JP4732631B2 - ロータリージョイント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体製造装置等の流体供給機器において、流体供給機器から回転体に供給される多通路の接続部分に用いられるロータリージョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係わるロータリージョイントの用途に関し、例えば、集積回路の基板に使用される半導体ウエハは、シリコン等の円柱状の超純度結晶体を、一定の厚さの円盤状にスライスしてから研削加工し、更に表面の平坦仕上加工及び鏡面加工を行っている。そして、半導体デバイスの高集積化の進歩につれて、更に一層の高精度の平坦度や鏡面加工精度が要求されている。
【0003】
このような半導体ウエハの超平坦化及び鏡面化のための研磨加工は、例えば、ポリッシング装置(CMP装置)により行われている。この種のポシリッシング装置の構成は、上面に半導体ウエハを保持するターンテーブルと、その上部に対向して設けられた研磨面を有するトップリングと、トップリングの研磨面をターンテーブル上に配置された半導体ウエハに対し接触させて水平移動させながらトップリングを回転させる駆動装置と、トップリングの研磨面と半導体ウエハの被研磨面との間に研磨液(純水+スラリー)、空気、真空状態、等を断続に供給や吸引する装置とを備えている。
【0004】
この様に構成されたCMP装置による半導体ウエハの研磨加工は、研磨液、空気、真空引き等を交互に供給したり吸引したりしながら、トップリングを半導体ウエハの被研磨面に接触させて回転させることによって処理が行われる。このため、回転するトップリングと、非回転側の研磨液供給装置との間の接続通路は、多流路用ロータリージョイントを介して接続されている。
【0005】
図5は、この様な流体供給装置からの流体を回転する処理装置へ供給する接続通路を接続可能とする従来のロータリージョイントの断面図である。
図5に於いて、ロータリージョイント100は、内周面を設けたボディ101が配置されており、そのボディ101の内周面内に回転可能に挿通されたロータ102が設けられている。又、ボディ101には、多数の流体供給用通路103が設けられている。更に、ロータ102にも対応する多数の流体用通路104が設けられている。そして、ボディ101とロータ102の間に軸方向へ多数のメカニカルシール105が配置されている。
【0006】
このメカニカルシール105は固定用密封環105Aと回転用密封環105Bとが対向して配置されている。そして、各メカニカルシール105の間に流体用通路103、104が形成される。この流体用通路103、104が往復通路に構成されているために、固定用密封環105Aはボディブロック110により狭持されている。又、回転用密封環105Bは、ゴム材製のOリング110を介してロータ102に摺動自在に嵌合すると共に、コイルばね112により固定用密封環105Aの方向へ押圧されている。尚、この固定用密封環105Aはカーボン又はセラミックなどにより形成されている。
このメカニカルシール105間に形成される各シール室106を介して流体供給用通路103と流体用通路104とが連通されている。これらの各シール室106内は、作動する処理装置のプログラムに従って、液体+スラリー、気体、真空状態が交互に供給されることになる。このため、流体供給用通路103が流体を供給したり排出したりする往復の給排通路となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにロータリージョイント100には、本体101とロータ102とに多数の通路104が形成される。一般にメカニカルシール105は、一方からのみ流れる流体をシールするように構成されているために、往復通路を必要とするときには、メカニカルシール105のシールする方向に合わせて往・復通路ごとに各メカニカルシール105が設られている。このため、メカニカルシール105とロータ102との嵌合間をシールするOリング110も多数設けられることになる。
そして、Oリング110が被密封流体の圧力を受けてOリング取付溝に圧接変形し、更にはOリング取付溝内を移動するから、その摩擦により摩耗・損傷することになる。このOリング110は、1箇所損傷しただけでも処理装置全体の性能に影響する。又、Oリング110の1箇所の損傷は、ロータリージョイント100全体を交換しなければならなくなる。
【0008】
又、図6は、図5に示す回転用密封環105Bを拡大した半断面図である。図6に於いて、Oリング110は回転用密封環105Bの背面から被密封流体の圧力を受けて図示左側へ移動して圧着される。この状態で、ゴム材製のOリング110が10分間位作動しない状態が継続されると、Oリング110がOリング取付溝114の形成面に接着して接着面から移動しなくなる。次に、流体用通路104を被密封流体が流れて被密封流体がOリング110に作用し、Oリング110をコイルばね112が圧縮される方向へ移動させる場合に、回転用密封環105Bに接着しているOリング110は、回転用密封環105Bをも同時に移動させるような力が働くので固定用密封環105Aと回転用密封環105Bとのシール面Sの密接状態を開くことになる。
【0009】
特に、流体用通路104内が真空になる場合には、真空力がOリング110の直径の断面全面積に作用してOリング110をコイルばね112が圧縮される方向へ移動させるので、Oリング110に接着した回転用密封環105Bもコイルばね112を圧縮する方向へ移動しようとする。その結果、固定用密封環105Aと回転用密封環105Bとのシール面は密接力を弱めるから、被密封流体が漏洩することになる。
又、被密封流体がスラリーを含む流体、或いは水、空気、真空等が交互に流れるような半導体製造装置のような場合には、この悪影響がさらに増加してシール能力を低下させることになる。
