熱処理・蒸着複合装置の発明によれば、汚れのない観察窓からチャンバー内部を観察することができる。
この発明の装置は、時効処理や拡散処理等の熱処理ができる熱処理装置と反応ガス雰囲気制御や温度制御の環境下で蒸着ができる蒸着装置を一体にしたものであり、熱処理と蒸着を同一チャンバー内で連続的に行うことができる熱処理・蒸着複合装置であるが、この
発明の装置は、二重構造の水冷ジャケット式チャンバー内に基材加熱用ヒータを設置して1200℃の高温でも連続加熱できる装置であり、精密な温度・時間制御と真空あるいは不活性ガスによる雰囲気および冷却制御が可能である。
この発明の装置は、水冷ジャケット式チャンバー内にヒータエレメントと反射板から構成された基材加熱用ヒータが1個または複数個設置されている。そして、ヒータエレメント近傍および基材自身の温度を測定する熱電対が1個または複数個具備されており、熱電対と温調計との接続を切り替えることによりヒータエレメント近傍温度や基材温度の温度制御が可能となる。さらに、基材加熱用ヒータはそれぞれ前後方向に導入電極に沿って移動が可能であり、小さな試験片から大きな基材までの処理を自在に行うことができる。
二重構造の水冷ジャケット式チャンバー内にガスを噴出する配管と基材近傍の圧力を測定する測定管が設置され、基材近傍の圧力でガス供給流量を制御するガス供給装置が具備されている。これにより、真空、不活性ガスあるいは反応ガス雰囲気において、圧力を制御した状態で熱処理や冷却速度を制御することが可能となる。また、蒸着時には設定圧力において反応ガスの流量を精密に制御しながら成膜が行うことができるため高品質の皮膜を形成することができる。二重構造の水冷ジャケット式チャンバー側壁には基材駆動装置が設置されており、基材駆動装置が設置された対面のチャンバー側壁に基材を支持する可動軸を取り付けられているため、片持ちでも基材を支持することができるが、片持ち支持荷重以上の重量の基材でも両端支持構造で基材を保持し駆動することができる。
基材駆動装置の主軸は水冷構造で水平進と回転と旋回が可能な駆動系が具備され、かつ基材温度測定用熱電対を通す孔が主軸中心部に具備されており、チャンバー外の主軸端部には回転式熱電対接続部が具備されている。また、チャンバー内の主軸先端には主軸と同方向の自転軸または主軸と直角方向の自転軸を有する自公転冶具を具備されている。
この発明の熱処理・蒸着複合装置は、ルツボが外側のルツボと内側ルツボに分割され、外側ルツボと内側ルツボはそれぞれ水冷構造となっており、外側ルツボは電子銃室と近接するように組み合わされている。また内側ルツボにはターゲットを載置し、かつ内側ルツボが上下昇降および左右それぞれに連続回転する駆動系が具備されている。
この出願の発明の装置はルツボ自体が駆動可能なので、不定形ターゲットや寸法精度の厳しくないターゲットを用いることができる。さらにターゲットの蒸着面を決められる位置に随時持ってくることが可能なので、均一で安定した蒸発速度を得ることができる。
この出願の発明の熱処理・蒸着複合装置の詳細を図1〜図6に従って説明すると、図1はこの装置を用いて熱処理を行っている時の態様を示した概略図であり、図2はこの装置を用いて蒸着処理を行っている時の状態を示す概略図である。また、図3は蒸着処理時の態様を詳細を示したものであり、図4〜図6は熱処理時の態様を詳細を示したものである。
水冷ジャケット式チャンバー1内にはヒータエレメント2と反射板3から構成される基材加熱用ヒータ4が導入電極5を介して設置されている。導入電極5は基材加熱電源6に接続されている。ヒータエレメント2は基材7の大きさに合わせて下方に移動させている。基材加熱用ヒータ4の近傍には、温度測定用の熱電対8が設置されており外部の温度制御切替え装置9に接続されている。回転・旋回装置10と水平駆動装置11を備えた水冷式の基材駆動装置12がジャケット式チャンバー1の側壁に設置され、対面には回転および水平進が可能な基材支持可動軸13が設置されている。基材7は基材駆動装置12と基材支持可動軸13とで支持されており、基材温度測定用の熱電対14が取り付けられている。熱電対14は基材駆動装置主軸15の中心孔を通り、真空シールされた回転式熱電対
