JP4735176B2 - コンポジットドリル - Google Patents

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Description

本発明は、別体に成形されたシャンクと切刃部材とが接着剤によって固着されて組み立てられたコンポジットドリルに関するものである。
例えばプリント基板の穴明け加工などに用いられる切刃径が小径のドリルにおいては、切刃径よりも大径となる鋼製のシャンクの先端部に取付孔を形成し、この取付孔に、先端側に切刃部が設けられた超硬合金等からなる切刃部材の後端部を挿入して取り付けたコンポジットドリルが用いられる。そして、この種のコンポジットドリルにおいては、例えば特許文献1〜3に記載されているように、取付孔に挿入された切刃部材の後端部を接着剤によって固着して、シャンクと一体化したものが提案されている。なお、このような切刃部材の切刃部は、こうして切刃部材をシャンクに接着して一体化した後に外径研磨や切屑排出溝、切刃が形成されて、シャンクの軸線を中心としたものとされる。
特表2002−501836号公報 特開2002−210607号公報 米国特許第3751176号明細書
ところで、このような小径のコンポジットドリルによるプリント基板の穴明け加工などにおいても、近年では加工の高能率化が求められてきており、加工時のドリルの回転速度も高速化する傾向にあるが、こうして加工時のドリル回転速度が高速化すると、発生する切削熱も大きくなり、これが切刃部から熱伝導率の高い切刃部材を伝播して取付孔と切刃部材後端部との間の接着剤を軟化させ、接着強度が低下するおそれがある。そして、このように接着強度が低下すると、穴加工時の送り分力により切刃部材が取付孔内をシャンクの軸線方向後端側に移動しようとしてしまって安定した加工が困難になるのは勿論、例えば所定の深さの止まり穴を穿孔しようとしても、切刃部先端の切刃の位置が変化してしまうため、穴深さ等の精度が低下するおそれもある。
特に、上述のようにシャンクと切刃部材とを接着剤によって固着して取り付けたコンポジットドリルでは、この接着剤による固着の際に取付孔内の孔底部側に空気を巻き込みやすく、こうして取付孔内に巻き込まれて封入された空気も、切刃部材の後端側への移動を促進する要因となる。すなわち、取付孔内に挿入する切刃部材の後端部外周に予め接着剤を塗布して挿入した場合には、取付孔内に存在する空気と接着剤との置換が有効に行われず、つまり空気が封じ込まれたまま孔底部側に押し込まれて孔底部に十分に接着剤が行き渡らない。この点、上記特許文献1に記載のコンポジットドリルでは、孔底部の接着剤を注入してから切刃部材の後端部を取付孔に挿入し、このときの切刃部材の後端面と孔底部との距離を0.0254〜0.127cmとしているが、この場合でも僅かながら空気が孔底部側に残存してしまうことは避けられず、切削熱により接着剤が軟化して切刃部材が後端側に押し込まれた際に、この孔底部に残存した空気の層や気泡が潰れて切刃の位置の変化を生じることになる。
一方、シャンク先端部の取付孔は通常ドリルによる穴加工によって成形されるが、通常のドリルの切刃には先端角が付されていて回転軌跡が凸円錐面状となるため、図3に示すようにシャンク1の取付孔2の孔底部3は凹円錐面状となる(例えば、特許文献2の図1、図3参照。)。しかしながら、このような形状の孔底部3を有する取付孔2に、同じく特許文献2に記載されているような円柱状の切刃部材4の後端部5を挿入して接着剤6により接着した場合に、上述のように切削熱の伝播によって接着剤6が軟化して切刃部材4が取付孔2内をシャンク1の軸線O方向後端側に押し込まれると、上記凹円錐面の中心軸すなわち上記軸線Oと切刃部材4の後端部5の円柱の中心軸Xとが高精度に一致していない場合には、孔底部3の周方向における一部分に、切刃部材4の後端部5における後端面7周縁の円周の一部分が先に当たって、いわゆる片当たりした状態となり、さらに切刃部材4が押し込まれることにより、孔底部3がなす凹円錐面の傾斜によって後端部5の中心軸Xがシャンク1の軸線Oに対して傾いてしまう。