【0010】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、ロータとメカニカルシールを構成する一方のばね手段を介して弾発に押圧されている密封環との間に取り付けられてシールするOリングの摩耗や損傷を防止して、ロータリージョイントに於ける接続連通路のシール能力を向上させることにある。
又、ばね手段を介して弾発に押圧されているメカニカルシール105の一方の密封環の密封力を確実に保持することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した技術的課題を解決するために成されたものであって、その技術的解決手段は以下のように構成されている。
【0012】
請求項1に係わる本発明のロータリージョイントは、内周面内へ貫通する第1通路を有する本体と、前記本体の内周面と外周面が嵌合して回転自在に配置されていると共に前記外周面に貫通して前記第1通路と連通可能な第2通路を有するロータと、前記本体の内周面と前記ロータの外周面との間の前記第1通路と前記第2通路との接続空間部の両側に配置されて前記第1通路と前記第2通路との連通路を形成するメカニカルシールとを具備し、前記メカニカルシールは前記本体又は前記ロータの一方に有する第1保持部に保持されて一端に第1シール面を有する第1密封環と、前記ロータ又は前記本体の他方に有する第2保持部に軸方向移動自在に保持されて対向する前記第1シール面と密接する第2シール面を有すると共に他端に弾発手段により押圧される第2背面を有する第2密封環とを備え、前記第2密封環には第2受圧背面と第2支持端面との間に形成されるシールリング取付部を有し、前記シールリング取付溝に装着されたゴム状弾性材製のシールリングを有すると共に前記シールリングの表面に前記ゴム状弾性材より摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部を有するものである。
また、請求項3に係わる本発明のロータリージョイントは、内周面内へ貫通する第1通路を有する本体と、前記本体の内周面と外周面が嵌合して回転自在に配置されていると共に前記外周面に貫通して前記第1通路と連通可能な第2通路を有するロータと、前記本体の内周面と前記ロータの外周面との間の前記第1通路と前記第2通路との接続空間部の両側に配置されて前記第1通路と前記第2通路との連通路を形成するメカニカルシールとを具備し、前記メカニカルシールは前記本体又は前記ロータの一方に有する第1保持部に保持されて一端に第1シール面を有する第1密封環と、前記ロータ又は前記本体の他方に有する第2保持部に軸方向移動自在に保持されて対向する前記第1シール面と密接する第2シール面を有すると共に他端に弾発手段により押圧される第2背面を有する第2密封環とを備え、前記第2密封環には第2受圧背面と第2支持端面との間に形成されるシールリング取付部を有し、前記シールリング取付溝に装着されたゴム状弾性材製のシールリングを有すると共に前記シールリングの表面に前記ゴム状弾性材より摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部又は/及び前記シールリング取付溝の前記シールリングと接合する面に前記ゴム状弾性材より摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部を有するものである。
【0013】
請求項1に係わる本発明のロータリージョイントでは、シールリングの表面がゴム材製よりも摩擦係数の小さな材質により低摩擦外周部に構成されているから、シールリングがシールリング取付溝の形成面に接着することがなく、被密封流体の圧力又は負圧力がシールリングに作用してもシールリングのみがシールリング溝内で移動変形し、密封環をシールリングと共に移動させるような作用力は防止できる。このため、メカニカルシールのシール面は、密接力を弱めることなく、常にシール能力を保持する効果を奏する。
また、請求項1に係わる本発明のロータリージョイントでは、シールリングの表面がゴム材製よりも摩擦係数の小さな材質により低摩擦外周部に構成されているから、又は、シールリングと接面するシールリング取付溝の形成面及びロータの接触面が摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部に形成されているから、シールリングがシールリング取付溝の形成面に接着することがなく、被密封流体の圧力又は負圧力がシールリングに作用してもシールリングのみがシールリング溝内で移動変形し、密封環をシールリングと共に移動させるような作用力は防止できる。このため、メカニカルシールのシール面は、密接力を弱めることなく、常にシール能力を保持する効果を奏する。
【0014】
又、シールリングに対してスラリー液体、気体、真空状態が交互に作用してもシールリング又は/及びシールリング取付溝にゴム材質よりも摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部が形成されているから、シールリングが圧力に応じて移動できるので、シールリングがシールリング取付溝又はロータとの接触面により摩耗或いは損傷させられることが防止できる。
【0015】
請求項2及び請求項3に係わる本発明のロータリージョイントは、前記第1保持部には内周に前記第2密封環方向へリング状に突出して外周面に第1嵌合面を有すると共に自由端に第1支持端面を形成した第1嵌合案内部を有し、前記第1密封環にはシールリングを介して前記第1嵌合面に嵌合する第1案内面を有すると共に前記第1支持端面と対向する第1受圧背面を有し、前記第2保持部には前記第1密封環側へリング状に突出して外周面に第2嵌合面を有すると共に自由端に前記第2支持端面を形成した第2嵌合案内部を有し、前記第2密封環には前記第2嵌合面と嵌合摺動する第2案内面を有すると共に前記第2案内面と前記第2支持端面との間にシールリング取付溝を形成する前記第2受圧背面を有し、前記第1受圧背面の面積と前記第2受圧背面の面積とをほぼ同一面積に形成したロータ側の第2通路から被密封流体が流れる場合、又は本体側の第1通路が真空状態に切り替えられた場合に、第1受圧背面の受圧面積と第2受圧背面の受圧面積がほぼ同一であるから、各密封環の第1シール面と第2シール面に作用する力は、釣り合うことになり、通路を流れる流体が正逆どちらから流れてもメカニカルシールの密封能力を常に保持することが可能になるものである。