接続部16を介して温度制御切替え装置9プログラム可能な温度制御装置17に接続されている。水冷ジャケット式チャンバー1には、排気量を調整できる開閉角度可変の主弁18と拡散ポンプ19、拡散ポンプ19内の真空を保持できるホールドポンプ20、およびブースタポンプ21と油回転ポンプ22からなる高真空排気系が設置されている。
また水冷ジャケット式チャンバー1には、ガス供給源23からの不活性ガスを噴出す配管24と基材近傍の絶対圧力を測定するバラトロン真空計25が設置され、圧力制御装置26によりマスフローコントローラ27を介して圧力変動に応じた不活性ガス量が供給されるガス供給装置28が設置されている。また水冷ジャケット式チャンバー1には、蒸着用ターゲットを載せるルツボ29とターゲットを蒸発させる電子銃30と図示しない差動排気装置とシャッターおよび観察窓が設置されている。
この出願の発明では、単に熱処理機構と蒸着処理機構を組み合わせただけでなく複合させて、しかも1000℃以上の高温で連続的に使用するための数々の工夫が凝らされている。その具体的な態様を例示すると下記(1)〜(5)のようになる。
(1)チャンバーの構造
チャンバー内は真空状態になるため、真空シール部の冷却を十分にする必要があるが、この出願の発明では、そのためにチャンバー(1)をステンレス板の二重構造とするとともに、二重構造内部には仕切り板を設けて冷却水がジグザク状に流れるようにされている。
なお、冷却水流路としては下記の3系統が好ましい態様として考慮される。
(イ)水冷盤→前扉下→前扉上→上壁左→上壁右→後壁下→後壁上→排水
(ロ)水冷盤→底左→底右→左壁下→左壁上→真空排気口下→真空排気口上→排水
(ハ)水冷盤→右壁下→右壁上→排水
また、チャンバーの内壁六面のそれぞれには3枚のステンレス板を約10mm間隔で組み立てた防熱板が取り付けられている。
(2)基材駆動装置の真空シール
主軸の中心部は熱電対を通す孔(49)が設けられており、孔の外側には冷却水(50)が内側から外側へU字型に流れるように冷却通路が具備されている。また、真空シール材は500℃程度まで耐えられるフッ素樹脂系のOリング(51)が用いられている。
真空シールの位置は複数箇所であるが、チャンバー(1)内の軸先端部に近い箇所が最も熱影響を受け易いため、軸先端部側に最初の真空シールの位置は主軸水冷部の上で、且つチャンバー(1)の外側にくるようにしてあり、主軸水冷の効果を有効に活用するために、Oリング(51)の押さえリング(52)は銅製で製造されている。さらに、主軸真空シール部への輻射熱の入射を遮る着脱可能なカバー(54)をチャンバー(1)側壁の防熱板(53)上に具備されている。
(3)シャッター装置の真空シール
シャッター軸は上記と同様な水冷パイプ構造であるが、シールは水冷中空型磁気シールが用いられている。
(4)基材加熱用電極棒の接続部
チャンバー(1)内への加熱用導入電極棒(57)は銅製で水冷構造となっている。
この導入電極棒(57)とヒータ側のカーボン電極棒(56)との接続は複数の銅ブロ
ック(55)を用いてボルト締めしているが、導入電極棒(57)の水冷効果を有効に利用するためにカーボン電極棒(56)の銅ブロック(55)は分割したブロックではなく、半割構造のブロック(55)とし熱伝導を良好にしている。
(5)電子銃の冷却補強板
電子銃本体は水冷構造の銅製であるが、電子銃コイルの導入電線はテフロン(登録商標)(フッ素樹脂)被覆線である。このテフロン(登録商標)(フッ素樹脂)被覆電線接続部にはステンレスのカバーがしてあるが、この部分への輻射熱の影響をさらに小さくするために電子銃本体の水冷を有効に利用した。すなわち、水冷された電子銃本体に銅板を接触固定させ、この銅板をステンレスカバーの上に被せる構造となっている。