そして、これに伴い切刃部材4先端側の切刃部8における切刃9の位置もシャンク1の軸線Oすなわち当該コンポジットドリルの回転軸線から大きく変位してしまい、加工穴精度を著しく劣化させたり、場合によっては切刃部8に折損が生じたりするおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにシャンクの取付孔に切刃部材後端部が挿入されて接着剤により固着、取り付けられたコンポジットドリルにおいて、切削熱によって接着剤に軟化が生じても切刃の位置に変位が生じるのを抑えて安定した高精度の穴加工が可能なコンポジットドリルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、シャンクの先端部に形成された取付孔に、先端側に切刃部が設けられた切刃部材の後端部が挿入されて、接着剤により固着されて取り付けられたコンポジットドリルにおいて、上記取付孔の孔底部に、該取付孔の中心軸方向に上記切刃部材の後端面に対向する該中心軸に垂直な平面部と、この平面部から上記シャンクの後端側に凹む凹部とを形成したことを特徴とする。
このように構成されたコンポジットドリルでは、まず取付孔の孔底部に、取付孔の中心軸に垂直な平面部が、この中心軸方向に切刃部材の後端面に対向するように形成されているので、特許文献2のように孔底部全体が凹円錐面状とされているのに比べ、切刃部材の後端部の中心軸が取付孔の中心軸に対して多少偏心して挿入されても、切刃部材の後端面が上記平面部に面同士で当接することとなり、すなわち後端面周縁の円周の一部が傾斜した凹円錐面に部分的に片当たりすることがなくなって、切刃部材の傾きを抑制することができる。そして、さらにこの平面部に対して後端側に凹む凹部が孔底部に形成されることにより、切刃部材の後端部を接着剤によって固着する際に空気が巻き込まれて孔底部側に押し込まれたり、あるいは孔底部に接着剤を注入したにも拘わらず空気が残存してしまったりしても、この空気を上記凹部に押し込んで収容した状態で切刃部材後端部を取付孔に固着することができ、該空気の層や気泡が潰されることで切刃部材が後端側に大きく移動してしまうのを防ぐことができる。
従って、上記構成のコンポジットドリルによれば、切削熱により接着剤が軟化して切刃部材が後端側に押し込まれようとしても、上述のように切刃部材の後端面が孔底部の平面部に当接したところでその移動が拘束され、しかもシャンク軸線に対して傾きが生じるのも抑えられるので、切刃部材先端の切刃の軸線方向の変位や該軸線に対する径方向への変位も防ぐことができる。そして、これにより、切刃部材をより安定して取り付けることができるとともに、止まり穴を穿孔する場合でも確実に所定の深さで形成したり、加工穴の径精度や真円度などの向上を図ったりして、高精度の穴加工を促すことが可能となる。
ここで、取付孔の孔底部にこのような平面部と凹部とを形成するには、例えば上述のような通常のドリルで凹円錐面状の孔底部を有する取付孔を形成した後に、上記中心軸に垂直となる切刃を有する穴加工工具や、あるいは放電加工等により、この凹円錐面の外周側を軸線に垂直な平面状に加工したり、または初めから外周側に上述のような切刃が形成された段付きドリルによって該取付孔を穿孔したりすればよい。このような場合には、上記平面部は上記孔底部の外周縁に環状に形成されるとともに、上記凹部は上記孔底部の中央部に形成され、従って切刃部材の後端面はその外周側部分が全周に亙って上記平面部に当接させられることとなるので、切刃部材の取付安定性を一層向上させることができる。なお、この場合には、上記凹部は凹円錐面状のままとされるが、例えば孔底部の中央部にも放電加工を施したり、あるいは内周側にも上記中心軸と垂直になるような切刃を有した穴加工工具を用いて孔底部を加工したりすることにより、この凹部をも上記中心軸に垂直な平面状の底面が形成されたものとしてもよい。
さらに、上記平面部と上記切刃部材の後端面とは0.15mm未満の距離まで近接された状態で、該切刃部材の後端部が固着されるのが望ましい。すなわち、平面部と切刃部材後端面とがこれ以上離れていると、たとえこれらの間に空気が巻き込まれたり残存していたりしなくても、接着剤自体が軟化することによって切刃部材の後端側への移動を確実に抑えることができなくなるおそれが生じる。その一方で、上記凹部の底と上記切刃部材の後端面とは1.0mmを越える距離まで離間して、該切刃部材の後端部が固着されているのが望ましく、すなわちこうして凹部の底を切刃部材後端面から大きく離間させることで、孔底側に残存した空気を確実に凹部内に収容して平面部と後端面との間に残存するのを防ぐことが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態のコンポジットドリルを示す断面図である。本実施形態においてシャンク11は、例えばステンレス鋼等の鋼材により軸線Oを中心とした外形略円柱状に形成され、その先端部は先端側(図1において左側)に向かうに従い漸次縮径するテーパ部12とされるとともに、該先端部の中央からは上記軸線Oに沿って後端側に向かう取付孔13が形成されている。この取付孔13は、軸線Oを中心とする一定内径Aの断面円形に形成されたものであって、後端側(図1において右側)に孔底部14を有する止まり孔状に形成されている。