【0016】
請求項2及び請求項3に係わる本発明のロータリージョイントでは、ロータ側の第2通路から被密封流体が流れる場合、又は本体側の第1通路が真空状態に切り替えられた場合に、第1受圧背面の受圧面積と第2受圧背面の受圧面積がほぼ同一であるから、各密封環の第1シール面と第2シール面に作用する力は、釣り合うことになり、通路を流れる流体が正逆どちらから流れてもメカニカルシールの密封能力を常に保持することが可能になる。又、固定用密封環がリング状に回転用密封環側へ突出した第1嵌合案内部に移動自在に嵌合して保持されていると共に、第1支持端面と第1受圧背面との間に被密封流体の圧力が作用して固定用密封環を回転用密封環側へ押圧可能に構成されているので、転用密封環のシール面が密接力を弱めようとしても固定用密封環の追随する移動により押圧して、シール面の密封力を常に保持することが可能になる。
【0017】
請求項4に係わる本発明のロータリージョイは、前記ロータリージョイントが半導体製造装置用多流路のロータリージョイントとして用いられるものである。
【0018】
請求項4係わる本発明のロータリージョイでは、半導体製造装置用の多流路用として用いられる。そして、流体がロータリージョイントの多流通路を断続に流入及び流出が繰り返されるものである。この様な用途のロータリージョイントにメカニカルシールとロータとの間をシールするシールリングが多数設けられているがシールリングの表面が低摩擦係数の材質に構成されていると共に全体がゴム状弾性力に構成されているので、シール能力と共に耐摩耗性を発揮する。
【0019】
特に、半導体製造装置用のロータリージョイントでは、流体を操作する通路に流体が流入した後に、通路が真空状態にきりかいられる流れの断続操作が行われるが、シールリング又は/及びシールリング取付溝の形成面には低摩擦の材質による被覆層が形成されているから、シールリングが接触面に対して接着することもないので、回転用密封環のシール面の密接が被密封流体の圧力により弱められて被密封流体を漏洩させるのを効果的に防止する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るロータリージョイントの好ましい実施の形態を、図1、図図2及び図3を参照しながら説明する。図1は、本発明に係わる第1実施の形態の半導体製造装置のポリッシング装置用多流路ロータリージョイントとして用いられるロータリージョイントの断面図である。又、図2は図1のロータリージョイントの1部を拡大した断面図である。更に、図3は第2実施の形態のメカニカルシールの要部を拡大した断面図である。尚、図1と図3のロータリージョイントの構成は、メカニカルシールと流路の数を除いては、ほぼ同一である。
【0021】
図1は、半導体製造装置のポリッシング装置用多流路のロータリージョイントの断面図である。図1に於いて、1Aはロータリージョイントである。ロータリージョイント1の本体2は、ほぼ円筒状を成して内周面6が設けられていると共に、内周面6には軸方向に等配に環状溝を成した空間部3が形成されている。この本体2には、外周から内周面6に貫通する多数の第1通路4が形成されている。この第1通路4には開口に管用ねじが形成されており、この管用ねじに図示省略の配管が螺合される。又、この本体2は、メカニカルシール10を取り付けやすいように各ブロック2AをOリング37を介してボルト32により結合して一体に形成している。
【0022】
本体2の内周面6内には、外周面28を設けたロータ20が軸受33を介して相対回転可能に配置されている。ロータ20には、第1通路4に対応する第2通路24が外周面28を貫通して対向した位置に設けられている。この第2通路24は、ロータ20の内部で直交して軸方向の一端面に貫通している。その配置状況は、図1に示す通りである。この図1から明らかなようにロータ20に設けられる第2通路24の数が多くなれば、ロータ24の径も大きくなる。同時に、シールリング36やメカニカルシール10も大径になる。尚、ロータ20の第2通路24の軸方向開口側には取付治具21が取り付けられている。そして、この取付治具21によりロータリージョイント1Aが作動装置と連結できるように構成されている。
【0023】
この様に構成された本体2とロータ20との嵌合間の第1通路4と第2通路24との連結間はメカニカルシール10を介して連通路30に形成される。この2つの1対のメカニカルシール10は、本体2の空間部3の第2通路24の両側に配置されて連通路30を形成している。この2つの通路4、24の連結間はメカニカルシール10のシールにより被密封流体が外部に流出しないように密封される。
【0024】
図2は、図1の下側の2個で1対のメカニカルシール10の配置を拡大したものである。図2に於いて、メカニカルシール10は、非回転用密封環11と回転用密封環12とが対向して互いの第1及び第2シール面11A、12Aを密接するように配置されている。非回転用密封環11は本体2の保持部5に設けられて軸方向に延在するリング状に形成された第1嵌合案内部5Rの外周の第1嵌合面5Bに軸方向移動自在に嵌合する。この第1嵌合案内部5Rの自由端は第1支持端面5Aに形成されていると共に、第1嵌合面5BにはOリング取付溝5Cが形成されている。又、本体2の第1保持部5には第1止めピン9が設けられている。
【0025】
メカニカルシール10を構成する一方の非回転用密封環11は、第1保持部5に軸方向移動自在に保持される形に構成されている。この非回転用密封環11の軸方向の端面には、第1シール面11Aが形成されており、この第1シール面11Aと反対面には径方向幅寸法Bの第1背面11Hが形成されている。この第1背面11Hには第1止めピン9と係合する第1係止溝11Bが設けられている。