この出願の熱処理・蒸着複合装置の発明を実施例により、さらに詳しく説明する。
この出願の発明の熱処理・蒸着複合装置で実施した基材熱処理の実施例を示す。図1に基材熱処理時の装置構成概略図を示す。水冷ジャケット式チャンバー1内にはヒータエレメント2と反射板3から構成される基材加熱用ヒータ4が導入電極5を介して設置されている。導入電極5は基材加熱電源6に接続されている。ヒータエレメント2は基材7の大きさに合わせて下方に移動させている。基材加熱用ヒータ4の近傍には温度測定用の熱電対8が設置され、外部の温度制御切替え装置9に接続されている。回転・旋回装置10と水平駆動装置11を備えた水冷式の基材駆動装置12がジャケット式チャンバー1の側壁に設置され、対面には回転および水平進が可能な基材支持可動軸13が設置されている。基材7は基材駆動装置12と基材支持可動軸13とで支持されており、基材温度測定用の熱電対14が取り付けられている。熱電対14は基材駆動装置主軸15の中心孔を通り、真空シールされた回転式熱電対接続部16を介して温度制御切替え装置9プログラム可能な温度制御装置17に接続されている。水冷ジャケット式チャンバー1には、排気量を調整できる開閉角度可変の主弁18と拡散ポンプ19、拡散ポンプ19内の真空を保持できるホールドポンプ20、およびブースタポンプ21と油回転ポンプ22からなる高真空排気系が設置されている。また水冷ジャケット式チャンバー1には、ガス供給源23からの不活性ガスを噴出す配管24と基材近傍の絶対圧力を測定するバラトロン真空計25が設置され、圧力制御装置26によりマスフローコントローラ27を介して圧力変動に応じた不活性ガス量が供給されるガス供給装置28が設置されている。また水冷ジャケット式チャンバー1には、蒸着用ターゲットを載せるルツボ29とターゲットを蒸発させる電子銃30と図示しない差動排気装置とシャッターおよび観察窓が設置されている。
用いた基材は溶体化処理を行ったNi基超合金精密鋳造材であり、図1に示すように基材を駆動装置の両端で支持して3rpmの速度で回転させ、水冷ジャケット式チャンバー1内を10−4Pa台の圧力まで真空引きを行った。行った熱処理は1段時効を1050℃で5時間、続いて2段時効を850℃で15時間行い、その後アルゴンガスを2Paで圧力制御しながら導入し、冷却速度の制御を行った。基材加熱後の冷却速度は、温度制御装置17と導入ガスの圧力設定を代えることにより、不活性ガス雰囲気で任意に制御することも確認した。また導入ガスの圧力制御下でのガス流量消費を抑えるために、主弁18の開閉角度を代えることによりガス流量少なくすることも確認した。上記の温度制御は熱電対14による基材温度で行ったが、温度制御切替え装置9で熱電対8に切り替えた雰囲気温度においても同様な熱処理を行い、どちらの熱電対を用いても高温での長時間熱処理を安定に行うことができた。この発明の装置では、基材7を囲むように基材加熱用ヒータ4を最大3個まで設置できる構造となっており、この場合は基材加熱ヒータと同数の熱電対を用いて熱処理を行い、基材加熱の効率性および基材温度の均一性をさらに良くすることが可能である。これら熱処理後の基材組織を調査した結果、Ni系化合物が正常に析出していることが観察でき、適切な時効処理が行われていることを確認した。