この取付孔13には、先端側に切刃部15が形成される切刃部材16の後端部17が挿入されて、接着剤18により固着されている。この切刃部材16は、シャンク11よりも高硬度な超硬合金等の硬質材料により形成されたものであって、後端部17は上記取付孔13の内径Aより僅かに小径(例えば0.90〜0.99×A)の外径Bを有する概略円柱状に形成されるとともに、切刃部15はその先端に形成される切刃19の外径Cに応じた外径の上記後端部17より小径な略円柱軸状に形成され、さらにこれら切刃部15と後端部17との間には、シャンク11の上記テーパ部12と等しいテーパ角で面一に連なるようなテーパ部20が形成されている。
なお、上記切刃19の外径Cは、当該コンポジットドリルが上述のようなプリント基板の穴明け加工用のものである場合には、0.1〜1.6mm程度とされる。ただし、本実施形態ではこの切刃19は図示が簡略化されているほか、切刃部15の外周には、この切刃19に連なる通常は捩れ溝状の図示されない切屑排出溝が形成される。また、円柱状の後端部17においては、その後端面21は該後端部17の中心軸Xに直交する平坦な円形とされる。
ここで、このような切刃部15は、例えば上記後端部17と同径の超硬合金よりなる円柱状部材をシャンク11の取付孔13に挿入して接着剤18により固着した後に、この円柱状部材のシャンク11の先端側に突出した部分を研削等により上記外径Cにまで縮径させるとともにテーパ部20を形成し、さらに上記切屑排出溝や切刃19を研ぎ付けることにより形成される。従って、図1に示すように切刃部材16の後端部17の中心軸Xがシャンク11の軸線Oから多少偏心して固着されていても、切刃部15は軸線Oを中心として形成することができる。また、上記接着剤18としては、例えば嫌気性固着剤等が好適に用いられる。
そして、シャンク11の取付孔13における上記孔底部14には、こうして接着剤18により固着される切刃部材16の後端部17における後端面21に対して該取付孔13の中心軸すなわちシャンク11の軸線O方向に対向する該軸線Oに垂直な平面部22と、この平坦部22からシャンク11の後端側に凹む凹部23とが形成されている。ここで、本実施形態では上記平面部22は孔底部14の外周縁に環状に形成されていて、特に上記軸線Oを中心とした円環状とされるとともに、上記凹部23はこの平面部22の内周側にあって上記孔底部14の中央部に形成されており、平面部22がなす上記円環の内径が切刃部材16の後端面21がなす円の外径よりも小さくされることにより、この後端面21に対して平面部22が軸線O方向に対向するようにされている。
また、本実施形態では、上記凹部23は、その底面が図1に示すように軸線Oを中心とした凹円錐面状に形成されている。ここで、このような凹部23と上記平面部22とを有する孔底部14は、例えば従来と同様に切刃に所定の先端角が付されたドリルによって取付孔13を形成した後に、その孔底の周縁部を、上記軸線Oに垂直な切刃を有する穴加工工具によって切削したり、該周縁部に放電加工を施したりすることにより、形成することができる。また、内周側の先端角が付された切刃の外周側に上述のような軸線Oに垂直な切刃が形成された段付のドリルにより、取付孔13を形成する際に同時に平面部22と凹部23とを備えた孔底部14を形成するようにしてもよい。
このような構成のコンポジットドリルでは、切刃部材16の後端部17が挿入されるシャンク11の取付孔13の孔底部14に、まずこの取付孔13の中心軸(シャンク11の中心軸線O)に垂直な平面部22が形成されており、この平面部22は上記中心軸方向(軸線O方向)において、切刃部材16における後端部17の後端面21に対向するように設けられているので、穴明け加工時の切削熱が切刃部15から切刃部材16全体に伝播することにより接着剤18が軟化して、送り分力により切刃部材16が取付孔13内を軸線O方向後端側に押し込まれるように移動しようとしても、この平面部22に切刃部材16後端面21が当接したところで、切刃部材16は軸線O方向に位置決めされて後端側への移動が拘束される。