又、非回転用密封環11には、第1嵌合面5Bと移動自在に嵌合して摺動する第1案内面11Cが設けられていると共に、第1支持端面5Aと径方向に接面可能な第1受圧背面11Dが設けられており、この面は直交を成す段面に形成されている。そして、第1嵌合面5BのOリング取付溝5Cに装着された第1Oリング35により嵌合面間に侵入する被密封流体がシールされる。
この非回転用密封環11は炭化珪素により構成されているが、その他の材質、例えば、カーボン材などにより構成することもできる。
【0026】
非回転用密封環11と対称の位置には第1シール面11Aと密接する第2シール面12Aを設けた回転用密封環12が配置されている。そして、この回転用密封環12も非回転用密封環11と類似した形に形成されている。つまり、第2シール面12Aと反対面には径方向幅寸法Bの第2背面12Hが形成されている。この第1背面11Hと第2背面12Hの面積はほぼ同一に形成することが好ましい寸法Bである。そして、この第2背面12Hにも第2止めピン29と係合する係止溝12Bが形成されている。尚、回転用密封環11と固定用密封環12のシール面11A、12A側の正面の受圧幅寸法も、ほぼ背面11H、12Hの幅寸法Bと同一である。この幅寸法の関係は、ばね手段38のばね常数により決定されるので、必ずしも同一でなくとも良いが、類似形状にすると、ばね常数を小さくすることができるので、構成上から好ましい。
【0027】
又、回転用密封環12には、第2嵌合面25Bと移動自在に嵌合して摺動する第2案内面12Cが設けられていると共に、第2支持端面25Aと第2受圧背面12Dとの間はシールリング取付溝13を形成する間隔に形成されている。この間隔は、回転用密封環12が軸方向へ微少な移動が可能なようにシールリング取付溝13に装着されたシールリング36よりも径方向幅寸法の大きい寸法に形成されている。そして、このシールリング取付溝13にはシールリング36が装着されてロータ20と回転用密封環12との間を被密封流体が通過しないようにシールしている。このシールリング取付溝13にゴムより摩擦係数が小さな材質をコーテングして低摩擦外周部12CHが形成されている(図3参照)。この低摩擦外周部12CHの材質としてフッ素樹脂などが適している。
【0028】
この第2シールリング36は、全体がフッ素樹脂より成る低摩擦外周部36Aを有するOリング、又はニトリルゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムの外表面にフッ素樹脂をコーテングして低摩擦外周部36Aを設けたOリングが用いられる。被密封流体の圧力が大きい場合にはフッ素樹脂材製のOリングでも良いが、低圧の場合には、シール能力の点からゴムの外表面にゴムより摩擦係数の小さな材質をコーテングして低摩擦外周部36Aを形成することが好ましい。
この回転用密封環12は、被密封流体がスラリ状液体を含むので、炭化珪素により構成されているが、その他の材質、例えば、カーボン材などにより構成される。
【0029】
対称を成す2つの回転用密封環12の間には、図2から明らかなように通路用リング26がロータ20に嵌着すると共に、止めねじ39により固定されている。この通路用リング26には、ロータ20の第2通路24と連通する接続通路24Aが設けられている。又、接続通路24Aは、第1通路4に対応する位置に配設されている。
そして、通路用リング26の両側面には、第2保持部25が各々形成されている。この第2保持部25には、第2止めピン29が設けられている。更に、両側面から突出する第2リング部25Rが両側に各々も受けられている。この第2嵌合案内部25Rには、外周面に第2嵌合面25Bが設けられていると共に、自由端に第2支持端面25Aが形成されている。この第2支持端面25Aの径方向幅寸法Aは、好ましくは、第1支持端面5Aの幅寸法Aとほぼ同一にすると良い。
【0030】
更に、この通路用リング部26には等配に軸方向へ貫通溝が設けられている。そして、貫通溝を介してコイルスプリング(弾発手段)38が各々受けられている。このコイルスプリング38により回転用密封環12が非回転用密封環11方向へ弾発に押圧されている。この様に構成された2個1対のメカニカルシール10は各通路4、24ごとに空間部3内の接続通路24Aの両側に図1に示すように配置されて連通路30を構成する。
【0031】
この様に構成された第1実施の形態のロータリージョイント1Aは、作動流体である被密封流体が配管を通じて第1通路4から第2通路24に流入するときに空間部3内で通路の両側に配置されたメカニカルシール10に作用する。そして、メカニカルシール10を構成する非回転用密封環11の第1背面11Hに被密封流体が作用する。同時に、ほぼ同一面積の正面にも同一の力が作用する。転用密封環2の背面12Hとシールリング36の径方向面積にも被密封流体が作用する。そして、シールリング36を第2受圧背面12Dに圧接して回転用密封環12とロータ20との間をシールする。
この両背面11H、12Hの受圧面積はほぼ同一に構成されており、回転用密封環12はシールリング36の面積だけ大きな面圧を受ける。更に、回転用密封環12はばね手段38により非回転用密封環11側へ押圧されているから、摺動シール面11Aとシール面12Aとが強く密接する。その結果、第1通路4と第2通路24との連通路30は、これらのシール面11A、12Aとシールリング36により密封した状態に構成される。
【0032】
一方、この流体の代わりに第1通路4が真空状態に切り替えられた場合には、固定用密封環11に作用する圧力は、第1背面11Hと正面とは互いに消し合いながら第1保持部5により支持される。又、回転用密封環12に受ける圧力も同様に第2背面12Hと正面とに受ける圧力が消し合いながら、ばね手段38により押圧されているから第1シール面11Aに密接している。