この出願の発明の熱処理・蒸着複合装置を用いて、熱処理と蒸着の両処理を連続的に行った。図2は蒸着時の装置構成の概略図である。機材駆動装置主軸15には自公転冶具31には基材駆動装置主軸15と直角方向の自転を行う直角自公転機構32に保持した基材33が取り付けられている。水冷ジャケット式チャンバー1には、電子銃30および電子銃室を排気するターボ分子ポンプ34と排気量を調節できる開閉弁35と油回転ポンプ36からなる高真空排気装置37、水冷構造の外側ルツボ38および水冷軸を駆動させる昇降駆動装置39と左右回転が可能な回転装置40を具備した内側ルツボ41からなるルツボ29、水冷中空型磁気シール構造でシャッター蓋42の開閉開始時間および開保持時間と閉保持時間を任意に設定できるプログラム可能なシャッター制御装置43を具備したシャッター44、および石英ガラス45と耐熱高分子フィルムの巻き取り装置46を具備した観察窓47が設置されている。基材加熱用のヒータエレメント2は、自公転冶具31の大きさに合わせて上方に移動させている。
溶体化処理を行ったNi基調合金精密鋳造材からなる基材33を図2に示すように自公転冶具31に取り付けて3rpmの速度で回転させ、水冷ジャケット式チャンバー1内を10−4Pa台の圧力まで真空引きを行った。最初に1段時効の熱処理を真空雰囲気において1050℃で5時間行い、続いて2段時効を850℃で13時間行った後、蒸着を開始した。蒸着は図3に示すように、酸化ジルコニウムで製作された円柱形状のターゲット48を内側ルツボ41に設置し、基材温度を2段時効の850℃に設定した。
図3は、基材加熱用ヒータ4を3個取り付けた構造を示している。基材の温度制御は基材加熱用ヒータの近傍に設置した図示しない熱電対8を3個用いて行った。蒸着は電子銃30からの電子ビーム(EB)をターゲット48に照射し、ターゲット48の上面を溶融蒸着させることにより行った。ターゲット48が酸化物セラミックスの場合では高温の電子ビーム照射により酸化物が解離して酸素欠損の蒸着皮膜となることがある。
本実施例では蒸着皮膜の酸素不足を補うために基材近傍の圧力が2Paとなるように圧力制御しながら酸素ガスをガス供給装置28から導入するとともに、電子銃室を高真空排気装置37により真空排気し電子銃室内の真空度を10−4Pa台に保った。
プログラムされた時間間隔でシャッター44を連続的に開閉させながら蒸着を2時間行うことにより基材33上に膜厚が200μmの垂直に成長した柱状晶で横方向に層状構造をもつ蒸着皮膜を形成された。さらに蒸着時の基材温度を連続的に850℃に保ったことにより、柱状晶が大きく成長した皮膜を形成することができ、基材の2段時効処理も同時に処理することができる装置であることが実証された。
なお、内側ルツボ41に置いたターゲット48の形状は円柱に限るものではなく、内側ルツボ41に置けるものであれば形状や重量は任意に選択することができる。
この出願の発明の熱処理・蒸着複合装置を用いて、ターゲットのアルミニウム金属塊を内側ルツボ41に置き、10−4Pa台の真空雰囲気において電子ビームをアルミニウム金属塊に照射し、溶融蒸発させて基材上にアルミニウム皮膜を形成した。この時の基材温度は500℃、蒸着時間は1時間であり、膜厚10μmの皮膜が得られた。その後、基材温度を850℃に保持し、酸素ガスを2Paの圧力制御を行いながらチャンバー内に導入して10分間の熱処理を行った。その結果、アルミニウム皮膜表面に厚さ1μm程度の均一で緻密な酸化アルミニウム皮膜の形成が確認することができた。
この出願の発明の熱処理・蒸着複合装置は、精密に温度制御された高温での連続蒸着が可能であり優れた品質の皮膜を形成することがきる。しかも基材熱処理を兼ねた蒸着が可能であるため、Ni基超合金を始め各種の高機能金属材への適用が期待される。
基材熱処理時の装置構成概略図である。 蒸着時の装置構成概略図である。 蒸着時の態様を示す詳細図である。 基材駆動装置のシール機構の拡大図である。 基材加熱用電極棒の接続部の断面図である。
符号の説明
1: 水冷ジャケット式チャンバー
2: ヒータエレメント
3: 反射板
4: 基材加熱用ヒータ
5: 導入電極
6: 基板加熱電源
7: 基材
8: 熱電対
9: 温度制御切替え装置
10: 回転・旋回装置