しかも、この平面部22は上述のように軸線Oに垂直とされて、後端部17の中心軸Xに対して垂直な上記後端面21とは、互いに平行に面同士で当接することとなるので、たとえ中心軸Xが軸線Oに対して多少偏心して挿入されていたとしても、従来のように後端面の周縁において切刃部材が孔底部に片当たりする場合に比べて、接着剤18が軟化したときに切刃部材16が後端側に押し込まれるように押圧された際に、切刃部材16が軸線Oに対して傾いてしまうのを抑えることができ、これにより切刃部材16先端の上記切刃19が径方向に変位するのも防ぐことができる。
そして、さらに取付孔13の孔底部14には、この平面部22に対して後端側に凹む凹部23が形成されているので、切刃部材16の後端部17を接着剤18によって取付孔13に固着する際に空気が取り込まれたり、あるいは孔底部14側に接着剤18を注入したときでも空気が残存してしまったりした場合に、この取り込まれたり残存したりした空気の層や気泡を、後端部17を取付孔13に挿入する際に該凹部23内に押し込んで収容した状態で、後端部17を固着することができる。また、例えば孔底部14側に注入した接着剤18が多すぎた場合などでも、余分な接着剤18をこの凹部23内に収容することができ、これらにより切刃部材16の後端部17を孔底部14の上記平面部22に近接させた状態で取付孔13に固着することができる。
従って、上記構成のコンポジットドリルによれば、切削熱により接着剤18が軟化することによって切刃部材16がシャンク11の後端側に押し込まれるように押圧力を受けたとしても、これによって上記空気の層や気泡が潰れて切刃部材16の移動が促進されるようなことはなく、上述のように後端面21が平面部22に当接することによって確実に位置決めされる。そして、さらにこの平面部22によって切刃部材16の軸線Oに対する傾きも上述のように防ぐことができるので、その先端の切刃19の位置を軸線O方向および該軸線Oに対する径方向に高精度に維持することができ、所定の深さの止まり穴を穿孔するときの穴深さ精度や、加工孔の内径精度、真円度などについても高い精度を確保することができるとともに、切刃部15に無理な力が作用することがないために折損等が生じるのも確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、上記平面部22が取付孔13の孔底部14の外周縁に環状に形成されるとともに、上記凹部23は孔底部14の中央部に形成されており、従って切刃部材16の後端面21を、その外周縁部が全周に亙って平面部22に面同士で当接するように近接させることができるので、上述した片当たりを一層確実に防いで切刃部材16のより安定した取り付けを図ることが可能となる。なお、切刃部材16の後端部17が軸線Oに対して偏心して固着されても、このように切刃部材16の後端面21を全周に亙って平面部22に当接可能とするには、本実施形態のように平面部22が円環状である場合は、その内径Dが取付孔13の内径Aと後端部17の外径(後端面21の外径)Bに対して2×B−A未満であればよいが、中央部の凹部23に十分な開口面積を確保しつつも、より確実に平面部22を全周に亙って後端面21に当接可能とするには、上記内径Dはこの2×B−Aに対して50〜95%の範囲とされるのが望ましい。
また、切刃部材16の後端部17を取付孔13に固着した状態で、上記後端面21と平面部22とは、軸線O方向に0.15mm未満の距離Eまで近接されているのが望ましい。すなわち、距離Eがこれ以上大きくなると、取付孔13の孔底部14側に空気が取り込まれたり残存したりしていなくても、間に介在する接着剤18自体が切削熱によって軟化したときに切刃部材16が軸線O方向後端側に移動するのを防ぐことができなくなるおそれが生じる。勿論、この距離Eが0すなわち後端面21と平面部22とが当接した状態で切刃部材16の後端部17が固着されていてもよい。
一方で、同様に切刃部材16の後端部17を取付孔13に固着した状態で、上記後端面21と凹部23のうち最も後端側に凹んだ底(本実施形態では凹部23がなす円錐の軸線O上の頂点)部分とは、その間の軸線O方向の距離Fが1.0mmを越えるように離間させられているのが望ましい。すなわち、上述した平面部22の内径Dつまり凹部23の外径や凹部23自体の形状にもよるが、この距離Fがこれ以上小さいと凹部23の容量が不十分となり、切刃部材16の後端部17を取付孔13に固着する際に孔底部14側に巻き込まれたり残存したりした空気を確実に収容することができなくなるおそれが生じる。