同時に、シールリング36は、外表面がゴムより摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部36Aが設けられているから、回転用密封環12の第2案内面12Cなどに接着することもなく、又、シールリング取付溝13にもフッ素樹脂材等のコーテングが施されて低摩擦外周部12CHに形成されているから、接着することなく、第2支持面25A側に引き寄せられて第2支持面25Aに圧接し、第2案内面12Cの嵌合間をシールする。その結果、真空力により回転用密封環12がばね手段38を圧縮して第2背面12H側へ吸引力されて第2シール面12Aを第1シール面11Aから開くような状態にはならない。この低摩擦外周部36A、12CHは、シールリング36及びシールリング取付溝13の両方の面、又はシールリング36だけに設けても良い。更に、ロータ20のシールリングと接する外周面にも設けても良い。
【0033】
又、ロータ20の第2通路24から第1通路4に作動流体である被密封流体が流れる場合には、被密封流体の圧力が非回転用密封環11の第1受圧背面11Dに作用する。同時に、回転用密封環12の第2受圧背面12Dも第1受圧背面11Dとほぼ同一面積にすると良いから、被密封流体の圧力が均一にシール面11A、12Aに対して作用する。これは、第1受圧背面11Dと第2受圧背面12Dとの受圧面積が等しく、しかもシールリング36の表面が低摩擦に形成されて移動自在に構成されているからである。
そして、非回転用密封環11の第1シール面11Aと回転用密封環12の第2シール面12Aとが密接する。その状態で、ばね手段38が回転用密封環12を第1シール面11A方向へ押圧するから、各シール面11A、12Aは密封接触を強め、第1通路4と第2通路24との連結間をシールして連通路30を形成する。
【0034】
図3は、本発明に係わる第2実施の形態のロータリージョイント1Bの要部を示す半断面図である。
【0035】
図4に於いて、メカニカルシール10を構成する一方の非回転用密封環11は、保持部5に軸方向移動自在に保持されている。この非回転用密封環11の軸方向の端面には、第1シール面11Aが形成されており、この第1シール面11Aと反対面には、径方向幅寸法Bの第1背面11Hが形成されている。この第1背面11Hには第1ピン9と係合する第1係止溝11Bが設けられている。
又、非回転用密封環11には、第1嵌合面5Bと移動自在に嵌合して摺動する第1案内面11Cが設けられていると共に、径方向幅寸法Aの第1支持端面5Aと接面可能な径方向寸法Aの第1受圧面11Dが設けられている。この径方向寸法Aは第1シール面11Aの径方向寸法とほぼ同一寸法である。そして、嵌合面5Bのシールリング取付溝5Cに装着された第1シールリング35により嵌合面間に侵入する被密封流体がシールされる。このため、第1支持端面5Aと第1受圧背面11Dとの間に被密封流体が作用すると非回転用密封環11は回転用密封環12方向にPの力を受ける。
この非回転用密封環11は炭化珪素により構成されているが、その他の材質、例えば、カーボン材などにより構成することもできる。
【0036】
非回転用密封環11と対称の一方の位置には第1シール面11Aと密接する第2シール面12Aを設けた回転用密封環12が配置されている。そして、この回転用密封環12も非回転用密封環11と類似した形に形成されている。この回転用密封環11は、シール面12A側の正面と反対面に正面と同一寸法の径方向幅寸法Bの第2背面12Hが形成されているので、非回転用密封環11の第1背面11Hとも、ほぼ同一面積に形成されている。そして、この第2背面12Hにも第2止めピン29と係合する係止溝12Bが形成されている(図2参照)。
又、回転用密封環12には、第2嵌合面25Bと移動自在に嵌合して摺動する第2案内面12Cが設けられていると共に、第2支持端面25Aとの間に第2シールリング36を配置する間隔を形成する第2受圧背面12Dが設けられている。この間隙の第2受圧背面12Dと第2支持面25Aとの間はシールリング取付溝13に形成される。この第2受圧背面12Dの径方向幅寸法Aは、第1受圧背面11Dの径方向幅寸法Aとほぼ同一である。更に、第1嵌合面5Bのシールリング取付溝5Cに装着された第1シールリング35により嵌合面間に侵入する被密封流体はシールされる。
このシールリング取付溝13には、フッ素樹脂材などの摩擦係数が小さな材質をコーテングして低摩擦外周部12CHを形成している。更に、ロータ20の対応する外周面20Cにもフッ素樹脂をコーテングして低摩擦外周部を形成している。これらは、シーリング取付溝13と、ロータ20の両方又は1方のみを低摩擦外用部12CHとして選定することができる。
この回転用密封環12はカーボンにより構成されているが、その他の材質、例えば、炭化珪素材などにより構成される。
【0037】
対称を成す2つの回転用密封環12、12の間には、通路用リング26がロータ20に嵌着すると共に、止めねじ39により固定されている。この通路用リング26には、ロータ20の第2通路24と連通する接続通路24Aが設けられている。又、接続通路24Aは、第1通路4に対応する位置に配設されている。
そして、通路用リング26の両側面には、第2保持部25が各々形成されている。この第2保持部25には、第2止めピン29が設けられている。更に、両側面から軸方向へ突出する第2嵌合案内部25Rが両側に各々も受けられている。この第2嵌合案内部25Rには、外周面に第2嵌合面25Bが設けられていると共に、自由端に第2支持端面25Aが形成されている。この第2支持端面25Aと回転用密封環12の第2受圧背面12Dとの間により形成されるシールリング取付溝13には第2シールリング36が装着されている。このシールリング36により、回転用密封環12とロータ20との間をシールする。
【0038】