11: 水平駆動装置
12: 基材駆動装置
13: 基材支持可動軸
14: 熱電対
15: 基材駆動装置主軸
16: 回転式熱電対接続部
17: 温度制御装置
18: 主弁
19: 拡散ポンプ
20: ホールドポンプ
21: ブースタポンプ
22: 油回転ポンプ
23: ガス供給源
24: 配管
25: バラトロン真空計
26: 圧力制御装置
27: マスフローコントローラ
28: ガス供給装置
29: ルツボ
30: 電子銃
31: 自公転冶具
32: 垂直自公転機構
33: 基材
34: ターボ分子ポンプ
35: 開閉弁
36: 油回転ポンプ
37: 高真空排気装置
38: 外側ルツボ
39: 昇降駆動装置
40: 回転装置
41: 内側ルツボ
42: シャッター蓋
43: シャッター制御装置
44: シャッター
45: 石英ガラス
46: 巻き取り装置
47: 観察窓
48: ターゲット
49: 熱電対用孔
50: 冷却水
51: Oリング
52: 銅製押さえリング
53: 防熱板
54: カバー
55: 半割銅ブロック
56: カーボン電極棒
57: 加熱用導入電極棒

















Claims (7)

  1. 二重構造の水冷ジャケット式チャンバー内に基材加熱用ヒータ、基材駆動装置、ガス供給装置、ルツボ、電子銃、および真空排気装置が具備されており、ヒータエレメントと反射板からなる前後方向に導入電極に沿って移動可能な基材加熱用ヒータが電子銃の上部に1個または複数個設置されているとともに、ヒータエレメント近傍および基材に取り付けられた1個または複数個の熱電対により加熱温度を制御する温度制御装置が具備されていることを特徴とする熱処理・蒸着複合装置。
  2. ガスを噴出する配管とチャンバー内の絶対圧力を測定する測定管とチャンバー内の絶対圧力でガス流量を制御するガス供給装置が具備されていることを特徴とする請求項1に記載された熱処理・蒸着複合装置。
  3. 水冷構造で水平進と回転と旋回が可能で、中心部に基材温度測定用熱電対を通す孔が設けられている駆動装置の主軸と主軸端部には回転式熱電対接続部と主軸先端には主軸と同方向の自公転軸または主軸と直角方向の自公転軸を有する回転冶具が具備され、基材駆動装置が設置された対面のチャンバー側壁には基材を支持する可動軸を具備した水冷式基材観察窓を取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載された熱処理・蒸着複合装置。
  4. 外側ルツボと内側ルツボのそれぞれが水冷構造で、外側ルツボは電子銃と近接可能に、また蒸着用ターゲットを載置する内側ルツボは昇降および左右それぞれに連続回転が可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載された熱処理・蒸着複合装置。
  5. チャンバーと電子銃それぞれに排気量を調整できる開閉弁を備えた高真空排気装置が具備されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載された熱処理・蒸着複合装置。
  6. 蒸着用シャッターが水冷中空型磁気シール構造となっており、シャッターの開閉開始時間および開保持時間と閉保持時間を任意に設定できる制御装置が具備されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載された熱処理・蒸着複合装置。
  7. チャンバー壁に防熱用シャッターあるいは巻取り式耐熱用高分子フィルムを設置したターゲット観察窓が具備されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載された熱処理・蒸着複合装置。
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