ただし、この凹部23がシャンク11の後端面まで達していて、すなわち取付孔13が貫通孔とされていると、接着剤18による切刃部材16の固着が困難となるおそれがある。すなわち、こうして取付孔13が貫通孔である場合には、孔底部14の例えば平面部22に接着剤18を注入して切刃部材16の後端部17を取付孔13に挿入しても接着剤18がシャンク11の後端側に押し出されてしまうため、切刃部材16の後端部17外周と取付孔13内周との間を接着剤18によって固着せざるを得ないが、例えば後端部17の外周に接着剤18を塗布して取付孔13に挿入すると接着剤18が孔底部14側まで十分に行き渡らなくなるおそれがあり、逆に取付孔13内周に接着剤18を注入してから切刃部材16の後端部17を挿入しても、孔底部14に接着剤18を注入して切刃部材16の後端部17を挿入した場合のように後端部17外周と取付孔13内周とを確実に固着することは困難となる。
なお、本実施形態ではこの凹部23を上述のように凹円錐面状に形成しており、従来と同様に通常のドリルで取付孔13を形成した後に、その孔底の外周縁に平面部22を形成することによって比較的容易に上記形状の孔底部14を形成することが可能であるが、該凹部23は、例えば図2に示す変形例のように上記凹部23の底面と同じく軸線Oを中心とした凹円錐面状をなす底面23Aと、この底面23Aの周縁から円環状をなす平面部22の内径部に向けて軸線Oに平行に延びる該軸線Oを中心とした円筒状の壁面23Bとを有する形状とされていてもよい。このような形状の凹部23を孔底部14に有する取付孔13は、例えば上記内径Dと等しい切刃径を有する通常のドリルによって
取付孔13よりも小径の孔を軸線Oに沿って凹部23の底面23Aの深さまで形成した後に、この孔の内径を放電加工や軸線Oに垂直な先端切刃を有するリーマ等の穴加工工具によって上記内径Aまで拡径するとともに上記平面部22を加工するようにしたり、あるいは平面部22を形成する軸線Oに垂直な外周側の切刃と、この外周側切刃の内周側にこれよりも一段突出した先端角を有する中央部の切刃とを備えた段付の穴加工工具によって上記取付孔13を穿孔すると同時に孔底部14を加工したりすることにより、形成することが可能である。
本発明の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す実施形態の変形例を示す断面図である。 従来のコンポジットドリルを示す断面図である。
符号の説明
11 シャンク
13 取付孔
14 取付孔13の孔底部
15 切刃部
16 切刃部材
17 切刃部材16の後端部
18 接着剤
19 切刃
21 切刃部材16の後端面
22 平面部
23 凹部
A 取付孔13の内径
B 後端部17の外径
C 切刃19の外径
D 平面部22の内径
E 後端面21と平面部22との距離
F 後端面21と凹部23の底との距離
O シャンク11の軸線
X 後端部17の中心軸

Claims (4)

  1. シャンクの先端部に形成された取付孔に、先端側に切刃部が設けられた切刃部材の後端部が挿入されて、接着剤により固着されて取り付けられたコンポジットドリルにおいて、上記取付孔の孔底部には、該取付孔の中心軸方向に上記切刃部材の後端面に対向する該中心軸に垂直な平面部と、この平面部から上記シャンクの後端側に凹む凹部とが形成されていることを特徴とするコンポジットドリル。
  2. 上記平面部は上記孔底部の外周縁に環状に形成されるとともに、上記凹部は上記孔底部の中央部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンポジットドリル。
  3. 上記平面部と上記切刃部材の後端面とが0.15mm未満の距離まで近接されて、該切刃部材の後端部が固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンポジットドリル。
  4. 上記凹部の底と上記切刃部材の後端面とが1.0mmを越える距離まで離間して、該切刃部材の後端部が固着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンポジットドリル。
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