このシールリング36も第1実施例と同様にゴムの外表面がゴムなどに比べて摩擦係数が小さな材質のコーテングが施されている。このシールリング36は、Oリングの外に断面がXリングなど種々な形状に形成される。又、Oリング状のシールリング自体をゴムに比べて摩擦係数の小さな、例えばフッ素樹脂にすることもできる。又、ゴム材、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム材製のOリング外表面をフッ素樹脂材によりコーテングした低摩擦外周部36Aを有するものを実施した実施例がある。これらは、必要に応じて、シールリング36,シールリング取付溝13、ロータ20の外表面に設けられる。
【0039】
更に、この通路用リング26には等配に軸方向へ貫通溝が設けられている。そして、貫通溝を介してコイルスプリング(弾発手段)38が各々設けられている。このコイルスプリング38により回転用密封環12が非回転用密封環11方向へ弾発に押圧されている。この様に構成されたメカニカルシール10は各通路ごとに空間部3内の通路の両側に図1に示すように配置されて連通路30を構成する。
【0040】
この様に構成された第2実施の形態の第2ロータリージョイント1Bは、作動流体である被密封流体が配管を通じて第1通路4から第2通路24に流入するときにに、空間部3内で各通路4、24の両側に配置されたメカニカルシール10に圧力が作用する。そして、メカニカルシール10を構成する非回転用密封環11の第1背面11Hとその正面にも作用する。同時に、回転用密封環2の第2背面12Hとその正面にも同様に圧力が作用する。そして、この両正面と両背面11H、12Hの受圧面積はほぼ同一に構成されているから、両シール面11A、12Aはばね手段38により設定通りに接合する。又、回転用密封環12はばね手段38により非回転用密封環11側へ押圧されているから、第1シール面11Aと第2シール面12Aとが密接し、第1通路4と第2通路24とを接続した連通路30を形成する。
【0041】
更に、真空状態の場合にも、又ロータ20の第2通路24から第1通路4に被密封流体が流れる場合にも、第1実施の形態と同様な作用効果を奏する。
【0042】
図4は、本発明に係わる実施の形態の第1ロータリージョイント1A及び第2ロータリージョイント1Bを半導体製造装置に取り付けた構成図である。図5に於いて、図1に示す第1のロータリージョイント1Aをウェハポリッシングを行うCMP装置に於けるテーブル40へ冷却水を供給するために回転部に取り付けた状態を示す構成の側面図である。このCMP装置に取り付けた第1ロータリージョイント1Aを以下に説明する。
【0043】
回転テーブル40の下部には、図示省略のモータにより駆動される第1回転軸41が設けられている。この第1回転軸41には、冷却水用の供給通路42と冷却水用の回収通路43が設けられている。更に、第1回転軸41の下部には図1に示す構造の第1ロータリージョイント1Aが設けられている。
又、第1回転軸41の供給通路42と第1ロータリジョイント1Aの第1通路4(図1参照)が連通すると共に、回収通路43と第1通路4、4、4(図1参照)が連通する。そして、第1ロータリージョイント1Aの本体2の第1通路4、4、4、4と回転するロータ20の第2通路24、24、24、とは、各メカニカルシール10間に形成される連通路30、30、30、を介して回転状態でも連通する。
【0044】
更に、この供給通路42に接続された流体供給用ポンプ60から回転テーブル40に設けられた冷却回路44に、回転又は非回転状態に係わらず、冷却水を供給することが可能になる。そして、回転テーブル40に冷却水が送られてシリコンウェハSや回転テーブル40が冷却される。
【0045】
これらの冷却水は回転テーブル40の冷却回路44に対して十分に供給しなければならない。又、回収通路43も供給通路42の流量断面積と同等以上にしなければならない。しかし、本発明のようにシールリング36を耐摩耗性と共に、シールリングによる不具合を解決することにより、往復可能な通路にすることが可能であり、冷却通路と排出通路を兼用できるのでロータ20の径を大きくすることなく、多機能の通路を構成することが可能になる。更に、シールリング36の摩耗を惹起させることなく、優れたシール能力を発揮する。
【0046】
次に、図4に示すCMP装置の上部に取り付けられた第2ロータリージョイント1Bについて説明する。図4に於いて、40はシリコンウェハSを載置して加工する回転テーブルである。この回転テーブル40は、第1回転軸41に連結されてP1方向に回転する。同時に、第2ロータリージョイント1Bを装備したパッド支持体53は、図示するX方向に進退移動する。更に、パッド支持体53に支持されている図示省略の駆動モータにより回転する研磨パッド54が、パッド支持体53の下部に取り付けられている。この研磨パッド54は、パッド支持体53と研磨パッド54に連結している第2回転軸55によりP2方向へ回動する。そして、研磨パッド54は、回動しながらシリコンウェハ上をX方向に移動して研磨加工を行う。
【0047】
パッド支持体53に設けられている第1給排通路58は、配管により研磨液を圧送する給排装置70と連通されている。更に、この第1給排通路58は、第2ロータリージョイント1Bの第1通路4に連通すると共に、隣り合わせのメカニカルシール10の間に形成される連通路30を介して第2通路24に回動状態で連通可能になる。
又、第2ロータリージョイント1Bの第1通路4は、第2回転軸55に設けられている第2給排通路56に連通すると共に、研磨パッド54の噴射通路51に連通する。
【0048】
そして、給排装置70から圧送される研磨液を第1給排通路58を通して第2ロータリージョイント1Bの第1通路4へ送り、第2ロータリージョイント1Bでメカニカルシール10間に形成される連通路30を介して回転するロータ20の第2通路24へ供給され、第2回転軸55の第2給排通路56を介して研磨パッド54の噴射通路51に圧送する。そして、噴射通路51からシリコンウェハSの上面に研磨液を噴射してシリコンウェハSの表面研磨加工を行う。
【0049】
同時に、パッド支持体53に設けられている第1流体通路59は、配管により空圧の流体給給装置75に連通されている。更に、第1流体通路59は第2ロータリージョイント1Bの第1通路4、4、4に連通している。この第1通路4、4、4は、ロータ20の第2通路24、24、24にメカニカルシール10間の連通路30、30,30を介して回転状態でも連通する。そして、第2通路24、24、24から回転する第2回転軸55の第2流体通路57に連通すると共に、第2流体通路57から研磨パッド54の第2噴射通路52に連通して空気圧を噴射し、第1噴射通路51から噴射される研磨液を均一に分散させる作用をする。同時に、研磨した研磨液をシリコンウェハSや、回転テーブル40の上面等から素早く排除させるために第1噴射通路51内を真空状態にする。
【0050】
これらの真空状態は、研磨液を素早く吸い取る必要から、多数の第1及び第2噴射通路51、52を介して行うか否かにその品質がかかっている。
又、供排装置70により、研磨液等が第1給排通路58を介して第1通路4、・・、連通路30、・・、第2通路24、・・へ圧送され、第2ロータリージョイント1Bにより回転状態でも研磨パット54の第1噴射通路51及び第2噴射通路52に研磨液と空気圧とを供給するが、これらの作動は、供排装置70の正圧作動により研磨パット部54とシリコンウェハSとの間に流体供給装置75からの圧搾空気と共に、研磨液を噴射させて、研磨パット部54を回転させながらパット支持体53によりシリコンウェハSの上面を往復移動してシリコンウェハSを研磨するものである。尚、研磨パッド部54は、加工前後の作業のために、Y方向に上下移動する。
【0051】
更に、研磨終了後は、給排装置70の研磨ポンプを吸引作動に切り替えて第1噴射通路51に残留する研磨液を同一通路を介して吸引と排出とを可能にし、シリコンウェハSの表面に滴下しないように素早く処理する。これらは多数の通路を必要とするが、1つの通路を往復可能にすることによりこの通路の数を少なくして作動流体の処理制御を容易にすると共に、ロータ20を小径にして研磨パット部54やターンテーブルの作動制御を良好にする。本発明の第1及び第2ロータリージョイント1A、1Bは、作動流体に応じて往復可能な通路に構成でき且つメカニカルシール10のシールリング36の摩耗等を防止して耐久能力を向上させる効果を奏する。そして、本発明のロータリージョイント1A、1Bは、この様な用途に優れた効果を発揮する。
【0052】
更に、研磨終了後は、給排装置70の研磨ポンプを吸引作動に切り替えて各通路に残留する研磨液を往復通路を介して吸引排出し、シリコンウェハSの表面に滴下しないように素早く処理することが可能になる。これらの作動はシールリング36の表面を低摩擦材製にすることにより、確実にメカニカルシール10のシール能力を向上できるからである。本発明のロータリージョイント1は、往復通路を可能にし、しかも、メカニカルシール10のシール能力を確実にすることにより、この様な用途に優れた効果を発揮する。尚、図1及び図2に示すロータ20を軸方向へ貫通する通孔Sは、センサや制御用機器等に用いられるものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係わるロータリージョイントによれば、以下のような効果を奏する。
【0054】
請求項1〜請求項3に係わる本発明のロータリージョイントによれば、非回転用密封環と回転用密封環とのシール面に対して内周側から被密封流体が作用しても低摩擦でシールリングが移動自在に構成されているから、メカニカルシールのシール面が確実にシールする効果を奏する。
【0055】
又、ロータリージョイントを通る通路が真空状態になっても、シールリングが低摩擦でシールリング取付溝内を移動自在に構成されているから、固定用密封環と回転用密封環とのシール面の密接が設定通りに設計できて、確実にシール効果を発揮させることが可能になる。
【0056】
又、シールリングは摩擦係数が小さいからシールリングの形成面に接着した状態で被密封流体の圧力により無理に剥離されることもないから、摩耗、損傷するのが防止される効果を奏する。更に、スラリー液体、空気、真空状態が交互に作用する状態ではシールリングの面にスラリー液体が入り込んで、簡単に摩耗させるが、シールリングの摩擦係数を小さくするとシールリングの摩耗が防止できる効果を奏する。更に、シールリングのシールリング取付溝内での移動自在な構成は、固定用密封環と回転用密封環とのシール面を確実に密接させるから、シール面にスラリー液体が入り込んでシール面を摩耗させるのも防止する効果を奏する。
【0057】
請求項4に係わる本発明のロータリージョイントによれば、半導体製造装置用の多流路ロータリージョイントは、多流路の構成であると共に、流体がロータリージョイントの多流通路を連続して流入及び流出が繰り返されるものであるが、この様な用途のロータリージョイントに、1つの作動流通路で流体を往復できるように構成されているのでロータリージョイントとしての優れた効果を発揮する。つまり、本発明のようにシールリングを低摩擦にしてメカニカルシールのシール効果を高めると1つの流通路で作動流体を流入及び流出させることができ、作動流体の応答性を向上させることが可能になる。更に、シールリングの摩耗、損傷を防止し、メカニカルシールのシール能力を向上させることは、ロータリージョイントの耐久能力を向上させて、ロータリージョイントを取り付けた装置の処理能力を安定させる効果を奏する。例えば、シールリングが接着した不具合でメカニカルシール1のシール面が簡単に被密封流体を漏洩させるから、半導体製造装置の処理で簡単に不良を発生させることになるが、これが防止される効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態を示すロータリージョイントの断面図である。
【図2】図1に示すロータリージョイントの1部を拡大した断面図である。
【図3】本発明に係わる第2の実施の形態を示すロータリージョイント一部の断面図である。
【図4】本発明のロータリージョイントを装着したCMP装置の側面図である。
【図5】従来技術のロータリージョイントの断面図である。
【図6】図5の1部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 ロータリージョイント
1A 第1ローターリジョイント
1B 第2ロータリージョイント
2 本体
2A ブロック
3 空間部
4 第1通路
5 第1保持部
5A 第1支持端面
5B 第1嵌合面
5C Oリング取付溝
5R 第1嵌合案内部
6 内周面
9第1止めピン
10 メカニカルシール
11 第1密封環(非回転用密封環)
11A 第1シール面
11B 第1係止溝
11C 第1案内面
11D 第1受圧背面
11H 第1背面
12 第2密封環(回転用密封環)
12A 第2シール面
12B 第2係止溝
12C 第2案内面
12CH 低摩擦外周部
12D 第2受圧背面
12H 第2背面
13 シールリング取付溝(Oリング取付溝)
20 ロータ
21 取付治具
24 第2通路
24A 接続通路
25 第2保持部
25A 第2支持端面
25B 第2嵌合面
25R 第2嵌合案内部
26 通路用リング
28 外周面
29 第2止めピン
30 連通路
32 ボルト
33 軸受
34 配管
35 第1シールリング
36 第2シールリング
36A 低摩擦外周部
37 Oリング
38 ばね手段
39 止めねじ
60 流体供給ポンプ
65 流体回収ポンプ
70 給排装置
75 流体供給装置

Claims (4)

  1. 内周面内へ貫通する第1通路を有する本体と、
    前記本体の内周面と外周面が嵌合して回転自在に配置されていると共に前記外周面に貫通して前記第1通路と連通可能な第2通路を有するロータと、
    前記本体の内周面と前記ロータの外周面との間の前記第1通路と前記第2通路との接続空間部の両側に配置されて前記第1通路と前記第2通路との連通路を形成するメカニカルシールとを具備し、
    前記メカニカルシールは
    前記本体又は前記ロータの一方に有する第1保持部に保持されて一端に第1シール面を有する第1密封環と、
    前記ロータ又は前記本体の他方に有する第2保持部に軸方向移動自在に保持されて対向する前記第1シール面と密接する第2シール面を有すると共に他端に弾発手段により押圧される第2背面を有する第2密封環とを備え、
    前記第2密封環には第2案内面に第2支持端面との間に形成されるシールリング取付溝を有し、且つ前記シールリング取付溝に装着されたゴム状弾性材製のシールリングを有すると共に前記シールリングの表面に前記ゴム状弾性材より摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部を有することを特徴とするロータリージョイント。
  2. 前記第1保持部には内周に前記第2密封環方向へリング状に突出して外周面に第1嵌合面を有すると共に自由端に第1支持端面を形成した第1嵌合案内部を有し、
    前記第1密封環にはシールリングを介して前記第1嵌合面に嵌合する第1案内面を有すると共に前記第1支持端面と対向する第1受圧背面を有し、
    前記第2保持部には前記第1密封環側へリング状に突出して外周面に第2嵌合面を有すると共に自由端に前記第2支持端面を形成した第2嵌合案内部を有し、
    前記第2密封環には前記第2嵌合面と嵌合摺動する第2案内面を有すると共に前記第2案内面と前記第2支持端面との間にシールリング取付溝を形成する前記第2受圧背面を有し、前記第1受圧背面の面積と前記第2受圧背面の面積とをほぼ同一面積に形成したことを特徴とする請求項1に記載のロータリージョイント。
  3. 内周面内へ貫通する第1通路を有する本体と、
    前記本体の内周面と外周面が嵌合して回転自在に配置されていると共に前記外周面に貫通して前記第1通路と連通可能な第2通路を有するロータと、
    前記本体の内周面と前記ロータの外周面との間の前記第1通路と前記第2通路との接続空間部の両側に配置されて前記第1通路と前記第2通路との連通路を形成するメカニカルシールとを具備し、
    前記メカニカルシールは
    前記本体又は前記ロータの一方に有する第1保持部に保持されて一端に第1シール面を有する第1密封環と、
    前記ロータ又は前記本体の他方に有する第2保持部に軸方向移動自在に保持されて対向する前記第1シール面と密接する第2シール面を有すると共に他端に弾発手段により押圧される第2背面を有する第2密封環とを備え、
    前記第1保持部は、内周に、前記第2密封環方向へリング状に突出して外周面に第1嵌合面を有すると共に自由端に第1支持端面を形成した第1嵌合案内部を有し、
    前記第1密封環は、シールリングを介して前記第1嵌合面に嵌合する第1案内面と、前記第1支持端面と対向する第1受圧背面とを有し、
    前記第2保持部は、前記第1密封環側へリング状に突出して外周面に第2嵌合面を有すると共に自由端に前記第2支持端面を形成した第2嵌合案内部を有し、
    前記第2密封環は、前記第2嵌合面と嵌合摺動する第2案内面と、前記第2案内面と前記第2支持端面との間にシールリング取付溝を形成する前記第2受圧背面と、前記シールリング取付溝に装着されたゴム状弾性材製のシールリングとを有し、
    前記シールリングの表面、及び、前記シールリング取付溝の前記シールリングと接合する面のいずれか一方又は両方に、前記ゴム状弾性材より摩擦係数の小さな材質の低摩擦外周部を有し、
    前記第1受圧背面の面積と前記第2受圧背面の面積とをほぼ同一面積に形成したことを特徴とするロータリージョイント。
  4. 前記ロータリージョイントが半導体製造装置用多流路ロータリージョイントとして用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロータリージョイント。
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